JPH0625170U - 振出し容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板紙製でありながらも製造が簡単でしかも小
出し操作が片手でできる振出し容器を提供する。 【構成】 両側面パネル２からのフラップ片を覆う上蓋
パネル１３と胴部の上半部を覆う掩蓋パネル１４とを背
面パネルから延設し、掩蓋パネル１４先端のガイド部分
１５を正面パネル３の切込み３ｂに抜け止め状態で挿入
するとともに、掩蓋パネル１４を上方にスライドした時
に互いに重なる開孔１４ａ，３ａを掩蓋パネル１４と正
面パネル３の両方に設ける。容器１を持った手の親指で
掩蓋パネル１４をスライドさせて振出し口を形成し、そ
のまま中身を振り出して小出しすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、粒状の菓子類等を小出しできる振出し容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ガムやチョコレート菓子などの粒状物を収納し、中身を振り出して小出 しすることのできる携帯用の容器としては、プラスチック製の容器にスライド可 能な蓋を設けたものや、直方体形状の紙箱のコーナーに引出し部分を設けたもの が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたもののうち前者のものは、容器自体が成形品であって高価 である上に、廃棄した場合に焼却処分が容易でないという問題点を有している。 また、後者のものは板紙で構成されており使用後の焼却が容易ではあるが、２部 材を組み合わせるために製造が難しく、しかも中身を振り出すに際しては引出し 部分を別の手で開口する必要があるため、片手だけで小出し操作ができないとい った問題点がある。

【０００４】 本考案は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とすると ころは、板紙でありながらも製造が簡単でしかも小出し操作が片手でできる振出 し容器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の振出し容器は、１枚のブランク板を組み 立てて形成され、胴部の下方が閉じられてなる直方体形状の紙箱容器であって、 胴部の上方は両側面パネルからのフラップ片により閉じられており、これらのフ ラップ片を覆う上蓋パネルと胴部の正面パネルの上半部を覆う掩蓋パネルとが胴 部の背面パネルから延設され、該掩蓋パネルの先端に設けられた幅の狭いガイド 部分が正面パネルに形成された横方向の切込みに抜け止め状態で挿入されており 、さらに掩蓋パネルを上方にスライドした時に互いに重なる開孔が掩蓋パネルと 正面パネルとにそれぞれ設けられていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

上述の構成からなる振出し容器では、紙箱容器を持った手の親指で掩蓋パネル を上方にスライドさせることにより掩蓋パネルの開孔が正面パネルの開孔と重な り合って振出し口が形成され、そのまま振り出すことで中身が小出しされる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の一実施例としての振出し容器の斜視図であり、この振出し容器 １は図２にその展開図を示すブランク板Ｂを組み立てて形成されている。

【０００８】 ブランク板Ｂは板紙を打ち抜いて形成されたもので、図２に示すように、罫線 ａ，ｂ，ｃ，ｄを介して狭幅の側面パネル２，広幅の正面パネル３，狭幅の側面 パネル４，広幅の背面パネル５，糊しろ片６が横方向に順に連設されると共に、 側面パネル２の上下辺には罫線ｅ，ｆを介してそれぞれフラップ片７，８が連設 され、側面パネル４の上下辺には罫線ｇ，ｈを介してそれぞれフラップ片９，１ ０が連設され、また、正面パネル３の下辺には罫線ｉを介して下蓋パネル１１が 、さらにこの下蓋パネル１１に罫線ｊを介して差込み片１２が連設され、背面パ ネル５の上辺には罫線ｋを介して上蓋パネル１３が、さらにこの上蓋パネル１３ の上辺には罫線ｌを介して掩蓋パネル１４が連設された形状となっている。

【０００９】 上記掩蓋パネル１４の先端には幅の狭いガイド部分１５が設けられており、こ のガイド部分１４ａはその先端の両側に罫線ｍ，ｎを介して係止部分１５ａ，１ ５ｂを突設した形状になっている。また、掩蓋パネル１４の先端寄りに円形状の 開孔１４ａが設けられている。一方、上記正面パネル３の上辺寄りには掩蓋パネ ル１４の開孔１４ａと同じ大きさの開孔３ａが設けられているとともに、略中央 に横方向の切込み３ｂが形成されている。

【００１０】 上記のブランク板Ｂは、罫線ｃ，ａの順で折り曲げ、糊しろ片６の表面と側面 パネル２の裏面を接着することにより、図３に示すようにサック貼りした状態と して供給される。そして、中身を充填する時点で起函されて図１に示す形態に組 み立てられる。

