JP2006230691A - 医療機器支持アーム - Google Patents

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茂樹 藤長
Keiichiro Hara
圭一郎 原
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一磯 熊谷
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Abstract

【課題】 医療機器を移動自在に支持する医療機器支持アームにおいて、小容量のモータを用いつつ、広範囲にわたって操作力の負担を軽減することを可能にする。
【解決手段】 医療機器支持アーム1は、支持台2に水平回転自在に接続された第1アーム部材3Aと、第1アーム部材3Aに水平回転自在に接続された第2アーム部材3Bと、第2アーム部材3Bに鉛直回転自在に接続された第3アーム部材3Cとからなる。第3アーム部材3Cには、モータ23及びバネ3iが設けられている。バネ3iは、医療機器50の重力により生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる。モータ23は、重力モーメントと対抗モーメントとのアンバランスにより生じるアンバランスモーメントを補償する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療機器支持アームに関するものである。
従来より、重量の大きい医療機器を移動自在に支持する装置として、医療機器支持アームが用いられている。医療機器支持アームは、例えば手術や検査等の際、患者の患部を拡大して映す顕微鏡やモニター等を移動自在に支持するものである。そのため、医療機器支持アームは、医療機器を広範囲に移動可能であることが望ましく、また、位置調整を容易に且つ正確に行えることが望ましい。しかし、一般に顕微鏡等の医療機器の重量は大きく、これら医療機器を移動させる際(特に持ち上げ動作の際)、必要とされる操作力は相当大きなものとなる。そのため、医療機器支持アームは、本来的に、医療機器の移動に際して操作者の負担が大きいものであった。
一方、従来から、顕微鏡を移動自在に支持し、軽い操作力で移動可能とするため、バネやモータを用いて移動操作をアシストする支持アームが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1に開示された支持アームでは、重力に対抗する補助力を付与するアシスト装置としてバネを用いている。当該アシスト装置は、バネの弾性力と顕微鏡に作用する重力とを相殺させて、アームの支点回りのモーメントのバランスをとることにより、顕微鏡の移動に要する操作力の軽減を図る装置である。
一方、特許文献2に開示された支持アームでは、上述のバネの代わりにモータを用いている。この支持アームは、複数のアーム部材のそれぞれにモータを取り付け、顕微鏡に作用する重力への対抗力をモータによって付与するものである。
特開2002−136527号公報 特許第3272286号公報
特許文献1に開示された支持アームでは、顕微鏡による重力モーメントとは逆向きの対抗モーメントを、バネの弾性力によって発生させる。しかしながら、アームの旋回により顕微鏡の位置が変わると、アームにかかる重力モーメントは変動する。また、アームの旋回により顕微鏡の位置が変わると、バネが伸縮するので、対抗モーメントも変動する。ところが、重力モーメントと対抗モーメントとは、互いに無関係に変動する。そのため、重力モーメントと対抗モーメントとを合成した合成モーメントは、常には相殺されず、結果としてアンバランスを生じていた。
特許文献2に開示された支持アームでは、重力への対抗力を全てモータにより発生させていたため、相当大きな容量のモータが必要であった。その結果、モータの消費電力が多く、また、支持アーム全体のコストも高くならざるを得なかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容量の小さなモータを用いても、広範囲にわたってバランスをとることができ、操作力の負担を軽減することが可能な医療機器支持アームを提供することにある。
本発明に係る医療機器支持アームは、水平移動自在な移動部材と水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、を備えたものである。
上記医療機器支持アームによれば、移動部材が水平移動することにより、水平面上の前後左右の広範囲にわたって医療機器を移動させることが可能となる。また、回転アーム部材が水平軸回りに回転(以下、鉛直回転という)することにより、医療機器を上下に移動させることができる。
ここで、医療機器の高さ位置は、回転アーム部材の基準位置からの回転量によって定まる。そのため、支持部材に加わる重力モーメントは、回転アーム部材の回転量によって定まる。したがって、医療機器の高さ位置が変化したときの重力モーメントの変動は、比較的単純なものとなる。よって、重力モーメントをほぼ相殺するような対抗モーメントを、弾性体によって比較的簡易に生成することができる。
