JPH06258580A - 手術用顕微鏡支持装置 - Google Patents

手術用顕微鏡支持装置

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JPH06258580A
JPH06258580A JP5042657A JP4265793A JPH06258580A JP H06258580 A JPH06258580 A JP H06258580A JP 5042657 A JP5042657 A JP 5042657A JP 4265793 A JP4265793 A JP 4265793A JP H06258580 A JPH06258580 A JP H06258580A
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JP
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rotation
motor
screw
microscope
moment
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JP5042657A
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Takushi Saito
卓志 齋藤
Yukio Takahashi
幸男 高橋
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単且つコンパクトな構成で顕微鏡部の観察位
置を適宜変更可能な低価格な手術用顕微鏡支持装置を提
供する。 【構成】平行四辺形リンク機構43と、回転モーメント
調整装置45とを備えており、回転モーメント調整装置
は、架台65上に固定されたガイド枠67と、このガイ
ド枠上に、そのガイド方向(S)に軸方向を整合して枢
支されたねじ69と、このねじに螺合され且つガイド枠
に摺動自在に支持された摺動子71とを備える。摺動子
は、ねじを所定方向に回動させることで、ねじに沿って
移動可能であると共に、ねじの回動に伴って回動しない
ようにガイド枠上に摺動自在に支持されている。摺動子
は、スプリング部材73を介して第2の回動軸49に接
続されている。ねじの一端側には、ねじを回動するモー
タ75が配され、他端側には、ねじ部81に螺合された
目盛り管83と調整ハンドル79とが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顕微鏡部を移動可能に
支持する手術用顕微鏡支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、手術用顕微鏡に用いられている支
持装置は、顕微鏡部を3次元空間内で任意の位置に移動
できるように構成されている。例えば、上下に移動させ
る構造として支持装置には、顕微鏡部の観察角度を変え
ずに任意の位置に手動で且つ小さな力量で移動可能であ
ると共に、その任意の位置で保持可能に、リンクの一辺
が垂直支持体に固定され且つその対辺のリンクに顕微鏡
部が取り付けられた平行四辺形リンク機構と、顕微鏡部
の荷重によって平行四辺形リンク機構の4つの回動軸に
発生する回転モーメントに対して逆の回転モーメントを
前記回動軸に与えて、これら両回転モーメントを互いに
相殺させるように、例えばコイルスプリングやガススプ
リング又はカウンタ重り等の回転モーメント付加部材と
が設けられている。
【0003】ところで、顕微鏡を用いた手術のうち、特
に、脳神経外科の分野で行われる頭蓋内深部への手術に
おいて、術部へのアプローチ方法や術者及び患者の姿勢
を原因とする疲労等を考慮して、顕微鏡部の観察角度を
鉛直に近い状態で使用する場合がある。この場合、出血
等の異常に対して即座に対処するために、頭蓋内の深い
術部から頭皮までに亘って、迅速且つ頻繁に、観察位置
を上下方向に大きく変更させる必要がある。このため、
術者は、手動操作を介して平行四辺形リンク機構を上下
方向に頻繁に回動させ、顕微鏡部を上下に大きく位置変
更(以下、粗動と称する)させなければならない。
【0004】また、本分野における術部は、他の分野に
比べて体表からかなり深い位置にあるため、手術に長時
間を要すると共に、手動操作による上下方向への粗動
は、術者に過度な疲労を与えることになる。このため、
手動操作を行うことなく、床面に配置されたフットスイ
ッチ等を介して顕微鏡部の上下粗動を制御可能な支持装
置が要求されている。かかる要求を満足するために、図
9及び図10に示すような支持装置が知られている。図
9に示すように、この支持装置は、平行四辺形リンク機
構1と、この平行四辺形リンク機構1を所定方向に回動
自在に支持する架台部3とを備えている。
【0005】平行四辺形リンク機構1は、四隅に配置さ
れた回動軸5を連結して平行四辺形状に構成された第1
ないし第4のリンク7,9,11,13を備えている。
なお、第3のリンク11には、術部(図示しない)を観
察するための顕微鏡部15が取り付けられている。
【0006】架台部3は、第1のリンク7を構成する垂
直支持体17と、この垂直支持体17を水平回動可能に
支持する水平支持体19と、この水平支持体19を上下
移動可能に支持する支柱21とを備えている。具体的に
は、垂直支持体17は、水平支持体19から上方に突出
した第1垂直軸23上に嵌着された状態で水平支持体1
9上に水平回動可能に支持されており、また、水平支持
体19は、この水平支持体19から下方に突出した第2
垂直軸25を支柱21に嵌着させた状態で支柱21上に
