JPH06250721A - ロボットのオフライン教示方法 - Google Patents

ロボットのオフライン教示方法

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JPH06250721A
JPH06250721A JP5946393A JP5946393A JPH06250721A JP H06250721 A JPH06250721 A JP H06250721A JP 5946393 A JP5946393 A JP 5946393A JP 5946393 A JP5946393 A JP 5946393A JP H06250721 A JPH06250721 A JP H06250721A
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JP5946393A
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Masayuki Hamura
雅之 羽村
Kenji Azuma
賢治 東
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バリ取り加工用等のロボットのオフラインテ
ィーチングの効率化と、過負荷を招く姿勢教示の回避。 【構成】 加工対象ワークについて、平面上の直線要素
と円弧要素とからなる加工線の座標値データ(CADデ
ータ等)を用意する。加工線を代表する端点や円弧中間
点のデータを抽出し、始終端各側にエアカット点を定義
する。各座標値データに対して、直線要素の終端点、円
弧要素の中間点/終端点、エアカット点の別を表わす標
識情報(A、L、C)を付与する。座標値データと、標
識情報と、進行経路の左右いずれの側にワークが存在す
るかを特定する情報とに基づいてオペレートされるソフ
トウェア手段による処理を実行し、ロボットの位置と姿
勢を定める。ワーク座標系の切替設定により、ロボット
の軌道と姿勢の平行移動/回転が可能である。また、ロ
ボットに過大な負荷のかからないような姿勢データを確
実に教示することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、教示されたプログラム
に従って動作する産業用等のロボットにおけるオフライ
ン教示方法に関し、特に、ロボットによる作業を行なう
対象物について、1つの平面上に乗った任意数の直線要
素と任意数の円弧要素とを接続して構成される作業線を
表現する座標値データを含む情報が、例えばCADデー
タのような、情報処理手段によって情報処理可能な形態
で用意されている場合に、前記情報処理手段を利用して
ロボットのオフライン教示を行なう方法に関する。
【0002】そして、本発明は、特に、多数の教示ポイ
ントを必要とするバリ取り作業のプログラムをオフライ
ンで教示する場合に適用して有利な、ロボットのオフラ
イン教示方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ロボットにバリ取り作業等の作業を行な
わせる為に、オフラインでロボット教示を実行する場合
には、パーソナルコンピュータまたはワークステーショ
ンを用いて、ロボット及び作業対象物(ワーク)を1つ
の画面上にレイアウト表示し、作業内容に適合した位置
・姿勢をロボットにとらせる為に必要な複数の教示ポイ
ントを設定し、各教示ポイントにツール先端ポイントを
合致させる形でロボット位置を教示すると共に、各教示
ポイント毎に表示画面上でロボットを回して最適ロボッ
ト姿勢を定める操作を繰り返すことが通常であった。
【0004】また、別の教示法として、作業対象物のC
ADデータをX、Yデータとして出力し、その内容をオ
ペレータが検討した上でロボット姿勢を特定する為の諸
値を定め、ロボットの教示操作盤(ティーチペンダン
ト)からマニュアル入力するという方法が用いられるこ
ともある。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、これら従来
方法に従ってロボットの教示を実行した場合には、画面
上で設定された教示ポイントにツール先端ポイントを合
わせると共にロボットの姿勢を定める作業、ロボット姿
勢を特定する諸値を決定する作業、教示データのマニュ
アル入力の作業等に多くの工数を要し、満足すべき作業
効率が得られないという問題点があった。
【0006】特に、バリ取り作業に対する教示を行なう
場合には、教示ポイントが数百ポイントに及ぶことも珍
しく無く、また、近年は多品種少量生産の要望が強まっ
ていることから、作成プログラム数も増加する傾向にあ
る。従って、従来のような教示方法をとっていたので
は、教示作業全体に費やされる時間と労力の増大は避け
られず、省力化手段としてのロボットの価値を低下させ
る要因とならざるを得ない。
【0007】また、エアカット点を含む各教示ポイント
におけるロボット姿勢を定めるに際しては、ロボット姿
勢の急激な変化によってロボットに過大な負荷がかかる
のを未然に防ぐ配慮が必要であるが、従来の教示方法で
はこの配慮を忘れて不適当な姿勢教示を行なってしまう
恐れがあった。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点を
克服することを企図してなされたものであり、更に詳し
く言えば、ロボット作業の作業対象物(ワーク)の作業
線が緒線と円弧軌道の組合せで構成されるケースについ
て、工数の大幅削減を図り、ロボットのオフライン教示
における作業効率低下の問題を解決すると共に、ロボッ
トに過負荷の生じないような姿勢教示を、教示実行者が
