JPH06264383A - パルプの漂白方法 - Google Patents
パルプの漂白方法Info
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- JPH06264383A JPH06264383A JP4885293A JP4885293A JPH06264383A JP H06264383 A JPH06264383 A JP H06264383A JP 4885293 A JP4885293 A JP 4885293A JP 4885293 A JP4885293 A JP 4885293A JP H06264383 A JPH06264383 A JP H06264383A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヘミセルラーゼによる漂白処理及びオゾンに
よる漂白処理を併用したパルプの漂白方法において、で
きるだけオゾンの必要量を減じ、且つpH調整剤を全く
必要としないか、又はできるだけpH調整剤の必要量を
減じた、漂白効果の高いパルプの漂白方法を提供する。 【構成】 蒸解したパルプに対し、適用pH範囲7〜1
1のヘミセルラーゼを適用して酵素漂白処理し、次いで
酸素漂白処理し、次いで適用pH範囲2〜6のヘミセル
ラーゼを適用して酵素漂白処理し、ついでオゾン漂白処
理する。本発明によれば、漂白剤の使用量を大幅に削減
することができ、しかも、酵素使用時のpH調整剤を全
く必要としないか、必要最小限の量とすることができ
る。
よる漂白処理を併用したパルプの漂白方法において、で
きるだけオゾンの必要量を減じ、且つpH調整剤を全く
必要としないか、又はできるだけpH調整剤の必要量を
減じた、漂白効果の高いパルプの漂白方法を提供する。 【構成】 蒸解したパルプに対し、適用pH範囲7〜1
1のヘミセルラーゼを適用して酵素漂白処理し、次いで
酸素漂白処理し、次いで適用pH範囲2〜6のヘミセル
ラーゼを適用して酵素漂白処理し、ついでオゾン漂白処
理する。本発明によれば、漂白剤の使用量を大幅に削減
することができ、しかも、酵素使用時のpH調整剤を全
く必要としないか、必要最小限の量とすることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】ヘミセルラーゼによる漂白処理及
びオゾンによる漂白処理を併用したパルプの漂白方法に
関し、特に、できるだけオゾンの必要量を減じ、且つp
H調整剤を全く使用しないか又はできるだけpH調整剤
の必要量を減じることができる漂白効果の高いパルプの
漂白方法に関する。
びオゾンによる漂白処理を併用したパルプの漂白方法に
関し、特に、できるだけオゾンの必要量を減じ、且つp
H調整剤を全く使用しないか又はできるだけpH調整剤
の必要量を減じることができる漂白効果の高いパルプの
漂白方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的なパルプの漂白処理には、
水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを用いる蒸解処理が
行なわれた後に、酸素、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸
ナトリウム、過酸化水素、又はオゾン等の漂白剤を用い
た漂白処理が行なわれている。このパルプの漂白処理
は、パルプ中に存在するリグニン、セルロース、ヘミセ
ルロース(キシラン、グルコマンナン等)のうち、リグ
ニンを除去するために行なう処理である。そして、これ
らの漂白剤を有効に利用するために、漂白条件及び漂白
処理の順序等の種々の検討が試みられている。
水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを用いる蒸解処理が
行なわれた後に、酸素、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸
ナトリウム、過酸化水素、又はオゾン等の漂白剤を用い
た漂白処理が行なわれている。このパルプの漂白処理
は、パルプ中に存在するリグニン、セルロース、ヘミセ
