JPH06251907A - サーミスタ及びその製造方法 - Google Patents

サーミスタ及びその製造方法

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JPH06251907A
JPH06251907A JP5038611A JP3861193A JPH06251907A JP H06251907 A JPH06251907 A JP H06251907A JP 5038611 A JP5038611 A JP 5038611A JP 3861193 A JP3861193 A JP 3861193A JP H06251907 A JPH06251907 A JP H06251907A
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thermistor
sintered body
green
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electrodes
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Yutaka Tomita
豊 富田
Yoshinori Fujimoto
義典 藤本
Hiroaki Nakajima
弘明 中島
Keisuke Nishimura
圭介 西村
Masami Koshimura
正己 越村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抵抗値のばらつきが小さく、リード線のサー
ミスタ焼結体との電気的結合が良好で、生産性に優れ
る。また抵抗値を広範囲に正確に調整する。 【構成】 サーミスタ焼結体11と、この焼結体11の
内部に所定の間隔をあけて焼結体11と一体的に設けら
れた複数の面状の内部電極12,12と、一部が焼結体
11の内部に複数の内部電極にそれぞれ密着して焼結体
11と一体的に設けられ残部が焼結体11から突出する
内部電極と同数のリード線13,13と、焼結体11の
外面に形成された絶縁コーティング層14とを備える。
複数の内部電極12,12のそれぞれの電極面が同一平
面上に位置するように焼結体11の内部に並設される。
必要により、焼結体11の内部に複数の内部電極12,
12とそれぞれ間隔をあけて内部電極と電位の異なる1
又は2以上の抵抗値調整用の面状のフローティング電極
が焼結体11と一体的に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度検知用の温度センサ
又は温度補償用素子に適するサーミスタ及びその製造方
法に関する。更に詳しくはリード線を有するサーミスタ
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のリード線付きのサーミスタとし
て、ビード形サーミスタが知られている。図10に示す
ように、このサーミスタ1は平行な2本の白金線2,2
の上にサーミスタペーストを付けて乾燥し、白金線2,
2を所定の長さに切断した後、1000〜1300℃で
焼成して得られる。3はサーミスタ焼結体、3aは絶縁
コーティング層である。このビード形サーミスタはリー
ド線である白金線が焼成によりサーミスタ焼結体と一体
化するため、リード線とサーミスタ焼結体との界面の結
合が良好で安定しており、高い信頼性のあるサーミスタ
として広く用いられている。しかし、このビード形サー
ミスタでは、白金線に付けるペーストの形状や量を一定
に保つことが困難なため、また2本の白金線の間隔を一
定に保持しておくことが難しいため、得られたサーミス
タの抵抗値のばらつきが大きい不具合があった。またサ
ーミスタペーストに含まれる有機バインダの焼成時の飛
散により、焼結体に開気孔を生じてその密度が低下し易
く、これに起因してサーミスタの信頼性が低下しかつ抵
抗値のばらつきが大きくなる欠点があった。更にこの製
造方法は、その作業のほとんどを人手に頼るものである
ため、生産性が低く製造コストが高い問題点があった。
【0003】これらの問題点を解決するために、少なく
とも2枚のサーミスタグリーンシートの間に複数の白金
線を配置した後、これらのグリーンシートを熱圧着して
白金線をグリーンシート中に埋設し、この圧着されたグ
