JPH06259837A - 磁気記録再生装置の高速テープ巻戻し機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、ピンチローラ駆動によるＲＥ
Ｗ動作のテープ巻戻しよりも、更に早いテープの高速巻
戻しを強弱巻取トルクの切替機構なしに実現すること。 【構成】ローディング動作により、Ｉ３ローラアーム１
４，引出しアームＢ１５及び引出しアームＡを回動さ
せ、テープ２２をカセット２１内のテープガイド２１
ａ，２１ｂに接触しない位置まで引き出し、この位置に
てキャプスタンモータ４より伝達された回動力を巻取ア
イドラを介して供給リールダイに伝達し、高速で巻戻し
を行う。この時、テープ２２のテープガイド２１ａ，２
１ｂでの大きな摩擦走行ロスがないので、供給リールダ
イのＲＥＷトルクで巻取が可能であり、ＲＥＷ時のピン
チローラ駆動では、一定送りのテープ速度であるが、前
記位置ではリールの径で巻取り量が速くなり、高速でテ
ープを巻戻すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録再生装置の、
特に８mmムービーに好適な高速テープ巻戻し機構に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の磁気記録再生装置において、特に
８mmムービーではＦＦ／ＲＥＷの高速テープ送り行う場
合、小型軽量として有利な強弱巻取トルクの切替機構の
いらないピンチローラによってテープを駆動する方式が
多く、この方式ではピンチローラとキャプスタンにテー
プを挾んで送る為キャプスタンの回転数によって速度が
決まり、キャプスタンのシャフト径、キャプスタンモー
タの特性及び供給電圧との条件により速度が設定されて
いる。その為、小型軽量の８ミリムービーにおいては、
バッテリー使用を考慮し、ＦＦ／ＲＥＷ速度の遅いもの
が多い。従来例として、ローディングした状態でテープ
のＦＦ／ＲＥＷを行う装置として特開平１−１５８６６
０号公報の様な磁気記録再生装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、ＦＦ／ＲＥＷの高速テープ送りのスピードがキャプ
スタンモータの回転数から決まり、セットの供給電圧の
制約の多い８ミリムービーでは、約１５倍速程度の為、
例えば１２０分テープであれば約８分といった巻戻し時
間を要してしまい、非常に長い間待たなければならなか
った。特に、テープの巻戻しについては、記録が終った
あとに早く巻戻しを行って再生して見たいのが顧客の要
求であり、巻戻し動作の速度ｕｐが望まれていた。

【０００４】本発明の目的は、ピンチローラ駆動による
ＲＥＷ動作のテープ高速巻戻しよりも、更に早いテープ
の高速巻戻しを、強弱の巻取トルクの切替機構なしに実
現することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、駆動手段により動作され、カセットを装
着する第一の位置からテープ引出し手段によってテープ
を引出し、回転磁気ヘッドに巻き付け記録再生を行う第
２の位置へ動作する途中に、テープがカセット内のテー
プガイドより接触しなくなるまで引き出される様に第３
の位置を設け、供給リールダイに巻取トルクリミッター
を設けたテープ巻取手段により、この第３の位置にてテ
ープの高速巻戻しを行う様に成した。

【０００６】

【作用】第３の位置において、摩擦が大きいカセット内
のテープガイドとテープの接触がない為、テープ巻取り
時の走行ロスが低減され、テープの巻取トルクとして供
給リールダイに設けられたＲＥＷ時の巻取トルクにより
巻取りが可能となり、巻取り手段によって高速巻戻しを
行うことができる。巻戻しスピードは、通常のピンチロ
ーラ圧着状態における一定送りのＲＥＷスピードと比べ
て、巻取リール径が大きくなればなるほど速く巻戻すこ
とが可能となる。

【０００７】

【実施例】本発明の一実施例を図１から図１１により、
説明する。

【０００８】図１は、本発明によるテープ走行装置を示
す平図面である。１は、固定シャーシ、２は可動シャー
シ、３は回転シリンダ、４はキャプスタンモータ、５は
プーリギヤ、６は伝達ベルト、８はローディングモー
タ、１１は巻取アイドラ、１２は巻取リールダイ、１３
は供給リールダイ、１４はＩ３ローラアームでアーム上
にＩ３ローラ１４ａが植設されている。１５は引出しア
ームＢでアーム上にガイドピンＢ１５ａが植設されてお
り、１６は引出しアームＡでアーム上にガイドピンＡ１
６ａが植設されている。１７はブレーキ操作アーム、１
８はブレーキアーム、３２はブレーキ制御アームで、３
１はブレーキバネである。２７はピンチローラアームＡ
Ｓである。

