JPH06259103A - 適応制御方法、適応制御装置 - Google Patents

適応制御方法、適応制御装置

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JPH06259103A
JPH06259103A JP5045447A JP4544793A JPH06259103A JP H06259103 A JPH06259103 A JP H06259103A JP 5045447 A JP5045447 A JP 5045447A JP 4544793 A JP4544793 A JP 4544793A JP H06259103 A JPH06259103 A JP H06259103A
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JP5045447A
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English (en)
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Yutaka Saito
裕 斉藤
Satoru Hattori
哲 服部
Masaaki Nakajima
正明 中島
Yasunori Katayama
恭紀 片山
Kenichi Yoshioka
健一 吉岡
Takashige Watabiki
高重 渡引
Takashi Okada
岡田  隆
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Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御特性の時間変動が大きい制御対象を、常
に最適な制御方式及び制御定数でもって制御する。 【構成】 センサ2で検出した制御対象1の状態量から
制御対象1の状態を診断機構8で診断し、その結果に応
じて統括機構10が制御モデルや目標値、制御パラメー
タなどをセットアップ制御機構6及びフィードバック制
御機構5に設定し、この結果得られた制御機構によりア
クチュエータ3を駆動して制御対象1を制御する。 【効果】 制御対象の状態に応じた最適な制御モデル及
び制御パラメータなどで制御できるから、制御性能が向
上するとともに、機器の損傷を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は適応制御方法及びその装
置に関わり、特に圧延機における非圧延材の板厚一定制
御のような、その特性が大きく変動する制御対象の制御
に好適な適応制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機における被圧延材の板厚一定制御
では、たとえば長時間の運転時間中に非圧延材の温度が
大きく変化し、その物理定数の変化のために圧延特性が
大きく変わる。このような特性の時間的変動の大きい制
御系では、圧延特性をそのままモデル化すると非線形微
分方程式で表される。このような制御対象の微分方程式
を非線形のままで解いて制御する方法はないので、従来
は制御対象の時間的変化分を無視して微分方程式の定常
解を解くようにして、動作点を決定し、その近傍で制御
対象を線形近似して制御量が動作点に落ちつくようにフ
ィードバック制御を行っていた。このような制御方法は
一般にセットポイント制御と呼ばれ、特に圧延機の分野
ではセットアップ制御と呼ばれている。
【0003】セットポイント制御においては、制御対象
の特性が時間の経過につれて変化したとき、改めて動作
点を定め、それに応じた最適な線形制御系を実現する必
要がある。これをニューラルネットワークを用いて自動
的に行えるようにした従来例に特開平2−308303
号、特開平3−25601号、特開平3−118606
号に示されたものがある。これらはいずれも、制御対象
の状態量や設定された制御目標値(動作点)を入力とし
たニューラルネットワークあるいは推論機構により制御
対象の状態をチェックし、線形化した制御系のパラメー
タや目標値をそのチェックの結果に応じて設定できるよ
うにしたものであり、制御対象の状態に適した制御が行
える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、制御アルゴリズムあるいは制御方式は予め決まった
