JPH0625483A - 難燃性組成物および難燃性被覆電線 - Google Patents
難燃性組成物および難燃性被覆電線Info
- Publication number
- JPH0625483A JPH0625483A JP4206065A JP20606592A JPH0625483A JP H0625483 A JPH0625483 A JP H0625483A JP 4206065 A JP4206065 A JP 4206065A JP 20606592 A JP20606592 A JP 20606592A JP H0625483 A JPH0625483 A JP H0625483A
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- Japan
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- flame
- ethylene
- retardant
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- parts
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- Pending
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- Organic Insulating Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 燃焼時に有害なハロゲン系ガスやリン系ガス
を発生することなく、自動車用ハーネスや電気機器内配
線等においても、UL VW−1を実現可能な難燃性組
成物および難燃性被覆電線を提供する。 【構成】 不飽和エステル含量が15〜80重量%であ
るエチレン−不飽和エステル共重合体100重量部と、
シアヌル酸誘導体0.1〜10重量部と、金属水和物7
0〜300重量部を含有する難燃性組成物。不飽和エス
テル含量が15〜80重量%であるエチレン−不飽和エ
ステル共重合体100重量部と、シアヌル酸誘導体0.
1〜10重量部と、金属水和物70〜300重量部を含
有する難燃性組成物からなる架橋被覆層が導体外周に設
けられている難燃性被覆電線。
を発生することなく、自動車用ハーネスや電気機器内配
線等においても、UL VW−1を実現可能な難燃性組
成物および難燃性被覆電線を提供する。 【構成】 不飽和エステル含量が15〜80重量%であ
るエチレン−不飽和エステル共重合体100重量部と、
シアヌル酸誘導体0.1〜10重量部と、金属水和物7
0〜300重量部を含有する難燃性組成物。不飽和エス
テル含量が15〜80重量%であるエチレン−不飽和エ
ステル共重合体100重量部と、シアヌル酸誘導体0.
1〜10重量部と、金属水和物70〜300重量部を含
有する難燃性組成物からなる架橋被覆層が導体外周に設
けられている難燃性被覆電線。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性組成物および難
燃性被覆電線に関し、詳しくは燃焼時に有害なハロゲン
系ガスを発生せず、押出し特性に優れ、特に電線、ケー
ブル、絶縁チューブやシース材料として好適な難燃性組
成物および難燃性被覆電線に関する。
燃性被覆電線に関し、詳しくは燃焼時に有害なハロゲン
系ガスを発生せず、押出し特性に優れ、特に電線、ケー
ブル、絶縁チューブやシース材料として好適な難燃性組
成物および難燃性被覆電線に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系ポリマーは、優れた電気特
性を有し、安価で加工性も良いことから従来より絶縁電
線の絶縁層又はシース層として広く用いられている。し
かし、オレフィン系ポリマーはそれ自体が可燃性物質で
あるため、上述の用途に適用する際には、安全性、防火
上の問題から、高度な難燃性を付与する必要があり、そ
の方法としては、オレフィン系ポリマーにハロゲン系難
燃剤等を混和する方法が広く採用されてきた。しかしな
がら、これらは燃焼時に多量のハロゲン系ガスを発生し
周囲の機器への腐食性、人体への有害性等が問題となっ
て、近年、ハロゲン系ガスを発生しないことが要望さ
れ、難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウムのような無機水和物を混和する方法が提案されてい
る。
性を有し、安価で加工性も良いことから従来より絶縁電
線の絶縁層又はシース層として広く用いられている。し
かし、オレフィン系ポリマーはそれ自体が可燃性物質で
あるため、上述の用途に適用する際には、安全性、防火
上の問題から、高度な難燃性を付与する必要があり、そ
の方法としては、オレフィン系ポリマーにハロゲン系難
燃剤等を混和する方法が広く採用されてきた。しかしな
がら、これらは燃焼時に多量のハロゲン系ガスを発生し
