JPH06263713A - ニトロン化合物の製造法 - Google Patents

ニトロン化合物の製造法

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JPH06263713A
JPH06263713A JP5237893A JP5237893A JPH06263713A JP H06263713 A JPH06263713 A JP H06263713A JP 5237893 A JP5237893 A JP 5237893A JP 5237893 A JP5237893 A JP 5237893A JP H06263713 A JPH06263713 A JP H06263713A
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JP
Japan
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alkyl
compound
aryl
mmol
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Withdrawn
Application number
JP5237893A
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English (en)
Inventor
Shunichi Murahashi
俊一 村橋
Hiroaki Otake
宏明 大竹
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Pyrrole Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルバペネム系化合物で代表される各種有用
有機化合物を製造するための中間体となるニトロン化合
物を、入手容易な化合物を原料とし、且つ高い選択性の
下に製造する。 【構成】 【化1】 式中R1 ,R2 ,R3 は低級アルキル基等、R4 はヒド
ロキシ基等を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は医薬、例えば抗生物質
として有用なカルバペネム系化合物を合成する上で重要
な中間体であるニトロン化合物を効率良く製造すること
ができる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニトロン化合物の製造方法としては次の
様な方法が知られている。 (従来法1)例えば2級アミンまたは対応するヒドロキ
シルアミンの酸化
【0003】
【化3】 (従来法1の実例)
【0004】
【化4】 (従来法2)
【0005】
【化5】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】化3に示した方法は2
級アミン(3)または対応するヒドロキシルアミン
(4)を酸化するものであるが、置換基Rb 側に2重結
合を形成したニトロン化合物(5)と置換基Ra 側に2
重結合を形成したニトロン化合物(6)の両方が生成
し、反応の選択性に欠けるという欠点がある。即ち目的
とする方向への選択的酸化を制御することが困難であ
り、目的物質の収量が低下する。尚ヒドロキシルアミン
(4)を原料とする場合は原料入手の困難性という別の
問題もある。
【0007】化4に示した合成例は非対称の2級アミン
(7)を原料物質とした例であるが、化3で示した非選
択性に基づく2種のニトロン化合物(5’),(6’)
だけでなく、(8)と(9)で示す様な不均化した異性
体も副生するため、目的物質の収量が一層低くなる他、
その分離精製にも難渋しなければならないという問題が
ある。
【0008】化5に示した方法は、2つの原料物質(1
0),(11)を準備してその官能基同士の反応によっ
てニトロン化合物(12)を製造するものであるから、
望み通りのニトロン化合物が得られるという利点はあ
る。しかし一方の原料物質であるヒドロキシルアミン化
合物(10)が既述の如く入手困難な物質であるため、
工業的製造方法としては不適切である。
【0009】この発明は上記の様な事情を憂慮してなさ
れたものであり、前記化3に示した製造方法のうち、入
手が容易な2級アミンに相当する化合物を原料とする方
法の改良を意図したものである。より具体的に言えば2
級アミン化合物を原料とし、該2級アミン化合物におけ
る2級アミノ基から見て、希望方向に選択的に2重結合
を形成して実質的に単一のニトロン化合物を高収率に製
造することができる様な方法の提供を目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明は、式:
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R1 は低級アルキル基、アリール
基、アル(低級)アルキル基、アリールで置換されてい
てもよいヒドロキシ(低級)アルキル基、またはアリー
ルで置換されていてもよい保護されたヒドロキシ(低
級)アルキル基、R2 およびR3 はその一方が低級アル
キル基、アリール基もしくはアル(低級)アルキル基
で、他方が水素、低級アルキル基もしくはアル(低級)
アルキル基であるか、またはR2 ,R3 のいずれか一方
がR1 と結合して置換されていてもよい低級アルキレン
基を形成してもよく、R4 は水素、ヒドロキシ基または
アシルオキシ基を意味する)で示される化合物またはカ
