JPH06263679A - フッ化カルボニル・アセタールの製造法 - Google Patents

フッ化カルボニル・アセタールの製造法

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JPH06263679A
JPH06263679A JP7503593A JP7503593A JPH06263679A JP H06263679 A JPH06263679 A JP H06263679A JP 7503593 A JP7503593 A JP 7503593A JP 7503593 A JP7503593 A JP 7503593A JP H06263679 A JPH06263679 A JP H06263679A
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JP
Japan
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quinolyl
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aromatic
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Application number
JP7503593A
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English (en)
Inventor
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
Manabu Kuroboshi
学 黒星
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式、 R1OC(S)OR2 (式中、R
1、R2はそれぞれ独立に、置換もしくは未置換の、芳香
族基、直鎖もしくは分枝状のアルキル基もしくはアルケ
ニル基、またはシクロアルキル基を表し、これらは置換
されていてもよい。また、R1とR2はそれらが結合して
いる酸素原子およびこれら2個の酸素原子が結合してい
る炭素原子と一体となって環を形成してもよい。)で表
されるチオン炭酸エステルにフッ酸誘導体を、ハロニウ
ムイオン発生剤共存下反応させることを特徴とする、
一般式、 R1OCF2OR2 (式中R1、R2は前記と
同一である)で表されるフッ化カルボニル・アセタール
の製造法。 【効果】 医農薬や機能性材料等の合成に有用なフッ化
カルボニル・アセタールを、短工程で収率良く穏和な条
件で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医農薬や機能性材料等の
合成に有用なフッ化カルボニル・アセタールの製造方法
に関する。
【0002】
【従来技術】有機化合物にフッ素をいくつか導入する
と、特異な生理活性や材料物性が発現することがよく知
られている("フッ素化合物の合成と機能"、石川延男監
修、CMC)。その中でも、フッ化カルボニル・アセタ
ールは医農薬合成などに特に有用であり、抗菌活性(E
P−A−0206999)、除草活性(EP−0490
220A1)、殺虫活性(DE−OS2819788)
を持つ誘導体がそれぞれ報告されている。
【0003】フッ化カルボニル・アセタールの合成は従
来塩化カルボニル・アセタールのフッ化アンチモンによ
るハロゲン交換(J. Org. Chem., 19
72, 37, 673)によってなされていたが、適
用範囲が狭く、特に酸に不安定な目的物を得ることはで
きない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはフッ化カ
ルボニル・アセタールエステルを簡便に製造できる方法
を鋭意検討した結果、チオン炭酸エステルをフッ酸誘導
体とハロニウムイオン発生剤存在下に反応させることに
より同目的物を製造する方法を見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I) R1OC(S)OR2 (I) (式中、R1、R2はそれぞれ独立に、置換もしくは未置
換の、芳香族基、直鎖もしくは分枝状のアルキル基もし
くはアルケニル基、またはシクロアルキル基を表し、こ
れらは置換されていてもよい。また、R1とR2はそれら
が結合している酸素原子およびこれら2個の酸素原子が
結合している炭素原子と一体となって環を形成してもよ
い。)で表されるチオン炭酸エステルに、フッ酸誘導体
を、ハロニウムイオン発生剤共存下に反応させることに
より、一般式(II) R1OCF2OR2 (II) (式中、R1、R2は前記と同一である。)で表されるフ
ッ化カルボニル・アセタールを製造する方法である。
【0006】前記一般式(I)で表されるチオン炭酸エ
ステルはアルコール、ジオール、ヒドロキシ芳香族化合
物、ジヒドロキシ芳香族化合物を塩基存在下チオホスゲ
ンと反応させることにより容易に合成することができ
る。
【0007】前記一般式(I)及び(II)において、
1及びR2の置換もしくは未置換の芳香族基としては、
置換または未置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−
ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9
−アンスリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピ
ロリル基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリ
ジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニ
ル基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリ
ル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基、などをあげるこ
とができる。これらの芳香族基の芳香環上の置換基とし
ては、炭素数1から20までの直鎖あるいは分枝状アル
キル基;フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、
2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル
基、9−アンスリル基、2−フリル基、3−フリル基、
2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3
−ピリジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−
チエニル基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−
キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キ
ノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基などのよう
な芳香族基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基のよ
うなアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基のようなアル
コキシル基;アセトキシル基、ブトキシル基のようなア
シルオキシル基;メトキシメチルオキシ基、メトキシエ
トキシメチルオキシ基のようなアルコキシメチルオキシ
ル基;フェニルオキシル基、ナフトキシル基のようなア
リールオキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘプチルオキシカ
ルボニル基などのアルコキシカルボニル基;ハロゲン原
子;スルホニル基;1−オキソエチル基、1−オキソプ
ロピル基、2−オキソプロピル基、1−オキソブチル
基、2−オキソブチル基、3−オキソブチル基、1−オ
キソヘプチル基などのようなカルボニル基を鎖中に含む
アルキル基;ニトロ基;シアノ基などをあげることがで
きる。また、これらの、芳香環に置換する置換基上には
さらにアルキル基、芳香族基、アルケニル基、ニトロ
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル
基、ハロゲン原子、スルホニル基などが置換していても
よい。
【0008】R1及びR2の置換もしくは未置換のアルキ
ル基としては炭素数1から20までの直鎖もしくは分枝
状のアルキル基を用いることができる。アルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等
を例示することができる。このアルキル基上にはフェニ
ル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−アンス
リル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリル
基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル
基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル
基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリル
基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、8−キノリル基などのような芳香族基;ビニル基、
プロペニル基、ブテニル基のようなアルケニル基;メト
キシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘプチルオキシ基、
オクチルオキシ基のようなアルコキシル基;アセトキシ
ル基、ブトキシル基のようなアシルオキシル基;メトキ
シメチルオキシ基、メトキシエトキシメチルオキシ基の
ようなアルコキシメチルオキシル基;フェニルオキシル
基、ナフトキシル基のようなアリールオキシル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ヘプチルオ
キシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;ハロ
ゲン原子;スルホニル基;1−オキソエチル基、1−オ
キソプロピル基、2−オキソプロピル基、1−オキソブ
チル基、2−オキソブチル基、3−オキソブチル基、1
−オキソヘプチル基などのようなカルボニル基を鎖中に
含むアルキル基;ニトロ基;シアノ基などが置換するこ
とができる。また、これらの、アルキル基に置換する置
換基上にはさらに、アルキル基、芳香族基、アルケニル
基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ア
ルコキシル基、ハロゲン原子、スルホニル基が置換して
いてもよい。
【0009】R1及びR2の置換もしくは未置換のアルケ
ニル基としては炭素数2から10の直鎖もしくは分枝状
のアルケニル基を用いることができる。アルケニル基と
しては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル基等
を例示することができる。このアルケニル基上には炭素
数1から20までの直鎖あるいは分枝状アルキル基;フ
ェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチ
ル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−アン
スリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリル
基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル
基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル
基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリル
基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基などのような芳香
族基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基のようなア
ルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘ
プチルオキシ基、オクチルオキシ基のようなアルコキシ
ル基;アセトキシル基、ブトキシル基のようなアシルオ
キシル基;メトキシメチルオキシ基、メトキシエトキシ
メチルオキシ基のようなアルコキシメチルオキシル基;
フェニルオキシル基、ナフトキシル基のようなアリール
オキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニ
ル基などのアルコキシカルボニル基;ハロゲン原子;ス
ルホニル基;1−オキソエチル基、1−オキソプロピル
基、2−オキソプロピル基、1−オキソブチル基、2−
オキソブチル基、3−オキソブチル基、1−オキソヘプ
チル基などのようなカルボニル基を鎖中に含むアルキル
基;ニトロ基;シアノ基などが置換することができる。
また、これらの、アルケニル基に置換する置換基上には
さらに、アルキル基、芳香族基、アルケニル基、ニトロ
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル
基、ハロゲン原子、スルホニル基が置換してもよい。
【0010】R1及びR2の置換もしくは未置換のシクロ
アルキル基としては炭素数3から10の環状アルキル基
を用いることができる。シクロアルキル基としては、シ
クロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロオクチル基等を例示することができる。この
