JPH06260356A - 移送一体成形磁気回路の製造方法 - Google Patents

移送一体成形磁気回路の製造方法

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JPH06260356A
JPH06260356A JP5043497A JP4349793A JPH06260356A JP H06260356 A JPH06260356 A JP H06260356A JP 5043497 A JP5043497 A JP 5043497A JP 4349793 A JP4349793 A JP 4349793A JP H06260356 A JPH06260356 A JP H06260356A
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rare earth
magnetic circuit
magnetic
earth magnet
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JP5043497A
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Fumitoshi Yamashita
文敏 山下
Yuichi Nakamura
友一 中村
Koichi Kinashi
好一 木梨
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 交流サーボモータに使用されるようなラジア
ルタイプの磁石回転子に好適な磁気回路において、磁石
特性と経済性との整合性において有利な形状である(B
H)max〜40MGOe板状希土類磁石群を、ソフト
磁性部材と交互に円周方向に空隙なく並設する磁気回路
を製造する方法を提供する。。 【構成】 結合剤成分を含むソフト磁性圧粉体の移送と
再圧縮で希土類磁石群を当該圧粉体と交互に空隙なく、
円周方向へ一体的に並設する磁気回路を形成したのち、
結合剤成分を熱重合する。その際、外面部位に環状の非
磁性部材を配置し一体的な磁気回路を形成すれば、予め
磁化した希土類磁石群の使用も可能となるばかりか高度
な寸法精度や機械特性を確保し、部材の組み込み作業の
頻雑さを改善することができるので交流サーボモータの
ラジアルタイプ磁石回転子として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソフト磁性体と希土類磁
石群を主要部材として構成される磁気回路において結合
剤を含むソフト磁性圧粉体の移送と再圧縮により、ソフ
ト磁性成形体と希土類磁石群との一体的磁気回路を形成
する製造方法に関する。この磁気回路は例えば交流サー
ボモータのラジアルタイプ磁石回転子に使用される。
【0002】
【従来の技術】ところで交流サーボモータの諸性能は磁
石回転子の磁石特性と、その磁気回路の構成に負うとこ
ろが大きい。
【0003】先ず磁石回転子の磁石特性は交流サーボモ
ータの減磁耐力,出力,効率,小型軽量化などに直接関
わるもので高い保磁力と残留磁化特性とを兼ね備えた希
土類磁石が多用されている。多用される理由は、高保磁
力であることが減磁界に対する減磁耐力を増し、高残留
磁化であることが出力向上や小型軽量化に有効だからで
ある。
【0004】一方、磁気回路の構成としては磁気回路へ
の部材の組み込み作業性や磁気抵抗の減少のため、磁石
およびソフト磁性部材などの寸法精度特性と機械特性と
が高水準で整合していることが求められる。
【0005】以上のことから、一般に環状の希土類磁石
と積層電磁鋼板とで磁気回路を構成したものがラジアル
タイプ磁石回転子として交流サーボモータに使用され
る。
【0006】ここで、希土類磁石の好適な材質はJ.F.He
rbestらの"Rare earth-Iron-BoronMaterials;A New Era
in Permanent Magnets" Ann.Rev.Sci. Vol 16 p467〜