ルボキシ基におけるその塩を触媒、酸化剤および塩基と
反応させて、式:
【0013】
【化7】 (式中、R1 ,R2 およびR3 はそれぞれ前記と同じ意
味)で示されるニトロン化合物を得ることを要旨とする
ものである。
【0014】
【発明の構成の説明】本発明の原料物質である2級アミ
ン化合物(1)および目的化合物であるニトロン化合物
(2)における各記号R1 ,R2 ,R3 ,R4 の意味に
ついて好適な例を挙げて説明すれば下記の通りである。
但しこれらの例示は本発明の説明の為に用いられるもの
であって、本発明の範囲を限定する趣旨のものでないこ
とは言うまでもない。また「低級」の用語は、特にこと
わらない限り炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4で
構成される基であることを意味する。
【0015】まず「低級アルキル基」のうち好適なもの
としては、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピ
ル,n−ブチル,イソブチル,第2級ブチル,第3級ブ
チル,n−ペンチル,n−ヘキシル等が例示される。
【0016】次に「アル(低級)アルキル基」のうち好
適なものとしては、ベンジル,フェネチル,α−ナフチ
ルメチル等が例示される。更に「アリールで置換されて
いてもよいヒドロキシ(低級)アルキル基」における
「ヒドロキシ(低級)アルキル基」のうち好適なものと
しては、2−ヒドロキシエチル,2−ヒドロキシプロピ
ル,3−ヒドロキシプロピル,4−ヒドロキシブチル等
が例示される。また上記「アリール」のうち好適なもの
としては、フェニル,ナフチル等が例示される。従って
「アリールで置換されているヒドロキシ(低級)アルキ
ル基」として好ましいものを例示すると、1−ヒドロキ
シ−2−フェニルエチル,2−ヒドロキシ−2−フェニ
ルエチル等が挙げられる。
【0017】また「アリールで置換されていてもよい保
護されたヒドロキシ(低級)アルキル基」における保護
基としては、ヒドロキシ基に対する保護基として使用さ
れているものがすべて使用される。特に好適な保護基を
例示すると、例えばベンジル,ベンズヒドリル,トリチ
ル等のモノ−またはジ−またはトリフェニル(低級)ア
ルキル基等の様なアル(低級)アルキル基;例えばメト
キシメチル,エトキシメチル,第3級ブトキシメチル,
メトキシエトキシメチル,エトキシメトキシエチル,第
3級ブトキシエトキシメチル等の(低級)アルコキシ
(低級)アルキルまたは(低級)アルコキシ置換(低
級)アルコキシ(低級)アルキル;テトラヒドロピラニ
ル;置換されたシリル基、例えばトリメチルシリル,ト
リエチルシリル,イソプロピルジメチルシリル,第3級
ブチルジメチルシリル,ジイソプロピルメチルシリル,
ヘキシルメチルシリル等のトリ(低級)アルキルシリル
基,例えばトリフェニルシリル等のトリアリールシリル
基,例えばトリベンジルシリル等のトリアル(低級)ア
ルキルシリル基等のようなトリ置換シリル基;脂肪族ア
シル基,芳香族アシル基,複素環式アシル基,および芳
香族基または複素環式基で置換された脂肪族アシル基等
のアシル基等が挙げられる。
【0018】脂肪族アシル基としては、飽和または不飽
和の非環式または環式のもの、例えばホルミル,アセチ
ル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレリ
ル,イソバレリル,ピバロイル,ヘキサノイル等の低級
アルカノイル基のようなアルカノイル基,例えばメシ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,イソプロ
ピルスルホニル,ブチルスルホニル,イソブチルスルホ
ニル,ペンチルスルホニル,ヘキシルスルホニル等の低
級アルキルスルホニル基のようなアルキルスルホニル
基、カルバモイル基,例えばメチルカルバモイル,エチ
ルカルバモイル等のN−アルキルカルバモイル基、例え
ばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキ
シカルボニル,ブトキシカルボニル,第3級ブトキシカ
ルボニル等の低級アルコキシカルボニル基のようなアル
コキシカルボニル基,例えばビニルオキシカルボニル,
アリルオキシカルボニル等の低級アルケニルオキシカル
ボニル基のようなアルケニルオキシカルボニル基,例え
ばアクリロイル,メタクリロイル,クロトノイル等の低
級アルケノイル基のようなアルケノイル基,例えばシク
ロプロパンカルボニル,シクロペンタンカルボニル,シ
クロヘキサンカルボニル等のシクロ(低級)アルカンカ
ルボニル基のようなシクロアルカンカルボニル基等がそ
の例として挙げられる。
【0019】芳香族アシル基としては、例えばベンゾイ
ル,トルオイル,キシロイル等のアロイル基、例えばN
−フェニルカルバモイル,N−トリルカルバモイル,N
−ナフチルカルバモイル等のN−アリールカルバモイル
基,例えばベンゼンスルホニル,トシル等のアレーンス
ルホニル基等が挙げられる。
【0020】複素環アシル基としては、例えばフロイ
ル,テノイル,ニコチノイル,イソニコチノイル,チア
ゾリルカルボニル,チアジアゾリルカルボニル,テトラ
ゾリルカルボニル等の複素環カルボニル基等が挙げられ
る。
【0021】芳香族基によって置換された脂肪族アシル
基としては、例えばフェニルアセチル,フェニルプロピ
オニル,フェニルヘキサノイル等のフェニル(低級)ア
ルカノイル基のようなアラルカノイル基,例えばベンジ
