JPH0626106Y2 - 二条刈バインダにおける穀稈移送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は圃場に植立した穀稈を刈取結束す二条刈バイン
ダにおける穀稈移送装置に関する。

（ロ）従来技術 従来、二条刈バインダの穀稈引起体は穀稈を引起すと共
に後方へ掻込む作用をも行なわせるように緩傾斜にして
いるが、短い穀稈は刈刃の前方で掻込作用を受けなくな
り、また、短稈でなくとも倒伏した穀稈は前倒れし易
く、そのため穀稈は送込経路の終端部で停滞して詰りを
生ずることがあった。

このような問題点を解決する手段として、前記送込経路
の終端に、横搬送チェーンに搬送爪に係合して駆動され
るスターホイルを設けて穀稈を刈刃に向けて掻き込むと
共に刈取穀稈を横搬送チェーンの搬送爪に受け渡すよう
にした刈取結束機は、実開昭５０−２８３１号公報によ
り既に知られている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知の刈取結束機のスターホイルは、その各突起が
係止した刈取穀稈を横搬送チェーンの搬送爪が間欠回転
駆動する毎に、全量一挙に受け渡すようになっていてる
ので、穀稈量が多い場合、圧縮された穀稈が一挙に膨張
して受継が不円滑になると共に前倒れ又は横倒れする等
稈姿勢が乱れ、場合によっては詰まることがあり、ま
た、稈量が少ない場合、受け渡し時に稈がずれ落ちて株
元部が不揃いになることにより結束に悪影響を及ぼす等
の問題点があった。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は、刈刃の前部両側に穀稈引起体を設けると共に
それらの穀稈引起体の間を左右の送込経路に構成し、後
部には多数の搬送爪を有する穀稈横搬送チエンを張設し
た案内板を設け、その搬送終端側に結束装置を配設した
二条刈バインダにおいて、左右の前記送込経路の間の後
部寄り下部に、相互に噛合すると共に別々の送込経路に
臨むスターホイルをそれぞれ回転自在に軸支し、未刈地
側のスターホイルを、既刈地側のスターホイルより後位
にすると共に前記穀稈横搬送チエンの搬送爪に係合する
突起付き伝動輪と一体回転するように設け、該伝動輪の
突起のピッチを前記スターホイルの突起のピッチより大
きくすることにより前述の問題点を解決した。

（ホ）作用 各作動部を駆動しながら機体を前進させると、植立穀稈
は左右の穀稈引起体により引起され、スターホイルは、
それと一体回転する伝動輪の突起が横搬送チエンの搬送
爪により回転駆動されると、後方へ掻込み、その時、ス
ターホイルの突起のピッチは伝動輪の突起のピッチより
小さくなっているので、搬送爪が伝動輪を１ピッチだけ
間欠回転駆動した時、スターホイルの複数の突起が一度
に掻き込む穀稈を小分けして、稈量の大小又は稈長の長
短に拘らず、横搬送チエンに整然とかつ確実に受け渡し
て結束装置に供給することができる。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、左右一対
の車輪１，１を有する機体２の後部にエンジン３とハン
ドル４を装着し、刈刃５を取付けた刈取フレーム６の両
側と中央とから前方へ向けて分草フレーム７・・を突設
し、両側の分草フレーム７，７の前端に分草体８を固定
し、その内側に多数の引起爪9a…を有する左右一対の穀
稈引起体９，９を設け、中央の分草フレーム７には後端
が刈刃５の上方近傍に臨む中分草体10を取付け、刈刃５
の後部に沿って後傾した案内板11を立設し、この案内板
11の背面部に作用側がガイドレール11aによって案内さ
れる上下一対の横搬送チエン12,13を張設し、該横搬送
チエン12,13に間隔をおいて装着した多数の搬送爪15・
・は、前記ガイドレール11aに案内されて前記案内板11
下部又はそれに穿設した略水平なスリットから前方へ突
出して刈取られた穀稈を側方へ搬送する。

また、前記横搬送チエン12,13の搬送終端と対応する部
位にはニードル16、ドア17、パッカー18、スイーパー19
及び結節部20等からなる従来と同様な結束装置21を設け
てある。

