JPH06265493A - 流体の状態の測定方法及びゲル化点・ゾル化点温度の測定方法 - Google Patents

流体の状態の測定方法及びゲル化点・ゾル化点温度の測定方法

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JPH06265493A
JPH06265493A JP5050904A JP5090493A JPH06265493A JP H06265493 A JPH06265493 A JP H06265493A JP 5050904 A JP5050904 A JP 5050904A JP 5090493 A JP5090493 A JP 5090493A JP H06265493 A JPH06265493 A JP H06265493A
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Kazuichi Aoki
和一 青木
Toshiaki Shiotani
敏明 塩谷
Atsumi Tobiya
篤美 飛谷
Yukihiro Saeki
幸弘 佐伯
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱センサーの発熱による影響を受けない流
体の状態の測定方法、特に流体のゲル化点温度やゾル化
点温度の測定方法を提供する。 【構成】 加熱・冷却媒体中に二つ以上配置した容器中
にゲル化・ゾル化する被測定流体を入れ、それら容器の
うちの任意の一つもしくは二つ以上の容器に発熱し、か
つ自らの温度を計測可能な発熱センサーを配置し、他の
容器に被測定流体の測温素子を配設する。そして、発熱
センサーと被測定流体の温度差が一定となるように通電
を制御し、供給電流値もしくは電圧値の変化が最大勾配
を示しているときの延長線と、ゲル域において供給電流
値もしくは電圧値が平衡状態となったときの延長線との
交点における発熱センサーの表面温度をゲル化点温度も
しくはゾル化点温度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱センサーを流体中
で発熱させて、該発熱センサーと流体の温度を計測して
流体の状態変化を測定する方法に関し、特に流体のゲル
化点温度とゾル化点温度を測定する方法に関するもので
ある。 本発明によれば、流体のゲル化点温度やゾル化
点温度を非破壊的に測定でき、また、流体のゲル化点温
度やゾル化点温度を把握することによって、ゼラチン、
寒天などの品質管理、食品加工における製造工程管理や
加工食品の調理温度、調理時間等の管理を容易にできる
といった利点がある。
【0002】
【従来の技術】ゲル化点温度を測定する方法として、J
IS規格では冷却媒体中に配置した容器にゲル化物を入
れ、媒体を規格に基づいて温度操作することによってゲ
ル化物が固化する時点を目測し、ゲル化点温度を決定し
ている。また同様に、目測によって固化状態から溶融す
るときの温度をゾル化点温度として計測している。
【0003】また、熱的にゲル化点温度を測定する技術
としては、以下のものが知られている。1.特開平2−
62948号「ゲル化点温度の測定方法」 この発明は、ゲル化物と熱的に接触させた発熱センサー
の温度変化からゲル化点温度を測定する方法である。ゲ
ル化物の冷却もしくは加熱速度を2種以上に変化させて
流体の状態変化を計測し、各測定結果の示す定常状態変
化の温度から、冷却もしくは加熱速度が0のときのゲル
化点温度を外挿して求め、これをゲル化点温度とするも
ので、冷却速度や加熱速度の影響を補正することによる
ゲル化点温度の測定方法である。2.特開平1−257
253号「ゼラチンゲルの融点測定法」 この発明は、着色液とゼラチンゲルを封入した試験管を
水槽内にセットし、水温を上昇させて、着色液が下方に
落下する瞬間の温度を測定してゲル化点温度を測定する
方法である。 3.特開平3−503449号「液状またはゲル状媒体
の示差熱測定によるその状態の変化の研究、制御方法と
この方法の実施装置」 この発明は、発熱作用を有しかつ自らの温度を測温でき
る素子と、媒体の温度を測定する素子を用いた、ゲル化
などの媒体の状態変化を測定する方法と装置に関するも
のである。 4.特公平3−76702号「液体及び半固体状物質の
物性変化の測定方法」 この発明は、細線加熱法により、発熱センサーの電流値
から流体の状態変化を測定する方法に関するものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の手段に
は以下の問題がある。先ず、JIS規格のゲル化点温度
とゾル化点温度の測定方法は、温度測定に人為的判断が
介在し、測定ごとに測定値が異なってくるため、数回の
測定をしてその平均値を決定せざるを得ない。この方法
は時間がかかり、試料の無駄が多い。また、測定の即応
性に欠けるといった難点がある。更に、測定に時間がか
かるため、調理や食品加工において材料が変化し、測定
結果が材料と一致しない結果を生むこともある。とくに
吸湿性の高い材料については、ゲル化点やゾル化点の温
度測定を短時間で行わなければならないが、JIS規格
の測定方法はそのような材料について測定できない。
【0005】また、熱的にゲル化点温度を測定する手段
として掲げた上記の発明には、以下の問題がある。1.
