JPH062607B2 - スラグ処理剤 - Google Patents

スラグ処理剤

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JPH062607B2
JPH062607B2 JP19371487A JP19371487A JPH062607B2 JP H062607 B2 JPH062607 B2 JP H062607B2 JP 19371487 A JP19371487 A JP 19371487A JP 19371487 A JP19371487 A JP 19371487A JP H062607 B2 JPH062607 B2 JP H062607B2
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慎 片村
隆 福澤
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は製鉄スラグや製鋼スラグを改質させるスラグ処
理剤に関する。更に言えば、本発明は高炉スラグ等の製
鉄スラグや製鋼スラグの冷却過程において、自己崩壊に
よる粉化あるいは水と接触した際に生ずる黄濁水の防止
に有効な改質されたスラグ処理剤に関する。
[従来の技術] 製鋼スラグ、とりわけステンレス製鋼スラグにおいて、
塩基度(CaO/SiO2重量比)約1.5以上のスラグは、
その冷却過程において2CaO・SiO2の相転移によりα型
相よりα′型へ、更にγ型またはβ型へ転移する性質が
あり、多くの場合α′よりγ型へ転移する際、約14%
の体積膨張を伴うためにスラグ自体が自己崩壊し粉化す
ることが知られている。
この粉化現象が作業環境を悪化させ、更にスラグ中のメ
タル回収時の回収後残渣としての脱水ケーキが大量に発
生する等の問題が、スラグ処理に対するステンレス鋼メ
ーカーの負担増大の大きな原因になっている。
このスラグの粉化を防止して固化させることは、排出ス
ラグを道路等の土木用骨材として有効に2次利用できる
こともあってステンレス鋼メーカーの積年にわたる課題
となっている。
スラグ粉化を抑制する方法としては次の方法が挙げられ
る。
スラグ出滓時に水砕ガラス化する方法; 2CaO・SiO2スラグにSiO2源を加え、CaO・SiO2を主体
とした塩基度1.5以下(実質的にはスラグ組成によっ
て多少変動する)のスラグに改質する方法; 密度変化の大きいα′型からγ型への相転移を抑制し
密度変化の小さいα′型からβ型への相転移を促進させ
る方法。
の方法ではスラグ出滓時に随伴される溶融メタルによ
り水砕時に水蒸気爆発を発生する恐れがある点で、水砕
物では軟質により土木用骨材用途としての充分な強度を
有し得ない点があり、一部で実験的にテストされている
が、実用化はされてないのが現状である。
の方法は、現在SiO2系改質剤として市販されているも
のもあるが、溶融スラグに対し、約20%もの大量のSi
O2を必要とするために、投入設備、攪拌設備装置の必要
があり、更に添加に伴う溶滓の温度低下によるスラグの
増粘を生じ、作業性及びコスト面で不適当である。
の方法、すなわちα′型からβ型への相転移について
は、かなり古くから研究が行なわれており、種々の方法
が提案されているが、これらの方法の内スラグ中のSi
4+イオンより半径の小さいB3+でSi4+を置換する方法
が、現在のところ最も有効且つ確実な方法として提案さ
れている[特開昭53-43690号公報、川鉄技法Vol.18、
No.1(1986)20〜24]。
しかしながら、かかる従来のホウ素系のスラグ粉化防止
剤は微粉末状で、且つそれ自体が含水物であるため、溶
融スラグと接触する際に脱水気化反応と相まって、スラ
グ粉化防止剤の吹き上げ現象を生じて作業環境を著しく
悪化させると共に、時には危険を伴うのでその操作が非
常に難しい。
また、従来のホウ素系のスラグ粉化防止剤はスラグとの
