JPH0625506A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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- JPH0625506A JPH0625506A JP17984492A JP17984492A JPH0625506A JP H0625506 A JPH0625506 A JP H0625506A JP 17984492 A JP17984492 A JP 17984492A JP 17984492 A JP17984492 A JP 17984492A JP H0625506 A JPH0625506 A JP H0625506A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 下記の(A)、(B)及び(C)からなる樹
脂組成物100重量部に対しリン系化合物0.1〜20
重量部を含有する難燃性樹脂組成物。 (A)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル化合物をゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体10〜65重量% (B)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル単量体とからなるビニル共重合体5〜89重量% (C)ノボラック樹脂組成物 【効果】 本発明の樹脂組成物は、有害なハロゲン系難
燃剤を用いず、すぐれた難燃性を示し、しかも良好な機
械的特性を示す。
脂組成物100重量部に対しリン系化合物0.1〜20
重量部を含有する難燃性樹脂組成物。 (A)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル化合物をゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体10〜65重量% (B)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル単量体とからなるビニル共重合体5〜89重量% (C)ノボラック樹脂組成物 【効果】 本発明の樹脂組成物は、有害なハロゲン系難
燃剤を用いず、すぐれた難燃性を示し、しかも良好な機
械的特性を示す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン系化合物を含
まない、いわゆる非ハロゲン系難燃剤システムによる難
燃性の樹脂組成物に関する。
まない、いわゆる非ハロゲン系難燃剤システムによる難
燃性の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム補強型の耐
衝撃性樹脂は、成形性、機械的強度、寸法安定性に優れ
ていることから、電気製品、オフィス家具、コンピュー
ターなどに使用されているが、安全上、難燃化の要請が
高く、種々の規制が定められている。しかしながら、従
来のハロゲン系難燃剤を用いた場合には燃焼分解時に有
害なダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があ
り、環境上問題があった。
衝撃性樹脂は、成形性、機械的強度、寸法安定性に優れ
ていることから、電気製品、オフィス家具、コンピュー
ターなどに使用されているが、安全上、難燃化の要請が
高く、種々の規制が定められている。しかしながら、従
来のハロゲン系難燃剤を用いた場合には燃焼分解時に有
害なダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があ
り、環境上問題があった。
【0003】このような環境問題に対応するため、ハロ
ゲン系の難燃剤を用いない、いわゆる非ハロゲン系の難
燃性樹脂を設計する試みが種々行なわれているが、難燃
効果の点でハロゲン系の難燃剤にかわるものを見い出す
のは極めて難しいというのが現状であった。米国特許第
4632946号明細書においては、この問題を解決す
るために、AS樹脂、ABS樹脂に代表される熱可塑性
樹脂にフェノールアルデヒド樹脂、窒素含有有機化合物
およびリン系有機化合物をブレンドすることによって樹
脂そのものの難燃性を向上させるという方法が開示され
ている。
ゲン系の難燃剤を用いない、いわゆる非ハロゲン系の難
燃性樹脂を設計する試みが種々行なわれているが、難燃
効果の点でハロゲン系の難燃剤にかわるものを見い出す
のは極めて難しいというのが現状であった。米国特許第
4632946号明細書においては、この問題を解決す
るために、AS樹脂、ABS樹脂に代表される熱可塑性
樹脂にフェノールアルデヒド樹脂、窒素含有有機化合物
およびリン系有機化合物をブレンドすることによって樹
脂そのものの難燃性を向上させるという方法が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法によれば確か
に難燃特性は優れるものの、やはり多量の難燃剤を必要
とすること、およびこれら難燃剤とベース樹脂との相溶
性が劣るため、成形片の剥離、樹脂物性の低下などの問
題点があった。
に難燃特性は優れるものの、やはり多量の難燃剤を必要
とすること、およびこれら難燃剤とベース樹脂との相溶
性が劣るため、成形片の剥離、樹脂物性の低下などの問
題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、難燃特性
と樹脂の相溶性とのバランスを向上させ、しかも少ない
難燃剤で効果を上げる方法を種々検討した結果、ゴム質
