JPH06258538A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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JPH06258538A
JPH06258538A JP4540393A JP4540393A JPH06258538A JP H06258538 A JPH06258538 A JP H06258538A JP 4540393 A JP4540393 A JP 4540393A JP 4540393 A JP4540393 A JP 4540393A JP H06258538 A JPH06258538 A JP H06258538A
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JP
Japan
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film
sioxnyhz
substrate
optical waveguide
metal film
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JP4540393A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高寸法精度、低損失の光導波路及びその製造
方法を提供する。 【構成】 基板と、該基板上に形成されたクラッド層
と、クラッド層の中に断面が略矩形状に形成されたコア
とを有する光導波路において、クラッド11及びコア1
2がSiOxNyHzからなり、クラッド11の窒素含
有量を0.2アトミック%から2アトミック%までに設
定すると共に、コア12の窒素含有量を3アトミック%
から25アトミック%までに設定したことを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コアの屈折率とクラッ
ドの屈折率との差の大きい光導波路及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信技術の進展に伴い、光デ
バイスに対して大量生産性、高信頼性、結合時の
無調整化、自動組立化、低損失化等が要求されるよ
うになり、これらの要求を満足する光デバイスとして導
波路型の光デバイスが注目されるようになってきた。
【0003】導波路型の光デバイスの中で特に石英系ガ
ラス光導波路は、それ自体が低損失であり光ファイバと
の接続損失も非常に小さいため有望視されている。
【0004】図8は光導波路の製造方法の従来例を説明
するための説明図である。
【0005】同図に示すようにシリコン基板1の上に石
英ガラスからなるバッファ用多孔質膜2を形成し、この
バッファ用多孔質膜2の上に屈折率制御用添加物(T
i、Ge等)を含んだ石英ガラスからなるコア用多孔質
膜3を形成する(同図(a))。
【0006】このシリコン基板1、バッファ用多孔質膜
2及びコア用多孔質膜3からなる積層体4を1200℃
程度の高温で加熱透明化することによりバッファ層2a
及びコア層3aを有する平面光導波路膜を形成する(同
図(b))。
【0007】コア層3aの上にフォトリソグラフィによ
り導波路のパターンを有するレジストマスク5を形成す
る(同図(c))。
【0008】ドライエッチングにより略矩形状のコア3
bを形成し、コア3b上に残ったレジストマスクを除去
して3次元光導波路を形成する(同図(d))。
【0009】3次元光導波路上に石英ガラスからなるク
ラッド用多孔質膜6を形成する(同図(e))。
【0010】このシリコン基板1、バッファ層2a、コ
ア3b及びクラッド用多孔質膜6からなる積層体7を高
温で加熱透明化することによりシリコン基板1、バッフ
ァ層2a、コア3b及びクラッド6bからなる石英系ガ
ラス光導波路が形成される尚、この製造方法は火炎堆積
法と呼ばれている(同図(f))。
【0011】(宮下;光導波路技術、1.最近の光導波
路技術、O plus E、No.78,pp.59 〜67)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た石英系ガラス光導波路の製造方法には次のような問題
点がある。
【0013】(1) 石英系ガラス光導波路を小型化(高
密度化)する場合、コア3bの屈折率とクラッド6bの
屈折率との差が大きいガラス導波路を製造する必要があ
る。屈折率制御用添加物を含んだ屈折率の高いコアガラ
ス膜をバッファ層2aの上に形成すると、基板全体が熱
膨張係数の違いによって反りが生じ、その反り量が数十
μmとなるので、高寸法精度の光回路をパターニングす
ることが困難となる。このため屈折率の差を大きくする
のには限界がある。
