JPH06265410A - 輻射を用いたプロセス状態検出装置及び制御装置 - Google Patents

輻射を用いたプロセス状態検出装置及び制御装置

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Publication number
JPH06265410A
JPH06265410A JP5053763A JP5376393A JPH06265410A JP H06265410 A JPH06265410 A JP H06265410A JP 5053763 A JP5053763 A JP 5053763A JP 5376393 A JP5376393 A JP 5376393A JP H06265410 A JPH06265410 A JP H06265410A
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JP
Japan
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wavelength
epr
value
spectrum
emissivity
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Application number
JP5053763A
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English (en)
Inventor
Tomotaka Marui
智敬 丸井
Naoki Nakada
直樹 中田
Akira Torao
彰 虎尾
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温で輻射エネルギを発する製造物のプロセ
ス処理中の状態の検出及び制御を高精度で行う。 【構成】 プロセス材料の放出する輻射エネルギを、回
転板状の可変透過波長フィルタないしは偏光フィルタを
通して、複数の離隔波長帯域又は、偏光角を用いる光電
変換素子により検出し、放射率累乗比のスペクトルを求
め、それによりプロセス状態検出・制御の精度を向上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、半導体、超伝導
材料等を製造する際のように、プロセス材料が高温にな
り輻射エネルギを発する製造物のプロセス中の状態の検
出ならびに自動制御の精度を高めるのに好適な、輻射を
用いたプロセス状態検出装置及び制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば従来、表面処理鋼板等を連続的に
プロセス処理する際に、その表面に生じる酸化膜の厚さ
(真の制御量)を目標値に制御するためには、その膜厚
をオンラインで計測することができないので、制御量と
して温度を用い、温度と膜厚との間に一定の関係がある
ことを前提として、温度を制御することにより間接的に
膜厚の制御を行っていた。
【0003】連続プロセスラインでは、通常プロセス材
料の表面温度を放射温度計を用いて測定しているが、上
記表面処理鋼板等のプロセス材料のようにその表面に酸
化膜が形成され、経時的に成長していく場合には、その
表面からの分光放射率も変化するために制御量である温
度を必ずしも正確に測定できない。
【0004】即ち、放射測温技術を応用して熱物体の表
面温度を測定する放射温度計には、測定に使用する波長
が1つの単色温度計と、2つの2色温度計等があり、単
色温度計ではもとより、2波長を使用する2色温度計で
も測定対象の放射率が変化する場合には大きな測定誤差
が生じる。
【0005】2色温度計では、測定する2波長での分光
放射率がほぼ等しいか又は一定の比例関係が成立する場
合には温度測定精度に問題はないが、熱物体の表面状態
が酸化反応等で急変し、分光放射率が上記関係から外れ
るときには測定精度が著しく悪くなる(単色式放射温度
計はこれよりも更に誤差は大きい)。
【0006】この測定精度問題を解決した放射温度計と
して放射率を補正して使用する改良形2色温度計が、特
公平3−4855に開示されている。
【0007】又、上記改良形2色温度計と実質的に同一
の放射測温技術に、田中、D.P.Dewi、ttによる「Theory
of a New Radiation Thermometry Method and an Expe