リーンシートを所望の形状に切断した後、焼成してサー
ミスタ焼結体とするビード形サーミスタの製造方法が開
示されている(特公昭56−22121)。しかし、図
11に示すように、このビード形サーミスタ4はリード
線である白金線5,5が上グリーンシートと下グリーン
シートの界面に位置し、かつサーミスタ焼結体6への白
金線5の接触が線接触であるため、焼成によってもサー
ミスタ焼結体6との結合が十分でなく、生産性に優れる
ものの依然として抵抗値のばらつきが大きい問題点があ
った。6aは絶縁コーティング層である。
【0004】この白金線とサーミスタ焼結体の結合力を
より強化するために、第1のサーミスタグリーンシート
の表面に複数の第1の内部電極を所定の間隔で形成し、
第2のサーミスタグリーンシートの表面に第1の内部電
極と同数の第2の内部電極を同様に形成し、内部電極を
形成しないブランクの第3のサーミスタグリーンシート
の上下両面に第1及び第2の内部電極をそれぞれ第3の
グリーンシートに向けて第1及び第2のグリーンシート
を配置し、第1及び第3のグリーンシートの間及び第2
及び第3のグリーンシートの間に第1及び第2の内部電
極に接するように複数のリード線をそれぞれ配置し、第
1〜第3のサーミスタグリーンシートを重ね合わせて熱
圧着した後、個々に切断し、焼成して絶縁コーティング
するサーミスタの製造方法が提案されている(特開昭5
9−138309)。図12はこの方法により製造され
たサーミスタ7である。8,8はリード線、8aは第1
の内部電極,8bは第2の内部電極、9はサーミスタ焼
結体、9aは絶縁コーティング層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭59−
138309号公報に示される製造方法は、第1〜第3
のグリーンシートの重ね合わせ時に、図12に示す第1
の内部電極8aの電極面と第2の内部電極8bの電極面
が丁度向かい合うように第1及び第2のグリーンシート
を精度よく配置することが困難であり、これらの内部電
極8a,8bが精度よく配置されないと、各電極面の対
向面積が変化し所望の抵抗値が得られない不具合があっ
た。更に、この製造方法はこれらの内部電極8a,8b
に接するリード線8,8が同一平面上にないため、製造
しにくい欠点があった。また、特公昭56−22121
号公報及び特開昭59−138309号公報に示された
サーミスタはその抵抗値の調整が難しく、限られた範囲
の抵抗値しか得られない問題点があった。
【0006】本発明の目的は、抵抗値のばらつきが小さ
く、リード線のサーミスタ焼結体との電気的結合が良好
で、しかも製造が容易で生産性に優れたサーミスタ及び
その製造方法を提供することにある。本発明の別の目的
は、抵抗値の広範囲に正確に調整し得るサーミスタ及び
その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1に示すように、本発
明の第1のサーミスタ10は、サーミスタ焼結体11
と、このサーミスタ焼結体11の内部に所定の間隔をあ
けてサーミスタ焼結体11と一体的に設けられた複数の
面状の内部電極12,12と、一部がサーミスタ焼結体
11の内部に複数の内部電極12,12にそれぞれ密着
して焼結体11と一体的に設けられ残部が焼結体11か
ら突出する内部電極と同数のリード線13,13と、サ
ーミスタ焼結体11の外面に形成された絶縁コーティン
グ層14とを備える。その特徴ある構成は、複数の内部
電極12,12のそれぞれの電極面が同一平面上に位置
するようにサーミスタ焼結体11の内部に並設されたこ
とにある。
【0008】図7又は図8に示すように、本発明の第2
のサーミスタ20は、サーミスタ焼結体11の内部に複
数の内部電極12,12とそれぞれ間隔をあけて内部電
極12,12と電位の異なる1又は2以上の抵抗値調整
用の面状のフローティング電極15が焼結体11と一体
的に設けられたものである。
【0009】本発明の第1のサーミスタの製造方法は、
図2に示すように、(a) サーミスタ用酸化物粉末とバイ
ンダとを混練してこの混練物からサーミスタグリーンシ
ート21を形成する工程と、(b) 前記(a)工程で形成さ
れた1枚又は2枚以上積層されたグリーンシート21の
表面に複数の内部電極12をそれぞれ間隔をあけて形成