上下移動可能に支持されている。
【0007】なお、平行四辺形リンク機構1の付加的構
成として第2及び第3のリンク9,11が連結された回
動軸5と垂直支持体17との間には、スプリング部材2
7が介装されている。
【0008】また、支柱21内には、上下移動可能に重
り29が内蔵されており、この重り29の重さは、顕微
鏡部15と、平行四辺形リンク機構1と、垂直支持体1
7と、第1及び第2垂直軸23,25を有する水平支持
体19とを合わせた総重量に等しく設定されている。ま
た、この支柱21内には、第1及び第2のプーリ31,
33に掛け渡された少なくとも1本のベルト35が走行
可能に配置されており、その一端は、重り29の上部端
に接続され、その他端は、第2垂直軸25を介して水平
支持体19に接続されている。この結果、重り29は、
支柱21内に上下移動可能に懸架された状態に維持され
る。
【0009】図10には、第1のプーリ31の部分を断
面した側面図が示されており、第1のプーリ31は、支
柱21に支持されたモータ37から延出した駆動軸39
によって回動可能に支持されており、モータ37と第1
のプーリ31との間の駆動軸39には、スリップ機構4
1が介装されている。以下、上述した支持装置の動作に
ついて説明する。
【0010】顕微鏡部15の上下粗動を行う場合におい
て、フットスイッチを介して操作入力を行うと、モータ
37から発生した駆動力は、駆動軸39を介して第1の
プーリ31に伝達される。第1のプーリ31が所定の方
向に回動すると、この回動に伴ってベルトが所定方向に
走行して、重り29を所定方向に上下移動させる。この
結果、重り29と釣り合い状態にある平行四辺形リンク
機構1と垂直支持体17と水平支持体19とが、共に、
支柱21に対して上方又は下方に移動して、顕微鏡部1
5の上下粗動が行われる。なお、上下粗動時、過大な外
力が加わった場合には、スリップ機構41が作動して、
モータ37への外力の伝達を遮断する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9及
び図10に示すような装置では、回転モーメントの釣り
合いのとれた平行四辺形リンク機構1以外の上下粗動専
用の可動部と、荷重釣り合い装置と、過大な外力からモ
ータ37を保護するためのスリップ機構41とが必要と
なる。このため、装置が大型化、複雑化し、また、製造
コストも上昇してしまうという問題が生じている。
【0012】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされ、その目的は、簡単且つコンパクトな構成で
顕微鏡部の観察位置を適宜変更可能な低価格な手術用顕
微鏡支持装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、顕微鏡部の荷重によって発生する
第1の回転モーメントとは逆方向の第2の回転モーメン
トを少なくとも1つの回動軸に対して与える回転モーメ
ント付加部材を備えており、前記回動軸に対して前記第
1及び第2の回転モーメントを釣り合わせた状態で前記
顕微鏡部を3次元空間内で任意に移動可能な手術用顕微
鏡支持装置において、
【0014】前記第2の回転モーメントの大きさを変化
させて、前記第1及び第2の回転モーメントの釣り合い
状態を崩し、前記第1及び第2の回転モーメントの間に
差を生じさせることによって、前記顕微鏡部を前記回動
軸に対して所定方向に回動させる機能を有する回転モー
メント調整装置を備える。
【0015】
【作用】回転モーメント調整装置によって、第2の回転
モーメントの大きさを変化させて、第1及び第2の回転
モーメントの釣り合い状態を崩し、第1及び第2の回転
モーメントの間に差を生じさせることによって、顕微鏡
部を回動軸に対して所定方向に回動させる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例に係る手術用顕
微鏡支持装置について、図1及び図2を参照して説明す
る。図1に示すように、本実施例の手術用顕微鏡支持装
置は、平行四辺形リンク機構43と、回転モーメント調
整装置45とを備えている。
【0017】平行四辺形リンク機構43は、四隅に配置
された第1ないし第4の回動軸47,49,51,53
を連結して平行四辺形状に構成された第1ないし第4の
リンク55,57,59,61を備えており、第1のリ
ンク55を架台に固定させた状態で回動可能に配置され
ている。なお、第3のリンク59には、術部(図示しな
い)を観察するための顕微鏡部63が取り付けられてい
る。
【0018】回転モーメント調整装置45は、架台65
上に固定されたガイド枠67と、このガイド枠67上
に、そのガイド方向(図中矢印Sで示す方向)に軸方向
を整合させた状態で枢支されたねじ69と、このねじ6
9に螺合され且つガイド枠67に摺動自在に支持された
摺動子71とを備えている。
【0019】この摺動子71は、ねじ69を所定方向に
回動させることによって、ねじ69に沿ってガイド方向
(S)に移動可能に構成されていると共に、ねじ69の
回動に伴って回動しないようにガイド枠67上に摺動自
在に支持されている。
【0020】このような摺動子71は、スプリング部材
73を介して第2の回動軸49に接続されている。この
結果、摺動子71と第2の回動軸49との間は、常時、
付勢された状態に維持されている。
【0021】また、回転モーメント調整装置45には、
ねじ69の一端に対して同軸上に配置され且つ架台65
上に固定されたモータ75と、このモータ75に隣接さ
れたロータリーエンコーダ77と、ねじ69の他端の延