ルロース(キシラン、グルコマンナン等)のうち、リグ
ニンを除去するために行なう処理である。そして、これ
らの漂白剤を有効に利用するために、漂白条件及び漂白
処理の順序等の種々の検討が試みられている。
【0003】ところで、前記のパルプ用漂白剤として塩
素系漂白剤を用いてパルプを漂白すると、塩素によりパ
ルプ中の有機物が分解され、さらに反応が行われて環境
に有害なダイオキシン等の有機塩素系化合物が生成され
るので問題となっている。このような問題を有する塩素
系漂白剤に比べて漂白力が強く、有害物質が生成されな
い、オゾンをパルプの漂白に適用することが近年注目さ
れている。
素系漂白剤を用いてパルプを漂白すると、塩素によりパ
ルプ中の有機物が分解され、さらに反応が行われて環境
に有害なダイオキシン等の有機塩素系化合物が生成され
るので問題となっている。このような問題を有する塩素
系漂白剤に比べて漂白力が強く、有害物質が生成されな
い、オゾンをパルプの漂白に適用することが近年注目さ
れている。
【0004】このような塩素系漂白剤を用いないパルプ
の漂白工程には、例えば、酸素漂白処理→オゾン漂白処
理→過酸化水素漂白処理からなるパルプ漂白工程が、紙
パ技協誌第40巻第8号第37〜42頁に報告されてい
る。このパルプ漂白工程によれば、ダイオキシンなど有
害有機塩素化合物を生成しない効果を有し、さらに酸素
及びオゾン等により脱リグニンが進み、漂白効果が向上
する。
の漂白工程には、例えば、酸素漂白処理→オゾン漂白処
理→過酸化水素漂白処理からなるパルプ漂白工程が、紙
パ技協誌第40巻第8号第37〜42頁に報告されてい
る。このパルプ漂白工程によれば、ダイオキシンなど有
害有機塩素化合物を生成しない効果を有し、さらに酸素
及びオゾン等により脱リグニンが進み、漂白効果が向上
する。
【0005】一方、上記の各種漂白剤とは別に、ヘミセ
ルラーゼ、ペクチナーゼ等の酵素を用いて、脱リグニン
を促進させようとする試みも既になされている(例え
ば、International Pulp Bleaching Conference ,93
−105,1991、特開平2−293486号公報、
特開平3−40887号公報、特表平2−500990
号公報参照)。これらの従来の酵素を用いた漂白処理に
おいては、酸素、オゾン又は塩素等の漂白剤による漂白
処理の前処理又は後処理に酵素が用いられており、酵素
処理により漂白剤の使用量を低減しようとするものであ
る。
ルラーゼ、ペクチナーゼ等の酵素を用いて、脱リグニン
を促進させようとする試みも既になされている(例え
ば、International Pulp Bleaching Conference ,93
−105,1991、特開平2−293486号公報、
特開平3−40887号公報、特表平2−500990
号公報参照)。これらの従来の酵素を用いた漂白処理に
おいては、酸素、オゾン又は塩素等の漂白剤による漂白
処理の前処理又は後処理に酵素が用いられており、酵素
処理により漂白剤の使用量を低減しようとするものであ
る。
【0006】このような漂白処理に用いられる酵素に
は、リグニン分解酵素、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ
等が使用されている。特に、ヘミセルラーゼの使用に関
しては多くの報告がなされており、このヘミセルラーゼ
でヘミセルロースを予め分解することによりパルプ中の
リグニンを除去されやすい形態とし、後段の各種漂白剤
による脱リグニン処理の効果を高めようとするものであ
る。
は、リグニン分解酵素、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ
等が使用されている。特に、ヘミセルラーゼの使用に関
しては多くの報告がなされており、このヘミセルラーゼ
でヘミセルロースを予め分解することによりパルプ中の
リグニンを除去されやすい形態とし、後段の各種漂白剤
による脱リグニン処理の効果を高めようとするものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たようにオゾンはパルプに対して漂白力が強く、かつ、