一方、重力モーメントと弾性体による対抗モーメントとは、本質的には、互いに無関係に変動する。そのため、弾性体による対抗モーメントのみでは、広範な移動範囲のすべてにおいて重力モーメントを補償することは難しい。ところが、上記医療機器支持アームでは、回転アーム部材を回転駆動する駆動装置を備えているので、弾性体による対抗モーメントと重力モーメントとの間のアンバランス(以下、アンバランスモーメントという)を駆動装置の駆動力によって補償することができる。ここで、重力モーメントの大部分は弾性体による対抗モーメントによって打ち消されるので、駆動装置の駆動力は小さくても済む。したがって、駆動装置の低容量化又は小型化を図ることができる。
本発明に係る他の医療機器支持アームは、第1の鉛直軸回りに回転自在な第1アーム部材と、第2の鉛直軸回りに回転自在な第2アーム部材と、水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、を備えたものである。
上記医療機器支持アームによれば、第1アーム部材及び第2アーム部材の鉛直軸回りの回転(以下、水平回転という)により、前後左右の広範囲にわたって医療機器を移動させることが可能となる。また、回転アーム部材の鉛直回転により、医療機器を上下に移動させることができる。
上記医療機器支持アームによれば、前述のように、重力モーメントをほぼ相殺するような対抗モーメントを、弾性体により比較的容易に発生させることができる。さらに、弾性体のみでは解消しきれないアンバランスモーメントを、駆動装置の駆動力によって解消することができる。アンバランスモーメントの大部分は弾性体によって解消されるので、駆動装置の低容量化又は小型化を図ることができる。
本発明に係る他の医療機器支持アームは、第1の水平線に沿ってスライド自在な第1スライド部材と、前記第1の水平線と交差する第2の水平線に沿ってスライド自在な第2スライド部材と、水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、を備えたものである。
上記医療機器支持アームによれば、第1スライド部材及び第2スライド部材の両水平移動により、前後左右の広範囲にわたって医療機器を移動させることが可能となる。また、回転アーム部材の鉛直回転により、医療機器を上下に移動させることができる。
上記医療機器支持アームにおいても、重力モーメントをほぼ相殺するような対抗モーメントを、弾性体により比較的容易に発生させることができる。さらに、弾性体のみでは解消しきれないアンバランスモーメントを、駆動装置の駆動力によって解消することができる。アンバランスモーメントの大部分は弾性体によって解消されるので、駆動装置の低容量化又は小型化を図ることができる。
前記回転アーム部材は、平行リンク構造を有していることが好ましい。
このことにより、支持部材に支持された医療機器を、姿勢を保持したまま上下方向に移動させることが容易になる。したがって、医療機器を用いた検査等を容易に行うことができる。
前記回転アーム部材には、前記医療機器を支持する支持具が設けられていることが好ましい。
このことにより、回転アーム部材は支持部材の先端側に配置され、回転アーム部材に加わる力は医療機器の重量のみとなる。そのため、回転アーム部材に加わる力は小さくなる。したがって、弾性体に必要とされる弾性力を小さく抑えることができ、弾性体の設定が容易となる。
前記医療機器支持アームは、操作レバーと、前記操作レバーに加えられた力及び当該力の方向を検出するセンサと、前記センサからの検出信号に基づき、前記医療機器を前記方向に移動させるように少なくとも前記駆動装置を制御する制御装置と、を備えていてもよい。
このことにより、操作者が医療機器を移動させる際、移動させようとする方向に向かって操作レバーに力を加えるだけで、支持部材は自動的に駆動され、医療機器は直ちに当該方向に向かって移動する。そのため、操作力の軽減及び操作の容易化を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、容量の小さなモータを用いても、広範囲にわたって重力モーメントと対抗モーメントとのバランスをとることができ、医療機器を移動させる際の操作力の負担を軽減することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、実施形態に係る医療機器支持アーム(以下、単に支持アームという)1は、支持台2に取り付けられている。支持アーム1は、第1アーム部材3Aと第2アーム部材3Bと第3アーム部材3Cとからなるアーム部3を備えている。
