JP3020072B2 - プラント監視装置および方法 - Google Patents

プラント監視装置および方法

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JP3020072B2
JP3020072B2 JP3142009A JP14200991A JP3020072B2 JP 3020072 B2 JP3020072 B2 JP 3020072B2 JP 3142009 A JP3142009 A JP 3142009A JP 14200991 A JP14200991 A JP 14200991A JP 3020072 B2 JP3020072 B2 JP 3020072B2
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聡 大石
幸一 川口
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラントに設けられた
各種センサからの測定値と予め設定された設定値を比較
し、その測定値と設定値との偏差が小さくなるようプラ
ントの操作量を制御することにより、プラントの監視を
行うプラント監視装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続プロセスにおけるプラントを制御す
る場合、特開平1−25600号公報に記載されている
ように、制御対象に対してコントローラを用いて制御を
行う訳であるが、コントローラをとりまくプロセスデー
タとして測定値(被制御物の現在値)PVと設定値(被
制御物の目標値)SVと操作量(制御対象への操作指示
量)MVが扱われる。オペレータは、これらのデータを
監視しながら、プラント、制御対象等に異常が発生して
いるか否かを、制御システムによって表示されるセンサ
データ、トレンドグラフおよびヒストリカルデータトレ
ンドグラフによって目視確認している。そして、トレン
ドグラフやヒストリカルデータトレンドグラフを求める
際には、相関係数、一次回帰等の数学的解析手法が用い
られるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年のプラント運転に
かかわる運転員の人的配置傾向を見ると、年々新規に運
転員として配置される人数が減少しており、場合によっ
ては、設備投資により運転員を削減させているところも
少なくない。また運転員の高齢化もあいまって更に運転
員の減少傾向は顕著に現われてきている。
【0004】このような状況から、プラント運転員1人
が担当すべきプラントの監視データ数は膨大となってい
る。具体的には、センサデータが3000点程度のプラ
ントにおいて、運転員が3〜4名の場合、1名当り80
0〜1000点程度を監視しなければならない。
【0005】また、監視すべきデータの変動が極めてゆ
っくりである場合は、運転員が長期間常時データを監視
していなければ、その特徴(異常が少しづつ進展してい
ること)を捉えることが難しく、警報設定値を越えたら
アラーム警報を出力するという告知機能では、異常の度
合が大きく異なる。
【0006】このため、異常兆候の発見時間の速さが、
異常回避の対処方法、対処時間、対処難易度を左右する
と言えるが、従来のシステムでは、このような監視機能
が備わっていないため、全てを運転員の経験による監視
能力に依存しなければならない。
【0007】異常発生時の過去のトレンドデータを調査
すると、その異常状態へ遷移する様子をデータから読み
取れることが多いことがわかっている。しかし、上記従
来技術では、相関関係を有する複数のプロセス量の画面
表示と相関関係で定まる安全運転領域、警報領域、許容
範囲外領域の表示であるため、前述のプラント運転環境
状況においては、運転員が積極的に画面を参照しなけれ
ばならず、減少化する運転員へのアラーム警報告知方法
では、運転員への負担が大幅に増加してしまうという欠
点がある。
【0008】また、従来技術における相関式は、全ての
コントロールループに適用することはできず、限られた
プロセスデータにのみ適用されるため、相関式が既知で
あるようなプロセスデータだけにしか適用できず、適用
範囲が非常に狭いという欠点もある。
【0009】本発明の目的は、計算機内に蓄えられてい
るヒストリカルデータを解析することにより、運転員に
負担をかけることなく、早期にプラントの異常兆候を捉
えることができ、かつ適用範囲の広いプラント監視装置
および方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、プラントに設けられたセンサから測定値
を取り込んで、その測定値と予め設定した設定値とを比