化学組成や物性が大幅に異なるために、溶融スラグに対
し、粘度、密度に差が生じ易く、いわゆるスラグとスラ
グ粉化防止剤との親和性が悪く拡散混合能力が小さいと
いう欠点があって、これまでの提案にも拘わらず、実操
業での使用はできなかった。
第2に、高炉スラグなどの製鉄スラグまたは製鋼スラグ
の問題として雨水や涌水など、水とスラグが接触した際
に発生するいわゆる黄濁水の発生がある。
高炉スラグ等は周知のように各種骨材、とりわけ道路用
路盤材として広く利用されている。しかしながら、これ
らのスラグ中の硫黄分が高い場合、その使用条件、使用
方法を誤るとスラグに接触した雨水、涌水等により硫黄
化合物の黄濁水及び硫化水素臭の発生することが確認さ
れており、特に道路用スラグ用途についてはこのような
障害の恐れのない製品を確保するため、道路用スラグの
規格としてスラグは黄濁水及び硫化水素臭の発生しない
ものでなければならないとし、呈色判定試験がその確認
方法として採用され、これに合格することが規定されて
いる(JIS A 5015:昭和60年11月1日公示)。
黄濁水発生の現象はスラグ中に主として含まれる硫化カ
ルシウム(CaS)の形で含まれている硫黄(S)の溶出に起因
し、加水分解の過程を経て黄色の多硫化物(例えばCaS
x)が生成するためと考えられており、黄濁水の発生を
防止するためには、例えば次の方法が知られている。
スラグをエージングすることにより水と空気によって
酸化し、安定化させる方法; 溶融スラグに酸化剤を添加する方法; スラグをCO2で処理しスラグ表面を安定化させる方
法; スラグの冷却速度を上げる方法。
の方法ではエージング処理のためにはほぼ1〜3箇月
の期間が必要となるため、広大な貯蔵場が必要となる。
の方法としては、溶融スラグ中に高次の酸化鉄を添加
する方法や酸素を含むガス、例えば空気を投入する方法
などが挙げられるが、反応によって有害ガスであるSO
2が発生するために、安全上好ましい方法とは言えず、
また、黄濁水の発生を完全に防止できるまでには至って
いないのが現状である。
の方法では、スラグ表面については安定化されるが、
バラスとして利用する際に、転圧時に破砕されると破断
面より硫化物の再溶出が生ずるという欠点がある。
の方法は溶融スラグを粉化分散急冷させることにより
ガラス質を形成し、含有硫黄分の滲出を防止する方法で
あるが、強度の劣化が避けられず、更にはガラス質を形
成させるためには特定粘度以下に粉化させる必要があ
り、細骨材用途としては利用可能であっても粗骨材用途
しての利用は困難であるなどの問題がある。
以上からスラグの黄濁水防止方法としては現在のところ
のスラグエージングに依らざるを得ないのが実状であ
る。
[発明が解決しようとする問題点] 以上のことから明らかなように、従来、製鉄、製鋼スラ
グの長年の問題であった、粉化現象および黄濁水の発生
につき、本発明は工業的に安価にかつ簡便な処理剤で同
時に解決しようとするものである。
従って、本発明の目的は従来のホウ素系粉化防止剤を改
良することにより、S4+とB3+あるいはCa2+とNa+
の置換反応を一層効果的に促進させて、スラグの改質を
行なうことにより、一挙に問題点の解決を図ることにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは前記の問題を鑑み、ホウ素系スラグ粉化防
止剤の改良について鋭意研究を行ない本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、Me2O(MeはLi、NaまたはK
から選ばれた少なくとも1種または2種のアルカリ金属
を表す):2〜50重量%、B23:10〜80重量%
及びSiO2:5〜70重量%の化学組成を有するMe2
−B23−SiO2系で表されるホウケイ酸アルカリを
主組成とする砂状ガラス粉体であって、該粉体が0.1
〜5mmの粉度分布範囲のものが90%以上であることを
