JP3078377B2 - マンノシル基転移オリゴ糖の製造方法 - Google Patents
マンノシル基転移オリゴ糖の製造方法Info
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- JP3078377B2 JP3078377B2 JP03343965A JP34396591A JP3078377B2 JP 3078377 B2 JP3078377 B2 JP 3078377B2 JP 03343965 A JP03343965 A JP 03343965A JP 34396591 A JP34396591 A JP 34396591A JP 3078377 B2 JP3078377 B2 JP 3078377B2
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- acetylglucosamine
- mannanase
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖タンパク質や糖脂質
などの複合糖質の糖鎖をなし、医薬品、診断薬としての
利用が期待されるマンノシル基転移オリゴ糖の製造方法
に関する。
などの複合糖質の糖鎖をなし、医薬品、診断薬としての
利用が期待されるマンノシル基転移オリゴ糖の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、糖タンパク質や糖脂質などの複合
糖質の生体における意義が次第に明らかとなってきた。
すなわち、細胞膜上の糖タンパク質や糖脂質が、細胞の
癌化、分化、増殖、免疫などの基本的な生命現象に深く
かかわっていることが判明しつつあり、この現象と関連
して糖タンパク質や糖脂質などの複合糖質の糖鎖が注目
されるようになってきた。
糖質の生体における意義が次第に明らかとなってきた。
すなわち、細胞膜上の糖タンパク質や糖脂質が、細胞の
癌化、分化、増殖、免疫などの基本的な生命現象に深く
かかわっていることが判明しつつあり、この現象と関連
して糖タンパク質や糖脂質などの複合糖質の糖鎖が注目
されるようになってきた。
【0003】この糖鎖は、ガラクトース、マンノース、
グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N
−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸
などの単糖の組合せの結合により構成されるオリゴ糖で
あり、微量ながら極めて有用な物質で、医薬品、診断薬
としての利用が考えられている。特に、マンノシル基転
移オリゴ糖は、糖タンパク質の糖鎖の中でアスパラギン
結合型糖鎖の基本骨格を成すオリゴ糖で、極めて重要な
役割を演じているものと考えられる。
グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N
−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸
などの単糖の組合せの結合により構成されるオリゴ糖で
あり、微量ながら極めて有用な物質で、医薬品、診断薬
としての利用が考えられている。特に、マンノシル基転
移オリゴ糖は、糖タンパク質の糖鎖の中でアスパラギン
結合型糖鎖の基本骨格を成すオリゴ糖で、極めて重要な
役割を演じているものと考えられる。
【0004】従来、このようなオリゴ糖は、天然物から
の抽出によって得られているが、その量は極微量で、最
近では、化学合成法もしくは糖ヌクレオチドを基質とし
たトランスフェラーゼの反応により糖鎖の全合成あるい
はそのフラグメント化合物の合成が盛んに行われるよう
になった。
の抽出によって得られているが、その量は極微量で、最
近では、化学合成法もしくは糖ヌクレオチドを基質とし
たトランスフェラーゼの反応により糖鎖の全合成あるい
はそのフラグメント化合物の合成が盛んに行われるよう
になった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天然物
から抽出する方法、化学合成もしくは糖ヌクレオチドを
基質としたトランスフェラーゼの反応により合成する方
法のいずれの方法も、工程が複雑で、工業的には適さな
い製造方法であった。
から抽出する方法、化学合成もしくは糖ヌクレオチドを
基質としたトランスフェラーゼの反応により合成する方
法のいずれの方法も、工程が複雑で、工業的には適さな
い製造方法であった。
【0006】したがって、本発明の目的は、簡便で、工
業的に生産が可能なマンノシル基転移オリゴ糖の製造方
法を提供することにある。
業的に生産が可能なマンノシル基転移オリゴ糖の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意研究した結果、β−D−マンナナ
ーゼの糖転移反応を利用することによって、簡便で、工
業的に生産が可能なマンノシル基転移オリゴ糖の合成に