較し、前記測定値と設定値との偏差が小さくなるようプ
ラントの操作量を制御することにより、プラントの監視
を行うプラント監視装置において、前記設定値の過去か
ら現在までの時系列データを記憶する設定値記憶手段
と、前記プラント操作量の過去から現在までの時系列デ
ータを記憶する操作量記憶手段と、前記設定値記憶手段
に記憶された設定値の時系列データと操作量記憶手段に
記憶された操作量の時系列データとの相関関係を算出
し、その算出結果からプラントの正常・異常を判定する
判定手段と、その判定結果を出力する出力手段と、を備
えたものである。
【0011】また、本発明は、プラントに設けられたセ
ンサから測定値を取り込んで、その測定値と予め設定し
た設定値とを比較し、前記測定値と設定値との偏差が小
さくなるようプラントの操作量を制御することにより、
プラントの監視を行うプラント監視装置において、前記
設定値の過去から現在までの時系列データを記憶する設
定値記憶手段と、前記プラント操作量の過去から現在ま
での時系列データを記憶する操作量記憶手段と、前記設
定値記憶手段に記憶された設定値の時系列データと操作
量記憶手段に記憶された操作量の時系列データとの相関
関係を算出し、その算出結果から将来プラントが異常に
なることを予測する予測手段と、その予測結果を出力す
る出力手段と、を備えたものである。
【0012】また、本発明は、上記したプラント監視装
を流量制御装置に設置したことである。
【0013】さらに、本発明は、プラントに設けられた
センサから測定値を取り込んで、その測定値と予め設定
した設定値とを比較し、前記測定値と設定値との偏差が
小さくなるようプラントの操作量を制御することによ
り、プラントの監視を行うプラント監視方法において、
前記設定値の過去から現在までの時系列データを記憶す
るとともに、前記プラント操作量の過去から現在までの
時系列データを記憶して、記憶した設定値の時系列デー
タと操作量の時系列データとの相関関係を算出し、その
算出結果からプラントの正常・異常を判定するようにし
たことである。
【0014】さらにまた、本発明は、プラントに設けら
れたセンサから測定値を取り込んで、その測定値と予め
設定した設定値とを比較し、前記測定値と設定値との偏
差が小さくなるようプラントの操作量を制御することに
より、プラントの監視を行うプラント監視方法におい
て、前記設定値の過去から現在までの時系列データを記
憶するとともに、前記プラント操作量の過去から現在ま
での時系列データを記憶して、記憶した設定値の時系列
データと操作量の時系列データとの相関関係を算出し、
その算出結果から将来プラントが異常になることを予測
するようにしたことである。
【0015】
【作用】コントロールループにおける異常兆候は、特に
連続プロセスの定常状態において、次のように検出する
ことが可能である。すなわち、定常状態において、コン
トロールループの設定値SVと操作量MVの関係は、正
常状態では、設定値SVを変更しない限り、操作量MV
は一定で推移する。つまり、設定値SVの時系列的変化
を参照して、定常状態であるか否かを監視し、一定であ
る(変化がない)と判断できれば、このときの操作量M
Vの時系列的変化を参照し、その変化傾向を見るように
する。
【0016】また、この時系列データを参照する場合
に、設定値SVと操作量MVの時系列データを用いてそ
れらの相関係数を求めることにより、相関関係の有無を
判断する指標データを得ることができ、このデータをヒ
ストリカルデータとして蓄えておくことによって、相関
係数の変化を時系列的に参照することが可能となる。
【0017】また、監視機能を周期的に実行し、予め登
録されたプロセスデータの過去時系列データを解析する
ことにより、人間が表示画面を見て、データ変化をチェ
ックすることと同じ働きを計算機に行わせることがで
き、プラントに異常が発生した場合には、その異常を運
転員に自動的かつ確実に知らせることが可能となる。
【0018】次に本発明の詳細を図5を用いて説明す
る。本発明は、連続プロセス(連続的に製品が作られて
いるプラントにおける製造過程)におけるプロセス変数
(Tag)のうち、温度制御、流量制御、位置制御、回
転数制御等をはじめとする設定値SV、操作量MV、測
定値PVの情報を有するコントロールループに適用され
る。そして、特に上記情報のうち、過去の時系列データ
として設定値SVおよび操作量MVが用いられている。
【0019】操作量MVは、設定値SVを満足させるた
めに、制御対象に対し変動(この変動とは、弁開度によ
る流量コントロールの場合、弁をどのくらい開けろとい
う命令、または温度制御における冷却水の流量調整命令