特徴とするスラグ処理剤に係る。
[作用] 以下、本発明について説明する。
本発明に係るスラグ処理剤は製鋼スラグの粉化防止剤と
して従来より知られている含水結晶性ホウ酸塩粉末とは
異なり、ホウケイ酸アルカリを主組成とする物質の砂状
ガラス粉体であるところに特徴がある。
ホウケイ酸アルカリを主組成とする物質はガラス形成能
のある組成範囲であれば、特に限定はないが、多くの場
合、化学組成として酸化物換算でMe2O:2〜50重量%
(MeはLi、Na、Kのいずれか1種または2種以上を表わ
す)B23:10〜80重量%、SiO2:5〜70重量%
の範囲のものである。特に、融点または軟化点が高くて
も1100℃、好ましくは700〜1050℃の範囲に
あるものがよい。
また、上記のように、本発明におけるガラスはホウケイ
酸アルカリを主成分とするガラスであるが、原料事情や
製造法の理由から、不可避的に混入する他の成分を許容
することができる。更に、ガラスとは、ホウケイ酸アル
カリを主組成とする原料を溶融冷却してX線回折分析
上、特定の回折線強度をもって、明確に固定できない程
度にアモルファス化した状態にあることをいう。
更に、本発明に係るスラグ処理剤は砂状を呈する粉度分
布を有している粉体であることを特徴とする。
この理由は溶融スラグへ添加する際、添加の態様によっ
ては、流動性をもって速やかに添加できると共に発塵の
発生を抑制しまた速やかな且つ安定した溶融性を与える
ことができるからである。
多くの場合、前記粒度は0.1〜5mmの範囲のものが少
なくとも90%であることが好ましい。
本発明に係るスラグ処理剤は必要に応じて補助剤と併用
して使用することができる。すなわち、溶融スラグへの
添加態様によっては溶融スラグへの円滑な溶解が劣る場
合があり、時として不溶融塊いわゆる「ままこ」を生ず
る場合がある。
従って、スラグ処理剤の添加後、速やかな溶融スラグへ
の溶解、拡散および混合効果を助長させるため必要に応
じ、前記スラグ処理剤に補助剤を配合させることができ
る。
このような補助剤とは、加熱により脱水及び/または脱
炭酸反応を生ずるような粉末をいい、係る粉末としては
例えば粘土類、活性白土、珪藻土の如きアルミノシリケ
ート、ベントナイト、ゼオライトの如きアルミノシリケ
ート、真珠岩、石灰石、重炭酸ソーダ、ナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム若しくはバリウム等
の炭酸塩、ホウ砂、カーナイト、ウレキサイト、コレマ
ナイトの如きホウ酸塩から選ばれた少なくとも1種また
は2種以上が挙げられる。
これら補助剤の添加量はその種類や粉化防止剤の添加方
式あるいは、溶融スラグの物性や状態によって一様では
ないが、多くとも粉化防止剤に対し30重量%まででよ
く、好ましくは5〜15重量%の範囲にある。
なお、この補助剤の粒度は多くの場合、粉化防止剤の粒
度より小であることが好ましく、その平均粒子径が粉化
防止剤の下限値以下にある方がよい。
本発明に係るスラグ処理剤はホウ素、ケイ素及びアルカ
リの1種または2種以上を含有する原料を配合し、次い
で得られる調合物を加熱溶融した後、冷却及び粒度調整
することにより製造することができる。
ホウ素原料として例えば前記したような、ホウ酸、ホウ
酸ソーダの如き化成品またはウレキサイド(ulexite)(Na
CaB5O9・8H2O)、チンカル(tincal)(Na2B4O7・10H2O)、カ
ーナイト(Kernite)(Na2B4O7・4H2O)の如きホウ酸塩鉱物
などがあげられ、また、アルカリ原料としては、例えば
苛性アルカリ、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ等が、ま
た、ケイ素原料としては、ケイ岩、ケイ砂、ケイ華、粘
土の如きアルミノシリケート、ケイ酸アルカリガラス、
ガラス屑、スラグ粉末などが挙げられる。
