JPH0626002A - 弾性舗装体およびその形成方法 - Google Patents

弾性舗装体およびその形成方法

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JPH0626002A
JPH0626002A JP20423792A JP20423792A JPH0626002A JP H0626002 A JPH0626002 A JP H0626002A JP 20423792 A JP20423792 A JP 20423792A JP 20423792 A JP20423792 A JP 20423792A JP H0626002 A JPH0626002 A JP H0626002A
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JP
Japan
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rubber chip
coating material
layer
elastic
chip layer
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JP20423792A
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English (en)
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Fumio Takahashi
文夫 高橋
Tatsuo Nozawa
辰雄 野澤
Isao Watabe
績 渡部
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Atom Chemical Paint Co Ltd
Original Assignee
Atom Chemical Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐久性、防滑性および高級感を持つ弾
性舗装体とその形成方法を提供する。 【構成】 従来の弾性舗装体を構成する加硫ゴムチップ
層の上に浸透性塗布材を塗布し、加硫ゴムチップ層の空
隙部分に含浸させる。これにより、浸透性塗布材を新規
なマトリックスとし、ゴムチップを充填・補強材とする
非透水性の構造体を形成させる事を特徴とした新規の弾
性舗装体。さらにはこの新規の弾性舗装体に、揺変性弾
性塗布材層、保護塗膜層を形成させた、防滑性、耐久性
および耐侯性に優れた弾性舗装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばゴルフ場の歩径
路、公園の遊歩道などに用いられる強靱化された弾性舗
装体に関するもので、さらに詳しくは歩行等の使用によ
るゴムチップの離脱を生じることなく耐久性・防滑性に
優れた弾性舗装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の弾性舗装体は、その例を図4に示
すと、下地層1の上にゴムチップ2の間に空隙3を残す
様にして、ポリウレタン樹脂などの可とう性樹脂をバイ
ンダー4としてゴムチップ層を形成させ、その表面に各
チップ間の開口5を残した、透水性の弾性舗装体であ
る。このゴムチップ層は施工する際に顔料などの着色材
を添加したり、ゴムチップ層形成後に塗料あるいは揺変
性塗布材を玉吹き状に塗布するなどの方法により耐久
性、外観を向上させる手段が用いられているが、いずれ
の方法もゴムチップ層のゴムチップ2間に連通した空隙
3を残すように施工されている。即ち、ゴムチップ層形
成後に塗料を塗布する方法ではアクリル樹脂系などのい
わゆる薄膜塗料によってゴムチップ層の表面に露出した
ゴムチップ2のみを着色する。また、ゴムチップ層に揺
変性塗布材を塗布する方法では塗布材の揺変性により塗
布材がゴムチップ層内に浸透することを防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、施工時
に着色材を添加したり、ゴムチップ層形成後に塗料を塗
布して着色したものは、紫外線や歩行時の衝撃により摩
耗したりゴムチップの離脱を生じて短期間の内にゴムチ
ップ固有の色である黒色などが露出してしまう欠点を持
つ。また、ゴムチップ層上に揺変性塗布材を塗布したも
のは前者に比べ耐摩耗性は向上するものの、ゴムチップ