する工程と、(c) 前記(b)工程で形成されたグリーンシ
ート表面の複数の内部電極12のそれぞれに前記グリー
ンシート21を横切って端部が前記グリーンシート21
の端縁から突出するようにリード線13を重ね合わせる
工程と、(d) 前記(c)工程でリード線13を重ね合わせ
た内部電極12を有するグリーンシート21に前記内部
電極12とリード線13を挟込むように前記(a)工程で
形成された別のブランクの1枚又は2枚以上のサーミス
タグリーンシート21を積層する工程と、(e) 前記(d)
工程で積層された複数枚のグリーンシート21を所定数
の内部電極毎に切断してリード線付きの積層グリーン体
22を得る工程と、(f) 前記(e)工程で切断された積層
グリーン体22を焼成してサーミスタ焼結体11(図
1)を得る工程と、(g) 前記(f)工程で得られたサーミ
スタ焼結体11の外面に絶縁コーティング層14(図
1)を形成する工程とを含む。
【0010】本発明の第2のサーミスタの製造方法は、
図9に示すように、(h) サーミスタ用酸化物粉末とバイ
ンダとを混練してこの混練物からサーミスタグリーンシ
ート21を形成する工程と、(i) 前記(h)工程で形成さ
れた1枚又は2枚以上積層されたグリーンシート21の
表面に複数のフローティング電極15をそれぞれ間隔を
あけて形成する工程と、(j) 前記(i)工程でフローティ
ング電極15が形成されたグリーンシート21に前記シ
ート21のフローティング電極15を挟込むように前記
(h)工程で形成された別のブランクの1枚又は2枚以上
のサーミスタグリーンシート21を積層する工程と、
(k) 前記(j)工程で積層された複数枚のグリーンシート
21の表面に複数の内部電極12を前記(i)工程で形成
された複数のフローティング電極15の間隔に相応した
間隔でそれぞれ形成する工程と、(l) 前記(k)工程で形
成されたグリーンシート表面の各内部電極12に前記グ
リーンシート21を横切って端部が前記グリーンシート
の端縁から突出するようにリード線13を重ね合わせる
工程とを含む。
【0011】更に第2の製造方法は、(m) 前記(l)工程
でリード線13を重ね合わせた内部電極12を有するグ
リーンシート21に前記内部電極12とリード線13を
挟込むように前記(h)工程で形成された別のブランクの
1枚又は2枚以上のサーミスタグリーンシート21を積
層する工程と、(n) 前記(m)工程で積層された複数枚の
グリーンシート21の表面に複数のフローティング電極
15を前記(i)工程で形成された複数のフローティング
電極15の間隔に相応した間隔でそれぞれ形成する工程
と、(o) 前記(n)工程でフローティング電極15が形成
されたグリーンシート21に前記シート21のフローテ
ィング電極15を挟込むように前記(h)工程で形成され
た別のブランクの1枚又は2枚以上のサーミスタグリー
ンシート21を積層する工程と、(p) 前記(o)工程で積
層された複数枚のグリーンシート21を所定数の内部電
極毎に切断してリード線付きの積層グリーン体(23)(図
5)を得る工程と、(q) 前記(p)工程で切断された積層
グリーン体(23)を焼成してサーミスタ焼結体(11)を得る
工程と、(r) 前記(q)工程で得られたサーミスタ焼結体
(11)の外面に絶縁コーティング層(14)を形成する工程と
を含む。
【0012】本発明の第3のサーミスタの製造方法は、
(s) 前記(m)工程で積層された複数枚のグリーンシート
21を所定数の内部電極毎に切断してリード線付きの積
層グリーン体(23)(図6)を得る工程と、(t) 前記(s)
工程で切断された積層グリーン体(23)を焼成してサーミ
スタ焼結体(11)を得る工程と、(u) 前記(t)工程で得ら
れたサーミスタ焼結体(11)の外面に絶縁コーティング層
(14)を形成する工程とを含む。
【0013】本発明のサーミスタを製造するときのグリ
ーンシートの積層方法は、スクリーン印刷を利用した湿
式積層法でも、ドクタブレード法によりベースフィルム
上にシート成形したものを積み重ねる乾式積層法でもよ
い。
【0014】
【作用】サーミスタ焼結体11の内部で複数の内部電極
12,12の各電極面を同一平面上に位置するようにし
たので、並んだ内部電極の互いに向かい合う端縁と端縁
の間隔の大小により抵抗値が決まる。この間隔はスクリ
