JPH06264810A - 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置

Info

Publication number
JPH06264810A
JPH06264810A JP5420193A JP5420193A JPH06264810A JP H06264810 A JPH06264810 A JP H06264810A JP 5420193 A JP5420193 A JP 5420193A JP 5420193 A JP5420193 A JP 5420193A JP H06264810 A JPH06264810 A JP H06264810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel injection
piezoelectric element
injection valve
flyback
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5420193A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Mitsuyasu
正記 光安
Daisaku Sawada
大作 沢田
Seiji Morino
精二 森野
仁宏 ▲吉▼谷
Hitohiro Yoshitani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, NipponDenso Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5420193A priority Critical patent/JPH06264810A/ja
Publication of JPH06264810A publication Critical patent/JPH06264810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のフライバックトランスを用いて、連続
する燃料噴射を安定に制御することができる圧電素子ア
クチュエータによる内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
を提供する。 【構成】 フライバックトランス(A、B、C)の2次
コイルに圧電素子(#1〜#4)を接続し、所定のタイ
ミングで1次コイルに流れる電流を遮断することによ
り、2次側コイルにフライバックエネルギーを発生させ
て圧電素子を充電させるとともに、該圧電素子を所定の
タイミングで放電させて、該圧電素子により操作される
燃料噴射弁を開閉制御する内燃機関の燃料噴射弁駆動制
御装置において、一つの燃料噴射弁が1サイクル内にお
いて複数回噴射されるようにする場合は、各々の噴射が
異なるトランス(AあるいはBとC)により駆動される
ように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射弁
駆動制御装置、特に圧電素子アクチュエータを利用した
内燃機関用燃料噴射弁の駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子アクチュエータを利用した内燃
機関の燃料噴射弁装置は、高速動作が期待できることか
ら、最近特に注目されてきている。図5は、そのような
圧電素子を用いた内燃機関用燃料噴射弁装置の一例の構
成を示す概念構成図であり、そこには燃料噴射弁100
内に駆動用アクチュエータとして圧電素子101が利用
されている。すなわち、圧電素子101の収縮に応じ
て、ピストン102が上昇して作動油103の圧力が受
圧面106の受圧以下となると、プッシュロッド104
が上昇して、圧力室105内の燃料が噴射孔108から
加圧噴射され、また、圧電素子101の伸張時には作動
油103の圧力が増して圧縮時と逆の作用により噴射孔
108が閉じて噴射が停止する。上記動作による開弁お
よび閉弁を確実なものとするため、例えば作動油室内に
皿バネ107が配設されている。
【0003】なお、圧電素子アクチュエータによる燃料
噴射弁としては、図示のものとは逆に、圧電素子の伸張
時に燃料を噴射し、収縮時に吸入するタイプのものもあ
り、これらは燃料噴射状態である圧電素子の収縮あるい
は伸張状態の継続時間により燃料噴射量が決定される。
また、圧電素子の伸縮に応じて上下するピストンにより
燃料をポンプ駆動して燃料を噴射する構造の燃料噴射弁
もあるが、このタイプのものは圧電素子の伸縮の回数に
より燃料噴射量を決定することとなる。
【0004】図6は、図5に示したような燃料噴射弁に
おける圧電素子駆動回路として好適なフライバック式駆
動回路の原理的構成を示す回路図であり、図中、201
は図5における駆動用アクチュエータとしての圧電素子
101に相当する圧電素子(PZT)、202はフライ
