JPH06264811A - 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置

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JPH06264811A
JPH06264811A JP5421593A JP5421593A JPH06264811A JP H06264811 A JPH06264811 A JP H06264811A JP 5421593 A JP5421593 A JP 5421593A JP 5421593 A JP5421593 A JP 5421593A JP H06264811 A JPH06264811 A JP H06264811A
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JP
Japan
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piezoelectric element
fuel injection
time
injection valve
dwell
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Application number
JP5421593A
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English (en)
Inventor
Masaki Mitsuyasu
正記 光安
Daisaku Sawada
大作 沢田
Seiji Morino
精二 森野
仁宏 ▲吉▼谷
Hitohiro Yoshitani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 急加速時においても、圧電素子の充電エネル
ギーを所望の値とすることができる圧電素子利用の燃料
噴射弁駆動制御装置を提供する。 【構成】 フライバックトランス(D)の2次コイルに
圧電素子を接続し、所定のタイミングで1次コイルに流
れる電流を遮断することにより、2次側コイルにフライ
バックエネルギーを発生させて圧電素子を充電させると
ともに、その圧電素子を所定のタイミングで放電させて
(C)、その圧電素子により操作される燃料噴射弁
(E)を開閉制御する内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装
置において、1次側コイルへの通電時間が所定の時間と
なるように1次側コイルへの通電開始時期を決定する
(A)とともに、エンジン回転数の変化率に基づいて通
電開始時期を補正する(B)ことができるように構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射弁
駆動制御装置、特に圧電素子アクチュエータを利用した
内燃機関用燃料噴射弁の駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子アクチュエータを利用した内燃
機関の燃料噴射弁装置は、高速動作が期待できることか
ら、最近特に注目されてきている。図10は、そのよう
な圧電素子を用いた内燃機関用燃料噴射弁装置の一例の
構成を示す概念構成図であり、そこには燃料噴射弁10
0内に駆動用アクチュエータとして圧電素子101が利
用されている。すなわち、圧電素子101の収縮に応じ
て、ピストン102が上昇して作動油103の圧力が受
圧面106の受圧以下となると、プッシュロッド104
が上昇して、圧力室105内の燃料が噴射孔108から
加圧噴射され、また、圧電素子101の伸張時には作動
油103の圧力が増して圧縮時と逆の作用により噴射孔
108が閉じて噴射が停止する。上記動作による開弁お
よび閉弁を確実なものとするため、例えば作動油室内に
皿バネ107が配設されている。
【0003】なお、圧電素子アクチュエータによる燃料
噴射弁としては、図示のものとは逆に、圧電素子の伸張
時に燃料を噴射し、収縮時に吸入するタイプのものもあ
り、これらは燃料噴射状態である圧電素子の収縮あるい
は伸張状態の継続時間により燃料噴射量が決定される。
また、圧電素子の伸縮に応じて上下するピストンにより
燃料をポンプ駆動して燃料を噴射する構造の燃料噴射弁
もあるが、このタイプのものは圧電素子の伸縮の回数に
より燃料噴射量を決定することとなる。
【0004】図11は、図10に示したような燃料噴射
弁における圧電素子駆動回路として好適なフライバック
式駆動回路の原理的構成を示す回路図であり、図中、2
01は図10における駆動用アクチュエータとしての圧
電素子101に相当する圧電素子(PZT)、202は
フライバックトランス、203は駆動トランジスタ、2
04は充電スイッチ、205は充電用逆流防止ダイオー
ド、206は放電スイッチ、207は放電用逆流防止ダ
