JPH0626540B2 - 脈波検出器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 この発明は、指圧迫式の電子血圧計（指用電子血圧計）
等に使用される脈波検出器に関する。

（ロ）従来の技術 従来より、指動脈に光を投射し、得られる受光量により
脈波信号を得る脈波検出器が知られている。

この脈波検出器の原理は、第６図に示すように、指Ｆの
側部に発光素子（ＬＥＤ）Ｌを設けるとともに、指Ｆを
挟んだ他方の指側部に受光素子（ホトトランジスタ）Ｐ
Ｔを設け、動脈Ｄを透過してくる光を受光素子ＰＴで受
けるものであった。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 この出願の発明者等は、電子血圧計において、操作性の
向上、小型化等をはかるため、空気式のカフで指を圧迫
して測定を行う指用電子血圧計を創作し、別に出願し
た。この指用電子血圧計は、脈波信号を検出して、例え
ばその振幅値に対し、所定のアルゴリズムを適用するも
のであり、精度の良い脈波検出が必要となる。

しかるに、上記従来の脈波検出器は、光が指幅に相当す
る距離を透過するものであり、十分な感度が得られず、
受光器側の増幅度を上げねばならないため、Ｓ／Ｎが悪
く、精度の良い測定を行えないという問題があった。

この発明は、上記に鑑み、指用電子血圧計に用いて、高
精度な測定を実現し得る高感度の脈波検出器を提供する
ことを目的としている。

（ニ）問題点を解決するための手段及び作用 この発明の脈波検出器は、円筒状に形成されるカフは、
複数の中空台形状の凸部からなり、相互に隣接する凸部
にそれぞれ発光素子と受光素子を設け、発光素子から指
動脈に光を投射し、指動脈からの反射光を受光素子で受
光するようにしている。

この脈波検出器では、発光素子、受光素子、指動脈とも
近接しており、光路は短い。

（ホ）実施例 以下、実施例により、この発明をさらに詳細に説明す
る。

第１図は、この発明の一実施例脈波検出器を示し、同図
(a)は、その概略側面図、同図(b)は、同図(a)の紙面側
から見た斜視図である。

この脈波検出器は、円筒部材１の内部に円筒状のカフ２
が挿着されている。カフ２の内壁面には、近接して発光
素子３と受光素子４が設けられている。

脈波検出時には、カフ２内に指５が挿入され、図示外の
加圧ポンプによりカフ２が加圧され、指５が圧迫され
る。発光素子３から指５の動脈６に光が投射され、動脈
６で反射されて受光素子４に受光される。そのため、受
光素子４にはカフ２の加圧あるいは減圧過程で、変化す
る脈波信号が検出される。この場合、発光素子３から動
脈６、また動脈６から受光素子４までの光路が短いの
で、検出される脈波信号レベルは、第５図に示すように
〔(a)：従来、(b)：本発明〕、大幅に大となり、１０倍
以上、感度が向上する。

第２図は、この発明の他の実施例の脈波検出器が使用さ
れる指用電子血圧計の上蓋、前側面の一部を切欠いた斜
視図である。同図において、本体ケース１１の右奥部に
電源電池を含むバッテリ部１２、さらに右手前部に加圧
ポンプ１３が、また中央部分に空気バッファ１４が、左
方部に指圧迫部１５がそれぞれ設けられている。また、
上方部に基板１６が設けられ、この基板１６上に電源ス
イッチキー１７、スタートスイッチキー１８が設けられ
ているとともに、表示器１９が設けられている。また、
基板１６の下面には、直接あるいは間接的に、ＭＰＵ等
の電子回路部が実装されている。