これらの原料を適宜選択してガラス組成として前記範囲
になるように調合し、所望の溶融炉に投入して加熱溶融
する。次いで、融液を冷却後粒度調整して製品とする。
融液の冷却方法としては、多くの場合、融液をタップし
ながらこれに圧力水をかけて水砕し、砂状のガラスとし
て回収する方法が最も実用的で好ましいが、他の方法と
しては、タップする融液をベルトコンベアーに乗せて、
または空気により冷却してカレットとして回収し、粉砕
する方法がある。
次いで付着水を除くべく、乾燥後粒度調整するが、水砕
品の場合は必ずしも粉砕および篩分けによる粒度調整は
必要でなく、乾燥品がそのまま製品とすることができる
ので、粒度調整は必要に応じて行なえばよい。
この場合、所望により、前記の補助材料を配合すること
もできる。
本発明に係るスラグ処理剤はその前駆体である含水結晶
性ホウ酸塩の化合物や鉱物よりも、製鉄や製鋼等で副生
する塩基性ケイ酸カルシウムを主組成とするスラグ(以
下「スラグ」という)の溶融物に対する親和性ははるか
に優れており、その改質効果は予想以上のものであると
いうことができる。
例えば、結晶水を有するホウ酸ソーダまたはホウ酸カル
シウムの如き合成品または天然品はいずれも溶融スラグ
に対して急激な熱的変化のため、脱水による爆裂・発塵
など危険な現象を伴うのみならず、局部的にスラグ温度
が下がるために生ずると思われるままこの発生や、見掛
け比重が小さいために、これより比重の大きい溶融スラ
グ中への内部拡散は殆んど行なわれず、ままこが表面ま
たは内部に残留し、容易に溶解、拡散は行なわれない。
本発明で改質の対象となる鉄鋼スラグは冷却に際しある
いは経時変化により崩壊しまたは粉化する現象を生ずる
ようなものあるいは水に接触した際にいわゆる黄濁水の
発生が生じるような塩基性ケイ酸カルシウムを主組成と
するスラグであり、一般的には、塩基度CaO/SiO2(重
量比)が少なくとも1.3、通常1.5〜3.5の範囲
にあるもので、例えば高炉スラグ、ステンレス等の製鋼
スラグあるいは転炉スラグ等が挙げられる。
本発明に係るスラグ処理剤のスラグに対する添加量は、
その組成や物性あるいはスラグ組成等によって一様では
ないが、スラグの粉化防止及び黄濁水抑制のいずれの目
的においてもB2O3として少なくとも約0.15重量%で
あるが、改質スラグの耐久性を考慮すると、好ましくは
0.3重量%以上である。
この理由は、約0.15重量%未満の場合には、黄濁水
や粉化防止に不充分であり、他方、上限は特に限定する
必要はないが、多くは経済的理由あるいは湯銑への影響
を考慮して自ずと限定される性質のものである。従っ
て、B2O3として0.3〜1.5重量%が実用的であろ
う。
本発明に係るスラグ処理剤を用いて、スラグを改質させ
る場合、従来の高炉または製鋼炉の操業条件を格別に変
化させることなく、従来の操業と工程において、溶銑の
存在または不在の溶融スラグ中へスラグ処理剤を添加す
る。
従って、例えば高炉から樋を通じて出銑するにおいて、
樋の所望の位置に投入口を設け、これより添加する場
合、樋に設けた堰により溶融スラグを排滓車等により除
滓する際に、あるいはトーピードカーなどに溶融スラグ
と共に出銑する際に前記スラグ処理剤と添加する。
また、ステンレス鋼などの製鋼においても上記と同様で
あって、溶解電気炉から取鍋に溶けたステンレス鋼銑を
取り出す際にあるいは取鍋から溶融スラグをスラグポッ
トに除滓する際にスラグ処理剤を添加する。
この場合、スラグ処理剤の溶融スラグに対する添加態様
は、それがスラグ中に速やかに溶解し拡散し易い方式を
採れば特に限定されるものではない。
例えば、スラグ処理剤を溶銑の存在または不在の溶融ス
ラグに対し、そのまま添加する方法、空気圧と共に添加
する方法、包袋のまま投入添加する方法あるいは含ホウ
素熱処理物を予め存在させた中に当該スラグ湯を投入す
る方法などが挙げられる。