の離脱防止には大きな効果はなく、むしろ玉吹き状に塗
布された塗布材により連結されたゴムチップが揺変性塗
布材の各玉単位で大きく離脱してしまう欠点がある。
【0004】ゴムチップの離脱は通常、使用頻度の高い
場所ほど著しく、またゴルフ場などのスパイクシューズ
を着用する場所ほど著しい。例えばゴルフ場を例にとれ
ば、クラブハウス周囲に施された弾性舗装体や歩径路に
施された弾性舗装体の中央部におけるゴムチップの離脱
が特に顕著であり、外観の不良化、排水管の詰まりなど
の問題の原因となっている。
【0005】従来の弾性舗装体におけるゴムチップ層
は、加硫ゴムチップをポリウレタン樹脂などをバインダ
ーとして各ゴムチップ間に連通した空隙を残し施工され
ているため、各ゴムチップは点接着によって相互に連結
しているに過ぎず、各ゴムチップ間を連結する強度は非
常に低く、ゴムチップの離脱が起こりやすい構造となっ
ている。このため新規に打設した弾性舗装体のゴムチッ
プ層においても前述したように短期間の内にゴムチップ
の離脱、退色が起こり高級感を損なう結果となる。
【0006】このようにしてゴムチップの離脱したゴム
チップ層を補修する方法としては劣化したゴムチップ層
を取り除き下地層を露出させた後、新たに同様のゴムチ
ップ層を形成する方法や、劣化した既存のゴムチップ層
の上に再度同様のゴムチップ層を形成するなどの方法が
ある。しかしながら、ゴムチップ層は弾性体であり、し
かも通常10〜15mm程度の厚さで施工されることが
多く、塗膜を除去する際に用いるような衝撃作用を利用
したはつり機械や研磨機械では除去できず、人力で剥し
ているのが現状である。しかしながら、ゴムチップ層は
強度が低く、細かくちぎれるため思いどおりに作業がは
かどらないのが現状である。
【0007】また、ゴムチップ層を重ねて打設する方法
では非施工面との高低差が概ね30mmを越えると歩行
に際して危険な状態となるため、ゴムチップ層を重ねて
施工するのは一度あるいは二度が限度とされている。こ
のため、劣化したゴムチップ層の撤去作業は補修の際の
必須条件となっている。
【0008】このため、ゴムチップの離脱、退色などが
発生しにくく耐久性に優れたゴムチップ層が求められる
とともに、既存のゴムチップ層の撤去を必要としないゴ
ムチップの離脱性の改善方法、ゴムチップの離脱したゴ
ムチップ層の補修方法が求められている。
【0009】また、ゴルフ場の歩径路などではスパイク
シューズを着用して歩行するため、先に述べた高級感、
耐久性に加えて適度の弾性のある良好な歩行感が維持さ
れることが望まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点の解決を計る効果的な方法について鋭意研究を進めた
結果、ゴムチップ層に浸透性塗布材を塗布浸透させるこ
とにより、ゴムチップ層の強度が著しく向上することを
見いだした。本発明は、バインダーで結合・形成された
加硫ゴムチップ層に浸透性塗布材を塗布含浸させた弾性
舗装体である。
【0011】本発明の好ましい実施態様としては、上記
の弾性舗装体上に揺変性弾性塗布材を塗布硬化させるこ
とにより得られる防滑性に優れた表面仕上げを施したこ
とを特徴とする弾性舗装体である。本発明の他の好まし
い実施態様としては、上記の浸透性塗布材を塗布含浸さ
せた弾性舗装体および浸透性塗布材を塗布含浸させた弾
性舗装体にさらに揺変性弾性塗布材を塗布した弾性舗装
体上に、耐候性・耐久性向上のための保護塗膜層を形成
させたことを特徴とする弾性舗装体である。
【0012】本発明の弾性舗装体の形成方法としては、
下地層として形成された非透水性のコンクリート、アス
ファルトコンクリートの上に、バインダーで結合された
加硫ゴムチップ層を形成し、この層の上に浸透性塗布材
を塗布含浸させ、加硫ゴムチップ層の空隙部分に含浸さ
せることにより浸透性塗布材を新規なマトリックスと
し、ゴムチップを充填・補強材とする構造体を形成させ
たことを特徴とする弾性舗装体の形成方法である。
【0013】これは従来の弾性舗装体のゴムチップ層が
加硫ゴムチップを各ゴムチップ間に空隙を残した点接着
により連結しているため、ゴムチップ層の強度が各連結
点の強度に依存するのに対して、本発明により得られた
新規の弾性舗装体では各ゴムチップ間の空隙に浸透性塗
布材が充填されるため、ゴムチップは浸透性塗布材に充
填された補強材として働き、この結果、ゴムチップ層の
強度は著しく向上する。