rimental Study Using Galvannealed Steel Specimens
」(計測自動制御学会論文集第25巻第10号103
1/1037頁1989年10月)に開示されているT
RACE(Thermometry Re-established by Automatic
Compensation of Emissivity)法がある。このTRAC
E法は、特公平3−4855に開示されている改良形2
色温度計に比べ、繰り返し計算があるため、計算が複雑
で時間がかかり、又、実験式を作り難い等の欠点があ
る。
【0008】上記改良放射温度計とTRACE法は基本
的に同一の計算法を採用しているので前者を中心に説明
する。
【0009】特公平3−4855は、Wien (ウィー
ン)の近似則を用いるもので、初めに以下の説明で使用
する記号の原則的意味を明らかにしておく。
【0010】 温度測定波長 :λ1 、λ2 、・・・λ
i [μm ] 上記各波長の近接波長 :λ1x、λ2x、・・・λ
ix[μm ] 上記波長の大小関係 λ1 <λ1x<λ2 <λ2x<・
・・<λi <λix 温度測定波長λi における分光放射率 :εi [μm
] 近接波長λixにおける近接分光放射率 :εix[μm
] 熱物体表面 真温度 :T[K] 熱物体表面 波長λi における輝度温度 :Si [K] 熱物体表面 波長λixにおける輝度温度 :Six[K] 放射(Plank )第1定数C1 :3.7418×104 [W
・cm-2・μm 4 ] 放射(Plank )第2定数C2 :1.4388×104 [μ
m ・K]
【0011】輻射に関するWien の近似式は次式(1)
である。
【0012】 Lλi =εi 1 /λi 5 {exp (C2 /λi T)}-1 …(1)
【0013】ここで添字のi は2波長に応じてi =1,
2である。2波長に応じた2つの式から真温度Tを消去
すると、次式(2)が得られる。
【0014】
【数1】
【0015】この式中の定数を見れば明らかに次の
(3)の関係が成り立つことがわかる。
【0016】
【数2】
【0017】従って、2波長で観測されるエネルギ信号
Lによって、(3)式左辺のような波長累乗比を計算す
ると、それは右辺の放射率の関数に比例した値となる。
【0018】この(3)式の右辺を「放射率累乗比」と
呼び、EPR(Emissivity Power Ratio)と略記する。
【0019】上記の式変形を輝度温度Si を用いて繰り
返すと、Wien の近似式の同値変形は次の(4)式であ
り、これから真温度Tを消去すると以下の(5)式が得
られる。
【0020】 T={Si -1+(λi /C2 )・lnεi -1 (i =1.2) …(4)
【0021】
【数3】
【0022】(5)式は可観測の輝度温度から放射率累
乗比EPRを求める式であり、(3)式と同値である。
【0023】(3)式あるいは(5)式からわかるよう
に、EPRの値はオンラインで可観測である。
【0024】特公平3−4855では、次の(6)式に
示すような、EPRと放射率累乗比の関数f をオフライ
ンで実験で予め観測によって求めておき、このf によっ
てEPRから放射率累乗比を求めている。
【0025】
【数4】
【0026】ここではEPRの形から、放射率比との相
関がとり易いことを利用している。
【0027】又、放射率累乗比EPRの特別な場合とし
て、測定角度ないしは偏光角度を利用した方式も本発明
者によって提案されている。
【0028】これは2組の異なった測定角度ないしは偏
光角度θa 、θb にて測定される2つの輝度エネルギ信
号から、前記と同様にEPRをオンラインで得るもので
ある。
【0029】この場合、2組の測定において測定波長λ
自体は同一であるので、EPRは放射率比の単純な波長
の累乗となり、放射率比がオンラインで得られることに
なる。
【0030】(5)式に対応する測定角、偏光角度方式
の場合の式は、θa 、θb での放射率をそれぞれεa
εb とすると次式のようになる。
【0031】 εa /εb =exp {C2 /λ(1/Sa −1/Sb )} …(7)
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
式を用いる測定方法は、表面状態が酸化反応等で変化す
る熱物体に適用する場合には、表面変化に対して「鈍
