JPH0625633Y2 - 内燃機関の排気系用消音器 - Google Patents

内燃機関の排気系用消音器

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JPH0625633Y2
JPH0625633Y2 JP1989130252U JP13025289U JPH0625633Y2 JP H0625633 Y2 JPH0625633 Y2 JP H0625633Y2 JP 1989130252 U JP1989130252 U JP 1989130252U JP 13025289 U JP13025289 U JP 13025289U JP H0625633 Y2 JPH0625633 Y2 JP H0625633Y2
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典昭 松本
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NIHON GLASS FIBER INDUSTRIAL CO., LTD.
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、内燃機関の排気管に設けられる消音器に関す
るものである。
[従来の技術] 内燃機関においては、排気管の一部に排気ガスの通る膨
脹室を有した消音器を設けることにより、排気音の音圧
低減が図られる。
従来の排気系用消音器は、前記膨脹室を形成する消音器
本体を、鋼板とその内面に貼り付けた吸音材とから構成
したものが一般的であるが、鋼板を使用しているため重
量が大きく、また吸音材を貼り付ける作業が要るため製
造コストが高いという問題があった。
そこで、第2図に示すように膨脹室32を形成する消音
器本体33を、結合材を含浸させたグラスウールを所定
形状に圧縮成形した後に焼成してなる繊維層34と、該
繊維層34の外表面に熱硬化性樹脂を塗布又は含浸して
なる硬質層35とから構成した消音器31が考えられて
いる(実開昭60−65319号明細書)。この消音器
31によれば、消音器本体33に鋼板を使用せず、構造
が簡単で貼り付け作業も不要になるので、軽量化、組立
工程の簡略化、コストの低減等を図ることができる。
[考案が解決しようとする課題] 上記のように構成された消音器本体33において、内側
の繊維層34はグラスウールが結合材で結合しただけの
ものであるから、その強度及び気密性はあまり高くな
い。一方、外側の硬質層35はグラスウールに熱硬化性
樹脂が付着又は含浸したものであるから、その強度及び
気密性は非常に高い。従って、この消音器本体33は、
通常、後者の硬質層35が存在して初めて全体の強度及
び気密性が満たされるといえる。
ところが、使用時において排気管36から膨脹室32に
入る排気ガスの熱は、繊維層34を通って硬質層35ま
で伝わるため、該硬質層35を形成する熱硬化性樹脂が
その熱により軟化又は劣化し、消音器本体33全体の強
度及び気密性が低下するおそれがあった。
本考案の目的は、繊維層の強度及び気密性を高めるとと
もに、排気ガスの熱による硬質層の軟化又は劣化を防止
し、もって消音器本体の強度及び気密性の維持と向上を
図ることができる新規な内燃機関の排気系用消音器を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案の内燃機関の排気系
用消音器においては、排気ガスの通る膨脹室を形成する
消音器本体を、結合材を含浸させた耐熱性繊維を所定形
状に圧縮成形した後に焼成してなる繊維層と、前記繊維
層の内部に介在した金属箔よりなる金属箔層と、前記繊
維層の外表面に熱硬化性樹脂を塗布又は含浸してなる硬
質層とから構成した。
前記「耐熱性繊維」としてはグラスウール、セラミック
スファイバー等が使用され、その「結合材」としてはシ
リカ系結合材、水ガラス等が使用される。
また、前記「金属箔」の材質は排気ガスの熱で溶融・劣
化しないものであれば特定のものに限定されないが、耐
食性等の点でアルミニウム、ステンレス鋼、鉛等が適当
である。
また、前記「熱硬化性樹脂」は特定のものに限定され
ず、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
等を例示することができる。
[作用] 以上のように構成された排気系用消音器によれば、ま
ず、繊維層の内部に介在した金属箔層が耐熱性繊維を結
合材により固定する作用を奏するため、該繊維層の強度
が向上する。また、通気性のない金属箔層が繊維層の内
部に層状に存在することにより、該繊維層の気密性も向
上する。さらに、使用時においては、前記金属箔層が、
膨脹室から繊維層へ伝わる排気ガスの熱の多くを該繊維
層の内部において内側に反射し、硬質層側には通しにく
くするため、該硬質層を形成している熱硬化性樹脂の熱
による軟化又は劣化も防止される。