ーン印刷等により精度よく決められる。またリード線1
3は面状の内部電極12を介してサーミスタ焼結体内に
埋設されるため、リード線13が間接的にサーミスタ焼
結体と面接触していることになり、サーミスタ焼結体と
の電気的結合は強まり、導通状態は良好になる。更に各
リード線が同一平面上に位置するため、リード付け等の
サーミスタの製造が容易になる。
【0015】また、リード線13とは電気的に接続され
ないフローティング電極15をサーミスタ焼結体11の
内部に設けることにより、この電極15の面積に応じ
て、或いは内部電極12とフローティング電極15との
間の距離に応じて、サーミスタの抵抗値を調整すること
ができる。絶縁コーティング層14はサーミスタの耐湿
性を向上させる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1は第1実施例のサーミスタ10を示す。
このサーミスタ10は乾式積層法により製造される。先
ずマンガン、コバルト、ニッケル、鉄酸化物等のサーミ
スタ用酸化物粉末と有機バインダを混合してペースト状
にし、ドクタブレード法により成膜乾燥してサーミスタ
グリーンシートを作製する。次いでこのグリーンシート
を切断して、図2(a)に示すように所定の寸法のグリ
ーンシート21を形成する。次に図2(b)に示すよう
に、グリーンシート21の表面に金、銀、白金、パラジ
ウム又はこれらの合金のような金属を含む導電性ペース
トをスクリーン印刷して長方形の内部電極12を合計2
0個(10個×2列)形成する。これらの内部電極はそ
れぞれ所定の間隔をあけて正確に位置決めされる。
【0017】図2(c)に示すように、このグリーンシ
ート表面の10の内部電極12のそれぞれに金、銀、白
金、パラジウム又はこれらの合金のような金属からなる
リード線13をグリーンシート21を横切って端部がグ
リーンシートの端縁から突出するように重ね合わせる。
図2(d)に示すように、このグリーンシート21に内
部電極12とリード線13を挟込むように、図2(a)
に示す別のブランクのサーミスタグリーンシート21を
加熱圧着する。この加熱圧着で内部電極12とリード線
13とは電気的な導通が十分得られる。続いて図2
(d)の矢印A及び図3の破線に示す箇所で、このグリ
ーンシート21を一対の内部電極12毎に切断して、図
2(e)に示すように、10個のリード線付きの積層グ
リーン体22を得る。このときの切断は印刷された内部
電極12が積層グリーン体22の端部に全く現れないよ
うに行う。図4は図3のB−B線断面図である。これら
の積層グリーン体22をまとめて加熱炉に入れ、脱バイ
ンダ処理した後、1000〜1400℃の温度で30分
〜3時間保持して焼成し、サーミスタ焼結体11を得
る。最後にこの焼結体11の外面にガラスペーストを塗
布した後、熱処理して絶縁コーティング層14を焼付
け、図1に示すサーミスタ10を得る。
【0018】図7は第2実施例のサーミスタ20を示
す。このサーミスタ20は湿式積層法により製造され
る。先ず図9(h)に示すように、サーミスタ用酸化物
粉末とバインダとを混練してこの混練物をスクリーン印
刷し乾燥してサーミスタグリーンシート21を形成す
る。次いで図9(i)に示すように、このグリーンシー
ト21の表面に第1実施例と同じ導電性ペーストをスク
リーン印刷して長方形のフローティング電極15を合計
10個(5個×2列)形成する。これらのフローティン
グ電極はそれぞれ所定の間隔をあけて正確に位置決めさ
れる。図9(j)に示すように、このフローティング電
極15が形成されたグリーンシート21にこのフローテ
ィング電極15を挟込むように、図9(h)に示す別の
ブランクのサーミスタグリーンシート21を印刷して積
層する。図9(k)に示すように、この2枚の積層グリ
ーンシート21の表面に複数対(2×10個)の内部電
極12をそれぞれ間隔をあけてスクリーン印刷する。こ
の一対毎の間隔は前述した各フローティング電極15が
一対の内部電極12と12の丁度中間位置に来るように
決められる。次いで図9(l)に示すように、2枚の積
層グリーンシート表面の内部電極12のそれぞれに第1
実施例と同様にグリーンシート21を横切って端部がグ
リーンシートの端縁から突出するようにリード線13を
重ね合わせる。
