JPH06263046A - 電動ポンプ式動力舵取装置 - Google Patents

電動ポンプ式動力舵取装置

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JPH06263046A
JPH06263046A JP5081093A JP5081093A JPH06263046A JP H06263046 A JPH06263046 A JP H06263046A JP 5081093 A JP5081093 A JP 5081093A JP 5081093 A JP5081093 A JP 5081093A JP H06263046 A JPH06263046 A JP H06263046A
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邦彦 衛藤
Akihiro Ono
明浩 大野
Takashi Shirai
隆 白井
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Abstract

(57)【要約】 [構成]車速センサ1から車速を求め、操舵角センサ2
から操舵角度を求め、さらにこの操舵角センサ2で求め
られた操舵角度から操舵速度検出手段3にて操舵角速度
を求める。そして、このそれぞれ求められた車速および
操舵角度に基づいて舵角制御特性記憶手段4から第1の
印加電圧を第1の印加電圧検出手段6にて求め、車速に
基づいて車速制御特性記憶手段5から第2の印加電圧を
第2の印加電圧検索手段7にて求め、制御移行手段8に
て操舵角速度の増大に応じて前記電動モータ40へ印加
される電圧を前記第1の印加電圧検索手段5から第2の
印加電圧検索手段7に徐々に移行させる。 [効果]操舵角速度が比較的低速な場合においては、中
立付近において電気モータ40の回転数が落とされて省
エネルギを図れるとともに、急操舵で切り返しが行われ
た場合においてもハンドル操舵感の急激な変化を防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動ポンプを使用した流
体式の動力舵取装置、特に電気モータの回転速度を車速
などの走行状態に応じて変化させることにより、操舵ア
シスト力を走行状態に応じて制御するようにした流体式
の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流体式の動力舵取装置には、ミッドシッ
プエンジン車等でエンジンと動力舵取装置の距離が離れ
るものにおいては、作動流体のための配管が長くなるの
を避けるため電動ポンプを使用したものがある。かかる
動力舵取装置では車速に比例して電気モータの回転数を
減少させる車速感応制御に対し、操舵角に比例して電気
モータの回転数を増加させる制御を前記車速感応制御に
付加することで、ハンドルの切り込む感覚が良好になる
ようにするとともに、操舵角が小さい場合、すなわちハ
ンドルが中立付近にあるときには、電気モータの回転を
下げることで不必要なエネルギのロスを無くするような
ものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように中立付近で電気モータの回転を下げる制御を行っ
た場合、急速にハンドル操作を中立状態を挟んで右から
左もしくは、左から右といったように切り返しを行った
場合に中立付近で一度、電気モータの回転が低下した後
に再び上昇してゆくことになり、運転者に違和感を与え
るといった問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る電動ポンプ式動力舵取装置は、図1に示すように、ア
シスト力を発生するパワーシリンダ15と、印加される
電圧の増大に応じて回転速度が増大する電気モータ40
により駆動されて前記パワーシリンダ15に作動流体を
供給するポンプ20と、前記パワーシリンダ15とポン
プ20の間に設けられ操舵ハンドル11に加わる手動ト
ルクに応じて作動して前記パワーシリンダ15の作動室
15bへの作動流体の給排を制御するサーボ弁12とを
備えた電動ポンプ式動力舵取装置において、車速を検出
する車速センサ1と、前記ハンドル11の操舵角度を検
出する操舵角センサ2と、この操舵角センサ2の検出信
号に基づいて前記ハンドル11の操舵角速度を検出する
操舵速度検出手段3と、前記車速と前記ハンドル11の
操舵角度と前記電気モータ40に印加される電圧の関係
を記憶した舵角制御特性記憶手段4と、車速と前記電気
モータ40に印加される電圧の関係を記憶した車速制御
特性記憶手段5と、前記車速センサ1の信号と前記操舵
角センサ2の信号に基づいて前記電気モータ40への印
加電圧を舵角制御特性記憶手段4から検索する第1の印
加電圧検索手段6と、前記車速センサ2からの信号に基
づいて前記電気モータ40への印加電圧を車速制御特性
記憶手段5から検索する第2の印加電圧検索手段7と、
前記操舵速度検出手段3で検出された操舵角速度の増大
に応じて前記電気モータ40へ印加される電圧を前記第
1の印加電圧検索手段5から第2の印加電圧検索手段7
に徐々に移行させる制御移行手段8とを備えたものであ
る。
【0005】
【作用】上記構成において車速センサ1から車速を求
め、操舵角センサ2から操舵角度を求め、さらにこの操
舵角センサ2で求められた操舵角度から操舵速度検出手
段3にて操舵角速度を求める。そして、このそれぞれ求
められた車速および操舵角度に基づいて舵角制御特性記
