JPH062650B2 - 歯科印象材用除菌洗浄剤 - Google Patents
歯科印象材用除菌洗浄剤Info
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- JPH062650B2 JPH062650B2 JP63167277A JP16727788A JPH062650B2 JP H062650 B2 JPH062650 B2 JP H062650B2 JP 63167277 A JP63167277 A JP 63167277A JP 16727788 A JP16727788 A JP 16727788A JP H062650 B2 JPH062650 B2 JP H062650B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、歯科医療において歯型作成に使用される印象
材を除菌洗浄するのに使用される除菌洗浄剤に関する。
材を除菌洗浄するのに使用される除菌洗浄剤に関する。
（従来技術とその課題） 一般に、歯科医療における歯型の作成は、アルギン酸塩
や寒天の主剤とした印象材を患者の歯から歯茎にかけて
印圧して硬化（ゲル化）させて凹型の印象を採取し、こ
の印象材の凹型内に石膏を注入し、硬化した石膏型を取
り出して技工を加えて歯型模型とする手順で行われる。
や寒天の主剤とした印象材を患者の歯から歯茎にかけて
印圧して硬化（ゲル化）させて凹型の印象を採取し、こ
の印象材の凹型内に石膏を注入し、硬化した石膏型を取
り出して技工を加えて歯型模型とする手順で行われる。
ここで、上記印象材は、使用に際して患者の口腔内に直
接に接触するため、唾液や血液等の体液ならびに歯垢や
植物残渣等の汚垢が付着し、必然的に患者の保有する細
菌あるいはウィルスに汚染されることになる。また、印
象採得後の印象材を放置しておくと、その間に付着物に
内在もしくは外部に由来する細菌、ウィルス、かび等が
繁殖したり、悪臭を放つこともある。
接に接触するため、唾液や血液等の体液ならびに歯垢や
植物残渣等の汚垢が付着し、必然的に患者の保有する細
菌あるいはウィルスに汚染されることになる。また、印
象採得後の印象材を放置しておくと、その間に付着物に
内在もしくは外部に由来する細菌、ウィルス、かび等が
繁殖したり、悪臭を放つこともある。
しかるに、現状では、手指消毒等に用いられる医療用消
毒剤は種々あるが、このような印象材を対象とした適切
な除菌洗浄剤は存在しないため、汚染された印象材はそ
のままの状態もしくは軽く水洗されただけの状態で石膏
型作成に供されており、上記汚染が石膏型へも及ぶこと
が避けられない。
毒剤は種々あるが、このような印象材を対象とした適切
な除菌洗浄剤は存在しないため、汚染された印象材はそ
のままの状態もしくは軽く水洗されただけの状態で石膏
型作成に供されており、上記汚染が石膏型へも及ぶこと
が避けられない。
従って、歯科医療従事者の中でも特に歯型作成に携わる
歯科技工士にあっては、汚染された印象材および石膏型
を取扱う上に、技工に際してカーバイトバー等の鋭利な
工具を用いるために手指等に傷を受けたり、石膏型の研
磨加工によって生じる微粉を吸引する機会が多々あり、
様々な感染の危険が大きく、特に近年ではＢ型肝炎やエ
イズ（ＡＩＤＳ）の感染が懸念されている。
歯科技工士にあっては、汚染された印象材および石膏型
を取扱う上に、技工に際してカーバイトバー等の鋭利な
工具を用いるために手指等に傷を受けたり、石膏型の研
磨加工によって生じる微粉を吸引する機会が多々あり、
様々な感染の危険が大きく、特に近年ではＢ型肝炎やエ
イズ（ＡＩＤＳ）の感染が懸念されている。
（課題を解決するための手段） 本発明は、上述の状況を鑑みて、水溶液形態であって印
象材を所要時間浸漬するだけで除菌洗浄が行えると共に
ＨＢＳ抗原（Ｂ型肝炎表面抗原）の不活性化効果が得ら
れ、しかも上記浸漬中に印象材として致命的な形状およ
び材質変化を生じない除菌洗浄剤を提供することを目的
としている。
象材を所要時間浸漬するだけで除菌洗浄が行えると共に
ＨＢＳ抗原（Ｂ型肝炎表面抗原）の不活性化効果が得ら
れ、しかも上記浸漬中に印象材として致命的な形状およ
び材質変化を生じない除菌洗浄剤を提供することを目的
としている。
そして、かかる目的を達成するために、本発明の歯科印
象材用洗浄剤は、２・４・４’−トリクロロ−２’−ヒ
ドロキシ−ジフェニルエーテルと、水溶性アルコール
と、界面活性剤とを含む水溶液からなる構成を採用した
ものである。
象材用洗浄剤は、２・４・４’−トリクロロ−２’−ヒ
ドロキシ−ジフェニルエーテルと、水溶性アルコール
と、界面活性剤とを含む水溶液からなる構成を採用した
ものである。
また、本発明で、上記洗浄剤において２・４・４’−ト
リクロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルが0.