シクロアルキル基上には炭素数1から20までの直鎖あ
るいは分枝状アルキル基;フェニル基、ビフェニル基、
1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、
2−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フリル基、
3−フリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−
ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−チ
エニル基、3−チエニル基、2−ピリミジル基、2−キ
ノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノ
リル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリ
ル基などのような芳香族基;ビニル基、プロペニル基、
ブテニル基のようなアルケニル基;メトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基のようなアルコキシル基;アセトキシル基、ブトキシ
ル基のようなアシルオキシル基;メトキシメチルオキシ
基、メトキシエトキシメチルオキシ基のようなアルコキ
シメチルオキシル基;フェニルオキシル基、ナフトキシ
ル基のようなアリールオキシル基;メトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル
基などのアルコキシカルボニル基;ハロゲン原子;スル
ホニル基;1−オキソエチル基、1−オキソプロピル
基、2−オキソプロピル基、1−オキソブチル基、2−
オキソブチル基、3−オキソブチル基、1−オキソヘプ
チル基などのようなカルボニル基を鎖中に含むアルキル
基;ニトロ基;シアノ基などが置換することができる。
また、これらの、シクロアルキル基に置換する置換基上
にはさらに、アルキル基、芳香族基、アルケニル基、ニ
トロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキ
シル基、ハロゲン原子、スルホニル基が置換してもよ
い。
【0011】さらに、R1及びR2は、それらが結合して
いる酸素原子及びこれら2個の酸素原子が結合している
炭素原子と一体となって環を形成することができる。こ
の場合R1及びR2は一体となって炭素数2から10の炭
素鎖を表すことができる。この炭素鎖上には炭素数1か
ら20までの直鎖あるいは分枝状アルキル基;フェニル
基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、
1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−アンスリル
基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリル基、3
−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−
ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピ
リミジル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キ
ノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノ
リル基、8−キノリル基などのような芳香族基;ビニル
基、プロペニル基、ブテニル基のようなアルケニル基;
メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘプチルオキシ
基、オクチルオキシ基のようなアルコキシル基;アセト
キシル基、ブトキシル基のようなアシルオキシル基;メ
トキシメチルオキシ基、メトキシエトキシメチルオキシ
基のようなアルコキシメチルオキシル基;フェニルオキ
シル基、ナフトキシル基のようなアリールオキシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキ
シカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基などのア
ルコキシカルボニル基;ハロゲン原子;スルホニル基;
1−オキソエチル基、1−オキソプロピル基、2−オキ
ソプロピル基、1−オキソブチル基、2−オキソブチル
基、3−オキソブチル基、1−オキソヘプチル基などの
ようなカルボニル基を鎖中に含むアルキル基;ニトロ
基;シアノ基などが置換することができる。また、これ
らの、炭素鎖に置換する置換基上にはさらに、アルキル
基、芳香族基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ア
ルコキシカルボニル基、アルコキシル基、ハロゲン原
子、スルホニル基が置換していてもよい。さらに、この
炭素鎖には1,2−、1,3−、あるいは1,4−フェ
ニレン基のような二価芳香族基が介在していてもよく、
この芳香環上にはさらに、アルキル基、芳香族基、アル
ケニル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル
基、アルコキシル基、ハロゲン原子、スルホニル基が置
換していてもよい。また、この炭素鎖の炭素のうち数個
を酸素、窒素で置き換えることができる。
【0012】上記のR1及びR2がそれらが結合している
酸素原子およびこれら2個の酸素原子が結合している炭
素原子と一体となって環を形成する場合の他の例示とし
て、R1及びR2が一体となって二価の芳香族基を表すこ
とができる。このような二価の芳香族基としては、1,
2−フェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、1,2
−、2,3−、あるいは1,8−ナフチレン基、1,2
−、2,3−、あるいは1,9−アンスリレン基、2,
3−あるいは3,4−フランジイル基、2,3−あるい
は3,4−ピロールジイル、2,3−あるいは3,4−
ピリジンジイル、2,3−あるいは3,4−チオフェン
ジイル、4,5−ピリミジンジイル、2,3−、3,4
−、4,5−、5,6−、6,7−、あるいは7,8−
キノリンジイルなどをあげることができる。
【0013】本発明における前記一般式(II)で表さ
れるフッ化カルボニル・アセタールの製造において用い
ることのできるフッ酸誘導体としては、フッ化水素;フ
ッ化水素とピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミンなどのアミンとの錯体;一般式(II
I) (Rabcd+)(H23 -) (III) で表される二水素三フッ化四級アンモニウム;一般式
(IV) (Rabcd+)(H23 -) (IV) で表される二水素三フッ化ホスホニウムなどがあげられ
る。上記一般式(III)で表される二水素三フッ化四