長上に設けられ且つ架台65から外方に露出された調整
ハンドル79と、ねじ69の他端と調整ハンドル79と
の間の軸上に形成されたねじ部81に螺合された目盛り
管83とが設けられている。
【0022】なお、ねじ部81のねじピッチは、上述し
たねじ69のねじピッチよりも小さく構成されている。
また、目盛り管83は、ねじ部81の回動に伴って回動
しないように、その回動が規制された状態で架台65上
に設けられており、その途中から架台65外方に露出さ
れている。また、目盛り管83には、数値の目盛り(図
示しない)が付けられている。図2には、回転モーメン
ト調整装置45の制御回路のブロック図が示されてい
る。
【0023】参照符号85は、モータ回転回数計数回路
であり、このモータ回転回数計数回路85は、後述する
モータ駆動回路87から出力されるモータ駆動方向信号
(a)及びリセット信号(b)と共に、ロータリーエン
コーダ77から出力されたモータ回転信号(c)を入力
して、モータ回転回数信号(d)をモータ回転回数比較
回路89に出力する機能を有する。モータ回転回数比較
回路89は、モータ回転回数信号(d)を入力して、モ
ータ駆動信号(e)をモータ駆動回路87に出力する機
能を有する。
【0024】モータ駆動回路87は、モータ75の駆動
用電源を包含しており、モータ駆動信号(e)を入力し
て、モータ75に駆動電源(f)を供給すると共に、上
述したモータ駆動方向信号(a)及びリセット信号
(b)を出力する機能を有する。なお、参照符号91
は、フットスイッチであり、モータ駆動回路87と電気
的に接続されている。次に、本実施例の手術用顕微鏡支
持装置の動作について説明する。
【0025】いま、顕微鏡部63の付属ユニット(図示
しない)が変更され、平行四辺形リンク機構43の第1
ないし第4の回動軸47,49,51,53に作用する
顕微鏡部63の荷重による第1の回転モーメント (M1)
と、スプリング部材73の付勢力(F)による第2の回
転モーメント (M2)との釣り合いが大きく崩れた場合、
釣り合いと取るべく調整ハンドル79を所定方向に回動
すると、これに伴ってねじ69及びねじ部81が回動
し、摺動子71及び目盛り管83が、夫々対応する軸方
向に移動する。
【0026】このとき、摺動子71の移動に伴いスプリ
ング部材73の支点が移動することによって、スプリン
グ部材73の付勢力(F)に対応した第2の回転モーメ
ント(M2)の大きさが変化する。このため、操作者の官
能によって第1及び第2の回転モーメント(M1 、M2)
の釣り合いがとれる同時に、架台65からの目盛り管8
3の露出程度が変化して目視可能な数値の目盛りが、こ
の時の顕微鏡部63の荷重に釣り合うスプリング部材7
3の支点位置を示す。これを初期位置とする。
【0027】次に、顕微鏡部63を上方に粗動させるた
めに、フットスイッチ91を介して粗動方向をモータ駆
動回路87に入力する。モータ駆動回路87は、駆動電
源(f)をモータ75に供給すると共に、モータ駆動方
向信号(a)をモータ回転回数計数回路85に出力す
る。
【0028】この結果、モータ75は、顕微鏡部63を
上昇させるように回転モーメントが変化する方向(以
下、上方粗動方向と称する)に回動すると共に、モータ
75に隣接されたロータリーエンコーダ77からモータ
回転信号(c)がモータ回転回数計数回路85に出力さ
れる。モータ回転信号(c)は、モータ75の初期位置
から現在位置までの回転回数を正の値としてパルス数で
示した信号である。
【0029】モータ回転回数計数回路85は、モータ駆
動方向信号(a)を受けて、モータ75の回動方向が上
方粗動方向と一致している場合、モータ回転信号(c)
のパルス数を前回検出したパルス数に加算し、一致して
いない場合、減算することによって、初期位置から現在
位置までのモータ75の回転回数を検出して、正の値と
してモータ回転回数信号(d)をモータ回転回数比較回
路89に出力する。
【0030】モータ回転回数比較回路89には、可変抵
抗器(図示しない)が接続されており、可変抵抗器にお
いて、手術用顕微鏡の準備段階で第1及び第2の回転モ
ーメント (M1 、M2)の差によって、顕微鏡部63を操
作者にとって最適な速度で粗動させる位置(以下、粗動
位置と称する)までモータ75を回動させるモータ回転
回数が設定される。
【0031】このため、モータ回転回数比較回路89
は、モータ回転回数信号(d)と可変抵抗器で設定され
たモータ回転回数とを比較して、前者が後者よりも小さ
ければ上方粗動方向と同一方向にモータ75を回動させ
るようにモータ駆動信号(e)をモータ駆動回路87に
出力する。また、前者が後者よりも大きければ逆方向に
モータ75を回動させるようにモータ駆動信号(e)を
出力する。即ち、モータ回転回数比較回路89は、モー
タ75の回転回数と予め設定されたモータ回転回数とを
等しくさせるようにモータ駆動信号(e)をモータ駆動
回路87に出力し、両者が等しくなったときモータ75
の駆動を停止させるようにモータ駆動信号(e)をモー
タ駆動回路87に出力する。
【0032】モータ75が必要回転回数まで回動する
と、ねじ69は必要量回動して、このねじ69の回動に
よって、摺動子71が予め設定された上方粗動位置まで
移動する。この結果、第1の回転モーメント (M1)が第
2の回転モーメント (M2)に打ち勝って顕微鏡部63を
上昇させる。
【0033】顕微鏡部63を下方に粗動させる場合、モ
ータ75を下方粗動方向に必要回転回数まで回動させる
と、ねじ69が必要量回動し、このねじ69の回動によ
って摺動子71が予め設定された下方粗動位置まで移動