【０００９】図２は、固定シャーシ１を示す平図面であ
る。７は固定シャーシ１上に回転可能に設けられたセン
ターギヤ、１９は固定シャーシ１に回動可能に設けられ
た操作アームである。２０はカムギヤＢ、９はカムギヤ
Ａでそれぞれ固定シャーシ１上に回転可能に設けられて
いる。１０は駆動アームで、固定シャーシ１上に回転可
能に設けられている。駆動アーム１０上には駆動アーム
ピン１０ｂが設けられ、可動シャーシ２と係合して可動
シャーシ２を移動させる。１ａと１ｂと１ｃは可動シャ
ーシ２の案内ガイドシャフトである。

【００１０】第３は、テープ巻終りのカセット装着位置
におけるテープ走行装置平面図である。２１はカセッ
ト、２２はテープ、２１ａと２１ｂはカセット内のテー
プガイドである。

【００１１】図４は、高速巻戻し位置におけるテープ走
行装置平面図である。

【００１２】図５は、Ｉ３ローラアーム付近の要部平面
図、図６は、高速巻戻し位置におけるＩ３ローラアーム
付近の要部平面図、図７は、引出しアームＡ及びＢ付近
の要部平面図、図８は、高速巻戻し位置における引出し
アームＡ及びＢ付近の要部平面図である。２３はＩ３戻
しバネ、２４はＩ３付勢バネ、２５はガイドネジ、２６
は引出しアームＡ付勢バネ、２８は操作ボスである。

【００１３】図９は、巻取リールダイ１２のブレーキの
操作を説明する為の平面図であり、図１０は、ローディ
ング完状態でブレーキがかかっている場合の平面図であ
る。２９は、ブレーキ操作アーム１７を付勢しているＢ
付勢バネである。

【００１４】図１１は、ローディング完におけるテープ
走行路を示す平面図である。この状態でＰＬＡＹ／ＲＥ
Ｃ／ＦＦ／ＲＥＷ／ＲＥＶ／ＣＵＥをピンチローラ駆動
にてテープ走行する。

【００１５】次に動作について図１と図２を用いて説明
する。

【００１６】ローディング動作は、ローディングモータ
８から減速ギヤを介して、カムギヤＡ９及びカムギヤＢ
２０へ回転伝達される。ローディング動作より駆動アー
ム１０は、カムギヤＡ９に設けられたカム溝と係合して
おり、駆動アームピン１０ｂにより可動シャーシ２を回
転シリンダ３方向へ移動動作させる。可動シャーシ２に
は、長穴の案内が設けられており、固定シャーシ１上に
設けられた案内ガイドシャフト１ａ，１ｂ，１ｃと係合
し、案内ガイドシャフトに取付けるガイドネジ２１によ
り可動可能に取付けられ、更に図示しない横からの１ヶ
所の案内ガイドを加えた、４ヵ所のガイドによりスライ
ド動作が行われる。

【００１７】巻取り動作は、キャプスタンモータ４に設
けられた外周ギヤ部と係合したプーリギヤ５から伝達ベ
ルト６を介して、センターギヤ７へ回転伝達され、更に
センタギヤ７と同軸上に回動可能に設けられた巻取アイ
ドラ１１に伝達され回転方向によって首振動作し巻取リ
ールダイ１２又は供給リールダイ１３と噛合い、テープ
の巻取を行う。巻取リールダイ１２及び供給リールダイ
１３には、フェルトの摩擦を利用したトルクリミッター
構造になっており、ＲＥＷ及びＦＦ時にテープ傷付きを
生じない範囲のトルクリミッター値を設定している。

【００１８】図３において、テープ巻終りのカセット装
着状態を示している。この状態では、テープ２２は、カ
セット２１に設けられた樹脂一体成形のテープガイド２
１ａと２１ｂとに巻き付いており、この状態では、高速
巻戻しを行っても走行ロスが大きくなり、前記したテー
プ傷付きを生じない範囲で供給リールダイ１３に設けら
れたＲＥＷ時の巻取トルクリッミター値では巻き取れな
い。かつテープガイド２１ａと２１ｂの精度が保証され
ない為、テープ傷付の危険があり、高速巻戻しが行えな
い。