もので一定であり、制御対象の状態変化に対してはその
制御アルゴリズムあるいは制御方式のパラメータを最適
化するというものであった。ところが例えば圧延機にお
いて、加減速を実施している場合は指令に追従できるサ
ーボ系が適切で、定常状態では指令が変化しないので外
乱除去能力の大きいレギュレータ系が望ましい。しかし
従来技術では、このような制御方式の変更は行われてお
らず、行うとしてもその変更は機構が複雑になり、容易
ではなかった。
【0005】本発明の目的は、制御特性の時間変動が大
きく、非線形性の強い対象の制御を常に最適な制御方式
及び制御定数でもって制御するための適応制御方法及び
その装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、センサに
より検出された制御対象の状態量から制御対象の状態を
診断する診断手段と、上記制御対象の状態量をその目標
値に一致するように制御するフィードバック制御手段と
を備え、上記診断手段による診断結果に応じて上記フィ
ードバック制御手段の制御方式及び目標値を含むパラメ
ータを変更することにより達成される。
【0007】
【作用】診断手段にニューラルネットワーク及び推論機
構を設けることで、制御対象の動作状態を正確に把握で
きるから、その結果に応じて制御方式、目標値及びその
他の制御パラメータを最適に自動設定できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。図1は本発明の適応制御装置の一実施例を示すブロ
ック図で、圧延機のような非線形性の強い制御対象1に
は、動作状態を検出するセンサ2と、外部からの指令で
動作状態を変化させるアクチュエータ3が設置され、セ
ンサ2の出力である状態量4はセットアップ制御機構
6、フィードバック制御機構5及び診断機構8へ入力さ
れる。診断機構8は診断結果9を統括機構10へ出力す
る。統括機構10は診断結果9をもとにセットアップ制
御機構6に制約条件や目的関数12を与え、フィードバ
ック制御機構5には制御方式の変更や制御パラメータ1
1などを与える。
【0009】図2は、図1の制御対象1が圧延機の場合
の概要を示したもので、対向する1組のロール13の間
隙を制御するための油圧圧下装置15により発生する圧
延荷重と、ロール13の軸に直結された電動機16の速
度を変化させることにより変化する張力とが被圧延材1
4に加えられて、被圧延材は所定の板厚に制御される。
これら油圧圧下装置15と電動機16が図1のアクチュ
エータ3に対応し、それらの動作を規定するのが指令7
である。
【0010】図1のセンサ2は、図2の電動機16の軸
に直結されて、電動機16の速度を検出するパルスジェ
ネレータ(PG)17、被圧延材14の板厚を計測する
板厚計18、被圧延材14の張力を計測する張力計1
9、及びロール13に取り付けられ前記荷重を検出する
荷重計20に対応し、それらの出力が図1の状態量4で
ある。
【0011】図3は診断機構8の一実施例を示すブロッ
ク図で、センサ2の出力である状態量4の一部は、ニュ
ーラルネットワーク21に入力され、予測状態または特
徴量22が出力される。これと状態量4のそれ自身とし
て意味を持つデータとは、推論機構23に入力される。
推論機構23は、知識ベース24を用いて推論を実行
し、その診断結果9は統括機構10に入力される。
【0012】図4は、推論機構23及び知識ベース24
の構成例を示すもので、推論制御機構25は特徴量22
と状態量4を受けて、プロダクション推論機構28、フ
レーム推論機構30、ファジイ推論機構32を起動し、
上記受けたデータを推論入力26としてこれら起動した
機構へ渡す。プロダクション推論機構28はプロダクシ
ョンルール29を、フレーム推論機構30はフレーム3
1を、ファジイ推論機構32はファジイルール33を用
いて推論を実行し、推論結果27を推論制御機構25へ
渡す。
【0013】図5はプロダクションルール29の一例を
示すもので、これは断片的な整理されていない知識を記
述するのに向いた方法である。そしてプロダクション推
論が断片的なルールを整理し結論を導く。そのためのプ
ロダクションルール29は、ルールが起動される条件を
示す前件部34と、前件部34の条件が成立したときに
成り立つ後件部35からなり、後件部35には、最終結