する。この結果、第2の回転モーメント (M2)が第1の
回転モーメント (M1)に打ち勝って顕微鏡部63を下降
させる。
【0034】フットスイッチ91を介して粗動方向をモ
ータ駆動回路87に入力している間は、顕微鏡部63は
粗動を続けるが、停止させる場合には、フットスイッチ
91の入力を止めることによって、モータ駆動回路87
から駆動電源(f)がモータ75に出力されると共に、
モータ駆動方向信号(a)とリセット信号(b)とがモ
ータ回転回数計数回路85に出力される。
【0035】この結果、モータ75は、顕微鏡部63を
初期位置に復帰させるように回転モーメントが変化する
方向(以下、初期位置復帰方向と称する)に回動すると
共に、モータ75に隣接されたロータリーエンコーダ7
7からモータ回転信号(c)がモータ回転回数計数回路
85に出力される。モータ回転信号(c)は、顕微鏡部
63が上方又は下方粗動位置から現在位置までの回転回
数を正の値としてパルス数で示した信号である。
【0036】モータ回転回数計数回路85は、リセット
信号(b)に基づいて現在までのモータ75の回転回数
をゼロにリセットした後、モータ駆動方向信号(a)を
受けて、モータ75の回動方向が初期位置復帰方向と一
致している場合、モータ回転信号(c)のパルス数を前
回検出したパルス数に加算し、一致していない場合、減
算することによって、上方又は下方粗動位置から現在位
置までのモータ75の回転回数を検出して、正の値とし
てモータ回転回数信号(d)をモータ回転回数比較回路
89に出力する。
【0037】また、モータ回転回数比較回路89には、
上述したように粗動時のモータ75の必要回転回数が設
定されているため、モータ回転回数比較回路89は、上
記モータ回転回数信号(d)と上記可変抵抗器により設
定されたモータ回転回数とを比較して、前者が後者より
小さければ初期位置復帰方向と同一方向にモータ75を
回動させるようにモータ駆動信号(e)をモータ駆動回
路87に出力する。また、前者が後者よりも大きければ
逆方向にモータ75を回動させるようにモータ駆動信号
(e)を出力する。
【0038】モータ75が必要回転回数まで回動する
と、ねじ69は必要量回動して、このねじ69の回動に
よって、摺動子71が初期位置まで移動する。この結
果、第1の回転モーメント (M1)と第2の回転モーメン
ト (M2)とが相殺して、粗動していた顕微鏡部63は任
意の位置で停止される。なお、スプリング部材73は、
コイルスプリングでもガススプリングでも同様の作用が
得られる。
【0039】このように本実施例の手術用顕微鏡支持装
置では、手動によって、回転モーメントの釣り合いのと
れた平行四辺形リンク機構43を回動することによっ
て、上下に観察位置を変更することができるだけでな
く、スプリング部材73の支点をずらして平行四辺形リ
ンク機構43の第1ないし第4の回動軸47,49,5
1,53に作用する回転モーメント (M1 、M2)の釣り
合いを崩すことによって、上下粗動を行うことができる
ため、上下粗動専用の可動部と荷重釣り合い装置とを必
要としない。更に、外部から過大な力が加わっても平行
四辺形リンク機構43の第1ないし第4の回動軸47,
49,51,53に対する回転モーメントの大きさが変
化するだけで、モータ75は何等支障も来さないため、
従来のようなスリップ機構41(図10参照)を必要と
しない。この結果、従来の装置に比べてその構成が簡略
化し且つ製造コストも安価となる装置を提供することが
できる。
【0040】また、本実施例の装置において、回転モー
メント調整装置45の目盛り管83の位置は調整ハンド
ル79の近傍に配置されており、且つ、その輪郭は、円
形に構成されている。このため、目盛り管83に付され
た数値の目盛りは、いかなる方向からも認識し易くなっ
ている。更に、目盛り管83は、スプリング支点位置の
変化よりも小さく目盛りが変化するように構成されてい
るため、小型に構成することができる。
【0041】次に、本発明の第2の実施例に係る手術用
顕微鏡支持装置について、図3を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一の構成
には、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例
の手術用顕微鏡支持装置には、架台65を中心にして左
右に、平行四辺形リンク機構43と、回転モーメント調
整装置45とが配置されている。本実施例の場合、第4
のリンク61は、架台65を越えて図中左方向に延出さ
れており、その延出端部に回転モーメント調整装置45
が設けられている。
【0042】本実施例の場合、第4のリンク61内に
は、このリンク61と同軸上に固定されたモータ75
と、このモータ75に同軸上に隣接されたロータリーエ
ンコーダ77とが設けられている。
【0043】モータ75の駆動軸93には、この軸方向
に沿って同軸上に延出したねじ軸95が連結されてお
り、このねじ軸95には、モータ75側から順に、第1
のねじ部97と、このねじ部97より小さなねじピッチ
の第2のねじ部99とが、ねじ軸95と共に回動可能に
取り付けられている。また、ねじ軸95の延出端には、
このねじ軸95を回動可能な調整ハンドル79が設けら
れている。
【0044】第1のねじ部97には、数値の目盛りが付
された目盛り管83が螺合されており、この目盛り管8
3は、第1のねじ部97の回動と共に回動しないように
規制され且つ軸方向にのみ移動可能な状態で第4のリン
ク61の外周上に嵌合されている。この結果、調整ハン
