JPH05204407A - プロセスの特性予測方法ならびにその予測方法を用いたプロセスの監視方法およびプロセスの制御方法 - Google Patents

プロセスの特性予測方法ならびにその予測方法を用いたプロセスの監視方法およびプロセスの制御方法

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JPH05204407A
JPH05204407A JP4013446A JP1344692A JPH05204407A JP H05204407 A JPH05204407 A JP H05204407A JP 4013446 A JP4013446 A JP 4013446A JP 1344692 A JP1344692 A JP 1344692A JP H05204407 A JPH05204407 A JP H05204407A
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JP
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regression analysis
predicted
neural network
multiple regression
pattern
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JP4013446A
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English (en)
Inventor
Shinji Okamoto
紳二 岡本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】短時間で精度よくプロセスの出力値の変動パタ
ーンを予測する。 【構成】プロセス1の状態を表す変量として状態量x1
〜xp および出力量yを所定時間間隔でサンプリングす
る。各サンプリング時点から過去の所定期間前までのサ
ンプリング値を用いて重回帰分析部2で重回帰分析を行
うことにより、偏回帰係数を求める。偏回帰係数のパタ
ーンをニューラルネットワーク3で分類することによ
り、プロセス1の出力値yの変動パターンを予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセスの特性予測方
法ならびにその予測方法を用いたプロセスの監視方法お
よびプロセスの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、製造プラントのように時間の経
過とともに状態が変化するプロセスを望ましい状態に制
御したりプロセスを監視したりするには、プロセスの特
性を把握して変動を予測することが必要である。しかし
ながら、プロセスの状態を表す変量(操作量、内部の状
態の検出量、制御量等)には多数の種類があるから、各
変量の干渉などを配慮する必要があり、プロセスの動特
性を理論的に正確に把握するのは困難である。すなわ
ち、時間とともに変化するプロセスを含むシステムの同
定は困難であって変動を予測するのは困難である。
【0003】多数の変量に基づいて予測を行う手法とし
て、多重線形回帰モデルに基づく重回帰分析が知られて
いる。重回帰分析をプロセスの特性の変動の予測に用い
るには、時系列的に並んだ過去の変量に基づいて重回帰
式を求め、重回帰式に現在の変量を当てはめることによ
って線形予測を行うことが考えられる。しかしながら、
現実のプロセスでは、非線形性が強い場合やあいまい性
が強く数式化することが困難な場合があり、このような
プロセスでは重相関係数が小さくなるから偏回帰係数は
不適当なものになり、プロセスの状態を精度よく認識で
きないという問題がある。すなわち、現実のプロセスで
は精度のよい予測ができないという問題がある。
【0004】一方、プロセスの特性は理論的に把握する
のが困難であるから、理論的な記述を行わずに、システ
ムの状態を表す各変量の過去の所定期間のデータを神経
回路網モデルに基づくニューラルネットワークを用いて
分類することによってプロセスの出力値の変動を予測す
ることも考えられている(特開平3−25601号公報
等)。すなわち、プロセスの目標値、偏差、操作量、制
御量などの状態を表す変量を適宜組み合わせ、各変量に
ついて過去の所定期間のデータをニューラルネットワー
クの入力とし、このニューラルネットワークの出力結果
に基づいてシステムの安定性を判別するのである。ニュ
ーラルネットワークに適切な学習情報を与えておけば、