論か中間状態かを示す終端フラグ部36と、後件部に付
随して利用される情報であるその他の情報部37が付加
されている。
【0014】図6はプロダクション推論機構28の動作
を表すフローチャートで、入力をレジスタに格納するス
テップ110、ルール29を最初から最後まで順番に取
り出すステップ120、ルールが取り出せた場合に前記
レジスタの内容と取り出したルールの前件部が一致する
かを判定するステップ130、一致した場合に結論部が
終端か否かを終端フラグ36で判定するステップ14
0、結論部が終端でない場合に結論部を中間状態として
スタックに積み込むステップ150、ステップ140の
判定が終端であった場合に、結論部を取り出し、結論の
レジスタに積み込む(プッシュする)ステップ160、
複数の結論が必要か否かを判断するステップ170、ス
テップ120でルールがなくなった場合に起動され、ス
タックに情報が積まれているか否かを判定するステップ
190、ステップ190でスタックに情報が積まれてい
ると判定された場合にスタックの内容を取り出し(ポッ
プする)、それを入力とするステップ210、このステ
ップ210で得られた入力を用い、再起的にプロダクシ
ョン推論を呼び出すステップ220、及び本プロダクシ
ョン推論を呼び出した場所へ制御を戻すステップ180
から構成される。なお、本推論は縦型探索と呼ばれる方
法を述べたが、横型探索という方法がある。これらを組
み合わせて結論を導く高速化手法があるが、ここでは本
質でないので省略する。
【0015】図7は、フレーム推論30に用いられる知
識としてのフレーム31の例を示したもので、このよう
なフレームは関連のある知識をまとめるのに有効な手段
である。フレームは名称51を表す内容52、この名称
の実態を表すカテゴリを示す項目53、その内容54と
値55から構成される。この例では、圧延機というもの
は、アクチュエータの項目に電動機及び油圧圧下装置と
いう内容があり、それぞれの値55はポインタであっ
て、これらポインタは、それぞれの詳細が記述されてい
る電動機及び油圧圧下装置のフレームを指している。ま
た、センサのカテゴリでは荷重計、張力計、速度計など
があり、その値55は、例えば荷重計の値1000トン
のように、時々刻々リフレッシュされる値である。この
フレームを見れば、圧延機の状態が分かる。
【0016】図8は、フレーム推論30のフローチャー
トを示すもので、フレームの名称内容が一致するフレー
ムの項目を、順次上から取り出すステップ310、項目
と推論入力である調査内容のカテゴリが一致するか否か
を判定するステップ320、一致した項目の内容と調査
内容とが一致するか否かを判定するステップ330、こ
のステップで一致した項目の値をスタックに積むステッ
プ340、ステップ310で項目がなくなった場合、ス
タックから情報を取り出すことによりスタックが空か否
かを判定するステップ360、スタックの内容がポイン
タか否かを判定するステップ370、このステップ37
0の判定結果がポインタならば、未調査の項目などを推
論入力として設定するステップ380、本フレーム推論
を再帰的に呼び出すステップ390、ステップ370の
判定の結果スタックの内容が値であることが分かると、
そのスタックの内容を結論とするステップ400、及び
本フレーム推論を呼び出したところに制御を戻すステッ
プ410から構成される。
【0017】図9は、ファジイ推論32で用いるファジ
イルール33の構成例を示す。ファジイルール33は、
定性的な表現の前提条件を表す前件部81、前件部81
が成立した時点で成立する結論部82、及び結論に付随
するその他の情報部から構成されている。
【0018】図10は、これらファジイルール33を用
いて推論を行うファジイ推論32の構成を示す。センサ
2からの出力は、ファジイ推論の前件部を処理する前件
部処理装置90、該装値90の出力を用い個別ルールの
適用できる確信度を求める結論部処理91、及び結論部
処理の各結論部の重心を求める結論合成処理92から構
成される。前件部処理装置90を構成するメンバーシッ
プ関数器93、97、94、95は、入力信号の大きさ
に対応して前記ファジイルール33で記述される定性的
表現を定量的表現に変えるものであり、例えばメンバー
シップ関数器93は“大きい”を表し、入力α1がある
