JPH06264351A - 長繊維不織布 - Google Patents
長繊維不織布Info
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- JPH06264351A JPH06264351A JP5050641A JP5064193A JPH06264351A JP H06264351 A JPH06264351 A JP H06264351A JP 5050641 A JP5050641 A JP 5050641A JP 5064193 A JP5064193 A JP 5064193A JP H06264351 A JPH06264351 A JP H06264351A
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- woven fabric
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Abstract
(57)【要約】
【目的】靴や鞄の内張り材として要求される高い不織布
強力、良好な柔軟性、易染色性、耐摩耗性、熱形態安定
性のすべてをバランスよく満足する芯鞘複合長繊維不織
布及び該不織布からなる靴、鞄などの内張り材を提供す
る。 【構成】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比率が重量比で6
0/40〜20/80、単糸繊度が0.8デニール以上
5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる熱圧着不織布で
あって、タテ方向及びヨコ方向の破断強度がいずれも3
5g/cm/g/m2以上でありかつ160℃における乾熱面
積収縮率が6%以下であることを特徴とする長繊維不織
布。
強力、良好な柔軟性、易染色性、耐摩耗性、熱形態安定
性のすべてをバランスよく満足する芯鞘複合長繊維不織
布及び該不織布からなる靴、鞄などの内張り材を提供す
る。 【構成】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比率が重量比で6
0/40〜20/80、単糸繊度が0.8デニール以上
5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる熱圧着不織布で
あって、タテ方向及びヨコ方向の破断強度がいずれも3
5g/cm/g/m2以上でありかつ160℃における乾熱面
積収縮率が6%以下であることを特徴とする長繊維不織
布。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強力で柔軟性に富
み、かつ熱形態安定性、耐摩耗性、さらに染色性にも優
れた芯鞘複合長繊維不織布に関するものであり、靴、鞄
などの内張り材として使用されるものである。
み、かつ熱形態安定性、耐摩耗性、さらに染色性にも優
れた芯鞘複合長繊維不織布に関するものであり、靴、鞄
などの内張り材として使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナイロン6繊維からなる長繊
維不織布は、その高い強力、良好な柔軟性、易染色性、
耐摩耗性などにおいて優れた不織布として知られてい
る。そのため、靴、鞄などの内張り材として商業的にも
利用がなされているものの、その場合、ナイロン6長繊
維不織布は、熱処理時における収縮率が大きく、熱形態
安定性が不十分であるため以下のような問題がある。例
えば、靴内張り用として用いるためには、靴表面材との
接着を高温加熱下で行う必要があり、その際、ナイロン
6長繊維不織布の内張り材は表面材より大きく収縮する
ため、両者でサイズ違いを生じ製品収率が低下してしま
う。そこで、そのような収縮変化を生じないように形状
を規制して熱接着すると、不織布が圧縮固定されボリュ
ーム感のないペーパーライクなものとなってしまい商品
価値を著しく下げてしまう。
維不織布は、その高い強力、良好な柔軟性、易染色性、
耐摩耗性などにおいて優れた不織布として知られてい
る。そのため、靴、鞄などの内張り材として商業的にも
利用がなされているものの、その場合、ナイロン6長繊
維不織布は、熱処理時における収縮率が大きく、熱形態
安定性が不十分であるため以下のような問題がある。例
えば、靴内張り用として用いるためには、靴表面材との
接着を高温加熱下で行う必要があり、その際、ナイロン
6長繊維不織布の内張り材は表面材より大きく収縮する