溶銑の存在下にスラグ処理剤を添加しても溶銑へのホウ
素の混入等の影響は、多くの場合実質的に無視できる程
小さい。
従って、スラグ処理剤の添加は上記影響が考慮される場
合に限り、スラグポットなどに除滓する際に行なうが、
それ以外においては高温に保維された溶銑の存在下のス
ラグ中に行なった方が、スラグ融液の粘度が小さいため
にスラグ処理剤の溶解、拡散が速やかに行なわれるので
スラグの改質が均一になり合理的である。
なお、スラグポットなどに添加する場合に、スラグ融液
の粘度が高くなって、スラグ処理剤の溶解、拡散が不充
分になるおそれのある場合、必要に応じスラグの再加熱
や拡散を助長する前記補助剤を併用することができる。
しかして、スラグ処理剤を溶融スラグに添加後、速やか
な溶解と拡散のために格別な拡散手段を設けることは実
質的に不要である。
従って、添加後は常法により、徐冷または急冷して改質
スラグを得ることができる。
[実施例] 以下に実施例を挙げ、本発明を更に説明する。
実施例1 スラグ処理剤サンプルの調製: 下記の配合割合(重量部)の原料配合物を電気炉にて溶
融した。
次いで得られた融液を水砕した後、乾燥して、それぞれ
ガラス砂状粉体のスラグ処理剤を調製した。
注:ホウ砂はNa2O21.43重量%、B2O348.2
1重量%、IgIoss29.96重量%のトルコ産のもの
を、ホウ酸は無水物、炭酸リチウム、炭酸カリウムは工
業薬品を、ケイ砂はアフリカ酸ケイ砂の乾燥品(純度Si
O2=98重量%)を使用した。
上記の配合により得られたスラグ処理剤の組成(重量
%)は概ね下記の通りである。
スラグ粉化防止テスト: ステンレス製鋼用電気炉(30t容量)より製出された
1回目出銑後スラグ塩基度(CaO/SiO2=2.15)を
取鍋よりスラグポットに除滓する際、上記で得られた各
スラグ処理剤の試験試料10kgを入れたビニール袋のま
ま50kg同時投入し、かかるスラグを放置冷却して固化
した後に常温に至るまでの状況を観察した。
試験時の条件は次の通りである。
各試料添加に際し、いずれの実験においても発塵、ガス
発生は全く見られず、添加操作は安全であり、スラグポ
ット内へのスラグ注湯時には良好な拡散混合が得られ
た。
試験した各スラグを常温まで放冷した後に、状況を観察
したところ、試験番号1〜5のスラグは崩壊粉化現象が
全く見られなかった。
また、これらのスラグ塊を戸外に3箇月放置した後にお
いても何らの変化も見られなかった。一方、試験番号6
のスラグ処理剤無添加の通常スラグは、冷却すると自己
崩壊して粉化してしまった。
実施例2 実施例1で使用したスラグ処理剤のサンプルA、B、C
に対して、活性白土(粒径1〜2mmφ)または石灰石
(粒径1〜2mmφ)または炭酸水素ナトリウム(粉末)
を下表に示す割合で補助剤を添加混合し10kg宛ビニー
ル袋に密封して試験試料とした。当試料について実施例
1と同様の方法に依りスラグ処理試験を行なった。
試験時の条件は下表の通りである。
試験時のスラグ組成分析値(重量%)は概ね次の通りで
ある。
試験番号 CaO SiO2 MgO Al23 1〜9 50〜55 22〜27 11〜12 10〜13 いずれの実験においても試料投入による発塵現象は全く
見られず、溶融スラグ上において試料は瞬時の内に飛散
流動し、急速にスラグ内へと溶融拡散した。試験時のス
ラグを常温まで放冷した後に状況を観察したところ崩壊
粉化の現象は全く見られず、スラグに対する粉化防止剤
使用量は0.31〜0.36B2O3重量%で十分な効果
を上げ得ることが判明した。
実施例3 電気炉から製出された出銑における溶融スラグに対して
実施例1で用いたと同じスラグ処理剤Aをポリ袋のまま
取鍋よりスラグポットに除滓する際に所定量添加した。
この処理を終えた溶滓は通常の放置冷却を経て、MS−
25相当の粒度範囲に粒度調整してバラスとした。
得られたバラスの黄濁水の有無につき、下記評価法によ