指圧迫部１５は円筒部材２０と、この円筒部材２０の内
周に設けられるカフ２１とから構成されている。カフ２
１は、第３図で示すように、ゴム製の平板２２上に、中
空で台形状をした複数の凸部２３ａ、２３ｂ、……、２
３ｈが形成されたものであり、凸部２３ａ、２３ｂ、…
…、２３ｈの中空部は互いに連通しており、チューブ２
４により空気バッファ１４からの空気が加えられるよう
になっており、このカフ２１が丸められて、円筒部材２
０に挿設されている。また、カフ２１の凸部２３ｃに凹
穴２５ｃが設けられ、この凹穴２５ｃに発光素子２６が
設けられ、さらに隣接する凸部２３ｄに凹穴２５ｄが設
けられ、この凹穴２５ｄに受光素子２７が設けられてい
る。発光素子２６及び受光素子２７は、リード線２８、
２９によってそれぞれ回路部に接続される。この発光素
子２６と受光素子２７は、発光素子２６より圧迫中の指
の動脈に光が投射され、その反射光を受光素子２７で受
けて、脈波を検出するために、すなわち脈波センサの一
部として設けられている。

第４図は、上記実施例指用電子血圧計のブロック図であ
る。同図においてカフ２１は、上記したように、脈波検
出用の発光素子２６、受光素子２７が付設されている。

発光素子２６はＭＰＵ（マイクロプロセッサユニット）
３３からの指令により駆動され、受光素子２７の出力は
増幅器３１、Ａ／Ｄ変換器３２を介して、ＭＰＵ３３に
取込まれるようになっている。

またカフ２１は、圧センサ３４、空気バッファ１４、微
速排気弁３７、急速排気弁３８に連通されており、また
加圧ポンプ１３が逆流防止弁３６を介してカフ２１に連
通されている。

圧センサ３４で検出されるカフ圧は増幅器３５で増幅さ
れ、Ａ／Ｄ変換器３２を経て、ＭＰＵ３３に取込まれる
ようになっている。

ＭＰＵ３３は、プログラムや演算値を記憶するメモリを
内蔵するほか、Ａ／Ｄ変換器３２より切替えにより脈波
データ、カフ圧データを取込む機能、加圧ポンプ１３を
ＯＮ／ＯＦＦする機能、急速排気弁３８をＯＮ／ＯＦＦ
する機能、脈波データをカフ圧データとから血圧を決定
する機能、測定中と、それ以外の状態であることの識別
をなす機能等を備えている。

また、決定された血圧値すなわち最高血圧（ＳＹＳ）及
び最高血圧（ＤＩＡ）は、ＭＰＵ３３より出力され、表
示器１９に表示され、また報知音はＭＰＵ３３からの指
令により、ブザー３９より出力されるようになってい
る。

この実施例電子血圧計の脈波検出部においても、発光素
子２６から投射された光が、指の動脈で反射されて、受
光素子２７に受光されることになる。

（ヘ）発明の効果 この発明によれば、反射式を採用しているので、脈波検
出感度が向上し、この脈波検出器を指用電子血圧計に使
用すれば、高精度の血圧測定を行うことができる。

又、カフが複数の中空台形状の凸部からなり、隣接する
凸部に発光素子と受光素子を設けてあるので、複数の凸
部を平面状に開いた状態で発光素子及び受光素子をカフ
に組み込むことが可能となり、各素子の組立が容易であ
る上に、両素子の位置精度を安定・向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】 第１図は、この発明の一実施例脈波検出器を示し、第１
図(a)は、その概略側面図、第１図(b)は同斜視図、第２
図は、この発明の他の実施例脈波検出器が使用される指
用電子血圧計の斜視図、第３図は、同指用電子血圧計の
カフの挿入前の斜視図、第４図は、同指用電子血圧計の
ブロック図、第５図は、従来と本発明の検出脈波を比較
するための波形図、第６図は、従来の脈波検出器の原理
を説明するための図である。 ２・２１：カフ、３・２６：発光素子、 ４・２７：受光素子、６：指動脈。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭56−138609（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭59−19691（ＪＰ，Ｂ２) 特公 平４−17651（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭38−28098（ＪＰ，Ｙ１) 実公 平１−12809（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】指動脈に光を投射して、得られる受光出力
   により脈波信号を検出する脈波検出器において、 円筒状に形成されるカフは、複数の中空台形状の凸部か
   らなり、相互に隣接する凸部にそれぞれ発光素子と受光
   素子を設け、発光素子から投射された光が指動脈で反射
   されるのを受光素子で受光するようにしたことを特徴と
   する脈波検出器。