【0014】(2) コア3bの屈折率とクラッド6bの
屈折率との差には限界がある。すなわち、屈折率の高い
コア用多孔質膜を堆積させても、図8(b)に示した焼
結プロセスで屈折率制御用添加物が揮散してしまい、屈
折率の高いコア3bを形成することが困難であり、最大
でも1.47を超えることはなかった。そのため、比屈
折率差Δは高々1%程度である。
【0015】(3) 屈折率制御用添加物を多く含んだコ
ア層を同図(d)に示すようにドライエッチングプロセ
スによりパターニングすると、コア層を構成するSiO
2 のエッチング速度と屈折率制御用添加物のエッチング
速度との違いによってエッチング側面が凹凸状に荒れて
散乱損失が増加する。
【0016】(4) 焼結プロセスが2回(同図(b)及
び同図(f))もあるため、製造時間が長くなると共に
製造コストが高くなる。
【0017】(5) 同図(a)及び同図(e)の膜形成
プロセスにおいて、膜中にOH基が混入し、これによる
吸収損失によって光導波路の損失が増加する。
【0018】(6) 屈折率の高いコア層を形成する場
合、図9(a)及び図9(b)に示すようにTi、G
e、Al、P等の屈折率制御用添加物を10mol%以
上添加しなければならない。ところがこれに伴い熱膨張
係数が大きく変化してくる。そのため、コア膜形成時に
基板に反りが生じ、高寸法精度の光回路をパターニング
することが困難となる。
【0019】尚、図9(a)は添加物濃度と屈折率との
関係を示す図であり、横軸が添加物濃度を示し、縦軸が
屈折率を示している。図9(b)は添加物濃度と膨脹係
数との関係を示す図であり、横軸が添加物濃度を示し、
縦軸が膨張係数を示している。
【0020】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、高寸法精度、低損失の光導波路及びその製造方法を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板と、基板上に形成されたクラッドと、
クラッドの中に断面が略矩形状に形成されたコアとを有
する光導波路において、クラッド及びコアがSiOxN
yHzからなり、クラッドの窒素含有量を0.2アトミ
ック%から2アトミック%までに設定すると共に、コア
の窒素含有量を3アトミック%から25アトミック%ま
でに設定したものである。
【0022】また本発明は、100℃から500℃の範
囲で低温加熱した基板を減圧状態に保たれた反応容器中
の上下に対向する電極間の上側にセットし、上下電極間
に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、そのプラ
ズマ雰囲気中にさらされた基板表面に下側電極側からS
iH4 、N2 O及びN2 からなる混合ガスを流入し、基
板上に第1のSiOxNyHz膜を形成し、混合ガスの
流量を変えることにより第1のSiOxNyHz膜の上
に窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz膜を形
成し、混合ガスの流量を戻すことにより第2のSiOx
NyHz膜の上に第1のSiOxNyHz膜と同一窒素
含有量を有する第3のSiOxNyHz膜を形成し、第
3のSiOxNyHz膜の上に金属膜を形成し、金属膜
の上にフォトレジスタストマスクのパターンを形成し、
パターンをマスクとして金属膜をエッチングし、エッチ
ングされた金属膜をマスクとして第2及び第3のSiO
xNyHz膜をエッチングし、残った金属膜を剥離し、
残った第2及び第3のSiOxNyHz膜上に第1のS
iOxNyHz膜と同一窒素含有量を有する第4のSi
OxNyHz膜を形成するものである。
【0023】さらに本発明は、100℃から500℃の
範囲で低温加熱した基板を減圧状態に保たれた反応容器
中の上下に対向する電極間の上側にセットし、上下電極
間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、そのプ
ラズマ雰囲気中にさらされた基板表面に下側電極側から
SiH4 、N2 O及びN2 からなる混合ガスを流入し、
基板上に第1のSiOxNyHz膜を形成し、混合ガス
の流量を変えることにより第1のSiOxNyHz膜の
上に窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz膜を
形成し、混合ガスの流量を戻すことにより第2のSiO
xNyHz膜の上に第1のSiOxNyHz膜と同一窒
素含有量を有する第3のSiOxNyHz膜を形成し、
第3のSiOxNyHz膜の上に金属膜を形成し、金属
膜の上にフォトレジスタストマスクのパターンを形成
し、パターンをマスクとして金属膜をエッチングし、エ
ッチングされた金属膜をマスクとして第2及び第3のS