1〜1.0重量％、水溶性アルコールが10〜20重量％含有さ
れた構成、ならびに界面活性剤がアニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両界面活性剤より選ばれる少なく
とも一種からなる構成を、それぞれ好適態様としてい
る。
リクロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルが0.
1〜1.0重量％、水溶性アルコールが10〜20重量％含有さ
れた構成、ならびに界面活性剤がアニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両界面活性剤より選ばれる少なく
とも一種からなる構成を、それぞれ好適態様としてい
る。
（発明の細部構成と作用） 本発明の除菌洗浄剤中に配合される２・４・４’−トリ
クロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルは、広
い抗菌スペクトルを持つ低毒性の殺菌性物質としてイル
ガサンＤＰ−300（スイス国チバガイギー社の商品名）
の市販名で知られるものである。しかして、この２・４
・４’−トリクロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエ
ーテル（以下、イルガサンと称する）は、本発明では抗
菌剤成分として印象採得後つまり汚染された印象材の殺
菌作用ならびにＨＢＳ抗原不活性化作用を発揮するが、
印象材の主剤であるアルギン酸塩や寒天（ゼラチン）等
に対して化学的および物理的に不活性であるという重要
な特徴が認められている。
クロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテルは、広
い抗菌スペクトルを持つ低毒性の殺菌性物質としてイル
ガサンＤＰ−300（スイス国チバガイギー社の商品名）
の市販名で知られるものである。しかして、この２・４
・４’−トリクロロ−２’−ヒドロキシ−ジフェニルエ
ーテル（以下、イルガサンと称する）は、本発明では抗
菌剤成分として印象採得後つまり汚染された印象材の殺
菌作用ならびにＨＢＳ抗原不活性化作用を発揮するが、
印象材の主剤であるアルギン酸塩や寒天（ゼラチン）等
に対して化学的および物理的に不活性であるという重要
な特徴が認められている。
すなわち、抗菌スペクトルが広くかつ優れたＨＢＳ抗原
不活性化作用を有する代表的な抗菌剤として他に、次亜
塩素酸ナトリウムの如き塩素系抗菌剤、塩化ベンザルコ
ニウム、ＣＡＥ（Ｎａ−Cocoyl−Ｌ−arginine ethyles
ter−ＤＬ−pyroglutamic acid salt）の如きカチオン
界面活性剤系抗菌剤等が知られるが、塩素系抗菌剤は印
象材を脆化するという致命的欠点があり、またカチオン
界面活性材系抗菌材は、特に印象材に多用されているア
ルギン酸塩がアニオン的な性質を有するためにこれと電
気化学的に反応して複合体を形成し、抗菌性が失われる
という問題があり、いずれも印象材用としては不適であ
る。
不活性化作用を有する代表的な抗菌剤として他に、次亜
塩素酸ナトリウムの如き塩素系抗菌剤、塩化ベンザルコ
ニウム、ＣＡＥ（Ｎａ−Cocoyl−Ｌ−arginine ethyles
ter−ＤＬ−pyroglutamic acid salt）の如きカチオン
界面活性剤系抗菌剤等が知られるが、塩素系抗菌剤は印
象材を脆化するという致命的欠点があり、またカチオン
界面活性材系抗菌材は、特に印象材に多用されているア
ルギン酸塩がアニオン的な性質を有するためにこれと電
気化学的に反応して複合体を形成し、抗菌性が失われる
という問題があり、いずれも印象材用としては不適であ
る。
イルガサンの除菌洗浄剤中の含有量は、0.1〜1.0重量％
の範囲が好ましく、過少では充分な使用効果が得られ
ず、逆に過多では溶解困難になると共に高価であるため
に除菌洗浄剤としての実用性に乏しくなる。なお、特に
ＨＢＳ抗原不活性化を短時間で確実に行う点からは、上
記含有量は0.25〜1.0重量％の範囲が最適である。
の範囲が好ましく、過少では充分な使用効果が得られ
ず、逆に過多では溶解困難になると共に高価であるため
に除菌洗浄剤としての実用性に乏しくなる。なお、特に
ＨＢＳ抗原不活性化を短時間で確実に行う点からは、上