周囲の機器への腐食性、人体への有害性等が問題となっ
て、近年、ハロゲン系ガスを発生しないことが要望さ
れ、難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウムのような無機水和物を混和する方法が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機水
和物を混和する方法はオレフィン系ポリマーに無機水和
物を多量に混和させることにより、高度な難燃性を付与
することはできるものの、一方でオレフィン系ポリマー
が本来有していた優れた成形加工性および機械的特性を
大幅に低下させてしまうという新たな問題を引き起こし
てしまう。
和物を混和する方法はオレフィン系ポリマーに無機水和
物を多量に混和させることにより、高度な難燃性を付与
することはできるものの、一方でオレフィン系ポリマー
が本来有していた優れた成形加工性および機械的特性を
大幅に低下させてしまうという新たな問題を引き起こし
てしまう。
【0004】それらを解決するために、無機水和物添加
量の減少を目的として、特開平3−197539号公報
などが提案されているが、未だその難燃レベルでは満足
できず、たとえば、自動車用ハーネスや電気機器内配線
のように特に肉厚の薄い、たとえば0.6mm程度以下の
肉厚の電線では、UL VW−1を満足できなかった。
また、特開昭60−88048号公報のように、リン含
有化合物を難燃助剤として利用する提案もなされている
が、毒性その他の問題があった。
量の減少を目的として、特開平3−197539号公報
などが提案されているが、未だその難燃レベルでは満足
できず、たとえば、自動車用ハーネスや電気機器内配線
のように特に肉厚の薄い、たとえば0.6mm程度以下の
肉厚の電線では、UL VW−1を満足できなかった。
また、特開昭60−88048号公報のように、リン含
有化合物を難燃助剤として利用する提案もなされている
が、毒性その他の問題があった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
し、燃焼時に有害なハロゲン系ガスやリン系ガスを発生
することなく、自動車用ハーネスや電気機器内配線等に
おいても、UL VW−1を実現可能な難燃性組成物お
よび難燃性被覆電線を提供することを目的とする。
し、燃焼時に有害なハロゲン系ガスやリン系ガスを発生
することなく、自動車用ハーネスや電気機器内配線等に
おいても、UL VW−1を実現可能な難燃性組成物お
よび難燃性被覆電線を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の難燃性組成物は、不飽和エステル含量が1
5〜80重量%であるエチレン−不飽和エステル共重合
体100重量部と、シアヌル酸誘導体0.1〜10重量
部と、金属水和物70〜300重量部を含有することを
特徴としている。
に、本発明の難燃性組成物は、不飽和エステル含量が1
5〜80重量%であるエチレン−不飽和エステル共重合
体100重量部と、シアヌル酸誘導体0.1〜10重量
部と、金属水和物70〜300重量部を含有することを
特徴としている。
【0007】また、本発明の難燃性被覆電線は、不飽和
エステル含量が15〜80重量%であるエチレン−不飽
和エステル共重合体100重量部と、シアヌル酸誘導体
0.1〜10重量部と、金属水和物70〜300重量部
を含有する難燃性組成物からなる架橋被覆層が導体外周
に設けられていること、を特徴としている。
エステル含量が15〜80重量%であるエチレン−不飽
和エステル共重合体100重量部と、シアヌル酸誘導体
0.1〜10重量部と、金属水和物70〜300重量部
を含有する難燃性組成物からなる架橋被覆層が導体外周
に設けられていること、を特徴としている。
【0008】発明の具体的説明 本発明の組成物において、ベースポリマーとしてのエチ
レン−不飽和エステル共重合体中の不飽和エステル含量
は15〜80重量%、好ましくは30〜80重量%、さ
らに好ましくは40〜70重量%の範囲である。不飽和
エステル含量が15重量%未満であると、目的とする十
分な難燃性が得られず、また伸びが低下し、一方80重
量%を越えると、可撓性が低下し、たとえば、耐寒性の
悪化を来す。
レン−不飽和エステル共重合体中の不飽和エステル含量
は15〜80重量%、好ましくは30〜80重量%、さ
らに好ましくは40〜70重量%の範囲である。不飽和
エステル含量が15重量%未満であると、目的とする十
分な難燃性が得られず、また伸びが低下し、一方80重
量%を越えると、可撓性が低下し、たとえば、耐寒性の
悪化を来す。
【0009】ここで、エチレン−不飽和エステル共重合
体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などが挙げ
られ、これらの単独または2種以上の混合物であっても
よい。
体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などが挙げ