重合体にグラフトしたグラフト共重合体に一般式(1)
で表わされる重合体(C)とリン系化合物(D)とを用
いた場合相乗的な難燃効果が発現することを見出して本
発明に至った。
と樹脂の相溶性とのバランスを向上させ、しかも少ない
難燃剤で効果を上げる方法を種々検討した結果、ゴム質
重合体にグラフトしたグラフト共重合体に一般式(1)
で表わされる重合体(C)とリン系化合物(D)とを用
いた場合相乗的な難燃効果が発現することを見出して本
発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、下記の(A)、(B)
及び(C)からなる樹脂組成物100重量部に対し、
(D)リン系化合物0.1〜20重量部を含有する難燃
性樹脂組成物である。 (A)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル化合物をゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体10〜65重量% (B)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル単量体とからなるビニル共重合体5〜89重量% (C)一般式(1)で表わされる化合物単位を構成成分
として含有する重合体1〜40重量%
及び(C)からなる樹脂組成物100重量部に対し、
(D)リン系化合物0.1〜20重量部を含有する難燃
性樹脂組成物である。 (A)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル化合物をゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体10〜65重量% (B)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル単量体とからなるビニル共重合体5〜89重量% (C)一般式(1)で表わされる化合物単位を構成成分
として含有する重合体1〜40重量%
【0007】
【化2】
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられる。特
に好ましくはスチレンである。これと共重合可能なビニ
ル化合物とは、具体的にはメチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル
(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸な
どの(メタ)アクリル酸類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン
酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド等のマレイミド系単量体、グリシジルメタクレー
ト等のグリシジル基含有単量体が用いられる。
用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、パラメチルスチレン等が挙げられる。特
に好ましくはスチレンである。これと共重合可能なビニ
ル化合物とは、具体的にはメチルメタクリレート、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル
(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸な
どの(メタ)アクリル酸類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン
酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイ
ミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド等のマレイミド系単量体、グリシジルメタクレー
ト等のグリシジル基含有単量体が用いられる。
【0009】これらの化合物の中では、好ましくはアル
キル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル単量体、
マレイミド系単量体であり、さらに好ましくはアクリロ
ニトリル、N−フェニルマレイミド等が用いられる。ゴ
ム質重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のもの
であれば用いることができる。具体的にはポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム等のジエン系ゴム、ポリアク
リル酸ブチル等のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、ポ
リクロロプレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロ
ック共重合ゴム等のブロック共重合体およびそれらの水
素添加物等を使用することができる。
キル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル単量体、
マレイミド系単量体であり、さらに好ましくはアクリロ
ニトリル、N−フェニルマレイミド等が用いられる。ゴ
ム質重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のもの
であれば用いることができる。具体的にはポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴム等のジエン系ゴム、ポリアク
