JPH06261780A - フルクトース 2,6−ビスリン酸の製造方法およびその精製方法 - Google Patents

フルクトース 2,6−ビスリン酸の製造方法およびその精製方法

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JPH06261780A
JPH06261780A JP5084102A JP8410293A JPH06261780A JP H06261780 A JPH06261780 A JP H06261780A JP 5084102 A JP5084102 A JP 5084102A JP 8410293 A JP8410293 A JP 8410293A JP H06261780 A JPH06261780 A JP H06261780A
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fructose
phosphate
atp
adenosine
enzyme
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JP5084102A
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Ken Iwata
建 岩田
Tatsuo Katayama
竜男 片山
Hiroshi Nakajima
中島  宏
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Publication date
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フルクトース 6−リン酸 2−キナーゼお
よびアデノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−
トリリン酸に変換する酵素の存在下に、フルクトース
6−リン酸、ATPおよびリン酸供与体と作用させるこ
とを特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の製
造方法、およびフルクトース 2,6−ビスリン酸含有
液に亜鉛塩を添加し、生じた不溶物を除去した後、さら
に亜鉛塩を加えることにより生じた沈澱を分取すること
を特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の精製
方法。 【効果】 高価なATPを少量しか使用せずに、容易に
高収率でフルクトース2,6−ビスリン酸を製造するこ
とが可能となり、さらに容易に高収率で高純度のフルク
トース 2,6−ビスリン酸を精製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルクトース 2,6
−ビスリン酸(以下FBPと略記する)の製造方法およ
びその精製方法に関するものであり、さらに詳しくは、
糖尿病および糖尿病合併症治療剤として用いられるFB
Pの製造方法およびその精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体における糖代謝の調節には生化学的
な機序が多く知られている。たとえば、インスリンホル
モンによる調節や、別のホルモンであるグルカゴン、ア
ドレナリンによる調節、またはいわゆるセカンドメッセ
ンジャーと呼ばれるサイクリック アデノシン 5’−
モノリン酸による調節、さらにアデノシン 5’−モノ
リン酸(以下AMPと略記する)、アデノシン 5’−
トリリン酸(以下ATPと略記する)、クエン酸による
調節、およびFBPによる調節などが報告されている。
生体における糖代謝は解糖系と呼ばれる一連の経路によ
り行われるが、この経路においてはホスホフルクトキナ
ーゼ([E.C.2.7.1.11]、以下PFKと略
記する)と呼ばれる酵素が重要な調節因子である。FB
Pは、まさにこのPFKを活性化する因子であり、この
ことにより、糖代謝の調節をおこなっている。このよう
に、FBPは糖代謝に関する因子として非常に重要であ
ることが、近年、確認されている。
【0003】FBPの製造法としては、原料となるフル
クトース 1,6−ジリン酸(以下FDPと略記する)
から、ジシクロヘキシルカルボジイミドを触媒として用
いてフルクトース 1,2−サイクリック,6−ビスリ
ン酸(以下FCPと略記する)を得、さらに、このFC
Pをアルカリで部分分解する方法(ファン・シャフチン