【００１９】図４は、カセット装着状態の図３の状態か
ら、ローディング動作を行い、図１１のローディング完
状態へ移動途中の高速巻戻し位置における平面図で、ロ
ーディング動作に伴って、可動シャーシ２が前進し、Ｉ
３ローラアーム１４が回動して、テープ２２を引き出
す。又、引出しアームＢ１５及び引出しアームＡ１６も
回動しテープ２２を引き出し、高速巻戻しのテープ走行
路を形成する。

【００２０】図５〜図８を用いて、高速テープ巻戻し位
置における、Ｉ３ローラアーム１４、引出しアームＢ１
５及び引出しアームＡ１６のローディング動作を説明す
る。Ｉ３ローラアーム１４は可動シャーシ２上に回動可
能に取付けられており、カセット装着状態では、可動シ
ャーシ２上に回動可能設けられたＩ３戻しバネ２３によ
って、Ｉ３付勢バネ２４の力に抗して時計回りに付勢さ
れ、可動シャーシ２に設けたストッパ部２ａに当接して
所定位置を保っている。又、Ｉ３戻しバネ２３は、ガイ
ドネジ２５と当接し、所定のバネ力をＩ３ローラアーム
１４に付加している。次に、高速巻戻し位置では、可動
シャーシ２の前進により、ガイドネジ２５とＩ３戻しバ
ネ２３の当接が解除される為、Ｉ３付勢バネ２４の力に
より、反時計方向に回動し、可動シャーシ２のサイド立
上げ部に当接する位置まで移動し、この動作によってＩ
３ローラ１４ａがテープを引き出す。そして、引き出し
アームＢ１５は、固定シャーシ１上に回動可能に取付け
られており、引き出しアームＢ１５上に案内溝１５Ｃが
設けられ、この溝と可動シャーシ２上に設けられた操作
ボス２８が係合しており、可動シャーシ２の前進によ
り、時計方向に回動する。引き出しアームＡ１６は、可
動シャーシ２上に回動可能に取付けられており、引き出
しアームＡ付勢バネ２６にて、反時計方向に付勢されて
いる。引き出しアームＡ２６は、ピンチローラアームＡ
Ｓ２７の突部２７ａ当接しており、ピンチローラアーム
ＡＳ２７に設けたＰ操作ピン２７ｂが固定シャーシ側に
伸びている。カセット装着状態では、Ｐ操作ピン２７ｂ
は、他の部材との当接はないが、可動シャーシ２の前進
により、操作アーム１９の立上り案内部１９ａと当接し
回動する。そして、それに伴って、突部２７ａにより引
き出しアームＡ２６が動作され、高速巻戻し位置では、
ガイドピンＢ１５ａとガイドピンＡ１６ａによりテープ
２２を引き出した所定位置まで移動する。次に巻取リー
ルダイ１２回りについて、図９と図１０を用いて説明す
る。カセット装着状態及び高速巻戻し位置では、巻取リ
ールダイ回りのブレーキ状態は図９に示す様になってお
り、可動シャーシ２上に回動可能に設けられたブレーキ
操作アーム１７がＢ付勢バネ２９により時計回りに付勢
されている。ブレーキ操作アーム１７には、Ｂ操作ボス
１７ａが、固定シャーシ１側に設けられており、可動シ
ャーシ２上に回動可能に設けられたブレーキアーム１８
と当接し、ブレーキアーム１８のギヤ部と巻取リールダ
イ１２との噛合いを解除している。ブレーキアーム１８
上には、ブレーキ制御アーム３２が回動可能に設けら
れ、同じくブレーキアーム１８上に設けられたブレーキ
アーム３１によって付勢され、ブレーキ制御アーム３２
は、巻取リールダイ１２の外周部と当接している。この
状態において、巻取リールダイ１２が回ると、摩擦力に
より、小さなトルクが発生し、ブレーキアーム１８を回
動させる力として働くが、前記ブレーキ操作アーム１７
の解除力により回動動作が行えない様になっている。ロ
ーディング完了状態では、図１０に示す様に、ブレーキ
操作アーム１７は、Ｂ操作ボスが操作アーム１９に当接
し、反時計方向に回動する為、ブレーキアーム１８との
当接が解除され、それにより、ブレーキアーム１８が回
動可能となり、巻取リールダイ１２が巻取方向に回転す
るとブレーキアーム１８のギヤ部が離れる方向の反時計
回りのトルクがブレーキ制御アーム３２と巻取リールダ
イ１２との回の摩擦力として発生し、逆に繰り出し方向
に回転すると、時計回りのトルクが発生するのでブレー
キアーム１８のギヤ部が巻取リールダイ１２のギヤ部と
噛合ってブレーキとなる。