ドル79を介してねじ軸95を回動させると、第1のね
じ部97が回動し、目盛り管83を軸方向に沿って移動
させる。
【0045】第2のねじ部99には、カウンター重り1
01が螺合されており、このカウンター重り101は、
第2のねじ部99の回動と共に回動しないように規制さ
れ且つ軸方向にのみ移動可能な状態で目盛り管83の外
周上に嵌合されている。この結果、調整ハンドル79を
介してねじ軸95を回動させると、第2のねじ部99が
回動し、カウンター重り101を軸方向に沿って移動さ
せる。
【0046】なお、目盛り管83は、その架台65側の
一部分をカウンター重り101から露出させた状態で配
置されている。その他の構成は第1の実施例と同様であ
るため説明は省略する。
【0047】いま、顕微鏡部63の付属ユニット(図示
しない)が変更され、平行四辺形リンク機構43の第1
ないし第4の回動軸47,49,51,53に作用する
顕微鏡部63の荷重による第1の回転モーメント (M1)
と、カウンター重り101の荷重(W)による第2の回
転モーメント (M2)との釣り合いが大きく崩れた場合、
釣り合いと取るべく調整ハンドル79を所定方向に回動
すると、これに伴ってねじ軸95が回動し、目盛り管8
3及びカウンター重り101が、夫々、軸方向に沿って
移動する。
【0048】この結果、第2の回転モーメント (M2)の
大きさが変化するため、操作者の官能によって第1及び
第2の回転モーメント(M1 、M2)の釣り合いがとれる
同時に、カウンター重り101からの目盛り管83の露
出程度が変化して目視可能な数値の目盛りが、この時の
顕微鏡部63の荷重に釣り合うカウンター重り101の
支点位置を示す。これを初期位置とする。
【0049】次に、顕微鏡部63を上方又は下方に粗動
させる場合、第1の実施例と同様に、モータ75を必要
回転回数だけ回動させると、カウンター重り101は、
予め設定された位置即ち顕微鏡部63が上昇又は下降す
べき位置まで移動する。この結果、第1の回転モーメン
ト (M1)に第2の回転モーメント (M2)が打ち勝つか又
は打ち負けると、顕微鏡部63は、上昇又は下降する。
【0050】また、顕微鏡部63を粗動状態から停止さ
せる場合、第1の実施例と同様に、モータ75を必要回
転回数だけ回動させると、カウンター重り101が初期
位置に復帰し、第2の回転モーメント (M2)と第1の回
転モーメント (M1)とが相殺されて、粗動している顕微
鏡部63は、任意の位置で停止される。
【0051】このように本実施例の手術用顕微鏡支持装
置では、手動によって、回転モーメントの釣り合いのと
れた平行四辺形リンク機構43を回動することによっ
て、上下に観察位置を変更することができるだけでな
く、カウンター重り101をずらして平行四辺形リンク
機構43の第1ないし第4の回動軸47,49,51,
53に作用する回転モーメント (M1 、M2)の釣り合い
を崩すことによって、上下粗動を行うことができるた
め、上下粗動専用の可動部と荷重釣り合い装置とを必要
としない。更に、外部から過大な力が加わっても平行四
辺形リンク機構43の第1ないし第4の回動軸47,4
9,51,53に対する回転モーメントの大きさが変化
するだけで、モータ75は何等支障も来さないため、従
来のようなスリップ機構41(図10参照)を必要とし
ない。この結果、従来の装置に比べてその構成が簡略化
し且つ製造コストも安価となる装置を提供することがで
きる。
【0052】また、本実施例の装置において、回転モー
メント調整装置45の目盛り管83の位置は調整ハンド
ル79の近傍に配置されており、且つ、その輪郭は、円
形に構成されている。このため、目盛り管83に付され
た数値の目盛りは、いかなる方向からも認識し易くなっ
ている。更に、目盛り管83は、その目盛り変化がカウ
ンター重り101の位置変化よりも大きくなるように構
成されているため、調整がし易く、更に構造が簡単にな
ると共に、小型に構成することができる。
【0053】次に、本発明の第3の実施例に係る手術用
顕微鏡支持装置について、図4ないし図7を参照して説
明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した各実施
例と同一の構成には、同一符号を付してその説明を省略
する。
【0054】図4に示すように、本実施例の手術用顕微
鏡支持装置は、平行四辺形リンク機構43と、回転モー
メント調整装置45とを備えており、回転モーメント調
整装置45には、第2の回動軸49と架台65との間に
介装されたガス圧可変ガススプリング103と、このガ
ス圧可変ガススプリング103に所定圧力のガス(図示
しない)を供給するガス圧調整装置105とが設けられ
ている。
【0055】ガス圧調整装置105は、架台65の支持
部材65a上に固定されており、ガスタンク107と、
このガスタンク107の軸方向へ摺動可能に嵌入された
ピストン109と、このピストン109に対して同軸上
に螺合されたねじ111と、このねじ111を所定方向
に回動させるモータ75と、このモータ75に隣接した
ロータリーエンコーダ77とを備えている。
【0056】なお、ガスタンク107及びピストン10
9で構成される圧力室113とガス圧可変ガススプリン
グ103との間は、ガスタンク107から延出したチュ
ーブ115を介して接続されており、圧力室113内に
形成された所定圧力のガスが、かかるチューブ115を
介してガス圧可変ガススプリング103に圧送されるよ
うに構成されている。
【0057】図5に示すように、架台65は、第1のリ
ンク55を構成する垂直支持体117と、この垂直支持