非線形性の強い場合やあいまい性が強い場合であっても
精度の高い判別結果が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
では、ニューラルネットワークに対して多数の変量につ
いて各変量ごとに過去の所定期間のデータを入力するこ
とになるから、入力すべきデータが膨大であってニュー
ラルネットワークを構成するエレメントの数が膨大なも
のになり、エレメントの数が増えればそれだけ処理時間
も長くなるという問題が生じる。処理時間を短縮するに
は、変量を取り出す期間を短縮して入力データ数を削減
することが考えられるが、その場合には予測精度が不足
するという問題が生じる。すなわち、所望の精度を得よ
うとすれば処理時間が長くなって実時間での予測が困難
になり、処理時間を短縮しようとすれば所望の精度が得
られなくなるという問題が生じるのである。
【0006】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、プロセスの特性の予測にあたって、比較的短
時間で精度のよい予測が行えるようにしたプロセスの特
性予測方法ならびにその予測方法を用いたプロセスの監
視方法およびプロセスの制御方法を提供しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記目的を達成するために、プロセスの状態を表す複数の
変量を測定し、測定時点から所定時間前までの過去の所
定期間の各変量に基づく重回帰分析を行い、少なくとも
偏回帰係数に基づいてプロセスの特性の変動パターンを
予測するパターン分類器としての学習情報が与えられて
いるニューラルネットワークに、重回帰分析により求め
た値を入力することによって、測定時点以後のプロセス
の特性の変動パターンを予測するのである。
【0008】請求項2の発明では、プロセスの状態を表
す複数の変量を測定し、測定時点から所定時間前までの
過去の所定期間の各変量に基づく重回帰分析を行い、少
なくとも偏回帰係数および各偏回帰係数に関する検定統
計量に基づいてプロセスの特性の変動パターンを予測す
るパターン分類器としての学習情報が与えられているニ
ューラルネットワークに、重回帰分析により求めた値を
入力することによって、測定時点以後のプロセスの特性
の変動パターンを予測するのである。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2のプロセスの特性予測方法を用いたプロセスの監視方
法であって、少なくともプロセスの現在の出力量と予測
したプロセスの出力の変動パターンとに基づいて、プロ
セスの出力量が既定の範囲を逸脱すると予測されるとき
に報知するのである。請求項4の発明は、請求項1また
は請求項2のプロセスの特性予測方法を用いたプロセス
の制御方法であって、少なくともプロセスの現在の出力
量と予測したプロセスの出力の変動パターンとに基づい
て、プロセスの出力量が既定の範囲を逸脱しないように
プロセスの操作量を制御するのである。
【0010】請求項5の発明は、プロセスの状態を表す
複数の変量を測定し、測定時点から所定時間前までの過
去の所定期間の各変量に基づく重回帰分析を行い、少な
くとも偏回帰係数およびプロセスを制御する制御装置の
制御定数とに基づいてプロセスの特性の変動パターンを
予測するパターン分類器としての学習情報が与えられて
いるニューラルネットワークに、重回帰分析により求め
た値と測定時点の制御装置の制御定数とを入力すること
によって、測定時点以後のプロセスの特性の変動パター
ンを予測し、少なくともプロセスの現在の出力量と予測
した変動パターンとに基づいて、プロセスの出力量が既
定の範囲を逸脱しないようにプロセスの操作量と制御装
置の制御定数との少なくとも一方を制御するのである。
【0011】
【作用】請求項1の方法によれば、プロセスの状態を表
す変量について測定時点より前の過去の変量に基づく重
回帰分析を行った後に、重回帰分析により求めた値をニ
ューラルネットワークに入力してパターンを分類してい
るのであり、従来のように、プロセスの状態を表す各変
量について過去の所定期間のデータをニューラルネット
ワークに直接入力するのではなく、各変量の過去の所定
期間のデータに基づく重回帰分析の結果によって得られ
た値をニューラルネットワークに入力しているから、同
じデータを扱いながらもニューラルネットワークへの入
力データ量は大幅に削減されることになる。すなわち、
ニューラルネットワークへの入力データについて前処理
として重回帰分析を行うことにより、ニューラルネット
ワークの規模を大幅に縮小することができるのであっ