そして、中央の前記分草フレーム７から斜め後方上方へ
向けて立設した支持フレーム22は、上部に両側方へ向け
て突出した略水平な支持部22a,22bを有しており、後方
からみて左側（未刈地側）の支持部22aに螺着した軸23
には、第１図に示すように前記搬送爪15が係合する歯を
５枚有する合成樹脂製の突起付き伝動輪25と、その上面
にボルト26により一体回転するように固定されていて歯
を10枚有する合成樹脂製の掻込用スターホイル27とを回
転自在に支持し、右側（既刈地側）の支持部22bに螺着
した軸28には、前記スターホイル27と同一でそれに噛合
する掻込用のスターホイル30と、該スターホイル30の下
面から前記スターホイル27と突起付き伝動輪25の間に侵
入する下部ガイドプレート31と、上面を覆う上部ガイド
プレート32とを支持しており、スターホイル30はスター
ホイル27により駆動され、上記下部ガイドプレート31の
未刈地側には突起付き伝動輪25のボス部が嵌入する孔を
有し、上部ガイドプレート32の未刈地側の孔は軸23の上
部の小径部に嵌合して締着されている。

また、既刈地側のスターホイル30は第１図に示す如く平
面視で未刈地側のそれより前位になっており、上下の前
記ガイドプレート31,32は中央部が前方へ突出していて
前記支持フレーム22から起立したステー33に位置固定さ
れている。

35は刈刃５の上方の結束装置21寄りに設けた株元掻込輪
であって、内側では穀稈の株元部を後方へ掻込み、後部
ではパッカー18と協働して刈取穀稈を結束装置21の集束
部に向けて掻込み、該結束装置21により伝動ケース36を
介して駆動され、この株元掻込輪35の上方に軸支した茎
部掻込輪36aは株元掻込輪35の軸により駆動される。37
はスターホイル27に対設したガイド杆である。

前述の二条刈バインダにおいて、機体の各部を駆動して
前進させると、分草体８，８及び中分草端10は二条分の
植立穀稈を分草し、穀稈引起体９，９は引起しながら穂
側を後方へ掻込み、下方の横搬送チエン13は突起付き伝
動輪25の突起に係合して移動するので、該突起付き伝動
輪25が回転し、それにより左側のスターホイル27は反時
計方向へ、また右側のスターホイル30は時計方向へ回転
し、未刈地側の送込経路に侵入した穀稈は上下のガイド
プレート32,31の左側により案内されながらガイド杆37
側でスターホイル27により搬送爪15の搬送軌跡内に掻込
まれて刈刃５により刈取られる。その際、突起付き伝動
輪25の突起はスターホイル27の突起に一つおきにて上下
で重合しているので、スターホイル27の突起間に形成さ
れる穀稈収容空間を狭くすることが殆どなく、確実に掻
込んで搬送爪15・・にスムースに受渡すことができる。

また、既刈地側へ掻込まれた穀稈は、送込経路の内方で
は前記ガイドプレート31,32の右側で案内されながらス
ターホイル30により強制的に掻込まれ、外方では下部の
株元掻込輪35とその上方の茎部掻込輪36aとにより掻込
まれ、それを刈刃５が刈取り、刈取穀稈は前記案内板11
に軽く凭れた状態で上下の横搬送チエン12,13の搬送爪1
5・・により既刈地側へ搬送され、パッカー18は穀稈を
結束装置21の集束部に掻込み、結節部20及びスイーパー
19は従来のものと同様に結束放出する。

第６図及び第７図は前記二条刈バインダにおけるライト
の一例を示すもので、前照灯40をハンドル４に取付け、
エンジン３の後部にはバック灯41を装着し、前記前照灯
40は第８図に示すように電源42に手動スイッチＳ_１を介
して接続し、バック灯41はレバーボックスのバック位置
に設けたバックスイッチＳ_２を介して前記手動スイッチ
Ｓ_１の出力側に接続されており、エンジン３により発電
される電流は手動スイッチＳ_１をＯＮ操作すると、前照
灯40に通電されてそれが点灯し、走行クラッチレバー43
を後進側に切換るとバックスイッチＳ_２がＯＮになって
バック灯41が点灯される。