支持台2は、ベース部2aと、ベース部2aの上に固定された支柱2bとから構成されている。ベース部2aは移動不能に構成されていてもよいが、ここでは、ベース部2aは図示しないローラ等により移動可能である。ただし、ベース部2aにはストッパ等(図示せず)が設けられ、医療機器50の使用時には当該ストッパ等により移動不能に設定される。支柱2bの上端部にはアーム部3の一端が接続されており、支柱2bはアーム部3の全荷重(医療機器50を含む)を支持する。なお、本実施形態では支柱2bは伸縮しないが、支柱2bはモータ等によって鉛直方向に伸縮自在なものであってもよい。
第1アーム部材3Aは、支柱2bの上端部に接続されている。第1アーム部材3Aは、支柱2bの第1鉛直軸11回りに水平回転自在に構成されている(図1の符号α参照)。また、第1アーム部材3Aは、側面視において、支柱2bと接続された根元側が先端側よりも低くなるよう傾斜して設置されている。第1アーム部材3Aの先端部には連結部材4が固定されている。
連結部材4は、第1アーム部材3Aの水平回転に従動して第1鉛直軸11回りに水平回転する。連結部材4の上端部には、第2アーム部材3Bが接続されている。
第2アーム部材3Bは、側面視において垂直部分と水平部分とを有するL字状の棒状部材からなっている。第2アーム部材3Bの垂直部分は水平部分の根元側に設けられており、連結部材4の上端部に接続されている。第2アーム部材3Bは、連結部材4の第2鉛直軸12回りに水平回転自在に構成されている(図1の符号α参照)。これにより、第2アーム部材3Bの先端部は、第2鉛直軸12回りの円軌道上を移動することとなる。上述したように、第2鉛直軸12を有する連結部材4は、第1鉛直軸11回りの円軌道上を移動する。このようなアーム構成により、第2アーム部材3Bの先端部は、平面視において第1鉛直軸11を中心としかつ両アーム部材3A,3Bを足した長さを半径とする円周内の略任意の位置に移動可能となっている。
第2アーム部材3Bの先端部には、第3アーム部材3Cの根元部が接続されている。第3アーム部材3Cは、鉛直回転自在(図1の符号α参照)な平行リンク構造を有している。具体的には、第3アーム部材3Cは、互いに平行に設けられた棒状部材からなるリンク3a及び3bと、リンク3a及び3bの根元側を連結する連結部材3dと、リンク3a及び3bの先端側を連結する連結部材3eとからなっている。
連結部材3dは、第2アーム部材3Bの先端部に固定されており、第2アーム部材3Bと直交している。連結部材3dは、その上端部で水平軸(図1表裏方向に延びる水平軸)13aと直交し、その下端部で水平軸(図1表裏方向に延びる水平軸)13bと直交している。リンク3aの根元側の端部は、水平軸13aに鉛直回転自在にピン結合されており、リンク3aの先端部は、連結部材3eの上端部にピン結合されている。リンク3bの根元側の端部は、水平軸13bに鉛直回転自在にピン結合されており、リンク3bの先端部は、連結部材3eの下端部にピン結合されている。このような構成により、常にリンク3a及び3bはそれぞれの水平軸13a及び13b回りに同じ角度だけ鉛直回転し、連結部材3eは一定の姿勢を保ったまま上下方向に移動することとなる。
リンク3aの先端部付近には、リンク3aと直交する方向に伸びるバネ受け3hが固定されている。バネ受け3hにはバネ3iの一端が固定されており、バネ3iの他端は連結部材3dの略中間部分に固定されている。バネ3iは、リンク3a及び3bと略平行に伸びている。バネ3iは、リンク3aの鉛直回転に従って、バネ3iの他端側を支点にして鉛直回転する。この鉛直回転により、バネ3iは伸縮し、後述するような対抗モーメントMsを生じることとなる。
連結部材3eの下端には、医療機器50を保持するための保持具5が取り付けられている。保持具5には操作ハンドル6が設けられている。操作ハンドル6には、外部から加えられた力及びその力の方向を検出するセンサ6cが内蔵されている。なお、このセンサ6cは、3次元の任意の方向を検出することができるいわゆる3方向力センサである。
支柱2bには、第1アーム部材3Aを水平回転させるためのモータ21が設けられている。連結部材4には、第2アーム部材3Bを水平回転させるためのモータ22が設けられている。連結部材3dの水平軸13aには、第3アーム部材3Cを鉛直回転させるためのモータ23が設けられている。これらのモータ21,22,23にはそれぞれ減速機31,32,33が取り付けられている。
図2に示すように、支持アーム1には、モータ制御のためのサーボアンプ7aと、センサ信号をデジタル信号として入力するためのA/D変換機7bと、中央処理装置8とが設けられている。なお、これらサーボアンプ7a、A/D変換機7b及び中央処理装置8は支持アーム1に内蔵されていてもよく、支持アーム1と別個に配置されていてもよい。
以上のように、本支持アーム1のアーム部3では、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bは医療機器50を専ら水平方向に移動させるだけであり、医療機器50を上下方向に移動させる部材は第3アーム部材3Cのみである。
次に、図2を参照しながら支持アーム1の移動動作について説明する。