て、ニューラルネットワークの内部処理の時間を大幅に
短縮することができるのである。重回帰分析は従来より
知られているアルゴリズムによって実時間で演算するこ
とができるから、ニューラルネットワークの内部での処
理時間を大幅に短縮したことによって、同じデータ量に
対する全体的な処理時間が短縮されることになる。要す
るに、重回帰分析の処理によってデータ量を圧縮するこ
とができ、かつ、重回帰分析では不得意である非線形性
やあいまい性をニューラルネットワークで処理すること
によって、プロセスの特性の変動を、短時間で精度よく
予測することができるのである。
【0012】請求項2の方法によれば、少なくとも偏回
帰係数と各偏回帰係数に関する検定統計量とに基づいて
プロセスの特性の変動パターンを予測するので、偏回帰
係数のみを用いる場合に比較すれば、偏回帰係数の妥当
性をも加味した情報によって変動パターンを予測するこ
とができるのである。すなわち、各偏回帰係数が有意で
あるかどうかを変動パターンの予測基準に用いることに
なるから、非線形性やあいまい性の強い変動パターンに
対してより精度の高い予測が可能になる。
【0013】請求項3の方法によれば、プロセスの現在
の出力量に以後のプロセスの特性の出力の変動パターン
を加えることによって、以後の出力量を予測して異常の
報知ができるから、異常の発生前に警報を報知できるこ
とになる。請求項4の方法によれば、プロセスの現在の
出力量に以後のプロセスの特性の出力の変動パターンを
加えることによって、以後の出力量を予測してプロセス
の操作量を制御するので、プロセスの出力量が既定の範
囲を逸脱する前にプロセスの操作量を調節することがで
き、精度のよい制御が行えるのである。
【0014】請求項5の方法によれば、プロセスの状態
を表す各変量の過去の所定期間のデータに基づく重回帰
分析を行うとともに、プロセスを制御する制御装置の制
御定数と重回帰分析により求めた値との総合的パターン
をニューラルネットワークによって分類することによっ
てプロセスの特性の変動パターンを予測し、プロセスの
現在の出力量と予測した変動パターンとに基づいて、プ
ロセスの出力量が既定の範囲を逸脱しないようにプロセ
スの操作量と制御装置の制御定数との少なくとも一方を
制御するのであり、精度のよい制御が行えるのである。
【0015】
【実施例】
(実施例1)まず、プロセスの特性の変動パターンを予
測する方法について説明する。本実施例では、プロセス
への入力である操作量およびプロセス内の各部の状態の
検出量に基づいて、プロセスの出力量である制御量の変
動パターンを予測する。すなわち、プロセスの操作量、
制御量、検出量を変量として出力量(制御量)の変動パ
ターンの予測に用いるのである。これらの変量は、所定
の時間間隔でサンプリングされる。本発明では、これら
の変量のサンプリング値を用いて重回帰分析によって必
要な情報を取り出した後に、取り出した情報のパターン
を適切な学習情報を与えたニューラルネットワークで分
類することによってプロセスの出力量の変動パターンを
予測する。
【0016】プロセスの操作量およびプロセスの検出量
である状態量x1 〜xp と、プロセスの制御量である出
力量yとは、図2のように時間の経過に伴って変動す
る。プロセスの出力量yには目標値DVに対して上限値
ULと下限値LLとによって特定の範囲が既定されてお
り、出力量yが既定された範囲を逸脱しないようにプロ
セスはフィードバック制御される。しかしながら、プロ
セスの特性が変化したり、外乱が大きくなったりする
と、出力量yが既定の範囲を逸脱するという異常が生じ
る場合がある。本発明ではこのような異常の発生を予測
して異常を報知したり、異常を回避するように制御した
りするのである。
【0017】すなわち、特定の時刻におけるプロセスの
特性を分析するために、上記状態量x1 〜xp および出
力量yを所定の時間間隔でサンプリングし、測定時点で
あるサンプリング時点から所定時間前までの過去の所定
期間T1 ,T2 ,……のサンプリング値を用いて重回帰
分析を行い、次式のような重回帰式を求める。 y=β0 +β1 1 +β2 2 +……+βp p また同時に、重相関係数R(または寄与率R2 )と各偏
回帰係数(β0 を含む)β0 〜βp が有意であるかどう
かを検定するための検定統計量を求める。ここに検定統
計量としては各種のものがあるが、本実施例ではt分布
を用いる検定統計量として知られているt値t0 〜tp
を用いる。また、実際のプロセスでは状態量x1 〜xp
や出力量yの間でむだ時間や遅れなどによる時間差が生