体117を図中XY平面内で水平回動可能に支持する水
平支持体119と、この水平支持体119を回動可能に
支持する水平出し装置121と、この水平出し装置12
1を支持する支柱123とを備えている。具体的には、
垂直支持体117は、水平支持体119の一端側から上
方に突出した第1垂直軸125上に嵌着された状態で水
平支持体119上に水平回動可能に支持されており、ま
た、水平支持体119は、この水平支持体119の他端
側から下方に突出した第2垂直軸127を水平出し装置
121に嵌着させた状態で水平出し装置121上に支持
されている。
【0058】なお、水平支持体119の他端側上部(即
ち、第2垂直軸127の上部)には、図中XY平面に対
する水平支持体119の傾きを検出するために、後述す
る水平出し装置121の構成であるXY傾き検出部12
9が設けられている。
【0059】図5及び図6に示すように、水平出し装置
121は、XY傾き検出部129のX軸に対応した方向
に架台65の傾斜角度を変化させるX方向傾き駆動部1
31と、XY傾き検出部129のY軸に対応した方向に
架台65の傾斜角度を変化させるY方向傾き駆動部13
3と、上部側に第2垂直軸127の下端部を嵌着させた
状態で支柱123内に支持された基盤137とを備えて
いる。
【0060】この基盤137は、その下部側に断面球面
状の突出部135を備えており、この突出部135の周
面側には、フランジ部135aが形成されている。この
ような基盤137は、その突出部135を支柱123上
部に形成された水平面123aに当接させた状態で支柱
123内に配置されている。
【0061】このフランジ部135aには、X及びY方
向傾き駆動部131,133が接続されているが、図5
には、その断面図の関係上、X方向傾き駆動部131の
みが示されている。X方向傾き駆動部131は、フラン
ジ部135aに螺合したねじ139と、このねじ139
を所定方向に回動させるモータ141とを備えている。
なお、Y方向傾き駆動部133の構成も同様であるた
め、その説明及び図示はしない。
【0062】図7に示すように、XY傾き検出部129
は、X方向駆動演算部143を介してX方向傾き駆動部
131に、また、Y方向駆動演算部145を介してY方
向傾き駆動部133に、夫々電気的に接続されている。
【0063】本実施例において、顕微鏡部63を上方又
は下方に粗動させる場合、上述した実施例と同様に、モ
ータ75を必要回転回数まで回動させると、ねじ111
の回動によってピストン109がガスタンク107内を
摺動して、圧力室113内の圧力を変化させる。この圧
力変化は、チューブ115を介してガス圧可変ガススプ
リング103に伝達され、ガス圧可変ガススプリング1
03の付勢力(F)を変化させる。この結果、顕微鏡部
63の荷重による第1の回転モーメント (M1)とガス圧
可変ガススプリング103の付勢力による第2の回転モ
ーメント (M2)との釣り合い状態が崩れて、顕微鏡部6
3を上昇又は下降させる。
【0064】なお、このとき、ピストン109は、第1
の回転モーメント (M1)と第2の回転モーメント (M2)
とが釣り合い状態にある初期位置から顕微鏡部63を上
昇又は下降すべき位置まで移動している。このようにガ
ス圧可変ガススプリング103は、平行四辺形リンク機
構43に与える回転モーメント (M1 、M2)を調節する
機能を有している。
【0065】このような作用によって、第1の回転モー
メント (M1)に第2の回転モーメント (M2)が打ち勝つ
か又は打ち負けると、顕微鏡部63は、上昇又は下降さ
れることになる。
【0066】顕微鏡部63を粗動状態から停止させる場
合、同様に、モータ75を必要回転回数だけ回動させる
と、ピストン109が初期位置に復帰する。この結果、
第2の回転モーメント (M2)と第1の回転モーメント
(M1)とが相殺して、粗動していた顕微鏡部63は任意
の位置で停止される。
【0067】また、図7に示すように、XY傾き検出部
129から出力されたX方向の傾き量を示すX方向傾き
信号は、常時、X方向駆動演算部143に入力されてい
る。X方向駆動演算部143は、水平出しスイッチ(図
示しない)を介してX方向傾き信号に対応したX方向駆
動信号をX方向傾き駆動部131に出力する。X方向傾
き駆動部131は、入力したX方向駆動信号に基づいて
モータ75を回動させる。
【0068】このような作用によって架台65が図中X
方向に対して水平に位置付けられたとき即ちX方向傾き
信号がゼロになったとき、X方向駆動演算部143は、
X方向傾き駆動部131へのX方向駆動信号の出力を停
止する。この結果、X方向傾き駆動部131のX方向駆
動が停止されることによって、X方向への水平出しが自
動的に行われる。なお、Y方向への水平出しも同様の作
用によって、架台65の水平出しが自動的に行うことが
できる。
【0069】このように本実施例の手術用顕微鏡支持装
置では、手動によって、回転モーメントの釣り合いのと
れた平行四辺形リンク機構43を回動することによっ
て、上下に観察位置を変更することができるだけでな
く、ガス圧可変ガススプリング103へ供給するガス圧
を変化させて、平行四辺形リンク機構43の第1ないし
第4の回動軸47,49,51,53に作用する第1及
び第2の回転モーメント (M1 、M2)の釣り合いを崩す
ことによって、上下粗動を行うことができるため、上下
粗動専用の可動部と荷重釣り合い装置とを必要としな
い。更に、外部から過大な力が加わっても平行四辺形リ
ンク機構43の第1ないし第4の回動軸47,49,5
1,53に対する回転モーメントの大きさが変化するだ