バックトランス、203は駆動トランジスタ、204は
充電スイッチ、205は充電用逆流防止ダイオード、2
06は放電スイッチ、207は放電用逆流防止ダイオー
ド、208は放電コイル、210は電子制御ユニットE
CUである。そして、図7は、その駆動回路における通
常動作時の動作波形を示している。
【0005】このフライバック式駆動回路の動作原理
は、フライバックトランス202の1次側コイルに流れ
る電流を遮断した時にトランスの2次側に発生するフラ
イバックエネルギーによって、2次側に接続された圧電
素子(PZT)201を充電し、圧電素子201を伸張
させて噴射を停止し、そして、放電コイル208を経て
圧電素子201の充電電荷を放電し、圧電素子201を
収縮させて燃料を噴射するものであり、圧電素子201
は放電から次の充電までの期間中収縮状態にあり、その
時間幅により燃料噴射量が決定されることとなる。
【0006】図7に示す動作波形中、信号211、21
2、213および214はそれぞれ噴射信号、コイル通
電信号(後述するドエル信号に相当する)、PZT放電
信号およびPZT充電信号であり、電子制御ユニットE
CU210において、機関の運転状態に応じて演算され
た燃料噴射時間を示す燃料噴射信号211から、圧電素
子201に必要な量のエネルギーを供給するためのコイ
ル通電信号すなわちドエル信号212、噴射信号211
の立上りおよび立下りにそれぞれ同期したPZT放電信
号213およびPZT充電信号214が形成される。
【0007】コイル通電信号すなわちドエル信号212
は、その立下りが噴射信号211の立下りに一致されて
おり、その立上りが圧電素子201に一定の充電エネル
ギーを供給することができる一定時間幅、例えば4乃至
5ミリ秒、となるように設定される。これにより、圧電
素子201の伸張量が一定となり、作動油圧の変化度合
いを一定にして、結果として、時間当り燃料噴射量すな
わち燃料噴射率を一定化し、均一化された燃料噴射制御
を可能とするものである。また、PZT放電信号213
およびPZT充電信号214は、それぞれ、圧電素子2
01の放電および充電を瞬時に達成するための放電スイ
ッチ206および充電スイッチ204のオン/オフ制御
信号であり、ともに、そのオン期間は例えば200マイ
クロ秒程度の時間幅を有している。
【0008】まず、電子制御ユニットECU210から
供給されるコイル通電信号212により、t1 時点にお
いて駆動用トランジスタ203が導通され、フライバッ
クトランス202の1次コイルに1次電流I1 215が
流れる。この時、1次電流I 1 は、トランスの1次イン
ダクタンスをL1 とすれば、dI1 /dt=VB /L 1
(VB :電源電圧)の傾きをもって立ち上がる。そし
て、コイル通電期間の終了時点すなわちコイル通電信号
212の立下りt3 時点における1次電流をIDとする
と、フライバックトランス202には1/2(L1 ・I
D 2 )なる電磁エネルギーが蓄えられることとなる。こ
の間t1 〜t3 の前期においては、充電スイッチ204
および放電スイッチ206はともにオフ状態にあり、ま
た、圧電素子201は前の充電サイクルにおいて充電さ
れた状態にあって伸張されている。この時の圧電素子2
01の端子電圧すなわちPZT電圧216は、EC =I
D ・√(L1 /C)(C:圧電素子201の静電容量)
なる値に上昇しており、例えば+600V程度の値に達
する。
【0009】フライバックコイルの通電後、噴射信号2
11の立上りすなわちt2 時点に達すると、電子制御ユ
ニットECU210からPZT放電信号213が放電ス
イッチ206に印加されると、放電スイッチ206がオ
ン状態となって放電コイル208を介して圧電素子20
1の電荷が放電される。その結果、圧電素子201は収
縮し、図5における燃料噴射弁100の噴射孔108を
開き、燃料の噴射を開始する。この過渡時においては、
圧電素子201の静電容量Cと放電コイル208とによ
り共振回路が構成され、共振電流が流れて圧電素子20
1の電荷は瞬時に放電し、その端子電圧であるPZT電
圧216は急激に降下する。そこで、逆流防止ダイオー
ド207により共振電流が遮断されて放電は終了する。
この過渡変化は約100マイクロ秒であり、PZT放電
信号幅以内で終了することとなる。このため、PZT電
圧216は、点線図示のようにプラス方向の振れがカッ
トされ、ある程度のマイナス電圧、例えば−200V、
に落ち着き、圧電素子201はこの状態に対応する収縮
状態に留まることとなる。この時、この圧電素子の収縮
状態により決まるか、あるいは、機構上定まる弁開度に
応じて、図7の燃料噴射率217に示されているよう
に、一定率での燃料噴射が継続されることとなる。
【0010】次いで、噴射信号211の立下りすなわち
3 時点に達すると、コイル通電信号212が立下り、