記含有量は0.25〜1.0重量％の範囲が最適である。
本発明で用いる水溶性アルコールは、後述する界面活性
剤と共に前記イルガサンを溶解させる作用を示し、水溶
液形態の除菌洗浄剤とする上で必須成分となる。このよ
うな水溶性アルコールとしては、特に限定されないが、
毒性や臭気等の面よりメチルアルコール、エチルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコールが好適である。
剤と共に前記イルガサンを溶解させる作用を示し、水溶
液形態の除菌洗浄剤とする上で必須成分となる。このよ
うな水溶性アルコールとしては、特に限定されないが、
毒性や臭気等の面よりメチルアルコール、エチルアルコ
ールおよびイソプロピルアルコールが好適である。
しかして、水溶性アルコールの使用量は、イルガサンの
使用量に応じて増減すればよいが、印象材の形状安定性
の点から除菌洗浄剤中の含有量として10〜20重量％の範
囲とすることが望ましい。すなわち、上記含有量が10重
量％より少なくなると除菌洗浄剤の水分によるゲルの膨
潤に伴って印象材が過度に膨張し、逆に20重量％より多
くなるとゲル中の水分が除菌洗浄剤中へ移行して印象材
の過度の収縮を生じるため、いずれの場合も除菌洗浄中
に型取り精度が歯型作成における許容限界を越えて低下
する惧れがある。
使用量に応じて増減すればよいが、印象材の形状安定性
の点から除菌洗浄剤中の含有量として10〜20重量％の範
囲とすることが望ましい。すなわち、上記含有量が10重
量％より少なくなると除菌洗浄剤の水分によるゲルの膨
潤に伴って印象材が過度に膨張し、逆に20重量％より多
くなるとゲル中の水分が除菌洗浄剤中へ移行して印象材
の過度の収縮を生じるため、いずれの場合も除菌洗浄中
に型取り精度が歯型作成における許容限界を越えて低下
する惧れがある。
本発明で必須成分とする界面活性剤は、前記水溶性アル
コールと同様にイルガサンを溶解させる作用と、印象材
表面の体液や汚垢等の付着物を遊離させる洗浄作用とを
担うものである。
コールと同様にイルガサンを溶解させる作用と、印象材
表面の体液や汚垢等の付着物を遊離させる洗浄作用とを
担うものである。
この界面活性剤としては、上記溶解作用および洗浄作用
を有するものであればよいが、好ましくはカチオン界面
活性剤以外のもの、つまりアニオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤が推奨される。すなわ
ち、カチオン界面活性剤では、記述のように印象材に多
用されるアルギン酸塩がアニオン的な性質を有すること
から、これと反応して複合体を形成し、界面活性効果の
喪失と共に印象材の変質および形状変化を招く惧れがあ
り、印象材の材質を問わない汎用性除菌洗浄剤としては
不適である。
を有するものであればよいが、好ましくはカチオン界面
活性剤以外のもの、つまりアニオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、両性界面活性剤が推奨される。すなわ
ち、カチオン界面活性剤では、記述のように印象材に多
用されるアルギン酸塩がアニオン的な性質を有すること
から、これと反応して複合体を形成し、界面活性効果の
喪失と共に印象材の変質および形状変化を招く惧れがあ
り、印象材の材質を問わない汎用性除菌洗浄剤としては
不適である。
好適なアニオン界面活性剤としては、高級アルコール硫
酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。また非イ
オン界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。更に両性界
面活性剤としては、ジメチルアルキルアミノ酢酸ベタイ
ン、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン等が挙げら
れる。そして、これらの界面活性剤は２種以上を併用し
てもよい。
酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。また非イ
オン界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。更に両性界
面活性剤としては、ジメチルアルキルアミノ酢酸ベタイ