い」測定波長を選択すれば、よい精度で温度測定が可能
であるが、選択波長の放射率累乗比が表面状態の変化に
対して敏感に変化する場合には、測定精度が著しく悪く
なる。
【0033】又、前述した如く、放射温度計では、鋼板
を連続的に処理する場合のように材料の表面状態が経時
的に変化し、それに伴って放射率も変化する場合には、
プロセス材料の表面温度をオンラインで正確に測定する
ことはできない。従って、プロセス材料の表面温度を制
御量として使用し、炉温等の加熱温度やラインスピード
等の操作量を制御しても酸化膜の厚さを高精度に制御す
ることができないという問題がある。
【0034】又、仮に表面温度を正確に測定することが
できたとしても、その温度に酸化膜厚が正確に対応して
いるとは限らないので、同様に測定温度を制御量として
使用しても酸化膜厚を目標値に制御できるとは限らない
という問題がある。
【0035】これらの問題点を解決するために、本発明
者は既に特願平3−352797において、連続プロセ
スラインの場合に、複数の放射温度計の波長と測定角度
をうまくとることによって好適な制御を可能とするプロ
セス制御装置を提案している。
【0036】しかしながら、最近の半導体のナノメート
ルオーダの薄膜成長制御、超電導体の積層多重薄膜成長
制御、あるいはX線フィルタ等の積層多重薄膜成長制御
においては、更に高い制御精度が必要とされている。
【0037】前記特願平3−352797は、これらの
問題に応えるものであり、酸化膜等の薄膜の厚さや表面
合金化度等の物性である真の制御量の制御精度を飛躍的
に向上させるという優れた効果を有しているが、2波長
ないしは2角度をよほどうまくセットしないと状態検出
・制御がし難いという問題点があった。
【0038】即ち、図1に示すように、EPRの値に対
する種々の物性値の感度が鈍いことがある。この感度が
鈍いという状況では変化がわからないため、物性値制御
はもとより、物性値検出も精度が低くなってしまう。
【0039】結局従来は、ある2波長によるEPRしか
感知していなかったので、その波長帯に依存した状態し
か検出・制御ができないという問題があった。
【0040】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
く成されたもので、輻射エネルギを放射する材料のプロ
セスにおいて、プロセス材料の放出する輻射エネルギを
広帯域波長で検知する、あるいは偏光角を検知すること
により、EPRスペクトルを用いて、制御精度を大幅に
向上させた輻射を用いたプロセス状態検出装置及び制御
装置を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、輻射を用いた
プロセス状態検出装置及び制御装置において、プロセス
材料の放出する輻射エネルギを、広帯域波長で検知する
光電変換素子と、該広帯域内の複数の波長のエネルギを
選択的に繰り返し透過させるフィルタ機構と、前記選択
透過波長の、ある特定波長と、その他のパラメータ波長
との2組の輻射エネルギから、波長をパラメータとする
放射率累乗比に対応する値に変換する放射率累乗比計算
手段とを備えた構成とすることにより、前記目的を達成
したものである。
【0042】本発明は、又、前記プロセス状態検出装置
及び制御装置において、更に、ある時刻の波長をパラメ
ータとする放射率累乗比のピークを与える波長パラメー
タ値と、そのピーク値とを出力する手段を備えた構成と
することにより、同様に前記目的を達成したものであ
る。
【0043】本発明は、又、前記プロセス状態検出装置
及び制御装置において、更に、ある時刻の波長をパラメ
ータとする放射率累乗比のピーク値の時間軸上の最大値
が出た時刻と、そのピーク値を与える波長とを出力する
手段を備えた構成とすることにより、同様に前記目的を
達成したものである。
【0044】本発明は、又、輻射を用いたプロセス状態
検出装置及び制御装置において、プロセス材料の放出す
る輻射エネルギを検知する光電変換素子と、該輻射エネ
ルギの複数の偏光角を選択的に繰り返し透過させる偏光
フィルタ機構と、前記選択透過偏光角の、ある特定偏光
角と、その他のパラメータ偏光角との2組の輻射エネル
ギから、偏光角をパラメータとする放射率累乗比に対応
する値に変換する放射率累乗比計算手段とを備えた構成
とすることにより、同様に前記目的を達成したものであ
る。