駆動トランジスタ203をオフにするとともに、電子制
御ユニットECU210からPZT充電信号214が充
電スイッチ204に印加されてオンとなる。駆動トラン
ジスタ203のオフにより1次電流I1 が遮断され、フ
ライバックトランス202の2次側にフライバックパル
スを発生して、上記の通電期間中すなわちドエル時間中
に蓄積されたエネルギーを放出する。この時、充電スイ
ッチ204がオンにされているので、このフライバック
エネルギーにより圧電素子201が充電される。過渡時
において、フライバックトランス202の2次側インダ
クタンスと圧電素子201の静電容量Cとが共振回路を
構成し、共振電流が流れて圧電素子201は瞬時にフラ
イバックエネルギーにより充電されて伸張する。放電時
と同様に、逆方向の共振電流は逆流防止ダイオード20
5により遮断され、圧電素子201はフライバックエネ
ルギーによる充電状態、すなわちそのエネルギー量に対
応した伸張状態、に維持されることとなる。その結果、
圧電素子201の端子電圧すなわちPZT電圧216
は、図7に示すように、急激にプラス方向に上昇して上
述したEC すなわち例えば+600Vに達し、その電圧
に保たれることとなる。フライバックトランス202の
2次側インンダクタンスは放電コイル208のものと同
程度とされており、したがって、この過渡変化も約10
0マイクロ秒であり、PZT充電信号幅以内で終了する
こととなる。かくして、燃料噴射率217も、図示され
ているように、急速に噴射が停止され、噴射弁は閉じら
れた状態となる。
【0011】図6のフライバック式駆動回路は以上のよ
うに動作して、機関の運転状態に応じた噴射時間を有す
る噴射信号に従って、燃料噴射弁の燃料噴射を駆動制御
し、目的とする空燃比制御等の燃料噴射制御を実現する
ことができる。図8は、上記したフライバック式駆動回
路により駆動される圧電素子を用いた燃料噴射弁が適用
された4サイクル4気筒エンジンの燃料噴射弁駆動制御
システムの原理的構成を示す回路ブロック図である。こ
こでは、1個のフライバックトランス部220が共通に
用いられ、4気筒分の燃料噴射弁操作用の圧電素子が所
定順序で選択的にフライバック式駆動回路を形成されて
駆動される。フライバック式駆動回路の残余部分の圧電
素子回路部221乃至224は、図示したように、4気
筒に対応して同様に構成されて設けられている。フライ
バックトランス部220および圧電素子回路部221乃
至224の構成要素は、図6のものと同一のものが用い
られており、一例として、フライバックトランス20
2、駆動スイッチ(トランジスタ)203および充電用
の逆流防止ダイオード205が共通のフライバックトラ
ンス部220に設けられたものが示されている。
【0012】図9は、この4気筒エンジンの燃料噴射弁
駆動制御システムにおける各気筒#1〜#4に対する動
作信号波形を概略的に示すタイムチャートである。図
中、信号231は駆動回路中のフライバックトランスの
コイルにエネルギーを蓄積、すなわち、エネルギーチャ
ージするためのコイル通電信号すなわちドエル信号であ
り、信号232は噴射信号、信号233はドエル信号2
31および噴射信号232に基づいて駆動される圧電素
子の端子電圧すなわちPZT電圧VPZT である。各気筒
に対するこれらの信号にはそれぞれ気筒番号が付されて
おり、また、各気筒の動作順序は通常の4気筒内燃機関
の点火順序に従っている。
【0013】このような自動車の内燃機関用燃料噴射弁
駆動制御装置においては、機関の運転状態に応じて、常
時かつ広範囲に、その燃料噴射量が制御されており、機
関の運転状態を示すパラメータ、例えばアクセル開度AC
CPやエンジン回転数NE、により決定される燃料噴射量Q
INJ に応じて噴射信号を形成し、それに基づいてドエル
信号ならびにPZT放電および充電信号を調整すること
により、燃料噴射の時期および時間を制御して、機関各
気筒に対する実際の燃料噴射量が制御されることとな
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記した図8に示され
ているような1個のフライバックトランスにより4サイ
クル4気筒の内燃機関の燃料噴射を共通に制御する場
合、例えば図10に示されているように、運転状態の急
変等により隣合う気筒同志の噴射時期が接近し、ドエル
角度が重複すると、後続側の燃料噴射弁、図中では#2
噴射弁、の圧電素子に対する充電エネルギーが不足する
こととなり、各気筒に対する燃料噴射制御を安定に行う
ことができなくなるという問題がある。
【0015】加えて、圧電素子アクチュエータによる燃
料噴射弁を利用した内燃機関の制御においては、高速応
答特性に基づく微細な制御が可能であることから、各気
筒に対する燃料噴射を1サイクル内において複数回噴
射、例えば、吸気行程および圧縮行程において2回噴射
させ、かつ、それらの噴射量をも微細に制御して良好な