第1の値以上は確信度を1とするように出力し、他のあ
る第2の値以下は確信度を0とし、上記第1及び第2の
値の間は直線で結ぶような関数である。なお、直線で結
ぶ以外に、特殊な関数で近似する場合もある。同様なメ
ンバーシップ関数器97は、関数器93と同一入力α1
が入力され、中、低度を表すメンバーシップ関数とな
る。他の信号α2、α3が入力されているメンバーシップ
関数器94、95の出力と合わせて、メンバーシップ関
数器93の出力は、結論処理器96に入力される。い
ま、関数器93、94が定性的表現を大とする、関数器
95は小とすると、結論処理器96に入力されるのは信
号α1が大で、信号α2が大で、信号α3が小ならば・・
・というもので、結論処理器96はこれに応じた出力を
与えるルールと見なせる。結論処理器96の出力値をβ
1でその重みをδ1、結論処理器98の出力値をβ2でそ
の重みをδ2、・・・とする。ここでδ1、δ2・・・の
大きさは、そのルールだけが適用された場合のファジイ
推論の出力値である。これら個別ルールの結論を統合し
て1個の結論を導くのが結論部合成部92である。この
演算は
【数1】 δ=(β1122+・・・)/(β12+・・・) で表される。
【0019】図3の診断機構8のもう1つの構成要素で
あるニューラルネットワーク21は、特徴量や情報の予
測値を求めるもので、特徴量を求めるニューラルネット
ワークは従来からよく知られている。一方、予測値を求
めるニューラルネットワークの学習は図11のようにし
て行われる。即ちニューラルネットワークNNの入力部
にメモリMを備える。このメモリはシフトレジスタなど
で構成されたFIFO形のメモリで、数ステップ前の入
力状態が記憶されている。このうち、時間の古いt
らtiまでをニューラルネットワークの入力、ti+1から
kまでを教師信号として、誤差が最小になるように逆
伝搬アルゴリズムを用い、ニューラルネットワークの荷
重係数を決定する。
【0020】図12は、学習が終了したニューラルネッ
トワークの動作を示すもので、センサ出力などの時刻t
0〜tiの時系列データが入力されているとする(現在の
時刻はti)。このときニューラルネットワークNNの
出力からは、同図の破線部分で示されるトレンド情報が
得られる。
【0021】以上が図1の診断機構8の構成である。次
に図13を用いて統括機構10を説明する。統括機構1
0では、まず診断機構8の出力である診断結果9を管理
機構500へ受け取る。管理機構500は、診断結果9
の番号毎に、セットアップ制御のモデルとパラメータ、
及びフィードバック制御の制御方式を記憶したデータベ
ース501を参照しながら、セットアップ制御に対する
制約条件、目的関数、モデル、パラメータなどを出力す
る。と同時に、フィードバック制御機構5に対しても、
制御方式とそれに付随する制御パラメータを出力する。
セットアップ制御機構6は、統括機構10より出力され
た制約条件、目的関数、モデル、パラメータなどを用
い、ある動作点でセットアップ計算を実行する。セット
アップ計算の結果、動作点が変更され、フィードバック
制御機構5に変更された目標値が引き渡される。さら
に、フィードバック制御機構5は、セットアップ制御系
により変更された新しい目標値のもとに、管理機構50
0から渡されたフィードバック制御系の新しい制御方式
と、その制御パラメータをもとに制御を実施する。
【0022】次に、以上に説明した構成の制御装置の簡
単な動作例を例題を用いて説明する。図14(a)は第
iスタンドの電動機温度のトレンドを表しており、これ
はニューラルネットワーク21に入力され、温度変化の
予測が行われる。このときの圧延機の各スタンドの圧下
率の一例が図14(b)に示されている。この圧下率
は、セットアップを決定するのに必要な制約条件であ
り、経験的に決定される。ニューラルネットワーク21
の電動機温度予測値地が、図14(c)に示すように温
度限界のθmaxをti時間で越えるとすると、その結果プ
ロダクション推論28が起動される。このときプロダク
ションルールの前件部38(図5)が満足されるため、
図6のステップ110、120、130、140、16
0、170、180を介して結論、即ち当該スタンドの
圧下率を下げるという結論が出力される。それと同時に
図5の付属情報の、セットアップ制御系を起動、という
情報を用い、統括機構10で図14(d)に×印で示し