ン、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン等が挙げら
れる。そして、これらの界面活性剤は２種以上を併用し
てもよい。
このような界面活性剤の除菌洗浄剤中の含有量は、1.0
〜15重量％程度が好ましく少なすぎては洗浄およびイル
ガサンの溶解作用が不充分となり、多すぎても使用効果
の向上は少なく不経済である。
〜15重量％程度が好ましく少なすぎては洗浄およびイル
ガサンの溶解作用が不充分となり、多すぎても使用効果
の向上は少なく不経済である。
本発明の除菌洗浄剤を得るには、上述したイルガサンと
水溶性アルコールと界面活性剤の３成分を水中に添加し
て水溶液とすればよいが、この水溶液中には必要に応じ
て上記３成分以外の種々の添加剤を適宜含有させてもよ
い。このような添加剤の例としては、硬水の軟水化等の
目的で使用されるエチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）
塩やニトロソ三酢酸（ＮＴＡ）塩の如き洗浄助剤、水溶
液をＰＨを中性域に近付ける（前記３成分のみでは通常
ＰＨ10前後を示す）目的で使用されるクエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、グリコール酸の如
き有機酸からなるＰＨ調整剤等がある。
水溶性アルコールと界面活性剤の３成分を水中に添加し
て水溶液とすればよいが、この水溶液中には必要に応じ
て上記３成分以外の種々の添加剤を適宜含有させてもよ
い。このような添加剤の例としては、硬水の軟水化等の
目的で使用されるエチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）
塩やニトロソ三酢酸（ＮＴＡ）塩の如き洗浄助剤、水溶
液をＰＨを中性域に近付ける（前記３成分のみでは通常
ＰＨ10前後を示す）目的で使用されるクエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸、グリコール酸の如
き有機酸からなるＰＨ調整剤等がある。
印象材の除菌洗浄を行うには、印象採得後の硬化（ゲル
化）した印象材を除菌洗浄剤中に所要時間、好適には30
分以上、浸漬すればよく、この浸漬中に印象材表面の細
菌、ウィルス、かび等の微生物が減滅されると同時に付
着物の洗浄除去および消臭がなされる。しかして、この
浸漬中においては、印象材の形状および材質変化は殆ど
生じることがなく、歯型の型取り精度が充分に保証され
る。なお、除菌洗浄後の印象材は簡単に流下水洗を施し
て石膏による歯型作成に供される。
化）した印象材を除菌洗浄剤中に所要時間、好適には30
分以上、浸漬すればよく、この浸漬中に印象材表面の細
菌、ウィルス、かび等の微生物が減滅されると同時に付
着物の洗浄除去および消臭がなされる。しかして、この
浸漬中においては、印象材の形状および材質変化は殆ど
生じることがなく、歯型の型取り精度が充分に保証され
る。なお、除菌洗浄後の印象材は簡単に流下水洗を施し
て石膏による歯型作成に供される。
（実施例） 以下に本発明の実施例につき性能比較試験を含めて説明
する。なお、以下において部，％とあるは重量部，重量
％を意味する。
する。なお、以下において部，％とあるは重量部，重量
％を意味する。
実施例１ イルガサン … 0.3部 エチルアルコール …15.3部 ラウリル硫酸ナトリウム … 1.5部 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド … 3.0部 ヤシ油脂肪酸アミドブロピル … 1.5部 ジメチルアミノ酢酸ベタイン エチレンジアミンテトラ酢酸３ …0.05部 ナトリウム 精 製 水 …78.68部 上記組成物を混合した水溶液からなる除菌洗浄剤S1を調
製した。
製した。
また、上記組成物における界面活性剤成分であるラウリ
ル硫酸ナトリウムとヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドと
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ンに代えて、ラウリン酸カリウム1.5部とポリオキシエ
チレンアルキル（Ｃ１２〜１６）エーテル硫酸ナトリウ
ム1.5部とポリオキシエチレンアルキル（Ｃ１２）エー
テル（ＨＬＢ13.2）1.5部を使用し、かつ精製水量を79.