ゲン、ハーズ著、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バ
イオケミストリー誌、117巻、319頁(1981
年)、植田、古谷、シェリー著、ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー誌、256巻、8679頁
(1981年)、および特開昭60−161994な
ど)が知られている。FBPおよびFCPの単離法とし
て、高収率で高純度な粉末として単離された例は、本発
明者らの調査によれば今までに見あたらない。この理由
は、FBPおよびFCPが水溶液中で極めて不安定なこ
と、FCPからFBPへの加水分解による変換が数%と
低く、かつこの工程で副成するFDPとの分離が極めて
困難なことにあるものと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易に高収
率でFBPを製造する方法および容易に高収率で高純度
のFBPを精製する方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を行った結果、FBP
を大量かつ容易に製造する方法および容易に高純度で精
製する方法を見いだし、本発明を完成した。すなわち本
発明は、フルクトース 6−リン酸 2−キナーゼおよ
びアデノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−ト
リリン酸に変換する酵素の存在下に、フルクトース 6
−リン酸、ATPおよびリン酸供与体を作用させること
を特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の製造
方法、フルクトース 6−リン酸 2−キナーゼ、アデ
ノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−トリリン
酸に変換する酵素、ヘキソキナーゼまたはグルコキナー
ゼおよびグルコース6−リン酸イソメラーゼの存在下
に、ブドウ糖、ATPおよびリン酸供与体を作用させる
ことを特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の
製造方法、フルクトース 6−リン酸 2−キナーゼ、
アデノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−トリ
リン酸に変換する酵素、ヘキソキナーゼまたはグルコキ
ナーゼおよびグルコース 6−リン酸イソメラーゼの存
在下に、果糖、ATPおよびリン酸供与体を作用させる
ことを特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の
製造方法およびフルクトース 2,6−ビスリン酸含有
液に亜鉛塩を添加し、生じた不溶物を除去した後、さら
に亜鉛塩を加えることにより生じた沈澱を分取すること
を特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の精製
方法を要旨とするものである。
【0006】以下に、本発明を詳細に説明する。FBP
は、近年動物組織中に微量物質として発見され下記一般
式で表される糖リン酸である。
【0007】
【化1】
【0008】本発明におけるF6PからFBPを合成す
る方法は、F6Pにフルクトース6−リン酸 2−キナ
ーゼ([E.C.2.7.1.105]、以下PFK2
と略記する)を作用させてリン酸化をおこないFBPを
得るものである。
【0009】本発明に用いられるPFK2は、PFK2
活性を有する限り、市販の酵素であっても、精製された
酵素であっても、部分精製された酵素であっても、さら
に微生物または組織そのもの、またはその破砕液であっ
てもよい。しかし、微生物または組織の破砕液を用いた
場合、合成されたFBPが分解される場合があることか
ら、好ましくは部分精製された酵素、さらに好ましくは
精製された酵素を用いるのがよい。
【0010】また、酵素の由来については、特に制限は
なく、その例としては、ラット組織由来、ニワトリ血細
胞由来、タイ筋肉由来、大麦種子由来、タバコ葉由来、
大豆幼生由来、サッカロマイセス属由来、アスペルギル
ス属由来、ユーグレナ属由来、トリパノソーマ属由来な
どである。
【0011】さらに、酵素の使用量についても特に制限
はなく、その合成高に応じて適宜必要量を決定すればよ
い。通常の反応では、0.001〜10000ユニット
/L、さらに好ましくは0.1〜100ユニット/Lを
用いる。
【0012】本発明ではF6Pリン酸化のリン酸源にア