[実施例] 以下、本考案を具体化した内燃機関の排気系用消音器の
一実施例について、第1図を参照して説明する。本実施
例の消音器1は、排気ガスの通る膨脹室2を形成する消
音器本体3と、該消音器本体3に内燃機関からの排気管
4を接続するための入口側継手部材5と、該消音器本体
3に大気へ連通する排出管6を接続するための出口側継
手部材7とからなるものである。
前記消音器本体3は両側に端壁を備えた筒形状に形成さ
れ、各部の肉は次の各層から構成されている。
内側の繊維層8…この繊維層8は、層状にした耐熱性
繊維としてのグラスウールをニードルパンチしてグラス
ウールマットとし、該グラスウールマットに結合材とし
てのシリカ系結合材を含浸させて前記筒形状に圧縮成形
した後、焼成することにより形成されたものである。
前記繊維層8内部に介在された金属箔層9…この金属
箔層9は、前記繊維層8の形成時において、層状にした
グラスウールの中間部に予めアルミニウム箔を介在させ
ておくことにより形成されたものである。繊維層8を形
成するグラスウールは金属箔層9の両面に対し前記シリ
カ系結合材により固定されるため、金属箔層の無い従来
例に比べて繊維層8自体の強度が向上しており、気密性
も高められている。
また、前記グラスウールにアルミニウム箔を挟んで一緒
にニードルパンチすることにより、繊維層8と金属箔層
9との結合力を高めることもできる。
外側の硬質層10…この硬質層10は、前記繊維層5
の外表面にエポキシ樹脂を含浸して形成されたものであ
る。
次に、前記入口側継手部材5は、排気管4の外周に嵌合
する金属製の管状部11と、該管状部11の一端から外
周に突出し消音器本体3の繊維層8内に埋設される金属
製のフランジ部12とから構成されている。このフラン
ジ部12は前記繊維層8の圧縮焼成加工と同時に該繊維
層8に埋設されて一体化しており、さらに該フランジ部
12に貫設された穴13又は切欠に繊維層8のグラスウ
ールが入り込むことにより、該フランジ部12は繊維層
8に強固に一体化している。なお、前記管状部11に排
気管4を嵌入した後、該管状部11の開口端は排気管4
に溶接されるようになっている。
同じく前記出口側継手部材7は、排出管6の外周に嵌合
する金属製の管状部14と、穴13又は切欠を備え消音
器本体3の繊維層8内に埋設される金属製のフランジ部
15とから構成され、前記管状部14の開口端は排出管
6に溶接される。
以上のように構成された消音器1によれば、まず、繊維
層8の内部に介在した金属箔層9が前記の通り繊維層8
のグラスウールを結合材により固定する作用を奏するた
め、該繊維層8自体の強度が向上する。また、通気性の
ない金属箔層9が繊維層8の内部に層状に存在すること
により、該繊維層8の気密性も向上する。さらに、使用
時においては、該金属箔層9が、膨脹室2から繊維層8
へ伝わる排気ガスの熱の多くを該繊維層8の内部におい
て内側に反射し、硬質層10側には通過しにくくするた
め、該硬質層10を形成している熱硬化性樹脂の熱によ
る軟化又は劣化を防止する。本実施例ではこれらの作用
効果が重畳するので、消音器本体3全体の強度及び気密
性の維持と向上を図ることができる。
なお、本考案は前記実施例の構成に限定されるものでは
なく、例えば以下のように考案の趣旨から逸脱しない範
囲で任意に変更して具体化することもできる。
前記消音器本体の内部を前記繊維層からなる隔壁により
区画して、二個以上の膨脹室を形成すること。この場
合、前記硬質層及び金属箔層は外壁にのみ設ければよ
く、隔壁に設ける必要はない。
[考案の効果] 本考案の内燃機関の排気系用消音器は、上記の通り構成
されているので、繊維層の強度及び気密性を高めるとと
もに、排気ガスの熱による硬質層の軟化又は劣化を防止
し、もって消音器本体の強度及び気密性の維持と向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案を具体化した内燃機関の消音器の実施例
を示す断面図、第2図は従来例の断面図である。 2……膨脹室、3……消音器本体、8……繊維層、9…
…金属箔層、10……硬質層。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気ガスの通る膨脹室(2)を形成する消
    音器本体(3)を、結合材を含浸させた耐熱性繊維を所
    定形状に圧縮成形した後に焼成してなる繊維層(8)
    と、前記繊維層(8)の内部に介在した金属箔よりなる
    金属箔層(9)と、前記繊維層(8)の外表面に熱硬化
    性樹脂を塗布又は含浸してなる硬質層(10)とから構
    成したことを特徴とする内燃機関の排気系用消音器。
JP1989130252U 1989-11-08 1989-11-08 内燃機関の排気系用消音器 Expired - Lifetime JPH0625633Y2 (ja)

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