【0045】本発明は、又、前記プロセス状態検出装置
及び制御装置において、更に、ある時刻の偏光角をパラ
メータとする放射率累乗比のピークを与える偏光角と、
そのピーク値とを出力する手段を備えた構成とすること
により、同様に前記目的を達成したものである。
【0046】本発明は、又、前記プロセス状態検出装置
及び制御装置において、更に、ある時刻の偏光角をパラ
メータとする放射率累乗比のピーク値の時間軸上の最大
値が出た時刻と、そのピーク値を与える偏光角とを出力
する手段を備えた構成とすることにより、同様に前記目
的を達成したものである。
【0047】
【作用】前述したように、波長によって放射率累乗比E
PRの値に対する種々の物性値の感度が鈍いことがある
が、このような場合でも、例えば図2(a )に示すよう
に、波長λ1 、λ2 では感度が鈍いのに、図2(b )に
示すように、波長λ3 、λ4 に対しては高感度が得られ
ることがある。
【0048】即ち、従来はある2波長によるEPRしか
検知していなかったので、その波長帯に依存した状態し
か検出・制御できなかったのであるが、本発明は、この
欠点をEPRを拡張したEPRスペクトルを用い、EP
Rスペクトルをオンラインでモニタすることによって解
決し、広い波長域で検出・制御できるようにしたもので
ある。
【0049】本発明の中心であるEPRスペクトルの定
義を以下に述べる。
【0050】従来のEPRを適当な中心代表波長λ
0 と、それに応じた放射率ε0 =ε(λ 0 )を基準とし
た基準EPRを、次式(8)
【数5】 で定義する。
【0051】これは、波長λの関数とみてλ=λ0 のと
きEPR(λ0 )=1であり、その他のλのときは、λ
0 (ε0 )からの相対的EPRを示すものである。
【0052】上記EPR(λ)は、波長λの関数であ
り、図3に示すように、波長λを横軸にとると光学のス
ペクトルと似ているので、これをEPRスペクトルと呼
ぶことにする。
【0053】更に本発明では、EPRスペクトルの時間
変化も考慮するので、波長λと時間t の2変数のスペク
トル時間変化関数EPR(λ,t )を考えることにな
る。
【0054】材料プロセス中にEPRスペクトルを観測
すると、λ、t の変化に伴い、EPR(λ)は例えば図
4に示すような曲面を構成する。又、図5(a )、(b
)、(c )はそれぞれ図4の時刻t =0、t = t1 、t
= t2 における断面を示すグラフである。
【0055】図4において、初期t =0ではλ=λM
スペクトルピークM0 を示している(図5(a ))が、
t = t1 ではλ=λ1 でスペクトル極大値M1 となり
(図5(b ))、t = t2 ではλ=λ2 でスペクトル極
小値M2 を示す(図5(c ))。
【0056】このようなピーク値、極大値、極小値は材
料表面状態と密接な関係がある。即ち、表面酸化膜の構
成分子(膜質)の相異(例えばFe O、Fe 2 3 とF
e 34 )が極大値、極小値を挾んで起こる。あるい
は、合金化の活性原子がなくなる合金化反応の完了や、
あるいは表面改質で、極めて良好な平坦度が得られる等
の、プロセス上極めて重要な状態が極大値、極小値を監
視することで判明する。
【0057】図6は、図4と同じ状態における、従来技
術による検出を示すもので、従来はある2波長を固定し
ての検出であったので、例えば任意の波長λx をとり、
λ0、λx の2波長による従来のEPR=εx のλx
/ε0 のλ0 乗をモニタした状況が図7(a )に示され
ているが、このように感度が悪い。図4の極大値、極小
値はλ0 、λ1 に対するEPR(λ1 )、あるいは
λ0 、λ2 に対するEPR(λ2 )を検知していれば検
出可能である。実際、図7(b )、(c )に示すよう
に、EPR(λ1 )、EPR(λ2 )は高感度である。
【0058】しかし、このようなλ1 、λ2 は予めわか
っていることはまれであるし、プロセス毎にλ1 、λ2
は変わる。即ち、ピーク座標が変わることもある。この
ように従来技術では、EPRスペクトルの極大値、極小
値の検出は非常に困難である。
【0059】そこで本発明においては、時間t だけでな
く、波長λも変化させ広い波長帯域でEPRスペクトル
EPR(λ,t )を検知して、前記困難を解消してい
る。
【0060】本発明では、プロセス材料の輻射エネルギ
を可変透過波長フィルタを通じて、広帯域波長で検知す