【0014】このように、浸透性塗布材の充填により得
られた新規の弾性舗装体はまったく透水性を示さず、ゴ
ムチップ層が完全に浸透性塗布材により充填される。こ
のため、ゴムチップ層に気泡が残ったとしても独立気泡
であり連通した空隙は消滅し、強度が向上する。
【0015】本発明により得られた弾性舗装体に用いら
れるゴムチップ層は従来の弾性舗装体と同様なもので、
直径1〜4mm程度の粒径のものを中心とした加硫ゴム
チップ層をポリウレタン樹脂、弾性エポキシ樹脂などの
可とう性樹脂バインダーにより各ゴムチップ間の空隙を
残して固められたものである。このゴムチップ層は新設
既設を問わないが、ゴムチップの離脱により著しい凹凸
を生じている場合は、浸透性塗布材を塗布する前あるい
は後に、凹凸の程度によりゴムチップ層の形成に用いた
ものと同様の材料あるいは粒径1mm以下の加硫ゴムチ
ップ、ウレタンチップなどの弾性チップ100重量部に
対してポリウレタン樹脂(例えば武田薬品工業製 タケ
ネ−トF−172など)、弾性エポキシ樹脂(例えば主
剤としてアトム化学塗料製 ライフテックス#2000
などを使用)などの可とう性樹脂5〜100重量部を混
合したもので凹凸の不陸修正を行うことが望ましい。
【0016】本発明における浸透性塗布材は、ゴムチッ
プ層の歩行感を損なわない程度の弾性のある樹脂が使用
できるが、ゴムチップ層との付着性を考慮するとポリウ
レタン樹脂(例えば住友バイエルウレタン製 SBU−
イソシアネート0620など)、弾性エポキシ樹脂(例
えば主剤としてアトム化学塗料製 ライフテックス#2
000などを使用)、アクリル樹脂(例えば三井東圧化
学製 アルマテックスL−1060など)を主成分とす
るものが望ましい。浸透性塗布材には上記の樹脂に顔料
あるいはトナーなどの着色材を添加することができ、ま
た必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種添
加剤を加えることができる。
【0017】浸透性塗布材はリシンガン、タイルガン、
スタッコガン、エアスプレーなどの一般的な塗装機によ
り塗装することができる。浸透性塗布材の塗布量は、ゴ
ムチップ層の厚さ、空隙率などにより変化するが、ゴル
フ場の歩径路で使用されている厚み15mm程度のゴム
チップ層に塗布する場合、0.5〜5kg/m2 、好ま
しくは1〜3kg/m2 の範囲で塗布することができ
る。0.5kg/m2 以下の塗布量ではゴムチップ層内
に浸透性塗布材で満たされない空隙が残り、5kg/m
2 以上では過剰の浸透性塗布材がゴムチップ層表面に多
量に残る。浸透性塗布材は一般の塗料と比較して塗布量
が多いため塗装に際しては塗装機のカップの容量、混合
するバッチの容量を大きくすることにより効率的に塗装
作業を行うことができる。
【0018】揺変性弾性塗布材は本発明により得られた
弾性舗装体に塗布され、この弾性舗装体に適度の防滑性
を付与するとともに、新規な外観パターンを与える。揺
変性弾性塗布材は塗装時には塗布できる程度の流動性を
示し、塗布後は浸透性塗布材により充填された新規のゴ
ムチップ層の上で簡単に流れず、いわゆる玉吹き状の凹
凸状態を維持できる粘性を持つことが必要で、さらには
このままの外観状態で揺変性弾性塗布材の硬化物層を形
成できることが必要である。揺変性弾性塗布材はゴムチ
ップ層あるいは浸透性塗布材との付着性を考慮するとポ
リウレタン樹脂(例えば主剤としてアトム化学塗料製
フロアトップU−90など)、弾性エポキシ樹脂(例え
ば主剤としてアトム化学塗料製 ライフテックス#20
00などを使用)、アクリル樹脂(例えばアトム化学塗
料製 ライフテックス#75など)などを主成分とする
ことが望ましい。
【0019】揺変性を付与する材料としては一般的に知
られているシリカ粉末、クレー、タルク、ベントナイト
などの粉末や1mm以下の粒径を主粒径とするポリウレ
タン、加硫ゴム、エチレン酢酸ビニルなどのポリマー粉
末あるいは市販のチキソトロピック性付与剤を使用する
ことができる。揺変性弾性塗布材の塗装はリシンガン、
タイルガン、スタッコガン、エアスプレーなどの一般的
な塗装機あるいは二液自動計量混合塗装機により塗装す
ることができる。
【0020】保護塗膜層を形成させるための材料は浸透
性塗布材を塗布した弾性舗装体およびその表面に揺変性
弾性塗布材を塗布した弾性舗装体を摩耗あるいは紫外線
や降雨などによる劣化から保護する目的で塗布される。
