JPH06251447A - 光磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH06251447A
JPH06251447A JP6088493A JP6088493A JPH06251447A JP H06251447 A JPH06251447 A JP H06251447A JP 6088493 A JP6088493 A JP 6088493A JP 6088493 A JP6088493 A JP 6088493A JP H06251447 A JPH06251447 A JP H06251447A
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JP
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garnet
layer
film
underlayer
magneto
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JP6088493A
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English (en)
Inventor
Kenji Shimokawa
川 健 二 下
Hitoshi Donomae
等 堂野前
Toshio Mukai
井 俊 夫 向
Noritake Shimanoe
憲 剛 島ノ江
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガラス基板上のガーネット多結晶下地層膜厚
を100nm以下、その上に形成するガーネット多結晶
記録層の結晶粒径を0.1μm以下にした光磁気記録用
ガーネット2層膜。下地を逆スパッタ処理する光磁気記
録媒体の製造方法。 【効果】 形状良好なビットが書き込み可能であり、媒
体ノイズが大幅に減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガーネット型光磁気記
録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】基本組成R3 Fe5 12(ここで、Rは
イットリウムを含む希土類元素)で表わされる希土類鉄
ガーネットは、希土類サイトにBiを置換することによ
り、短波長において現行の希土類遷移金属合金膜よりも
極めて大きな磁気光学効果を示す。さらに、Feサイト
にGaやAlなどの3価の金属を添加することによりキ
ュリー点を下げて、媒体レーザーにて加熱することによ
り、ビットの書き込みが可能である。また、これは酸化
物であるため高耐食性を示す。このようなBi置換ガー
ネットは、短波長レーザーを用いた高密度光磁気記録用
の媒体として有望視されている。
【0003】ガラス基板上に形成したガーネットは、多
結晶膜であり、粒界に由来する光学的不均一のため媒体
ノイズが大きいという欠点がある。この欠点を解消する
には、レーザースポットに比べ結晶粒径を十分微細化す
ることが必要である。そこで、本発明者等は、ガラス基
板上に記録層と下地層の2層構造の多結晶ガーネット膜
を形成し、記録層ガーネット膜の結晶粒をサブミクロン
まで微細化した光磁気記録媒体を発明した(特願平2−
307600号、特願平3−299284号)。この方
法では、まずガーネット多結晶下地層膜を形成し、その
上に格子定数が±0.3%以上異なるガーネット記録層
膜を積層させた。界面エネルギーの低い下地層と記録層
の界面から記録層ガーネットの結晶核を優先的に発生さ
せ、サブミクロン以下の結晶粒を実現した。ここで、ガ
ーネット記録層の保磁力を増大させるため、記録用ガー
ネット層に酸素を除いた原子量比で5at%以下のCu
を添加しても良い。
【0004】しかしながら、これらの発明において、基
板直上に形成した2層膜の下地は、依然として結晶粒の
大きいガーネット多結晶膜であり、媒体ノイズを低減さ
せるには下地に由来するノイズを低下させる必要があ
る。そのためには、下地の厚みを極めて薄くしなければ
ならない。そして、ガラス等の透明基板にガーネット膜
を形成するには、まず非晶質膜を形成し、次いで熱処理
によって結晶化させる必要がある。ところが、膜厚が1
00nm以下になると、均一なガーネット多結晶膜を形
成するのは極めて困難になる。すなわち、結晶化に必要
な時間が極めて長くなり、異相が生成し易くなる。さら
に、これらの発明では、下地に用いるガーネット層との
界面からの核生成を利用しているため、記録層ガーネッ