特開平2−62948号の発明は、冷却もしくは加熱速
度を2種以上に変化させて計測する必要があり、少なく
とも2回の計測が必要である。また、冷却速度が変化し
た場合におけるゲル化点温度の測定には至っていない。
この発明のようにゲル化を発生する前の値での回帰線を
ベースラインとすると、ベースラインとなるデータが不
安定の場合や測定値を結ぶ直線の傾きの回帰幅等により
交点位置が変動することがあり、ゲル化物の種類によっ
ては正確な結果がえられない。2.特開平1−2572
53号の発明は、人為的判断が介在する方法である。ま
た、ゲル化温度に幅をもたせて測定するので、工業的に
実用性が少ない。3.特開平3−503449号の発明
は、実質的にゲル化点温度を測定するものではなく、変
化したかどうかの事実を判定しているに過ぎない。この
発明は、流体のゲル化点温度を測定する手段ではなく、
一定の温度環境において流体が状態変化した時機を判定
しているに過ぎないものである。4.特公平3−767
02号の発明にあっては、流体の測定を行うにあたっ
て、どのような測定環境にするかを具体的に示唆する記
載がない。
【0006】何れにしても、従来は発熱センサーと測温
素子を同一の容器内に配置し、発熱センサーから流体へ
熱伝導する現象を利用してゲル化点温度を測定している
が、発熱センサーの発熱によって測定値に影響がもたら
されることについて配慮していなかった。本発明は、発
熱センサーの発熱による影響を受けない測定環境を構成
することにより、流体のゲル化点温度もしくはゾル化点
温度をより正確に測定できる手段を得ることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、加熱
・冷却媒体中に二つ以上配置した容器中に被測定流体を
入れ、一つ以上の容器に発熱作用を有するとともに自ら
の温度を計測可能な発熱センサーを配設し、他の容器の
一つ以上に被測定流体の測温素子を配設して、これら発
熱センサーと測温素子で計測される温度や電流等の計測
値から被測定流体の状態を測定するようにした。そし
て、発熱センサーを通電により発熱し、かつ自らの温度
を計測可能なもので構成し、該発熱センサーの発熱時に
おいて発熱センサーと被測定流体の温度差が一定となる
ように発熱センサーへの通電を制御し、このときの供給
電流値もしくは電圧値の変化を計測し、供給電流値もし
くは電圧値の変化が最大勾配を示しているときの延長線
と、ゲル域において供給電流値もしくは電圧値が平衡状
態となったときの延長線との交点における発熱センサー
の表面温度をゲル化点温度もしくはゾル化点温度とする
ようにした。
【0008】
【作用】加熱・冷却媒体中に二つ以上配置した容器中に
ゲル化する被測定流体を入れ、それら容器のうちの任意
の一つもしくは二つ以上の容器に電流の供給により発熱
し、かつ自らの温度を計測可能な発熱センサーを配置
し、他の容器に被測定流体の測温素子を配設する。そし
て、発熱センサーに通電して発熱させる。この発熱セン
サーの発熱時において発熱センサーと被測定流体の温度
差が一定となるように発熱センサーへの供給電流もしく
は供給電圧を制御する。そして、供給電流値もしくは供
給電圧値の変化を発熱センサー表面温度との関係でグラ
フに表し、供給電流値もしくは供給電圧値の変化が最大
勾配を示しているときの延長線と、ゲル域において供給
電流値もしくは供給電圧値が平衡状態となったときの延
長線との交点における発熱センサーの表面温度をゲル化
点温度とする。なお、発熱センサーの表面温度は特開昭
63−217261号「通電加熱法に用いられるセンサ
ーの表面温度の測定方法」等を利用して測定する。ま
た、測温素子は加熱冷却媒体の温度を測定することで代
用することも可能である。更に、一般に通電の制御は供
給電流量の制御によって行うが、例えば、本出願人が先
に提案した特開平2−234032号のような発熱セン
サーを使用し、コンスタンタンなどの温度変化に対して