iOxNyHz膜をエッチングし、残った金属膜を剥離
し、残った第2及び第3のSiOxNyHz膜上に屈折
率制御用添加物を少なくとも1種類含んだSiO2 膜を
形成するものである。
【0024】さらに又本発明は、100℃から500℃
の範囲で低温加熱した基板を減圧状態に保たれた反応容
器中の上下に対向する電極間の上側にセットし、上下電
極間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、その
プラズマ雰囲気中にさらされた基板表面に下側電極側か
らSiH4 、N2 O及びN2 からなる混合ガスを流入
し、基板上に第1のSiOxNyHz膜を形成し、混合
ガスの流量を変えることにより第1のSiOxNyHz
膜の上に窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz
膜を形成し、第2のSiOxNyHz膜の上に金属膜を
形成し、金属膜の上にフォトレジスタストマスクのパタ
ーンを形成し、パターンをマスクとして金属膜をエッチ
ングし、エッチングされた金属膜をマスクとして第2の
SiOxNyHz膜をエッチングし、残った金属膜を剥
離し、残った第2のSiOxNyHz膜上に第1のSi
OxNyHz膜と同一窒素含有量を有する第3のSiO
xNyHz膜を形成するものである。
【0025】
【作用】上記構成によれば、低温加熱した基板を減圧状
態に保たれたプラズマ雰囲気中に配置し、プラズマ雰囲
気中にSiH4 、N2 O及びN2 からなる混合ガスを流
入し、混合ガスの流量を変えて窒素含有量の異なったS
iOxNyHz膜を連続的に成膜することにより基板上
にコア及びクラッドを形成するので、コア及びクラッド
の熱膨脹係数が等しくなり加熱したときの基板の反りが
生じにくくなると共に、コアの屈折率とクラッドの屈折
率との差を大きくすることができるため高寸法精度化で
きる。しかもコア及びクラッドの界面の状態が均一にな
り、クラッド中へコア中の窒素が拡散する等の干渉がほ
とんどなくなるので、低損失化できる。
【0026】また、100℃〜500℃の低温プロセス
でコアおよびクラッド膜を形成し、光導波路を構成する
ことができるので、光熱費の大幅な低減を図ることがで
きる。また、従来のような1100℃〜1350℃の高
温プロセスを通ると、基板が極端に反ったり、膜の厚み
方向の屈折率分布が屈折率制御用添加物の拡散によって
変化する、などの問題点があったが、本発明は低温プロ
セスであるので、このような問題点は発生しない。さら
に、コアおよびクラッド共に同じ材料を用いているの
で、コアとクラッドとの界面のなじみが良く、不連続性
が生じない。これは光散乱損失を大幅に低くする効果に
つながる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0028】図1は本発明の光導波路の一実施例の概略
断面図である。
【0029】同図に示すように光導波路は、基板10
と、基板10上に形成されSiOxNyHzからなるク
ラッド11と、このクラッド11内に断面が略矩形状に
形成されSiOxNyHzからなるコア12とで構成さ
れている。
【0030】ここで、コア12及びクラッド11のSi
OxNyHzの窒素Nの含有量は図2及び図3に基づい
て設定することができる。
【0031】図2はSiOxNyHz膜中の窒素含有量
と屈折率との関係を示す図であり、横軸はSiOxNy
Hz膜中の窒素含有量を示し、縦軸は屈折率を示してい
る。図3は比屈折率差と基板の反り量との関係を示す図
であり、横軸は屈折率差を示し、縦軸は基板の反り量を
示している。
【0032】図2及び図3は、標準試料としてSi3
4 を用い、これと比較しながらX線分析装置付きの電界
放射形走査電子顕微鏡で定量分析して作成したものであ
る。
【0033】図2及び図3よりクラッド11中の窒素N
の含有量は0.2アトミック%から2アトミック%の範
囲が好ましいことがわかる。コアの窒素含有量は3アト
ミック%から25アトミック%の範囲から選ばれる。こ
のような値を選ぶと、比屈折率差Δは1%から6%程度
の値を得ることができる。上述したSiOxNyHz膜
を用いると、図3の特性曲線L1 に示したように基板の
反り量を非常に小さく抑えることができる。これは高精
度なコアパターンをフォトリソグラフィやドライエッチ
ングプロセスで形成する上で極めて有利となる。しかも
コアとクラッドとがいずれもSiOxNyHzで形成さ
れているので、コアとクラッドとの界面の密着性やぬれ
性がよくなり、均一な界面を形成することができる。従
って、散乱損失の低い光導波路を実現することができ
る。尚、図3には比較するために従来のSiO2 −Ti
2 膜を用いたコアを基板に成膜した場合の基板の反り
量の特性曲線L2 が示してあるが、比屈折率差Δが0.