憶手段4から第1の印加電圧を第1の印加電圧検出手段
6にて求め、車速に基づいて車速制御特性記憶手段5か
ら第2の印加電圧を第2の印加電圧検索手段7にて求
め、制御移行手段8にて操舵角速度の増大に応じて前記
電気モータ40へ印加される電圧を前記第1の印加電圧
検索手段5から第2の印加電圧検索手段7に徐々に移行
させる。
【0006】
【実施例】先ず図2により本発明を実施した前輪動力舵
取装置10の全体構造の説明をする。前輪動力舵取装置
10は、操舵ハンドル11の回動を作動ロッド14の往
復動に変換するラックピニオン機構13に伝達する途中
に設けたサーボ弁12と、作動ロッド14に設けられた
パワーシリンダ15を主要な構成部材としている。
【0007】電気モータ40により回転駆動されるポン
プ20から吐出される作動流体はサーボ弁12に供給さ
れる。サーボ弁12は公知のロータリータイプのもので
あり、操舵ハンドル11から入力軸12aを経て与えら
れる手動トルクに応じて作動して、ポンプ20からパワ
ーシリンダ15のピストン15a両側の両作動室15b
に対し供給される作動流体の給排を制御する。これによ
り作動ロッド14にはアシスト力が与えられ、その両端
に設けたタイロッド16及びナックルアーム17を介し
て両前輪18は操舵され、使用後の作動流体はリザーバ
38に戻される。
【0008】前記電気モータ40はモータ駆動回路41
と接続され、このモータ駆動回路41は電子制御装置4
5に接続されている。モータ駆動回路41は電子制御装
置45から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変
換してパルス幅変調制御(PWM制御)にて電気モータ
40の回転制御を行うようになっている。前記電子制御
装置45は中央処理装置(以下CPUとする)50と不
揮発性メモリ(以下ROMとする)51および揮発性メ
モリ(以下RAMとする)52を主な構成要素とし、R
OM51には図3に示すような車速Sと操舵角度θと電
気モータ40に印加される印加電圧V1の関係を記憶す
る舵角制御特性領域と、図4に示すような車速Sと電気
モータ40に印加される印加電圧V2の関係を記憶する
車速制御特性領域と、図5に示すようなハンドル11の
操舵角速度Θと比例係数Kとの関係を記憶する操舵速度
特性領域および電気モータ40の回転数を制御するため
の制御プログラムが記憶されている。ここで舵角制御特
性領域は操舵角度θが0付近、つまり中立付近では印加
電圧V1を小さくしてアシスト力が不必要なときに、電
気モータ40の回転を落として省エネルギ化を図る特性
とされている。
【0009】前記RAM52には後述する車速センサ4
6と操舵角センサ47から出力された信号と操舵角速度
Θを記憶しておくためのデータ記憶領域が設けられてい
る。電子制御装置45には車速センサ46および操舵角
センサ47が接続され、車速センサ46は図略のトラン
スミッションに取り付けられ、車速を検出し、操舵角検
出装置47は、ハンドル11が取り付けられたハンドル
軸の回転量を検出し、これに応じたパルス信号を回転方
向に応じて増減させることで中立位置からの操舵角度を
求めて出力するようになっている。
【0010】次に上記実施例の作動の詳細を、図6に示
すフローチャートにより説明する。自動車のメインスイ
ッチがオンとなれば、電子制御装置45のCPU50は
先ず各変数を所定の初期値にセットし、所定の小時間毎
(例えば単位時間毎)に割込み信号が入力される都度、
図6のフローチャートに示す制御動作を繰り返して実行
する。CPUは先ずステップ100において、車速セン
サ46から車速Sを入力してRAM52に記憶する。次
にステップ102において操舵角センサ47から現在の
操舵角度θ1を入力してRAM52に記憶する。次に、
ステップ104にてステップ102で読み込んだ現在の
操舵角度θ1と前回の処理で使用した操舵角度θ0の差
の絶対値を演算する。(今回の演算では、前回の操舵角
度θ0は検出されておらず、初期値0とされる。)そし
て、この演算結果を操舵角速度ΘとしてRAM52に記
憶する。
【0011】次にステップ106にて、前記ROM51
の舵角制御特性領域に記憶されたデータからRAM52
に記憶された車速Sと現在の操舵角度θ1に対応する印
加電圧V1を求め、さらにステップ108にて前記RO
M51の車速制御特性領域に記憶されたデータからRA
M52に記憶された車速Sに対応する印加電圧V2を求
める。
【0012】次にステップ110で前記ROM51の操
舵速度特性領域に記憶されたデータから前記ステップ1
04にて求められた操舵角速度ΘをRAM52から読み
出し、この操舵角速度Θに対応した比例係数Kを求め、
ステップ112に進む。ステップ112では次式
【0013】
【数1】VM =V1+K(V2−V1) にて操舵角速度に応じた印加電圧VM が演算され、ステ
ップ114にて電気モータ40に電圧VM が印加され
る。そしてステップ116にて現在の操舵角度θ1を前
回の操舵角度θ0としてRAM52に記憶して処理を終
了する。
【0014】以上のように電気モータ40の回転数を制
御することにより、操舵角速度が比較的低速で推移する
場合は、比例係数Kが小さいため印加電圧VM はほぼ印
加電圧V1だけが出力され、電気モータ40の回転数は
操舵角度θと車速Sに応じた制御となる。ここで図3に
て示されるような制御パターンでは、中立付近において
電気モータ40の回転数が落とされ、中立位置を通過し