イオード、208は放電コイル、210は電子制御ユニ
ットECUである。そして、図12は、その駆動回路に
おける通常動作時の動作波形を示している。
【0005】このフライバック式駆動回路の動作原理
は、フライバックトランス202の1次側コイルに流れ
る電流を遮断した時にトランスの2次側に発生するフラ
イバックエネルギーによって、2次側に接続された圧電
素子(PZT)201を充電し、圧電素子201を伸張
させて噴射を停止し、そして、放電コイル208を経て
圧電素子201の充電電荷を放電し、圧電素子201を
収縮させて燃料を噴射するものであり、圧電素子201
は放電から次の充電までの期間中収縮状態にあり、その
時間幅により燃料噴射量が決定されることとなる。
【0006】図12に示す動作波形中、信号211、2
12、213および214はそれぞれ噴射信号、コイル
通電信号(後述するドエル信号に相当する)、PZT放
電信号およびPZT充電信号であり、電子制御ユニット
ECU210において、機関の運転状態に応じて演算さ
れた燃料噴射時間を示す燃料噴射信号211から、圧電
素子201に必要な量のエネルギーを供給するためのコ
イル通電信号すなわちドエル信号212、噴射信号21
1の立上りおよび立下りにそれぞれ同期したPZT放電
信号213およびPZT充電信号214が形成される。
【0007】コイル通電信号すなわちドエル信号212
は、その立下りが噴射信号211の立下りに一致されて
おり、その立上りは、立上りと立下りとの間の通電時間
すなわちドエル時間が圧電素子201に一定の充電エネ
ルギーを供給することができる一定時間幅、例えば4乃
至5ミリ秒、となるように設定される。これにより、圧
電素子201の伸張量が一定となり、作動油圧の変化度
合いを一定にして、結果として、時間当り燃料噴射量す
なわち燃料噴射率を一定化し、均一化された燃料噴射制
御を可能とするものである。また、PZT放電信号21
3およびPZT充電信号214は、それぞれ、圧電素子
201の放電および充電を瞬時に達成するための放電ス
イッチ206および充電スイッチ204のオン/オフ制
御信号であり、ともに、そのオン期間は例えば200マ
イクロ秒程度の時間幅を有している。
【0008】まず、電子制御ユニットECU210から
供給されるコイル通電信号212により、t1 時点にお
いて駆動用トランジスタ203が導通され、フライバッ
クトランス202の1次コイルに1次電流I1 215が
流れる。この時、1次電流I 1 は、トランスの1次イン
ダクタンスをL1 とすれば、dI1 /dt=VB /L 1
(VB :電源電圧)の傾きをもって立ち上がる。そし
て、コイル通電期間の終了時点すなわちコイル通電信号
212の立下りt3 時点における1次電流をIDとする
と、フライバックトランス202には1/2(L1 ・I
D 2 )なる電磁エネルギーが蓄えられることとなる。こ
の間t1 〜t3 の初期においては、充電スイッチ204
および放電スイッチ206はともにオフ状態にあり、ま
た、圧電素子201は前の充電サイクルにおいて充電さ
れた状態にあって伸張されている。この時の圧電素子2
01の端子電圧すなわちPZT電圧216は、EC =I
D ・√(L1 /C)(C:圧電素子201の静電容量)
なる値に上昇しており、例えば+600V程度の値に達
する。
【0009】フライバックコイルの通電後、噴射信号2
11の立上りすなわちt2 時点に達すると、電子制御ユ
ニットECU210からPZT放電信号213が放電ス
イッチ206に印加され、放電スイッチ206がオン状
態となって放電コイル208を介して圧電素子201の
電荷が放電される。その結果、圧電素子201は収縮
し、図10における燃料噴射弁100の噴射孔108を
開き、燃料の噴射を開始する。この過渡時においては、
圧電素子201の静電容量Cと放電コイル208とによ
り共振回路が構成され、共振電流が流れて圧電素子20
1の電荷は瞬時に放電し、その端子電圧であるPZT電
圧216は急激に降下する。そこで、逆流防止ダイオー
ド207により共振電流が遮断されて放電は終了する。
この過渡変化は約100マイクロ秒であり、PZT放電
信号幅以内で終了することとなる。このため、PZT電
圧216は、点線図示のようにプラス方向への振れがカ
ットされ、ある程度のマイナス電圧、例えば−200
V、に落ち着き、圧電素子201はこの状態に対応する
収縮状態に留まることとなる。この時、この圧電素子の
収縮状態により決まるか、あるいは、機構上定まる弁開
度に応じて、図11の燃料噴射率217に示されている
ように、一定率での燃料噴射が継続されることとなる。
【0010】次いで、噴射信号211の立下りすなわち
3 時点に達すると、コイル通電信号212が立下り駆
動トランジスタ203をオフにするとともに、電子制御
ユニットECU210からPZT充電信号214が充電