成功し、本発明を完成したものである。
を達成するため、鋭意研究した結果、β−D−マンナナ
ーゼの糖転移反応を利用することによって、簡便で、工
業的に生産が可能なマンノシル基転移オリゴ糖の合成に
成功し、本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、N−アセチルグルコ
サミン又はジ−N−アセチルキトビオースを受容体基質
とし、マンノオリゴ糖を供与体基質として、β−D−マ
ンナナーゼを作用させ、β−D−マンナナーゼの糖転移
反応によりマンノース残基を転移させることを特徴とす
る下記化学式2で示されるマンノシル基転移オリゴ糖の
製造方法である。
サミン又はジ−N−アセチルキトビオースを受容体基質
とし、マンノオリゴ糖を供与体基質として、β−D−マ
ンナナーゼを作用させ、β−D−マンナナーゼの糖転移
反応によりマンノース残基を転移させることを特徴とす
る下記化学式2で示されるマンノシル基転移オリゴ糖の
製造方法である。
【0009】
【化2】Manβ−(1→4)−[GlcNAcβ−
(1→4)]n −GlcNAc (式中、Manはマンノース残基を表し、GlcNAc
はN−アセチルグルコサミン残基を表し、n=0又は1
である。)
(1→4)]n −GlcNAc (式中、Manはマンノース残基を表し、GlcNAc
はN−アセチルグルコサミン残基を表し、n=0又は1
である。)
【0010】上記化学式2において、n=0の化合物
は、マンノシル N−アセチルグルコサミンであり、n
=1の化合物は、マンノシル ジ−N−アセチルキトビ
オースである。
は、マンノシル N−アセチルグルコサミンであり、n
=1の化合物は、マンノシル ジ−N−アセチルキトビ
オースである。
【0011】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
る。
【0012】本発明に用いるβ−D−マンナナーゼ [EC
3.2.1.78.] としては、バチルス・サブチルス(Bacill
us subtilis)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger)、チロマイセス・パルストリス(Tyromyces palu
stris)や、ストレプトマイセス sp. (Streptomyces s
p.) 、ペニシリウム sp. (Penicillium sp.)、トリコデ
ルマ sp. (Trichoderma sp.)を起源とする酵素が例示で
きる。また、簡易的には市販酵素を用いることができ、
例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ製剤中に混在したβ
−D−マンナナーゼを利用することも可能である。な
お、これら酵素は、受容体基質のジ−N−アセチルキト
ビオースを分解しないようにβ−N−アセチルグルコサ
ミニダーゼ活性を除いておくことが好ましい。
3.2.1.78.] としては、バチルス・サブチルス(Bacill
us subtilis)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger)、チロマイセス・パルストリス(Tyromyces palu
stris)や、ストレプトマイセス sp. (Streptomyces s
p.) 、ペニシリウム sp. (Penicillium sp.)、トリコデ
ルマ sp. (Trichoderma sp.)を起源とする酵素が例示で
きる。また、簡易的には市販酵素を用いることができ、
例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ製剤中に混在したβ
−D−マンナナーゼを利用することも可能である。な
お、これら酵素は、受容体基質のジ−N−アセチルキト
ビオースを分解しないようにβ−N−アセチルグルコサ
ミニダーゼ活性を除いておくことが好ましい。
【0013】本発明の糖転移反応において、受容体基質
として用いるN−アセチルグルコサミン及びジ−N−ア
セチルキトビオースは、キチンの加水分解により調製す
ることができ(キチン, キトサン実験マニュアル、キチ
ン, キトサン研究会編、技報堂出版(1991)参照)、供与
体基質として用いるマンノオリゴ糖は、例えばコプラマ
ンナンの加水分解により調製することができる(高橋
ら;熱帯農業、27、140-148 (1983)参照)。上記マンノ
オリゴ糖としては、重合度が2〜4のオリゴ糖を用いる
ことができるが、マンノオリゴ糖の生産性やβ−D−マ
ンナナーゼの糖転移反応性から、3糖のマンノトリオー
スが好ましい。
として用いるN−アセチルグルコサミン及びジ−N−ア
セチルキトビオースは、キチンの加水分解により調製す
ることができ(キチン, キトサン実験マニュアル、キチ
ン, キトサン研究会編、技報堂出版(1991)参照)、供与
体基質として用いるマンノオリゴ糖は、例えばコプラマ