リル酸ブチル等のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、ポ
リクロロプレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロ
ック共重合ゴム等のブロック共重合体およびそれらの水
素添加物等を使用することができる。
【0010】これらの重合体の中で、好ましくは、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。グ
ラフト共重合体(A)中のゴム質重合体の割合は、30
〜95重量%の範囲で用いられるが、耐衝撃性と加工流
動性のバランスの点で、好ましくは50〜90重量%の
範囲である。
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。グ
ラフト共重合体(A)中のゴム質重合体の割合は、30
〜95重量%の範囲で用いられるが、耐衝撃性と加工流
動性のバランスの点で、好ましくは50〜90重量%の
範囲である。
【0011】また、グラフト成分の割合いは5〜70重
量%であることが必要である。5重量%未満の場合には
マトリクス樹脂との相溶性が低下し、ゴム質重合体が凝
集し、樹脂の表面光沢が低下するため、好ましくない。
また70重量%を超える場合には、樹脂の耐衝撃性が低
下するため好ましくない。より好ましい範囲は10〜5
0重量%である。
量%であることが必要である。5重量%未満の場合には
マトリクス樹脂との相溶性が低下し、ゴム質重合体が凝
集し、樹脂の表面光沢が低下するため、好ましくない。
また70重量%を超える場合には、樹脂の耐衝撃性が低
下するため好ましくない。より好ましい範囲は10〜5
0重量%である。
【0012】グラフト共重合体(A)における、ゴム質
重合体とグラフト成分の割合は具体的には重合によって
生成した重合体をアセトンに溶解し、不溶分を遠心分離
機によって分離除去することによって測定することがで
きる。アセトンに溶解する成分は、重合反応した共重合
体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト重合
体)であり、アセトン不溶分からゴム質重合体の量を差
し引いた値がグラフト成分の値として定義される。
重合体とグラフト成分の割合は具体的には重合によって
生成した重合体をアセトンに溶解し、不溶分を遠心分離
機によって分離除去することによって測定することがで
きる。アセトンに溶解する成分は、重合反応した共重合
体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト重合
体)であり、アセトン不溶分からゴム質重合体の量を差
し引いた値がグラフト成分の値として定義される。
【0013】本発明に用いられる重合体(C)とは前記
一般式(1)で表わされる化合物単位を構成成分として
含有する重合体であって、一般にフェノールとアルデヒ
ドとの縮合反応によって合成されるものであり、いわゆ
るノボラック樹脂と呼ばれるものである。具体的には、
例えばフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、タ
ーシャリ−ブチルフェノールホルムアルデヒドノボラッ
ク樹脂、パラオクチルフェノールホルムアルデヒドノボ
ラック樹脂、パラシアノフェノールホルムアルデヒドノ
ボラック樹脂等及びこれらの共重合物、並びに混合物が
代表的には挙げられる。好ましい平均分子量としては3
00〜10000の範囲のものである。
一般式(1)で表わされる化合物単位を構成成分として
含有する重合体であって、一般にフェノールとアルデヒ
ドとの縮合反応によって合成されるものであり、いわゆ
るノボラック樹脂と呼ばれるものである。具体的には、
例えばフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂、タ
ーシャリ−ブチルフェノールホルムアルデヒドノボラッ
ク樹脂、パラオクチルフェノールホルムアルデヒドノボ
ラック樹脂、パラシアノフェノールホルムアルデヒドノ
ボラック樹脂等及びこれらの共重合物、並びに混合物が
代表的には挙げられる。好ましい平均分子量としては3
00〜10000の範囲のものである。
【0014】重合体(A)、(B)、(C)とのブレン
ド比率は、必要な難燃レベル、機械的物性の要求レベル
のバランスに応じて異なるが、(A)、(B)、(C)
の合計を100重量%とした時、 10≦(A)≦65重量% 5≦(B)≦89重量% 1≦(C)≦40重量% である事が必要である。
ド比率は、必要な難燃レベル、機械的物性の要求レベル
のバランスに応じて異なるが、(A)、(B)、(C)
の合計を100重量%とした時、 10≦(A)≦65重量% 5≦(B)≦89重量% 1≦(C)≦40重量% である事が必要である。
【0015】(A)の割合が10重量%未満の場合には
耐衝撃性が低く、65重量%を超える場合は加工流動性
が低下する。より好ましくは20〜55重量%である。 (B)の割合が5重量%未満の場合は加工性が著しく低
い。また89重量%を超えると衝撃強度が低い。より好
ましくは20〜85重量%である。 (C)の割合が1重量%未満の場合は難燃効果が十分で
はない。また40重量%を超える場合は樹脂の機械的強
度が低下するため用いられない。より好ましくは2〜3
0重量%である。
耐衝撃性が低く、65重量%を超える場合は加工流動性
が低下する。より好ましくは20〜55重量%である。 (B)の割合が5重量%未満の場合は加工性が著しく低
い。また89重量%を超えると衝撃強度が低い。より好