スイッチ204に印加されてオンとなる。駆動トランジ
スタ203のオフにより1次電流I1 が遮断され、フラ
イバックトランス202の2次側にフライバックパルス
を発生して、上記の通電期間中すなわちドエル時間中に
蓄積されたエネルギーを放出する。この時、充電スイッ
チ204がオンにされているので、このフライバックエ
ネルギーにより圧電素子201が充電される。過渡時に
おいて、フライバックトランス202の2次側インダク
タンスと圧電素子201の静電容量Cとが共振回路を構
成し、共振電流が流れて圧電素子201は瞬時にフライ
バックエネルギーにより充電されて伸張する。放電時と
同様に、逆方向の共振電流は逆流防止ダイオード205
により遮断され、圧電素子201はフライバックエネル
ギーによる充電状態、すなわちそのエネルギー量に対応
した伸張状態、に維持されることとなる。その結果、圧
電素子201の端子電圧すなわちPZT電圧216は、
図11に示すように、急激にプラス方向に上昇して上述
したEC すなわち例えば+600Vに達し、その電圧に
保たれることとなる。フライバックトランス202の2
次側インダクタンスは放電コイル208のものと同程度
とされており、したがって、この過渡変化も約100マ
イクロ秒であり、PZT充電信号幅以内で終了すること
となる。かくして、燃料噴射率217も、図示されてい
るように、急速に噴射が停止され、噴射弁は閉じられた
状態となる。
【0011】図11のフライバック式駆動回路は以上の
ように動作して、機関の運転状態に応じた噴射時間を有
する噴射信号に従って、燃料噴射弁の燃料噴射を駆動制
御し、目的とする空燃比制御等の燃料噴射制御を実現す
ることができる。そして、自動車の内燃機関において
は、機関の運転状態に応じて、常時かつ広範囲に、その
燃料噴射量が制御されており、機関の運転状態を示すパ
ラメータ、例えばアクセル開度ACCPやエンジン回転数N
E、により決定される燃料噴射量QIN J に応じて、ドエ
ル信号およびPZT放電信号を調整することにより燃料
噴射の時期および時間を制御して、実際の燃料噴射量が
制御されることとなる。
【0012】このようなフライバック式駆動回路におい
ては、通常は、フライバックコイルにエネルギーを供給
するための通電時間すなわちドエル時間を一定にして供
給エネルギーを一定化し、その結果、燃料噴射量の調整
率を一定化しているが、要求される運転状態に対応する
ためのエンジン電子制御においては、ドエルの立上り、
あるいは、立下り時期を角度制御する必要があるため、
直前の180CACA:クランク回転角度)と所要時間と
の関係を基にしてドエル時間を角度に換算し直して、立
上り、あるいは、立下り位置を角度制御している。そこ
で、エンジン回転の急上昇時には、換算時刻と出力時刻
との間での角度/時間関係が大きくずれることとなり、
結果として、例えばドエル時間が10%近く短くなる
と、供給エネルギーも約10%減少し、それだけ噴射量
が減少する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記したフライバック
式駆動回路により燃料噴射弁の圧電素子を駆動する場
合、所定のクランクタイミングで1次側の電流を遮断す
ることによって燃料噴射弁を閉弁する。また、圧電素子
の充電エネルギーは1次側への電流の通電時間(ドエル
時間)により決定されるが、通電遮断時期がクランクタ
イミングにより決定されるために、通電開始時期もクラ
ンクタイミングにより決定されることとなる。したがっ
て、通電開始時期の決定後にエンジン回転速度が変化す
ると、時間/クランク角度が変化してしまい、所定のド
エル時間を確保することができなくなるという問題点が
ある。
【0014】そこで、本発明は、上記した問題点を解消
することのできる圧電素子駆動制御装置を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、図1に
全体構成を概念的に示すように、フライバックトランス
の2次コイルに圧電素子を接続し、所定のタイミングで
1次コイルに流れる電流を遮断することにより、2次側
コイルにフライバックエネルギーを発生させて圧電素子
を充電させるとともに、その圧電素子を所定のタイミン
グで放電させて、その圧電素子により操作される燃料噴
射弁を開閉制御する内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
(図中のC、D、E)において、1次側コイルへの通電
時間が所定の時間となるように1次側コイルへの通電開
始時期を決定する(図中の通電量・噴射量設定手段A)
とともに、エンジン回転数の変化率に基づいて通電開始
時期を補正する(図中の通電開始時期補正手段B)こと
ができるように構成される。
【0016】
【作用】この構成によれば、フライバックトランスの1
次側コイルへの通電開始時期をエンジン回転数の変化率