【0019】図9(m)に示すように、この2枚の積層
グリーンシート21に内部電極12とリード線13を挟
込むように、図9(h)に示す別のブランクのサーミス
タグリーンシート21を印刷して積層する。続いて図9
(n)に示すように、この3枚の積層グリーンシート2
1の表面に10個のフローティング電極15を図9
(i)の10個のフローティング電極15の間隔と同じ
間隔でそれぞれ形成する。更に続いて図9(o)に示す
ように、この3枚の積層グリーンシート21にフローテ
ィング電極15を挟込むように図9(h)に示す別のブ
ランクのサーミスタグリーンシート21を印刷して積層
する。続いてこの4枚の積層グリーンシート21を図3
及び図9(p)の破線に示す箇所で、一対の内部電極1
2毎に第1実施例と同様に切断して、図5に示すように
リード線付きの積層グリーン体23を得る。この積層グ
リーン体23の内部には一対の内部電極12,12の中
間位置の上下にこれらの電極12,12と所定の間隔を
あけて一対のフローティング電極15,15が形成され
る。以下、第1実施例と同様に積層グリーン体23を脱
バインダ処理して焼成し、サーミスタ焼結体11を得た
後、この焼結体11の外面に熱処理して絶縁コーティン
グ層14を焼付け、図7に示すサーミスタ20を得る。
【0020】図8は第3実施例のサーミスタ20を示
す。このサーミスタの製造方法は、図9(m)に示す3
枚の積層グリーンシートの状態で一対の内部電極12毎
に第1実施例と同様に切断して、図6に示すようにリー
ド線付きの積層グリーン体23を得る。以下、第1実施
例と同様に積層グリーン体23を脱バインダ処理して焼
成し、サーミスタ焼結体11を得た後、この焼結体11
の外面に熱処理して絶縁コーティング層14を焼付け、
図8に示すサーミスタ20を得る。
【0021】なお、上記例では1枚のサーミスタグリー
ンシート21の表面に内部電極又はフローティング電極
を印刷形成したが、この場合グリーンシートは1枚に限
らず、複数枚積層したグリーンシートの表面にこれらの
電極を印刷形成してもよい。また、印刷形成した内部電
極及びフローティング電極の数は一例であって、本発明
は上記数値に限定されるものではない。また、一対の内
部電極毎にグリーンシートを切断したが、必要に応じて
3つ或いはそれ以上の内部電極を1組としてグリーンシ
ートを切断して3本又はそれ以上のリード線を有するサ
ーミスタを作ることもできる。
【0022】更に、第1実施例のサーミスタは乾式積層
法で製造したが、このサーミスタを湿式積層法で製造し
てもよい。また第2及び第3実施例のサーミスタは湿式
積層法で製造したが、乾式積層法で製造してもよい。こ
の乾式積層法を用いる場合、例えば図2(d)に示すよ
うな内部電極とリード線を挟込んだ2枚の圧着グリーン
シートの両面又は片面に、図9(j)に示すようなフロ
ーティング電極を挟込んだ2枚の圧着グリーンシートを
重ね合わせて製造することができる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
の優れた効果を奏する。 サーミスタ焼結体が所望サイズのグリーンシートの
積層体を焼成して得られるため、サーミスタの外観寸法
が一定となり、抵抗値のばらつきが小さくなり、しかも
大量生産が可能となる。 リード線を内部電極と一体的に焼結するため、内部
電極のない従来のサーミスタと比べて、リード線のサー
ミスタ焼結体との電気的結合が良好で抵抗値精度が高
い。 複数の内部電極を焼結体内部にそれぞれの電極面が
同一平面上に位置するように並設するようにしたので、
サーミスタの製造が容易になり、従来の対向する2つの
内部電極を有するサーミスタと比べて抵抗値のばらつき
が小さい。 サーミスタ焼結体内部にフローティング電極を内部
電極に平行に設ければ、このフローティング電極の広狭
で、又は内部電極とフローティング電極との間の距離の
大小で、サーミスタの抵抗値を調整でき、高抵抗から低
抵抗までの広い範囲の抵抗値を有することができる。 更に内部電極又はフローティング電極を焼結体内部
に設ければ、従来の卵形のビード形サーミスタと同等或
いはそれ以上の高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例のサーミスタの要部破断斜視
図。