ため、両者でサイズ違いを生じ製品収率が低下してしま
う。そこで、そのような収縮変化を生じないように形状
を規制して熱接着すると、不織布が圧縮固定されボリュ
ーム感のないペーパーライクなものとなってしまい商品
価値を著しく下げてしまう。
【0003】芯成分にポリエチレンテレフタレート、鞘
成分にナイロン6を複合紡糸して得た芯鞘複合繊維を用
いた長繊維不織布は、オランダのAKZO社からコルバ
ック(COLBACK:商標)として市販されている。しか
し、該複合長繊維不織布は、風合いが粗硬で柔軟性に乏
しく、靴、鞄の内張り材としてはほとんど使用できない
ものである。それは不織布を構成する芯鞘複合長繊維の
繊度が10デニール以上と太く、しかも、各繊維が交点
のほとんどで融着を形成しているためであると推定され
る。また、ポリブチレンテレフタレートを1成分とする
サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘複合繊維からなる潜在
捲縮性繊維を用いた長繊維不織布が特開平3−2203
58号公報に提案されている。該不織布は、捲縮繊維か
らなるため柔軟な風合いを有し、衣料用途などに用いら
れるものである。
成分にナイロン6を複合紡糸して得た芯鞘複合繊維を用
いた長繊維不織布は、オランダのAKZO社からコルバ
ック(COLBACK:商標)として市販されている。しか
し、該複合長繊維不織布は、風合いが粗硬で柔軟性に乏
しく、靴、鞄の内張り材としてはほとんど使用できない
ものである。それは不織布を構成する芯鞘複合長繊維の
繊度が10デニール以上と太く、しかも、各繊維が交点
のほとんどで融着を形成しているためであると推定され
る。また、ポリブチレンテレフタレートを1成分とする
サイドバイサイド型又は偏芯芯鞘複合繊維からなる潜在
捲縮性繊維を用いた長繊維不織布が特開平3−2203
58号公報に提案されている。該不織布は、捲縮繊維か
らなるため柔軟な風合いを有し、衣料用途などに用いら
れるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、靴や鞄の内
張り材として要求される高い不織布強力、良好な柔軟
性、易染色性、耐摩耗性、熱形態安定性のすべてをバラ
ンスよく満足する芯鞘複合長繊維不織布及び該不織布か
らなる靴、鞄などの内張り材を提供することである。
張り材として要求される高い不織布強力、良好な柔軟
性、易染色性、耐摩耗性、熱形態安定性のすべてをバラ
ンスよく満足する芯鞘複合長繊維不織布及び該不織布か
らなる靴、鞄などの内張り材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、芯成分がポリエチレンテレフ
タレート系ポリエステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比
率が重量比で60/40〜20/80、単糸繊度が0.
8デニール以上5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる
熱圧着不織布であって、タテ方向及びヨコ方向の破断強
度がいずれも35g/cm/g/m2以上でありかつ160℃
における乾熱面積収縮率が6%以下であることを特徴と
する長繊維不織布であり、また、該不織布からなる靴、
鞄などの内張り材である。
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、芯成分がポリエチレンテレフ
タレート系ポリエステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比
率が重量比で60/40〜20/80、単糸繊度が0.
8デニール以上5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる
熱圧着不織布であって、タテ方向及びヨコ方向の破断強
度がいずれも35g/cm/g/m2以上でありかつ160℃
における乾熱面積収縮率が6%以下であることを特徴と
する長繊維不織布であり、また、該不織布からなる靴、
鞄などの内張り材である。
【0006】本発明の長繊維不織布を構成する芯鞘複合
長繊維の芯成分として使用されるポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステルは、通常、ポリエチレンテレフタ
レートであるが、鞘成分のナイロン6より融点が低くな