けで、モータ75は何等支障も来さないため、従来のよ
うなスリップ機構41(図10参照)を必要としない。
この結果、従来の装置に比べてその構成が簡略化し且つ
製造コストも安価となる装置を提供することができる。
【0070】また、本実施例の装置には、自動的に水平
出しを行う水平出し装置121が設けられているため、
顕微鏡部63を水平面内で移動せる際、小さな力量で移
動させることが可能となる。
【0071】次に、本発明の第4の実施例に係る手術用
顕微鏡支持装置について、図8を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した各実施例と同一の
構成には、同一符号を付してその説明を省略する。図8
には、本実施例の装置が、顕微鏡の俯仰装置に適用され
た状態が示されている。
【0072】本実施例の装置が適用された顕微鏡の俯仰
装置は、平行四辺形リンク機構43と、回転モーメント
調整装置45と、これら両者(43,45)を取り付け
可能な取り付け部材147とを備えている。
【0073】取り付け部材147は、後述する回転モー
メント調整装置45の支持部材を回動可能に支持するア
ーム部149と、このアーム部149から突出し且つ垂
直軸153と直交する頂面部151aを有する突出アー
ム部151とを備えている。
【0074】平行四辺形リンク機構43は、四隅に配置
された第1ないし第4の回動軸47,49,51,53
を連結して平行四辺形状に構成された第1ないし第4の
リンク55,57,59,61を備えている。なお、第
3のリンク59には、術部(図示しない)を観察するた
めの顕微鏡鏡体63aが相対位置調節可能に取り付けら
れている。
【0075】第2のリンク57には、その第1の回動軸
47側の端部に、中空円筒状の円筒体155が形成され
ており、この円筒体155の内部に第1のリンク55が
挿着されている。
【0076】この第1のリンク55が回動可能に嵌着し
た第1の回動軸47には、円筒体155に内蔵された第
1の電磁ブレーキ157が接続されており、この第1の
電磁ブレーキ157を制御することによって、第1の回
動軸47を適宜固定状態に保持可能に構成されている。
【0077】円筒体155は、取り付け部材147のア
ーム部149に回動可能に嵌着された第7の回動軸15
9に取り付けられており、この結果、第2のリンク57
は、取り付け部材147に対して回動可能に連結されて
いる。この第7の回動軸159は、第1及び第2の回動
軸47,49と直交し且つ垂直軸153との間の角度
(θ)が45度を成して配置されている。
【0078】第7の回動軸159には、取り付け部材1
47に内蔵された第2の電磁ブレーキ161が接続され
ており、この第2の電磁ブレーキ161を制御すること
によって、第7の回動軸159を適宜固定状態に保持可
能に構成されている。
【0079】また、本実施例に適用された平行四辺形リ
ンク機構43には、その第2及び第4のリンク57,6
1の中央部に、第1及び第3のリンク55,59と平行
に配置された中間リンク163が設けられている。この
中間リンク163は、第2のリンク57と第4のリンク
61との間の間隙に挿入配置されており、第1ないし第
4の回動軸47,49,51,53と平行に配置された
第5及び第6の回動軸165,167によって枢支され
ている。
【0080】第5の回動軸165は、中間リンク163
と第2のリンク57とを回動可能に連結し、第6の回動
軸167は、その一端が第2のリンク57に回動可能に
嵌着され且つ他端が中間リンク163に固着されてい
る。また、第6の回動軸167は、その他端から更に同
軸上に延出しており、かかる延出端部(図示しない)に
回転モーメント調整装置45が固着されている。
【0081】回転モーメント調整装置45は、第7の回
動軸159に対する第1の回転モーメント調整装置16
9と、第2の回動軸49に対する第2の回転モーメント
調整装置171と、スプリング部材173とを備えてい
る。
【0082】第1の回転モーメント調整装置169は、
第6の回動軸167の延出端部に固着され且つ第6の回
動軸167と同軸方向に延出した第1の支持部材175
と、この第1の支持部材175に回動可能に螺合され且
つ第1の支持部材175の長手方に延出した第1のねじ
部177と、この第1のねじ部177に螺合され且つ第
1の支持部材175によって摺動可能に支持された第1
の摺動子179と、第1のねじ部177を所定方向に回
動させる第1のモータ181と、この第1のモータ18
1に同軸上に隣接された第1のロータリーエンコーダ1
83とを備えている。
【0083】第2の回転モーメント調整装置171は、
第6の回動軸167に直交して延出し且つ第1の摺動子
179を支持可能な第2の支持部材185と、この第2
の支持部材185に回動可能に螺合され且つ第2の支持
部材185の長手方向即ち第1のねじ部177に直交す
る方向に延出した第2のねじ部187と、この第2のね
じ部187に螺合され且つ第2の支持部材185によっ
て摺動可能に支持された第2の摺動子189と、第2の
ねじ部187を所定方向に回動させる第2のモータ19
1と、この第2のモータ191に同軸上に隣接された第
2のロータリーエンコーダ193とを備えている。
【0084】スプリング部材173は、突出アーム部1
51と第2の摺動子189との間に介装されており、そ
の一端は突出アーム部151の延長端部151bに接続
され、且つ、その他端は第2の摺動子189に接続され
ている。なお、第1及び第2の回転モーメント調整装置
は、夫々、図2に示すような制御回路と同様の制御回路