に基づいて補正するので、エンジンの加速によって通電
開始時期決定の基礎となる時間/クランク角が変化して
も、通電時間すなわちドエル時間を一定とすることがで
き、燃料噴射弁を操作する圧電素子への供給エネルギー
を一定化して、正確なエンジン制御を可能とすることが
できる。
【0017】
【実施例】図2は、上記したフライバック式駆動回路に
より駆動される圧電素子を用いた燃料噴射弁が適用され
た4サイクル4気筒エンジンの燃料噴射弁駆動制御シス
テムの原理的構成を示す回路ブロック図である。ここで
は、1個のフライバックトランス部220が共通に用い
られ、4気筒分の燃料噴射弁操作用の圧電素子が所定順
序で選択的にフライバック式駆動回路を形成されて駆動
される。フライバック式駆動回路の残余の部分である圧
電素子回路部221乃至224は、図示したように、4
気筒に対応して同様に構成されて設けられている。フラ
イバックトランス部220および圧電素子回路部221
乃至224の構成要素は、図11のものと同一のものが
用いられており、一例として、フライバックトランス2
02、駆動スイッチ(トランジスタ)203および充電
用逆流防止ダイオード205が共通のフライバックトラ
ンス部220に設けられたものが示されている。
【0018】図13は、この4気筒エンジンの燃料噴射
弁駆動制御システムにおける各気筒#1〜#4に対する
動作信号波形を概略的に示すタイムチャートである。図
中、信号231は駆動回路中のフライバックトランスの
コイルにエネルギーを蓄積、すなわち、エネルギーチャ
ージするためのコイル通電信号すなわちドエル信号であ
り、信号232は噴射信号、信号233はドエル信号2
31および噴射信号232に基づいて駆動される圧電素
子の端子電圧すなわちPZT電圧VPZT である。各気筒
に対するこれらの信号にはそれぞれ気筒番号が付されて
おり、また、各気筒の動作順序は通常の4気筒内燃機関
の点火順序に従っている。
【0019】上記したような燃料噴射弁駆動制御システ
ムにおいては、通常、フライバックコイルのドエル信号
の継続時間、すなわち、ドエル時間を一定にして、フラ
イバックコイルへの供給エネルギーを一定にしている
が、電子制御方式のエンジン制御においては、ドエル信
号の立上りあるいは立下り時期を制御可能として、エン
ジン運転状態に応じた各種のエンジン動作制御を可能と
する必要がある。そのために、通常、エンジンのクラン
ク回転角度(CA)を基準とし、直前の180度分のクラ
ンク回転と所要時間の関係すなわち180度分のクラン
ク回転時間180CAを基にしてドエル時間を角度に換
算し直し、ドエル信号の立上りあるいは立下り位置を角
度制御するようにしている。
【0020】図4は、そのような燃料噴射弁駆動制御シ
ステムにおける制御動作を説明するためのタイムチャー
トであり、図中、Aは180CA毎のタイミング、Bは3
CA毎の割込タイミング、Cはドエル信号(TDWL )、
Dは噴射信号(TINJ )、Eはエンジン回転数を示して
いる。通常、ドエル信号におけるドエル時間TDWL は一
定時間、例えば5ms、に制御されているが、ドエルの
立上り(角度θS )および立下り(角度θE )は、図中
BおよびCに示されているように、30CA毎のクランク
信号から出力されている。そして、噴射データおよびド
エルデータは、180CA毎のTDC(Top Dead Center)
タイミングにより、例えば図示の場合は直前の180度
の回転時間180CAすなわちT180を用いて、予
め計算されている。
【0021】ところで、図4のエンジン回転数Eに示さ
れているように、急加速が行われてエンジン回転が急上
昇すると、計算ドエル時間よりも実ドエル時間が次のよ
うに短縮される。すなわち、ドエル信号の立上り位置
(角度θS )および立下り位置(角度θE )は、直前の
T180により計算した通りの立上り時間TS および
立下り時間TE に制御されるが、ドエルオン時間は30
CA角度信号により処理されているために、ドエル信号立
上り時点(角度θS )における直前の仮想180CAを
図示のようにT180とすれば、実ドエル時間が ΔT30≒〔(T180/6)−(T180/6)〕 時間だけ短縮されて出力されることとなる。ここでは、
ドエル信号立下り時点(角度θE )における直前の仮想
180CA(T180)は、T180=T180
としている。したがって、このために燃料噴射量QINJ
がそれだけ不足することとなる。
【0022】これに対する対策としては、つぎの2通り
の補正方法があり、補正値の一例を図5に示す。 (1) 噴射量の急増に対応して、ドエル補正時間ΔTDWL
(図5F)、補正実行時間ΔTIME(図5G)をマップ計
算により求め、TDWL 量をΔTIME時間だけ実行する。 (2) エンジン回転の上昇率に対応して、ドエル補正時間
ΔTDWL (図5H)をマップ計算し、補正を実行する。