485(1986)などに記載されている希土類元素(Nd/P
r)と遷移金属元素(Fe/Co)とBとを2:14:
1に近い割合で含む合金を主成分とし、温間加工した異
方性希土類−鉄系急冷磁石、または異方性希土類−鉄系
常圧焼結磁石である。これらの希土類磁石は加工段階で
磁化容易方向を特定方向に揃える配向を必要とするが、
数mm程度の板状であれば、厚さ方向で最大エネルギー積
(BH)max〜40MGOeの磁石特性が容易に得ら
れる。
【0007】しかし、希土類磁石を環状に形成し磁化容
易方向をラジアル方向とする場合、例えばY.Kasaiの "M
Q1,2&3 Magnets Applied to Motors and Actuators"Pol
ymer-Bonded Magnets '92 intertech conferences.(199
2)に記載されているように環状形状によって磁石特性が
影響され、且つ高いものでも(BH)max≦35MG
Oeと低下する。これは希土類磁石が本質的に難加工性
だからであり、歩留まりを含めた加工性を加味した場合
の経済性を考慮すれば環状形状は板状と比較して磁石特
性と経済性との整合性に乏しい。
【0008】なお、例えば特開平4−255439号公
報に記載されているような板状の希土類磁石を積層電磁
鋼板と交互に円周方向に並設することでもラジアルタイ
プ磁石回転子となることが知られている。この方式によ
れば希土類磁石の形状による磁石特性の影響を減じるこ
とが可能で、(BH)max〜40MGOeの希土類磁
石を磁気回路構成部材として使用することができる。し
かし部品点数の多さから磁気回路構成部材としての高度
な寸法精度や機械特性の確保が困難であり、空隙なき磁
気回路を構成することができず、更には部材の組み込み
作業も頻雑となる。
【0009】一方、希土類磁石とソフト磁性部材の磁気
回路構成に関しては、希土類磁石を積層電磁鋼板に空隙
なく配置する方法が開示されている。例えば特開昭63
−98108号公報では積層電磁鋼板の磁石スロット内
面で結合剤を含む希土類磁石粉体を圧縮し、希土類磁石
を積層電磁鋼板と一体的に形成するものである。また米
国特許第4,981,635号明細書には積層電磁鋼板
の外周面で結合剤を含む希土類磁石粉体を圧縮し、希土
類磁石を積層電磁鋼板と一体的に形成するものが記載さ
れている。しかしそれらは熱重合性樹脂組成物を主成分
とする結合剤を内在する希土類磁石であるため残留磁化
が低下し(BH)max≦10MGOeに過ぎなく交流
サーボモータの出力向上や小型軽量化に適さない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術をまと
めると下記3点にまとめられる。
【0011】(1)(BH)maxに代表される磁石特
性と経済性との整合性を環状形状と板状の希土類磁石で
比較すると板状が有利である。しかし、一般に交流サー
ボモータの磁石回転子の磁気回路構成部材としては磁石
特性と経済性との整合性に乏しい環状の(BH)max
≦35MGOe希土類磁石が使用される。
【0012】(2)この理由は板状の(BH)max〜
40MGOe希土類磁石を積層電磁鋼板などのソフト磁
性部材と交互に円周方向に並設する磁気回路構成でラジ
アルタイプの磁石回転子が得られるものの、部品点数の
多さから磁気回路構成部材として、高度な寸法精度や機
械特性の確保が困難で空隙なき磁気回路を構成すること
ができず、部材の組み込み作業も頻雑となるからであ
る。
【0013】(3)一方、望ましい磁気回路構成は希土
類磁石と積層電磁鋼板などのソフト磁性部材を空隙なく
配置することにある。しかし従来技術では結合剤を内在
する希土類磁石を使用するため残留磁化が低下し(B
H)max≦10MGOeに過ぎない。このため交流サ
ーボモータの出力向上や小型軽量化への効果は期待でき
ない。
【0014】以上のように磁石特性と経済性との整合性
