JPH0625742U - キャップ用トルクメータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各固定部材によってキャップ付き容器を確実
に固定し、開栓トルクの測定精度や操作性等を向上す
る。 【構成】 容器１の固定に用いられる各固定部材１１
を、各支持ベース４の取付穴４Ａ内に着脱可能に取付け
られる小径円柱状の軸部１１Ａと、軸部１１Ａの外周側
に設けられ、ゴム材，プラスチック材等の軟質材料で三
角筒状に形成された接触部１１Ｂとから三角柱状に構成
した。これにより、調整部材としての締付けボルト６を
回して各支持ベース４を回転テーブル３の回転中心に移
動させると、接触部１１Ｂは三角形の一辺をもって容器
本体１Ａに接触し、接触部分が変形することにより容器
本体１Ａと広い面積で面接触して容器１を固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば化粧水，乳液，薬剤等の内容物が充填されるキャップ付き容 器のキャップの開栓トルクを測定するキャップ用トルクメータに関し、特に、円 筒状の容器に用いて好適なキャップ用トルクメータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、化粧品，薬品，食品等の分野にあっては、原料製造工程で調合された 化粧水，薬剤等の内容物を充填工程で所定量ずつ容器内に充填し、該容器の開口 部をキャップによって施蓋した後、検査工程，包装工程等を経て市場に出荷する ようになっている。そして、前記キャップは容器内の内容物が外部に漏洩するの を防止すると共に、顧客によって容易に開栓できるようにその開栓トルク（締付 けトルク）が定められているため、キャップ用トルクメータを用いて抜取り検査 でキャップの開栓トルクを測定している。

【０００３】 そこで、図５および図６にこの種の従来技術によるキャップ用トルクメータを 化粧品容器の開栓トルク測定に用いた場合を例に挙げて示す。

【０００４】 図において、１は内部に化粧水，乳液等の化粧品が充填される容器を示し、該 容器１は円筒状の容器本体１Ａと、該容器本体１Ａの開口部を施蓋して設けられ たスクリュー式のキャップ１Ｂとから構成されている。

【０００５】 ２はキャップ用トルクメータの本体を構成するメータ本体、３は該メータ本体 ２上に回転軸，板ばね（いずれも図示せず）等を介して水平方向に回転可能に設 けられ、後述する支持ベース４，４および固定部材５，５，…等と共にトルクメ ータを構成する円板状の回転テーブルを示し、該回転テーブル３の上面側には直 径方向に沿って各支持ベース４が移動可能に設けられる取付溝３Ａが形成されて いる。

【０００６】 ４，４は回転テーブル３の上面側に直径方向に対向して位置し、取付溝３Ａに 径方向に移動可能に設けられた一対の支持ベースを示し、該各支持ベース４の上 面側には固定部材５，５，…が着脱可能に取付けられる取付穴４Ａ，４Ａ，…が 所定寸法離間して設けられ、該各支持ベース４の側面中央部には後述の締付けボ ルト６と螺合するねじ穴４Ｂが形成されている。そして、該各支持ベース４は、 作業者によって締付けボルト６がねじ込まれると、回転テーブル３の回転中心に 向けて移動し、各支持ベース４間の距離が調整されるようになっている。

【０００７】 ５，５，…は各支持ベース４の取付穴４Ａに着脱可能に設けられた４本の固定 部材を示し、該各固定部材５は、各取付穴４Ａ内に挿通される軸部５Ａと、該軸 部５Ａの外周側に設けられ、例えばゴム材，プラスチック材等の軟質材料により 円筒状に形成された接触部５Ｂとから構成されている。そして、該各固定部材５ は前記容器１の直径寸法に応じて各支持ベース４の取付穴４Ａに２本ずつ取付け られるもので、これにより図６に示す如く、該容器１の容器本体１Ａを外周側か ら４点で挟持するものである。