抵抗変化を起こさない材料を発熱体として使用すると、
オームの法則に基づいて、電圧量を制御することによっ
て変化を計測することができるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明に使用する発熱センサー1の構造図である。絶縁物
質5で金属細線4を固定した発熱体6がセンサーシース
7の内部に絶縁物質8を用いて固定されている。発熱体
6には4端子計測用のリード線9…が接続してある。基
本的には特開昭64−44838号のセンサーと同様の
構成である。以上のようなセンサー1において、図2に
示すように、リード線9を電流源10と電圧計11に接
続し、これら電流源10と電圧計11を制御装置12で
制御する構成になっている。以上のようなセンサー1に
おいて、リード線9より金属細線4に電流を供給して発
熱せしめ、電圧計11で金属細線4で電圧値を計測し
て、その抵抗値より発熱センサー1の温度を計測する。
なお、この発熱センサー1のリード線9から発熱体6の
発熱が無視できる程度の微小量電流を供給すれば、その
時の電圧値から流体の温度を測定でき、単なる測温素子
としても用いることできる。
【0010】しかして、以上のような発熱センサー1を
流体f中で発熱させると、図3に示すように、発熱セン
サー1の周囲に熱伝達の理論による温度境界層2が形成
される。即ち、電流の供給によって発熱した発熱センサ
ー1の表面温度がθSaとなり、発熱センサー1から離れ
るにしたがって温度が降下して、温度境界層2の外側で
は流体温度θ∞になって一定になり、測温素子3で計測
される温度は流体温度θ∞と等しい。しかし、流体fが
ゲル化すると対流はなくなり、伝導伝熱による熱の移動
のみになって発熱センサー1の表面温度がθSbとなり、
温度境界層2’の範囲が拡大する。従って、図3のよう
に同一流体中に発熱センサー1と測温素子3を配置する
と、ゲル化後においては、伝導伝熱による熱の影響を受
けることにより測温素子3で流体fの温度θ∞を正確に
計測にできなくなる心配がある。
【0011】ここで、以上のように同一流体中に発熱セ
ンサー1と測温素子3を配置することによって、測温素
子3で計測される温度が発熱センサー1の発熱による伝
導伝熱の影響を受けているかいないかを計測して、流体
のゲル変化を判定することも考えられるが、そのような
方法によると、測温素子3と発熱センサー1の配置関係
が問題になる。即ち、温度境界層2の範囲は流体fの種
類によって異なり、また発熱センサー1の発熱量などに
よっても変化するので、流体の種類や発熱量にあわせて
測温素子3の配置位置を変更しなければならないという
問題がある。また、本発明のように加熱・冷却媒体中に
配置した容器中に被測定流体を入れて流体の状態を測定
しようとする場合、容器内の流体中に温度勾配が生じ
る。例えば、容器に入れた流体を冷蔵庫で冷却して凝固
させる場合、流体は容器中心まで均一に温度降下するの
ではなく、外側が先に冷却され、中心ほど遅れて冷却さ
れる。更に、発熱センサーの発熱作用を利用して測定し
ているので、発熱センサーの発熱作用が冷却作用と反し
ているため、容器内の温度勾配をさらに大きくさせる傾
向がある。従って、測温素子3の周辺の流体がゲル化を
起こし初めても、発熱センサー1の周辺の流体はまだゲ
ル化していないような場合もあり、正確なゲル化点温度
の測定が困難になる。
【0012】そこで本発明実施例にあっては、図4に示
すように冷却媒体15を充填した水槽16中に、形状、
材質等の条件が等しい二つの容器17、18を配置し、
これら容器17、18中にゲル化する被測定流体fを入
れて、一方の容器17に発熱センサー1を配置し、他方
の容器18に測温素子3を配設した構成とすることによ
って、発熱センサー1からの熱の影響が測温素子3に及
ばないようにしたものである。以上のような測定装置に
おいて、電流源10より電流を供給して発熱センサー1