ンナンの加水分解により調製することができる(高橋
ら;熱帯農業、27、140-148 (1983)参照)。上記マンノ
オリゴ糖としては、重合度が2〜4のオリゴ糖を用いる
ことができるが、マンノオリゴ糖の生産性やβ−D−マ
ンナナーゼの糖転移反応性から、3糖のマンノトリオー
スが好ましい。
【0014】β−D−マンナナーゼの糖転移反応に用い
る供与体基質(マンノオリゴ糖)と受容体基質(N−ア
セチルグルコサミン又はジ−N−アセチルキトビオー
ス)の量は、モル比で1:0.5〜1:5とすることが
好ましく、かつ、10%以上の高濃度溶液として反応を
行うことが好ましい。また、反応に用いるβ−D−マン
ナナーゼの酵素量は、反応溶液1ml当りマンノシダーゼ
活性として5〜20ユニット(U)程度が好ましい。反
応はpH4〜9、温度5〜50℃で行うことが好まし
く、反応時間は2〜100時間作用させるのが好まし
い。
る供与体基質(マンノオリゴ糖)と受容体基質(N−ア
セチルグルコサミン又はジ−N−アセチルキトビオー
ス)の量は、モル比で1:0.5〜1:5とすることが
好ましく、かつ、10%以上の高濃度溶液として反応を
行うことが好ましい。また、反応に用いるβ−D−マン
ナナーゼの酵素量は、反応溶液1ml当りマンノシダーゼ
活性として5〜20ユニット(U)程度が好ましい。反
応はpH4〜9、温度5〜50℃で行うことが好まし
く、反応時間は2〜100時間作用させるのが好まし
い。
【0015】なお、本発明において、β−D−マンナナ
ーゼ活性の測定は、ソモギネルソン法により還元力の増
加を測定して行った。すなわち、0.25%コンニャク
マンナン溶液1mlに適当量の酵素液を加え、40℃で1
0分間反応させた後、銅試薬1mlを加え、100℃で1
0分間煮沸後、冷却する。この反応液にネルソン試薬2
mlを加え、攪拌、遠心して上清液を得る。この上清液に
蒸留水21mlを加え、500nmにおける吸光度を測定し
た。酵素単位1Uは、1分間に1μmol のマンノースに
相当する還元糖を生じる酵素量と定義した。
ーゼ活性の測定は、ソモギネルソン法により還元力の増
加を測定して行った。すなわち、0.25%コンニャク
マンナン溶液1mlに適当量の酵素液を加え、40℃で1
0分間反応させた後、銅試薬1mlを加え、100℃で1
0分間煮沸後、冷却する。この反応液にネルソン試薬2
mlを加え、攪拌、遠心して上清液を得る。この上清液に
蒸留水21mlを加え、500nmにおける吸光度を測定し
た。酵素単位1Uは、1分間に1μmol のマンノースに
相当する還元糖を生じる酵素量と定義した。
【0016】本発明の糖転移反応において、受容体基質
をN−アセチルグルコサミンとした場合には、前記化学
式2のn=0で示されるマンノシル N−アセチルグル
コサミンが生成し、受容体基質をジ−N−アセチルキト
ビオースとした場合には、前記化学式2のn=1で示さ
れるマンノシル ジ−N−アセチルキトビオースが生成
する。
をN−アセチルグルコサミンとした場合には、前記化学
式2のn=0で示されるマンノシル N−アセチルグル
コサミンが生成し、受容体基質をジ−N−アセチルキト
ビオースとした場合には、前記化学式2のn=1で示さ
れるマンノシル ジ−N−アセチルキトビオースが生成
する。
【0017】上記のようにして得られた反応液は、例え
ば100℃で10分間の煮沸により反応を停止した後、
生成したマンノシル基転移オリゴ糖を必要に応じて活性
炭カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィー等の手段を組み合わ
せて精製することができる。
ば100℃で10分間の煮沸により反応を停止した後、
生成したマンノシル基転移オリゴ糖を必要に応じて活性
炭カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィー等の手段を組み合わ
せて精製することができる。
【0018】
参考例 アスペルギルス・ニガー(Asp. niger) 起源の粗酵素標
品「ヘミセルラーゼACH」(商品名、新日本化学株式
会社製)2gに、5mlの20mM酢酸緩衝液 (pH5.0)を加
えて1時間攪拌し、遠心分離して得られた上清液に硫安
を75%飽和になるように添加し、4℃で一晩放置し
た。生じた沈澱を遠心分離により回収し、適当量の同緩
衝液を加えて溶解した後、遠心分離により不溶物を除去
した。この上清液を限外濾過(Amicon社製、PM-10 メン
ブランフィルター)で脱塩濃縮し、硫安分画標品を得
た。
品「ヘミセルラーゼACH」(商品名、新日本化学株式
会社製)2gに、5mlの20mM酢酸緩衝液 (pH5.0)を加
えて1時間攪拌し、遠心分離して得られた上清液に硫安
を75%飽和になるように添加し、4℃で一晩放置し
た。生じた沈澱を遠心分離により回収し、適当量の同緩
衝液を加えて溶解した後、遠心分離により不溶物を除去
した。この上清液を限外濾過(Amicon社製、PM-10 メン