る光電変換素子によって検出し、その波長を示す信号と
共にEPR計算手段へ送り、そこにおいて、EPRスペ
クトルデータを作成する。
【0061】更に、該EPRスペクトルデータからスペ
クトル値の極大値を求め、そのときの波長と共に出力す
る。あるいは、スペクトル値の最大値を与える時刻を、
そのときの波長と共に出力する。又一方、EPRスペク
トルデータを、オフラインで与えられるEPRスペクト
ルの時間変化の目標値と比較し、その誤差を出力して、
その情報により材料プロセスの高精度な制御が行われ
る。
【0062】又、可変透過波長フィルタの代わりに偏光
フィルタを用いて、プロセス材料の輻射エネルギの偏光
角を検出する場合には、EPRスペクトルは単なる放射
率比スペクトルとなるが、波長の代わりに偏光角を用い
て前と同じ処理が行われる。
【0063】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0064】図8は、本発明に係る第1実施例の概念構
成を示す説明図である。図8において、1は検出部、1
00は処理部であり、10は光電変換素子、12は輻射
エネルギの透過部、20は可変透過波長フィルタ、30
は角度検出センサであり、又Tはターゲット(被プロセ
ス材)、OP は光学集光系、Cは光電変換素子冷却デバ
イス、Mはフィルタ回転モータである。
【0065】検出部1で重要なのは可変透過波長フィル
タ20である。図9はその正面図であり、フィルタ20
はモータMによって回転し、回転角θで表わす。フィル
タ20は各部分での透過波長が図10に示すように角θ
と共に連続的に変化している。このようなフィルタを構
成するには図11に示すように回転角θと共に干渉膜厚
相対値が連続的に変化するように干渉膜を可変で作れば
よい。
【0066】以下、第1実施例の作用を説明する。
【0067】図8に示すように、検出部1ではターゲッ
トTの輻射エネルギL(λ,t )を、可変透過波長フィ
ルタ20を通し、波長λを変化させて広帯域にて、光電
変換素子10へ入力し、処理部100へ出力する。この
とき角度検出センサ30により、その波長λを弁別する
ためのフィルタ角度検知信号λ(θ)も同時に処理部1
00へ出力する。
【0068】処理部100は、L(λ,t )、λ(θ)
を受け取り処理するのであるが、その構成を図12に示
す。まずL(λ, t0 )データ作成ブロック102で
は、フィルタ20の1回転に要する時間をΔt とすると
き、t = t0 からt = t0 +Δt の間のデータを、図1
3に示すように、サンプリング間隔Δλでサンプリング
して、図14に示すようなL(λ, t0 )データを作成
する。
【0069】次にEPRスペクトルEPR(λ, t0
データ作成ブロック104では、λmin <λ0 <λmax
なる中心波長λ0 にて、最小波長λmin から最大波長λ
maxまでのλ値にて、式(8)で定義されるEPRスペ
クトルEPR(λ)を、図15に示すように、L(λ,
t0 )からΔλ刻みで計算し、t = t0 のEPRスペク
トルデータ、EPR(λ, t0 )を作成する。
【0070】データ記録ブロック106では、時刻 t0
を任意に動かしたEPRスペクトルの時間変化のオンラ
インデータEPR(λ,t )を記録する。
【0071】状態検知ブロック108ではEPR(λ,
t )を用いて状態の検知を行うが、その態様には次の2
通りがある。
【0072】第1は、図16に示すように、スペクトル
値の極大値Mとそのときの波長λを出力するものであ
り、第2は、図17に示すように、スペクトル値の最大
値を与える時刻t とそのときの波長λを出力するもので
ある。図16、図17の機能に対応したプロセス状態検
出方法を図18に示す。
【0073】まず図16の場合、スペクトル最大値検出
ブロック1080で、時刻t におけるスペクトル中の最
大値を検出し、ストアする。次に、スペクトル極大値検
出及び出力ブロック1082において、t = t1 −Δt
におけるスペクトル最大値M -1(このときλ=λ-1
(図19(a ))、t = t1 におけるスペクトル最大値
1 (このときλ=λ1 )(図19(b ))、t = t1
+Δt のおけるスペクトル最大値M+1(このときλ=λ
+1)(図19(c ))を求め、これらの最大値を比較
し、スペクトル値の極大値Mを検出し、その時の波長λ
と組みにして(M,λ)、スペクトル極大値検知信号と