を発熱させる。また、測温素子3には発熱を生じさせな
い微小電流を供給し、その電圧値から流体温度を計測す
る。そして、発熱センサー1の発熱時において発熱セン
サー1と被測定流体fの温度差が一定となるように発熱
センサー1への供給電流を制御し、供給電流の変化から
ゲル化点温度を測定する。なお、以上のようにして測定
した供給電流値の変化を発熱センサー表面温度との関係
でグラフに表し、そのグラフにおいて供給電流値の変化
が最大勾配を示しているときの延長線と、ゲル域におい
て供給電流値が平衡状態となったときの延長線をひいて
両者の交点を定め、そのときにおける発熱センサーの表
面温度をゲル化点温度として求めるものである。また、
同様にして、被測定流体が固化状態にあるときから計測
して、溶融するときの温度をゾル化点温度として求め
る。ゲル化点温度もしくはゾル化点温度を決定するのに
発熱センサーの表面温度を用いるのは、発熱センサー周
辺の流体温度が測温素子周辺の流体温度よりも常に高く
なるため、測温素子周辺でゲル化もしくはゾル化を起こ
し始める時期と発熱センサー周辺でゲル化やゾル化が始
まる時期との時間的ずれがあることを考慮したからであ
る。即ち、発熱センサー周辺が測温素子周辺よりも常に
高い温度場となるため、ゲル化は測温素子周辺で先に始
まり、ゾル化は発熱センサー周辺で先に始まる。従っ
て、実際に流体の状態を計測している発熱センサーの表
面の温度から、流体のゲル化点温度とゲル化点温度を決
定するのがもっとも妥当と考えられるからである。
【0013】以下に実験例を紹介し、本発明実施例を説
明する。 (実験1)先ず、5%のゼラチン溶液を温度変化させ
て、動的弾性率計で動的弾性率の変化を調べると共に、
B型粘度計で粘性変化を調べて、ゲル化点温度を計測し
た。図5はその測定結果を示しており、横軸は流体温度
θ∞、左縦軸は動的弾性率、右縦軸は粘度をそれぞれ表
している。図中、実線20が動的弾性率計で計測した動
的弾性率の変化を表し、点線21がB型粘度計で計測し
た粘性の変化を表している。このグラフ(図5)から、
動的弾性率20が変化する初期の段階で粘性21も変化
し、ゲル化したことが解る。この試料におけるゲル化開
始温度は約23.5℃であった。
【0014】(実験2)実験1と同じ5%のゼラチン溶
液を用い、従来の方法のように、同一容器内に発熱セン
サー1と測温素子3を配置し、発熱センサー1の発熱量
を一定にするように制御して、発熱センサー1と測温素
子3で計測される温度差の変化からゲル化点温度を測定
した。発熱センサー1と測温素子3を溶液を充填した2
00ccのビーカー内に配置し、発熱センサー1と測温
素子3の間の距離を5mmと30mmにそれぞれ設定
し、ゲル化点温度を測定した。図6はその測定結果を示
しており、横軸は測温素子3で測定される流体温度θ
∞、縦軸は発熱センサー1と測温素子3で計測される温
度差Δθ(θS−θ∞)を表している。図中、実線22
が発熱センサー1と測温素子3の間の距離を5mmに設
定したときの温度差Δθの変化を表し、実線23が同距
離を30mmに設定したときの温度差Δθの変化を表し
ている。しかして、この実験2のように同一容器内に発
熱センサー1と測温素子3を配置すると、両者の距離に
よって温度差Δθの変化が異なって測定される結果とな
り、ゲル化点温度が特定できなかった。
【0015】(実験3)実験1、2と同じ5%のゼラチ
ン溶液を用い、図4で説明した本発明実施例の方法によ
ってゲル化点温度を測定した。即ち、冷却媒体15を充
填した水槽16中の容器17に発熱センサー1を配置
し、容器18に測温素子3を配置して、発熱センサー1
と測温素子3で計測される温度差が一定となるように発
熱センサー1への供給電流を制御し、供給電流の変化か
らゲル化点温度を測定した。図7はその測定結果を示し
ており、横軸は発熱センサー1の表面温度θS、縦軸は
発熱センサー1に供給される電流値を表している。図