ルオキシカルボニル,フェネチルオキシカルボニル等の
フェニル(低級)アルコキシカルボニル基のようなアラ
ルコキシカルボニル基,例えばフェノキシアセチル,フ
ェノキシプロピオニル等のフェノキシ(低級)アルカノ
イル基のようなアリールオキシアルカノイル基等が挙げ
られる。
【0022】複素環基で置換された脂肪族アシル基とし
ては、例えばチエニルアセチル,イミダゾリルアセチ
ル,フリルアセチル,テトラゾリルアセチル,チアゾリ
ルアセチル,チアジアゾリルアセチル,チエニルプロピ
オニル,チアジアゾリルプロピオニル等の複素環(低
級)アルカノイル基のような複素環アルカノイル基等が
挙げられる。
【0023】これらのアシル基はさらに、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等の低級アルキル基、例えば塩素、臭素、
沃素、フッ素のようなハロゲン、例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチ
ルオキシ、ヘキシルオキシ等の低級アルコキシ基、例え
ばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピ
ルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等の
低級アルキルチオ基、ニトロ基、例えばメチルアミノ、
エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ等
の低級アルキルアミノ、例えばN−アリルオキシカルボ
ニル−N−メチルアミノ等の保護された低級アルキルア
ミノ基等のような適当な置換基1個以上で置換されてい
てもよく、そのような置換基を有する好ましいアシル基
としては、例えばクロロアセチル、ブロモアセチル、ジ
クロロアセチル、トリフルオロアセチル等のモノ(また
はジまたはトリ)ハロアルカノイル基、例えばクロロメ
トキシカルボニル、ジクロロメトキシカルボニル、2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル等のモノ(また
はジまたはトリ)ハロアルコキシカルボニル基、例えば
ニトロベンジルオキシカルボニル、クロロベンジルオキ
シカルボニル、メトキシベンジルオキシカルボニル等の
ニトロ−(またはハロ−または低級アルコキシ−)アル
(低級)アルコキシカルボニル基、例えばフルオロメチ
ルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフル
オロメチルスルホニル、トリクロロメチルスルホニル等
のモノ(またはジまたはトリ)ハロ(低級)アルキルス
ルホニル基等が挙げられる。
【0024】従って「アリールで置換されている保護さ
れたヒドロキシ(低級)アルキル基」として好ましいも
のを例示すると、1−ジメチル第3級ブチルシリルオキ
シ−2−フェニルエチル、2−メトキシカルボニルオキ
シ−2−フェニルエチル等が挙げられる。
【0025】またR1 がR2 あるいはR3 のいずれか一
方と結合して形成される「置換されていてもよい低級ア
ルキレン基」における低級アルキレン基としては、エチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン
等が挙げられ、また置換基としては、ヒドロキシ、ハロ
ゲン、低級アルキル、アリール、低級アルコキシ、ニト
ロ、シアノ、カルボキシ、アミノアシル等の各種有機基
が示される。これらのうちヒドロキシ、カルボキシ、ア
ミノ等は適当な置換基で置換されていても良く、その様
な置換基としては常用のもの、例えば先に述べた様なも
のが用いられる。
【0026】R1 とR2 が、またはR1 とR3 が結合し
て上記の様な低級アルキレン基を形成する場合とは、原
料化合物(1),目的化合物(2)が窒素含有複素環化
合物を形成する場合を意味し、例えば原料化合物(1)
の場合はピロリジン骨核やピペリジン骨核が形成され、
目的化合物(2)の場合はピロリン骨核やテトラヒドロ
ピリジン骨核が形成される。
【0027】アシルオキシ基とは前記した様なアシルで
置換されたヒドロキシ基を意味し、従って脂肪族アシル
オキシ基、芳香族アシルオキシ基、芳香族置換脂肪族ア
シルオキシ基、複素環アシルオキシ基などが含まれる
他、サルフェートやホスフェート等の無機酸残基等も包
含される。
【0028】目的化合物(1)のカルボキシ基における
塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属と
の塩、あるいはアンモニウム塩等の常用の塩を挙げるこ
とができる。本発明の反応は、原料化合物(1)の
(a)脱炭酸反応、及び(b)該脱炭に伴ってカルボキ
シ基の付いていた炭素原子とのα−アミノ酸の窒素原子
との間にニトロンを生成するものである。従ってα−ア
ミノ酸の窒素原子から見て、常にカルボキシ基側の炭素
原子との間にニトロンを形成するという選択性の優れた
反応が進行する。
【0029】この様な反応を進行させる触媒,酸化剤お
よび添加剤について説明する。触媒としては、後述の過
酸化物質との併用によって酸化作用を示す金属酸化物が
用いられ、特に代表的なものを例示すると、V25,V
O(AcAc)2,MoO3 ,Mo(CO)6 ,H2 Mo
4 ・H2 O,Na2 MoO4 ・2H2 O,MoO
2(AcAc)2 ,Ti(O−isoPr)4,WO3
2 WO4 ,Na2 WO4・2H2 O,SeO2 ,Cr