65部とし他の成分は上記同様とした組成物の混合水溶液
からなる除菌洗浄剤S2を調製した。
ル硫酸ナトリウムとヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドと
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ンに代えて、ラウリン酸カリウム1.5部とポリオキシエ
チレンアルキル（Ｃ１２〜１６）エーテル硫酸ナトリウ
ム1.5部とポリオキシエチレンアルキル（Ｃ１２）エー
テル（ＨＬＢ13.2）1.5部を使用し、かつ精製水量を79.
65部とし他の成分は上記同様とした組成物の混合水溶液
からなる除菌洗浄剤S2を調製した。
一方、印象材用アルギン酸塩10ｇに対して水20ｇの割合
で両者を練和し、直径32.65mm，高さ５mmのディスクＡ
を作成した。また、印象材用寒天を沸騰水に10分間、55
〜60℃水に10分間順次浸漬した後、直径18.40mm，高さ
５mmのディスクＢを作成した。これらアルギン酸塩のデ
ィスクＡと寒天のディスクＢを、水，消毒用エタノール
（76.9〜81.4容量％濃度）及び上記の除菌洗浄剤S1,S2
にそれぞれ浸漬し、浸漬時間による直径の変化を測定し
たところ、表１の結果を得た。
で両者を練和し、直径32.65mm，高さ５mmのディスクＡ
を作成した。また、印象材用寒天を沸騰水に10分間、55
〜60℃水に10分間順次浸漬した後、直径18.40mm，高さ
５mmのディスクＢを作成した。これらアルギン酸塩のデ
ィスクＡと寒天のディスクＢを、水，消毒用エタノール
（76.9〜81.4容量％濃度）及び上記の除菌洗浄剤S1,S2
にそれぞれ浸漬し、浸漬時間による直径の変化を測定し
たところ、表１の結果を得た。
上記の結果から、水中浸漬ではアルギン酸塩のディスク
Ａの膨張、消毒用アルコールではアルギン酸塩および寒
天の量ディスクＡ，Ｂの収縮がいずれも著しいのに対
し、本発明の除菌洗浄剤S1,S2では両ディスクＡ，Ｂと
もに殆ど形状変化がなく歯型模型作成に必要不可欠な型
取り精度が保証されることが明らかである。
Ａの膨張、消毒用アルコールではアルギン酸塩および寒
天の量ディスクＡ，Ｂの収縮がいずれも著しいのに対
し、本発明の除菌洗浄剤S1,S2では両ディスクＡ，Ｂと
もに殆ど形状変化がなく歯型模型作成に必要不可欠な型
取り精度が保証されることが明らかである。
実施例２ 印象材用アルギン酸塩と印象材用寒天とを組合せた印象
材を用い、３名の男子（20才）のそれぞれ上顎部の歯全
体にわたる歯型印象を採得し、これら印象採得後の印象
材Ｉ〜IIIについてそれぞれ左部と右部に表２に示す洗
浄処理を施した。そして、処理後の各印象材の左右の対
称部材から図面で示すように切片（左部１〜５，右部ａ
〜ｅ）を採取し、それぞれの切片を標準寒天培地シャー
レに接種し、36℃±１℃の恒温器に入れて歯の繁殖の有
無を調べたところ、表２の結果を得た。なお、表中の記
号（＋）は繁殖あり、（−）は繁殖なしを意味する。ま
た、除菌洗浄剤としては実施例１のS1を、弱アルカリ性
洗浄液としては市販の医療・理学用洗浄剤（主成分：ア
ニオン界面活性剤10％、非イオン界面活性剤15％，洗浄
助剤５％）の10％水溶液、をそれぞれ使用した。
材を用い、３名の男子（20才）のそれぞれ上顎部の歯全
体にわたる歯型印象を採得し、これら印象採得後の印象
材Ｉ〜IIIについてそれぞれ左部と右部に表２に示す洗
浄処理を施した。そして、処理後の各印象材の左右の対
称部材から図面で示すように切片（左部１〜５，右部ａ
〜ｅ）を採取し、それぞれの切片を標準寒天培地シャー
レに接種し、36℃±１℃の恒温器に入れて歯の繁殖の有
無を調べたところ、表２の結果を得た。なお、表中の記
号（＋）は繁殖あり、（−）は繁殖なしを意味する。ま
た、除菌洗浄剤としては実施例１のS1を、弱アルカリ性
洗浄液としては市販の医療・理学用洗浄剤（主成分：ア
ニオン界面活性剤10％、非イオン界面活性剤15％，洗浄
助剤５％）の10％水溶液、をそれぞれ使用した。
第２の結果から、採得した印象材への口腔内雑菌による
汚染は明らかであり、印象材を水洗処理しても、また既