られ、これらの単独または2種以上の混合物であっても
よい。
【0010】エチレン−不飽和エステル共重合体100
重量部に対して金属水和物70〜300重量部、好まし
くは150〜300重量部、さらに好ましくは200〜
250重量部を含有させる。かかる金属水和物を添加す
ることにより、高度な難燃性を付与することができる。
金属水和物の含量が70重量部未満では目的とする十分
な難燃性が得られず、一方300重量部を越えると伸び
が実用に耐えず低温における可撓性も低下し、また成形
時の外観も満足しない。
重量部に対して金属水和物70〜300重量部、好まし
くは150〜300重量部、さらに好ましくは200〜
250重量部を含有させる。かかる金属水和物を添加す
ることにより、高度な難燃性を付与することができる。
金属水和物の含量が70重量部未満では目的とする十分
な難燃性が得られず、一方300重量部を越えると伸び
が実用に耐えず低温における可撓性も低下し、また成形
時の外観も満足しない。
【0011】ここで、金属水和物としては、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハ
イドロタルサイト、ドーソナイト、アルミン酸カルシウ
ム、硼酸亜鉛、硼砂などが挙げられるが、これらのうち
では、ポリマーの分解温度付近で結晶水を放出ししかも
吸熱量の大きい水酸化マグネシウムおよび/または水酸
化アルミニウムが好ましい。これらの金属水和物は粒径
0.1〜5μmのものが好ましく使用できる。
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハ
イドロタルサイト、ドーソナイト、アルミン酸カルシウ
ム、硼酸亜鉛、硼砂などが挙げられるが、これらのうち
では、ポリマーの分解温度付近で結晶水を放出ししかも
吸熱量の大きい水酸化マグネシウムおよび/または水酸
化アルミニウムが好ましい。これらの金属水和物は粒径
0.1〜5μmのものが好ましく使用できる。
【0012】これらの金属水和物は、たとえば、ラウリ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、ま
たはこれらのアルミニウム、マグネシウム、カルシウム
塩などの高級脂肪酸塩、シラン系やチタネート系表面処
理剤によって表面処理されたものが、エチレン−不飽和
エステル共重合体との親和性をよくし、分散性をよくす
るために好ましく用いられる。
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、ま
たはこれらのアルミニウム、マグネシウム、カルシウム
塩などの高級脂肪酸塩、シラン系やチタネート系表面処
理剤によって表面処理されたものが、エチレン−不飽和
エステル共重合体との親和性をよくし、分散性をよくす
るために好ましく用いられる。
【0013】これらの金属水和物は、ポリマーの燃焼時
に脱水し冷却効果を発揮して難燃性に寄与するものであ
り、大容量の絶縁電線など被覆層の比較的厚いものにつ
いては高度な難燃性を付与できるのであるが、屋内配線
用など比較的小容量の絶縁電線などのように被覆層が薄
い場合にはその絶対量も少ないため、燃焼時の金属水和
物による冷却効果にも限度がある。そこで、種々検討し
た結果、シアヌル酸誘導体を添加することにより、飛躍
的に難燃性を向上できることが分かった。
に脱水し冷却効果を発揮して難燃性に寄与するものであ
り、大容量の絶縁電線など被覆層の比較的厚いものにつ
いては高度な難燃性を付与できるのであるが、屋内配線
用など比較的小容量の絶縁電線などのように被覆層が薄
い場合にはその絶対量も少ないため、燃焼時の金属水和
物による冷却効果にも限度がある。そこで、種々検討し
た結果、シアヌル酸誘導体を添加することにより、飛躍
的に難燃性を向上できることが分かった。
【0014】本発明においては、上記のエチレン−不飽
和エステル共重合体100重量部に対してシアヌル酸誘
導体を0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜10重
量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲で添加す
る。かかるシアヌル酸誘導体が架橋反応により重合体鎖
に結合している。そのため燃焼時の高温にも単独で蒸発
や分解することによって失われることなく、エチレン−
不飽和エステル共重合体や金属水和物と、その詳細な機
構については不明であるが、燃焼時に相互作用を起こ
し、もともとある冷却効果に加え窒息効果或いは抑制効
果を加えることにより難燃性を向上させるものと考えら
れる。シアヌル酸誘導体の含量が0.1重量部未満であ
ると、目的とする十分な難燃性が得られず、また架橋度
が低下するため、強度が実用に耐えない。一方、10重
量部を越えると、難燃性はピークを越えて低下してしま
い、また、架橋度が高くなりすぎて伸びが低下し、実用