ましくは20〜85重量%である。 (C)の割合が1重量%未満の場合は難燃効果が十分で
はない。また40重量%を超える場合は樹脂の機械的強
度が低下するため用いられない。より好ましくは2〜3
0重量%である。
【0016】共重合体(B)の中には、グラフト共重合
体(A)を製造する際に生成した非グラフト重合体成分
が含まれていてもよい。但し、このグラフト共重合体
(A)に由来する非グラフト重合体成分の組成および含
有量は、これが共重合体(B)に含有された場合に、前
記したブレンド比率5≦B≦89重量%の範囲内にある
ことが必要である。
体(A)を製造する際に生成した非グラフト重合体成分
が含まれていてもよい。但し、このグラフト共重合体
(A)に由来する非グラフト重合体成分の組成および含
有量は、これが共重合体(B)に含有された場合に、前
記したブレンド比率5≦B≦89重量%の範囲内にある
ことが必要である。
【0017】本発明におけるリン系化合物(D)とは通
常のリン系の難燃剤全般を指すが、具体的にはホスフィ
ン、ホスファイト、ホスフェート、およびこれらの酸、
赤リンなどが用いられる。好ましくは赤リン、トリフェ
ニルホスフェート、メチルネオペンチルホスフェート、
フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタクリチルト
ールジフォスフェート等である。
常のリン系の難燃剤全般を指すが、具体的にはホスフィ
ン、ホスファイト、ホスフェート、およびこれらの酸、
赤リンなどが用いられる。好ましくは赤リン、トリフェ
ニルホスフェート、メチルネオペンチルホスフェート、
フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタクリチルト
ールジフォスフェート等である。
【0018】特に好ましくは赤リンである。赤リンは、
難燃化効果が高く、少量の添加量で必要な難燃性が得ら
れるため、機械的物性、特に引張り強さや剛性が他のリ
ン系化合物に比べ保持される点で有利である。リン系化
合物の含有量は必要な難燃レベルに応じて決められる
が、樹脂組成物の合計が100重量部に対し、0.1〜
20重量部であることが必要である。
難燃化効果が高く、少量の添加量で必要な難燃性が得ら
れるため、機械的物性、特に引張り強さや剛性が他のリ
ン系化合物に比べ保持される点で有利である。リン系化
合物の含有量は必要な難燃レベルに応じて決められる
が、樹脂組成物の合計が100重量部に対し、0.1〜
20重量部であることが必要である。
【0019】0.1重量部未満では必要な難燃効果が発
揮されない。20重量部を超えると樹脂の機械的強度を
低下させる。好ましくは0.5〜15重量部の範囲であ
り、特に好ましい範囲として、リン系有機化合物の場合
は、10〜15重量部であり、赤リンの場合には0.5
〜10重量部の範囲である。本発明の樹脂組成物には、
樹脂の改質を行なう目的で、必要に応じて通常の添加
剤、即ち、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、表面改質剤、分散剤、可塑剤などを添加す
ることができる。
揮されない。20重量部を超えると樹脂の機械的強度を
低下させる。好ましくは0.5〜15重量部の範囲であ
り、特に好ましい範囲として、リン系有機化合物の場合
は、10〜15重量部であり、赤リンの場合には0.5
〜10重量部の範囲である。本発明の樹脂組成物には、
樹脂の改質を行なう目的で、必要に応じて通常の添加
剤、即ち、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、表面改質剤、分散剤、可塑剤などを添加す
ることができる。
【0020】本発明における樹脂組成物の製造方法につ
いては、特に限定されず、通常の方法、例えば押出機混
練によるメルトブレンド等により製造することができ
る。
いては、特に限定されず、通常の方法、例えば押出機混
練によるメルトブレンド等により製造することができ
る。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。(以下「部」というのは「重量部」を意味するもの
とする。) (グラフト共重合体Aの製造)ポリブタジエンゴムラテ
ックス(重量平均粒子径3000オングストローム)4
5部に、脱イオン水100部、ロジン酸カリウム1.5
部を加え、気相部を窒素置換した後、70℃に昇温し
た。
る。(以下「部」というのは「重量部」を意味するもの
とする。) (グラフト共重合体Aの製造)ポリブタジエンゴムラテ
ックス(重量平均粒子径3000オングストローム)4
5部に、脱イオン水100部、ロジン酸カリウム1.5
部を加え、気相部を窒素置換した後、70℃に昇温し
た。
【0022】続いて、アクリロニトリル15部、スチレ
ン40部、ターシャリードデシルメルカプタン0.6
部、クメンハイドロパーオキシド0.1部よりなる単量
体混合液と脱イオン水50部にナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄0.004
部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.0
4部を溶解してなる水溶液を7時間にわたり添加し、7
0℃の重合温度で反応を完結させた。
ン40部、ターシャリードデシルメルカプタン0.6
部、クメンハイドロパーオキシド0.1部よりなる単量
体混合液と脱イオン水50部にナトリウムホルムアルデ
ヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄0.004