たような圧下率を設定する。これは第iスタンドの圧下
率を上昇させ、他のスタンドの圧下率を下降させるもの
である。この設定された圧下率を目標としてフィードバ
ック制御が行われ、電動機の温度上昇が防げ、機器の信
頼性が向上する。
【0023】次に図15を用いてファジイ制御の動作例
を示す。圧延荷重の値α1が関数器93に入力される。
この関数器93は、図9のファジイルール33の前件部
81内のルール84に相当する処理で、出力値である確
信度はβ1である。同様に先進率が負であるというルー
ル85は、図15の関数器95で表現されており、先進
率の値α2が入力されると、出力はβ2となる。個別の結
論部処理91はミニマックス処理で、β1、β2の小さい
方の値β1が選択される。このときの結論に対する重み
はδ1に設定されているとする。結論部合成部92は、
他の結論とそれに対する重みδ2、・・・δnから(数
1)にしたがってδという結論を導く。この結論の確信
度の値がこのルールを適用する度合であり、図9のファ
ジイルールから結論はスリップが発生する可能性が高
く、張力設定値及びATR(張力制御)のゲインを低下
しなさいとの結論が得られる。この結論を受けて、統括
制御10は、セットアップ制御6に張力設定値を下げる
指令を与え、又フィードバック制御系5のゲインを下げ
る。こうして制御のアンバランスで生じる可能性のある
スリップを防止でき、良好な制御性を維持できる。
【0024】図16はフレーム推論の例を示すもので、
電動機制御器内のGTO電流がセンサ2を介して推論機
構23へ入力されている。圧延機のアクチュエータであ
る電動機の要素のGTO1の電流値がimaxを越えたと
いう入力が発生したとすると、図8のフレーム推論30
によりフレーム31が参照されながら推論が実行され
る。即ち、圧延機のアクチュエータの電動機が一致し、
その値であるポインタから電動機のフレームが起動さ
れ、さらにGTO1の電流値と一致することにより、そ
の電流値がimaxを越えているので、故障で非常停止と
いう結論を得る。その結果、統括機構10が緊急停止処
理を実行し、GTO1の電流は図17のように停止さ
れ、圧延機が非常停止とされる。その結果、GTOのよ
うに壊れ易く、高価な装置を破壊から防ぐことができ
る。
【0025】次に、診断機構による診断結果により制御
方式が変更される例を説明する。図18は、図13の統
括機構10内に格納されたデータベース501の一例を
示しており、制御対象は圧延機である。ここで、番号は
図13で述べたように診断結果を表しており、例えば診
断結果“3”はパラメータ変動が大きく、制御モデルが
外れる可能性が高い場合で、このときはゲージメータ式
に無駄時間を考慮したモデルが必要で、制御方式として
は Smith-AGC(Automatic Guage Control) を適用すべき
であることを示している。また診断結果“4”は、パラ
メータの変動が小さく、モデルがよい制度で求められる
場合で、モデルとしては状態方程式、パラメータは
“4”、制御方式は最適サーボ制御を採用すべきである
ことを示している。
【0026】1つの動作例として、板厚h、ロール間隔
sを横軸に、荷重を縦軸にとった荷重曲線として、被圧
延材の仕様から図19の実線510が当初推定されたと
する。また、被圧延材とロールをばね系として求めた直
線511(ゲージメータ式)が動作点となり、その時の
ロールの出側板厚がh0、荷重がP0、横軸とゲージメー
タ式の交点S0がその時のロールギャップの設定値で、
荷重曲線510と横軸の交点H0が母材(ロールの入
側)板厚である。ところで、圧延機の荷重曲線510
は、ロール温度、被圧延材の温度、圧延油の濃度、ロー
ルの摩耗状態などの不確定要因で変化するから、荷重曲
線は1点鎖線の間に囲まれた斜線部分内で変動する。こ
のように、データの変動が大きいと、診断機構8は診断
結果“3”を出力する。
【0027】この結果を受けて管理機構500は、図2
2に示すモデルと制御機構とパラメータのセットを出力
する。ここで、圧延現象513、514、515は圧延
機のモデルを示し、ゲージメータ式と荷重曲線をまとめ
て表したものである。このうちブロック513はロール
ギャップ偏差を荷重偏差に変換する変換係数、ブロック
514は荷重偏差を板厚に換算するばね定数、Kは前記