級アンモニウムとしてはたとえば、二水素三フッ化テト
ラメチルアンモニウム、二水素三フッ化テトラエチルア
ンモニウム、二水素三フッ化テトラブチルアンモニウム
(TBAH23)、二水素三フッ化ベンジルトリメチル
アンモニウム、二水素三フッ化ベンジルトリエチルアン
モニウム、二水素三フッ化セチルトリメチルアンモニウ
ムをあげることができる。これらは50%フッ酸、フッ
化カリウム及びフッ化四級アンモニウムから容易に合成
できる(Bull. Soc. Chim. Fr.,
910 (1986))。上記一般式(IV)で表さ
れる二水素三フッ化四級ホスホニウムとしてはたとえ
ば、二水素三フッ化テトラメチルホスホニウム、二水素
三フッ化テトラエチルホスホニウム、二水素三フッ化テ
トラブチルホスホニウム、二水素三フッ化ベンジルトリ
メチルホスホニウム、二水素三フッ化ベンジルトリエチ
ルホスホニウム、二水素三フッ化セチルトリメチルホス
ホニウムをあげることができる。これらは47%フッ酸
と水酸化四級ホスホニウムから容易に合成できる(Ch
em. Lett., 1991, 1185.)。使
用量はフッ素原子の量としてチオン炭酸エステル1モル
に対して2モルないし大過剰となる量の範囲であるが、
経済性を考慮して2−15モルが好ましい。
【0014】前記一般式(II)で表されるフッ化カル
ボニル・アセタールの合成に用いることのできるハロニ
ウムイオン発生剤としては、N−クロロコハク酸イミド
(NCS)、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N
−ブロモアセトアミド(NBA)、N−ヨードコハク酸
イミド(NIS)などを例示できる。使用量は一般式
(I)で表されるチオン炭酸エステル1モルに対し、2
モルないし大過剰量の範囲であるが、経済性を考慮して
2−5モルが好ましい。
【0015】前記一般式(II)で表されるフッ化カル
ボニル・アセタールの合成において、反応は−100℃
から100℃の範囲で行えるが、−78℃から80℃の
範囲で行うことが、選択性、経済性の点で望ましい。
【0016】この反応においては、溶媒を使用すること
ができる。溶媒としては反応に関与しないものならば何
でも使用できるが、たとえば、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンを例示することができる。これ
らは単独でも用いることができるが、適宜混合溶媒とし
ても使用できる。
【0017】以下に実施例によって本発明をさらに詳細
に説明する。
【0018】
【実施例】
実施例1. 2,2−ジフルオロベンゾ−1,3−ジオキソールの合
【0019】
【化1】
【0020】TBAH23(450 mg,1.5 m
mol)と1,3−ベンゾジオキソール−2−チオン
(76 mg,0.5 mmol)のジクロロメタン
(1.5mL)溶液にNIS(270 mg,1.2
mmol)を室温で加えた。0.5時間室温でかき混ぜ
たのち、反応混合物にペンタン−ジエチルエーテル
(1:1、5 mL x 3)を加え、デカンテーショ
ンした。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル =5
/1)で精製し、標題化合物(57 mg,0.36
mmol,72%)を得た。
【0021】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
6.7−6.5 (br s).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −32.
98 (s).
【0022】実施例2. 5−クロロ−2,2−ジフルオロベンゾ−1,3−ジオ
キソールの合成
【0023】
【化2】
【0024】実施例1と全く同様にして、5−クロロベ
ンゾ−1,3−ジオキソール−2−チオン(94 m
g,0.5 mmol)から標題化合物(71 mg,
0.37 mmol,74%)を得た。
【0025】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
6.52 (s,1H),6.47(d,J = 6
Hz,1H),6.17 (d,J = 6Hz,1
H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −35.
32 (s).
【0026】実施例3. 5−エトキシカルボニル−2,2−ジフルオロベンゾ−
1,3−ジオキソールの合成
【0027】
【化3】
【0028】実施例1と全く同様にして、5−エトキシ
カルボニルベンゾ−1,3−ジオキソール−2−チオン
(104 mg,0.5 mmol)から標題化合物
(89mg,0.41 mmol,82%)を得た。
【0029】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
7.73−7.71 (m,1H),6.44
(d,J = 8Hz,1H),4.07 (q,J
= 7Hz,2H),1.00 (t,J = 7H
z,3H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −35.
50 (s).
【0030】実施例4. 4−オクチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソ
ランの合成
【0031】
【化4】
【0032】実施例1と全く同様にして、4−オクチル
−1,3−ジオキソラン−2−チオン(108 mg,
0.5 mmol)から標題化合物(92 mg,0.
41mmol,82%)を得た。
【0033】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
3.9−3.6 (m,1H),3.6−3.4
(m,1H),3.3−3.1 (m,1H),1.4
−1.0(m,14H),0.85 (t,J = 7
Hz,3H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −56。
70 (d,J =100Hz,1F),−58.20
(d,J = 100Hz,1F).
【0034】実施例5. 4−フェノキシメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−
ジオキソランの合成
【0035】
【化5】
【0036】実施例1と全く同様にして、4−フェノキ
シメチル−1,3−ジオキソラン−2−チオン(105
mg,0.5 mmol)から標題化合物(69 m
g,0.32 mmol,64%)を得た。
【0037】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
7.2−6.4 (m,5H),4.1−3.9
(m,1H),3.53 (d,J = 7Hz,2
H),3.31 (d,J = 7Hz,2H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −57.