部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩0.0
4部を溶解してなる水溶液を7時間にわたり添加し、7
0℃の重合温度で反応を完結させた。
【0023】赤外分光光度計により求めたゴム質重合体
を除く成分に占めるアクリロニトリル単位の含有率は2
7%であった。このグラフト共重合体ラテックスを塩析
脱水した後、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体A−1
を得た。グラフト共重合体中のアセトン不溶分は68重
量%、アセトン可溶分は32重量%であった。
を除く成分に占めるアクリロニトリル単位の含有率は2
7%であった。このグラフト共重合体ラテックスを塩析
脱水した後、乾燥し、粉末状のグラフト共重合体A−1
を得た。グラフト共重合体中のアセトン不溶分は68重
量%、アセトン可溶分は32重量%であった。
【0024】グラフト共重合体中のアセトン不溶分の組
成を赤外分光光度計により測定したところ、ゴム質重合
体の含有量は66重量%、グラフト成分の含有量は34
重量%であり、アクリロニトリル単位の割合は0.27
であった。このアセトン不溶分をグラフト共重合体Aと
する。 (共重合体B−1)溶液粘度(メチルエチルケトン溶媒
を用い10重量%のポリマー濃度での25℃における粘
度)が9センチポイズ、樹脂中のアクリロニトリル含有
量が27部であるAS樹脂(アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体)。 (共重合体B−2)溶液粘度が6センチポイズ、樹脂中
のアクリロニトリル含有量が18部、スチレン含有量が
50部、N−フェニルマレイミド含有量が32部である
三元共重合体。 (重合体C)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹
脂(三井東圧化学社製 ♯1000ws 規格軟化点:
99〜105℃)を用いた。 (リン系化合物) D−1:赤リン D−2:トリフェニルホスフェート
成を赤外分光光度計により測定したところ、ゴム質重合
体の含有量は66重量%、グラフト成分の含有量は34
重量%であり、アクリロニトリル単位の割合は0.27
であった。このアセトン不溶分をグラフト共重合体Aと
する。 (共重合体B−1)溶液粘度(メチルエチルケトン溶媒
を用い10重量%のポリマー濃度での25℃における粘
度)が9センチポイズ、樹脂中のアクリロニトリル含有
量が27部であるAS樹脂(アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体)。 (共重合体B−2)溶液粘度が6センチポイズ、樹脂中
のアクリロニトリル含有量が18部、スチレン含有量が
50部、N−フェニルマレイミド含有量が32部である
三元共重合体。 (重合体C)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹
脂(三井東圧化学社製 ♯1000ws 規格軟化点:
99〜105℃)を用いた。 (リン系化合物) D−1:赤リン D−2:トリフェニルホスフェート
【0025】
【実施例1〜7、比較例1〜2】以上のように調整した
樹脂及びリン系難燃剤を表1にかかげる組成でブレンド
し、シリンダー温度が240℃に設定された2軸押出機
で混練造粒した。その後、240℃の成形温度で物性測
定用の試験片を射出成形により得た。このサンブルを用
いてASTM D256に基づきアイゾット衝撃値を測
定した。その結果を表2に示す。
樹脂及びリン系難燃剤を表1にかかげる組成でブレンド
し、シリンダー温度が240℃に設定された2軸押出機
で混練造粒した。その後、240℃の成形温度で物性測
定用の試験片を射出成形により得た。このサンブルを用
いてASTM D256に基づきアイゾット衝撃値を測
定した。その結果を表2に示す。
【0026】その他の評価方法は以下の通りである。 燃焼性の測定方法:圧縮成形後切り出した試験片(幅
2.5mm×厚さ1mm)を水平にした状態でガスバー
ナーの火を端部に近づけ5秒間着火させる。自己消火性
とは、ガスバーナーの火を遠ざけてから10秒以内に自
然消火する場合を示す。燃焼性とは、ガスバーナーを遠
ざけても試験片の燃焼が燃えつきるまで停止しない場合
を示す。
2.5mm×厚さ1mm)を水平にした状態でガスバー
ナーの火を端部に近づけ5秒間着火させる。自己消火性
とは、ガスバーナーの火を遠ざけてから10秒以内に自
然消火する場合を示す。燃焼性とは、ガスバーナーを遠
ざけても試験片の燃焼が燃えつきるまで停止しない場合
を示す。
【0027】滴下物の有無:燃焼工程で燃焼体が溶融
し、滴下する場合を有り、滴下しない場合を無しとし
た。滴下の無いものほど火災の拡大が小さく、実用上好
ましい。 メルトフローレート:JIS K−7210に基づく。 引張り強さ:ASTM D638に基づく。 相溶性:示差走査熱量計(DSC)により、樹脂ブレン
ド物のガラス転移温度(Tg)を測定し、ゴム質重合体
を除き、マトリクス樹脂のTgが単一である場合を○と
して表わした。
し、滴下する場合を有り、滴下しない場合を無しとし
た。滴下の無いものほど火災の拡大が小さく、実用上好
ましい。 メルトフローレート:JIS K−7210に基づく。 引張り強さ:ASTM D638に基づく。 相溶性:示差走査熱量計(DSC)により、樹脂ブレン
ド物のガラス転移温度(Tg)を測定し、ゴム質重合体
を除き、マトリクス樹脂のTgが単一である場合を○と
して表わした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、有害なハロゲン