ブランフィルター)で脱塩濃縮し、硫安分画標品を得
た。
【0019】この標品を適当量の0.1M酢酸緩衝液
(pH 4.0)に溶解した後、予め同緩衝液で平衡化したDE
AE-Sepharoseイオン交換クロマトグラフィーに供した。
非吸着部を同緩衝液で洗浄した後、吸着部を0→0.1
MのNaClを含む同緩衝液の直線濃度勾配により溶出し、
β−D−マンナナーゼ活性を有する画分を集めた。
(pH 4.0)に溶解した後、予め同緩衝液で平衡化したDE
AE-Sepharoseイオン交換クロマトグラフィーに供した。
非吸着部を同緩衝液で洗浄した後、吸着部を0→0.1
MのNaClを含む同緩衝液の直線濃度勾配により溶出し、
β−D−マンナナーゼ活性を有する画分を集めた。
【0020】次にこの画分を、予め300mM硫安を含む
20mM酢酸緩衝液(pH 4.0)で平衡化したPhenyl-Sepha
roseCL-4Bカラムクロマトグラフィーに供した。非吸着
部を同緩衝液で洗浄した後、吸着部を0.3→0Mの硫
安を含む同緩衝液の直線濃度勾配、そして水により溶出
し、β−D−マンナナーゼ活性を有する画分を集め、限
外濾過(Amicon製、PM-10 メンブランフィルター)で脱
塩濃縮後、凍結乾燥して、β−D−マンナナーゼの酵素
標品を得た。このようにして得られた酵素を糖転移反応
に用いた。
20mM酢酸緩衝液(pH 4.0)で平衡化したPhenyl-Sepha
roseCL-4Bカラムクロマトグラフィーに供した。非吸着
部を同緩衝液で洗浄した後、吸着部を0.3→0Mの硫
安を含む同緩衝液の直線濃度勾配、そして水により溶出
し、β−D−マンナナーゼ活性を有する画分を集め、限
外濾過(Amicon製、PM-10 メンブランフィルター)で脱
塩濃縮後、凍結乾燥して、β−D−マンナナーゼの酵素
標品を得た。このようにして得られた酵素を糖転移反応
に用いた。
【0021】実施例1 マンノトリオース200mgと、N−アセチルグルコサミ
ン400mgを、50mM酢酸緩衝液(pH4.6 )5mlに溶解
し、前記参考例で調製したアスペルギルス・ニガー(As
p. niger)起源のβ−D−マンナナーゼを50U添加
し、30℃で72時間反応を行った。100℃、10分
間の煮沸により反応を停止した後、この反応液を活性炭
カラムクロマトグラフィーに供し、0→30%エタノー
ルの直線濃度勾配により溶出させ、溶出した画分からア
セチル基の吸収(210nm)をもつ2糖画分を集め、凍
結乾燥した。その結果、収量は6mgであった。この物質
は、FAB−MS、13C−NMR構造解析の結果、Ma
nβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル N−ア
セチルグルコサミン)と同定された。
ン400mgを、50mM酢酸緩衝液(pH4.6 )5mlに溶解
し、前記参考例で調製したアスペルギルス・ニガー(As
p. niger)起源のβ−D−マンナナーゼを50U添加
し、30℃で72時間反応を行った。100℃、10分
間の煮沸により反応を停止した後、この反応液を活性炭
カラムクロマトグラフィーに供し、0→30%エタノー
ルの直線濃度勾配により溶出させ、溶出した画分からア
セチル基の吸収(210nm)をもつ2糖画分を集め、凍
結乾燥した。その結果、収量は6mgであった。この物質
は、FAB−MS、13C−NMR構造解析の結果、Ma
nβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル N−ア
セチルグルコサミン)と同定された。
【0022】実施例2 マンノトリオース200mgと、ジ−N−アセチルキトビ
オース500mgを、50mM酢酸緩衝液(pH 4.6)5mlに
溶解し、前記参考例で調製した(Asp. niger)起源のβ
−D−マンナナーゼを50U添加し、30℃で50時間
反応を行った。100℃、10分間の煮沸により反応を
停止後、この反応液を活性炭カラムクロマトグラフィー
に供し、0→30%エタノールの直線濃度勾配により溶
出させ、溶出した画分からアセチル基の吸収(210n
m)をもつ3糖画分を集め、凍結乾燥した。その結果、
収量は12mgであった。この物質は、FAB−MS、13
C−NMR構造解析の結果、Manβ−(1→4)−G
lcNAcβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル
ジ−N−アセチルキトビオース)と同定された。な
お、図1は、上記13C−NMRデータを示す図表であ
る。
オース500mgを、50mM酢酸緩衝液(pH 4.6)5mlに
溶解し、前記参考例で調製した(Asp. niger)起源のβ
−D−マンナナーゼを50U添加し、30℃で50時間
反応を行った。100℃、10分間の煮沸により反応を
停止後、この反応液を活性炭カラムクロマトグラフィー
に供し、0→30%エタノールの直線濃度勾配により溶