有害物質が生成されない特徴を有するが、オゾンの使用
量が多いとパルプの主成分であるセルロース鎖のグリコ
シド結合の開裂を引き起こし、漂白されたパルプの粘度
を低下させ、シート等の最終製品の強度を低下させてい
た。このため、オゾンによるパルプの漂白時においては
セルロース−アタックを抑止する目的で、例えば、セル
ロース保護剤を用いてオゾンによる漂白処理をしていた
(例えば、特公昭52−6364号公報、特開昭55−
112390号公報、特開平1−221587号公報、
特開昭53−90403号公報、特公昭57−5391
6号公報参照)。
たようにオゾンはパルプに対して漂白力が強く、かつ、
有害物質が生成されない特徴を有するが、オゾンの使用
量が多いとパルプの主成分であるセルロース鎖のグリコ
シド結合の開裂を引き起こし、漂白されたパルプの粘度
を低下させ、シート等の最終製品の強度を低下させてい
た。このため、オゾンによるパルプの漂白時においては
セルロース−アタックを抑止する目的で、例えば、セル
ロース保護剤を用いてオゾンによる漂白処理をしていた
(例えば、特公昭52−6364号公報、特開昭55−
112390号公報、特開平1−221587号公報、
特開昭53−90403号公報、特公昭57−5391
6号公報参照)。
【0008】さらにオゾンは他の漂白剤に比べ高価であ
るため、漂白処理にコストが高くつくという欠点があっ
た。パルプの漂白処理工程において利用される前記従来
のヘミセルラーゼは、それぞれそのオリジンによって酸
性領域でヘミセルロース分解活性の高いものや、或いは
アルカリ性領域でヘミセルロース分解活性の高いものが
あり、一種類のヘミセルラーゼが広いpH領域(適用p
H範囲)で高い活性を示すものは見出されていない。
るため、漂白処理にコストが高くつくという欠点があっ
た。パルプの漂白処理工程において利用される前記従来
のヘミセルラーゼは、それぞれそのオリジンによって酸
性領域でヘミセルロース分解活性の高いものや、或いは
アルカリ性領域でヘミセルロース分解活性の高いものが
あり、一種類のヘミセルラーゼが広いpH領域(適用p
H範囲)で高い活性を示すものは見出されていない。
【0009】一方、従来一般にパルプの漂白処理におい
て、蒸解工程は強アルカリで行なわれており、また酸素
による漂白処理工程はpH約11程度で行なわれてお
り、さらにオゾンによる漂白処理工程はpH2〜5程度
で行なわれていた。このような状況において、ヘミセル
ラーゼを使用したパルプの漂白方法においては、ヘミセ
ルラーゼに特有のpH条件があるために、特定の漂白剤
による漂白処理工程の前後に、ヘミセルラーゼを使用す
る場合には、その酵素の適用pH範囲にパルプのpHを
調整する必要があり、予め、pH調整剤によりpH処理
を行なっていた。このため、酵素による漂白処理にとも
ない、pH調整剤を必要としていた。
て、蒸解工程は強アルカリで行なわれており、また酸素
による漂白処理工程はpH約11程度で行なわれてお
り、さらにオゾンによる漂白処理工程はpH2〜5程度
で行なわれていた。このような状況において、ヘミセル
ラーゼを使用したパルプの漂白方法においては、ヘミセ
ルラーゼに特有のpH条件があるために、特定の漂白剤
による漂白処理工程の前後に、ヘミセルラーゼを使用す
る場合には、その酵素の適用pH範囲にパルプのpHを
調整する必要があり、予め、pH調整剤によりpH処理
を行なっていた。このため、酵素による漂白処理にとも
ない、pH調整剤を必要としていた。
【0010】そこで本発明は、従来のヘミセルラーゼに
よる漂白処理及びオゾンによる漂白処理を併用したパル
プの漂白方法において、できるだけオゾンの必要量を減
じ、且つpH調整剤を全く使用しないか又はできるだけ
pH調整剤の必要量を減じることができる漂白効果の高
いパルプの漂白方法を提供することを目的とする。
よる漂白処理及びオゾンによる漂白処理を併用したパル
プの漂白方法において、できるだけオゾンの必要量を減
じ、且つpH調整剤を全く使用しないか又はできるだけ
pH調整剤の必要量を減じることができる漂白効果の高
いパルプの漂白方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明は、ヘミセルラーゼによる漂白処理及