共に出力する。これらと表面状態との関係はオフライン
データとして持っているので、これだけ出力すればよ
い。
【0074】又、図17の場合、図18に示すように、
各時刻でのスペクトルの最大値を与える点をつないでで
きる最大値曲線をt −λ平面上へ射影した曲線を考え
(図20)、(t ,λ)出力ブロック1084は、t =
t のスペクトル最大値を与える波長λを(t ,λ)の組
合せで出力する。
【0075】又、図12において、処理部100中の1
10にて保持されている、オフラインで与えられるEP
Rスペクトルの時間変化目標値を、112のデータ比較
ブロックでオンライン記録データEPR(λ,t )と比
較し、その誤差を出力し、この情報をもとに、公知の制
御装置で、温度、ラインスピード、濃度等の諸制御量の
高精度な制御が行われる。
【0076】なお、第1実施例の変形として、可変透過
波長フィルタ20の代わりに図21及び図22に示すよ
うに、異なる透過波長フィルタを組合せ、回転角θと共
に透過波長が段階的に変化するように構成した組合せフ
ィルタ120を用いることもできる。
【0077】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0078】第2実施例の構成は、図8に示す第1実施
例と同じで、可変透過波長フィルタ20を図23に示す
ような偏光フィルタ140に替えたものである。偏光フ
ィルタ140は図23(a )に示すように普通の偏光板
を用いて構成し、フィルタの回転と共に振動方向が変化
するものであり、図23(b )に90°回転した状態を
示す。又、図24はフィルタの回転角と偏光角の関係を
示したものである。
【0079】偏光フィルタを用いる場合には、EPRは
放射率比であるのでEPRスペクトルは単なる放射率比
スペクトルεθ2 (λ,t )/εθ1 (λ,t )とな
る。即ち、適当な角度θ0 での放射率をε0 とすると、
EPRスペクトルは次式で与えられる。
【0080】 EPR(λ)=εθ/ε0 …(9)
【0081】又、これらは次式のようにしてもよい。
【0082】 EPR(λ)=(εθ/ε0 )λ0 …(10)
【0083】第2実施例では、波長の代わりに偏光角を
用いて、第1実施例と同様の処理が行われ、EPRスペ
クトルのピーク値が求められ特異的な表面状態が検出で
きる。
【0084】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、プ
ロセス材料のプロセス処理において、放射率累乗比(E
PR)スペクトルをオンラインでモニタすることによっ
て広い波長域で状態検出・制御が可能となった。従っ
て、制御可能範囲が拡がり、プロセス状態検出・制御の
精度が著しく向上し、プロセス材料の品質を大幅に高め
ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の、物性値と放射率累乗比(EPR)との
相関を示す線図
【図2】同じく、物性値とEPRとの相関を示す線図
【図3】本発明で用いられるEPRスペクトルを示すた
めの、波長とEPRとの相関を示す線図
【図4】同じくλとt の2変数のスペクトル時間変化関
数EPR(λ,t )のグラフ
【図5】同じく時間t を固定して波長λのみの関数とみ
たEPR(λ,t )の線図
【図6】従来の問題点を示すための、図4のEPR
(λ,t )のグラフで波長λx を固定したことを示す線
【図7】同じく波長λを固定して時間t の関数とみたE
PR(λ,t )の線図
【図8】本発明の第1実施例の概念構成を示す説明図
【図9】第1実施例で用いられる可変透過波長フィルタ
の正面図
【図10】前記可変透過波長フィルタの回転角と透過波
長の関係を示す線図
【図11】前記可変透過波長フィルタの回転角と干渉膜
厚相対値の関係を示す線図
【図12】本発明の第1実施例の処理部の構造を示すブ
ロック線図
【図13】第1実施例の、波長のサンプリングの様子を
示す時間と波長の関係を示す線図
【図14】同じく、L(λ, t0 )のサンプリングの様
子を示す線図
【図15】同じく、EPR(λ, t0 )のサンプリング
の様子を示す線図
【図16】第1実施例の処理部の状態検知ブロックの1
つの例を示すブロック線図
【図17】同じく、状態検知ブロックの他の例を示すブ
ロック線図
【図18】第1実施例における、状態検知の様子を示す