数%程度で基板が大幅に反ってしまい、高比屈折率差を
実現することができないことを示している。またSiO
xNyHz膜中には従来のようなTiO2 、GeO2
2 5 、B2 3 などの散乱損失や吸収損失を誘引す
るものが含まれていないので、光導波路の低損失化を図
ることができる。
【0034】実験結果によれば、比屈折率差Δが1%か
ら2%の場合、伝搬損失は0.2dB/cm以下とな
り、比屈折率差Δが3%から4%の場合、伝搬損失は
0.5dB/cm以下となる。このように比屈折率差Δ
が大きくても低損失特性が得られるのは、上記理由以外
に、エッチングによって形成した矩形状コアの側面の荒
れが非常に少ないために光散乱損失が低減されているこ
とがあげられる。これはコア内に従来のようにエッチン
グ速度の違う材料、例えばSiO2 −TiO2 が含まれ
ていないためである。
【0035】次に光導波路の製造方法について述べる。
【0036】図4は図1に示した光導波路の製造方法の
説明図である。
【0037】まず低温で加熱された基板10を、減圧状
態に保たれたプラズマ雰囲気中に配置し、プラズマ雰囲
気下にSiH4 、N2 O及びN2 からなる混合ガスを流
入し、基板10上に第1のSiOxNyHz膜(クラッ
ド)11aを形成する。ここで低温とは従来例で説明し
た火炎堆積法における焼結温度と比較して低い温度であ
り、この温度をT(℃)とすると数1で示される範囲内
である(図4(a))。
【0038】
【数1】100℃≦T≦500℃ 次にそのまま減圧状態のプラズマ雰囲気下でSiH4
2 O及びN2 からなる混合ガスの流量を変えて第1の
SiOxNyHz膜11a上に窒素含有量の異なった第
2のSiOxNyHz膜(コア膜)12aを形成する
(図4(b))。
【0039】さらにコア膜12aの上に再びSiH4
2 O及びN2 からなる混合ガスを、流量を変えて第1
のSiOxNyHz膜と同一窒素含有量を有する第3の
SiOxNyHz膜(クラッド膜)11bを形成する
(図4(c))。
【0040】次にクラッド膜11bの上に金属膜として
のWSi膜13をスパッタリング法によって形成する。
尚、このWSi膜13の膜厚は0.5〜1μm程度が好
ましい(図4(d))。
【0041】その後WSi膜13の上にフォトレジスト
膜を一様に塗布し、その上からガラスマスクを介して紫
外線を照射することにより、コアパターンに対応したフ
ォトレジスト膜14を形成する(図4(e))。
【0042】次にフォトレジスト膜14をマスクにして
ドライエッチングプロセス(NF3 ガスを流しながら、
プラズマ雰囲気中でエッチングを行うプロセス)によ
り、WSi膜13をパターン化する(図4(f))。
【0043】WSi膜パターン13aをマスクにしてC
HF3 ガスを流しながらプラズマ雰囲気下でドライエッ
チングを行いクラッド膜11b及びコア膜12aをエッ
チングしてコア12及びクラッド11の一部11cを形
成する(図4(g))。
【0044】クラッド11の一部11c上に残ったWS
i膜パターン13aを剥離する(図4(h))。
【0045】そして最後にクラッド膜11aと同一窒素
含有量を有する第4のSiOxNyHz膜(クラッド
膜)11dで被覆することにより光導波路が形成される
(図4(i))。
【0046】次に実施例の作用を述べる。
【0047】クラッド11及びコア12が共にSiOx
NyHzからなっているので、コア12の熱膨張係数と
クラッド11の熱膨張係数との差が極めて少なくなり、
導波路にクラックが発生したり、導波路基板が反ったり
することがほとんどなくなり、SiOxNyHz中の窒
素の含有量を変えるだけでクラッド11とコア12との
比屈折率差Δを5〜6%程度まで大きくすることができ
る。また、クラッド11とコア12とがぬれ性よく接す
るので、界面の整合性が向上して散乱損失が減少する。
さらにクラッド11とコア12とが物理的性質の極めて