【図2】その製造を説明するためのグリーンシートから
切断した積層グリーン体の斜視図。
【図3】第1〜第3実施例の積層したグリーンシートの
切断の仕方をそれぞれ説明するための平面図。
【図4】図3の第1実施例の積層グリーン体のB−B線
断面図。
【図5】図3の第2実施例の積層グリーン体のB−B線
断面図。
【図6】図3の第3実施例の積層グリーン体のB−B線
断面図。
【図7】本発明第2実施例のサーミスタの要部破断斜視
図。
【図8】本発明第3実施例のサーミスタの要部破断斜視
図。
【図9】第2実施例のサーミスタの製造を説明するため
のグリーンシートの積層の仕方を示す斜視図。
【図10】従来の卵型のビード形サーミスタの断面図。
【図11】従来の内部電極なしのビード形サーミスタの
要部破断斜視図。
【図12】従来の内部電極付きのビード形サーミスタの
要部破断斜視図。
【符号の説明】
10,20 サーミスタ 11 サーミスタ焼結体 12 内部電極 13 リード線 14 絶縁コーティング層 15 フローティング電極 21 サーミスタグリーンシート 22,23 積層グリーン体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 弘明 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内 (72)発明者 西村 圭介 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内 (72)発明者 越村 正己 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス研究所 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ焼結体(11)と、前記サーミス
    タ焼結体(11)の内部に所定の間隔をあけて前記焼結体(1
    1)と一体的に設けられた複数の面状の内部電極(12,12)
    と、一部が前記サーミスタ焼結体(11)の内部に前記複数
    の内部電極(12,12)にそれぞれ密着して前記焼結体(11)
    と一体的に設けられ残部が前記焼結体(11)から突出する
    前記内部電極と同数のリード線(13,13)と、前記サーミ
    スタ焼結体(11)の外面に形成された絶縁コーティング層
    (14)とを備えたサーミスタ(10)において、 前記複数の内部電極(12,12)はそれぞれの電極面が同一
    平面上に位置するように前記サーミスタ焼結体(11)の内
    部に並設されたことを特徴とするサーミスタ。
  2. 【請求項2】 複数の内部電極(12,12)はサーミスタ焼
    結体(11)に被包されて前記サーミスタ焼結体(11)の外面
    に露出しないように設けられた請求項1記載のサーミス
    タ。
  3. 【請求項3】 サーミスタ焼結体(11)の内部に複数の内
    部電極(12,12)とそれぞれ間隔をあけて前記内部電極と
    電位の異なる1又は2以上の抵抗値調整用の面状のフロ
    ーティング電極(15)が前記焼結体と一体的に設けられた
    請求項1又は2記載のサーミスタ。
  4. 【請求項4】 フローティング電極(15)の電極面が複数
    の内部電極(12,12)の電極面に平行に設けられた請求項
    3記載のサーミスタ。
  5. 【請求項5】 フローティング電極(15)はサーミスタ焼
    結体(11)に被包されて前記サーミスタ焼結体(11)の外面
    に露出しないように設けられた請求項3記載のサーミス
    タ。
  6. 【請求項6】 (a) サーミスタ用酸化物粉末とバインダ
    とを混練してこの混練物からサーミスタグリーンシート
    (21)を形成する工程と、 (b) 前記(a)工程で形成された1枚又は2枚以上積層さ
    れたグリーンシート(21)の表面に複数の内部電極(12)を
    それぞれ間隔をあけて形成する工程と、 (c) 前記(b)工程で形成されたグリーンシート表面の各
    内部電極(12)に前記グリーンシート(21)を横切って端部
    が前記グリーンシートの端縁から突出するようにリード
    線(13)を重ね合わせる工程と、 (d) 前記(c)工程でリード線(13)を重ね合わせた内部電