びオゾンによる漂白処理を併用したパルプの漂白方法に
おいて、パルプに適用pH範囲7〜11のヘミセルラー
ゼを適用して酵素漂白処理し、次いで酸素漂白処理し、
次いで適用pH範囲2〜6のヘミセルラーゼを適用して
酵素漂白処理し、次いでオゾン漂白処理することを特徴
とするパルプの漂白方法とするものである。
るために、本発明は、ヘミセルラーゼによる漂白処理及
びオゾンによる漂白処理を併用したパルプの漂白方法に
おいて、パルプに適用pH範囲7〜11のヘミセルラー
ゼを適用して酵素漂白処理し、次いで酸素漂白処理し、
次いで適用pH範囲2〜6のヘミセルラーゼを適用して
酵素漂白処理し、次いでオゾン漂白処理することを特徴
とするパルプの漂白方法とするものである。
【0012】本発明においては、パルプにヘミセルラー
ゼを適用する前に、パルプを予め蒸解処理することが望
ましい。蒸解処理は強アルカリ性で行なう。次いで、で
きるだけ適用pH範囲がアルカリ側であるヘミセルラー
ゼ、即ち、適用pH範囲7〜11のヘミセルラーゼを用
いて酵素漂白処理を行なう。このようなpH範囲を有す
るヘミセルラーゼを用いる理由は、前記蒸解処理が強ア
ルカリで行なわれるので、この酵素漂白処理を行なうに
あたって、pHの処理のためのpH調整剤は全く必要な
いか、或いは必要最小限ですむからである。また、酵素
漂白処理後、引続き行なわれる酸素漂白処理が約pH1
1程度で行なわれるために、酸素漂白処理のためのpH
調整剤は、必要最小限ですむからである。
ゼを適用する前に、パルプを予め蒸解処理することが望
ましい。蒸解処理は強アルカリ性で行なう。次いで、で
きるだけ適用pH範囲がアルカリ側であるヘミセルラー
ゼ、即ち、適用pH範囲7〜11のヘミセルラーゼを用
いて酵素漂白処理を行なう。このようなpH範囲を有す
るヘミセルラーゼを用いる理由は、前記蒸解処理が強ア
ルカリで行なわれるので、この酵素漂白処理を行なうに
あたって、pHの処理のためのpH調整剤は全く必要な
いか、或いは必要最小限ですむからである。また、酵素
漂白処理後、引続き行なわれる酸素漂白処理が約pH1
1程度で行なわれるために、酸素漂白処理のためのpH
調整剤は、必要最小限ですむからである。
【0013】次いで、パルプのpHを約11程度に調整
して酸素による漂白処理を行なう。次いで、パルプのp
Hを2〜6に調整して、適用pH範囲2〜6のヘミセル
ラーゼによる酵素漂白処理を行なう。次いで、パルプの
pHを約3前後に調整して、オゾン漂白処理を行なう。
本発明においては、その後必要に応じて、過酸化水素処
理を行なってもよい。
して酸素による漂白処理を行なう。次いで、パルプのp
Hを2〜6に調整して、適用pH範囲2〜6のヘミセル
ラーゼによる酵素漂白処理を行なう。次いで、パルプの
pHを約3前後に調整して、オゾン漂白処理を行なう。
本発明においては、その後必要に応じて、過酸化水素処
理を行なってもよい。
【0014】本発明は、以上のようにヘミセルラーゼに
よる漂白処理及びオゾンによる漂白処理を含むパルプの
漂白処理工程において、アルカリ性で活性の高い酵素と
酸性領域で活性の高い酵素の二種の酵素を用い、パルプ
の特定の漂白処理工程の前後に、適用pH範囲の異なる
2種のヘミセルラーゼを選択して組入れることにより、
pH調整剤を全く使用しないか或いはその必要量を減
じ、且つ漂白効果の高いパルプの漂白方法を実現する。
よる漂白処理及びオゾンによる漂白処理を含むパルプの
漂白処理工程において、アルカリ性で活性の高い酵素と
酸性領域で活性の高い酵素の二種の酵素を用い、パルプ
の特定の漂白処理工程の前後に、適用pH範囲の異なる
2種のヘミセルラーゼを選択して組入れることにより、
pH調整剤を全く使用しないか或いはその必要量を減
じ、且つ漂白効果の高いパルプの漂白方法を実現する。
【0015】このような漂白効果は、次のように説明さ
れる。即ち、未晒パルプ(蒸解後・漂白前パルプ)に
は、リグニン、セルロース、ヘミセルロースが主成分と
して含まれており、これらは木材細胞の細胞間層、一次
細胞壁、二次細胞壁内に広く混在して分布している。そ
して酸素漂白処理を行なうと、ヘミセルラーゼ酵素はよ