デノシン 5’−トリリン酸(以下ATPと略記する)
を用いる。リン酸化に用いられたATPはアデノシン
5’−ジリン酸(以下ADPと略記する)となるが、こ
れにADPをATPに変換し得る酵素およびリン酸供与
体をそれぞれ作用させることでATPに再度変化させる
ことが可能である。この方法により高価なATPの使用
量を触媒量まで低減させることが可能となった。
【0013】本発明に用いるADPをATPに変換する
酵素としては、ADPをATPに変換し得る活性を有す
るものであればいかなるものでもよく、アセテートキナ
ーゼやピルベートキナーゼなどが挙げられる。これらの
酵素は市販の酵素であっても、精製された酵素であって
も、部分精製された酵素であっても、さらに微生物また
は組織そのもの、またはその破砕液であってもよい。し
かし、微生物または組織の破砕液を用いた場合、特にA
TPが分解される場合があることから、好ましくは部分
精製された酵素、さらに好ましくは精製された酵素を用
いるのがよい。
【0014】また、酵素の由来についても制限はなく、
その例としては、サッカロマイセス属由来、アスペルギ
ルス属由来、バチルス属由来、エキリシア属由来などで
ある。
【0015】本発明に用いるリン酸供与体としては、ア
セチルリン酸やホスホエノールピルビン酸などが挙げら
れる。
【0016】この反応で用いられるアセテートキナーゼ
やピルベートキナーゼなどの酵素は、ADPをATPに
変換し得る活性を有する限り、市販の酵素であっても、
精製された酵素であっても、部分精製された酵素であっ
ても、さらに微生物または組織そのもの、またはその破
砕液であってもよい。しかし、微生物または組織の破砕
液を用いた場合、特にATPが分解される場合があるこ
とから、好ましくは部分精製された酵素、さらに好まし
くは精製された酵素を用いるのがよい。
【0017】また、酵素の由来についても制限はなく、
その例としては、サッカロマイセス属由来、アスペルギ
ルス属由来、バチルス属由来、エキリシア属由来などで
ある。
【0018】さらに、この酵素またはリン酸供与体およ
びATPの使用量についても特に制限はなく、その生成
量に応じて適宜必要量を決定すればよい。通常の反応で
は、アセテートキナーゼやピルベートキナーゼなどの酵
素は、0.001〜10000ユニット/L、さらに好
ましくは0.5〜500ユニット/Lを用い、アセチル
リン酸やホスホエノールピルビン酸などのリン酸供与体
は、必要とするFBPモル数の1当量〜50当量、さら
に好ましくは1当量〜5当量を用いる。
【0019】本発明に用いられるF6Pは、F6Pとし
て単離されたものを用いても、同一の反応液中で他の反
応により合成されるものであってもよい。
【0020】単離されたものを用いる場合、その使用量
に特に制限はなく、必要とするFBP合成高に応じて適
宜必要量を決定すればよい。通常の反応では、F6P
は、0.001〜1000mmol/L、好ましくは
0.01〜100mmol/L、さらに好ましくは0.
1〜10mmol/Lを用いる。また、他の反応により
合成される場合、原料としてはブドウ糖または果糖が用
いられる。
【0021】ブドウ糖を原料として用いる場合、さらに
ヘキソキナーゼまたはグルコキナーゼおよびグルコース
−6−リン酸イソメラーゼを共存させる必要がある。用
いる酵素は、これらの活性を有する限り、市販の酵素で
あっても、精製された酵素であっても、部分精製された
酵素であっても、さらに微生物または組織そのものであ
ってもよい。しかし、微生物または組織の破砕液を用い
た場合、特にグルコースが分解される場合があることか
ら、好ましくは部分精製された酵素、さらに好ましくは
精製された酵素を用いるのがよい。
【0022】また、酵素の由来についても制限はなく、
その例としては、サッカロマイセス属由来、アスペルギ
ルス属由来、バチルス属由来、エキリシア属由来などで
ある。原料として用いるブドウ糖、および酵素の使用量
に特に制限はなく、生成量に応じて適宜必要量を決定す
ればよい。また、リン酸源としてATPを用いるが、上
述したのと同じように、これにADPをATPに変換す
る酵素およびアセチル燐酸を作用させることでATPの
使用量を触媒量まで低減させることが可能である。
【0023】酵素またはリン酸供与体およびATPの使
用量についても特に制限はなく、その生成量に応じて適
宜必要量を決定すればよい。通常の反応では、ブドウ糖
は、0.001〜1000mmol/L、好ましくは
0.01〜100mmol/L、さらに好ましくは0.