【００２１】図４に戻ると、カセット内のテープガイド
２１ａと２１ｂとはテープ２２は離れており、走行ロス
が図３の状態と比べて下がり、供給リールダイ１３に設
けられたＲＥＷ時の巻取トルクリッミターにより巻取動
作が可能となる。この時にキャプスタンモータ４の回転
数がＲＥＷと同じであるとすれば、最小スリップ率を
１．２とするとＲＥＷのスピードに比べリールのテープ
の巻径により、約１．２〜３．２倍の速さ（平均約２
倍）で高速巻戻しができることになり、記録済テープを
早く巻戻せるという効果がある。

【００２２】尚、本実施例では、可動シャーシ方式の場
合の実施例を示したが、固定シャーシ方向においても、
高速テープ巻戻し位置において、カセット内のテープガ
イド２１ａと２１ｂと接触しない位置までテープを引き
出しを行えば、同様に高速巻戻しが可能である。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、カセットの装着をする
第１の位置とローディングを完了したテープの走行を行
う第２の位置の途中に第３の高速巻戻し位置を設けるこ
とにより、ＲＥＷよりも速いスピードでテープの巻戻し
を行え、特に巻戻し時間の遅い小型８ミリムービなどで
は記録済のテープを複雑な機構を用いることなく、早く
巻戻しができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテープ走行装置を示す平面図である。

【図２】本発明の固定シャーシを示す平面図である。

【図３】本発明のカセット装着位置でのテープ走行装置
の平面図である。

【図４】本発明の高速巻戻し位置におけるテープ走行装
置の平面図である。

【図５】本発明のカセット装着位置におけるＩ３ローラ
アーム付近の要部平面図である。

【図６】本発明の高速巻戻し位置におけるＩ３ローラア
ーム付近の要部平面図である。

【図７】本発明のカセット装着位置における引出しアー
ムＡ及びＢの要部平面図である。

【図８】本発明の高速巻戻し位置における引出しアーム
Ａ及びＢの要部平面図である。

【図９】本発明のカセット装着位置における巻取リール
ダイ回りの平面図である。

【図１０】本発明の高速巻戻し位置における巻取リール
ダイ回りの平面図である。

【図１１】本発明のローディング完状態でのテープ走行
路を示す概略平面図である。

【符号の説明】

１…固定シャーシ、 ２…可動シャーシ、 ４…キャプスタンモータ、 ８…ローディングモータ、 １２…巻取リールダイ、 １４ａ…Ｉ３ローラ、 １５ａ…ガイドピンＢ、 １６ａ…ガイドピンＡ、 ２１…カセット、 ２２…テープ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カセット内よりテープを引き出し、回転磁
   気ヘッドにテープを巻き付け記録再生を行い、ＦＦ／Ｒ
   ＥＷ動作も前記回転磁気ヘッドに巻き付けたままピンチ
   ローラ駆動にてテープの早送り巻戻し動作を行う磁気記
   録再生装置において、カセットを装着する第一の位置か
   らテープを引き出し、回転磁気ヘッドにテープを巻き付
   け記録再生及びＦＦ／ＲＥＷを行う第２の位置まで動作
   するテープ引出し手段と、前記テープ引出し手段を動作
   させる為の駆動手段と、巻取トルクのリミッターを巻取
   リールダイ及び供給リールダイの各々に設けたテープ巻
   取手段とを備え、前記第１の位置と前記第２の位置の途
   中に、前記テープ引出し手段によりカセット内よりテー
   プを引き出し、前記テープ巻取手段によりＲＥＷよりも
   速く高速巻戻しを行う第３の位置を設けたことを特徴と
   する磁気記録再生装置の高速テープ巻戻し機構。
2. 【請求項２】請求項１において、前記記録再生装置は、
   ２重シャーシ構造であり、第１の位置から第２の位置へ
   は可動シャーシがスライド動作を行い、前記第３の位置
   は、スライド動作の途中に設けたことを特徴とする磁気
   記録再生装置の高速テープ巻戻し機構。