り細胞深部のヘミセルロースと接触し得ることとなり、
オゾン漂白時の脱リグニンを促進することになる。
れる。即ち、未晒パルプ(蒸解後・漂白前パルプ)に
は、リグニン、セルロース、ヘミセルロースが主成分と
して含まれており、これらは木材細胞の細胞間層、一次
細胞壁、二次細胞壁内に広く混在して分布している。そ
して酸素漂白処理を行なうと、ヘミセルラーゼ酵素はよ
り細胞深部のヘミセルロースと接触し得ることとなり、
オゾン漂白時の脱リグニンを促進することになる。
【0016】
〔実施例及び比較例1〕 第1酵素漂白工程:サンプルパルプとして、強アルカリ
で蒸解処理した10重量%のパルプを用意した。この蒸
解処理後のパルプは、カッパー価が14.4、白色度2
6.3%、粘度33.8cp、pH約8であった。
で蒸解処理した10重量%のパルプを用意した。この蒸
解処理後のパルプは、カッパー価が14.4、白色度2
6.3%、粘度33.8cp、pH約8であった。
【0017】前記サンプルパルプに対してpH調整をし
ないでそのまま、適用pH範囲7〜9.5、至適pH約
7、キシラン分解力価1,000EXU/g(温度50
℃,pH8の条件下)の性質を有するヘミセルラーゼと
してSP473(商品名,ノボノルディスクインダスト
リー株式会社製)を1500EXU/kg(絶乾パル
プ)添加して、温度約50℃で3時間酵素漂白処理を行
なった。
ないでそのまま、適用pH範囲7〜9.5、至適pH約
7、キシラン分解力価1,000EXU/g(温度50
℃,pH8の条件下)の性質を有するヘミセルラーゼと
してSP473(商品名,ノボノルディスクインダスト
リー株式会社製)を1500EXU/kg(絶乾パル
プ)添加して、温度約50℃で3時間酵素漂白処理を行
なった。
【0018】酸素漂白工程:前記酵素漂白処理が行なわ
れたパルプに対して、25kg/ton(絶乾パルプ)
のNaOHを添加し、30kg/ton(絶乾パルプ)
の酸素供給量で酸素を供給して、100℃、1時間酸素
漂白処理をした。 第2酵素漂白工程:前記酸素漂白処理が行なわれたパル
プに対してpH調整を加えpH5としたのち、適用pH
範囲2〜6、至適pH約5、キシラン分解力価100,
000EXU/g(温度50℃,pH5の条件下)の性
質を有するヘミセルラーゼとしてヘミセルラーゼ「アマ
ノ90」(商品名,天野製薬株式会社製)を9500E
XU/kg−絶乾パルプ添加して、温度約50℃で3時
間酵素漂白処理を行なった。
れたパルプに対して、25kg/ton(絶乾パルプ)
のNaOHを添加し、30kg/ton(絶乾パルプ)
の酸素供給量で酸素を供給して、100℃、1時間酸素
漂白処理をした。 第2酵素漂白工程:前記酸素漂白処理が行なわれたパル
プに対してpH調整を加えpH5としたのち、適用pH
範囲2〜6、至適pH約5、キシラン分解力価100,
000EXU/g(温度50℃,pH5の条件下)の性
質を有するヘミセルラーゼとしてヘミセルラーゼ「アマ
ノ90」(商品名,天野製薬株式会社製)を9500E
XU/kg−絶乾パルプ添加して、温度約50℃で3時
間酵素漂白処理を行なった。
【0019】オゾン漂白工程:前記酵素漂白処理された
パルプをpH調整剤でpH約3に調整し、このパルプに
対しオゾンを絶乾パルプ当たり0.13%となるように
オゾンを供給して、50℃でオゾン漂白処理を行なっ
た。以上の漂白処理を行なって得られたパルプの酵素処
理効果を下記の表1に示す。比較例1としてヘミセルラ
ーゼを添加せずに、その他は全く同一に実施したものも
下記の表1に併せて示す。
パルプをpH調整剤でpH約3に調整し、このパルプに
対しオゾンを絶乾パルプ当たり0.13%となるように
オゾンを供給して、50℃でオゾン漂白処理を行なっ
た。以上の漂白処理を行なって得られたパルプの酵素処
理効果を下記の表1に示す。比較例1としてヘミセルラ
ーゼを添加せずに、その他は全く同一に実施したものも
下記の表1に併せて示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1によれば、酵素漂白処理が1段の場
合、即ち、第1酵素漂白工程−酸素漂白工程を経たパル
プの漂白程度は、カッパー値が3.5、白色度が40.