じるが、上式の状態量x1 〜xp や出力量yでは時間差
を補正した値を用いる。
【0018】ところで、プロセスの出力である出力量y
の変動の代表的なパターンとしては、たとえば図3のよ
うな種類がある。出力量yが上昇する場合や下降する場
合については、変化率の大きいパターンA1 ,A5 と、
変化率の小さいパターンA2 ,A4 とに分類することが
でき、また、出力量yがほぼ一定の範囲内で変動してい
るパターンとしては、変動量の小さい安定なパターンA
3 と、変動量の大きい不安定なパターンA6 とに分類す
ることができる。出力量yは、短時間では細かく変動し
ながら、全体としてはこれらのパターンA1 〜A6 で変
動する。図3では、出力量yの変動を6種類のパターン
1 〜A6 に分類しているが、分類方法はこれに限定さ
れるものではない。
【0019】上述したような出力量yの変動のパターン
1 〜A6 は、重回帰分析によって求めた情報を用いて
予測することができる。すなわち、上述した重回帰式に
おける説明変数としての状態量x1 〜xp は互いに関連
しているものであって偏回帰係数β0 〜βp の組み合わ
せに意味があり、また、t値t0 〜tp は偏回帰係数β
0 〜βp の有意の程度を示し、重相関係数Rは重回帰式
の出力量yへの関連の程度を示す。したがって、重回帰
分析によって得られた各種情報を総合的に用いれば、プ
ロセスの特性の変動や外乱の変動などを認識することが
でき、測定時点後のプロセスの特性の変動を予測するこ
とが可能になる。
【0020】すなわち、適切な学習情報によって上述し
た出力量yの変動のパターンA1 〜A6 の分類を可能に
したパターン分類器としてのニューラルネットワークに
対して、重回帰分析によって得た各種情報(偏回帰係数
β0 〜βp 、重相関係数R、t値t0 〜tp )を入力す
ることによって、出力量yの変動のパターンを予測する
ことができる。
【0021】ニューラルネットワークに適切な学習情報
を与えるには教師信号を用いて、ニューラルネットワー
クを構成するエレメント間の結合荷重を調節する。すな
わち、図4に示すように、出力量yの変動のパターンを
学習するのに適切なサンプリング値の並ぶ所定の期間を
データ選択部11によって選択し、データ入力部12で
は、選択した期間の状態量x0 〜xp および出力量y
を、サンプリング値を記憶している記憶部から読み出
し、重回帰分析部2において上述した重回帰分析を行
い、偏回帰係数β0 〜βp 、重相関係数R、t値t0
p を求める。このようにして重回帰分析により得られ
た情報を学習データとしてニューラルネットワーク3に
入力する。一方、データ選択部11によって選択した期
間の後の出力量yの変動のパターンを教師信号として学
習判定部14に入力する。学習判定部14では、上述の
ようにニューラルネットワーク3に入力された学習デー
タに対して得られた出力を教師信号と比較評価し、結合
荷重修正部15によってニューラルネットワーク3の出
力結果と教師信号とを一致させる方向に各エレメント間
の結合荷重を修正するのである。ここに結合荷重修正部
15の処理は、通常はニューラルネットワーク3の内部
処理として行われる。
【0022】以上のような手順で、プロセスの出力であ
る出力量yの変動の各パターンA1 〜A6 について学習
情報を与えれば、プロセスの特性について出力量yおよ
び状態量x1 〜xp に基づいてプロセスの出力値yの変
動のパターンの予測が行えるような学習情報をニューラ
ルネットワーク3に与えることができるのである。図4
ではニューラルネットワーク3として3層パーセプトロ
ンのように入力層3aと中間層3bと出力層3cとを有
した3層の階層型ニュラルネットワークを示している
が、他の構成のニューラルネットワークを用いてもよい
のはもちろんのことである。また、階層型のニューラル
ネットワークであるから学習原理としてはバックプロパ
ゲーションを用いることができるが、他の学習原理を用
いてもよいのはもちろんのことである。
【0023】以上のようにしてニューラルネットワーク
3に適切な学習情報を与えておけば、プロセスの過去の
出力量yおよび状態量x1 〜xp に基づいて、以後の出
力量yの変動のパターンを予測することができる。すな
わち、図1に示すように、プロセス1の状態量x1 〜x
p と出力量yとをプロセス状態状態検出部4で所定時間
毎にサンプリングする。サンプリング値は所定期間分ず
つデータ記憶部5に格納される。すなわち、図2に示す
ように、サンプリングを行った各測定時点s1 ,s2
……から所定時間前までの過去の所定期間期間T1 ,T