らない範囲で共重合などによる改質ポリマーを使用する
ことができる。具体的例としては、テレフタル酸の一部
をイソフタル酸やアジピン酸に、また、エチレングリコ
ールの一部をブタンジオールやプロピレングリコールな
どで置き換えたものである。鞘成分として使用されるナ
イロン6は、カプロラクタムを開環重合して得られるも
のであるが、芯成分のポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルより融点が高くならない範囲で他のポリアミ
ド、例えばナイロン66と共重合により改質したものが
使用できる。
長繊維の芯成分として使用されるポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステルは、通常、ポリエチレンテレフタ
レートであるが、鞘成分のナイロン6より融点が低くな
らない範囲で共重合などによる改質ポリマーを使用する
ことができる。具体的例としては、テレフタル酸の一部
をイソフタル酸やアジピン酸に、また、エチレングリコ
ールの一部をブタンジオールやプロピレングリコールな
どで置き換えたものである。鞘成分として使用されるナ
イロン6は、カプロラクタムを開環重合して得られるも
のであるが、芯成分のポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルより融点が高くならない範囲で他のポリアミ
ド、例えばナイロン66と共重合により改質したものが
使用できる。
【0007】本発明の不織布を構成する芯鞘複合長繊維
は、単糸繊度が0.8デニール以上5デニール以下、好
ましくは3デニール以下であることが重要である。単糸
繊度が細くなると不織布の風合いがより柔軟なものとな
る点、及び不織布を構成する繊維本数が相対的に増加す
ることにより不織布のカバーファクターが大きくなり不
織布の地合いが向上する点で好ましいが、一方で単繊維
強力が小さくなるため耐摩耗性が低下すること及び染色
後の発色性が低下するという欠点を生じる。単糸繊度が
大きくなると、耐摩耗性の点では好ましいものの、不織
布の風合いの柔軟性、地合いが低下し商品価値の低いも
のとなる。したがって、本発明においては不織布を構成
する繊維の単糸繊度は上記の範囲でなければならない。
は、単糸繊度が0.8デニール以上5デニール以下、好
ましくは3デニール以下であることが重要である。単糸
繊度が細くなると不織布の風合いがより柔軟なものとな
る点、及び不織布を構成する繊維本数が相対的に増加す
ることにより不織布のカバーファクターが大きくなり不
織布の地合いが向上する点で好ましいが、一方で単繊維
強力が小さくなるため耐摩耗性が低下すること及び染色
後の発色性が低下するという欠点を生じる。単糸繊度が
大きくなると、耐摩耗性の点では好ましいものの、不織
布の風合いの柔軟性、地合いが低下し商品価値の低いも
のとなる。したがって、本発明においては不織布を構成
する繊維の単糸繊度は上記の範囲でなければならない。
【0008】次に、本発明の不織布を構成する複合繊維
の芯鞘比率は、重量比で60/40〜20/80の範囲
であることが重要である。すなわち、芯成分の重量比率
が60%を越えて大きくなると、ポリエステルの剛性の
ため繊維のモジュラスが大きくなって繊維が屈曲しにく
くなるため、不織布の風合いが粗硬になってしまって実
用価値の低いものとなってしまう。芯成分の重量比率が
20%より小さくなると、芯成分のポリエステルによる
改質効果が低下して複合繊維の熱収縮率が大きくなり不
織布の熱形態安定性が劣ったものとなる。
の芯鞘比率は、重量比で60/40〜20/80の範囲
であることが重要である。すなわち、芯成分の重量比率
が60%を越えて大きくなると、ポリエステルの剛性の
ため繊維のモジュラスが大きくなって繊維が屈曲しにく
くなるため、不織布の風合いが粗硬になってしまって実
用価値の低いものとなってしまう。芯成分の重量比率が
20%より小さくなると、芯成分のポリエステルによる
改質効果が低下して複合繊維の熱収縮率が大きくなり不
織布の熱形態安定性が劣ったものとなる。
【0009】本発明の不織布を構成する芯鞘複合繊維
は、上記の芯成分ポリマー及び鞘成分ポリマーを用いて
従来公知の複合紡糸方法により得ることができる。すな
わち、芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーを別々の溶融系
で溶融し、紡糸口金部で芯鞘型に形状規制して合流させ