【０００８】 ６は各支持ベース４のねじ穴４Ｂに螺合された調整部材としての締付けボルト を示し、該締付けボルト６には、一方の支持ベース４のねじ穴４Ｂに螺合される 正ねじ部６Ａと、該正ねじ部６Ａから所定寸法離間し、他方の支持ベース４のね じ穴４Ｂに螺合される逆ねじ部６Ｂとが設けられている。そして、該締付けボル ト６は、作業者によって操作されると、各支持ベース４を回転テーブル３の取付 溝３Ａに沿って該回転テーブル３の回転中心に移動させ、該各支持ベース４間の 距離を調整することにより、各固定部材５を容器１の容器本体１Ａ外周側に押付 けて該容器１を外側から固定するものである。

【０００９】 ７はメータ本体２に設けられた表示部を示し、該表示部７はトルク値が表示さ れた目盛板７Ａと、図示しない基端側が回転テーブル３の回転軸に取付けられ、 先端側が該目盛板７Ａまで伸長した指針７Ｂと、該指針７Ｂの両側に移動可能に 設けられ、該指針７Ｂの回動に追従する指針ガイド７Ｃ，７Ｃとから構成されて いる。そして、該表示部７は、各固定部材５によって固定された容器１のキャッ プ１Ｂが外されることにより回転テーブル３が回転すると、該回転テーブル３と 共に回動する指針７Ｂを介して回転テーブル３の回転角度をキャップ１Ｂの開栓 トルクとして表示するものである。

【００１０】 従来技術によるキャップ用トルクメータは上述の如き構成を有するもので、次 に、その作動について説明する。

【００１１】 まず、作業者は容器１の直径寸法に応じて各固定部材５を各支持ベース４の取 付穴４Ａに取付けた後、該容器１を回転テーブル３の回転中心上に位置するよう にして各固定部材５間に載置する。

【００１２】 次に、作業者は締付けボルト６を回して各支持ベース４を回転テーブル３の回 転中心に移動させ、図６に示す如く、各固定部材５を容器１の容器本体１Ａ外周 側に押付けることにより、該容器１を回転テーブル３に対して固定する。

【００１３】 そして、容器１を回転テーブル３に固定した後、作業者が該容器１のキャップ １Ｂを回して開栓すると、該キャップ１Ｂを開栓するのに要する開栓トルクに応 じて回転テーブル３が容器１と共に回転する。これにより、該回転テーブル３の 回転角度は表示部７の指針７Ｂを介して検出され、目盛板７Ａにキャップ１Ｂの 開栓トルクとして表示される。

【００１４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した従来技術によるキャップ用トルクメータでは、容器１の直 径寸法に応じて各固定部材５を適宜配設し、該各固定部材５によって容器１の容 器本体１Ａを固定することにより、該キャップ１Ｂの開栓トルクを測定するよう になっている。

【００１５】 しかし、従来技術による各固定部材５は、楕円形状，四角形状等の種々の容器 形状に対応すべく円柱状に形成されているから、円筒状の容器１の場合は、該容 器１の容器本体１Ａと各固定部材５の接触部５Ｂとの接触が線接触となって接触 面積が小さくなり、押圧力（摩擦力）が大幅に低下するという問題がある。

【００１６】 このため、上述した従来技術によるものでは、円筒状の容器１の開栓トルクを 測定する場合に、該容器１のキャップ１Ｂを回しても当該キャップ１Ｂが開栓せ ずに、容器本体１Ａが滑って回転し易いから、開栓トルクを正確に測定すること ができず、信頼性が大幅に低下するという問題がある。

【００１７】 また、かかる容器１の滑りを防止する場合には、締付けボルト６を強く締付け て、各固定部材５により容器１を一層強く固定しなければならないから、容器１ の固定作業に過大な労力を要し、トルク測定作業の作業効率，使い勝手等が大幅 に低下するという問題がある。