まず、操作者が、医療機器50を移動させたい方向(3次元空間の任意の方向)に向かって、操作ハンドル6に力を加える。すると、加えられた力及びその力の方向がセンサ6cにより検出され、信号化される。センサ6cにおける検出信号は、A/D変換機7bによってデジタル信号化され、中央処理装置8に送られる。
中央処理装置8は、モータ21,22,23の駆動に先立って、モータ21,22,23の回転数及び回転方向の演算を行う。モータ21,22,23の回転数及び回転方向は、操作ハンドル6に対する操作力及び操作方向に対応するように設定される。中央処理装置8で処理された信号は、サーボアンプ7aに送られ、増幅される。この増幅信号により、モータ21,22,23は、設定された回転数及び回転方向となるよう駆動される。その結果、処理信号に基づき、モータ21,22が第1アーム部材3A,第2アーム部材3Bを必要な分だけ水平旋回させ、モータ23が第3アームを必要な分だけ鉛直旋回させ、医療機器50を所望の位置に移動させる。
この移動の際、医療機器50とアーム部3とにかかる重力によって、アーム部3には下向きのモーメント(重力モーメント)が発生する。ここで、この下向きのモーメントを補償するためには、第3アーム部材3Cを鉛直旋回させるモータ23は、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bを水平旋回させるモータ21及び22に比べて、より大きな駆動力を発生させなければならないこととなる。しかし、本実施形態では、第3アーム部材3Cにバネ3iが設けられているので、このバネ3iにより生じる上向きのモーメント(対抗モーメント)によって、モータ23に必要とされる補償力は軽減している。以下、図3のグラフを参照しながら、バネ3iの効用について詳述する。
図3は、アーム部3と支持台2との接続中心点(言い換えると、アーム部3の根元側の端部)を支点としてアーム部3に生じる各モーメントを示す図である。なお、ここでは、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bの位置は固定した上で、第3アーム部材3Cを鉛直旋回させることにより生じる各モーメントを示している。すなわち、重力モーメント及び対抗モーメントを考える上で第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bの影響は無視することができるので、図3ではそれらを無視している。
Mwは医療機器50とアーム部3とにより生じる重力モーメントであり、Msはバネ3iにより生じる対抗モーメントである。また、Mtotalは、重力モーメントMw及び対抗モーメントMsを合成した合成モーメントを示す。Dsはバネ3iの長さの変位量を示しており、バネ3iが水平となる地点での長さを基準として表されている。Dsは、バネ3iが伸びると負の数値となり、縮むと正の数値となる。なお、アーム旋回角αは、第3アーム部材3Cの水平面からの旋回角度を示し、下向きを正とするものである。
図3に示すように、重力モーメントMwは、第3アーム部材3Cの旋回に伴って増減し、対抗モーメントMsも、第3アーム部材3Cの旋回に伴って増減する。また、重力モーメントMwと対抗モーメントMsとは、一方が増加すると他方は減少するといったように、略逆向きに同程度変化する関係となる。ここで、バネ3iが設けられていない場合、医療機器50を上方に移動させるためには、重力モーメントMw分の力をモータ23によって補わなければならないことになる。しかし、本実施形態の支持アーム1では、バネ3iによる対抗モーメントMsによって重力モーメントMwの大部分が相殺され、合成モーメントMtotalは、広範な旋回角において零付近を推移することとなる。一方、Mtotalは、全ての旋回角において完全に零とはならず、若干のアンバランスモーメントMu(図3の斜線部分)を生じている。したがって、本実施形態の支持アーム1では、モータ23は、全重力モーメントMwを補う必要はなく、上記アンバランスモーメントMuを補償すればよいこととなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bを水平回転自在とし、第3アーム部材3Cのみを鉛直回転自在としている。これにより、アーム部3に支持される医療機器50の高さ位置は、第3アーム部材3Cの旋回のみによって変動することとなる。そのため、アーム部3に生じる重力モーメントMwも第3アーム部材3Cの旋回のみによって変動することとなり、重力モーメントMwと相殺する対抗モーメントMsの設定が容易になる。したがって、バネ3iによって重力モーメントMwの大部分を補償することができ、アンバランスモーメントMuを最小限に抑えることができる。それゆえ、医療機器50の上下移動の際にモータ23が補償しなければならない力は最小限で済み、モータ23を小型化しても、十分なアシスト効果を発揮することができる。