1%、粘度が21.0cpであるのに対して、第1酵素
漂白工程−酸素漂白工程−第2酵素漂白工程を経たパル
プの漂白度は、カッパー値が2.1、白色度が71.5
%、粘度が19.1cpであり、適用pH範囲の異なる
2種の酵素漂白工程を行なった場合には、漂白程度が進
むことがわかる。
合、即ち、第1酵素漂白工程−酸素漂白工程を経たパル
プの漂白程度は、カッパー値が3.5、白色度が40.
1%、粘度が21.0cpであるのに対して、第1酵素
漂白工程−酸素漂白工程−第2酵素漂白工程を経たパル
プの漂白度は、カッパー値が2.1、白色度が71.5
%、粘度が19.1cpであり、適用pH範囲の異なる
2種の酵素漂白工程を行なった場合には、漂白程度が進
むことがわかる。
【0022】また、本実施例により得られたパルプの漂
白効果は、カッパー価が比較例1の5.4に対し2.1
まで低減され、さらに白色度も大幅に向上している。な
お、本実施例では酵素漂白処理のための新たなpH調整
用薬剤の添加は必要なかった。 〔比較例2〕前記比較例1において、第2酵素漂白工程
をせずに、第1酵素漂白工程−酸素漂白工程−オゾン漂
白工程の順にパルプを漂白したものを比較例2とした。
なお、この比較例2の第1酵素漂白工程−酸素漂白工程
は、本実施例と同一条件で行い、最後の漂白処理である
オゾン漂白工程においては、本実施例で得られる漂白パ
ルプのカッパー価2.1と同じ値になるまでオゾン漂白
処理を行なった。
白効果は、カッパー価が比較例1の5.4に対し2.1
まで低減され、さらに白色度も大幅に向上している。な
お、本実施例では酵素漂白処理のための新たなpH調整
用薬剤の添加は必要なかった。 〔比較例2〕前記比較例1において、第2酵素漂白工程
をせずに、第1酵素漂白工程−酸素漂白工程−オゾン漂
白工程の順にパルプを漂白したものを比較例2とした。
なお、この比較例2の第1酵素漂白工程−酸素漂白工程
は、本実施例と同一条件で行い、最後の漂白処理である
オゾン漂白工程においては、本実施例で得られる漂白パ
ルプのカッパー価2.1と同じ値になるまでオゾン漂白
処理を行なった。
【0023】この比較例2におけるオゾン漂白処理に要
したオゾンの量は絶乾パルプ当たり約0.3重量%が必
要であった。これに対して、本実施例のオゾン漂白処理
に要したオゾンの量は、絶乾パルプ当たり約0.13重
量%であった。この比較例2と本実施例とによれば、第
1酵素漂白工程及び第2酵素漂白工程を有する本実施例
の方が、第1酵素漂白工程だけの比較例2に比べて、オ
ゾンの消費量が少なくてすみ、オゾン発生設備の規模が
大幅に縮小でき、オゾンにかかる費用が大幅に低減でき
る効果を有する。
したオゾンの量は絶乾パルプ当たり約0.3重量%が必
要であった。これに対して、本実施例のオゾン漂白処理
に要したオゾンの量は、絶乾パルプ当たり約0.13重
量%であった。この比較例2と本実施例とによれば、第
1酵素漂白工程及び第2酵素漂白工程を有する本実施例
の方が、第1酵素漂白工程だけの比較例2に比べて、オ
ゾンの消費量が少なくてすみ、オゾン発生設備の規模が
大幅に縮小でき、オゾンにかかる費用が大幅に低減でき
る効果を有する。
【0024】〔比較例3〕本実施例と同じ10重量%の
サンプルパルプを用意した。このパルプに対して、次の
条件で酸素漂白処理を行なった。即ち、25kg/to
n(絶乾パルプ)のNaOHをパルプに添加したものに
対し、30kg/ton(絶乾パルプ)の酸素供給量で
100℃で1時間酸素漂白処理を行なった。
サンプルパルプを用意した。このパルプに対して、次の
条件で酸素漂白処理を行なった。即ち、25kg/to
n(絶乾パルプ)のNaOHをパルプに添加したものに
対し、30kg/ton(絶乾パルプ)の酸素供給量で
100℃で1時間酸素漂白処理を行なった。
【0025】つぎに、前記で得られた酸素漂白処理パル
プのpHをpH調整剤で3に調整し、温度50℃で、オ
ゾン消費量0.8%(絶乾パルプ当たり)の量で、カッ
パー価2.3になるまでオゾン漂白処理を行なった。得
られたパルプの酸素・オゾン漂白効果を下記の表2に示
す。
プのpHをpH調整剤で3に調整し、温度50℃で、オ
ゾン消費量0.8%(絶乾パルプ当たり)の量で、カッ
パー価2.3になるまでオゾン漂白処理を行なった。得
られたパルプの酸素・オゾン漂白効果を下記の表2に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】本実施例の場合と比較すると、本実施例で
は比較例3と同程度のカッパー価、白色度を得るのに、
オゾン消費量が0.13%(絶乾当たり)ですむのに対
して、比較例3ではオゾン消費量が0.8%(絶乾当た
り)が必要であり、本実施例の方が、オゾン消費量が少
なくてすむことがわかる。
は比較例3と同程度のカッパー価、白色度を得るのに、
オゾン消費量が0.13%(絶乾当たり)ですむのに対
して、比較例3ではオゾン消費量が0.8%(絶乾当た
り)が必要であり、本実施例の方が、オゾン消費量が少