系難燃剤を用いず、すぐれた難燃性を示し、しかも良好
な機械的特性を示す。
系難燃剤を用いず、すぐれた難燃性を示し、しかも良好
な機械的特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/08 LDW 9166−4J 51/04 LKY 7142−4J 61/06 LMU 8215−4J
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の(A)、(B)及び(C)からな
る樹脂組成物100重量部に対し、(D)リン系化合物
0.1〜20重量部を含有する難燃性樹脂組成物。 (A)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル化合物をゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体10〜65重量% (B)芳香族ビニル化合物及びこれと共重合可能なビニ
ル単量体とからなるビニル共重合体5〜89重量% (C)下記一般式(1)で表わされる化合物単位を構成
成分として含有する重合体1〜40重量% 【化1】 - 【請求項2】 リン系化合物が赤リンであることを特徴
とする請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17984492A JPH0625506A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17984492A JPH0625506A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0625506A true JPH0625506A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16072896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17984492A Withdrawn JPH0625506A (ja) | 1992-07-07 | 1992-07-07 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0625506A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0612806A1 (en) * | 1993-02-26 | 1994-08-31 | Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. | Flame retarding resin composition |
JPH0748491A (ja) * | 1994-02-25 | 1995-02-21 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 難燃用ベース樹脂組成物および難燃熱可塑性樹脂組成物 |
JPH07330995A (ja) * | 1994-06-10 | 1995-12-19 | Nippon Steel Chem Co Ltd | スチレン系難燃性樹脂組成物 |
WO1999002605A1 (fr) * | 1997-07-11 | 1999-01-21 | Toray Industries, Inc. | Composition de resine ignifuge |
US7205346B2 (en) | 2001-11-30 | 2007-04-17 | Polyplastics Co., Ltd. | Flame-retardant resin composition |
US7498375B2 (en) | 2001-11-30 | 2009-03-03 | Polyplastics Co., Ltd. | Flame-retardant resin composition |
-
1992
- 1992-07-07 JP JP17984492A patent/JPH0625506A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH0748491A (ja) * | 1994-02-25 | 1995-02-21 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | 難燃用ベース樹脂組成物および難燃熱可塑性樹脂組成物 |
JPH07330995A (ja) * | 1994-06-10 | 1995-12-19 | Nippon Steel Chem Co Ltd | スチレン系難燃性樹脂組成物 |
WO1999002605A1 (fr) * | 1997-07-11 | 1999-01-21 | Toray Industries, Inc. | Composition de resine ignifuge |
US7205346B2 (en) | 2001-11-30 | 2007-04-17 | Polyplastics Co., Ltd. | Flame-retardant resin composition |
US7498375B2 (en) | 2001-11-30 | 2009-03-03 | Polyplastics Co., Ltd. | Flame-retardant resin composition |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991005 |