機関制御を実現するという要求があるが、このような場
合、上記した図8に示した1個のフライバックトランス
により駆動する構成によれば、相連続する噴射において
ドエル時間が重複し、連続する噴射が不可能となる。
【0016】また、そのような場合においても、複数回
噴射の各々について、1個のフライバックトランスによ
り、例えば、4サイクル4気筒の内燃機関の燃料噴射を
共通に制御する場合、図8の場合と同様に、運転状態の
急変等により隣合う気筒同志の噴射時期が接近し、ドエ
ル角度が重複し、各噴射について各気筒に対する燃料噴
射制御を安定に行うことができないという問題が発生す
る。
【0017】本発明は、このような図8に示すような原
理的な構成の圧電素子アクチュエータによる燃料噴射弁
駆動制御装置における問題点を解消するためのものであ
り、複数のフライバックトランスを用いて、連続する燃
料噴射を安定に制御することを可能とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、トラン
スの2次コイルに圧電素子を接続し、所定のタイミング
で1次コイルに流れる電流を遮断することにより、2次
側コイルにフライバックエネルギーを発生させて圧電素
子を充電させるとともに、該圧電素子を所定のタイミン
グで放電させて、該圧電素子により操作される燃料噴射
弁を開閉制御する内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置に
おいて、一つの燃料噴射弁が1サイクル内において複数
回噴射される、例えば、吸気行程および圧縮行程におい
てそれぞれ噴射される、ようにする場合は、各々の噴射
が異なるトランスにより駆動されるように構成される。
【0019】また、各噴射について、噴射タイミングの
隣合う燃料噴射弁の圧電素子の各々が異なるトランスに
より駆動されるように構成される。
【0020】
【作用】上記した構成によれば、1個のフライバックコ
イルにより駆動される圧電素子数を低減することができ
るので、各コイルが受け持つ燃料噴射弁に対するドエル
時間を十分長くとることができ、機関の高速回転あるい
は加速過渡時においても、例えば4〜5ミリ秒の必要な
ドエル時間を確保することができる。
【0021】
【実施例】図1は、本願第1の発明による内燃機関の燃
料噴射弁駆動制御装置の実施例の原理的な構成を説明す
るための回路図およびタイムチャートである。図1
(1)は、4サイクル4気筒用圧電素子駆動回路に適用
した実施例の概略構成を示しており、そこでは、圧電素
子駆動回路は上記した図6あるいは図8に示したものと
原理的に同じ回路構成が用いられており、各回路要素に
ついての説明は省略する。本実施例においては、一つの
フライバックトランスにより4気筒#1〜#4に対する
燃料噴射弁駆動用圧電素子#1PZT〜#4PZTが共
通的に駆動されているが、各気筒に対して、1サイクル
内において複数回噴射される、例えば、吸気行程および
圧縮行程においてそれぞれ噴射されるようになってお
り、吸気行程において燃料噴射を行う吸気行程用フライ
バックトランスAと圧縮行程において燃料噴射を行う圧
縮行程用フライバックトランスBとが設けられている。
吸気行程および圧縮行程において燃料噴射を行うのは、
吸気行程噴射により点火までに良好な混合気を生成し、
また、圧縮行程噴射により点火時にプラグ周囲に濃い混
合気を形成するためである。
【0022】図1(2)は、その場合の両フライバック
トランスAおよびBの駆動波形をクランク回転角
度(CA)との関係において示すタイムチャートである。
各フライバックトランスAあるいはBの駆動波形は、1
次コイルを流れる1次電流により示されている。各気筒
に注目すれば、各々連続する吸気行程噴射および圧縮行
程噴射のためのフライバックエネルギーの蓄積、すなわ
ち、ドエル時間が異なるフライバックトランスAおよび
Bにより受け持たれていることが明らかである。
【0023】図2は、より詳細に4気筒#1〜#4に対
する吸気行程噴射及び圧縮工程噴射のタイミングを示す
タイムチャートであり、図中、電子制御ユニットECU
(図6の210)の出力信号としての吸気噴射用および
圧縮噴射用のPZT噴射信号(2) とフライバックトラン
スAおよびBの1次コイルへの通電信号であるフライバ
ック通電信号すなわちドエル信号(3) 、その結果として
のPZT電圧波形(1)が時間関係を明らかにして示され
ている。この図においては、各気筒について吸気噴射と
圧縮噴射とがともに実行され、かつ、やや吸気噴射時間
が長い場合が示されているが、この場合は機関負荷が中
程度の負荷すなわち中負荷における制御状態に相当する
ものであり、必要とされる燃料噴射量と混合気の生成状
態から、例えば、軽負荷においては圧縮工程のみ燃料噴
射が実行され、また、高負荷においては吸気工程のみ燃
料噴射が実行されることとなる。