2 ,……についてのサンプリング値がデータ記憶部5に
格納されるのである。こうして、データ記憶部5には、
新規に得られたサンプリング値と、過去の所定時間前ま
での所定個数のサンプリング値とが格納されることにな
る。重回帰分析部2では、データ記憶部5に格納されて
いるデータを用いて上述したような重回帰分析が行わ
れ、偏回帰係数β0 〜βp 、重相関係数R、t値t0
p が求められる。重回帰分析によって得られた情報
を、パターン分類器である学習済のニューラルネットワ
ーク2に入力すれば、出力量yの以後の変動パターンを
予測することができる。このようにして予測された変動
パターンを、状態検出部3で得た現在のプロセス1の状
態とともに監視制御部6に入力すれば、監視制御部6で
は、プロセス1の操作量を決定するのに必要な現在のプ
ロセスの状態と、予測された今後の変動のパターンとを
把握することができ、プロセス1の操作量を適切に設定
することができるのである。また、出力量yの今後の変
動のパターンに基づいて異常が生じることが予測される
場合には、監視制御部6から警報が出力される。
【0024】(実施例2)本実施例では、図5に示すよ
うに、プロセス1の出力値yが、PID制御装置などの
制御装置8によって目標値設定部7で設定された目標値
になるように制御されている場合について、ニューラル
ネットワーク2をパターン分類器として用いた例であ
る。すなわち、プロセス1の状態を検出し、重回帰分析
によって求めた情報をニューラルネットワーク2に入力
することによって、プロセス1の出力量の変動のパター
ンを検出する点では実施例1と同様である。また、ニュ
ーラルネットワーク2への入力として、重回帰分析によ
る情報に加えて、測定時点において制御定数記憶部9で
得た制御装置8に設定されている制御定数も用いる。こ
のような情報を用いるためには、ニューラルネットワー
ク2は、重回帰分析の結果に加えて制御装置8の制御定
数を含めた学習情報を与えられていることが必要であ
る。
【0025】監視制御部6では、ニューラルネットワー
ク2から出力されたパターンと、状態検出部3から出力
された現在の状態と、制御定数記憶部9に記憶された制
御装置8の制御定数とに基づいて、制御定数修正部10
を通して制御装置8の制御定数を修正する。すなわち、
ニューラルネットワーク2の学習時の教師信号としては
制御装置8の制御定数も与えられる。また、プロセス1
の出力量yが目標値設定部7よって設定された目標値に
対する既定の範囲を逸脱しないように、制御装置8を通
してプロセス1の操作量を調節する。他の構成および動
作は実施例1と同様である。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明は、プロセスの状態を表
す変量について測定時点より前の過去の変量に基づく重
回帰分析を行った後に、重回帰分析により求めた値をニ
ューラルネットワークに入力してパターンを分類してい
るので、ニューラルネットワークへの入力データについ
て前処理として重回帰分析を行うことにより、ニューラ
ルネットワークの規模を大幅に縮小することができるの
であって、ニューラルネットワークの内部処理の時間を
大幅に短縮することができるという効果がある。すなわ
ち、重回帰分析の処理によってデータ量を圧縮すること
ができ、かつ、重回帰分析では不得意である非線形性や
あいまい性をニューラルネットワークで処理することに
よって、プロセスの特性の変動を、短時間で精度よく予
測することができるという利点がある。
【0027】請求項2の発明は、少なくとも偏回帰係数
と各偏回帰係数に関する検定統計量とに基づいてプロセ
スの特性の変動パターンを予測するので、偏回帰係数の
みを用いる場合に比較すれば、偏回帰係数の妥当性をも
加味した情報によって変動パターンを予測することがで
きるという利点がある。すなわち、各偏回帰係数が有意
であるかどうかを変動パターンの予測基準に用いること
になるから、非線形性やあいまい性の強い変動パターン
に対してより精度の高い予測が可能になる。
【0028】請求項3の発明は、プロセスの現在の出力
量に以後のプロセスの特性の出力の変動パターンを加え
ることによって、以後の出力量を予測して異常の報知が
できるから、異常の発生前に警報を報知できることにな
る。請求項4の発明は、プロセスの現在の出力量に以後
のプロセスの特性の出力の変動パターンを加えることに
よって、以後の出力量を予測してプロセスの操作量を制
御するので、プロセスの出力量が既定の範囲を逸脱する
前にプロセスの操作量を調節することができ、精度のよ
い制御が行えるのである。