て紡糸する。芯鞘の形状は多芯の芯鞘とすることもでき
るが、本発明においては多芯にすることによる特別の効
果はなく、紡糸安定性の面から1芯であることが好まし
い。また、芯成分は、繊維のほぼ中央に位置するものが
好ましく、偏芯芯鞘型繊維の場合には潜在捲縮性となり
やすく、表面材との熱接着処理により捲縮発現して熱形
態安定性が劣ったものとなりやすい。
は、上記の芯成分ポリマー及び鞘成分ポリマーを用いて
従来公知の複合紡糸方法により得ることができる。すな
わち、芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーを別々の溶融系
で溶融し、紡糸口金部で芯鞘型に形状規制して合流させ
て紡糸する。芯鞘の形状は多芯の芯鞘とすることもでき
るが、本発明においては多芯にすることによる特別の効
果はなく、紡糸安定性の面から1芯であることが好まし
い。また、芯成分は、繊維のほぼ中央に位置するものが
好ましく、偏芯芯鞘型繊維の場合には潜在捲縮性となり
やすく、表面材との熱接着処理により捲縮発現して熱形
態安定性が劣ったものとなりやすい。
【0010】複合紡糸して得た芯鞘型複合繊維は延伸、
熱固定する。繊維の延伸、熱固定が不十分であると、得
られる不織布の熱形態安定性が劣ったものとなりやすい
ため、紡糸に直結してウエブ化する場合には紡糸速度な
どの紡糸条件に十分配慮する必要がある。芯鞘型複合繊
維は紡糸に直結してあるいは一旦ボビンなどに巻き取っ
た後開繊してコンベアネット上に捕集して長繊維ウエブ
とする。繊維束を開繊する方法はエジェクターノズルに
よる噴射、抵抗板への衝突や高電圧印加による帯電開
繊、本発明者らが特願平3−313536号で提案した
方法などによって行うことができる。
熱固定する。繊維の延伸、熱固定が不十分であると、得
られる不織布の熱形態安定性が劣ったものとなりやすい
ため、紡糸に直結してウエブ化する場合には紡糸速度な
どの紡糸条件に十分配慮する必要がある。芯鞘型複合繊
維は紡糸に直結してあるいは一旦ボビンなどに巻き取っ
た後開繊してコンベアネット上に捕集して長繊維ウエブ
とする。繊維束を開繊する方法はエジェクターノズルに
よる噴射、抵抗板への衝突や高電圧印加による帯電開
繊、本発明者らが特願平3−313536号で提案した
方法などによって行うことができる。
【0011】コンベアネット上で捕集した長繊維ウエブ
はエンボス加工により鞘成分のナイロン6を熱圧着して
不織布とする。熱エンボスによる圧着部のパターンとし
てはピンポイント、丸、正方形や長方形などの非連続パ
ターンの繰り返し、あるいは連続した線状など各種の形
状が可能であるが、圧着部が連続した線状である場合に
は不織布物性の方向性が強くなるため、非連続であるこ
とが好ましい。圧着部の面積比は5〜20%であること
が好ましい。圧着部の面積比が小さいと風合いは非常に
柔軟となるが、圧着部のパターンを各種変更しても不織
布強力、特に引っ張り強力が著しく低下し、また、耐摩
耗性も劣るものとなり実用的でない。圧着部の面積比が
大きくなると、不織布強力は大きくなるが、圧着部で繊
維の動きが固定されるため風合いが硬くなり商品価値の
低いものとなる。熱圧着の条件は圧着部で鞘成分である
ナイロン6が十分に接着され、芯成分のポリエステルが
軟化や溶融により強度低下を起こさない範囲で任意に選
ぶことができる。
はエンボス加工により鞘成分のナイロン6を熱圧着して
不織布とする。熱エンボスによる圧着部のパターンとし
てはピンポイント、丸、正方形や長方形などの非連続パ
ターンの繰り返し、あるいは連続した線状など各種の形
状が可能であるが、圧着部が連続した線状である場合に
は不織布物性の方向性が強くなるため、非連続であるこ
とが好ましい。圧着部の面積比は5〜20%であること
が好ましい。圧着部の面積比が小さいと風合いは非常に
柔軟となるが、圧着部のパターンを各種変更しても不織
布強力、特に引っ張り強力が著しく低下し、また、耐摩
耗性も劣るものとなり実用的でない。圧着部の面積比が
大きくなると、不織布強力は大きくなるが、圧着部で繊
維の動きが固定されるため風合いが硬くなり商品価値の
低いものとなる。熱圧着の条件は圧着部で鞘成分である
ナイロン6が十分に接着され、芯成分のポリエステルが
軟化や溶融により強度低下を起こさない範囲で任意に選
ぶことができる。
【0012】本発明の不織布は、そのタテ方向及びヨコ
方向の破断強度がいずれも35g/cm/g/m2以上であ
る。破断強度が小さいと、製品とした場合の強度が低く