このためには、保護塗膜層を形成させるための材料は耐
候性および耐久性に優れ、且つ上記の新規の弾性舗装体
のもつ弾性に追従できる柔軟性をもつことが必要であ
る。さらに、上記の新規の弾性舗装体との付着性を考慮
すると保護塗膜層を形成させるための材料はポリウレタ
ン樹脂(例えばアトム化学塗料製 フロアトップU−9
0トップコ−トなど)、アクリル樹脂(例えばアトム化
学塗料製 フロアトップ#7000など)などを主成分
とすることが望ましく、より好ましくは顔料、トナーな
どの着色材や紫外線吸収剤およびその他の添加剤を添加
し塗料として調合されたものである。
【0021】
【作用】従来のゴムチップ層に浸透性塗布材を塗布する
ことにより、各ゴムチップ間の空隙は浸透性塗布材によ
り満たされることになる。この結果、浸透性塗布材の塗
布前はゴムチップのマトリックスがバインダーにより互
いに点接着してゴムチップ層を形成しているが、このゴ
ムチップ層が浸透性塗布材で満たされることにより、浸
透性塗布材が連続したマトリックスとなりゴムチップが
補強材として働く新規な弾性舗装体が形成されることに
なる。つまりは、浸透性塗布材の塗布前は各ゴムチップ
が点接着により相互に付着していたものが、塗布後はゴ
ムチップが、硬化したマトリックスである浸透性塗布材
と面接着により強固に付着し、補強材として作用すると
いう全く新規な構造体に変わったことになる。同時に、
硬化した浸透性塗布材のゴムチップに対する把握力も著
しく向上するためゴムチップの離脱に伴う問題が解消さ
れる。また、浸透性塗布材の主成分として可とう性のあ
る樹脂を使用するため、構造体全体の弾性もほとんど損
なわれることはない。
【0022】従来の弾性舗装体は各ゴムチップ間の空隙
を利用した透水性の構造であることを主目的にしている
が、ゴルフ場の歩径路を例に取れば歩径路はアップダウ
ンが多く、さらに歩径路の周囲は芝生などの植物で覆わ
れた砂地であり雨水が歩径路に溢れることはなく、歩径
路自体の透水性は特には必要とされていない。また実際
に弾性舗装体の下地は透水性アスファルトコンクリート
で舗装されることはなく透水性のないいわゆる普通アス
ファルトコンクリートが舗装されている。こうした現実
を持つゴルフ場の歩径路では歩径路自体の排水性より
も、離脱したゴムチップが排水施設を詰まらせたり、コ
ースを汚染する問題の方が深刻である。
【0023】揺変性弾性塗布材は本発明で得られた弾性
舗装体に塗布され、この弾性舗装体に適度の防滑性を付
与するとともに弾性舗装体に高級感のある新規な外観パ
ターンを与える。揺変性弾性塗布材は塗装時には塗布で
きる程度の流動性を示し、塗布後は浸透性塗布材により
充填された新規のゴムチップ層の上で簡単に流れ広がる
ことがなく、いわゆる玉吹き状の凹凸状態を維持できる
粘性を持つことが必要で、さらにはこのままの外観状態
で硬化し、揺変性弾性塗布材の硬化物層を形成できるこ
とが必要である。
【0024】この結果、揺変性弾性塗布材を上記の弾性
舗装体に塗布することにより舗装体に凹凸のあるいわゆ
る玉吹き状の新規で高級感のある外観パターンが得られ
るとともに適度の防滑性が付与される。
【0025】保護塗膜層を形成させるための材料は浸透
性塗布材を塗布した弾性舗装体およびその表面に揺変性
弾性塗布材を塗布した弾性舗装体に直接塗布することが
でき、この新規の弾性舗装体を摩耗あるいは紫外線や降
雨などによる劣化から保護する目的で塗布される。この
保護塗膜層を形成させるための材料は耐候性および耐久
性に優れ、且つ上記の新規の弾性舗装体のもつ弾性に追
従できる柔軟性をもち、さらに上記の新規の弾性舗装体
と良好な付着性を有する保護塗膜層を形成させる。
【0026】保護塗膜はクリア塗膜でもよいが好ましく
は顔料、トナーなどの着色材や紫外線吸収剤およびその
他の添加剤を添加し塗料として調合されたものがよい。
この塗料を塗布することにより、上記の新規の弾性舗装
体に紫外線が到達し、吸収され劣化することを防止する
ことができるとともに降雨などによる劣化を防止する塗
膜が形成される。
【0027】本発明の弾性舗装体は、施工場所の下地層
に直接施工する方法の他、あらかじめ、一定の大きさの
ゴムチップ層または本発明の弾性舗装体を形成後、施工
場所に敷設することも出来る。
【0028】本発明により得られた新規の弾性舗装体の
具体例を図1および図4を用いて説明すると、各ゴムチ
ップ2の間の空隙3に浸透性塗布材6が充填されるた