【0024】上記した図1に示されている4気筒エンジ
ンにおいては、それぞれ1個の吸気行程用フライバック
コイルAと圧縮行程用フライバックコイルBとにより、
吸気行程噴射と圧縮行程噴射とを制御しているが、この
場合においても、高回転の過渡状態においては、吸気行
程の噴射時期がエンジンマップ上で大幅に変化し、しか
も、上述したように高負荷時には吸気行程噴射が主要な
噴射とされていることから、これに同期した連続する吸
気行程用フライバックコイルのドエル時間が重複するこ
とが発生する。このような状態においては、後続側の吸
気行程用噴射のためのフライバックエネルギーが不足す
ることとなり、対応する気筒の燃料噴射量が低減し、失
火等が発生するという事態が生じる。
【0025】このため、本願第2の発明によれば、吸気
行程噴射のためにも二つのフライバックトランスが設け
られる。すなわち、図3は、本願第1の発明による内燃
機関の燃料噴射弁駆動制御装置の実施例の原理的な構成
を説明するための回路図およびタイムチャートである。
図3(1)は、4サイクル4気筒用圧電素子駆動回路に
適用した実施例の概略構成を示しており、そこでは、吸
気行程用フライバックトランスとして二つのフライバッ
クトランスAおよびBが設けられ、圧縮行程用としては
図1(1)の構成と同様に一つのフライバックトランス
Cが設けられている。この吸気行程用フライバックトラ
ンスAは#1および#4の吸気行程噴射を受持ち、吸気
行程用フライバックトランスBは#2および#3の吸気
行程噴射を受持っている。
【0026】図3(2)は、その場合の両吸気行程用フ
ライバックトランスAおよびBの駆動波形および圧縮行
程用フライバックトランスCの駆動波形をクランク回転
角度(CA)との関係において示すタイムチャートであ
る。図1(2)の場合と同様に、各フライバックトラン
スA、BあるいはCの駆動波形は、1次コイルを流れる
1次電流により示されている。各気筒に注目すれば、連
続する吸気行程噴射および圧縮行程噴射のためのフライ
バックエネルギーの蓄積、すなわち、ドエル時間が異な
るフライバックトランスA(あるいはB)およびCによ
り受け持たれているとともに、吸気行程噴射について
は、噴射タイミングが隣合う気筒の燃料噴射弁を操作す
るための圧電素子に対するドエル時間が別のフライバッ
クトランスAおよびBにより分担されている。このよう
に構成したことにより、連続する吸気行程噴射のための
ドエル開始時期の間隔を図1の場合の180 (CA) から
360(CA) とし、したがって、ドエル時間を2倍に延
長することができる。
【0027】図4は、図3(1)の実施例駆動回路の動
作を、吸気行程噴射のみについてそのタイミングを示す
タイムチャートであり、図10に示されているものと同
様な動作波形であるが、例えば気筒#1、#4のドエル
角度がフライバックトランスA、また、気筒#2、#3
のドエル角度がフライバックトランスBというように、
別のフライバックトランスにより担当されている点で異
なっている。いま、急加速が行われて過渡的に噴射時期
および時間が急変したとすると、図に示すように、気筒
#1についてのドエル時間と気筒#3についてのドエル
時間とが時間的に重複するが、各々のドエル時間は別の
フライバックトランスAとBにより受け持たれているこ
とから、蓄積されたエネルギーが混合されることはな
く、事実上ドエルの重複を発生していないこととなる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明による内燃機関の
燃料噴射弁駆動制御装置によれば、相連続する噴射にお
いて、ドエル角度が重複することがなくなるため、いか
なる機関の運転状態であっても、安定な連続噴射が可能
となる。特に、一つの燃料噴射弁が1サイクル内におい
て複数回噴射される場合において、各々の噴射のための
ドエル角度の重複を避け、また、各噴射についても、噴
射タイミングが隣合う燃料噴射弁についてのドエル角度
の重複を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1の発明による内燃機関の燃料噴射弁駆
動制御装置の実施例の原理的な構成を説明するための回
路図およびタイムチャートである。
【図2】図1の実施例について、より詳細に吸気行程噴
射及び圧縮工程噴射のタイミングを示すタイムチャート
である。
【図3】本願第1の発明による内燃機関の燃料噴射弁駆
動制御装置の実施例の原理的な構成を説明するための回
路図およびタイムチャートである。
【図4】図3の実施例について、吸気行程噴射のみにつ
いてそのタイミングを示すタイムチャートである。
【図5】圧電素子を用いた内燃機関用燃料噴射弁装置の
一例の構成を示す概念構成図である。
【図6】フライバック式圧電素子駆動回路の原理的構成
を示す回路図である。
【図7】図10のフライバック式圧電素子駆動回路の動
作信号波形を示すタイムチャートである。