耐久性に劣り、商品価値の低いものとなってしまう。破
断強度を大きくするためには、前述した様に、芯鞘比、
繊維の延伸・熱固定、熱圧着部の面積比や圧着パターン
等の組み合わせが重要である。なお、本発明で言う破断
強度はJIS L−1092によって求めたものであ
る。また、本発明の不織布の目付は特に限定されるもの
ではないが、靴や鞄の内張り材としては、通常、70〜
250g/m2、好ましくは100〜200g/m2の範囲
で用いられる。
方向の破断強度がいずれも35g/cm/g/m2以上であ
る。破断強度が小さいと、製品とした場合の強度が低く
耐久性に劣り、商品価値の低いものとなってしまう。破
断強度を大きくするためには、前述した様に、芯鞘比、
繊維の延伸・熱固定、熱圧着部の面積比や圧着パターン
等の組み合わせが重要である。なお、本発明で言う破断
強度はJIS L−1092によって求めたものであ
る。また、本発明の不織布の目付は特に限定されるもの
ではないが、靴や鞄の内張り材としては、通常、70〜
250g/m2、好ましくは100〜200g/m2の範囲
で用いられる。
【0013】本発明の不織布は、160℃の熱風中でフ
リーで10分間放置したときの面積収縮率が6%以内で
ある必要がある。この乾熱面積収縮率が大きいと、靴や
鞄の内張り材として150〜160℃で表面材と熱接着
を行うとき表面材に比べて大きく収縮するため、両者で
サイズ違いを生じ製品収率が低下するという問題を生ず
る。そのような収縮変化を生じないように接着時の圧力
を高くして形状を規制して熱接着すると、不織布が圧縮
固定されボリューム感のないペーパーライクなものとな
ってしまい商品価値を著しく下げてしまう。160℃で
の乾熱面積収縮率が6%以内であれば風合いを損なうこ
となく表面材と熱接着することができる。
リーで10分間放置したときの面積収縮率が6%以内で
ある必要がある。この乾熱面積収縮率が大きいと、靴や
鞄の内張り材として150〜160℃で表面材と熱接着
を行うとき表面材に比べて大きく収縮するため、両者で
サイズ違いを生じ製品収率が低下するという問題を生ず
る。そのような収縮変化を生じないように接着時の圧力
を高くして形状を規制して熱接着すると、不織布が圧縮
固定されボリューム感のないペーパーライクなものとな
ってしまい商品価値を著しく下げてしまう。160℃で
の乾熱面積収縮率が6%以内であれば風合いを損なうこ
となく表面材と熱接着することができる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明の内容はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、本実施例の物性などの評価は下記の方法によるもの
である。 不織布強度:JIS L−1092による。 面積収縮率:不織布を160℃の熱風中でフリーで10
分間熱処理し、処理前後の不織布の面積変化を%で表示
した。 耐摩耗性:JIS L−1076のART摩耗試験法に
おいて荷重395g、回数20回で評価した。判定は
N、L、M、Hの4水準で、N(最も良好)及びLが合
格、M及びH(最悪)が不合格である。 柔軟性:タテ、ヨコ各30cmの試料を触感による官能
検査で評価した。 染色性:酸性染料により同一条件で染色したときの発色
性を目視により判定した。
明の内容はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、本実施例の物性などの評価は下記の方法によるもの
である。 不織布強度:JIS L−1092による。 面積収縮率:不織布を160℃の熱風中でフリーで10
分間熱処理し、処理前後の不織布の面積変化を%で表示
した。 耐摩耗性:JIS L−1076のART摩耗試験法に
おいて荷重395g、回数20回で評価した。判定は
N、L、M、Hの4水準で、N(最も良好)及びLが合
格、M及びH(最悪)が不合格である。 柔軟性:タテ、ヨコ各30cmの試料を触感による官能
検査で評価した。 染色性:酸性染料により同一条件で染色したときの発色
性を目視により判定した。
【0015】実施例1〜8、比較例1〜7 特願平3−313536号に記載されたウエブ製造装
置、すなわち、開繊した繊維束を圧縮空気流と共に噴射
させる多錘よりなるエアガンとその両端に圧縮空気流の
みを噴射させるサイドガンとを一列に並べ、その下流に
四方が平面板で囲われた、入口部から出口部に向いその
スリット幅が狭くなる様に調整されたフードを配置し、