1〜10mmol/Lを用いる。
【0024】ヘキソキナーゼまたはグルコキナーゼおよ
びグルコース−6−リン酸イソメラーゼ、アセテートキ
ナーゼやピルベートキナーゼなどの酵素は、0.001
〜10000ユニット/L、さらに好ましくは0.5〜
500ユニット/Lを用い、アセチルリン酸やホスホエ
ノールピルビン酸などのリン酸供与体は、必要とするF
BP生成量の2当量〜50当量、さらに好ましくは2当
量〜10当量を用いる。
【0025】果糖を原料として用いる場合、さらにヘキ
ソキナーゼまたはグルコキナーゼを共存させる必要があ
る。用いる酵素は、これらの活性を有する限り、市販の
酵素であっても、精製された酵素であっても、部分精製
された酵素であっても、さらに微生物または組織そのも
のであってもよい。しかし、微生物または組織の破砕液
を用いた場合、特に果糖が分解される場合があることか
ら、好ましくは部分精製された酵素、さらに好ましくは
精製された酵素を用いるのがよい。また、酵素の由来に
ついても制限はなく、その例としては、サッカロマイセ
ス属由来、アスペルギルス属由来、バチルス属由来、エ
キリシア属由来などである。
【0026】原料として用いる果糖、および酵素の使用
量に特に制限はなく、生成量に応じて適宜必要量を決定
すればよい。また、リン酸源としてATPを用いている
が、上述したのと同じように、これにADPをATPに
変換する酵素およびアセチル燐酸を作用させることでA
TPの使用量を触媒量まで低減させることが可能であ
る。
【0027】酵素またはリン酸供与体およびATPの使
用量についても特に制限はなく、その合成高に応じて適
宜必要量を決定すればよい。通常の反応では、果糖は、
0.001〜1000mmol/L、好ましくは0.0
1〜100mmol/L、さらに好ましくは0.1〜1
0mmol/Lを用いる。
【0028】ヘキソキナーゼまたはグルコキナーゼ、ア
セテートキナーゼやピルベートキナーゼなどの酵素は、
0.001〜10000ユニット/L、さらに好ましく
は0.5〜500ユニット/Lを用い、アセチルリン酸
やホスホエノールピルビン酸などのリン酸供与体は、必
要とするFBP出来高の2当量〜50当量、さらに好ま
しくは2当量〜10当量を用いる。
【0029】上述した全ての反応において、反応をスム
ーズに進行させるために、マグネシウム、マンガン、カ
ルシウム等の2価の金属イオン、カリウム、ナトリウ
ム、リチウム等の1価の金属イオンを添加することもで
きる。これらの使用量については特に制限はなく、単独
もしくは複数で用いることができ、その合成に応じて適
宜必要量を決定すればよい。通常の反応では、2価の金
属イオンでは、用いるATPの1倍当量から2倍当量が
用いられる。また、1価の金属イオンでは、触媒量から
2価の金属イオンと同量が用いられる。
【0030】また、反応をスムーズに進行させるため
に、反応を緩衝液中でおこなうこともできる。この場
合、用いる緩衝液は、特に制限はないが、通常グッドの
緩衝液が用いられる。
【0031】また、上述した全ての反応において、反応
温度としては0〜80℃が適当であり、好ましくは20
〜60℃、さらに好ましくは25〜50℃であり、反応
時間としては目的とするFBPが得られる時間であれば
特に制限はないが、好ましくは2〜30時間である。
【0032】本発明のFBPの精製方法は、FBP含有
液に亜鉛を添加することにより、F6PとFDBやFB
Pの分別沈澱をおこない、高純度精製をおこなうもので
ある。
【0033】FBP含有液が、上述したF6P、ブドウ
糖、果糖を原料として得られたものである場合、第一回
目に添加する亜鉛の量は、残存しているF6Pの2分の
1当量から、F6P初期添加量当量の範囲である。この
操作により、残存しているF6PおよびF6PやFBP
が分解して生じたと考えられる遊離リン酸が沈澱として
分取される。
【0034】生じた沈澱を除去した後、第二回目の亜鉛
添加をおこなうが、このときの亜鉛添加量はFBP含有
液中に含まれるFBPと当量以上とする。この操作によ
り、FBPが沈澱として分取される。得られたFBP亜
鉛塩の沈澱は、目的に応じて塩変換や脱塩などの操作を
行ってもよい。
【0035】塩変換は、たとえばイオン交換樹脂を用い
る場合、OH型のDEAE−Sepharose等の陰
イオン交換樹脂を用いて一旦遊離の酸をなし、滴定等の
方法によりNa塩へ変換する方法、Na型の陰イオン交
換樹脂を用いて直接Na塩へ変換する方法、CM−Se
pharose等の陽イオン交換樹脂を用いて一旦遊離
の酸をなし、滴定等の方法によりNa塩などへ変換する
方法、などがあげられる。