等が該当する)する訳であるが、定常状態では、設定値
SVを変更しない限り、操作量MVは一定に推移してゆ
く。
【0020】ここで、設定値SVが変動していない状態
を定常状態と呼び、設定値SVが変動している状態を過
渡状態と呼ぶ。またプラントの制御では、SV=PVと
するため、コントローラが操作量MVを制御している
が、コントローラが働いている時と働いていない時に場
合分けすることができる。
【0021】本発明の特徴は、定常状態においてコント
ローラが必要以上に働いていないか否かを調べるところ
にある。 a.定常状態にて操作量MVが変動しない場合(ただ
し、ここではある規定値以上には変動しないものと限定
する) SV=PVの関係が保たれているため、プラントの制御
が正常に行われているものと考えられる。 b.定常状態にて操作量MVが変動する場合 SV=PVの関係が保たれていないため、コントローラ
がSV=PVの関係に戻すよう操作量MVを操作してお
り、外乱があったものと考えられ、しかも操作量MVが
異常に変動し続ける場合は、機器故障等の異常要因があ
るものと考えられる。
【0022】次に相関係数を算出する処理について述べ
る。相関係数を算出する処理は、下記の式で求めること
ができる。
【0023】
【数1】
【0024】相関係数rは2変数(設定値SV,操作量
MV)間の相互関連性の度合いを示す指標であり、2変
数が独立の場合r=0、2変数が完全な直線的関数関係
にある場合r=±1となる。そして、0近傍から±1近
傍に近づく程、2変数の因果関係が強いか否かを検出す
ることができる。
【0025】したがって、r<規定値となったか否かを
監視することによって、設定値SVと操作量MVの因果
関係が保たれているかどうかを監視することになる。な
お、r≧規定値の値はプロセスやコントロールループの
働きによって異なるため、ここでは議論の対象にはしな
い。
【0026】
【実施例】以下に実施例に従って本発明を詳細に説明す
る。プラント制御システムにおける基本的なコントロー
ルループの構成について自動制御系モデルを考える場
合、スタートアップおよびシャットダウン時を除く定常
運転時では、化学プラントの制御と言えば設定値制御が
圧倒的に多い。設定値制御を行うための形態としてフィ
ードバックループやフィードフォアードループ制御系が
ある。また、これらフィードバックループやフィードフ
ォアードループの制御方式としては、PID調節計が広
く使われている。
【0027】例えば、フィードバック制御では、設定値
SVが基準入力として与えられ、コントロールループの
フィードバック量である測定値PVと設定値SVとの偏
差を調節部に動作信号として与え、この偏差が0となる
ようにコントローラ(操作部)を通して操作量MVを決
定し、制御対象をコントロールしている。またこのと
き、制御対象では、検出部により測定値PVを収集しコ
ントローラへ与えている。ここで、コントローラはコン
ピュータコントロールやアナログ調節計が、操作部は開
閉弁等が、検出部は各種センサ等がそれぞれ該当してい
る。
【0028】次に具体的なプロセスを挙げて、本発明の
プラント監視装置の適用について述べる。
【0029】a.容量プロセスにおける流量制御 ここで述べる容量プロセスとは、タンク内水位をコント
ロールする場合等が該当する。具体的に次にようなモデ
ルを考える。流出力のあるタンクにおいて、設定値SV
をタンク内の制御目標水位に、測定値PVをタンク内の
現在水位に、操作量MVをタンクへの流量を制御する流
入制御弁の開閉度とすると、定常状態(プラントが正常
なとき)では、タンクからの流出流量が一定であるなら
ば、設定値SVと測定値PVとの偏差は一定であるた
め、単位時間における流入流量は一定であり、流入制御
弁の開閉度すなわち操作量MVは一定に推移する。つま
り、制御目標である設定値SVを変更しない限り、操作
量MVは一定であると言える。ただし、ここで注意しな
ければならないこととして、プロセス制御においては定
常状態と過渡状態が存在するため、上記のことは定常状
態にのみ言えることである(ここにおける、定常状態と
はプロセスが変動せずに安定している状態を、過渡状態
とはプロセスの変動により過渡的なプロセス挙動を示す
ことを言い、前述の定常状態とは意味が異なる)。
【0030】次に、タンク内や流路経路に液漏れ等の異
常状態が発生した場合について考える。異常が発生する
前は、上記した定常状態のように設定値SVと操作量M
Vは共に一定で推移するが、液漏れ等の外乱が発生する
と、流出流量が異常発生前に比べ徐々に増加し始める。
つまり、制御目標である設定値SVを変化させていない
にもかかわらず現在水位の測定値PVは徐々に低下して