ト膜の性能は、下地層の表面凹凸に極めて敏感である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶格子定
数が異なる2層からなる多結晶ガーネット積層膜におい
て、下地によるノイズを低減することを目的とする。ま
た、本発明は、下地層表面をガラス等の透明基板と同等
程度まで平滑化して、記録層において微細な結晶粒を形
成し、1μm以下の形状良好なビットが書き込み可能な
低ノイズ2層膜を実現することを目的とする。さらに、
本発明は、これらの目的を実現するための製造方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Bix 3-X
Y Fe5-Y 12(ここで、0≦X≦3、0≦Y≦5、
Rはイットリウムを含む1種類以上の希土類元素、Mは
鉄と置換可能な3価の金属を表す)の組成で表される多
結晶ガーネットを用いた、結晶格子定数が±0.3%以
上異なる2層からなる多結晶ガーネット積層膜におい
て、 下地膜厚を100nm以下まで減少させると共にその
表面を平滑化し、その上に0.1μm以下の結晶粒径よ
りなる2層目の記録層ガーネット膜を形成したことを特
徴とする低ノイズ光磁気記録媒体、および 透明基板上に形成したガーネット下地層に逆スパッタ
処理をほどこし、なる光磁気記録媒体膜を実現する製
造方法、を提供することを要旨とするものである。
【0007】本発明による光磁気記録媒体用膜の製造方
法の手順例を、第1図に基づいて下記に説明する。ここ
で、基板とは、高分子、ガラス等の非品質および多結晶
質よりなる基板を含むものである。 (1)まず、下地層用ガーネットをスパッタ法で積層す
る。 (2)ガーネット膜は、ガラス基板上では非品質として
形成されるため熱処理によって結晶化させる。 (3)この熱処理をほどこした下地層に逆スパッタを実
行し、下地膜厚を100nm以下、かつ下地表面を平滑
化する。 (4)2層目のガーネット層をスパッタ法にて積層す
る。 (5)2層目を熱処理結晶化させ、0.1μm以下のガ
ーネット結晶粒を形成する。 ここで、記録層を形成するには基板温度をあげてスパッ
タ中に直接結晶化させても良い。また、膜形成はスパッ
タ以外の方法(例えば、蒸着法、レーザーアブレイショ
ン法、ゾルーゲル法)でも良い。
【0008】次世代の高密度光磁気記録には、波長が5
00nm程度の短波長可視光レーザーが使用される。2
層膜に使用する下地層膜厚がこの波長よりも十分小さい
とき、結晶粒界によるレーザー光散乱が抑制され、下地
由来のノイズは極めて小さくなる。さらに、平坦で清浄
な下地表面を利用すると、2層目ガーネット層は、極め
て均一な微細結晶粒が形成される。この様な2層膜では
形状良好な1μm以下のビットが書き込み可能であり、
媒体ノイズが顕著に減少し15dB以下となる。
【0009】本発明では、下地層厚が100nmよりも
大きいとき、2層膜のノイズは30dB以上であり十分
低下しなかった。また、記録層の結晶粒径が下地の平坦
化不足のため0.1μmより大きいときは、形状良好な
1μm以下のビットを書き込むことができなかった。し
たがって、少なくとも下地膜厚は、記録波長レーザーよ
り十分薄い100nm以下にすることが必要である。ま
た、記録層の結晶粒径は、0.1μm以下にすることが
必要である。
【0010】下地の逆スパッタ処理は、薄くて平坦かつ
清浄な下地表面を形成するには極めて有効な方法であ
る。ここで、下地の「逆スパッタ処理」とは、アルゴン
等の希ガスや、酸素、窒素あるいはこれらの混合ガスな
どをプラズマ中でイオン化し、そのイオン化粒子に電圧
を印加して基板上の下地層膜に衝突させる処理である。
下地層に逆スパッタ処理をほどこすと、下地層膜を構成
している成分粒子がエッチングされ、下地膜厚が減少す
る。この時、下地層表面に存在する凹凸の凸部が電位集
中のため選択的にエッチングされ、平坦度が格段に向上
する。さらに、逆スパッタには、下地層表面に吸着して
いる酸素、窒素あるいは水分等の分子を除去する清浄効
果もある。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明する。製膜は、高周波スパッタ法で行った。膜のスパ
ッタは、セラミックターゲットを用いて、30mTor
rのAr雰囲気中で実行した。投入高周波パワーは、2
00〜450Wである。製膜後の非晶質膜は、アルゴン
と酸素の混合ガス中で650〜750℃にて熱処理し、
結晶化させた。ガーネット下地層を形成した後、再びサ
ンプルをスパッタ装置内に設置した。基板側に高周波電
圧をかけ、逆スパッタ処理を実行した。投入高周波パワ