に耐えない。
和エステル共重合体100重量部に対してシアヌル酸誘
導体を0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜10重
量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲で添加す
る。かかるシアヌル酸誘導体が架橋反応により重合体鎖
に結合している。そのため燃焼時の高温にも単独で蒸発
や分解することによって失われることなく、エチレン−
不飽和エステル共重合体や金属水和物と、その詳細な機
構については不明であるが、燃焼時に相互作用を起こ
し、もともとある冷却効果に加え窒息効果或いは抑制効
果を加えることにより難燃性を向上させるものと考えら
れる。シアヌル酸誘導体の含量が0.1重量部未満であ
ると、目的とする十分な難燃性が得られず、また架橋度
が低下するため、強度が実用に耐えない。一方、10重
量部を越えると、難燃性はピークを越えて低下してしま
い、また、架橋度が高くなりすぎて伸びが低下し、実用
に耐えない。
【0015】ここで、シアヌル酸誘導体としては、トリ
アリルシアヌレート、ジアリルシアヌレート、トリス
(2−アクリロキシエチル)シアヌレート、トリス(2
−メタクリロキシエチル)シアヌレート、トリメタアリ
ルシアヌレートなどが挙げられ、これらのうちではトリ
アリルシアヌレートが好ましい。
アリルシアヌレート、ジアリルシアヌレート、トリス
(2−アクリロキシエチル)シアヌレート、トリス(2
−メタクリロキシエチル)シアヌレート、トリメタアリ
ルシアヌレートなどが挙げられ、これらのうちではトリ
アリルシアヌレートが好ましい。
【0016】上記各成分をそれぞれ上記した所定の組成
範囲に組み合わせることによって、機械的強度および成
形加工性などの諸特性を満足しつつ、はじめて目的とす
る難燃性が得られるのであって、いずれの成分が過不足
であっても目的とする難燃性は得られない。特に、導体
の外周に組成物を薄く被覆し架橋してなる難燃性被覆電
線にあって、UL VW−1を満足するには、上記の要
件が必須である。
範囲に組み合わせることによって、機械的強度および成
形加工性などの諸特性を満足しつつ、はじめて目的とす
る難燃性が得られるのであって、いずれの成分が過不足
であっても目的とする難燃性は得られない。特に、導体
の外周に組成物を薄く被覆し架橋してなる難燃性被覆電
線にあって、UL VW−1を満足するには、上記の要
件が必須である。
【0017】また、本発明においては、上記の成分に加
えて、脂肪酸アミドをエチレン−不飽和エステル共重合
体100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で添加
することが好ましい。かかる脂肪酸アミドを添加するこ
とにより、組成物の成形性の改善に役立つ。添加量が
0.1重量部未満ではロール剥離性が悪く、一方添加量
が5重量部を越えると、強度が低下して実用に耐えず、
また、難燃性も低下してしまう。
えて、脂肪酸アミドをエチレン−不飽和エステル共重合
体100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲で添加
することが好ましい。かかる脂肪酸アミドを添加するこ
とにより、組成物の成形性の改善に役立つ。添加量が
0.1重量部未満ではロール剥離性が悪く、一方添加量
が5重量部を越えると、強度が低下して実用に耐えず、
また、難燃性も低下してしまう。
【0018】ここで、脂肪酸アミドとしては、たとえ
ば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスオレイン酸アミドなどが挙げられ、これらの内で
は、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドが好まし
い。
ば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレン
ビスオレイン酸アミドなどが挙げられ、これらの内で
は、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドが好まし
い。
【0019】本発明においては、上記の成分に加えて、
老化防止剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、分散剤等を適宜添
加することができる。耐熱性を向上させるために老化防
止剤を添加することができるが、このような老化防止剤
としては、たとえば、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピネート〕、3,9−ビス〔2−{3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2
・4−8・10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデ
カン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リル−チオプロピオネート)などが挙げられる。また、
架橋剤としては、たとえば、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジクミル
パーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。或い
は電子線照射による架橋でもよい。
老化防止剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、分散剤等を適宜添
加することができる。耐熱性を向上させるために老化防
止剤を添加することができるが、このような老化防止剤
としては、たとえば、ペンタエリスリチル−テトラキス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピネート〕、3,9−ビス〔2−{3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2
・4−8・10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデ
カン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リル−チオプロピオネート)などが挙げられる。また、
架橋剤としては、たとえば、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジクミル
パーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。或い
は電子線照射による架橋でもよい。
【0020】本発明の難燃性被覆電線は、上記の難燃性
組成物からなる架橋被覆層が導体外周に設けられてなる
ものである。かかる架橋被覆層は、たとえば、上記の難
燃性組成物を混練機で混練し、押出機で導体上に押出
し、高圧蒸気または電子線照射などにより架橋すること
により得る。ここで、架橋被覆層の厚さは、0.2〜
2.0mmの範囲とするが、かかる範囲内であるならば層
厚が薄くてもよく、具体的には1.0mm以下、さらには
0.6mm以下とすることができる。層厚が0.2mm未満
では十分な絶縁効果および難燃効果が得られず、一方、
層厚の上限は特に限定されるわけではないが、本発明の
難燃性被覆電線は、比較的小容量の絶縁電線用として好
適なもので、被覆層の薄い場合においても目的とする難
燃性が得られる点に特徴がある。
組成物からなる架橋被覆層が導体外周に設けられてなる
ものである。かかる架橋被覆層は、たとえば、上記の難
燃性組成物を混練機で混練し、押出機で導体上に押出
し、高圧蒸気または電子線照射などにより架橋すること
により得る。ここで、架橋被覆層の厚さは、0.2〜
2.0mmの範囲とするが、かかる範囲内であるならば層
厚が薄くてもよく、具体的には1.0mm以下、さらには
0.6mm以下とすることができる。層厚が0.2mm未満
では十分な絶縁効果および難燃効果が得られず、一方、
層厚の上限は特に限定されるわけではないが、本発明の
難燃性被覆電線は、比較的小容量の絶縁電線用として好
適なもので、被覆層の薄い場合においても目的とする難
燃性が得られる点に特徴がある。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と併せて説明
する。表1および表2に示した配合の組成物を12イン
チオープンロールにより混練りし、得られた組成物をL
/D=12の80mmφゴム押出機で、ヘッド90℃、シ
リンダー75℃の温度条件にて断面積が0.5mm2 のス
ズメッキ軟銅集合撚線上に0.5mmの肉厚で押出し、直
ちに15kg/cm 2 の高圧蒸気に1分間接触させ架橋電線
とした。
する。表1および表2に示した配合の組成物を12イン
チオープンロールにより混練りし、得られた組成物をL
/D=12の80mmφゴム押出機で、ヘッド90℃、シ
リンダー75℃の温度条件にて断面積が0.5mm2 のス
ズメッキ軟銅集合撚線上に0.5mmの肉厚で押出し、直
ちに15kg/cm 2 の高圧蒸気に1分間接触させ架橋電線
とした。
【0022】このようにして得られた電線を試料として
下記の評価法により評価した。その結果を表1および表
2に併せて示す。なお、表1および表2中の各薬品の使
用量は重量部単位である。
下記の評価法により評価した。その結果を表1および表
2に併せて示す。なお、表1および表2中の各薬品の使
用量は重量部単位である。
【0023】評価項目 評価方法 引張強さ JIS C 3005 伸び JIS C 3005 難燃性 UL 758 VW−1 耐寒性 UL 758 押出加工性 外観の観察
【0024】引張強さの実用最低限度は、最低のシリコ
ーンが8MPaであるため、8MPaとし、これ以上を
