JPH0625501Y2 - 高所作業車のバケット支持ポスト構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、高所作業車のバケット支持ポスト構造の改良
に係り、特に、バケットの積載荷重に従ってバケットが
支持ポストに沿って相対的に上下方向へ移動するように
した高所作業車のバケット支持ポスト構造に関するもの
である。

〔従来技術〕

従来の高所作業車のバケット支持ポスト構造、即ちブー
ムの先端に装備したバケットが所定の角度首振旋回し、
しかもブームの起伏角を変えることなくバケットの高さ
が可変可能なバケット支持ポスト構造は、ブームの先端
に立設した支持ポストの外周に装着した従動ギヤーに、
バケットの側部に配置した駆動ギヤーを単に噛合させる
ことによってバケットの首振旋回を行うべく構成したも
のであり、バケットの高さの可変は前記の支持ポストと
は別個に設けたブラケットに油圧モータ乃至油圧シリン
ダー（昇降手段）を装備し、該油圧モータ乃至油圧シリ
ンダー等に連結するチェンあるいはロッド端を前記バケ
ットの適宜位置に固定することによりバケットの昇降機
構を構成しているのが実情で有る。

〔考案が解決しようとする課題〕

然るに、上記の構造を採用した従来の高所作業車のバケ
ット支持ポスト構造は、ブームの先端でもってバケット
の首振旋回を行うための機構と、バケットの高さを可変
するための機構が、支持ポストとは別個に設けられてい
るために、構造が複雑であり、しかもブラケット等の別
部品を多く装着する必要があるためブームの先端に装備
する重量が必要以上に増大する欠点があり、かつまた支
持ポストとバケット間のスペースを相当に広く採る必要
があり、自然と嵩張る傾向に有った。

又、バケットの首振旋回機構と昇降機構が別個に構成さ
れているためにその分メンテナンス領域が広がり損傷個
所も多く成る等の問題を有していた。

更に、バケットの積載荷重等を検出するための積載荷重
検出器を装備する場所も支持ポスト以外の場所を選定し
て装備しなければならず設置場所の選定も機構的に限定
される等の問題も有った。

〔考案の目的及び課題を解決するための手段〕

本考案は、前述した問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、特に、バケットの積載荷
重に従ってバケットが支持ポストに沿って相対的に上下
方向へ移動するようにした高所作業車のバケット支持ポ
スト構造を提供することにあり、そのために、ブームの
先端に立設した支持ポストの外周に従動ギヤーを装着し
た筒体を挿通し、前記従動ギヤーとバケットの側部に装
備した駆動機構により回転する駆動ギヤーとを噛合させ
てブームの先端でもってバケットが首振旋回するように
構成すると共に、前記支持ポストと筒体との結合をスプ
ライン結合となし、前記筒体の下端とポストベース間に
弾性材を介在配置し、バケットが筒体に対して首振旋回
すると共に、バケットと筒体が支持ポストに沿って相対
的に上下方向に移動自在に構成する。

〔作用〕

上記のような構成を採用したので、バケットの首振旋回
機構とバケットの上下方向への移動機構を支持ポストを
中心として構成することが可能であり、しかもスペース
をあまり広く必要としないので、ブームとバケット間の
コンパクト化が図れる。また、構造が極めて簡単であ
り、使用部品も従来の構造に比べて非常に少なくてすむ
から重量的にも大幅な軽量化が可能となる。

殊に、スプライン結合を採用したことにより、バケット
の上下方向への移動を極めて円滑に行うことができ、し
かも高精度に行うことが可能であるから、バケットの積
載荷重検出器の装着場所も最も正確に検出できる支持ポ
ストの近傍を選定して装着することが出来る。

〔実施例〕

以下、第１図、第２図に基づいて本考案に係る高所作業
車のバケット支持ポスト構造の一実施例を詳細に説明す
る。

同図中、１は高所作業車（図では省略）に装備したター
ンテーブルを基端として起伏、伸縮、旋回されるブーム
であり、該ブーム１の先端には、枢軸２で枢支されたブ
ラケット３が垂直面内で前後に揺動可能に立設され、該
ブラケット３の下端前方に取り付けられたポストベース
３ａと上端前方に取り付けられた上部板３ｂ間には支持
ポスト４が装備される。

前記支持ポスト４の外周にはボールスプライン５ａ、５
ｂ（このボールスプライン５ａ、５ｂは支持ポスト４側
面に設けたキー溝に取り付けられるキーでもって支持ポ
スト４に固定されている。）を介在して筒体６が挿通配
置され、該筒体６の外周の略中央位置には従動ギヤー６
ａが一体的に取り付けられている。

又、前記筒体６と支持ポスト４とは前記ボールスプライ
ン５ａ、５ｂの外周面に上下に穿設した凹部に筒体６の
内壁面に突設した凸部を嵌合することによりスプライン
結合７されて、筒体６が支持ポスト４に沿って相対的に
上下方向に移動自在に構成され、かつ筒体６は筒体６の
下端外周に一体的に取り付けられたフランジ６ｂと前記
ポストベース３ａ間に介在配置した弾性材（本実施例で
は蔓まきスプリングを採用）８でもって支持ポスト４に
対して上方に移動するように付勢されている。