3 ,Fe(AcAc)3 等が挙げられる。
【0030】酸化剤としては、過酸化物質が好んで用い
られ、特に代表的なものを例示すると、過酸化水素,過
第3級ブチルアルコール、過安息香酸、m−クロロ過安
息香酸等が挙げられる。塩基としては、NaOH,KO
H,Na2 CO3 ,K2 CO3,NaHCO3 ,KHCO
3 ,K3 PO3 等の無機塩基を用いることもできる。
【0031】反応は通常溶媒中で行なわれる。溶媒とし
ては水,塩化メチレル,メタノール,エタノール,エチ
ルセロソルブ,アセトン,ジオキサン,アセトニトリ
ル,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド等、
その他この反応の進行に悪影響を与えない溶媒中で行な
われる。またこれらの溶媒は混合して使用することもで
き、親水性溶媒と疎水性溶媒を混合して使用するときは
テトラエチルアンモニウムクロソドの様な相間移動触媒
を併用することが望まれる。反応温度は特に限定されな
いが、好ましくは氷冷〜室温下に行なわれる。
【0032】
【発明の効果】この発明は上記の様に構成されているの
で原料化合物として入手の容易な化合物が用いられ、工
業的製法の観点からは非常に好都合な利点と言える。ま
たこの発明の反応は上記の様に進行するので、希望する
特定方向(カルボキシ基の付いている側)に二重結合を
形成したニトロン系化合物を選択的に製造することが可
能である。従って各種の有用性化合物製造のための中間
体として経済的安価に提供できる。
【0033】またこの発明の原料物質(1)として、例
えばR1 とR2 (またはR1 とR3)が結合して窒素含
有複素環を形成している様な化合物を用いる場合におい
て該複素環上に不斉炭素が存在しそれに基づく光学活性
を有しているとき(カルボキシ基が付いている位置の炭
素以外の炭素に異なる有機基、例えば水素原子とヒドロ
キシ基が付いているとき等)は、該不斉炭素に基づく光
学活性が維持され、光学活性ニトロン系化合物が製造さ
れる。光学活性ニトロン系化合物は光学活性含窒素有用
化合物(例えばβ−ラクタム系抗生物質や各種アルカロ
イド類、エタノールアミン類等)を製造する為の中間体
として重要である。
【0034】
【実施例】以下の説明においては、当技術分野において
常用されている下記の様な略号を用いることがある。 Boc:第3級ブトキシカルボニル基 (Boc)2 O:第3級ブトキシカルボン酸の無水物 THF :テトラヒドロフラン HMPA:ヘキサメチルホスホリックトリアミド DMF :ジメチルホルムアミド
【0035】製造例1 DL−アラニン(8.909g,100.0mmol)
を2N−NaOH(51.0ml)に溶解した溶液にベ
ンズアルデヒド(10.2ml,100.0mmol)
を加え、ここに得られた反応溶液を室温で30分攪拌し
た。この均質化した反応液に、反応温度を10℃以下に
保持しつつ、水素化ホウ素ナトリウム(945mg,2
5.0mmol)を少しずつ添加した。ガスの放出が停
止してから、反応混合物を室温で30分間攪拌した。ベ
ンズアルデヒドと水素化ホウ素ナトリウムを前記と同量
添加して反応させる操作をもう一度繰り返した。得られ
た反応溶液を酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒(1:
1,50ml×2)で洗浄した後、6N−HCl(20
ml)を加えてpH4.5に調整した。析出した固形物
を濾取し、減圧乾燥させると結晶状のN−ベンジル−D
L−アラニン(12.7g,70.9%)が得られた。
【0036】
【表1】
【0037】製造例2 製造例1と同様に実施して、DL−バリンとベンズアル
デヒドからN−ベンジル−DL−バリン(20.86
g,99.6%)を得た。
【0038】
【表2】
【0039】製造例3 製造例1と同様に実施して、DL−フェニルグリシンと
ベンズアルデヒドからN−プロピルアミノフェニルグリ
シン(12.34g,63.8%)を得た。
【0040】
【表3】
【0041】製造例4 (4R)−N−(ベンジルオキシカルボニル)−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリン
メチルエステル(19.68g,50.0mmol),
(BoC)2 O(7.35g,60.0mmol)及び
Pd−C(5%,5.20g)の酢酸エチル(200m
l)溶液の混合物を、常圧下10時間にわたって水素化
した。カラムクロマトグラフィ(SiO2 300ml,
5−20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、油状
の(4R)−N−(第3級ブトキシカルボニル)−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリン
メチルエステル(17.97g,99.9%)が得られ
た。
【0042】
【表4】
【0043】製造例5 (4R)−N−(第3級ブトキシカルボニル)−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリン
メチルエステル(3.29g,9.17mmol)とT
HF(30ml)の混合物に、−78℃でリチウムジイ
ソプロピルアミド/ヘキサン(6.50ml,1.50
M)を加えた。同温度で30分攪拌した後、反応液をH
MPA(7.98ml)で処理し、更に同温度で沃化メ
チル(0.685ml,11.0mmol)を加え、1