ゲージメータ式511の傾きを表すパラメータ、Mは荷
重曲線510とゲージメータ式511の交点512にお
ける荷重曲線の接線の傾きを示している。油圧圧下装置
の等価遅れを表す一時遅れ系516と、油圧圧下装置の
位置を表す積分器517が、アクチュエータであるとこ
ろの油圧圧下装置の等価回路であり、これは直線フィー
ドバックに相当する。ブロック518は、荷重を圧下指
令にフィードバックするゲージメータ式AGCのフィー
ドバック経路である。ブロック519は、ロールギャッ
プ偏差の実際値△S、計測器の誤差△SZとを加算し、
ロールギャップ計測値△Saを求める演算子である。荷
重をばね定数で割った値(ブロック520出力)と前記
ロールギャップ計測値△Saを加算器521で加算して
求めた板厚推定値△hg はフィードバックされる。板厚
センサの無駄時間を表すブロック523の出力である板
厚偏差計測値△hxと、板厚推定値△hgの無駄時間を補
償器524で補償したものとの差は、板厚推定値の偏差
であり、これはフィルタ525を通して、板厚の基準値
△hrefと比較され、モニタフィードバックを構成す
る。比例項526は偏差に対する応答性を向上する目的
のために付加されたものであり、積分項522は計測器
の誤差△Szを修正するためのものである。ブロック5
27は、板厚の偏差をゲージメータ式の次元に合わせる
ための変換係数である。このような系にすると、パラメ
ータK、Mの値が多少ずれても、ロバストな制御が可能
である。
【0028】一方、図20のようにパラメータが余りず
れない場合は、制御モデルを正確に作成でき、この場合
のモデルとして状態方程式を作成することで、精度のよ
い制御が可能となる。この場合の制御系である最適サー
ボ制御系を図23に示す。状態変数をロールギャップ△
S、ロール周速△Vr、張力偏差△τにとり、制御量を
h、τとすると、現代制御理論(例えば土谷武士、江上
正共著「現代制御工学」p141〜152、産業図書
刊、1991年4月)記載による方法によって、フィードバ
ック係数f11、f12、f13、f21、f22、f23
e11、fe12、fe21、fe22を求めることができる。こ
の方式は、前記のsmithAGC と比較すると精度がよいこ
とが分かるが、モデルが狂うと制御性能が大幅に劣化す
ることが知られている。
【0029】さらに、図21のように、当初の圧延曲線
設定カーブ530が斜線の領域に変化し、その破線領域
の中心に位置する曲線531が求められる場合、 セッ
トアップ制御系は当初の目標値h0をhに変更して出力
するようになる。その結果、フィードバック制御系の負
担が軽減されることになる。この変更が行われないと、
フィードバック制御系が動作点を自動的にh0からhに
移すことになり、その結果制御の余裕が低減してその制
御性能が劣化するが、本実施例ではこれを防ぐことがで
きる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、動作点の大きく変化す
る圧延器のような制御対象の状態を監視することによ
り、その状態に応じて動作点や制御アルゴリズム、フィ
ードバックパラメータを適宜変更でき、制御性能が向上
するとともに、機器の損傷を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】制御対象の例を示す図である。
【図3】診断機構の構成例を示す図である。
【図4】推論機構の例を示す図である。
【図5】プロダクションルールの例を示す図である。
【図6】プロダクション推論のフローチャートである。
【図7】フレーム知識の例を示す図である。
【図8】フレーム推論のフローチャートである。
【図9】ファジイルールの例を示す図である。
【図10】ファジイ推論処理の説明図である。
【図11】ニューラルネットワークの予測動作の学習方
法の説明図である。
【図12】ニューラルネットワークの予測動作の説明図
である。
【図13】統括機構の例を示す図である。
【図14】プロダクション推論の動作例を示す図であ
る。
【図15】ファジイ推論の動作例を示す図である。
【図16】フレーム推論の動作例を示す図である。
【図17】図16の動作例におけるGTO電流の例を示
す図である。
【図18】統括機構内のデータベースの例を示す図であ
る。
【図19】圧延機の荷重曲線の変動例を示す図である。
【図20】圧延機の荷重曲線の変動例を示す図である。