中、実線24が供給電流の変化を示すものである。 図
示のように、電流値の大きい領域25と、電流値が次第
に小さくなって行く領域26と、電流値の小さい領域2
7の三つに分けて説明すると、領域25は被測定流体が
ゾル状態である範囲であり、この状態では対流伝熱によ
って発熱センサー表面から熱が奪われるため電流値が大
きくなる。 そして、領域26において徐々に被測定流
体の粘度が増して行くことにより、伝導伝熱が次第に主
体となって電流値が小さくなっていく。そして、領域2
7において被測定流体が完全にゲル化すると、伝導伝熱
状態となり、供給電流値が小さくなって安定する。
【0016】また図8に示すように、領域26において
供給電流値の変化が最大勾配を示しているときの延長線
28と、領域27において被測定流体がゲル化し、供給
電流値が平衡状態となったときの延長線29との交点3
0を定め、この時の発熱センサーの表面温度をゲル化点
温度と決定した。しかして、動的弾性率計による実験1
で求めたゲル化点温度と実験3において本発明方法によ
り求めたゲル化点温度を比較したところ、両者はよく一
致し、本発明が信頼できることを立証できた。
【0017】(実験4)5%のゼラチン溶液を用いて、
被測定流体の冷却速度を変えるとゲル化点温度がどのよ
うに変化するかを調べた結果、図9に示すようになっ
た。図中○は実験1に従って動的弾性率計によって求め
たゲル化点温度であり、●は実験3に従って本発明方法
により求めたゲル化点温度である。しかして、両者はほ
ぼ一致し、冷却速度が変化しても本発明によって測定し
たゲル化点温度が信頼できることが分かった。また更
に、この5%のゼラチン溶液を冷却、加熱し、ゲル化と
ゾル化を計測したところ、図10に示すような結果とな
った。図中、点線は本発明方法による測定結果で、実線
は動的弾性率計による測定結果である。ゾル化について
も良好な結果が得られている。
【0018】(実験5)ゼラチン濃度を変えて計測した
ところ、図11に示す結果が得られた。図11におい
て、各測定法における温度、左縦軸は動的弾性率、右縦
軸は電流値をそれぞれ表している。また、曲線31、3
2、33はゼラチン濃度がそれぞれ2.5%、5.0%、
10%のときの動的弾性率の変化を表し、曲線34、3
5、36はゼラチン濃度がそれぞれ2.5%、5.0%、
10%のときの電流値の変化を表している。
【0019】(実験6)また、ゼラチン以外のゲル化試
料についてゲル化点温度を計測したところ、図12(表
1)の結果が得られた。
【0020】以上、種々の実験例を用いて本発明を説明
したが、本発明方法によれば発熱センサーから測温素子
への熱の影響を考慮しなくてよく、被測定流体を入れた
各容器を同一形状、同一容量、同一材質とすることによ
って冷却速度の差を無くすことができ、また、センサー
を収容できる容器容量であれば足りるから試料が小量で
済み、冷却する時間も少なくてすむといった利点があ
る。なお、測温素子と発熱センサーの配置数や組合せに
制限はなく、加熱・冷却媒体としては水、プロピレング
リコール溶解液、ブラインなど種々のものを使用でき
る。また、被測定流体を利用してもよい。 また、測温
素子を加熱冷却媒体の中に配置して発熱センサーとの温
度差を一定に制御し、電流もしくは電圧の変化を計測す
ることによってゲル化点温度やゾル化点温度を測定して
もよい。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果を奏すること
ができる。 1.被測定流体を組織破壊しないでゲル化点温度やゾル
化点温度を測定できるので破壊応力による測定誤差が生
じることがなく、また、食品などの場合は破壊による材
料損失の発生を防止できる。2.ゲル化・ゾル化の状態
を短時間で測定でき、応答性が高い。また、簡単な測定
装置で済み、測定場所が限定されず、生産ラインや、調
理現場などに測定装置を設けることが可能である。3.