【0023】図6ないし図8は、そのような補正を含む
本発明による燃料噴射弁駆動制御装置を実現するための
ソフトウェアの一例を示すフローチャートであり、図9
はそのフローチャートにおける各データのタイミングを
示すタイムチャートである。図6は、燃料噴射量QINJ
を演算するためのメインルーチンであり、図示されてい
るように、燃料噴射量QINJをスロットルバルブ開度位置
ACCPおよびエンジン回転数NEに基づいて計算する。すな
わち、QINJ=f(ACCP,NE) により燃料噴射量QINJが求めら
れる。このメインルーチンは、例えば5ms毎に実行さ
れる。
【0024】図7および図8は、30CA毎に実行される
ドエル時間および噴射時間設定のための30CA割込ルー
チンである。まず、ステップaにおいて、180CAタイ
ミングに来たか否かが判断され、Noの場合は後述する図
8のステップj以下の前回データによるドエル時間およ
び噴射時間設定を繰り返す。Yes の場合はステップbに
おいて、エンジンの運転状態を示すパラメータACCP、NE
に応じて噴射時期AINJおよび噴射時間TINJを計算する。
次いで、ステップcにおいて、後述する急加速時のドエ
ル時間補正の補正実行時間ΔTIMEの経過をみて、経過し
ていなければステップh以下の急加速状態における補正
されたドエルデータに基づいてドエル時間および噴射時
間設定を行う。
【0025】ステップcにおいて補正実行時間ΔTIMEが
既に経過している場合は、ドエルデータを計算し直す。
そこでは、ステップdにおいて、噴射量QINJの前回QINJ
B からの増加が一定値K 以上か否か(QINJ-QINJB>K?)
により、急加速状態か否かを判断し、Noであればステッ
プeにおいてドエル時間TDWL を5msとする通常のド
エルデータの計算が行われる。
【0026】このステップeにおける通常のドエルデー
タの計算においては、図示したように、次の各データの
計算を行う。 ドエル終了設定角 ADWLE=f(ACCP,NE) ドエル終了設定時間 TDWLE=f(ADWLE) ドエル時間 TDWL=5MS ドエル開始設定角 ADWLS=ADWLE+f(NE,TDWL) ドエル開始設定時間 TDWLS=f(ADWLS) これら各データの意味およびタイミングは、図9のタイ
ムチャート中ハッチング部分を零としたものとして示す
ことができる。
【0027】ステップdにおける判断がYes 、すなわ
ち、急加速状態の場合は、ステップfに進み、加速前後
の噴射量差ΔQ=QINJ-QINJBを求め、更にステップgにお
いて、上記した補正方法(1) あるいは(2) を用い、噴射
量差ΔQ に基づいて補正ドエル時間ΔTDWL=f( ΔQ)およ
び補正実行時間ΔTIME=f( ΔQ)を求める。そして、この
補正後の時間を用いて、ステップhにおいて急加速状態
における補正ドエルデータの計算が行われる。
【0028】このステップhにおける急加速状態におけ
るドエルデータは、次のように計算される。 ドエル終了設定角 ADWLE=f(ACCP,NE) ドエル終了設定時間 TDWLE=f(ADWLE) ドエル時間 TDWL=5MS+ΔTDWL ドエル開始設定角 ADWLS=ADWLE+f(NE,TDWL) ドエル開始設定時間 TDWLS=f(ADWLS) これら各データの意味およびタイミングは、図9のタイ
ムチャートに示されている。
【0029】上記のようにステップeあるいはステップ
hにおいて180CA毎にドエルデータが計算されると、
ステップiにおいて現在の噴射量により前回噴射量メモ
リを書換える(QINJ→QINJB )。ここで、上記した実施
例においては、ステップd乃至gにおいて急加速状態に
あるか否かの判断と必要なドエル時間補正量を求めるた
めに、機関の運転状態(ACCP,NE) により演算された燃料
噴射量QINJの変化率を示す単位変化量ΔQ(=QINJ-QINJB)
を用いて判断し、かつ、その単位変化量ΔQ を用いてド
エル時間補正量の計算を行っているが、急加速状態は、
図4および図5から明らかなように、少なくともエンジ
ン回転数NEの変化率が大きいことを判断すればよく、ま
た、上記した燃料噴射量QINJのようなエンジン回転数NE
の変化率に比例した値を用いて、その判断を行い、か
つ、ドエル時間補正量を求めることもできるので、エン
ジン回転数NEをパラメータに含むその他の操作量を上記
の判断および補正量の演算を行うために用いることがで
きることはいうまでもない。
【0030】続いて、こうして得たドエルデータを用い
て、図8に示すように、ステップjにおいて噴射開始角
度タイミングAINJにあるか否かを判断して、そのタイミ
ングにあればステップkにおいて噴射時間TINJを設定
し、ステップmにおいてドエル開始設定角度タイミング
ADWLS にあるか否かを判断して、そのタイミングにあれ
ばステップnにおいてドエル開始時間TDWLS をセット