において有利な(BH)max〜40MGOe板状希土
類磁石群を、ソフト磁性部材と交互に円周方向に空隙な
く並設する磁気回路構成で、高度な寸法精度や機械特性
を確保し、部材の組み込み作業の頻雑さを改善する新技
術が望まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、結合剤成分を
含むソフト磁性圧粉体の移送と再圧縮で希土類磁石群
を、当該圧粉体と交互に空隙なく、円周方向へ一体的に
並設する磁気回路を形成したのち、結合剤成分を熱重合
する所謂移送一体成形磁気回路の製造方法を主旨とす
る。なお、その際、外面部位に環状の非磁性部材を配置
して一体的磁気回路を形成すれば、予め磁化した希土類
磁石群の使用も可能となるばかりか、高度な寸法精度や
機械特性を確保し、部材の組み込み作業の頻雑さを改善
することができるので交流サーボモータのラジアルタイ
プ磁石回転子として好適となる。
【0016】
【作用】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0017】本発明で対象とする磁気回路は用途により
適宜材質選択されるソフト磁性粉体と希土類磁石群、お
よび必要に応じて適宜使用する非磁性環状部材など補助
部材から構成される。
【0018】先ず代表的な磁気回路構造を図面を用いて
説明する。図1は移送一体成形磁気回路の一例である。
図中1は結合剤成分を含むソフト磁性圧粉体の成形硬化
物群、2は希土類磁石群、3は非磁性環状部材である。
【0019】ソフト磁性圧粉体の成形硬化物群1と希土
類磁石群2は交互に空隙なく円周方向へ一体的に並設し
た磁気回路を形成しているが、主極はソフト磁性圧粉体
の成形硬化物群1に形成されることが理解できる。ま
た、中空孔へ軸を挿入すれば交流サーボモータのラジア
ルタイプの磁石回転子の構造となることも理解できる。
【0020】次に磁気回路の構成部材について説明す
る。先ず、本発明で言うソフト磁性粉体とはMn−Z
n,Ni−Zn系スピネル構造フェライト粉末、Fe
系、Fe−Si系、Fe−N系、Fe−Ni系、Fe−
Si−Al系、Mo−Fe−Ni系など種々の多結晶か
ら非晶質に至るソフト磁性粉末の1種または2種以上を
熱重合性樹脂組成物を主成分とする結合剤と複合したも
のである。ソフト磁性粉末としては高い飽和磁化と透磁
率を有する材質が好ましく、ソフト磁性粉体としては成
形体の渦電流損失を抑制する目的で電気比抵抗が≧10
-2Ωcm確保することが望ましい。
【0021】結合剤の主成分である熱重合性樹脂組成物
は潜在硬化性のエポキシ樹脂組成物が好ましい。例えば
ビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合で得られ
る分子鎖内にアルコール性水酸基をもつエポキシオリゴ
マーとイソシアネート(−NCO)再生体との組成物を
例示することができる。ここで−NCO再生体は−NC
O基にカプロラクタムなどの活性水素化合物を付加した
ものであり、分子鎖内アルコール性水酸基を有するエポ
キシオリゴマーの共存下で加熱すれば−NCO再生体の
ウレタン結合が開裂(熱解離)して−NCO基が再生す
る。再生した−NCO基はエポキシオリゴマーを速やか
に架橋重合する。また−NCO基が熱解離しない室温域
では極めて重合不活性な組成物である。
【0022】また、上記結合剤を含む磁性粉体に必要に
応じて適宜加える添加剤としては、例えば結合剤と磁性
粉体の密着性を高めるために有効なカーボンファンクシ
ョナルシラン、粉体或いは圧粉体の圧力伝達を高めるた
めに有効な高級脂肪酸、およびその金属石鹸類を挙げる
ことができる。
【0023】以上のソフト磁性粉体の材料形態は、本発
明の生産性を高めるために粉末成形性のよい材料形態に
調整することが望ましい。例えばケトン類などの有機溶
媒で溶解したエポキシオリゴマーと−NCO再生体とを
ソフト磁性粉体に湿式混合したのち、有機溶媒を揮発さ
せればソフト磁性粉体表面を2〜3重量%の結合剤で均