該フード中に該エアガンより圧縮空気流と共に無撚繊維
束を噴射、通過させ、隣接エアガンからの開繊繊維フィ
ラメントが互いに交絡するように移動する捕集コンベア
ー上に捕集する構造のウエブ製造装置に、表1に示す無
撚の各種マルチフィラメント(フィラメント数はいずれ
も96)を供給して長繊維ウエブとし、圧着部すなわち
凸部の形状が0.4mm×3.0mmの長方形であるエ
ンボスロール(圧着部面積比は表1に記載)を用いて熱
圧着し、長繊維不織布とした。得られた長繊維不織布の
性状を表2に示した。本発明の長繊維不織布は高い不織
布強力、良好な柔軟性、優れた熱形態安定性、耐摩耗
性、易染色性、発色性のすべてに優れたものであるのに
対して、比較例においては、これらのすべてを同時に満
足するものは得られなかった。
置、すなわち、開繊した繊維束を圧縮空気流と共に噴射
させる多錘よりなるエアガンとその両端に圧縮空気流の
みを噴射させるサイドガンとを一列に並べ、その下流に
四方が平面板で囲われた、入口部から出口部に向いその
スリット幅が狭くなる様に調整されたフードを配置し、
該フード中に該エアガンより圧縮空気流と共に無撚繊維
束を噴射、通過させ、隣接エアガンからの開繊繊維フィ
ラメントが互いに交絡するように移動する捕集コンベア
ー上に捕集する構造のウエブ製造装置に、表1に示す無
撚の各種マルチフィラメント(フィラメント数はいずれ
も96)を供給して長繊維ウエブとし、圧着部すなわち
凸部の形状が0.4mm×3.0mmの長方形であるエ
ンボスロール(圧着部面積比は表1に記載)を用いて熱
圧着し、長繊維不織布とした。得られた長繊維不織布の
性状を表2に示した。本発明の長繊維不織布は高い不織
布強力、良好な柔軟性、優れた熱形態安定性、耐摩耗
性、易染色性、発色性のすべてに優れたものであるのに
対して、比較例においては、これらのすべてを同時に満
足するものは得られなかった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】比較例8 実施例1と同じ芯鞘複合繊維の短繊維をランダムウエバ
ーでランダムウエブとし、実施例1と同様に熱圧着し短
繊維不織布とした。得られた不織布は風合いが硬めで耐
摩耗性に劣るものであった。
ーでランダムウエブとし、実施例1と同様に熱圧着し短
繊維不織布とした。得られた不織布は風合いが硬めで耐
摩耗性に劣るものであった。
【0019】実施例9、10、比較例9、10 実施例1、7、及び比較例1、3の長繊維不織布を内張
り材に用いて靴の表面材と160℃で熱接着し、靴に加
工した。実施例1、7、及び比較例1の長繊維不織布を
用いたものは接着処理時に問題はなかったが、比較例3
の不織布を用いたものでは表面材に比べて内張り材の収
縮が大きく所定のサイズの靴を製造することができなか
った。得られた靴を着用試験したところ、実施例1及び
7の長繊維不織布を内張り材に用いたものは1年後も問
題なかったが、比較例1の長繊維不織布を内張り材に用
いたものでは着用3カ月で内張り材にももけを生じ、着
用に耐えないものであった。
り材に用いて靴の表面材と160℃で熱接着し、靴に加
工した。実施例1、7、及び比較例1の長繊維不織布を
用いたものは接着処理時に問題はなかったが、比較例3
の不織布を用いたものでは表面材に比べて内張り材の収
縮が大きく所定のサイズの靴を製造することができなか
った。得られた靴を着用試験したところ、実施例1及び
7の長繊維不織布を内張り材に用いたものは1年後も問
題なかったが、比較例1の長繊維不織布を内張り材に用
いたものでは着用3カ月で内張り材にももけを生じ、着
用に耐えないものであった。
【0020】
【発明の効果】本発明の長繊維不織布は、芯成分がポリ
エチレンテレフタレート系ポリエステル、鞘成分がナイ
ロン6の芯鞘複合長繊維からなる特定の条件を満たした
長繊維不織布であるため、靴や鞄の内張り材として要求
される高い不織布強力、良好な柔軟性、易染色性、耐摩
耗性、熱形態安定性のすべてをバランスよく満足するた
め、靴などの表面材との接着処理においてサイズ違いを
生ずることなく優れた靴や鞄を製造することができる。
得られた靴や鞄は良好な風合いで耐久性にも優れたもの
となる。
エチレンテレフタレート系ポリエステル、鞘成分がナイ
ロン6の芯鞘複合長繊維からなる特定の条件を満たした
長繊維不織布であるため、靴や鞄の内張り材として要求
される高い不織布強力、良好な柔軟性、易染色性、耐摩
耗性、熱形態安定性のすべてをバランスよく満足するた