測定試料が小量ですむため、被測定流体の損失を最小限
にでき、損益が少ない。また、測定時間も短縮でき、応
答性のよい測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発熱センサーの構造図
【図2】発熱センサーの配線図
【図3】温度境界層の説明図
【図4】本発明実施例方法を実施するための装置図
【図5】実験1の測定結果を示すグラフ
【図6】実験2の測定結果を示すグラフ
【図7】実験3の測定結果を示すグラフ
【図8】実験3で求めた供給電流値の変化曲線の部分拡
大図
【図9】実験4の測定結果を示すグラフ
【図10】実験4の測定結果を示すグラフ
【図11】実験5の測定結果を示すグラフ
【図12】実験6の測定結果を示すグラフ
【符号の説明】
f 被測定流体 1 発熱センサー 3 測温素子 15 冷却媒体 17、18 容器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱・冷却媒体中に二つ以上配置した容
    器中に被測定流体を入れ、一つ以上の容器に発熱作用を
    有するとともに自らの温度を計測可能な発熱センサーを
    配設し、他の容器の一つ以上に被測定流体の測温素子を
    配設して、これら発熱センサーと測温素子の計測値から
    被測定流体の状態を測定する流体の状態の測定方法。
  2. 【請求項2】 通電により発熱し、かつ自らの温度を計
    測可能な発熱センサーをゲル化する被測定流体中に配置
    し、該発熱センサーの発熱時において発熱センサーと被
    測定流体の温度差が一定となるように発熱センサーへの
    通電を制御し、このときの供給電流値もしくは電圧値の
    変化を計測し、供給電流値もしくは電圧値の変化が最大
    勾配を示しているときの延長線と、ゲル域において供給
    電流値もしくは電圧値が平衡状態となったときの延長線
    との交点における発熱センサーの表面温度をゲル化点温
    度もしくはゾル化点温度とするゲル化点温度・ゾル化点
    温度の測定方法。
  3. 【請求項3】 加熱・冷却媒体中に二つ以上配置した容
    器中に被測定流体を入れ、一つ以上の容器に通電により
    発熱し、かつ自らの温度を計測可能な発熱センサーを配
    設し、他の容器の一つ以上に被測定流体の測温素子を配
    設して、該発熱センサーの発熱時において発熱センサー
    と被測定流体の温度差が一定となるように発熱センサー
    への通電を制御し、このときの供給電流値もしくは電圧
    値の変化を計測し、供給電流値もしくは電圧値の変化が
    最大勾配を示しているときの延長線と、ゲル域において
    供給電流値もしくは電圧値が平衡状態となったときの延
    長線との交点における発熱センサーの表面温度をゲル化
    点温度もしくはゾル化点温度とするゲル化点温度・ゾル
    化点温度の測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104849301A (zh) * 2015-05-12 2015-08-19 东华大学 一种预浸料凝胶时间测试装置
CN105424740A (zh) * 2015-12-10 2016-03-23 西安交通大学 一种熔盐换热/储热设备性能测试装置

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