いく。この場合には、コントローラは流入制御弁の開度
すなわち制御量PVを上げていく。これについて時間的
経過を考慮すると、液漏れは、長時間かけながら徐々に
進行してゆくので、SV−PV制御目標値に対する偏差
は、人間が目視で判断する場合は誤差の範疇として確認
されないことが多い。しかし、十分時間が経過した後で
あれば、この偏差は充分確認できることであるが、この
時になって、このことが確認されても、プラント異常と
しては、危険な状態になっていることが多い。そこで、
このような容量プロセスに本発明のプラント監視装置を
適用すれば、そのプロセスの問題点をいちはやく検出
し、プラント異常の発生を事前に回避することができ
る。
【0031】b.ガスプロセス ガスプロセスにおいても、上述した容量プロセスの場合
と同様に、圧力コントロールループにてガス漏れ等の圧
力低下を早期に発見することができる。また、複雑なコ
ントロールループとなると、単一の圧力値を監視するよ
りも物質収支等の演算結果を用いて監視する方が広範囲
のプロセスデータについて監視することができる。
【0032】c.熱量プロセス 熱量プロセスの場合は、熱収支等の演算結果と組み合わ
せることによって、容量プロセスやガスプロセス以上に
広範囲なプロセスを監視することが可能となる。この場
合、熱収支計算に必要なデータ(熱量、流量等)が異常
監視対象となる。
【0033】以上の各プロセスを制御するために、本発
明ではプロセス解析処理の相関処理を応用することによ
って対応している。相関係数は、−1≦C≦+1の範囲
で表現され、符号と数値の大きさによって意味をもって
くる。符号は、正の相関と負の相関を表わし、数値の大
きさは、相関処理された2つのデータの結合度の強さを
示す。また、C=0の場合は、この2つのデータ間には
相関がないことを示している。
【0034】図1は本発明のプラント制御装置の動作環
境を示すブロック図である。本発明のプラント制御装置
には、プロセス入出力装置1、データ収集機構2、マン
マシン機構3、プロセス制御処理機構4、プラントデー
タベース5、ヒストリカルデータベース6およびプロセ
ス解析機構7が含まれている。そして、プロセス入出力
装置1には対象プラント8が、マンマシン機構3には入
出力装置9がそれぞれ接続されている。
【0035】ヒストリカルデータベース6は、プロセス
データをはじめとする様々なデータを時系列的に時々刻
々と収集して記憶しておく。そして、マンマシン機構3
や他プログラムから、プロセス解析機構7を起動するた
めの情報(データ名称、解析データ収集開始時刻、解析
データ個数等)を与えると、指定された条件のもとで解
析処理が実行される。解析結果は状態変数として相関
「有/無」という文字で日本語表示が可能である。また
解析結果においては、前述の状態変数を管理コードで出
力表示することも可能である。
【0036】次にプロセス解析機構7における処理につ
いて述べる。プロセス解析機構7における処理は、(1)
ヒストリカルデータ収集処理1、(2)相関処理、(3)ヒス
トリカルデータ登録処理、(4)ヒストリカルデータ収集
処理2、(5)一次回帰処理、(6)状態変数変換処理から構
成されている。以下に上記各処理について詳細に説明す
る。
【0037】(1)ヒストリカルデータ収集処理1 起動情報として与えられた解析データ収集開始時刻とデ
ータ数よりターゲットになるヒストリカルデータを収集
する。解析データ収集開始時刻は絶対時刻と相対時刻の
どちらでも指定可能である。
【0038】(2)相関処理 上記のヒストリカルデータ収集処理1によって収集した
時系列データについて相関係数(correlation coefficie
nt)を求める。
【0039】(3)ヒストリカルデータ登録処理 上記の相関処理によって求められた相関係数をヒストリ
カルデータに登録する。
【0040】(4)ヒストリカルデータ収集処理2 上記のヒストリカルデータ登録処理によって登録した相
関係数の時系列的遷移を調べるため、ヒストリカルデー
タベース6より、関連する時系列相関係数データを取り
出す。
【0041】(5)一次回帰処理 上記のヒストリカルデータ収集処理2にて収集した相関
係数の時系列的データについて、一次回帰処理を実行し
て近似直線を求め、更にその傾きを求めることによっ
て、相関係数の遷移(変動状態)を解析する。
【0042】(6)状態変数変換処理 上記の一次回帰処理で得られた近似直線の傾き情報を基
にして、人間に分かる、もしくはオペレータが通常用い
ている状態変数に置き換える。
【0043】次に相関処理の具体例について説明する。
図2は相関処理のフローチャートである。まず、ステッ
プ21においてヒストリカルデータベースより設定値S