時間を要して徐々に室温まで戻した。反応混合物に塩化
アンモニウム飽和水溶液を加えて反応を中止せしめ、ヘ
キサン/酢酸エチル混液(2/1,100ml)で抽出
した。有機層を分取し、水(30ml×4)、次いで食
塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留
去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2 10
0ml,5−10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製する
と、(4R)−N−(第3級ブトキシカルボニル)−4
−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチル
−L−プロリンメチルエステル(主異性体,2.29
g,67.0%)、そのジアステレオマー(273m
g,8.0%)及びジアステレオマーの混合物(847
mg,24.7%)が得られた。
【0044】
【表5】
【0045】製造例6 (4R)−N−(第3級ブトキシカルボニル)−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチル−
L−プロリンメチルエステル(9.38g,26.08
mmol)および2、6−ルチジン(3.64ml,3
1.3mmol)を塩化メチレン(80ml)に加えた
混合物に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシ
リルエステル(5.54ml,28.7mmol)を−
78℃で加えた。反応混合物を緩やかに加温し、1時間
を要して室温まで戻した。反応混合物をヘキサン(50
ml)に加えて希釈し、水、食塩水で順次洗浄した後、
溶媒を留去した。残渣をメタノール(30ml)に溶解
し、1N−NaOH(31.3ml)により室温下3時
間にわたって処理した。反応混合物を濃縮し、得られた
油状残渣を水(50ml)に溶解した。この水層を酢酸
エチル/ヘキサン(1/2,20ml×2)で洗浄した
後、1N−HCl(31ml)で酸性化しpH4とし
た。水層を塩化メチレン(30ml×2)で抽出した。
有機層を合わせてMgSO4 で乾燥し、溶媒を留去する
と、粗製の(4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−2−メチル−L−プロリンが得られた。本
品を5%メタノール/酢酸エチルで再結晶すると、純品
(3.97g,58.7%)が得られた。母液をカラム
クロマトグラフィ及び再結晶で精製すると更に純品
(1.15g,17.0%)が得られた。
【0046】
【表6】
【0047】製造例7 (4R)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロ
キシ−L−プロリン(26.56g,100.0mmo
l)と第3級ブチルジメチルクロロシラン(33.16
g,220mmol)のDMF(100ml)溶液を攪
拌し、これにトリエチルアミン(41.8ml,300
mmol)を、5−10℃で滴下し、得られた溶液を室
温で12時間攪拌した。この反応混合物を、ヘキサン
(200ml)、酢酸エチル(100ml)、水(10
0ml)の攪拌混合液中に注いだ。有機層を分取し、水
(50ml×4)および食塩水(50ml)で順次洗浄
した。有機層をMgSO4 で乾燥し、これを濃縮すると
シロップ状の残渣が得られた。このシロップ状残渣をメ
タノ−ル(100ml)に溶解し、この溶液を炭酸カリ
ウム(13.82g,100mmol)で室温下30分
処理した。反応混合物を濃縮し、得られた溶液を酢酸エ
チル(100ml)とヘキサン(100ml)の混合溶
媒中に溶解した。この溶液に6N塩酸(40ml)を加
えて酸性化(pH2)した後、食塩水(50ml×2)
で洗浄し、MgSO4 で乾燥した。この溶液を濃縮し、
カラムクロマトグラフィ(SiO2 ,500ml;5%
酢酸エチル/ヘキサン、次いで5%メタノール/塩化メ
チレンで溶出)で精製すると、油状の(4R)−N−ベ
ンジルオキシカルボニル−4−(第3級ブチルジメチル
オキシメチル)−L−プロリン(37.5g,98.8
%)が得られた。
【0048】
【表7】
【0049】製造例8 (4R)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロ
キシ−L−プロリン(23.55g,88.77mmo
l)とトリフェニルホスフィン25.61g,97.6
5mmol)を塩化メチレンに加えてなる混合物に、ア
ゾジカルボン酸ジエチルエステル(15.37ml,9
7.65mmol)を0℃で加えた。室温で2時間攪拌
した後、反応混合物を濃縮した。沈殿物を酢酸エチル
(100ml)に懸濁させ、濾過した。濾液を濃縮し粗
製品を得た。
【0050】この粗製品をメタノール(90ml)に溶
解したものに、0℃で1N−NaOH(90ml)を加
えた。反応混合物を0℃で30分攪拌し、反応終了後濃
縮した。油状残渣を水(200ml)に溶解した。水層
を塩化メチレン(100ml,50ml×2)で洗浄し
た後、1N−HCl(90ml)で酸性化しpH2に調
整した。水層を塩化メチレン(100ml,30ml,
30ml)で抽出し、有機層を合わせてMgSO4 で乾
燥し、溶媒を留去すると泡状の酸性物質が得られた。
【0051】この酸性物質をDMF(180ml)に溶
解し、得られたDMF溶液にトリエチルアミン(37.