【図21】圧延機の荷重曲線の変動例を示す図である。
【図22】圧延機の1つのモデル及びその Smith-AGC
方式による制御回路の例を示すブロック図である。
【図23】圧延機の1つのモデル及びその最適サーボ方
式による制御回路の例を示す図である。
【符号の説明】
1 制御対象 5 フィードバック制御 6 セットアップ制御 8 診断機構 10 統括機構 21 ニューラルネットワーク 23 推論機構 24 知識ベース 28 プロダクション推論 29 プロダクションルール 30 フレーム推論 31 フレーム 32 ファジイ推論 33 ファジイルール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 正明 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 片山 恭紀 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 吉岡 健一 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 渡引 高重 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 岡田 隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の状態量をその目標値に一致す
    るようにフィードバック制御する制御方法において、セ
    ンサにより検出された制御対象の状態量から制御対象の
    状態量を診断し、この診断結果に応じて、フィードバッ
    クによる制御方式及び目標値を含むパラメータを変更す
    ることを特徴とする適応制御方法。
  2. 【請求項2】 センサにより検出された制御対象の状態
    量から制御対象の状態を診断する診断手段と、上記制御
    対象の状態量をその目標値に一致するように制御するフ
    ィードバック制御手段とを備え、上記診断手段による診
    断結果に応じて上記フィードバック制御手段の制御方式
    及び目標値を含むパラメータを変更することを特徴とす
    る適応制御方法。
  3. 【請求項3】 前記制御方式は、直結フィードバック制
    御、最適サーボ制御、最適予見サーボ制御、比例積分制
    御、及び比例積分微分制御を含むことを特徴とする請求
    項1又は2記載の適応制御方法。
  4. 【請求項4】 センサにより検出された制御対象の状態
    量から制御対象の状態を診断する診断手段と、上記制御
    対象の状態量をその目標値に一致するように制御するフ
    ィードバック制御手段と、上記診断手段による診断結果
    に応じて上記フィードバック制御手段の制御方式及び目
    標値を含むパラメータを変更する統括制御手段とを備え
    たことを特徴とする適応制御装置。
  5. 【請求項5】 前記診断手段は、制御対象の状態量検出
    値からその今後の予測値を予測するためのニューラルネ
    ットワークを有し、該ニューラルネットワークの出力を
    用いて制御対象の状態を診断することを特徴とする請求
    項4記載の適応制御装置。
  6. 【請求項6】前記診断手段は、前記制御対象の状態量検
    出値と前記ニューラルネットワークによる予測値とを用
    いて制御対象の状態を推論するための推論機構及び知識
    ベースを有することを特徴とする請求項5記載の適応制
    御装置。
  7. 【請求項7】 前記推論機構は、プロダクション推論機
    構、フレーム推論機構、及びファジィ推論機構の1つま
    たは複数を含むことを特徴とする請求項6記載の適応制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記制御方式は、直結フィードバック制
    御、最適サーボ制御、最適予見サーボ制御、比例積分制
    御、及び比例積分微分制御を含むことを特徴とする請求
    項4記載の適応制御装置。
  9. 【請求項9】 上記制御対象は板厚一定制御を行う圧延
    機とする請求項4記載の適応制御装置。
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