また、本実施形態によれば、鉛直回転自在な第3アーム部材3Cを平行リンク構造としている。そのため、第3アーム部材3Cに支持された医療機器50を、一定の姿勢を保ったまま上下動させることができる。したがって、医療機器50が検査や治療等に利用される顕微鏡や検査用モニター等であっても、便利に利用することができる。
支持アーム1の操作ハンドル6には、外部から加えられた力及びその力の方向を検出するセンサ6cが内蔵されている。そのため、操作者が医療機器50を移動させようとする方向に向かって操作ハンドル6に力を加えると、医療機器50が当該方向に移動するようにモータ21,22,23を自動的に制御することができる。これにより、複雑な操作は不要となり、医療機器50を容易に所望の位置に移動させることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、支持アーム1は支持台2によって支持されていた。しかしながら、支持アーム1を支持する部材は、支持台2に限定される訳ではない。図4に示すように、第2実施形態は、支持アーム1を天井70から懸架したものである。
図4に示すように、アーム部3の第1アーム部材3Aの根元部は、天井70に水平回転自在に設置されている。第1アーム部材3Aの先端部には、第2アーム部材3Bの根元部が水平回転自在に接続されている。また、第2アーム部材3Bの先端部には、平行リンク構造の第3アーム部材3Cが接続されている。このような構成により、本実施形態では、支持台2を省略することができ、省スペース化を図ることが可能となる。また、天井懸架としているため、操作者が支持台2にぶつかったり、つまずいたりすることがない。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
(第3実施形態)
上記各実施形態では、医療機器50の水平方向の移動は、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bの水平回転により行われていた。しかしながら、医療機器50の水平方向の移動方法は、上記各実施形態の方法(第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bの水平回転)に限られる訳ではない。図5に示すように、第3実施形態は、第1アーム部材3A及び第2アーム部材3Bの代わりに、第1の水平直線(Y方向)上をスライド移動する第1プレート3Dと、第2の水平直線(X方向)上をスライド移動する第2プレート3Eとを備えたものである。
第1の水平直線と第2水平直線とは互いに交差していればよく(言い換えると、非平行であればよく)、直交していてもよく、直交していなくてもよい。本実施形態では、医療機器50を支持する支持部材は、第1プレート3D、第2プレート3E及び第3アーム部材3Cによって構成されている。なお、図5では、バネ3iの図示は省略している。
本実施形態の支持アーム1は、第1実施形態と同様に支持台2に支持されていてもよく、第2実施形態と同様に天井から懸架されていてもよい。
第1プレート3D及び第2プレート3Eは、長方形の板状部材からなり、それぞれ長辺方向であるY及びX方向にスライド移動自在となっている。また、第3アーム部材3Cは、第1及び第2の実施形態と同様に平行リンク構造を有しており、第2プレート3Eに鉛直回転自在に接続されている。そして、第1実施形態と同様に、支持アーム1の先端側には、操作ハンドル及び操作ハンドルに内蔵されたセンサ(図5では図示せず)が設けられている。
このような構成により、操作者が操作ハンドル6を目的の方向に押すと、中央処理装置8からの処理信号によりモータ21,22,23が駆動される。モータ21が駆動されると、第1プレート3DはY方向にスライドし、医療機器50のY方向の位置が決定する。また、モータ22が駆動されると、第2プレート3EはX方向にスライドし、医療機器50のX方向の位置が決定する。さらに、モータ23の駆動により、第3アーム部材3Cは鉛直回転し、医療機器50の鉛直方向(Z方向)の位置が決定する。このようにして、医療機器50は目的の位置に移動する。
本実施形態においても、医療機器50を広範囲に移動させることが可能である。また、水平方向への移動を水平面上で直交する2軸によるものとすれば、移動方向の特定が容易であり、中央処理装置8での処理が簡単なものとなる。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
(その他の実施形態)
前記第1及び第2実施形態のアーム部3は、医療機器50を水平方向に移動させる第1及び第2アーム部材3A,3Bと、医療機器50を鉛直方向に移動させる第3アーム部材3Cとを備え、これらは根元側から先端側に向かって第1アーム部材3A、第2アーム部材3B、第3アーム部材3Cの順に配置されていた。しかしながら、第1〜第3アーム部材3A〜3Cの配置の順序は特に限定される訳ではない。例えば、第1〜第3アーム部材3A〜3Cは、アーム部3の根元側から先端側に向かって、第1アーム部材3A、第3アーム部材3C、第2アーム部材3Bの順に配置されていてもよい。なお、この場合、医療機器50は、最も先端側のアーム部材となる第2アーム部材3Bに支持されることになる。このような実施形態であっても、バネと容量の小さなモータとを用いつつ広範囲にわたって医療機器50の操作力を軽減するという効果を得ることができる。同様に、第3実施形態において、第3アーム部材3Cを天井と第1プレート3Dとの間、または第1プレート3Dと第2プレート3Eとの間に配置することも可能である。