1ml,266.3mmol)と第3級ブチルジメチル
クロロシラン(29.4g,195.3mmol)を0
℃で加えた。室温で10時間攪拌した後、反応混合物を
酢酸エチル/ヘキサン(1/2,300ml)で希釈し
た。有機層を分取し水(100ml×5)及び食塩水
(50ml)で洗浄した後濃縮した。粗製の油状物をメ
タノール(200ml)に溶解し、K2 CO3 (13.
82g,100mmol)により室温で2時間処理した
後、溶媒を留去した。粗製の油状物を酢酸エチル(30
0ml)と水(100ml)に取り、6N−HCl(3
0ml)を加えてpH2とした。有機層を分離し、水層
を酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機層を合わ
せ、食塩水(50ml×2)で洗浄した後、MgSO4
で乾燥し、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィ
(SiO 2 ,400ml;5−20%酢酸エチル/ヘキ
サン)で精製すると、粗製の(4S)−N−ベンジルオ
キシカルボニル−4−(第3級ブチルジメチルシリルオ
キシ)−L−プロリンが固形物として得られた。これを
ヘキサンで再結晶すると、純品(12.36g,36.
6%)が得られた。
【0052】
【表8】
【0053】製造例9 (4R)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−(第3
級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリン(3.
38g,8.90mmol)とPd/C(10%,47
0mg)をメタノールに加えた混合物を常圧下3時間に
わたって水素化した。触媒を濾去し、濾液から溶媒を留
去し結晶状固体を得た。この固体を酢酸エチルで再結晶
すると、(4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリル
オキシ)−L−プロリン(1.67g,76.5%)が
得られた。
【0054】
【表9】
【0055】製造例10 (4R)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−(第3
級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリンメチル
エステル(5.39g,13.7mmol)とPd/C
(5%,1.42g)をメタノール(40ml)に加え
た混合物を常圧下1時間にわたって水素化した。触媒を
濾去し、濾液から溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル
(50ml)に溶解し、得られた溶液をNaHCO3
和水溶液(10ml)および食塩水(10ml)で洗浄
した後、MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去した。
【0056】残渣をアセトン(40ml)に取り、この
溶液に酸化セレン(121g)と過酸化水素水(31
%,1.42g)を0℃で加えた。反応液を10−15
℃に保ちつつ40分攪拌した。温度が上昇し過ぎると更
に酸化反応が進行してニトロンにまで至るので反応温度
の制御は重要である。Na2 SO3 (6.9g)を加え
て反応を終了させた後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エ
チル(50ml)に溶解し、食塩水で洗浄しMgSO4
で乾燥した後、溶媒を留去した。
【0057】油状残渣をメタノール(50ml)に溶解
し、1N−NaOH(15.1ml)を加え、室温で1
時間反応させて鹸化した。1N−HCl(15ml)で
処理した後、反応液を濃縮した。残渣を塩化メチレン
(30ml)と水(20ml)に取り、有機層を分離し
た。これを食塩水で洗浄した後、MgSO4 で乾燥し、
溶媒を留去した。沈殿固形物を濾取してメタノールで再
結晶すると、(4R)−4−(第3級ブチルジメチルシ
リルオキシ)−N−ヒドロキシーL−プロリン(960
mg,26.8%)が得られた。
【0058】
【表10】
【0059】製造例11 (4S)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−(第3
級ブチルジメチルシリルオキシ)−L−プロリン(1.
90g,5.00mmol)とPd/C(5%,520
mg)をメタノール(20ml)に加えた混合物を常圧
下30分にわたって水素化した。触媒を濾去し、濾液か
ら溶媒を留去し、(4S)−4−(第3級ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−L−プロリンの結晶状固体を得た
((1.23g,99.9%)。本品を分析目的で水か
ら再結晶し純品を得た(652mg,53.1%)。
【0060】
【表11】
【0061】実施例1 (4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−L−プロリン(451mg,1.84mmol)の塩
化メチレン(6ml)溶液にタングステン酸ナトリウム
2水和物(5モル%,30.0mg)とテトラエチルア
ンモニウムクロライド(10モル%,30.4mg)を
加えてなる溶液に、0℃で過酸化水素水(31%,0.
55ml)を加えた。この溶液に、強攪拌下1N−Na
OH(2.21ml)を加え、更に1時間0℃で攪拌を
続けた。更に2時間室温で攪拌を続けた後、氷冷下に亜
硫酸水素ナトリウムを加えて過剰の過酸化水素を分解し
て反応を停止させた。有機層を分離し、水層を塩化メチ
レン(10ml×2)で抽出した。有機層を合わせてM
gSO4 で乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。カラムク
ロマトグラフィ(SiO2 ,50ml;2.5−5.0
%メタノール/塩化メチレン)で精製すると、(4R)
−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−1−ピ
ロリン N−オキシドが得られた(208mg,52.