【００１８】 本考案は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、各固定部材によって 容器を確実に固定することができ、開栓トルクの測定精度や操作性等を大幅に向 上できるようにしたキャップ用トルクメータを提供することを目的とする。

【００１９】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために、本考案が採用する構成は、メータ本体と、該 メータ本体に回転可能に設けられた回転テーブルと、該回転テーブル上に対向し て位置し、径方向に移動可能に設けられた一対の支持ベースと、該各支持ベース 上にキャップ付き容器の寸法に応じて着脱可能に設けられ、該容器を外側から挟 持する４本の固定部材と、前記各支持ベースを前記回転テーブルの回転中心に向 けて移動させることにより、該各固定部材によって前記容器を固定する調整部材 と、前記メータ本体に設けられ、前記回転テーブルの回転角度に基いて前記キャ ップの開栓トルクを表示する表示部とを備え、前記各固定部材は、前記各支持ベ ース上に着脱可能に設けられる軸部と、該軸部の外周側に設けられ、軟質材料に より形成された接触部とから三角柱状に構成したことを特徴とする。

【００２０】

【作用】

各支持ベース上にキャップ付き容器の寸法に応じて各固定部材を配設し、該容 器を回転テーブルの回転中心上に位置して各固定部材間に載置した後、調整部材 により各支持ベースを回転テーブルの回転中心に向けて移動させると、各固定部 材の接触部は容器の外周側に三角形の一辺をもって接触し、該接触部の接触部分 が変形して容器と強固に面接触する。

【００２１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１ないし図４に基づいて説明する。なお、実施例で は前述した図５および図６に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し 、その説明を省略するものとする。

【００２２】 図中、１１，１１，…は従来技術で述べた各固定部材５に代えて本実施例に適 用される三角柱状の固定部材を示し、該各固定部材１１は従来技術で述べた固定 部材５とほぼ同様に、図２にも示す如く、各支持ベース４の取付穴４Ａ内に挿入 される小径円柱状の軸部１１Ａと、該軸部１１Ａの外周側に設けられた接触部１ １Ｂとから構成されている。しかし、本実施例による各固定部材１１は、従来技 術によるものと異なり、その接触部１１Ｂがゴム材，プラスチック材等の軟質材 料から三角筒状に形成されている。

【００２３】 そして、前記各固定部材１１は、各支持ベース４が回転テーブル３の回転中心 に向けて移動すると、図３に示す如く、接触部１１Ｂが容器１の容器本体１Ａ外 周側に三角形の一辺をもって接触することにより、該容器１を回転テーブル３に 対して固定するものである。

【００２４】 本実施例によるキャップ用トルクメータは上述の如き構成を有するもので、そ の基本的動作については従来技術によるものと格別差異はない。

【００２５】 然るに本実施例では、各固定部材１１を、各支持ベース４の取付穴４Ａ内に着 脱可能に取付けられる小径円柱状の軸部１１Ａと、該軸部１１Ａの外周側に設け られ、ゴム材，プラスチック材等の軟質材料で三角筒状に形成された接触部１１ Ｂとにより三角柱状に構成したから、円筒状の容器１に接触部１１Ｂを三角形の 一辺をもって効果的に接触させることができる。

【００２６】 この結果、各固定部材１１の接触部１１Ｂを容器１の外形に合せて変形させ、 広い接触面積をもった面接触で該容器１に接触させることができ、押圧力（摩擦 力）を増大させて容器１を確実に固定することができ、トルク測定時に該容器１ が回転するのを効果的に防止して、開栓トルクの測定精度や信頼性等を大幅に向 上することができる。

【００２７】 また、三角柱状の各固定部材１１によって容器１を効率的に固定できるから、 該容器１の固定作業に要する労力を低減することができ、トルク測定作業の作業 効率や使い勝手等を大幅に向上することができる。