【００１１】 すなわち、まず図３の状態から側面パネル２，前面パネル３，側面パネル４， 後面パネル５を罫線ａ，ｂ，ｃ，ｄで起こして角筒状の胴部を形成する。次いで 、上部のフラップ片７，９を罫線ｅ，ｇで順次折り畳んだ後、上蓋パネル１３と 掩蓋パネル１４をそれぞれ罫線ｋ，ｌで折り曲げ、この折り曲げるのと同時に、 係止部分１５ａ，１５ｂを罫線ｍ，ｎで折り返した状態でガイド部分１５の先端 を正面パネル３の切込み３ｂに挿入することにより、胴部の上方を閉じた状態と する。この状態で胴部の下方から中身を充填し、その後、下部のフラップ片８， １０を罫線ｆ，ｈで折り曲げてから下蓋パネル１１と差込み片１２を罫線ｉ，ｊ で折り曲げ、差込み片１２を挿入することにより組立を完了する。

【００１２】 このようにして形成された振出し容器１は、角筒状の胴部の下方が閉じられ、 しかも胴部の上方は両側面パネル２，４からのフラップ片７，９により閉じられ るとともに、これらのフラップ片７，９を覆う上蓋パネル１３と胴部の正面パネ ル３の上半部を覆う掩蓋パネル１４とが胴部の背面パネル５から延設されたもの となる。そして、この掩蓋パネル１４の先端に設けられた幅の狭いガイド部分１ ５が正面パネル３に形成された横方向の切込み３ｂに抜け止めされた状態で挿入 されており、これにより掩蓋パネル１４は正面パネル３に対して一定の範囲でス ライド可能となる。さらに、掩蓋パネル１４の開孔１４ａと正面パネル３の開孔 ３ａは、掩蓋パネル１４を上方にスライドした時に重なるようになる。

【００１３】 上記構成からなる振出し容器１は、通常シュリンク包装などにより外装されて 販売され、消費者はこの外装を取り除いてから中身を小出しする。この場合、容 器を持った手の親指で掩蓋パネル１４の先端角部付近を押して上方にスライドさ せるようにする。そして、図４に示すように掩蓋パネル１４の開孔１４ａと正面 パネル３の開孔３ａとが重なり合って振出し口が形成されたら、そのまま振り出 すことによって中身を小出しすることができる。なお、掩蓋パネル１４を上方に スライドした時に上蓋パネル１３が胴部の上部から離れるが、フラップ片７，９ があるので中身がこぼれることはない。また、中身を小出しした後は、同じ親指 で掩蓋パネル１４を下方にスライドさせ、振出し口を閉じるようにする。この場 合、上蓋パネル１３の罫線ｋでの折り癖により下方へのスライド動作が助長され 、また掩蓋パネル１４が上方に戻るのが防止され、手を離した場合に若干戻るが 振出し口が形成される程には戻ることがない。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の振出し容器は、１枚のブランク板を組み立てて 形成されるので焼却処分の容易な板紙製でありながらも製造が簡単であり、しか も容器を持った手の親指で掩蓋パネルをスライドさせて振出し口を形成しそのま ま中身を振り出せるので、機能的にも小出し操作を片手で行うことができるとい う優れたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としての振出し容器の斜視図
である。

【図２】図１の振出し容器を形成するブランク板の展開
図である。

【図３】図２に示すブランク板の組立途中の状態を示す
平面図である。

【図４】図１に示す振出し容器の使用状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

Ｂ ブランク板 １ 振出し容器 ２ 側面パネル ３ 正面パネル ３ａ 開孔 ４ 側面パネル ５ 背面パネル ７，９ フラップ片 １３ 上蓋パネル １４ 掩蓋パネル １４ａ 開孔 １５ ガイド部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １枚のブランク板を組み立てて形成さ
   れ、胴部の下方が閉じられてなる直方体形状の紙箱容器
   であって、胴部の上方は両側面パネルからのフラップ片
   により閉じられており、これらのフラップ片を覆う上蓋
   パネルと胴部の正面パネルの上半部を覆う掩蓋パネルと
   が胴部の背面パネルから延設され、該掩蓋パネルの先端
   に設けられた幅の狭いガイド部分が正面パネルに形成さ
   れた横方向の切込みに抜け止め状態で挿入されており、
   さらに掩蓋パネルを上方にスライドした時に互いに重な
   る開孔が掩蓋パネルと正面パネルとにそれぞれ設けられ
   ていることを特徴とする振出し容器。