6%)。本品を分析目的でヘキサンから再結晶し純品を
得た。
【0062】
【表12】
【0063】実施例2 N−ベンジル−DL−アラニンから実施例1と同様にし
てN−エチリデンベンジルアミン N−オキシド(5
8.3%)を得た。本品をカラムクロマトグラフィ(S
iO2 ,40ml;5.0%メタノール/塩化メチレ
ン)で精製した。
【0064】
【表13】
【0065】実施例3 N−ベンジル−DL−バリンから実施例1と同様にして
N−イソプロピリデンベンジルアミン N−オキシド
(65.6%)を得た。本品をカラムクロマトグラフィ
(SiO2 ,40ml;5.0%メタノール/塩化メチ
レン)で精製した。
【0066】
【表14】
【0067】実施例4 N−プロピル−DL−フェニルグリシンから実施例1と
同様にしてN−ベンジリデンプロピルアミン N−オキ
シド(49.7%)を得た。本品をカラムクロマトグラ
フィ(SiO2 ,40ml;40−50%酢酸エチル/
ヘキサン)で精製した。
【0068】
【表15】
【0069】実施例5 (4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−N−ヒドロキシ−L−プロリン(261mg,1.0
0mmol)から、過酸化水素水の使用量を1.5当
量、1.50mmolとした他は実施例1と同様にして
(4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−1−ピロリン N−オキシド(148.1mg,6
8.7%)を得た。
【0070】
【表16】
【0071】実施例6 (4S)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−L−プロリン(532mg,2.16mmol)か
ら、実施例1と同様にして(4S)−4−(第3級ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−1−ピロリン N−オキシ
ド(315mg,67.7%)を得た。本品を分析目的
でヘキサンから再結晶した(235mg,50.5
%)。
【0072】
【表17】
【0073】実施例7 (4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−2−メチル−L−プロリン(518.8mg,2.0
06mmol)から、実施例1と同様にして(4R)−
4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチ
ル−1−ピロリン N−オキシド(465.6mg,9
9.9%)を得た。本品を分析目的でヘキサンから再結
晶した(350mg,76.3%)。
【0074】
【表18】
【0075】参考例1 4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)ブチン−1
(1.106g,6.00mmol)とブチルリチウム
(3.57ml,1.60M)を−78℃で30分反応
させて得られたリチウムアセチリド体のTHF溶液に、
(4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)
−1−ピロリン N−オキシド(861.5mg,4.
00mmol)の塩化メチレン(5ml)溶液を−78
℃で加えた。−78℃で1時間攪拌した後、反応混合物
を、塩化アンモニウム飽和水溶液(10ml)とヘキサ
ン(20ml)の混合溶液中に加えた。有機層を分取
し、食塩水(10ml×2)で洗浄し、MgSO4 で乾
燥した後、溶媒を留去した。残渣ををカラムクロマトグ
ラフィ(SiO2 ,40ml;5−15%酢酸エチル/
ヘキサン)で精製すると、油状の(2S,4R)−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−2−[4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)ブチン−1−イ
ル]−N−ヒドロキシピロリジン1.368g,85.
6%)が得られた。
【0076】
【表19】
【0077】参考例2 (2S,4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオ
キシ)−2−[4−(第3級ブチルジメチルシリルオキ
シ)ブチン−1−イル]−N−ヒドロキシピロリジン
(7.1g,17.76mmol)のメタノール(70
ml)溶液に1N−HCl(27ml)を加え、5−1
0℃で30分処理した。メタノールを留去した後の残渣
を酢酸エチル(50ml)と水(20ml)に取り、有
機層を分離した。有機層を食塩水(20ml)で洗浄し
た後、MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカ
ラムクロマトグラフィ(SiO2 100ml,10−3
0%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、油状の(2
S,4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキ
シ)−2−(4−ヒドロキシブチン−1−イル)−N−
ヒドロキシピロリジン(3.30g,65.2%)が得
られた。
【0078】
【表20】
【0079】参考例3 (2S,4R)−4−(第3級ブチルジメチルシリルオ
キシ)−2−(4−ヒドロキシブチン−1−イル)−N
−ヒドロキシピロリジン(71.0g,248mmo
l)、酢酸(15ml)およびPd−C/メタノール
(900ml)の混合物を常圧下19時間にわたって水
素化反応に付した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮し
た。残渣をTHF(650ml)と水(650ml)に
取り、得られた混合物にトリエチルアミン(120m
l,870mmol)とクロロ炭酸アリル(37ml,
347mmol)を加え、0℃で30分処理した。反応
混合物を酢酸エチル(700ml)で希釈し、有機層を
分離し食塩水(20ml)で洗浄した後、MgSO4
乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフ
ィ(SiO2 1.0リットル,10−30%酢酸エチル
/ヘキサン)で精製すると、油状の(2S,4R)−N
−アリルオキシカルボニル−4−(第3級ブチルジメチ
ルシリルオキシ)−2−(4−ヒドロキシブチル)ピロ
リジン(24.17g,27.3%)が得られた。
【0080】
【表21】
【0081】参考例4 (2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−4−
(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(4−ヒ
ドロキシブチル)ピロリジン(24.7g,69.0m
mol)のDMF(470ml)溶液に、0℃でピリジ
ニウムジクロメイト(91g,242mmol)を加え
た。得られた混合物を室温で7.5時間攪拌した。反応
混合物を冷水(500ml)で希釈し、酢酸エチル−T
HFの混液(2:1,500ml)で抽出した。有機層
を食塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、溶媒を留
去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2 20
0ml,5−10%アセトン/塩化メチレン)で精製す
ると、油状の4−[(2S,4R)−N−アリルオキシ
カルボニル−4−(第3級ブチルジメチルシリルオキ
シ)ピロリジン−2−イル]酪酸(9.44g,36.