て切り返しをする場合においても操舵角速度Θが低速で
あれば、回転数の変動は緩やかに行われ違和感は感じら
れない。
【0015】そして操舵角速度が速くなるに従って比例
係数Kが増大してゆき、印加電圧V1に対して印加電圧
V2が徐々に影響を及ぼし、徐々に操舵角度に係わらな
い車速のみの制御に移行してゆくので、回転数の急な変
動は発生せず、最終的に急操舵の場合は比例係数Kが1
となり、印加電圧V2のみの操舵角度に係わらない車速
のみの制御に移行することになる。これによって操舵角
速度が比較的低速な場合においては中立付近において電
気モータ40の回転数が落とされて省エネルギを図れる
とともに、急操舵で切り返しが行われた場合においても
ハンドル操舵感の急激な変化を防止することができる。
【0016】また、上記実施例のように車速Sと操舵角
度θと電気モータ40に印加される印加電圧V1の関係
を記憶する舵角制御特性のデータと車速Sと電気モータ
40に印加される印加電圧V2の関係を記憶する車速制
御特性のデータと、それぞれ求め、印加電圧V1および
V2の配分をハンドル11の操舵角速度Θにて変化する
比例係数Kにて変化させるようしたことにより、操舵角
速度毎に舵角制御特性のデータを記憶させて操舵角速度
の増大に対応させようとするものに対してデータ数をき
わめて少なくすることができる。
【0017】なお、上記実施例の他に操舵角速度Θが一
定以上になったときに操舵角度θを固定値としてやり、
舵角制御特性のデータから印加電圧V2を求めるように
してやれば、印加電圧V2を求めるために別に車速制御
特性のデータを記憶しておく必要がなくなり、さらにデ
ータ数を減少することができる。
【0018】
【発明の効果】上述のように、本発明は、車速と前記ハ
ンドルの操舵角度と前記電気モータに印加される電圧の
関係を記憶した舵角制御特性記憶手段と、車速と前記電
気モータに印加される電圧の関係を記憶した車速制御特
性記憶手段と、前記車速センサの信号と前記操舵角セン
サの信号に基づいて前記電気モータへの印加電圧を舵角
制御特性記憶手段から検索する第1の印加電圧検索手段
と、前記車速センサからの信号に基づいて前記電気モー
タへの印加電圧を車速制御特性記憶手段から検索する第
2の印加電圧検索手段と、前記操舵速度検出手段で検出
された操舵角速度の増大に応じて前記電気モータへ印加
される電圧を前記第1の印加電圧検索手段から第2の印
加電圧検索手段に徐々に移行させる制御移行手段とを備
えたことによって、操舵角速度が比較的低速な場合にお
いては中立付近において電気モータ40の回転数が落と
されて省エネルギを図れるとともに、急操舵で切り返し
が行われた場合においてもハンドル操舵感の急激な変化
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す図である。
【図2】 本発明による電動ポンプ式動力舵取装置の一
実施例の全体構造を示す図である。
【図3】 車速と操舵角度と電気モータに印加される電
圧の関係を示した舵角制御特性図である。
【図4】 車速と電気モータに印加される電圧の関係を
示した車速制御特性図である。
【図5】 操舵角速度と比例係数の関係を示した図であ
る。
【図6】 本実施例の作動を説明するフローチャートで
ある。
【符号の説明】
11 操舵ハンドル 12 サーボ弁 15 パワーシリンダ 40 電気モータ 45 電子制御装置 46 車速センサ 47 操舵角センサ 50 中央演算装置 51 不揮発メモリ 52 揮発メモリ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アシスト力を発生するパワーシリンダ
    と、印加される電圧の増大に応じて回転速度が増大する
    電気モータにより駆動されて前記パワーシリンダに作動
    流体を供給するポンプと、前記パワーシリンダとポンプ
    の間に設けられ操舵ハンドルに加わる手動トルクに応じ
    て作動して前記パワーシリンダの作動室への作動流体の
    給排を制御するサーボ弁とを備えた電動ポンプ式動力舵
    取装置において、車速を検出する車速センサと、前記ハ
    ンドルの操舵角度を検出する操舵角センサと、この操舵
    角センサの検出信号に基づいて前記ハンドルの操舵角速
    度を検出する操舵速度検出手段と、前記車速と前記ハン
    ドルの操舵角度と前記電気モータに印加される電圧の関
    係を記憶した舵角制御特性記憶手段と、車速と前記電気
    モータに印加される電圧の関係を記憶した車速制御特性
    記憶手段と、前記車速センサの信号と前記操舵角センサ
    の信号に基づいて前記電気モータへの印加電圧を舵角制
    御特性記憶手段から検索する第1の印加電圧検索手段
    と、前記車速センサからの信号に基づいて前記電気モー
    タへの印加電圧を車速制御特性記憶手段から検索する第
    2の印加電圧検索手段と、前記操舵速度検出手段で検出
    された操舵角速度の増大に応じて前記電気モータへ印加
    される電圧を前記第1の印加電圧検索手段から第2の印
    加電圧検索手段に徐々に移行させる制御移行手段とを備
    えたことを特徴とする電動ポンプ式動力舵取装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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