JPH06263029A - 車両構体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で強度が高くて高速走行により適した車
両構体を提供する。 【構成】 筒状の炭素繊維強化樹脂製の外板４の内面
に、炭素繊維強化樹脂製の横桟５、縦桟６を接合して輪
切り状の構体ブロック２を形成し、各構体ブロック２を
相互に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両並びに磁気浮
上式車両等の特に軽量化を目指す高速車両の構体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、鉄道車両等の構体は、車両の高速
化、軽量化に対応するため、ステンレス鋼、アルミニウ
ム合金等を用いて軽量化が図られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの材料
を使用しても従来の鋼製車両の約１／２程度の軽減にと
どまり、軽量化はほとんど限界に近づいてきている。特
に磁気浮上式車両は、浮上力に限界があるため、軽量化
が最優先の課題となっている。

【０００４】そこで本発明は、軽量で強度が高くて高速
走行により適した車両構体を提供することを目的として
いる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の車両構体は、筒状の炭素繊維強化樹脂製
の外板の内面に、炭素繊維強化樹脂製の補強部材を接合
して、車両長手方向と直角方向に切断した輪切り状の構
体ブロックを形成し、各構体ブロックを相互に接合した
ことを特徴としている。

【０００６】また、各構体ブロックを軽合金骨部材ある
いは炭素繊維強化樹脂製骨部材を介して接合したことを
特徴としている。

【０００７】

【作 用】上記構成によれば、炭素繊維強化樹脂は、軽
量構造用材料として優れた特性を有しており、弾性定数
及び強度の面で設計自由度が高く、また、成形性もよ
く、外板及び補強部材の肉厚、断面形状等が自由に選定
できるため、最適な強度や弾性率を持った軽量構造物を
一体的に成形することが可能であり、従来のアルミニウ
ム合金製の車両よりも軽量で強度の高い構体を得ること
ができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を、図面に示す実施例に基づい
て、さらに詳細に説明する。

【０００９】車両構体１は、車両長手方向と直角方向に
切断した輪切り状の複数の構体ブロック２を相互に接合
し、両端に妻板３，３を接合して構成されている。

【００１０】構体ブロック２は、炭素繊維を強化繊維と
し、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂をマトリックスと
する筒状の外板パネル４の内面に、炭素繊維強化樹脂製
の断面ハット形の横桟５と縦桟６を補強部材として接合
している。

【００１１】妻板３は、４枚の妻外板７をスミ柱８，
８、アーチケタ９、底ケタ１０、縦桟１１，１１、横桟
１２，１２、端梁１３，１３等で接合し、連結通路の周
囲に妻柱１４，１４、鴨居１５、端梁１６を設けて構成
されている。

【００１２】各構体ブロック２は、断面クランク形のア
ルミニウム合金製縦骨１７にて相互に接合され、縦骨１
７の下部に車両長手方向に固設される横梁受１８に横梁
１９が結合される。

【００１３】また、各構体ブロック２の上部と下部に
は、車両長手方向に亘る断面クランク形のアルミニウム
合金製横骨２０，２１が設けられている。

【００１４】このように構成することにより、大幅な軽
量化が可能になるとともに、構体の組立てが高能率で行
える。

【００１５】尚、各構体ブロック２を接合する縦骨１
７、横骨２０，２１を炭素繊維強化樹脂製のものとして
も同様の効果が得られる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両構体
は、筒状の炭素繊維強化樹脂製の外板の内面に、炭素繊
維強化樹脂製の補強部材を接合して輪切り状の構体ブロ
ックを形成し、各構体ブロックを相互に接合したので、
大幅な軽量化が可能になるとともに、構体の組立てが高
能率で行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す概略図である。

【図２】 図３のII-II矢視図である。

【図３】 構体ブロックの半分を示す断面図である。

【図４】 横桟の側面図である。

【図５】 横桟の断面図である。

【図６】 図２のVI-VI断面図である。

【図７】 妻板の正面図である。

【図８】 車両構体の断面図である。

【図９】 図８のIX-IX矢視図である。

【図１０】 縦骨の取付け状態を示す断面図である。

【図１１】 横梁の取付け状態を示す拡大正面図であ
る。

【図１２】 横梁の取付け状態を示す拡大平面図であ
る。

【図１３】 横骨の取付け状態を示す図である。

【図１４】 横骨の取付け状態を示す図である。

【符号の説明】 １…車両構体、２…構体ブロック、３…妻板、４…外板
パネル、５…横桟、６…縦桟、１７…縦骨、２０，２１
…横骨

フロントページの続き (72)発明者 佐藤 潔 東京都国分寺市光町二丁目８番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 竹田 敏和 東京都千代田区大手町２丁目６番３号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 久保村 健二 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 岡本 博明 愛知県名古屋市熱田区三本松町１番１号 日本車輌製造株式会社内 (72)発明者 種田 勝治 愛知県名古屋市熱田区三本松町１番１号 日本車輌製造株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の炭素繊維強化樹脂製の外板の内面
   に、炭素繊維強化樹脂製の補強部材を接合して、車両長
   手方向と直角方向に切断した輪切り状の構体ブロックを
   形成し、各構体ブロックを相互に接合したことを特徴と
   する車両構体。
2. 【請求項２】 前記各構体ブロックを軽合金骨部材を介
   して接合したことを特徴とする請求項１記載の車両構
   体。
3. 【請求項３】 前記各構体ブロックを炭素繊維強化樹脂
   製骨部材を介して接合したことを特徴とする請求項１記
   載の車両構体。