り測定した。測定結果及びスラグの化学成分(重量%)
を下記の第5表に示す。
黄濁水の評価法 得られた試料バラス500gを秤量し、1500mlの純
水中に入れてJIS A 5015の呈色判定試験に準じて45分
間煮沸し、溶出水の液を比色管に採り、重クロム酸カ
リウムで造った呈色標準液を基準に目視によって比較
し、呈色の″あり″″なし″を判定する。即ち、この溶
出水の色の濃淡いわゆる色相の度合を数値化するために
標準液及び溶出水の吸光度を吸光度計にて測定して第6
表に示すような黄色指数として求めて評価する。
実施例4 電気炉から製出された出銑における溶融スラグに対して
実施例1で用いたと同じスラグ処理剤B、C、D及びE
をポリ袋のまま取鍋よりスラグポットに除滓する際にB
2O3換算量で0.40重量%添加した。この処理を終え
た溶滓は通常の放置冷却を経て、MS−25相当の粒度
範囲に粒度調整してバラスとした。
各々の処理剤で処理して得られたバラスを上述と同様に
黄濁水について試験したところ、いずれのバラスも黄濁
水は観察されなかった。
[発明の効果] 本発明に係るスラグ処理剤はガラス化した砂状粉体で
あるため、スラグ溶融体への溶解に際し、炭酸ガスや水
蒸気等の脱ガス反応を起こさず、吹き上げ飛散等による
作業環境を悪化させることがない。
また、同様の理由から、熱分解気化熱、転移熱等の溶
融に伴う吸熱量が実質的になく、砂状粉体は速やかにス
ラグ中へ溶解する。
スラグ中へ溶解後の拡散は補助剤の併用により必要に
応じ調整することができる。
本発明に係るスラグ処理剤は製鉄、製鋼の際に副生す
るスラグの粉化を防止すると同時に黄濁水の防止も実質
的に達成することができる。
本発明にかかる方法によれば、スラグ処理剤を入れた
塩化ビニル樹脂袋の如き、いわゆるポリ袋あるいは紙袋
のまま従来の工程を変えることなく溶融スラグ中へ投入
するだけで良いので工業的に非常に有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福澤 隆 福島県郡山市松木町2−25 日本化学工業 株式会社郡山工場内 (72)発明者 竹内 宏介 福島県郡山市松木町2−25 日本化学工業 株式会社郡山工場内 (72)発明者 田畑 達志 福島県郡山市松木町2−25 日本化学工業 株式会社郡山工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Me2O(MeはLi、NaまたはKから
    選ばれた少なくとも1種または2種のアルカリ金属を表
    す):2〜50重量%、B23:10〜80重量%及び
    SiO2:5〜70重量%の化学組成を有するMe2O−B2
    3−SiO2系で表されるホウケイ酸アルカリを主組成と
    する砂状ガラス粉体であって、該粉体が0.1〜5mmの
    粉度分布範囲のものが90%以上であることを特徴とす
    るスラグ処理剤。
  2. 【請求項2】スラグ処理剤が製鋼スラグの粉化防止剤で
    ある特許請求の範囲第1項記載のスラグ処理剤。
  3. 【請求項3】スラグ処理剤が製鉄・製鋼スラグの黄濁水
    防止剤である特許請求の範囲第1項記載のスラグ処理
    剤。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62193717A (ja) * 1986-02-17 1987-08-25 Honda Motor Co Ltd 回転加工装置
JPS6379743A (ja) * 1986-09-24 1988-04-09 日本化学工業株式会社 製鋼スラグの粉化防止剤、その製造方法及びその粉化防止剤を用いた製鋼スラグの処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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