め、ゴムチップ2は浸透性塗布材6に充填された補強材
として働き、ゴムチップ層に気泡が残ったとしても独立
気泡7であり連通した空隙は消滅し、ゴムチップ層の強
度は著しく向上する。
【0029】本発明の実施態様を図2を用いて説明する
と、揺変性弾性塗布材8が浸透性塗布材6を塗布含浸し
た弾性舗装体に塗布されることにより、この弾性舗装体
の表面に凸凹状態を形成し、適度の防滑性と新規な外観
パターンが付与される。また、保護塗膜層9は、浸透性
塗布材6を含浸した弾性舗装体およびその表面に揺変性
弾性塗布材8を塗布した弾性舗装体を摩耗あるいは紫外
線や降雨などによる劣化から保護する目的で塗布され
る。
【0030】
【実施例】
実施例−1.粒径1〜3mmのゴムチップ100重量部
と湿気硬化型ウレタン樹脂(PPGMDI系 NCO
9.8%)16重量部を混合し、予め用意しておいた2
種類の型枠(200×25×10mm及び300×20
0×10mm)に充填し、加圧成形しこれをゴムチップ
層とした。加圧成形に際しては、ゴムチップ層の締め固
めを十分に行うため、金鏝と加熱したアイロンで仕上げ
た。
【0031】このまま室温で48時間硬化養生した後、
このゴムチップ層上に浸透性塗布材を1.5kg/m2
の割合でリシンガンで塗布し、このまま室温で8日間硬
化養生した後、脱型し、透水性、引っ張り強さ・破断時
の伸びを測定した。
【0032】使用した浸透性塗布材の組成は次の通りで
ある。 湿気硬化型ウレタン樹脂(固形分100%) 100重量部 (PPG MDI系 NCO 9.8%) 酸化チタン 5重量部 添加剤、溶剤等 20重量部
【0033】試験条件は次の通り。 (1)引っ張り強さ・破断時の伸び 供試体の形状:200×25×10mm 試験機器 :オートグラフAG−B(島津製作所製) 試験温度 :20℃ 引っ張り速度:50mm/min.
【0034】(2)透水性試験 図3に示したように、300×200×10mmに形成
したゴムチップ層10の中央部分に、内径150mm、
高さ80mmのガラス管11を置き、シリコン系シーリ
ング材12で固定する。シーリング材の硬化後、受け皿
13の上に供試体(成形したゴムチップ層)10を静置
する。約1.2リットルの水を約5秒間でガラス管に流
し込み、状態を観察した。
【0035】比較例1 実施例1で成形したゴムチップ層を室温で10日間硬化
養生し、実施例1と同様に透水性、引っ張り強さ・破断
時の伸びを測定した。
【0036】実施例2 プライマーとして湿気硬化型ウレタンを0.2kg/m
2 の割合でローラーで塗布、硬化させた1800×90
0mmのスレート板に実施例1と同様な配合で15mm
厚のゴムチップ層を成形した。この際、ゴムチップ層の
締め固めを十分に行うため、金鏝と加熱したアイロンで
仕上げた。このまま室温で48時間硬化養生後、浸透性
塗布材をリシンガンで2.5kg/m2 の割合で塗布
し、3時間硬化養生後、二液自動計量混合塗装機(アト
ム化学塗料製)で揺変性弾性塗布材を1kg/m2 の割
合で玉吹き状に塗布した。このまま室温で24時間硬化
養生後、保護塗膜形成材料を0.2kg/m2 の割合で
エアスプレー塗装し、このまま室温で7日間硬化養生
し、試験に供した。
【0037】ここで得られた供試体は下記に述べる比較
例2−a、2−b、2−cで得られた供試体とともに屋
外の、人の通行の激しい場所に6ケ月間設置し、劣化の
状態を観察した。
【0038】ここで使用した各材料の組成は次の通りで
ある。 揺変性弾性塗布材 主剤:ウレタンプレポリマー(固形分100%) 100重量部 (PPG TDI系、NCO 8.6%) 硬化剤:アミンキュア系 175重量部 弁柄 エアロジル 炭酸カルシウム 添加剤、溶剤等(固形分95%)
【0039】 保護塗膜層形成材 主材:PPG変性アクリル樹脂組成物 100重量部 弁柄 炭酸カルシウム 添加剤、溶剤等(固形分55%) 硬化剤:ウレタンプレポリマー(固形分40%) 65重量部 (PPG TDI系、NCO 4.0%)
【0040】比較例2−a 実施例2と同様にして、1800×900mmのスレー
ト板上に15mm厚でゴムチップ層を形成した後、10
日間室温で硬化養生して試験に供した。
【0041】比較例2−b 実施例2と同様にして、1800×900mmのスレー
ト板上に15mm厚でゴムチップ層を形成し、48時間
室温で硬化養生した後、浸透性塗布材を塗布すること無
しに、実施例2と同様に二液自動計量混合塗装機(アト