質に覆うことができる。結合剤で均質に覆ったソフト磁
性粉体に〜0.2重量%程度のステアリン酸Caなどを
乾式混合すればソフト磁性粉体の粉末流動性や圧縮性を
高めることができる。
【0024】希土類磁石はJ.F.Herbestらの"Rare earth
-Iron-Boron Materials;A New Erain Permanent Magnet
s" Ann.Rev.Sci. Vol 16 p467〜485(1986)などに記載
されている希土類元素(Nd/Pr)と遷移金属元素
(Fe/Co)とBとを2:14:1に近い割合で含む
合金を主成分として温間加工した板状異方性希土類−鉄
系急冷磁石、または板状異方性希土類−鉄系常圧焼結磁
石が好ましい。とくに予め磁化した希土類磁石を使用す
る場合には結合剤成分を熱重合する際の熱減磁を抑制し
たり交流サーボモータの磁石回転子に使用することを考
慮すると熱安定性を改善した希土類磁石であることが望
ましい。熱安定性の改善とはFeのCo置換や2-14-1結
晶粒を微細化することで可能となる。
【0025】次に移送一体成形プロセスを説明する。図
2(a)〜(e)は本発明の移送一体成形磁気回路の要
部プロセスを示す。ただし、図中1aは結合剤を成分を
含むソフト磁性粉体、1bはソフト磁性粉体1aの圧粉
体群、1cは圧粉体群1bの再圧縮圧粉体群、2nは希
土類磁石群、3は非磁性環状部材、4はソフト磁性粉体
1aの充填フィーダ、5aは圧縮用ダイ、5bは移送/
再圧縮用ダイ、6aはソフト磁性粉体1aの圧縮/移送
/再圧縮用下パンチ、6bは圧縮/移送/再圧縮用下パ
ンチ6aとともに圧粉体群1bを移送/再圧縮するため
の移送/再圧縮用上パンチ、6cはストッパ、7はセン
タコアである。なお、圧縮/移送/再圧縮用下パンチ6
aと移送/再圧縮用上パンチ6bとは相似形であるが、
圧縮/移送/再圧縮用下パンチ6aの断面積は移送/再
圧縮用上パンチ6bよりも小さい。
【0026】以下、図2(a)〜(e)に従ってプロセ
スの動作について説明する。 (a)充填 充填フィーダ4により結合剤を含むソフト磁性粉体1a
を圧縮用ダイ5aと圧縮/移送/再圧縮用下パンチ6a
で形成した複数キャビティに充填する。 (b)圧縮 モールドストッパ6cでキャビティ中の結合剤を含むソ
フト磁性粉体1aを封じ込め、圧縮/移送/再圧縮用下
パンチ6aで圧縮する。これによりソフト磁性粉体1a
は圧粉体群1bとなる。ところで、高い飽和磁化と透磁
率を得るには高密度化することが望ましい。このためソ
フト磁性粉末自体の塑性変形能にもよるが一般に3〜8
ton/cm2の圧縮圧力とすることが好ましい。 (c)希土類磁石と非磁性環状部材の供給 移送/再圧縮用ダイ5bと移送/再圧縮用上パンチ6b
により形成した所定空間部位に圧粉体群1bに相応する
数の希土類磁石群2nと非磁性環状部材とを供給する。
なお希土類磁石群2nは磁化している。 (d)移送/再圧縮 モールドストッパ6cを解除し、圧縮用ダイ5aと移送
/再圧縮用ダイ5b、並びに圧縮/移送/再圧縮用下パ
ンチ6aと移送/再圧縮用上パンチ6bとの相対位置を
合わせ、圧縮/移送/再圧縮用下パンチ6aの加圧で移
送/再圧縮用上パンチ6bを移動させることにより圧粉
体群1bを移送/再圧縮用ダイ5bに移送する。この結
果、圧粉体群1bと希土類磁石群2nは移送/再圧縮用
ダイ5b内で交互に円周方向に並設するような磁気回路
の原形を形成する。
【0027】更に、圧縮/移送/再圧縮用下パンチ6a
と移送/再圧縮用上パンチ6bとの加圧により圧粉体群
1bを再圧縮すると希土類磁石群2nや非磁性環状部材
3と空隙なく成形された再圧縮圧粉体群1cとなる。圧
粉体群1bはソフト磁性粉体1aの圧縮圧力よりも遥か
に小さな圧力で移送することができる。また再圧縮は一
般に≦1ton/cm2の圧力で圧粉体群1bを圧縮破壊
させ再圧縮圧粉体群1cとすることができるので希土類
磁石群2nや非磁性環状部材3を損傷することなく、そ