存の弱アルカリ洗浄材に浸漬処理しても汚染を除去でき
ないことが判る。しかるに、本発明の除菌洗浄剤を用い
ると、15分間浸漬によって充分に汚染は除去できること
が判る。
汚染は明らかであり、印象材を水洗処理しても、また既
存の弱アルカリ洗浄材に浸漬処理しても汚染を除去でき
ないことが判る。しかるに、本発明の除菌洗浄剤を用い
ると、15分間浸漬によって充分に汚染は除去できること
が判る。
実施例３ 実施例１の除菌洗浄剤S1のＨＢＳ抗原不活化効果につい
て、Ｒ−ＰＨＡ法により103以上のＨＢＳ抗原力価を示
した患者血清10例（No.１〜10）と陰性血清３例(No.11
〜13)を用い試験した。結果は表３−１，３−２の通り
であった。
て、Ｒ−ＰＨＡ法により103以上のＨＢＳ抗原力価を示
した患者血清10例（No.１〜10）と陰性血清３例(No.11
〜13)を用い試験した。結果は表３−１，３−２の通り
であった。
なお、表中の（ ）内数値は血清の元の抗原力価に対す
る減少率（％）である。
る減少率（％）である。
上表の結果から、仮に50％以上のＨＢＳ抗原不活性化が
認められた場合に「効果あり」とすると、本発明の除菌
洗浄剤によれば30分以上の浸漬処理で陽性血清10例全て
に充分なＨＢＳ抗原不活性化効果がもたらされることが
明らかである。
認められた場合に「効果あり」とすると、本発明の除菌
洗浄剤によれば30分以上の浸漬処理で陽性血清10例全て
に充分なＨＢＳ抗原不活性化効果がもたらされることが
明らかである。
実施例４ 実施例２と同様にして50才男子の上顎部の歯全体にわた
る歯型印象を採得した。そして、この採得印象材を正中
線近くで２つに分け、その一方は洗浄を施さずそのま
ま、もう一方は実施例１の除菌洗浄剤S1に15分間浸漬し
たのち水洗し、それぞれをポリエチレン袋に入れ密封
し、36℃にて24時間放置後の臭気の有無を調べた。
る歯型印象を採得した。そして、この採得印象材を正中
線近くで２つに分け、その一方は洗浄を施さずそのま
ま、もう一方は実施例１の除菌洗浄剤S1に15分間浸漬し
たのち水洗し、それぞれをポリエチレン袋に入れ密封
し、36℃にて24時間放置後の臭気の有無を調べた。
その結果、前者の未洗浄のものは不快な臭気やの微生物
の除去・減滅ならびＨＢＳ抗原不活性化が達成され、同
時に患者の体液や汚垢等の付着物の洗浄除去および消臭
が可能となる。しかも、上記浸漬中には印象材の材質お
よび形状変化が殆ど発生せず、歯型作成における型取り
精度が充分に保証されるという大きな利点がある。
の除去・減滅ならびＨＢＳ抗原不活性化が達成され、同
時に患者の体液や汚垢等の付着物の洗浄除去および消臭
が可能となる。しかも、上記浸漬中には印象材の材質お
よび形状変化が殆ど発生せず、歯型作成における型取り
精度が充分に保証されるという大きな利点がある。
また、上記の除菌洗浄剤に含有させるイルガサンの量を
0.1〜1.0重量％、水溶性アルコールの量を10〜20重量％
に設定すれば、除菌洗浄作用が確実に発揮されると共に
印象材の形状安定性がより向上する。更に上記の除菌洗
浄剤に含有させる界面活性剤として、アニオン界面剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれる少な
くとも一種を選択することにより、印象材の変質および
形状変化をより確実に回避できる利点がある。
0.1〜1.0重量％、水溶性アルコールの量を10〜20重量％
に設定すれば、除菌洗浄作用が確実に発揮されると共に
印象材の形状安定性がより向上する。更に上記の除菌洗
浄剤に含有させる界面活性剤として、アニオン界面剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれる少な
くとも一種を選択することにより、印象材の変質および
形状変化をより確実に回避できる利点がある。
図面は実施例２における菌繁殖試験に使用した歯型採得
印象材の切片採取部位を示す模式平面図である。
印象材の切片採取部位を示す模式平面図である。
Claims (3)
- 【請求項１】２・４・４’−トリクロロ−２’−ヒドロ
キシ−ジフェニルエーテルと、水溶性アルコールと、界