Vの時系列データを収集し、ステップ22において設定
値SVの時系列データ内にステップ状の変化、すなわち
設定値SVが変更があったか否かを判断する。変更がな
ければ処理は終了し、変更があればステップ23におい
てヒストリカルデータベースより操作量MVの時系列デ
ータを収集する。次に、ステップ24において設定値S
Vの時系列データから設定値SVの標準偏差を算出し、
ステップ25において操作量MVの時系列データから操
作量MVの標準偏差を算出する。さらに、ステップ24
で算出した設定値SVの標準偏差と、ステップ25で算
出した操作量MVの標準偏差とを用いて、ステップ26
において相関係数rを算出する。そして、ステップ27
において算出した相関係数rが規定値未満であるかが判
断され、規定値未満であればステップ28において相関
関係異常のメッセージが出力され、規定値以上であれば
ステップ29において相関状態は正常として処理され
る。
【0044】(第1実施例)本実施例は、プロセス制御
システムにおいて、プロセスアラーム出力処理である、
従来の計器アラームのhigh−error、low−
error、偏差error、変化率errorに、コ
ントロールループの設定値/操作量(SV/MV)異常
監視アラームを加えたもので、インテリジェントアラー
ムと呼ばれている。
【0045】SV/MV異常監視アラームは、前述した
相関解析処理を用いて、プロセス監視処理のパトロール
を行う訳であるが、予め指定されていたプロセス変数
(Tag)の設定値SVと操作量MVに対して、「設定
値SV不変にもかかわらず操作量MV上昇中」、「設定
値SV不変にもかかわらず操作量MV下降中」等の瞬時
値アラーム警報から過去データを加味した警報の出力を
行うものである。
【0046】本実施例では、設定値SVと操作量MVに
ついて相関処理を行うが、定常状態でSV=一定の状態
にある場合に、コントローラが正常に働いているとき
は、設定値SVと操作量MVが互いに一定値となるた
め、相関がない状態となる(これは、厳密に言えば、ど
ちらのデータも変化がないために処理上相関関係の有無
が断定できないことになる)。
【0047】次にSV=一定の状態にある場合で、プロ
セス異常によって誤ってあるいは外乱に対しコントロー
ラが働くときは、SV=一定かつMV=変動となるた
め、前述とは異なって相関処理が可能となる。ただし、
ここでも対象プロセスの特性によって正の相関値を有す
る場合があるので、符号について断言することはできな
い。また、異常度合が大きくなるにつれて、操作量MV
の変動幅が大きくなるので、これも相関係数によってと
らえることが可能である。
【0048】本実施例のプラント監視装置は、図3に示
すように、プロセス入出力装置1、データ収集機構2、
マンマシン機構3、プロセス制御処理機構4、プラント
データベース5、ヒストリカルデータベース6、プロセ
ス解析機構7、入出力装置9、データアクセス管理機構
10およびパトロール監視機構11から構成されてい
る。そして、プロセス入出力装置1は対象プラント8に
接続されている。
【0049】対象プラント8に設けられた各種センサか
らのデータは、プロセス入出力装置1を介してデータ収
集機構2によって収集され、更にプロセス制御処理機構
4によって演算処理がなされた後、プラントデータベー
ス5に書き込まれる。プラントデータベース5に書き込
まれたデータは、周期的にヒストリカルデータベース6
に移され、このヒストリカルデータベース6にヒストリ
カルデータとして長期間保存される。プラントデータベ
ース5の内容やヒストリカルデータベース6の内容は、
マンマシン機構3を通して、入出力装置9によって容易
に参照することができる。またデータによっては、プロ
セス制御処理機構4を経由して、対象プラント81へ出
力されるものもある。プロセス制御処理機構4では、収
集したプロセスデータの合理性チェック等も実施してお
り、この時プロセスデータが測定レンジ内であるか、プ
ロセスデータがアラーム警報出力設定値(規定値)を越
えているかのチェックを行うとともに、プロセスデータ
と前回収集したプロセスデータとの偏差や変化率も算出
し、それぞれがアラーム警報出力値を越えているか等の
チェックを行う。そして、その結果によってアラーム警
報をマンマシン機構3に出力する。
【0050】プロセス解析機構7には前述の相関処理が
格納されており、予め指定する解析パラメータに従い処
理が実行される。このとき、SV/MV監視を行うため
に、プロセスデータの設定値SVと操作量MV、解析時
間(今から何分前からのヒストリカルデータを解析デー
タとして用いるのか)およびマンマシン表示の有無が指
定される。
【0051】データアクセス管理機構10は、プラント