出させ、溶出した画分からアセチル基の吸収(210n
m)をもつ3糖画分を集め、凍結乾燥した。その結果、
収量は12mgであった。この物質は、FAB−MS、13
C−NMR構造解析の結果、Manβ−(1→4)−G
lcNAcβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル
ジ−N−アセチルキトビオース)と同定された。な
お、図1は、上記13C−NMRデータを示す図表であ
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複合糖質の糖鎖中に含まれる、生理学上極めて重要なマ
ンノシル基転移オリゴ糖を、簡便な方法で、工業的に生
産することが可能となる。このマンノシル基転移オリゴ
糖は、医薬品、診断薬として利用することが期待され
る。
複合糖質の糖鎖中に含まれる、生理学上極めて重要なマ
ンノシル基転移オリゴ糖を、簡便な方法で、工業的に生
産することが可能となる。このマンノシル基転移オリゴ
糖は、医薬品、診断薬として利用することが期待され
る。
【図1】実施例2で得られたManβ−(1→4)−G
lcNAcβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル
ジ−N−アセチルキトビオース)の13C−NMRデー
タを示す図表である。
lcNAcβ−(1→4)−GlcNAc(マンノシル
ジ−N−アセチルキトビオース)の13C−NMRデー
タを示す図表である。
Claims (2)
- 【請求項1】 N−アセチルグルコサミン又はジ−N−
アセチルキトビオースを受容体基質とし、マンノオリゴ
糖を供与体基質として、β−D−マンナナーゼを作用さ
せ、β−D−マンナナーゼの糖転移反応によりマンノー
ス残基を転移させることを特徴とする下記化学式1で示
されるマンノシル基転移オリゴ糖の製造方法。 【化1】Manβ−(1→4)−[GlcNAcβ−
(1→4)]n −GlcNAc (式中、Manはマンノース残基を表し、GlcNAc
はN−アセチルグルコサミン残基を表し、n=0又は1
である。) - 【請求項2】 前記マンノオリゴ糖と、前記N−アセチ
ルグルコサミン又はジ−N−アセチルキトビオースと
を、モル比で1:0.5 〜1:5の割合で反応させる請求
項1記載のマンノシル基転移オリゴ糖の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03343965A JP3078377B2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | マンノシル基転移オリゴ糖の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03343965A JP3078377B2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | マンノシル基転移オリゴ糖の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05153992A JPH05153992A (ja) | 1993-06-22 |
JP3078377B2 true JP3078377B2 (ja) | 2000-08-21 |
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ID=18365610
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JP03343965A Expired - Fee Related JP3078377B2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | マンノシル基転移オリゴ糖の製造方法 |
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---|---|
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---|---|---|---|---|
JP2002051795A (ja) * | 2000-08-08 | 2002-02-19 | Unitika Ltd | マンノース含有コプラミール又はパーム核ミールの製造法及びマンノース含有飼料の製造法 |
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1991
- 1991-12-02 JP JP03343965A patent/JP3078377B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05153992A (ja) | 1993-06-22 |
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