【0029】請求項5の発明は、プロセスの状態を表す
各変量の過去の所定期間のデータに基づく重回帰分析を
行うとともに、プロセスを制御する制御装置の制御定数
と重回帰分析により求めた値との総合的パターンをニュ
ーラルネットワークによって分類することによってプロ
セスの特性の変動パターンを予測し、プロセスの現在の
出力量と予測した変動パターンとに基づいて、プロセス
の出力量が既定の範囲を逸脱しないようにプロセスの操
作量と制御装置の制御定数との少なくとも一方を制御す
るのであり、精度のよい制御が行えるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すブロック回路図である。
【図2】実施例の動作説明図である。
【図3】実施例において分類される変動パターンの例を
示す説明図である。
【図4】実施例1のニューラルネットワークの学習中の
ブロック回路図である。
【図5】実施例2を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 プロセス 2 重回帰分析部 3 ニューラルネットワーク 4 プロセス状態検出部 5 データ記憶部 6 監視制御部 x1 〜xp 状態量 y 出力量
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】以上のようにしてニューラルネットワーク
3に適切な学習情報を与えておけば、プロセスの過去の
出力量yおよび状態量x1 〜xp に基づいて、以後の出
力量yの変動のパターンを予測することができる。すな
わち、図1に示すように、プロセス1の状態量x1 〜x
p と出力量yとをプロセス状態検出部4で所定時間毎に
サンプリングする。サンプリング値は所定期間分ずつデ
ータ記憶部5に格納される。すなわち、図2に示すよう
に、サンプリングを行った各測定時点s1 ,s 2 ,……
から所定時間前までの過去の所定期間T 1 ,T2 ,……
についてのサンプリング値がデータ記憶部5に格納され
るのである。こうして、データ記憶部5には、新規に得
られたサンプリング値と、過去の所定時間前までの所定
個数のサンプリング値とが格納されることになる。重回
帰分析部2では、データ記憶部5に格納されているデー
タを用いて上述したような重回帰分析が行われ、偏回帰
係数β0 〜βp 、重相関係数R、t値t0 〜tp が求め
られる。重回帰分析によって得られた情報を、パターン
分類器である学習済のニューラルネットワークに入力
すれば、出力量yの以後の変動パターンを予測すること
ができる。このようにして予測された変動パターンを、
状態検出部で得た現在のプロセス1の状態とともに監
視制御部6に入力すれば、監視制御部6では、プロセス
1の操作量を決定するのに必要な現在のプロセスの状態
と、予測された今後の変動のパターンとを把握すること
ができ、プロセス1の操作量を適切に設定することがで
きるのである。また、出力量yの今後の変動のパターン
に基づいて異常が生じることが予測される場合には、監
視制御部6から警報が出力される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】(実施例2)本実施例では、図5に示すよ
うに、プロセス1の出力値yが、PID制御装置などの
制御装置8によって目標値設定部7で設定された目標値
になるように制御されている場合について、ニューラル
ネットワークをパターン分類器として用いた例であ
る。すなわち、プロセス1の状態を検出し、重回帰分析
によって求めた情報をニューラルネットワークに入力
することによって、プロセス1の出力量の変動のパター
ンを検出する点では実施例1と同様である。また、ニュ
ーラルネットワークへの入力として、重回帰分析によ
る情報に加えて、測定時点において制御定数記憶部9で
得た制御装置8に設定されている制御定数も用いる。こ
のような情報を用いるためには、ニューラルネットワー
は、重回帰分析の結果に加えて制御装置8の制御定
数を含めた学習情報を与えられていることが必要であ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】監視制御部6では、ニューラルネットワー
から出力されたパターンと、状態検出部から出力
された現在の状態と、制御定数記憶部9に記憶された制
御装置8の制御定数とに基づいて、制御定数修正部10
を通して制御装置8の制御定数を修正する。すなわち、
ニューラルネットワークの学習時の教師信号としては
制御装置8の制御定数も与えられる。また、プロセス1
の出力量yが目標値設定部7よって設定された目標値に