また、前記第1〜第3実施形態では、第3アーム部材3Cにバネ3iを設けることにより、医療機器50の重力に対抗するモーメントを発生させていた。しかしながら、医療機器50の重力に対抗するモーメントを発生させる手段はバネ3iに限定されず、例えば、ガスダンパ等であってもよい。ガスダンパ等を用いた実施形態であっても、バネの場合と同様に、医療機器50の重力に対抗するモーメントを発生させることができ、本発明の目的を達成することができる。
第3実施形態では、第1プレート3D及び第2プレート3Eは、共に水平直線上を移動するものであった。しかしながら、医療機器50を所定範囲内の任意の方向に移動させるものである限り、第1プレート3D及び第2プレート3Eは、水平曲線上を移動するものであってもよい。第1プレート3D及び第2プレート3Eの移動軌跡は何ら限定されるものではない。このような構成によっても、水平面上の前後左右の広範囲にわたって医療機器50を移動させることが可能である。
なお、医療機器とは、医療用途に用いられる機器のことであり、例えば顕微鏡、モニター、各種の検査装置、検査用器具、診断装置、診断用器具、治療装置、治療器具等を含むものである。
以上説明したように、本発明は、医療機器を移動自在に支持する医療機器支持アームについて有用である。
第1実施形態に係る医療機器支持アームの側面図である。 第1実施形態の第3アーム部材の構成図である。 アーム旋回角に対するモーメントの変化を表すグラフである。 第2実施形態に係る医療機器支持アームの側面図である。 第3実施形態に係る医療機器支持アームを模式的に表す図である。
符号の説明
1 医療機器支持アーム
3 アーム部材(支持部材)
3A 第1アーム部材
3B 第2アーム部材
3C 第3アーム部材(回転アーム部材)
6 操作ハンドル(操作レバー)
11 第1鉛直軸
12 第2鉛直軸
13a,13b 水平軸
50 医療機器
Mw 重力モーメント
Ms 対抗モーメント
Mtotal 合成モーメント
Mu アンバランスモーメント

Claims (6)

  1. 水平移動自在な移動部材と水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、
    前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、
    前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、
    を備えた医療機器支持アーム。
  2. 第1の鉛直軸回りに回転自在な第1アーム部材と、第2の鉛直軸回りに回転自在な第2アーム部材と、水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、
    前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、
    前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、
    を備えた医療機器支持アーム。
  3. 第1の水平線に沿ってスライド自在な第1スライド部材と、前記第1の水平線と交差する第2の水平線に沿ってスライド自在な第2スライド部材と、水平軸回りに回転自在な回転アーム部材とからなり、医療機器を支持する支持部材と、
    前記回転アーム部材に沿って配置され、前記医療機器の重力に起因して前記支持部材に生じる重力モーメントに対抗する対抗モーメントを発生させる弾性体と、
    前記回転アーム部材を回転駆動する駆動装置と、
    を備えた医療機器支持アーム。
  4. 前記回転アーム部材は、平行リンク構造を有している、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医療機器支持アーム。
  5. 前記回転アーム部材には、前記医療機器を支持する支持具が設けられている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医療機器支持アーム。
  6. 操作レバーと、
    前記操作レバーに加えられた力及び当該力の方向を検出するセンサと、
    前記センサからの検出信号に基づき、前記医療機器を前記方向に移動させるように少なくとも前記駆動装置を制御する制御装置と、
    を備えた請求項1〜5のいずれか一つに記載の医療機器支持アーム。
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