合格とした。また伸びの実用最低限度は、試料を折り曲
げたときの部分的な伸びが100%程度であるため、1
00%とし、これ以上を合格として、それぞれ評価し
た。
ーンが8MPaであるため、8MPaとし、これ以上を
合格とした。また伸びの実用最低限度は、試料を折り曲
げたときの部分的な伸びが100%程度であるため、1
00%とし、これ以上を合格として、それぞれ評価し
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表1および表2において使用される各薬品
は表3に示す通りである。
は表3に示す通りである。
【0028】
【表3】
【0029】表1および表2から明らかなように、本発
明の実施例1〜14においては、いずれもUL VW−
1の難燃性試験に合格するとともに、引張強度が8.0
MPa以上、伸びが100%以上と良好な機械的特性を
示し、低温脆性を引き起こすことなく耐寒性試験にも合
格し、かつ押出し加工性に優れ、ロール剥離性も良好で
あることが分かる。
明の実施例1〜14においては、いずれもUL VW−
1の難燃性試験に合格するとともに、引張強度が8.0
MPa以上、伸びが100%以上と良好な機械的特性を
示し、低温脆性を引き起こすことなく耐寒性試験にも合
格し、かつ押出し加工性に優れ、ロール剥離性も良好で
あることが分かる。
【0030】これに対し、不飽和エステル含量が規定値
より多すぎると伸びが著しく低下し耐寒性不良を引き起
こし(比較例1)、一方、含量が少なすぎると目的とす
る難燃性を満足せず、また伸びも不十分である(比較例
2)。
より多すぎると伸びが著しく低下し耐寒性不良を引き起
こし(比較例1)、一方、含量が少なすぎると目的とす
る難燃性を満足せず、また伸びも不十分である(比較例
2)。
【0031】金属水和物の含量が規定値より多すぎると
伸びが低下し十分な耐寒性が得られず、押出し加工性不
良を来たし(比較例3)、一方含量が少なすぎては目的
とする難燃性は得られない(比較例4)。
伸びが低下し十分な耐寒性が得られず、押出し加工性不
良を来たし(比較例3)、一方含量が少なすぎては目的
とする難燃性は得られない(比較例4)。
【0032】シアヌル酸エステルの含量が規定範囲外で
は、多すぎても少なすぎても目的とする難燃性は得られ
ず、さらに、含量が少なすぎる場合には架橋度が低下し
十分な機械的強度が得られず(比較例5)、一方含量が
多すぎる場合には架橋度が高くなりすぎ伸びの低下を引
き起こし耐寒性不良となる(比較例6)。シアヌル酸エ
ステルに替えてイソシアヌル酸エステルを使用したので
は目的とする難燃性は得られない(比較例7)。
は、多すぎても少なすぎても目的とする難燃性は得られ
ず、さらに、含量が少なすぎる場合には架橋度が低下し
十分な機械的強度が得られず(比較例5)、一方含量が
多すぎる場合には架橋度が高くなりすぎ伸びの低下を引
き起こし耐寒性不良となる(比較例6)。シアヌル酸エ
ステルに替えてイソシアヌル酸エステルを使用したので
は目的とする難燃性は得られない(比較例7)。
【0033】脂肪酸アミドを含有しない場合にはロール
剥離性不良を来たし(比較例8)、一方含量が多すぎる
場合には機械的強度が低下し、また難燃性も不良である
(比較例9)。
剥離性不良を来たし(比較例8)、一方含量が多すぎる
場合には機械的強度が低下し、また難燃性も不良である
(比較例9)。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポリマー中の不飽和エステル含量を規定範囲とし、かつ
ポリマーに対する金属水和物含量およびシアヌル酸誘導
体含量を規定範囲とする組成物を用いることにより、良
好な機械的特性を具備し、ULVW−1を実現できる高
度な難燃性を有し、かつ燃焼時に有害なハロゲン系ガス
やリン系ガスを発生しない難燃性組成物および難燃性被
覆電線、特に被覆層厚が薄い場合においてもUL VW
−1を十分に実現できる難燃性被覆電線、を得ることが
できる。
ポリマー中の不飽和エステル含量を規定範囲とし、かつ
ポリマーに対する金属水和物含量およびシアヌル酸誘導
体含量を規定範囲とする組成物を用いることにより、良
好な機械的特性を具備し、ULVW−1を実現できる高
度な難燃性を有し、かつ燃焼時に有害なハロゲン系ガス
やリン系ガスを発生しない難燃性組成物および難燃性被
覆電線、特に被覆層厚が薄い場合においてもUL VW
−1を十分に実現できる難燃性被覆電線、を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/00 LJA 7921−4J H01B 3/42 D 9059−5G // H01B 7/34 B 7244−5G
Claims (7)
- 【請求項1】不飽和エステル含量が15〜80重量%で
あるエチレン−不飽和エステル共重合体100重量部
と、シアヌル酸誘導体0.1〜10重量部と、金属水和
物70〜300重量部を含有することを特徴とする難燃