れらとの空隙をなくすことができる。 (e)離型/加熱硬化 圧粉体群1bの移送と再圧縮で希土類磁石群2nを交互
に空隙なく円周方向へ一体的に並設した磁気回路を移送
/再圧縮用ダイ5bから離型する。このとき希土類磁石
群2nが異極対向するよう磁化したものならば非磁性環
状部材3の内面に向かう圧力が作用し平衡するので成形
状態を維持することができる。
【0028】この状態で加熱することにより再圧縮圧粉
体群1cの結合剤成分を重合硬化すると本発明の移送一
体成形磁気回路が形成される。
【0029】以上、明らかなように図2(a)〜(e)
のプロセスは連続動作も可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例を図1の磁気回路構造に準じて
説明する。
【0031】[実施例] (1)結合剤を含むソフト磁性粉体の作成 0.1重量%のシランを表面処理した97重量%の3%
Si−Feを3重量%のエポキシ樹脂組成物でグラニュ
ール化したソフト磁性粉体を作成した。
【0032】なお、樹脂組成物は4−4’ジフェニルメ
タンジイソシアネートにカプロラクタムを付加した−N
CO再生体とビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
の縮合で得られる分子量≒900のエポキシオリゴマー
との配合をNCO/OH=1とした。この樹脂組成物を
アセトンに溶解し平均粒子径50μmの3%Si−Fe
粉末と湿式混合し、混合の際にγ−アミノプロピルトリ
エトキシシランを滴下した。混合物は70℃に加熱して
アセトンを除去したのち冷却して150μm以下に粉砕
し分級した。
【0033】(2)希土類磁石群 使用した希土類磁石は純度99.5%のNd/Dy,9
9.9%の電解Fe/Co,フェロボロンを用いて溶解
した合金組成Nd12.3Dy3.1Fe72.7Co1.06.7
粉末冶金法により常圧焼結したものである。ただし表面
には20μmのエポキシ硬化層をつけ、60kOeのパ
ルス着磁を行ったもので、13.8mm×9mm、磁化方向
厚さ2〜4mmの板状である。なお、60kOeでパルス
着磁した磁気特性は保磁力Hcj21kOe,残留磁化
11.2kG,(BH)max28MGOeであった。
【0034】(3)非磁性環状部材 外径Φ29.9mm、厚み0.3mm、高さ13.8mmのS
US304を非磁性環状部材とした。
【0035】(4)移送一体成形 図2(a)のように結合剤を含むソフト磁性粉体1aを
キャビティへ充填し、図2(b)のように5ton/cm
2で圧縮して8個の圧粉体群1bとした。次に図2
(c)のように圧粉体群1bに相応する8個の希土類磁
石群2nと1個の非磁性環状部材3とを供給し、図2
(d)のように圧粉体群1bを移送/再圧縮した。
【0036】移送の際の圧力は移送開始時が最大で〜
0.6ton/cm2程度、その後 はほとんど圧力を要し
ない。そして移送が完了すると同時に再圧縮に転じる。
圧粉体群の再圧縮で圧縮圧力は再び上昇するが希土類磁
石群や環状非磁性部材との空隙を埋めるために必要な圧
縮圧力は2ton/cm2程度で十分であった。次に図2
(e)にように圧粉体群の移送と再圧縮で希土類磁石群
を交互に空隙なく円周方向へ一体的に並設した磁気回路
を離型し160℃で3分加熱することにより結合剤成分
を重合硬化し、希土類磁石の磁化方向距離が異なる外面
8極移送一体成形磁気回路を得た。なお中空孔の径は1
1.5mmである。
【0037】[比較例] (1)ソフト磁性部材 外径Φ24.7mm、内径11.5mmに打ち抜いた板厚
0.5mmの電磁鋼板を28枚積層した積層電磁鋼板であ
る。
【0038】(2)希土類磁石 使用した希土類磁石は純度99.5%のNd/Dy,9
9.9%の電解Fe/Co,フェロボロンを用いて溶解
した合金組成Nd12.3Dy3.1Fe72.7Co1.06.7
磁化容易方向をラジアル配向として常圧焼結したもので
ある。ただし表面には20μmのエポキシ硬化層をつけ