ーは、5〜300Wで、逆スパッタを実行した時間は、
1〜30分である。逆スパッタ処理後、2層目のガーネ
ット記録層を積層し、熱処理(550〜650℃)によ
って結晶化させた。実施例1 下地層:Bi0.5 Dy2.5 Ga1.1 Fe3.9 12 記録層:Bi2.0 Dy1.0 Ga1.0 Fe4.0 12;Cu
0.1at%添加(120nm膜厚) 記録層のCuは、保磁力を増大するために添加してい
る。下地層膜は、逆スパッタにより120nmから45
nmへ、その厚みが減少した。また、原子間力顕微鏡で
見積もった下地表面の平均凹凸は、2nmであった。さ
らに、図2に示す原子間力顕微鏡による結晶構造写真に
よれば、記録層の平均の結晶粒径は0.04μmであっ
た。図3に下地層に逆スパッタ(投入パワー:50W)
を施した場合と、図4に施さない場合の偏光顕微鏡によ
る結晶構造写真を示す。逆スパッタ処理をすることによ
り0.5μm以下の幅の微細、かつ一様な迷路状磁区模
様が観察される。磁壁は結晶粒界でピン止めされるた
め、このような微細な磁区模様では、結晶粒径は少なく
とも磁区幅の0.5μmよりも十分小さい。一方、無処
理の膜の場合は、数μmの大きく不均一な磁区模様を示
す。また、逆スパッタ処理を施した2層膜には1μm以
下の形状良好なビットが書き込み可能であるが、無処理
の2層膜には2〜3μm以上の大きくかつ形状の乱れた
ビットしか書き込むことができない。実施例2 下地層:Bi0.7 Dy2.3 Al1.0 Fe4.0 12 記録層:Bi2.0 Dy1.0 Al1.0 Fe4.0 12(12
0nm膜厚) 下地層膜厚は、逆スパッタにより150nmから40n
mに減少した。表面凹凸は、3nmであった。さらに、
記録層の平均の結晶粒径は0.05μmであった。図5
に下地層に逆スパッタ(投入パワー:25W)を施した
場合と、図6に施さない場合のファラデーヒステリシス
ループ(波長514nm)を示す。逆スパッタ処理をす
ることにより、ループは、下地層と記録層のループの重
ね合わせとなる。ここで、組成の違いにより補償温度が
異なるため、下地層と記録層のファラデーループは、逆
符号となり第2、4象現の瘤状段差が発生する。しか
し、無処理の場合は、ループは、第2、4象現で異常な
振動形になる。また、逆スパッタ処理を施した2層膜の
媒体、ノイズは、15dB以下と小さい値を示したが、
無処理の2層膜では30dBと大きい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、下地膜厚を100
nm以下まで薄くし、その上方に結晶粒径が0.1μm
以下の記録用ガーネット層を形成した2層化した光磁気
記録媒体は、極めてノイズが小さい。また、2層膜を形
成するには下地膜を逆スパッタ処理するとより有効であ
って、均一、かつ一様な磁区模様、良好ファラデーヒス
テリシスループを示し、形状良好な1μm以下のビット
が書き込み可能であり、媒体ノイズも格段に減少するた
め、短波長での高密度光磁気記録媒体として有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】2層膜ガーネットの作製手順の説明図である。
【図2】2層膜ガーネットの記録層の原子間力顕微鏡に
よる結晶構造写真である。
【図3】逆スパッタ処理を施した2層膜ガーネットの偏
光顕微鏡による結晶構造写真である。
【図4】逆スパッタ処理を施していない2層膜ガーネッ
トの偏光顕微鏡による結晶構造写真である。
【図5】逆スパッタ処理を施した2層膜ガーネットのフ
ァラデーヒストリシスループである。
【図6】逆スパッタ処理を施していない2層膜ガーネッ
トのファラデーヒステリシスループである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】基本組成RFe12(ここで、R
はイットリウムを含む希土類元素)で表わされる希土類
鉄ガーネットは、希土類サイトにBiを置換することに
より、短波長において現行の希土類遷移金属合金膜より
も極めて大きな磁気光学効果を示す。さらに、Feサイ
トにGaやAlなどの3価の金属を添加することにより
キュリー点を下げて、半導体レーザーにて加熱すること
により、ビットの書き込みが可能である。また、これら
は酸化物であるため高耐食性を示す。このようなBi置
換ガーネットは、短波長レーザーを用いた高密度光磁気
記録用の媒体として有望視されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】しかしながら、これらの発明において、基
板直上に形成した2層膜の下地は、依然として結晶粒の