【図8】フライバック式駆動回路により駆動される圧電
素子を用いた燃料噴射弁が適用された4サイクル4気筒
エンジンの燃料噴射弁駆動制御システムの原理的構成を
示す回路ブロック図である。
【図9】図12の4サイクル4気筒エンジンの燃料噴射
弁駆動制御システムの動作を説明するためのタイムチャ
ートである。
【図10】4サイクル4気筒エンジンの燃料噴射弁駆動
制御システムにおいてドエルオン時間が重複する状態を
説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
100…燃料噴射弁 101、201…圧電素子 103…作動油 104…プッシュロッド 105…圧力室 108…噴射孔 202…フライバックトランス 203…駆動トランジスタ 204…充電スイッチ 205、207…逆流防止ダイオード 206…放電スイッチ 208…放電コイル 210…電子制御ユニット 211…噴射信号 212…コイル通電信号 213…PZT放電信号 214…PZT充電信号 215…1次電流 216…PZT電圧 217…燃料噴射率 221、222、223、224…フライバック式駆動
回路 231…ドエル信号 232…噴射信号 233…PZT電圧 A、B、C…フライバックコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森野 精二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼谷 仁宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライバックトランスの2次コイルに圧
    電素子を接続し、所定のタイミングで1次コイルに流れ
    る電流を遮断することにより、2次側コイルにフライバ
    ックエネルギーを発生させて圧電素子を充電させるとと
    もに、該圧電素子を所定のタイミングで放電させて、該
    圧電素子により操作される燃料噴射弁を開閉制御する内
    燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置において、 上記内燃機関の複数の気筒に燃料を噴射するための複数
    の燃料噴射弁と、 上記複数の燃料噴射弁を所定の順序で順次開閉制御する
    順次駆動制御手段と、 上記複数の燃料噴射弁のうち噴射タイミングの隣合う燃
    料噴射弁を操作する圧電素子を別々に駆動する複数のフ
    ライバックトランスとを備えた内燃機関の燃料噴射弁駆
    動制御装置。
  2. 【請求項2】 フライバックトランスの2次コイルに圧
    電素子を接続し、所定のタイミングで1次コイルに流れ
    る電流を遮断することにより、2次側コイルにフライバ
    ックエネルギーを発生させて圧電素子を充電させるとと
    もに、該圧電素子を所定のタイミングで放電させて、該
    圧電素子により操作される燃料噴射弁を開閉制御する内
    燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置において、 燃料噴射弁が1サイクル内において複数回噴射されるよ
    うに制御する制御手段と、 上記複数回噴射の各々のために、上記燃料噴射弁を操作
    する圧電素子を別々に駆動する複数のフライバックトラ
    ンスとを備えた内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置。
JP5420193A 1993-03-15 1993-03-15 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置 Pending JPH06264810A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5420193A JPH06264810A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5420193A JPH06264810A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06264810A true JPH06264810A (ja) 1994-09-20

Family

ID=12963940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5420193A Pending JPH06264810A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06264810A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6564770B1 (en) * 1997-12-03 2003-05-20 Orbital Engine Company (Australia) Pty. Limited Method of injection of a fuel-gas mixture to an engine