面活性剤とを含む水溶液からなる歯科印象材用除菌洗浄
剤。 - 【請求項２】２・４・４’−トリクロロ−２’−ヒドロ
キシ−ジフェニルエーテルが0.1〜1.0重量％、水溶性ア
ルコールが10〜20重量％含有されてなる請求項１記載の
歯科印象材用除菌洗浄剤。 - 【請求項３】界面活性剤がアニオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、両界面活性剤より選ばれる少なくとも一
種からなる請求項１または２記載の歯科印象材用除菌洗
浄剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63167277A JPH062650B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 歯科印象材用除菌洗浄剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63167277A JPH062650B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 歯科印象材用除菌洗浄剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02152916A JPH02152916A (ja) | 1990-06-12 |
| JPH062650B2 true JPH062650B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=15846763
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63167277A Expired - Lifetime JPH062650B2 (ja) | 1988-07-05 | 1988-07-05 | 歯科印象材用除菌洗浄剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062650B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8692167B2 (en) | 2010-12-09 | 2014-04-08 | Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh | Medical device heaters and methods |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2690371B2 (ja) * | 1989-09-29 | 1997-12-10 | 株式会社クラレ | 歯科用組成物 |
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| CA2234205C (en) * | 1995-11-01 | 2006-08-08 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Antimicrobial compositions and wet wipes including the same |
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-
1988
- 1988-07-05 JP JP63167277A patent/JPH062650B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8692167B2 (en) | 2010-12-09 | 2014-04-08 | Fresenius Medical Care Deutschland Gmbh | Medical device heaters and methods |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02152916A (ja) | 1990-06-12 |
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