を有している。以下、本実施例の装置の動作について説
明する。
【0085】本実施例によれば、第2及び第7の回動軸
49,159に対する顕微鏡鏡体63aの俯仰(以下、
回動俯仰及び前後俯仰と称する)粗動を行うことができ
るが、双方とも同様の作用であるため、回動俯仰粗動に
ついてのみ説明する。
【0086】初期状態において、顕微鏡鏡体63aの荷
重による第1の回転モーメント (M1)と、第7の回動軸
159に対するスプリング部材173の付勢力(F)に
よる第2の回転モーメント (M2)とは互いに釣り合い状
態にあり、第2の電磁ブレーキ161によって固定され
ている。
【0087】左右に回動俯仰粗動させる場合、フットス
イッチ91(図2参照)を介して回動俯仰方向を入力す
ると、第2の電磁ブレーキ161が解除され、第1のモ
ータ181及び第1のねじ部177が必要回転回数だけ
回動する。このため、第1の摺動子179は、第1のね
じ部177の回動に対応して予め設定された位置まで第
1の支持部材175上を摺動する。この結果、第1及び
第2の回転モーメント(M1 、M2)の釣り合い状態が崩
れることによって、顕微鏡鏡体63aは左右に回動俯仰
粗動が可能となる。
【0088】なお、予め設定された位置とは、第1の実
施例と同様に、顕微鏡鏡体63aが回動俯仰するのに必
要な第1のモータ181の回転回数を制御回路に入力す
ることによって設定される。
【0089】回動俯仰粗動を停止させる場合、フットス
イッチ91からの入力を停止すると、これに同期して、
第2の電磁ブレーキ161が固定される。この結果、顕
微鏡鏡体63aの回動俯仰粗動が停止して、第1の実施
例と同様に、スプリング部材173の支点位置が初期位
置に復帰される。
【0090】かかる動作は、第2の回動軸49に対する
第2の回転モーメント調整装置171についても同様で
あり、顕微鏡鏡体63aを任意の位置に俯仰させること
ができる。
【0091】このように、本実施例の手術用顕微鏡支持
装置が適用された顕微鏡の俯仰装置において、手動によ
って、回転モーメントの釣り合いのとれた顕微鏡鏡体6
3aを回動俯仰及び前後俯仰させることによって、観察
位置を変更することができるだけでなく、スプリング部
材173の支点をずらして、第2及び第7の回動軸4
9,173に作用する第1及び第2の回転モーメント
(M1 、M2)の釣り合いを崩すことによって、顕微鏡鏡
体63aの回動俯仰及び前後俯仰を行うことができると
共に、第2の電磁ブレーキ161を用いて固定させるた
め、俯仰粗動を停止した場合の応答性が向上する。ま
た、駆動部に過負荷が加わることもないので、従来のよ
うなスリップ機構41(図10参照)を必要としない。
【0092】
【発明の効果】本発明は、回転モーメント調整装置によ
って、第2の回転モーメントの大きさを変化させて、第
1及び第2の回転モーメントの釣り合い状態を崩し、第
1及び第2の回転モーメントの間に差を生じさせること
によって、顕微鏡部を回動軸に対して所定方向に回動さ
せることができる。この結果、従来のように粗動部専用
の荷重釣り合い装置等を必要しないため、大型化・複雑
化を招くことなく簡単且つコンパクトな構成で顕微鏡部
の観察位置を適宜変更可能な低価格な手術用顕微鏡支持
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る手術用顕微鏡支持
装置の全体の構成を概略的に示す部分断面図。
【図2】図1に示す装置の回転モーメント調整装置に適
用された制御回路のブロック図。
【図3】本発明の第2の実施例に係る手術用顕微鏡支持
装置の全体の構成を概略的に示す部分断面図。
【図4】本発明の第3の実施例に係る手術用顕微鏡支持
装置の全体の構成を概略的に示す部分断面図。
【図5】図4に示す装置の外観斜視図。
【図6】図4に示す装置に適用された水平出し装置の部
分の拡大断面図。
【図7】図4に示す装置に適用された制御回路のブロッ
ク図。
【図8】本発明の第4の実施例に係る手術用顕微鏡支持
装置が適用された顕微鏡の俯仰装置の全体の構成を概略
的に示す外観斜視図。
【図9】従来の手術用顕微鏡支持装置の全体の構成を概
略的に示す部分断面図。
【図10】図9に示す装置の第1のプーリの部分の拡大
断面図。
【符号の説明】
43…平行四辺形リンク機構、45…回転モーメント調
整装置、49…第2の回動軸、65…架台、67…ガイ
ド枠、69…ねじ、71…摺動子、73…スプリング部
材、75…モータ、79…調整ハンドル、81…ねじ
部、83…目盛り管、S…ガイド方向。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕微鏡部の荷重によって発生する第1の
    回転モーメントとは逆方向の第2の回転モーメントを少
    なくとも1つの回動軸に対して与える回転モーメント付
    加部材を備えており、前記回動軸に対して前記第1及び
    第2の回転モーメントを釣り合わせた状態で前記顕微鏡
    部を3次元空間内で任意に移動可能な手術用顕微鏡支持
    装置において、 前記第2の回転モーメントの大きさを変化させて、前記
    第1及び第2の回転モーメントの釣り合い状態を崩し、
    前記第1及び第2の回転モーメントの間に差を生じさせ
    ることによって、前記顕微鏡部を前記回動軸に対して所
    定方向に回動させる機能を有する回転モーメント調整装
    置を備えていることを特徴とする手術用顕微鏡支持装
    置。
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