ためのEPR(λ,t )のグラフ
【図19】第1実施例における、スペクトル値の最大を
求めるためのt を固定したEPRの線図
【図20】同じく、スペクトル値の最大を与える波長λ
を求めるためのt とλの関係を示す線図
【図21】第1実施例の変形として用いられる組合せフ
ィルタの構成を示す正面図
【図22】同じく、組合せフィルタの透過波長を示す線
【図23】本発明の第2実施例で用いられる偏光フィル
タの構成を示す正面図
【図24】同じく、偏光フィルタの回転角と偏光角の関
係を示す線図
【符号の説明】
1…検出部 10…光電変換素子 12…輻射エネルギの透過部 20…可変透過波長フィルタ 30…角度検出センサ 100…処理部 120…組合せフィルタ 140…偏光フィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセス材料の放出する輻射エネルギを、
    広帯域波長で検知する光電変換素子と、 該広帯域内の複数の波長のエネルギを選択的に繰り返し
    透過させるフィルタ機構と、 前記選択透過波長の、ある特定波長と、その他のパラメ
    ータ波長との2組の輻射エネルギから、波長をパラメー
    タとする放射率累乗比に対応する値に変換する放射率累
    乗比計算手段と、 を備えていることを特徴とする輻射を用いたプロセス状
    態検出装置及び制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、更に、ある時刻の波長
    をパラメータとする放射率累乗比のピークを与える波長
    パラメータ値と、そのピーク値とを出力する手段を備え
    ていることを特徴とする輻射を用いたプロセス状態検出
    装置及び制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、更に、ある時刻の波長
    をパラメータとする放射率累乗比のピーク値の時間軸上
    の最大値が出た時刻と、そのピーク値を与える波長とを
    出力する手段を備えていることを特徴とする輻射を用い
    たプロセス状態検出装置及び制御装置。
  4. 【請求項4】プロセス材料の放出する輻射エネルギを、
    検知する光電変換素子と、 該輻射エネルギの複数の偏光角を選択的に繰り返し透過
    させる偏光フィルタ機構と、 前記選択透過偏光角の、ある特定偏光角と、その他のパ
    ラメータ偏光角との2組の輻射エネルギから、偏光角を
    パラメータとする放射率累乗比に対応する値に変換する
    放射率累乗比計算手段と、 を備えていることを特徴とする輻射を用いたプロセス状
    態検出装置及び制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、更に、ある時刻の偏光
    角をパラメータとする放射率累乗比のピークを与える偏
    光角と、そのピーク値とを出力する手段を備えているこ
    とを特徴とする輻射を用いたプロセス状態検出装置及び
    制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、更に、ある時刻の偏光
    角をパラメータとする放射率累乗比のピーク値の時間軸
    上の最大値が出た時刻と、そのピーク値を与える偏光角
    とを出力する手段を備えていることを特徴とする輻射を
    用いたプロセス状態検出装置及び制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6157025A (en) * 1997-10-20 2000-12-05 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Disk shaped tunable optical filter

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6157025A (en) * 1997-10-20 2000-12-05 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Disk shaped tunable optical filter

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