なくてすむことがわかる。
【0028】
(1)本発明は、2種類の特性の異なるヘミセルラーゼ
酵素を用いたので、パルプの酵素漂白処理時にパルプの
pHを調整するためのpH調整剤を全く必要としないか
又はその使用量を必要最低限とすることができる。 (2)本発明は、2種類の特性の異なるヘミセルラーゼ
酵素を用いた酵素漂白工程を有するので、ヘミセルラー
ゼ酵素による脱リグニン促進効果により、同一の漂白剤
量でカッパー価を大幅に低減でき、或いは、同一のカッ
パー価を達成するためには、漂白剤量を大幅に削減でき
る。
酵素を用いたので、パルプの酵素漂白処理時にパルプの
pHを調整するためのpH調整剤を全く必要としないか
又はその使用量を必要最低限とすることができる。 (2)本発明は、2種類の特性の異なるヘミセルラーゼ
酵素を用いた酵素漂白工程を有するので、ヘミセルラー
ゼ酵素による脱リグニン促進効果により、同一の漂白剤
量でカッパー価を大幅に低減でき、或いは、同一のカッ
パー価を達成するためには、漂白剤量を大幅に削減でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 康平 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚研究所内 (72)発明者 大楽 敏夫 東京都田無市谷戸町2丁目1番1号 住友 重機械工業株式会社田無製造所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ヘミセルラーゼによる漂白処理及びオゾ
ンによる漂白処理を併用したパルプの漂白方法におい
て、 (1)パルプに適用pH範囲7〜11のヘミセルラーゼ
を適用して酵素漂白処理し、 (2)前記酵素漂白処理されたパルプに対し、酸素漂白
処理し、 (3)前記酸素漂白処理されたパルプに対し、適用pH
範囲2〜6のヘミセルラーゼを適用して酵素漂白処理
し、 (4)前記適用pH範囲2〜6のヘミセルラーゼで酵素
漂白処理されたパルプに対し、オゾン漂白処理すること
を特徴とするパルプの漂白方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4885293A JP2830967B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | パルプの漂白方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4885293A JP2830967B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | パルプの漂白方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264383A true JPH06264383A (ja) | 1994-09-20 |
JP2830967B2 JP2830967B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=12814803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4885293A Expired - Fee Related JP2830967B2 (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | パルプの漂白方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2830967B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5765865A (en) * | 1995-09-06 | 1998-06-16 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Mounting structure for steering wheel |
-
1993
- 1993-03-10 JP JP4885293A patent/JP2830967B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5765865A (en) * | 1995-09-06 | 1998-06-16 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Mounting structure for steering wheel |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2830967B2 (ja) | 1998-12-02 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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