対する既定の範囲を逸脱しないように、制御装置8を通
してプロセス1の操作量を調節する。他の構成および動
作は実施例1と同様である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセスの状態を表す複数の変量を測定
    し、測定時点から所定時間前までの過去の所定期間の各
    変量に基づく重回帰分析を行い、少なくとも偏回帰係数
    に基づいてプロセスの特性の変動パターンを予測するパ
    ターン分類器としての学習情報が与えられているニュー
    ラルネットワークに、重回帰分析により求めた値を入力
    することによって、測定時点以後のプロセスの特性の変
    動パターンを予測することを特徴とするプロセスの特性
    予測方法。
  2. 【請求項2】 プロセスの状態を表す複数の変量を測定
    し、測定時点から所定時間前までの過去の所定期間の各
    変量に基づく重回帰分析を行い、少なくとも偏回帰係数
    および各偏回帰係数に関する検定統計量に基づいてプロ
    セスの特性の変動パターンを予測するパターン分類器と
    しての学習情報が与えられているニューラルネットワー
    クに、重回帰分析により求めた値を入力することによっ
    て、測定時点以後のプロセスの特性の変動パターンを予
    測することを特徴とするプロセスの特性予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のプロセスの特
    性予測方法を用いてプロセスの出力の変動パターンを予
    測し、少なくともプロセスの現在の出力量と予測した変
    動パターンとに基づいて、プロセスの出力量が既定の範
    囲を逸脱すると予測されるときに報知することを特徴と
    するプロセスの監視方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2のプロセスの特
    性予測方法を用いてプロセスの出力の変動パターンを予
    測し、少なくともプロセスの現在の出力量と予測した変
    動パターンとに基づいて、プロセスの出力量が既定の範
    囲を逸脱しないようにプロセスの操作量を制御すること
    を特徴とするプロセスの制御方法。
  5. 【請求項5】 プロセスの状態を表す複数の変量を測定
    し、測定時点から所定時間前までの過去の所定期間の各
    変量に基づく重回帰分析を行い、少なくとも偏回帰係数
    およびプロセスを制御する制御装置の制御定数とに基づ
    いてプロセスの特性の変動パターンを予測するパターン
    分類器としての学習情報が与えられているニューラルネ
    ットワークに、重回帰分析により求めた値と測定時点の
    制御装置の制御定数とを入力することによって、測定時
    点以後のプロセスの特性の変動パターンを予測し、少な
    くともプロセスの現在の出力量と予測した変動パターン
    とに基づいて、プロセスの出力量が既定の範囲を逸脱し
    ないようにプロセスの操作量と制御装置の制御定数との
    少なくとも一方を制御することを特徴とするプロセスの
    制御方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0721087A1 (en) * 1995-01-06 1996-07-10 LANDIS & GYR POWERS, INC. HVAC distribution system identification
JP2000315111A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Nippon Steel Corp 設備及び製品プロセス異常状態の診断方法及び装置
US6662059B2 (en) 2001-03-27 2003-12-09 Denso Corporation Characteristic adjusting method in process of manufacturing products
JP2007265212A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Hitachi Ltd プラントの制御装置及びプラントの制御方法
WO2021220901A1 (ja) * 2020-05-01 2021-11-04 株式会社Mhiパワーコントロールシステムズ 制御装置

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