00 (d,100Hz,1F),−58.60
(d,J = 100Hz,1F).
【0038】実施例6. 4−フェニル−2,2−ジフルオロ−1,3−ジオキソ
ランの合成
【0039】
【化6】
【0040】実施例1と全く同様にして、4−フェニル
−1,3−ジオキソラン−2−チオン(90 mg,
0.5 mmol)から標題化合物(65 mg,0.
35mmol,70%)を得た。
【0041】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
7.1−6.9 (br s,5H),4.9−4.
7 (m,1H),3.8−3.4 (m,2H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −56.
80 (d,J =100Hz,1F),−58.40
(d,J = 100Hz,1F).
【0042】実施例7. 2,2−ジフルオロベンゾ−1,3−ジオキサンの合成
【0043】
【化7】
【0044】実施例1と全く同様にして、1,3−ベン
ゾジオキサン−2−チオン(83mg,0.5 mmo
l)から標題化合物(50 mg,0.29 mmo
l,58%)を得た。
【0045】1H−NMR (C66−Me4Si) δ
7.0−6.6 (m,4H),4.3 (s,2
H).19 F−NMR (C66−CFCl3) δ −59.
26 (s).
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】さらに、R及びRは、それらが結合し
ている酸素原子及びこれら2個の酸素原子が結合してい
る炭素原子と一体となって環を形成することができる。
この場合R及びRは一体となって炭素数2から10
の炭素鎖を表すことができる。この炭素鎖上には炭素数
1から20までの直鎖あるいは分枝状アルキル基;フェ
ニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル
基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−アンス
リル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリル
基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル
基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル
基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリル
基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基などのような芳香
族基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基のようなア
ルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘ
プチルオキシ基、オクチルオキシ基のようなアルコキシ
ル基;アセトキシル基、ブトキシル基のようなアシルオ
キシル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基のよう
なアルコキシメチル基;フェノキシメチル基、フリルオ
キシメチル基のようなアリールオキシメチル基;メトキ
シメチルオキシ基、メトキシエトキシメチルオキシ基の
ようなアルコキシメチルオキシル基;フェニルオキシル
基、ナフトキシル基のようなアリールオキシル基;メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカ
ルボニル基、ベプチルオキシカルボニル基などのアルコ
キシカルボニル基;ハロゲン原子;スルホニル基;1−
オキソエチル基、1−オキソプロピル基、2−オキソプ
ロピル基、1−オキソブチル基、2−オキソブチル基、
3−オキソブチル基、1−オキソヘプチル基などのよう
なカルボニル基を鎖中に含むアルキル基;ニトロ基;シ
アノ基などが置換することができる。また、これらの、
炭素鎖に置換する置換基上にはさらに、アルキル基、芳
香族基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキ
シカルボニル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、スル
ホニル基が置換していてもよい。さらに、この炭素鎖に
は1,2−、1,3−、あるいは1,4−フェニレン基
のような二価芳香族基が介在していてもよく、この芳香
環上にはさらに、アルキル基、芳香族基、アルケニル
基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ア
ルコキシル基、ハロゲン原子、スルホニル基が置換して
いてもよい。また、この炭素鎖の炭素のうち数個を酸
素、窒素で置き換えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 409/12 7602−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 R1OC(S)OR2 (式中、R1、R2はそれぞれ独立に、置換もしくは未置
    換の、芳香族基、直鎖もしくは分枝状のアルキル基もし
    くはアルケニル基、またはシクロアルキル基を表し、こ
    れらは置換されていてもよい。また、R1とR2はそれら
    が結合している酸素原子およびこれら2個の酸素原子が
    結合している炭素原子と一体となって環を形成してもよ
    い。)で表されるチオン炭酸エステルにフッ酸誘導体
    を、ハロニウムイオン発生剤共存下反応させることを特
    徴とする、一般式 R1OCF2OR2 (式中R1、R2は前記と同一である)で表されるフッ化
    カルボニル・アセタールの製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107033120A (zh) * 2016-02-03 2017-08-11 苏州旺山旺水生物医药有限公司 1-(2,2-二氟苯并[d][1,3]二氧杂环戊烯-5-基)-环丙烷甲酸的制备方法及其中间体

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CN107033120A (zh) * 2016-02-03 2017-08-11 苏州旺山旺水生物医药有限公司 1-(2,2-二氟苯并[d][1,3]二氧杂环戊烯-5-基)-环丙烷甲酸的制备方法及其中间体

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