データベース5やヒストリカルデータベース6へのアク
セス管理を行っている。
【0052】パトロール監視機構11は、予め登録され
ている上記プロセス解析処理内容を管理し、周期的にプ
ロセス解析機構7に実行要求を出すスケジューリングを
行い、解析処理を実行させるとともに、解析結果を得
て、その結果をマンマシン機構3を介して入出力装置9
の1つであるグラフィックCRTにアラーム警報として
表示出力する。
【0053】(第2実施例)本実施例は、プロセス制御
システムに知識処理機構を付加したシステムにおいて、
知識処理機構内で実行される推論内で、プロセス解析機
構によって得られる結果を推論データとして使用できる
ようにした知識処理システムであり、推論にてオペレー
タが使用している言葉(状態変数)をそのまま使用する
ことが可能となっている。
【0054】実際のルール記述においては、 IF(FIC1000 の @ループ状態 が 管内閉塞状態 である) THEN : : IF(FIC1000 の @ループ状態 が 管内液漏れ状態 である ) THEN : : という表現が可能になるため、オペレータが通常考えて
いる表現をそのまま用いることができ、知識処理、ルー
ル入力、保守が、従来に比べ効率的に実行可能になる。
【0055】本実施例のプラント監視装置は、図4に示
すように、プロセスデータ入出力装置1、データ収集機
構2、マンマシン機構3、プロセス制御処理装置4、プ
ラントデータベース5、ヒストリカルデータベース6、
プロセス解析機構7、入出力装置9、データベースアク
セス機構10、推論機構12および知識データベース1
3から構成されている。そして、プロセス入出力装置1
は対象プラント8に接続されている。
【0056】対象プラント8に設けられた各種センサか
らのデータは、第1実施例の場合と同様に、プロセス入
出力装置1を介してデータ収集機構2によってデータ収
集され、プラントデータベース5に書き込まれる。ま
た、これ以外には、他計算機システムからデータ通信装
置を介してデータ収集されプラントデータベース5に書
き込まれる場合も同様である。プラントデータベース5
のデータは、周期的にヒストリカルデータベース6に移
され、このヒストリカルデータベース6にヒストリカル
データとして長期保存される。プラントデータベース5
の内容やヒストリカルデータベース6の内容は、マンマ
シン機構3を通して、容易に参照することができる。プ
ロセス制御処理機構4は、収集されたプロセスデータに
演算処理を行いデータ加工を行う。また、データによっ
ては、プロセス入出力装置を経由して、対象プラント8
へ出力されるものもある。
【0057】知識データベース13には、IF……TH
EN……形式で記述されたプロダクションルールが登録
されており、知識データベース13に登録されたプロダ
クションルールが推論機構12によって実行される。プ
ロダクションルールが実行された場合、プロダクション
ルール中のTHEN部にプロセス解析機構への実行要求
マクロ名称が記述されていると、プロダクションルール
が実行されることによってプロセス解析機構へ実行要求
がかかる。この要求によってプロセス解析機構は相関処
理を行う。
【0058】 IF : THEN(send apos apos_correl(……)) の解析処理結果は、知識データベースの事実型知識を取
り扱うフレームに反映される。反映した状態において、
前述の状態変数で表現したプロダクションルールが実行
されることになる。
【0059】また、推論で実行された解析処理結果は、
マンマシン機構3を介して入出力装置9で参照すること
ができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果がある。
【0061】a.人間が行っていたプロセス状態の判断
を計算機に行わせることができるため、 プラント監
視の自動処理化を達成することが可能となる。
【0062】b.人間が記憶している知識表現と同じ表
現が可能であるため、人間にも理解しやすいプラント監
視システムを構築することができる。
【0063】c.従来は見逃し易かったプロセスアラー
ムを確実にかつ的確に報告することができ、従来にはな
かったプロセスアラームを出力することが可能となる。
【0064】d.プラントの長期的な状況が把握可能で
あるため、人間が気付かないゆっくりとした挙動も確実
に捉えることができる。
【0065】e.知識処理に状態把握機能を持たせるこ
とができ、プラント監視の最適化を図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラント監視装置の動作環境を示すブ
ロック図である。