類似した材料からなるので、フォトリソグラフィ、ドラ
イエッチング等によるコアパターン加工の際の寸法精度
を極めて高く保つことができる。さらにまた、減圧状態
に保たれたプラズマ雰囲気中に低温加熱した基板10を
配置し、プラズマ雰囲気中にSiH4 、N2 O及びN2
からなる混合ガスを流入し、流量比を変えるだけでコア
膜12a及びクラッド膜11a、11b、11c、11
dを連続的に形成するので、各膜11a、11b、11
c、11d、12aの界面からの不純物の混入が阻止さ
れ、各膜11a、11b、11c、11d、12aの界
面の均一性、ぬれ性及び密着性が向上し、生産性が向上
する。さらにまた、ドライエッチングによるクラッド1
1及びコアパターン加工を一様な速度でエッチングする
ことができるので、エッチング荒れが減少し、散乱損失
の小さい光導波路を実現することができる。なお、図4
の製造方法において、プラズマ雰囲気中に供給するガス
のうち、N2 はなくてもよい。さらにはN2 Oの代わり
にNH3 を用いてもよい。また図4(c)の工程は省略
してもよい。
【0048】図5は本発明の光導波路の他の実施例の概
略断面図である。
【0049】図1に示した光導波路との相違点は基板に
Siを用いた点である。
【0050】Si基板20とSiOxNyHz膜からな
るクラッド11とは密着性もよく成膜しやすい。また、
成膜によるSi基板20の反りも小さい。基板にSiを
用いるとその上にSiOxNyHz膜を形成した後、S
iOxNyHz膜の屈折率及び膜厚を光学的方法により
容易に測定することができるので、膜厚の制御が容易と
なる。また、この膜厚および屈折率のプロセスの途中で
評価できることは、プロセスへのフィードバック、トリ
ミングなどを行なうことができるので、より効率的に品
質の向上を図ることができる。
【0051】図6は本発明の光導波路の他の実施例の概
略断面図である。
【0052】図1に示した実施例との相違点は基板にS
iO2 を用いた点である。
【0053】この光導波路は、SiO2 基板21上にS
iOxNyHzからなるクラッド膜11aを形成し、図
4に示したようにクラッド膜11aの上にコア12、ク
ラッド膜11cを連続的に形成し、クラッド膜11dを
被覆したものである。
【0054】基板にSiO2 を用い、その上にSiOx
NyHz膜を10μm以上形成してもSiOxNyHz
膜中にクラックが発生することはなく、かつSiO2
板21の反り量も非常に少ない。
【0055】図7は本発明の光導波路の他の実施例の概
略断面図である。
【0056】図1に示した実施例との相違点は基板にS
iO2 に似た物理的性質を有する高硅酸ガラス(バイコ
ールガラス、コーニング社製)を用いた点である。
【0057】この光導波路の製造方法は図6に示した光
導波路の製造方法と略同一のため省略する。
【0058】この高硅酸ガラス基板22はSiO2 に比
して安価であるので生産コストを抑制することができ
る。
【0059】以上において本実施例によれば、100℃
から500℃の範囲で低温加熱した基板を減圧状態に保
たれた反応容器中の上下に対向する電極間の上側にセッ
トし、上下電極間に高周波電圧を印加してプラズマを発
生させ、そのプラズマ雰囲気中にさらされた基板表面に
下側電極側からSiH4 、N2 O及びN2 からなる混合
ガスを流入し、混合ガスの流量を変えて窒素含有量の異
なったSiOxNyHz膜を連続的に成膜することによ
り基板上にコア及びクラッドを形成するので、コア及び
クラッドの熱膨脹係数が等しくなり加熱したときの基板
の反りが生じにくくなると共に、コアの屈折率とクラッ
ドの屈折率との差を大きくすることができるため高寸法
精度化できる。しかもコア及びクラッドの界面の状態が
均一になり、クラッド中へコア中の窒素が拡散する等の
干渉がほとんどなくなるので、低損失化できる。
【0060】尚、図4(i)に示した工程において、ク