ところで、前記筒体６には水平にバケット９が取り付け
られ、筒体６の外周に装着した従動ギヤー６ａにはバケ
ット９の側部に装備した駆動機構（本実施例では油圧モ
ータを採用）１０により回転する駆動ギヤー１１が噛合
してブーム１の先端でもってバケット９が筒体６に対し
て水平面内で左右に首振旋回できるように構成されてい
る。

１２は前記フランジ６ｂの先端とポストベース３ａに取
り付けられた送受素子（本実施例では近接センサーを採
用）よりなる前記バケット９の積載荷重検出器であり、
バケット９に所定の重量以上の荷等を積載すると、バケ
ット９及び筒体６が弾性材８の付勢力に抗して支持ポス
ト４に沿って相対的に下方に移動し、積載荷重検出器１
２がそれを検出することにより、バケット９の積載荷重
を検出するように構成されている。

１３はバケット９を常に平衡状態に保つ平衡取りシリン
ダーである。

以下、上記の構成に基づいて本考案に係る高所作業車の
バケット支持ポスト構造の作用を説明する。

即ち、本考案に係る高所作業車のバケット支持ポスト構
造は、ブーム１の先端に枢軸２で枢支して垂直面内で前
後に揺動するブラケット３を立設し、該ブラケット３の
下端前方に取り付けたポストベース３ａと上端前方に取
り付けられた上部板３ｂとの間に支持ポスト４を装備す
るとともに、該支持ポスト４の外周にボールスプライン
５ａ、５ｂを介在して筒体６を挿通配置し、該筒体６と
支持ポスト４とをスプライン結合７したので筒体６の支
持ポスト４の上下方向への相対的な移動が極めて円滑と
なり、かつ筒体６の上方への移動は筒体６の下端外周に
一体的に取り付けられたフランジ６ｂと前記ポストベー
ス３ａ間に介在配置した弾性材８でもって行うものであ
るから、移動を行うに当たり、動力を必要としない。

また、前記筒体６に水平に取り付けられたバケット９の
首振作動は、筒体６の外周に装着した従動ギヤー６ａに
対してバケット９の側部に装備した駆動機構１０により
回転する駆動ギヤー１１を噛合することにより、首振り
作動を行うものであるからバケット９の水平面内での左
右への首振旋回機構を極めて簡単な構造にできる。

また、前記フランジ６ｂの先端とポストベース３ａ間に
バケット９及び筒体６が弾性材８の付勢力に抗して支持
ポスト４に沿って相対的に下方に移動する移動量より積
載荷重を検出する積載荷重検出器１２を装備したので、
バケット９に所定の重量以上の荷等が積載されたことを
的確に把握することができる。

尚、上記の実施例ではバケット９の上下、つまり昇降を
弾性材８でもって行うべく説明したが、該弾性材８に代
えて、例えば油圧モータ乃至油圧シリンダー等を採用す
るならばバケット９の上下変位を積極的に行わすことも
可能であり、特に上記の実施例にのみ限定するものでは
ない。

〔考案の効果〕

本考案は、以上詳細に説明した如く、ブームの先端に立
設した支持ポストの外周に従動ギヤーを装着した筒体を
挿通し、前記従動ギヤーとバケットの側部に装備した駆
動機構により回転する駆動ギヤーとを噛合させてブーム
の先端でもってバケットが首振旋回するように構成する
と共に、前記支持ポストと筒体との結合をスプライン結
合となし、前記筒体の下端とポストベース間に弾性材を
介在配置し、バケットが筒体に対して首振旋回すると共
に、バケットと筒体が支持ポストに沿って相対的に上下
方向に移動自在に構成したので、バケットの首振旋回機
構とバケットの上下方向への移動機構を支持ポストを中
心として構成することが可能であり、しかもスペースを
あまり広く必要としないので、ブームとバケット間のコ
ンパクト化が図れる。また、構造が極めて簡単であり、
使用部品も従来の構造に比べて非常に少なくてすむから
重量的にも大幅な軽量化が可能となる。

また、スプライン結合を採用したことにより、バケット
の上下方向への移動を極めて円滑に行うことができ、し
かも高精度に行うことが可能であるから、バケットの積
載荷重検出器の装着場所も最も正確に検出できる支持ポ
ストの近傍を選定して装着することが出来る等種々の優
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係る高所作業車のバケット
支持ポスト構造の一例を示すもので、第１図は要部の斜
視図、第２図は要部の縦断面図である。 １……ブーム、２……枢軸、３……ブラケット、３ａ…
…上部板、３ｂ……ポストベース、４……支持ポスト、
５ａ、５ｂ……ボールスプライン、６……筒体、６ａ…
…従動ギヤー、６ｂ……フランジ、７……スプライン結
合、８……弾性材、９……バケット、１０……駆動機
構、１１……駆動ギヤー、１２……積載荷重検出器、１
３……平衡取りシリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ブームの先端に立設した支持ポストの外周
   に従動ギヤーを装着した筒体を挿通し、前記従動ギヤー
   とバケットの側部に装備した駆動機構により回転する駆
   動ギヤーとを噛合させてブームの先端でもってバケット
   が首振旋回するように構成すると共に、前記支持ポスト
   と筒体との結合をスプライン結合となし、前記筒体の下
   端とポストベース間に弾性材を介在配置し、バケットが
   筒体に対して首振旋回すると共に、バケットと筒体が支
   持ポストに沿って相対的に上下方向に移動自在に構成し
   たことを特徴とする高所作業車のバケット支持ポスト構
   造。