9%)が得られた。
【0082】
【表22】
【0083】参考例5 4−[(2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−
4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン
−2−イル]酪酸(9.4g,25.3mmol)とト
リエチルアミン(4.2ml,30.4mmol)の塩
化メチレン(85ml)溶液を、−10〜−20℃に保
ちつつ、これにクロロ炭酸イソブチル(3.64ml,
27.8mmol)を加えた。−20℃に保ちつつ20
分攪拌した後、反応混合液に、−10℃でアンモニアガ
スを30分間導入した。有機層を食塩水で洗浄した後、
MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムク
ロマトグラフィ(SiO2 200ml,50%酢酸エチ
ル/ヘキサン)で精製すると、油状の4−[(2S,4
R)−N−アリルオキシカルボニル−4−(第3級ブチ
ルジメチルシリルオキシ)ピロリジン−2−イル]酪酸
アミド(7.8g,83.2%)が得られた。
【0084】
【表23】
【0085】参考例6 4−[(2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−
4−(第3級ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン
−2−イル]酪酸アミド(7.6g,20.5mmo
l)のメタノール(80ml)溶液に1N−HCl(3
1ml)を加え、室温で40分処理した。反応混合物に
NaHCO3 飽和水溶液を加えて中和した後、溶媒を留
去した。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2 19
0ml,5−10%メタノール/酢酸エチル)で精製す
ると、油状の4−[(2S,4R)−N−アリルオキシ
カルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]酪
酸アミド(4.52g,86.1%)が得られた。
【0086】
【表24】
【0087】参考例7 4−[(2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル−
4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]酪酸アミド
(4.52g,17.6mmol)、トリフェニルホス
フィン(6.94g,26.5mmol)およびチオ安
息香酸(3.66g,26.5mmol)をTHF(9
0ml)に加えた混合物に、アゾジカルボン酸ジエチル
(41.7ml,26.5mmol)を0℃で加えた。
反応混合物を室温で30分攪拌した後、濾過した。濾液
を酢酸エチル(100ml)で希釈した。有機層を食塩
水で洗浄した後、MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去し
た。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2 200m
l,50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、油状
の4−[(2S,4R)−N−アリルオキシカルボニル
−4−ベンゾイルチオピロリジン−2−イル]酪酸アミ
ド(4.70g,71.0%)が得られた。
【0088】
【表25】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 (式中、R1 は低級アルキル基、アリール基、アル(低
    級)アルキル基、アリールで置換されていてもよいヒド
    ロキシ(低級)アルキル基、またはアリールで置換され
    ていてもよい保護されたヒドロキシ(低級)アルキル
    基、R2 およびR3 はその一方が低級アルキル基、アリ
    ール基もしくはアル(低級)アルキル基で、他方が水
    素、低級アルキル基もしくはアル(低級)アルキル基で
    あるか、またはR2 ,R3 のいずれか一方がR1 と結合
    して置換されていてもよい低級アルキレン基を形成して
    もよく、R4 は水素、ヒドロキシ基またはアシルオキシ
    基を意味する)で示される化合物またはカルボキシ基に
    おけるその塩を触媒、酸化剤および塩基と反応させて、
    式: 【化2】 (式中、R1 ,R2 およびR3 はそれぞれ前記と同じ意
    味)で示されるニトロン化合物を得ることを特徴とする
    ニトロン化合物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007182419A (ja) * 2005-12-07 2007-07-19 Tokyo Univ Of Science プロリン誘導体及び光学活性アンチ選択性増強触媒

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