め、靴などの表面材との接着処理においてサイズ違いを
生ずることなく優れた靴や鞄を製造することができる。
得られた靴や鞄は良好な風合いで耐久性にも優れたもの
となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系
ポリエステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比率が重量比
で60/40〜20/80、単糸繊度が0.8デニール
以上5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる熱圧着不織
布であって、タテ方向及びヨコ方向の破断強度がいずれ
も35g/cm/g/m2以上でありかつ160℃における乾
熱面積収縮率が6%以下であることを特徴とする長繊維
不織布。 - 【請求項2】 芯成分がポリエチレンテレフタレート系
ポリエステル、鞘成分がナイロン6で芯鞘比率が重量比
で60/40〜20/80、単糸繊度が0.8デニール
以上5デニール以下の芯鞘複合繊維からなる熱圧着不織
布であって、タテ方向及びヨコ方向の破断強度がいずれ
も35g/cm/g/m2以上でありかつ160℃における乾
熱面積収縮率が6%以下の長繊維不織布からなる靴、鞄
などの内張り材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5050641A JPH06264351A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 長繊維不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5050641A JPH06264351A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 長繊維不織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06264351A true JPH06264351A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12864586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5050641A Pending JPH06264351A (ja) | 1993-03-11 | 1993-03-11 | 長繊維不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06264351A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0754414A2 (de) * | 1995-07-15 | 1997-01-22 | Firma Carl Freudenberg | Einlegesohle für Schuhe und Verfahren zur Herstellung |
KR100829087B1 (ko) * | 2003-11-18 | 2008-05-16 | 주식회사 코오롱 | 의류 건조기용 스펀본드 장섬유 부직포 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-03-11 JP JP5050641A patent/JPH06264351A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0754414A2 (de) * | 1995-07-15 | 1997-01-22 | Firma Carl Freudenberg | Einlegesohle für Schuhe und Verfahren zur Herstellung |
EP0754414A3 (de) * | 1995-07-15 | 1997-12-03 | Firma Carl Freudenberg | Einlegesohle für Schuhe und Verfahren zur Herstellung |
KR100829087B1 (ko) * | 2003-11-18 | 2008-05-16 | 주식회사 코오롱 | 의류 건조기용 스펀본드 장섬유 부직포 및 그 제조방법 |
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