【0036】脱塩は、たとえば膜濾過による方法があげ
られる。RO膜を用いることにより容易に、大量の脱塩
が可能である。
【0037】しかし、反応条件などによっては上述し
た、分別沈澱による第一回目の亜鉛添加によりF6Pや
FDPが完全には沈澱として取り除けない場合がある。
この場合、第一回目の亜鉛添加の後の濾液を陰イオン交
換樹脂に供することによりこれらの不純物を完全に取り
除くことが可能である。この場合、用いる陰イオン交換
樹脂は陰イオン交換基を有するものであれば特に制限は
なく、樹脂径の小さな物が望ましく、弱塩基性の交換基
を有するものが好ましい。例えば、Dowex(ダウケ
ミカル社)、ダイアイオン、FPシリーズ(三菱化成
社)、アンバーライト(オルガノ社)、DEAE−Se
pharose(ファルマシア社)などの商品名で市販
されているものである。樹脂の使用法、使用量、および
溶出法については、各樹脂の取扱説明書等に記載されて
いる通常の使用法に準じて行えばよく、特に制限はな
い。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0039】実施例に用いた試薬類のうち、F6P、ブ
ドウ糖、果糖は、それぞれ石津製薬より購入したナトリ
ウム塩を用いた。その他の試薬については総て市販のも
のを用いた。
【0040】実施例に用いたPFK2は、フランコイ
ス、ファン・シャフチンゲン、ハーズら記載の方法(ヨ
ーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
誌、145巻、187頁(1984年))に従い、酵母
菌の抽出液(酵母はオリエンタル酵母社製,オリエンタ
ルイーストを用いた)に、DEAE−Sepharos
eカラムクロマトグラフィー、Blue−Sephar
oseカラムクロマトグラフィーを行い、部分精製した
ものを用いた。アセテートキナーゼ、グルコキナーゼ、
グルコース−6−リン酸イソメラーゼはユニチカ株式会
社が市販のものを用いた。
【0041】FBPを含む糖類の検出は、LCモジュー
ル1(ウオーターズ社製)、410示差屈折計を用いた
高速液体クロマトグラフィーによっておこなった。分析
用カラムはケムコパックNUCLEOSIL(ケムコ社
製、4.6×250mm)を用いた。移動相は50mM
酢酸アンモニウム溶液を0.5mL/minで用いた。
【0042】実施例1 F6Pを1mmol/L、アセチルリン酸を3mmol
/L、ATPを0.2mmol/L含む50mmol/
LのHEPES緩衝液(pH7.0)100mL中に、
PFK2を10ユニット/L、アセテートキナーゼを5
0ユニット/Lとなるように添加し、37℃で8時間の
反応を行った。また、比較例として、F6Pを1mmo
l/L、ATPを2mmol/L含む50mmol/L
のHEPES緩衝液(pH7.0)100mL中に、P
FK2を10ユニット/Lとなるように添加し、37℃
で8時間の反応を行った(従来法)。これらの実験の結
果を、図1に示した。
【0043】図1から分かるように、反応液に、ADP
をATPに変換する酵素であるアセテートキナーゼと、
リン酸供与体であるアセチルリン酸を添加した場合、こ
れらを添加しない比較例に比べて、ATPが10分の1
の使用量にもかかわらず、高い変換率で、FBPが効率
よく合成されることが示された。
【0044】実施例2 ブドウ糖を2mmol/L、アセチルリン酸を3mmo
l/L、ATPを0.2mmol/Lを含む50mmo
l/LのHEPES緩衝液(pH7.0)100mL中
に、PFK2を20ユニット/L、アセテートキナーゼ
を100ユニット/L、グルコキナーゼおよびグルコー
ス−6−リン酸イソメラーゼを20ユニット/Lとなる
ように添加し、37℃で8時間の反応を行った。この実
験の結果を図2に示した。
【0045】図2から分かるように、ブドウ糖を原料と
した場合でも、本発明に記載した方法でFBPの合成が
可能であることが示された。
【0046】実施例3 果糖を2mmol/L、アセチルリン酸を3mmol/
L、ATPを0.1mmol/Lを含む50mmol/
LのHEPES緩衝液(pH7.0)100mL中に、
PFK2を10ユニット/L、アセテートキナーゼを1
00ユニット/L、グルコキナーゼを20ユニット/L
となるように添加し、37℃で8時間の反応を行った。
この実験の結果を図3に示した。
【0047】図3から分かるように、果糖を原料とした
場合でも、本発明に記載した方法でFBPの合成が可能
であることが示された。
【0048】実施例4 実施例1に記載した反応で得られたFBPを含む溶液を
用い、この溶液に塩化亜鉛を添加することでFBPの分