【００２８】 なお、前記実施例では、各固定部材１１は、小径円柱状の軸部１１Ａと、該軸 部１１Ａに外嵌された三角筒状の接触部１１Ｂとから三角柱状に形成するものと して述べたが、本考案はこれに限らず、例えば図４に示す変形例の如く、軸部２ １Ａを略三角柱状に形成し、該軸部２１Ａの表面に所定の厚さを有する平板状の 接触部２１Ｂ，２１Ｂ，…を貼付することにより三角柱状の固定部材２１を構成 してもよい。

【００２９】 また、前記実施例では、表示部７は回転テーブル３の回転軸に連結された指針 ７Ｂにより開栓トルクを機械的に表示するものとして述べたが、これに替えて、 例えば回転テーブル３の回転軸にポテンショメータを設け、該ポテンショメータ の検出信号を開栓トルクとして電気的に表示してもよい。

【００３０】 さらに、前記実施例では、化粧品用容器１の開栓トルクの測定に用いた場合を 例示したが、薬品用容器，食品用容器等の他のスクリュー式キャップを有する容 器にも広く適用することができる。

【００３１】

【考案の効果】

以上詳述した通り、本考案によれば、各固定部材を、各支持ベース上に着脱可 能に設けられる軸部と、該軸部の外周側に設けられ、軟質材料により形成された 接触部とにより三角柱状に構成したから、各支持ベース上にキャップ付き容器の 寸法に応じて各固定部材を配設し、該容器を回転テーブルの回転中心上に位置し て各固定部材間に載置した後、調整部材により各支持ベースを回転中心に向けて 移動させると、各固定部材の接触部は容器の外周側に三角形の一辺をもって接触 し、該接触部の接触部分が変形して容器と強固に面接触する。

【００３２】 この結果、各固定部材の接触部を容器の外形に合せて変形させつつ、広い接触 面積をもった面接触で該容器に接触させることができ、押圧力（摩擦力）を増大 させて容器を確実に固定でき、トルク測定時に該容器が回転するのを効果的に防 止して、開栓トルクの測定精度や信頼性等を向上することができる。また、三角 柱状の各固定部材によって容器を効率的に固定できるから、該容器の固定作業に 要する労力を低減することができ、トルク測定作業の作業効率や使い勝手等を向 上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例によるキャップ用トルクメータ
を示す斜視図である。

【図２】図１中の固定部材を拡大して示す斜視図であ
る。

【図３】図１中の回転テーブルに容器を取付けた状態を
示す平面図である。

【図４】本考案の変形例による固定部材を拡大して示す
斜視図である。

【図５】従来技術によるキャップ用トルクメータを示す
斜視図である。

【図６】図５中の回転テーブルに容器を取付けた状態を
示す平面図である。

【符号の説明】

１ 容器 １Ａ 容器本体 １Ｂ キャップ ２ メータ本体 ３ 回転テーブル ４ 支持ベース ６ 締付けボルト（調整部材） ７ 表示部 １１，２１ 固定部材 １１Ａ，２１Ａ 軸部 １１Ｂ，２１Ｂ 接触部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メータ本体と、該メータ本体に回転可能
   に設けられた回転テーブルと、該回転テーブル上に対向
   して位置し、径方向に移動可能に設けられた一対の支持
   ベースと、該各支持ベース上にキャップ付き容器の寸法
   に応じて着脱可能に設けられ、該容器を外側から挟持す
   る４本の固定部材と、前記各支持ベースを前記回転テー
   ブルの回転中心に向けて移動させることにより、該各固
   定部材によって前記容器を固定する調整部材と、前記メ
   ータ本体に設けられ、前記回転テーブルの回転角度に基
   いて前記キャップの開栓トルクを表示する表示部とから
   なるキャップ用トルクメータにおいて、前記各固定部材
   は、前記各支持ベース上に着脱可能に設けられる軸部
   と、該軸部の外周側に設けられ、軟質材料により形成さ
   れた接触部とから三角柱状に構成したことを特徴とする
   キャップ用トルクメータ。