US7546830B2 (en) 2006-06-14 2009-06-16 Denso Corporation Injector drive device and injector drive system
US7819337B2 (en) 2006-07-04 2010-10-26 Denso Corporation Piezo injector and piezo injector system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6564770B1 (en) * 1997-12-03 2003-05-20 Orbital Engine Company (Australia) Pty. Limited Method of injection of a fuel-gas mixture to an engine
US7546830B2 (en) 2006-06-14 2009-06-16 Denso Corporation Injector drive device and injector drive system
US7819337B2 (en) 2006-07-04 2010-10-26 Denso Corporation Piezo injector and piezo injector system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4083571B2 (ja) 内燃機関を動作させる方法
CA1300218C (en) Method and apparatus for controlling a solenoid operated fuel injector
US4680667A (en) Solenoid driver control unit
JP2598595B2 (ja) 卓越的誘導負荷、特に電気インジェクター用制御回路
JP4621411B2 (ja) エンジンのシリンダに多燃料噴射を供給するための方法と装置
US7673608B2 (en) Engine starting for engine having adjustable valve operation
JP2008032029A (ja) 内燃機関の制御方法及び制御装置
WO2002006657A9 (en) Method and apparatus for delivering multiple fuel injections to the cylinder of an internal combustion engine
US5513618A (en) High performance ignition apparatus and method
JP4787407B2 (ja) 少なくとも1つの容量性アクチュエータを制御するための方法及び装置
EP0640180B1 (en) High performance ignition apparatus and method
CA2386276C (en) Capacitive discharge ignition system with extended duration spark
JPH06264810A (ja) 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
JP3048285B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
JP3048286B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
JP3036105B2 (ja) ピエゾアクチュエータの駆動回路
JP3765286B2 (ja) ピエゾアクチュエータ駆動回路
US7066161B2 (en) Capacitive discharge ignition system
EP0142478A1 (en) Method and apparatus in electronic ignition systems for internal combustion engine
EP2770188A1 (en) Method and system to control fuel injection
JP3424239B2 (ja) 燃料噴射装置及び燃料噴射弁駆動回路
JPH06264811A (ja) 内燃機関の燃料噴射弁駆動制御装置
JPH0861125A (ja) アクチュエータ駆動回路
JPS58106175A (ja) デイ−ゼル機関の点火装置
JPH02185649A (ja) 圧電素子の駆動装置