外径Φ29.9mm、内径24.9mm、高さ13.8mmの
環状である。なお、60kOeでパルス着磁した磁気特
性は保磁力Hcj19kOe,残留磁化10.4kG,
(BH)max24MGOeであった。
【0039】(3)磁気回路の製造 環状希土類磁石内面と積層電磁鋼板の外面とにエポキシ
樹脂接着剤を塗布して組み込み後に硬化し、外面8極着
磁した。
【0040】以上の磁気回路へ軸を挿入し交流サーボモ
ータの固定子側磁気回路に入る平均磁束密度を測定した
結果、環状希土類磁石と積層電磁鋼板からなる磁気回路
比較例では6.2kGであった。
【0041】図3は希土類磁石の磁化方向距離に対する
移送一体成形磁気回路から固定子側磁気回路に入る平均
磁束密度の関係を示す特性図である。図から明らかなよ
うに希土類磁石の磁化方向距離≒1.1mmで比較例とほ
ぼ同水準となり、≒3mmでは8.5kGの値が得られ
る。≒3mmでの希土類磁石量は22gで比較例の磁石量
と同水準であるにも拘らず、平均磁束密度としては1.
3以上の高水準となる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、結合剤成分を含むソフト磁性
圧粉体の移送と再圧縮で希土類磁石群を当該圧粉体と交
互に空隙なく、円周方向へ一体的に並設する磁気回路を
形成したのち、結合剤成分を熱重合する、所謂移送一体
成形磁気回路の製造方法が骨子となる。その際、外面部
位に環状の非磁性部材を配置し一体的な磁気回路を形成
すれば、予め磁化した希土類磁石群の使用も可能となる
ばかりか高度な寸法精度や機械特性を確保し、部材の組
み込み作業の頻雑さを改善することができるので交流サ
ーボモータのラジアルタイプ磁石回転子として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】移送一体成形磁気回路の構成図
【図2】移送一体成形プロセス動作図 (a)充填 (b)圧縮 (c)希土類磁石と非磁性環状部材の供給 (d)移送/再圧縮 (e)離型
【図3】磁化方向距離と磁束量の関係を示す特性図
【符号の説明】
1 ソフト磁性圧粉体の成形硬化物群 1a ソフト磁性粉体 1b 圧粉体群 1c 再圧縮圧粉体群 2,2n 希土類磁石群 3 非磁性環状部材 4 充填フィーダ 5a 圧縮用ダイ 5b 移送/再圧縮用ダイ 6a 圧縮/移送/再圧縮用下パンチ 6b 移送/再圧縮用上パンチ 6c ストッパ 7 センタコア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤成分を含むソフト磁性圧粉体の移
    送と再圧縮とで希土類磁石群を、当該圧粉体と交互に空
    隙なく円周方向へ一体的に並設する磁気回路を形成した
    のち、結合剤成分を熱重合する移送一体成形磁気回路の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 外面部位に環状非磁性部材を配置し、一
    体的な磁気回路を形成する請求項1記載の移送一体成形
    磁気回路の製造方法。
  3. 【請求項3】 希土類磁石群は、予め磁化した希土類−
    鉄系磁石である請求項1または2記載の移送一体成形磁
    気回路の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002329603A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Asahi Kasei Corp 磁石用固形材料及びその製造方法

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JP2002329603A (ja) * 2001-04-27 2002-11-15 Asahi Kasei Corp 磁石用固形材料及びその製造方法

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