性組成物。 - 【請求項2】前記エチレン−不飽和エステル共重合体
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびエ
チレン−メタクリル酸エチル共重合体からなる群から選
ばれる少なくとも1種以上の共重合体である、請求項1
に記載の難燃性組成物。 - 【請求項3】前記金属水和物が水酸化マグネシウムおよ
び/または水酸化アルミニウムである、請求項1または
2に記載の難燃性組成物。 - 【請求項4】前記シアヌル酸誘導体がトリアリルシアヌ
レートである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
難燃性組成物。 - 【請求項5】前記エチレン−不飽和エステル共重合体1
00重量部に対し脂肪酸アミド0.1〜5重量部をさら
に含有してなる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の難燃性組成物。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の難
燃性組成物からなる架橋被覆層が導体外周に設けられて
いることを特徴とする難燃性被覆電線。 - 【請求項7】前記架橋被覆層の厚さが0.2〜2.0mm
である、請求項6に記載の難燃性被覆電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206065A JPH0625483A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 難燃性組成物および難燃性被覆電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206065A JPH0625483A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 難燃性組成物および難燃性被覆電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0625483A true JPH0625483A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16517263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4206065A Pending JPH0625483A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 難燃性組成物および難燃性被覆電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0625483A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001200127A (ja) * | 2000-01-21 | 2001-07-24 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物及びその製造方法 |
US6567359B2 (en) | 1997-05-05 | 2003-05-20 | Warner Music Group Inc. | Recording and playback of multi-channel digital audio having different resolutions for different channels |
JP2004331689A (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-25 | Kurabe Ind Co Ltd | 難燃性組成物 |
-
1992
- 1992-07-09 JP JP4206065A patent/JPH0625483A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6567359B2 (en) | 1997-05-05 | 2003-05-20 | Warner Music Group Inc. | Recording and playback of multi-channel digital audio having different resolutions for different channels |
JP2001200127A (ja) * | 2000-01-21 | 2001-07-24 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2004331689A (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-25 | Kurabe Ind Co Ltd | 難燃性組成物 |
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