【図2】相関解析処理のフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【図5】プロセス波形の一例を示す説明図である。
【符号の説明】 1 プロセス入出力装置 2 データ収集機構 3 マンマシン機構 4 プロセス制御処理機構 5 プラントデータベース 6 ヒストリカルデータベース 7 プロセス解析機構 8 対象プラント 9 入出力装置 10 データアクセス機構 11 パトロール監視機構 12 推論機構 13 知識データベース
フロントページの続き (72)発明者 小河 守正 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化 成株式会社 水島工場内 (72)発明者 山中 史彦 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化 成株式会社 水島工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 19/00 G01D 21/00 G05B 23/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラントに設けられたセンサから測定値
    を取り込んで、その測定値と予め設定した設定値とを比
    較し、前記測定値と設定値との偏差が小さくなるようプ
    ラントの操作量を制御することにより、プラントの監視
    を行うプラント監視装置において、前記設定値の過去か
    ら現在までの時系列データを記憶する設定値記憶手段
    と、前記プラント操作量の過去から現在までの時系列デ
    ータを記憶する操作量記憶手段と、前記設定値記憶手段
    に記憶された設定値の時系列データと操作量記憶手段に
    記憶された操作量の時系列データとの相関関係を算出
    し、その算出結果からプラントの正常・異常を判定する
    判定手段と、その判定結果を出力する出力手段と、を備
    えたことを特徴とするプラント監視装置。
  2. 【請求項2】 プラントに設けられたセンサから測定値
    を取り込んで、その測定値と予め設定した設定値とを比
    較し、前記測定値と設定値との偏差が小さくなるようプ
    ラントの操作量を制御することにより、プラントの監視
    を行うプラント監視装置において、前記設定値の過去か
    ら現在までの時系列データを記憶する設定値記憶手段
    と、前記プラント操作量の過去から現在までの時系列デ
    ータを記憶する操作量記憶手段と、前記設定値記憶手段
    に記憶された設定値の時系列データと操作量記憶手段に
    記憶された操作量の時系列データとの相関関係を算出
    し、その算出結果から将来プラントが異常になることを
    予測する予測手段と、その予測結果を出力する出力手段
    と、を備えたことを特徴とするプラント監視装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のプラント監視装置
    を設置したことを特徴とする流量制御装置。
  4. 【請求項4】 プラントに設けられたセンサから測定値
    を取り込んで、その測定値と予め設定した設定値とを比
    較し、前記測定値と設定値との偏差が小さくなるようプ
    ラントの操作量を制御することにより、プラントの監視
    を行うプラント監視方法において、前記設定値の過去か
    ら現在までの時系列データを記憶するとともに、前記プ
    ラント操作量の過去から現在までの時系列データを記憶
    して、記憶した設定値の時系列データと操作量の時系列
    データとの相関関係を算出し、その算出結果からプラン
    トの正常・異常を判定することを特徴とするプラント監
    視方法。
  5. 【請求項5】 プラントに設けられたセンサから測定値
    を取り込んで、その測定値と予め設定した設定値とを比
    較し、前記測定値と設定値との偏差が小さくなるようプ
    ラントの操作量を制御することにより、プラントの監視
    を行うプラント監視方法において、前記設定値の過去か
    ら現在までの時系列データを記憶するとともに、前記プ
    ラント操作量の過去から現在までの時系列データを記憶
    して、記憶した設定値の時系列データと操作量の時系列
    データとの相関関係を算出し、その算出結果から将来プ
    ラントが異常になることを予測することを特徴とするプ
    ラント監視方法。
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