大きいガーネット多結晶膜であり、媒体ノイズを低減さ
せるには下地に由来するノイズを低下させる必要があ
る。そのためには、下地の厚みを極めて薄くしなければ
ならない。ガラス等の透明基板にガーネット膜を形成す
るには、まず非晶質膜を形成し、次いで熱処理によって
結晶化させる必要がある。ところが、膜厚が100nm
以下になると、均一なガーネット多結晶膜を形成するの
は極めて困難になる。すなわち、結晶化に必要な時間が
極めて長くなり、異相が生成し易くなる。さらに、これ
らの発明では、下地に用いるガーネット層との界面から
の核生成を利用しているため、記録層ガーネット膜の性
能は、下地層の表面凹凸に極めて敏感である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Bi
3−XFe5−Y12(ここで、0≦X≦3、0
≦Y≦5、Rはイットリウムを含む1種類以上の希土類
元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を表す)の組成で
表される多結晶ガーネットを用いた、結晶格子定数が±
0.3%以上異なる2層からなる多結晶ガーネット積層
膜において、 下地膜厚を100nm以下まで減少させると共にその
表面を平滑化し、その上に0.1μm以下の結晶粒径よ
りなる2層目の記録層ガーネット膜を形成したことを特
徴とする低ノイズ光磁気記録媒体、および 透明基板上に形成したガーネット下地層に逆スパッタ
処理をほどこし、なる光磁気記録媒体膜を実現する製
造方法、を提供することを要旨とするものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明による光磁気記録媒体用膜の製造方
法の手順例を、第1図に基づいて下記に説明する。ここ
で、基板とは、高分子、ガラス等の非晶質および多結晶
質よりなる基板を含むものである。 (1)まず、下地層用ガーネットをスパッタ法で積層す
る。 (2)ガーネット膜は、ガラス基板上では非晶質として
形成されるため熱処理によって結晶化させる。 (3)この熱処理をほどこした下地層に逆スパッタを実
行し、下地膜厚を100nm以下、かつ下地表面を平滑
化する。 (4)2層目のガーネット層をスパッタ法にて積層す
る。 (5)2層目を熱処理結晶化させ、0.1μm以下のガ
ーネット結晶粒を形成する。 ここで、記録層を形成するには基板温度をあげてスパッ
タ中に直接結晶化させても良い。また、膜形成はスパッ
タ以外の方法(例えば、蒸着法、レーザーアブレイショ
ン法、ゾルーゲル法)でも良い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【作用】次世代の高密度光磁気記録には、波長が500
nm程度の短波長可視光レーザーが使用される。2層膜
に使用する下地層膜厚がこの波長よりも十分小さいと
き、結晶粒界によるレーザー光散乱が抑制され、下地由
来のノイズは極めて小さくなる。さらに、平坦で清浄な
下地表面を利用すると、2層目ガーネット層は、極めて
均一な微細結晶粒が形成される。この様な2層膜では形
状良好な1μm以下のビットが書き込み可能であり、媒
体ノイズが顕著に減少し15dB以下となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明では、下地層厚が100nmよりも
厚いとき、2層膜のノイズは30dB以上であり十分低
下しなかった。また、記録層の結晶粒径が下地の平坦化
不足のため0.1μmより大きいときは、形状良好な1
μm以下のビットを書き込むことができなかった。した
がって、少なくとも下地膜厚は、記録波長レーザーより
十分薄い100nm以下にすることが必要である。ま
た、記録層の結晶粒径は、0.1μm以下にすることが
必要である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明する。製膜は、高周波スパッタ法で行った。膜のスパ
ッタは、セラミックターゲットを用いて、30mTor
rのAr雰囲気中で実行した。投入高周波パワーは、2
00〜450Wである。製膜後の非晶質膜は、アルゴン
と酸素の混合ガス中で650〜750℃にて熱処理し、
結晶化させた。ガーネット下地層を形成した後、再びサ
ンプルをスパッタ装置内に設置した。基板側に高周波電
圧をかけ、逆スパッタ処理を実行した。投入高周波パワ
ーは、5〜300Wで、逆スパッタを実行した時間は、
1〜30分である。逆スパッタ処理後、2層目のガーネ
ット記録層を積層し、熱処理(550〜655℃)によ