し、そして、ステップpにおいてドエル終了設定角度タ
イミングADWLE にあるか否かを判断して、そのタイミン
グにあればステップqにおいてドエル終了時間TDWLE を
セットする。
【0031】こうして、図8のステップk、nおよびq
において出力されたTINJ出力、TDWLS 出力およびTDWLE
出力により、図9に例示するようなタイミングにおいて
ドエル信号および噴射信号が形成される。図9は、4気
筒内燃機関のTDCタイミングにおいて、第1気筒1#
に対する上述したフローチャートにおける各データと、
出力される#1ドエル信号および#1噴射信号の間の時
間関係を例示している。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エンジ
ン回転が急変する過渡時においても、フライバックトラ
ンスへの通電時間を所望の値に維持することができ、圧
電素子の充電エネルギーを所望の値とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料噴射弁駆動制御装置の概念的
な構成を示す全体ブロック図である。
【図2】フライバック式駆動回路により駆動される圧電
素子を用いた燃料噴射弁が適用された4サイクル4気筒
エンジンの燃料噴射弁駆動制御システムの原理的構成を
示す回路ブロック図である。
【図3】図2の燃料噴射弁駆動制御システムの動作波形
を概念的に示すタイムチャートである。
【図4】図2の燃料噴射弁駆動制御システムにおける制
御動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】ドエル時間の補正値を例示するグラフである。
【図6】本発明による燃料噴射弁駆動制御装置を実現す
るためのソフトウェアの一例を示すフローチャートの一
部である。
【図7】本発明による燃料噴射弁駆動制御装置を実現す
るためのソフトウェアの一例を示すフローチャートの一
部である。
【図8】本発明による燃料噴射弁駆動制御装置を実現す
るためのソフトウェアの一例を示すフローチャートの一
部である。
【図9】本発明による燃料噴射弁駆動制御装置における
各種データのタイミングを示すタイムチャートである。
【図10】圧電素子により操作される内燃機関用燃料噴
射弁装置の一例の構成を示す概念図である。
【図11】内燃機関用燃料噴射弁装置における圧電素子
駆動回路の典型例であるフライバック式駆動回路の概略
構成を示す回路図である。
【図12】図11のフライバック式駆動回路における通
常動作時の動作波形を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
100…燃料噴射弁 101、201…圧電素子 103…作動油 104…プッシュロッド 105…圧力室 108…噴射孔 202…フライバックトランス 203…駆動トランジスタ 204…充電スイッチ 205、207…逆流防止ダイオード 206…放電スイッチ 208…放電コイル 210…電子制御ユニット 211…噴射信号 212…コイル通電信号 213…PZT放電信号 214…PZT充電信号 215…1次電流 216…PZT電圧 217…燃料噴射率 221、222、223、224…フライバック式駆動
回路 231…ドエル信号 232…噴射信号 233…PZT電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森野 精二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼谷 仁宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの2次コイルに圧電素子を接続
    し、所定のタイミングで1次コイルに流れる電流を遮断
    することにより、2次側コイルにフライバックエネルギ
    ーを発生させて圧電素子を充電させるとともに、その圧
    電素子を所定のタイミングで放電させて、その圧電素子
    により操作される燃料噴射弁を開閉制御する内燃機関用
    燃料噴射弁駆動制御装置において、 1次側コイルへの通電時間が所定の時間となるように1
    次側コイルへの通電開始時期を決定する通電時間設定手
    段と、 機関回転数の変化率に基づいて通電開始時期を補正する
    通電開始時期補正手段とを備えていることを特徴とする
    内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置。
JP5421593A 1993-03-15 1993-03-15 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置 Pending JPH06264811A (ja)

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