従って手動スイッチＳ_１をＯＦＦにして作業する昼間に
は走行クラッチレバー43を後進位置にセットしてもバッ
ク灯41は点灯することがなく、夜間に前照灯40を点灯し
た状態でのみ走行クラッチレバーを後進位置にセットす
ると自動的にそれが点灯され、安全な後進操縦を行なう
ことができる。

第９〜10図は紐バスケット45を示すものであって、この
紐バスケット45は受枠46に着脱自在に載せてあり、これ
には紐ブレーキ47、紐緩み取48及び紐供給パイプ49を取
付けて組にしてあり、これらを工場にて組付ける場合は
本体とは別個に組立て、これを前記受枠46上に載せるだ
けですみ、また、紐バスケット45に入れた紐玉から紐を
引き出して結束装置21のニードル16に通す場合、紐バス
ケット45を機外に取出して、紐の端部を紐バスケット45
の前面板の孔から引き出し、それを紐ブレーキ47、紐緩
み取48及び紐供給パイプ49に通してから紐バスケット45
を前記受枠46に載せ、紐の先端をニードル16の先端部に
穿設されている孔に通す。

（ト）考案の効果 本考案は前述のように刈刃５の前部両側に穀稈引起体９
を設けると共にそれらの穀稈引起体９の間を左右の送込
経路に構成し、後部には多数の搬送爪を有する穀稈横搬
送チエン13を張設した案内板11を設け、その搬送終端側
に結束装置21を配設した二条刈バインダにおいて、左右
の前記送込経路の間の後部寄り下部に、相互に噛合する
と共に別々の送込経路に臨むスターホイル27、30をそれ
ぞれ回転自在に軸支し、未刈地側のスターホイル27を、
既刈地側のスターホイル30より後位にすると共に前記穀
稈横搬送チエン13の搬送爪15に係合する突起付き伝動輪
25と一体回転するように設け、該伝動輪25の突起のピッ
チを前記スターホイル27の突起のピッチより大きくした
ので、横搬送チエン13の搬送爪15が伝動輪25の突起に係
合して１ピッチだけ回転駆動すると、それと一体回動す
るスターホイル27の複数の突起が１回の間欠回動により
掻き込まれる穀稈を分割して横搬送チエン13に受け渡す
こととなり、それにより稈量の多少、稈長の長短、倒伏
の有無等、刈取穀稈の状態の如何に拘らず、前倒れ、横
倒れ、又は、抜け落ち等により稈姿勢の乱れや詰まりを
防止しながら横搬送チエン13に確実に、かつ整然と受け
渡して結束装置に搬送供給することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
要部の平面図、第２図は同上側面図、第３図は同上断面
図、第４図はバインダの側面図、第５図は同上平面図、
第６図は後部の斜視図、第７図はライト取付部の斜視
図、第８図はライトの回路図、第９図は紐供給部の側面
図、第10図は同上分解斜視図である。 ５……刈刃、９……穀稈引起体、10……中分草体、11…
…案内板、13……横搬送チエン、15……搬送爪、21……
結束装置、25……伝動輪、27,30……スターホイル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】刈刃５の前部両側に穀稈引起体９を設ける
   と共にそれらの穀稈引起体９の間を左右の送込経路に構
   成し、後部には多数の搬送爪を有する穀稈横搬送チエン
   13を張設した案内板11を設け、その搬送終端側に結束装
   置21を配設した二条刈バインダにおいて、左右の前記送
   込経路の間の後部寄り下部に、相互に噛合すると共に別
   々の送込経路に臨むスターホイル27、30をそれぞれ回転
   自在に軸支し、未刈地側のスターホイル27を、既刈地側
   のスターホイル30より後位にすると共に前記穀稈横搬送
   チエン13の搬送爪15に係合する突起付き伝動輪25と一体
   回転するように設け、該伝動輪25の突起のピッチを前記
   スターホイル27の突起のピッチより大きくしたことを特
   徴とする二条刈バインダにおける穀稈移送装置。