    極(12)を有するグリーンシート(21)に前記内部電極(12)
    とリード線(13)を挟込むように前記(a)工程で形成され
    た別のブランクの1枚又は2枚以上のサーミスタグリー
    ンシート(21)を積層する工程と、 (e) 前記(d)工程で積層された複数枚のグリーンシート
    (21)を所定数の内部電極毎に切断してリード線付きの積
    層グリーン体(22)を得る工程と、 (f) 前記(e)工程で切断された積層グリーン体(22)を焼
    成してサーミスタ焼結体(11)を得る工程と、 (g) 前記(f)工程で得られたサーミスタ焼結体(11)の外
    面に絶縁コーティング層(14)を形成する工程とを含むサ
    ーミスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 (h) サーミスタ用酸化物粉末とバインダ
    とを混練してこの混練物からサーミスタグリーンシート
    (21)を形成する工程と、 (i) 前記(h)工程で形成された1枚又は2枚以上積層さ
    れたグリーンシート(21)の表面に複数のフローティング
    電極(15)をそれぞれ間隔をあけて形成する工程と、 (j) 前記(i)工程でフローティング電極(15)が形成され
    たグリーンシート(21)に前記シート(21)のフローティン
    グ電極(15)を挟込むように前記(h)工程で形成された別
    のブランクの1枚又は2枚以上のサーミスタグリーンシ
    ート(21)を積層する工程と、 (k) 前記(j)工程で積層された複数枚のグリーンシート
    (21)の表面に複数の内部電極(12)を前記(i)工程で形成
    された複数のフローティング電極(15)の間隔に相応した
    間隔でそれぞれ形成する工程と、 (l) 前記(k)工程で形成されたグリーンシート表面の各
    内部電極(12)に前記グリーンシート(21)を横切って端部
    が前記グリーンシートの端縁から突出するようにリード
    線(13)を重ね合わせる工程と、 (m) 前記(l)工程でリード線(13)を重ね合わせた内部電
    極(12)を有するグリーンシート(21)に前記内部電極(12)
    とリード線(13)を挟込むように前記(h)工程で形成され
    た別のブランクの1枚又は2枚以上のサーミスタグリー
    ンシート(21)を積層する工程と、 (n) 前記(m)工程で積層された複数枚のグリーンシート
    (21)の表面に複数のフローティング電極(15)を前記(i)
    工程で形成された複数のフローティング電極(15)の間隔
    に相応した間隔でそれぞれ形成する工程と、 (o) 前記(n)工程でフローティング電極(15)が形成され
    たグリーンシート(21)に前記シート(21)のフローティン
    グ電極(15)を挟込むように前記(h)工程で形成された別
    のブランクの1枚又は2枚以上のサーミスタグリーンシ
    ート(21)を積層する工程と、 (p) 前記(o)工程で積層された複数枚のグリーンシート
    (21)を所定数の内部電極毎に切断してリード線付きの積
    層グリーン体(23)を得る工程と、 (q) 前記(p)工程で切断された積層グリーン体(23)を焼
    成してサーミスタ焼結体(11)を得る工程と、 (r) 前記(q)工程で得られたサーミスタ焼結体(11)の外
    面に絶縁コーティング層(14)を形成する工程とを含むサ
    ーミスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 (s) 前記(m)工程で積層された複数枚の
    グリーンシート(21)を所定数の内部電極毎に切断してリ
    ード線付きの積層グリーン体(23)を得る工程と、 (t) 前記(s)工程で切断された積層グリーン体(23)を焼
    成してサーミスタ焼結体(11)を得る工程と、 (u) 前記(t)工程で得られたサーミスタ焼結体(11)の外
    面に絶縁コーティング層(14)を形成する工程とを含む請
    求項7記載のサーミスタの製造方法。
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