ラッド11にSiOxNyHzを用いたが、これに限定
されるものではなく、屈折率制御用添加物を少なくとも
1種類含んだSiO2 を用いてもよい。この場合クラッ
ド膜11a、11c上に屈折率制御用添加物を少なくと
も1種類含んだSiO2 膜を形成するので、コア12及
びクラッド11の温度係数や物理的定数などを容易に制
御することができる。
【0061】また、図4(c)あるいは(i)の工程が
終了した段階で500℃〜1000℃の温度範囲で熱処
理を行ない、SiOxNyHz膜中のOH基を低減させ
る工程を設けてもよい。さらにはCl2 とHeガスを流
しながら熱処理を行なってOH基を低減させてもよい。
また本発明の別の効果として、基板にSiを用いた場
合、Si基板に電子回路をモノリシック集積化したもの
を用いても低温プロセスで光導波路を作ることができる
ので、上記電子回路にダメージを与えない点があげられ
る。さらに製造プロセスの途中で屈折率および膜厚の変
動、変化が生じないので、光回路を信頼性高く設け、製
造することができる。これも低温プロセスの特徴の一つ
である。
【0062】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0063】(1) 高寸法精度の光導波路を実現すること
ができる。
【0064】(2) 低損失の光導波路を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の一実施例の概略断面図であ
る。
【図2】SiOxNyHz膜中の窒素含有量と屈折率と
の関係を示す図である。
【図3】比屈折率差と基板の反り量との関係を示す図で
ある。
【図4】図1に示した光導波路の製造方法の説明図であ
る。
【図5】本発明の光導波路の他の実施例の概略断面図で
ある。
【図6】本発明の光導波路の他の実施例の概略断面図で
ある。
【図7】本発明の光導波路の他の実施例の概略断面図で
ある。
【図8】光導波路の製造方法の従来例の説明図である。
【図9】(a)は添加物濃度と屈折率との関係を示す図
であり、(b)は添加物濃度と膨脹係数との関係を示す
図である。
【符号の説明】
10 基 板 11 クラッド 12 コ ア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成されたクラッド
    と、該クラッドの中に断面が略矩形状に形成されたコア
    とを有する光導波路において、上記クラッド及びコアが
    SiOxNyHzからなり、上記クラッドの窒素含有量
    を0.2アトミック%から2アトミック%までに設定す
    ると共に、上記コアの窒素含有量を3アトミック%から
    25アトミック%までに設定したことを特徴とする光導
    波路。
  2. 【請求項2】 上記基板に半導体、ガラス及び強誘電体
    のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1に記載の
    光導波路。
  3. 【請求項3】 上記基板にSiを用いたことを特徴とす
    る請求項1に記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 100℃から500℃の範囲で低温加熱
    した基板を減圧状態に保たれた反応容器中の上下に対向
    する電極間の上側にセットし、上下電極間に高周波電圧
    を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ雰囲気中
    にさらされた基板表面に下側電極側からSiH4 、N2
    O及びN2 からなる混合ガスを流入し、上記基板上に第
    1のSiOxNyHz膜を形成し、上記混合ガスの流量
    を変えることにより該第1のSiOxNyHz膜の上に
    窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz膜を形成
    し、上記混合ガスの流量を戻すことにより該第2のSi
    OxNyHz膜の上に上記第1のSiOxNyHz膜と
    同一窒素含有量を有する第3のSiOxNyHz膜を形
    成し、該第3のSiOxNyHz膜の上に金属膜を形成
    し、該金属膜の上にフォトレジスタストマスクのパター
    ンを形成し、該パターンをマスクとして上記金属膜をエ
    ッチングし、エッチングされた金属膜をマスクとして上
    記第2及び第3のSiOxNyHz膜をエッチングし、
    残った金属膜を剥離し、残った第2及び第3のSiOx
    NyHz膜上に上記第1のSiOxNyHz膜と同一窒
    素含有量を有する第4のSiOxNyHz膜を形成する
    ことを特徴とする光導波路の製造方法。
  5. 【請求項5】 100℃から500℃の範囲で低温加熱
    した基板を減圧状態に保たれた反応容器中の上下に対向
    する電極間の上側にセットし、上下電極間に高周波電圧
    を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ雰囲気中
    にさらされた基板表面に下側電極側からSiH4 、N2
    O及びN2 からなる混合ガスを流入し、上記基板上に第
    1のSiOxNyHz膜を形成し、上記混合ガスの流量
    を変えることにより該第1のSiOxNyHz膜の上に
    窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz膜を形成
    し、上記混合ガスの流量を戻すことにより該第2のSi
    OxNyHz膜の上に上記第1のSiOxNyHz膜と
    同一窒素含有量を有する第3のSiOxNyHz膜を形
    成し、該第3のSiOxNyHz膜の上に金属膜を形成
    し、該金属膜の上にフォトレジスタストマスクのパター
    ンを形成し、該パターンをマスクとして上記金属膜をエ
    ッチングし、エッチングされた金属膜をマスクとして上
    記第2及び第3のSiOxNyHz膜をエッチングし、
    残った金属膜を剥離し、残った第2及び第3のSiOx
    NyHz膜上に屈折率制御用添加物を少なくとも1種類
    含んだSiO2 膜を形成することを特徴とする光導波路
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 100℃から500℃の範囲で低温加熱
    した基板を減圧状態に保たれた反応容器中の上下に対向
    する電極間の上側にセットし、上下電極間に高周波電圧
    を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ雰囲気中
    にさらされた基板表面に下側電極側からSiH4 、N2
    O及びN2 からなる混合ガスを流入し、上記基板上に第
    1のSiOxNyHz膜を形成し、上記混合ガスの流量
    を変えることにより該第1のSiOxNyHz膜の上に
    窒素含有量の異なった第2のSiOxNyHz膜を形成
    し、該第2のSiOxNyHz膜の上に金属膜を形成
    し、該金属膜の上にフォトレジスタストマスクのパター
    ンを形成し、該パターンをマスクとして上記金属膜をエ
    ッチングし、エッチングされた金属膜をマスクとして上
    記第2のSiOxNyHz膜をエッチングし、残った金
    属膜を剥離し、残った第2のSiOxNyHz膜上に上
    記第1のSiOxNyHz膜と同一窒素含有量を有する
    第3のSiOxNyHz膜を形成することを特徴とする
    光導波路の製造方法。
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