別沈澱を行った。FBPを含む溶液100mLに、塩化
亜鉛の粉末0.2mmolを添加し、30分間、室温で
かくはんした後、生じた沈澱をフィルター濾過により取
り除いた。得られた上清に再度、塩化亜鉛の粉末2.8
mmolを添加し、30分間、室温でかくはんした後、
生じた沈澱をフィルター濾過により採取した。この結果
を表1に示した。
【0049】表1から分かるように、1度目の塩化亜鉛
添加により生じた沈澱は遊離リン酸とF6Pに由来する
ものであり、2度目の塩化亜鉛添加により生じた沈澱を
採取することで高純度のFBPが容易に取得できること
が示された。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高価なAT
Pを少量しか使用せずに、容易に高収率でFBPを製造
することが可能となり、さらに本発明の精製方法によれ
ば、容易に高収率で高純度のFBPを精製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFBP合成反応の結果を示した図であ
る。
【図2】本発明のFBP合成反応の結果を示した図であ
る。
【図3】本発明のFBP合成反応の結果を示した図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルクトース 6−リン酸 2−キナー
    ゼおよびアデノシン5’−ジリン酸をアデノシン 5’
    −トリリン酸に変換する酵素の存在下に、フルクトース
    6−リン酸、アデノシン 5’−トリリン酸およびリ
    ン酸供与体と作用させることを特徴とするフルクトース
    2,6−ビスリン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 フルクトース 6−リン酸 2−キナー
    ゼ、アデノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−
    トリリン酸に変換する酵素、ヘキソキナーゼまたはグル
    コキナーゼおよびグルコース 6−リン酸イソメラーゼ
    の存在下に、ブドウ糖、アデノシン 5’−トリリン酸
    およびリン酸供与体を作用させることを特徴とするフル
    クトース 2,6−ビスリン酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 フルクトース 6−リン酸 2−キナー
    ゼ、アデノシン 5’−ジリン酸をアデノシン 5’−
    トリリン酸に変換する酵素、ヘキソキナーゼまたはグル
    コキナーゼおよびグルコース 6−リン酸イソメラーゼ
    の存在下に、果糖、アデノシン 5’−トリリン酸およ
    びリン酸供与体を作用させることを特徴とするフルクト
    ース 2,6−ビスリン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 フルクトース 2,6−ビスリン酸含有
    液に亜鉛塩を添加し、生じた不溶物を除去した後、さら
    に亜鉛塩を加えることにより生じた沈澱を分取すること
    を特徴とするフルクトース 2,6−ビスリン酸の精製
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE10112925A1 (de) * 2001-03-13 2002-10-02 Erich Eigenbrodt Verwendung von Zuckerphosphaten, Zuckerphosphatanalogen, Aminosäuren, Aminosäureanalogen zur Modulation von Transaminasen und/oder der Assoziation p36/Malat Dehydrogenase

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DE10112925A1 (de) * 2001-03-13 2002-10-02 Erich Eigenbrodt Verwendung von Zuckerphosphaten, Zuckerphosphatanalogen, Aminosäuren, Aminosäureanalogen zur Modulation von Transaminasen und/oder der Assoziation p36/Malat Dehydrogenase

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