ム化学塗料製)で揺変性弾性塗布材を1kg/m2 の割
合で玉吹き状に塗布した。このまま8日間室温で硬化養
生して試験に供した。
【0042】比較例2−c 比較例2−bと同様にしてゴムチップ層および揺変性弾
性塗布材層を形成させた後、実施例2と同様にして保護
塗膜層形成材を塗布し、7日間室温で硬化養生して試験
に供した。
【0043】実施例3 300×300mmのスレート板上に実施例2と同様の
仕様で15mm厚でゴムチップ層を形成し、さらに実施
例2と同様に浸透性塗布材層、揺変性弾性塗布材層、保
護塗膜層を形成させた後、4週間室温で養生して滑り抵
抗試験に供した。滑り抵抗試験は英国道路研究所で開発
された「ポータブル・スキッド・レジスタンス・テスタ
ー」を使用した。
【0044】比較例3−a 300×300mmのスレート板上に比較例1と同様の
仕様で15mm厚でゴムチップ層を形成し、4週間室温
で養生して滑り抵抗試験に供した。
【0045】比較例3−b 300×300mmのスレート板上に比較例3−aと同
様にゴムチップ層を形成しこのまま48時間硬化養生
後、浸透性塗布材を塗布すること無しに揺変性弾性塗布
材を3kg/m2 の割合で金鏝で平滑に塗り広げ、4週
間室温で養生して滑り抵抗試験に供した。
【0046】各実施例、比較例で得られた弾性舗装体の
諸性能を表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】上記の結果、本発明の弾性舗装体は強度お
よび耐久性において非常に優れ、しかも滑りにくい特性
を有していることは明らかである。
【0051】
【発明の効果】浸透性塗布材を塗布することによりゴム
チップ層内部の空隙は完全に充填され、連通する空隙が
残っていない。このため、浸透性塗布材をマトリックス
とする新規の弾性舗装体が形成されるに至り、適度な弾
性・歩行感を維持しながら従来の弾性舗装体と比べ著し
く強度が向上する。また、雨水の浸透もなくなることか
ら耐候性、耐久性が著しく向上し、さらには防滑性に富
んだ弾性舗装体が形成されている。また、本発明による
弾性舗装体は従来の弾性舗装体と比べ高級感が付与され
るにもかかわらず、本発明による弾性舗装体の補修に際
してはほとんどの場合で表面の保護塗膜層の塗り替えだ
けで十分であり、長期的なコストメリットが大きい形成
方法といえる。このためスポーツ施設のみならず、種々
の分野で幅広い用途展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性舗装体の層構造の概略を示す図。
【図2】本発明の弾性舗装体に、揺変性弾性塗布材およ
び保護塗膜材等の表面加工を施した弾性舗装体の層構造
の概略を示す図。
【図3】実施例1の透水性試験の方法を示した図。
【図4】従来の透水性の弾性舗装体の層構造の概略を示
す図。
【符号の説明】
1 下地層 2 ゴムチップ 3 空隙(連通した空隙) 4 バインダー 5 開口(連通した空隙) 6 浸透性塗布材 7 独立気泡 8 揺変性塗布材 9 保護塗膜層 10 ゴムチップ層 11 ガラス管 12 シリコン系シーリング材 13 受け皿

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダーで結合・形成された加硫ゴムチ
    ップ層に浸透性塗布材を塗布含浸した非透水性の弾性舗
    装体。
  2. 【請求項2】 揺変性弾性塗布材を塗布硬化させること
    により得られる防滑性に優れた表面仕上げを施したこと
    を特徴とする請求項1に記載の弾性舗装体。
  3. 【請求項3】 耐候性・耐久性向上のための保護塗膜層
    を形成させたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の弾性舗装体。
  4. 【請求項4】 下地層として形成された非透水性のコン
    クリート、アスファルトコンクリートの上に、バインダ
    ーで結合された加硫ゴムチップ層を形成し、この層の上
    に浸透性塗布材を塗布し、加硫ゴムチップ層の空隙部分
    に含浸させることにより浸透性塗布材を新規なマトリッ
    クスとし、ゴムチップを充填・補強材とする構造体を形
    成させたことを特徴とする請求項1に記載の弾性舗装体
    の形成方法。
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