って結晶化させた。実施例1 下地層:Bi0.5Dy2.5Ga1.1Fe3.9
12 記録層:Bi2.0Dy1.0Ga1.0Fe4.0
12;Cu0.1at%添加(120nm膜厚) 記録層のCuは、保磁力を増大するために添加してい
る。下地層膜は、逆スパッタにより120nmから45
nmへ、その厚みが減少した。また、原子間力顕微鏡で
見積もった下地表面の平均凹凸は、2nmであった。さ
らに、図2に示す原子間力顕微鏡による結晶構造写真に
よれば、記録層の平均の結晶粒径は0.04μmであっ
た。図3に下地層に逆スパッタ(投入パワー:50W)
を施した場合と、図4に施さない場合の偏光顕微鏡によ
る結晶構造写真を示す。逆スパッタ処理をすることによ
り0.5μm以下の幅の微細、かつ一様な迷路状磁区模
様が観察される。磁壁は結晶粒界でピン止めされるた
め、このような微細な磁区模様では、結晶粒径は少なく
とも磁区幅の0.5μmよりも十分小さい。一方、無処
理の膜の場合は、数μmの大きく不均一な磁区模様を示
す。また、逆スパッタ処理を施した2層膜には1μm以
下の形状良好なビットが書き込み可能であるが、無処理
の2層膜には2〜3μm以上の大きくかつ形状の乱れた
ビットしか書き込むことができない。実施例2 下地層:Bi0.7Dy2.3Al1.0Fe4.0
12 記録層:Bi2.0Dy1.0Al1.0Fe4.0
12(120nm膜厚) 下地層膜厚は、逆スパッタにより150nmから40n
mに減少した。表面凹凸は、3nmであった。さらに、
記録層の平均の結晶粒径は0.05μmであった。図5
に下地層に逆スパッタ(投入パワー:25W)を施した
場合と、図6に施さない場合のファラデーヒステリシス
ループ(波長514nm)を示す。逆スパッタ処理をす
ることにより、ループは、下地層と記録層のループの重
ね合わせとなる。ここで、組成の違いにより補償温度が
異なるため、下地層と記録層のファラデーループは、逆
符号となり第2、4象現の瘤状段差が発生する。しか
し、無処理の場合は、ループは、第2、4象現で異常な
振動形になる。また、逆スパッタ処理を施した2層膜の
媒体ノイズは、15dB以下と小さい値を示したが、無
処理の2層膜では30dBと大きい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、下地膜厚を100
nm以下まで薄くし、その上方に結晶粒径が0.1μm
以下の記録用ガーネット層を形成した2層化した光磁気
記録媒体は、極めてノイズが小さい。また、2層膜を形
成するには下地膜を逆スパッタ処理することが有効であ
って、均一、かつ一様な磁区模様、良好ファラデーヒス
テリシスループを示し、形状良好な1μm以下のビット
が書き込み可能であり、媒体ノイズも格段に減少するた
め、短波長での高密度光磁気記録媒体として有効であ
る。
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き (72)発明者 島ノ江 憲 剛 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Bix 3-x Y Fe5-Y 12( ここで、
    0≦X≦3、0≦Y≦5、Rはイットリウムを含む1種
    類以上の希土類元素、Mは鉄と置換可能な3価の金属を
    表す)の組成で表される多結晶ガーネットを用いた、結
    晶格子定数が±0.3%以上異なる2層からなる多結晶
    ガーネット積層膜において、基板直上の下地用ガーネッ
    ト層の厚みが100nm以下であり、かつ、下地上に形
    成した2層目の記録用ガーネット層の結晶粒径が0.1
    μm以下であることを特徴とする光磁気記録媒体用のガ
    ーネット2層膜。
  2. 【請求項2】下地上に作製する記録用ガーネット層に酸
    素を除いた原子量比で5at%以下のCuを添加したこ
    とを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体用ガーネ
    ット2層膜。
  3. 【請求項3】請求項1および2に記載のガーネット2層
    膜の作製において、ガラス基板直上の下地用ガーネット
    層表面を逆スパッタ処理してから、2層目に記録用ガー
    ネット層を積層する光磁気記録媒体用ガーネット2層膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1および2に記載の光磁気記録媒体
    を用いた光磁気記録ディスク。
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