直接意識することなく実現することを可能としたもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロボットによ
る作業を行なう対象物について、1つの平面上に乗った
任意数(0本の場合も含む。以下、同様とする。)の直
線要素と任意数の円弧要素とを接続して構成される作業
線を表現する座標値データを含む情報が情報処理手段に
よって情報処理可能な形態で用意されている場合に、前
記情報処理手段を利用して、(a)前記作業線の両端点
と、前記構成要素間の接続点と、前記円弧要素の中間点
の座標値データを作業線代表点データとして抽出し、
(b)前記両端点の一方を作業線始端点として、該作業
線始点に向かう直線要素の始点を与える始端側エアカッ
ト点を定義すると共に、前記両端点の他方を作業線終端
点として、該作業線終端点を始点として延びた直線要素
の終点を与える終端側エアカット点を定義し、(c)前
記各作業線代表点の座標値データに対して、その代表点
が直線要素の終端点に該当するか、円弧要素の中間点ま
たは終端点に該当するかを識別させる標識情報を付与す
ると共に、始端側エアカット点及び終端側エアカット点
の座標値データに対して、各々始端側エアカット点及び
前記終端側エアカット点であることを識別させる標識情
報を付与し、更に、(d)各エアカット点及び作業線代
表点の座標値データと、付与された各標識情報と、前記
座標値データが準拠している座標系上の所定方向から作
業線と対象物とを見た時に作業線始端側から終端側へ向
かう進行経路に関して対象物が左側に存在するか右側に
存在するかを特定する情報とに基づいて、ロボットの位
置及び姿勢を定めることを含むプロセスによってロボッ
トのオフライン教示を行なうことによって上記問題点を
解決したものである(請求項1に記載した構成)。
【0010】また、前記オフライン教示がなされるロボ
ットと前記作業対象物との実際上の相対的位置・姿勢関
係に応じて、ロボットが準拠し得る座標系の原点の位置
と姿勢を設定することによって、用意された作業線表現
データ(例えば、CADデータ)に、ロボットとの相対
的配置関係に関連した現実とのずれがあった場合や、ワ
ークの配置位置や向きの変更等がなされた場合でも、プ
ログラムの実質的内容を変更する必要が無いようにした
ものである(請求項3に記載された構成)。
【0011】そして、ロボットによる作業としてバリ取
り作業を特定して、バリ取り作業において特に深刻とな
る前記諸問題を解決したものである(請求項3に記載さ
れた構成)。
【0012】
【作用】CADデータが用意されているワークに対して
バリ取り作業を行なうロボットの位置・姿勢をオフライ
ンで教示する場合を例にとって、本発明の更に詳しく説
明する。先ず、図1〜図3を参照して、CADシステム
上で、ワークの作業線(バリ取り加工線)を構成する直
線要素及び円弧要素を特定する作業線代表点とそのデー
タを抽出し、これに始端側エアカット及び終端側エアカ
ット点を付加した上で、これら作業線代表点及びエアカ
ット点データに対して、各種標識情報を付与するプロセ
スについて述べる。
【0013】図1はCAD画面上で表示された作業線の
一例を表わしている。作業線は、砂目模様で描かれたワ
ークKの外縁に沿った直線要素1、円弧要素2、及び直
線要素3とから構成されており、全体として1本の連続
線を構成している。作業線はワークKの輪郭線と一致す
るのが通常であるが、場合によっては、輪郭線の外側あ
るいは内側にシフトさせることも有り得る。1個のワー
クに対して、このような作業線が複数本設定される場合
も有る。作業線は、直線要素あるいは円弧要素を接続し
た形態を有しているから、作業線の端点E、E’、各要
素間の接続点F、F’及び円弧要素の中間点GをCAD
画面上で抽出して、各抽出点の座標値データにより、作
業線を代表させる。
【0014】これら作業線代表点E、E’、F、F’、
Gを抽出する方法としては、直線要素の端点、円弧要素
の端点と中間点、及び各要素の接続点を抽出/表示する
プログラムをCADシステム中に予めローディングして
おく方法や、画面表示された作業線上の代表点をオペレ
ータがライトペンまたはカーソルで指定し、これをCA
Dシステムに用意されたツールによって読み取らせる方
法等がある。
【0015】座標値データは、CADに設定された座標
系Σc 上で表現される。本例における値は、付記した表
のようになる。代表点E、E’・・・Gを抽出したなら
ば、図2に示したように、希望するロボット軌道の進行
方向に対応させて、作業線の両端点EまたはE’の一方
を作業線始端点、他方を作業線終端点に定め、両者に対
して各々始端側エアカット点及び終端点側エアカット点
を定義する。始端側及び終端側のエアカット点の位置
は、バリ取り加工線時に、ロボットがワークあるいは周
辺機器と干渉を起こさないように選ぶ。
【0016】ここでは、始端側エアカット点に位置とし
て(10、50)、終端点側エアカットとして(15、
5)を設定することとする。これら始端側及び終端点側
のエアカット点と、前記抽出点を併せ、ロボット軌道の
通過順序を表わす番号1〜7を付して、教示ポイントQ
1 〜Q7 を設定する。各教示ポイントの座標値データ
は、付表のようになる。
【0017】教示ポイントQ1 〜Q7 は、1つの平面上
にあるから、各教示ポイントのZデータとしてZ=0を
与えることにすれば、ロボットの位置を教示する為のデ
ータがこの段階で基本的に用意されたことになる。しか
し、バリ取り作業等の作業を実行する為には、作業内容
に適合した姿勢をロボットがとるようにロボットの姿勢
を教示しなければならない。バリ取り作業を典型的な例
として、ロボットの最適姿勢は、作業線の方向に対応し
て定まることが多い。即ち、バリ取りツール等のエフェ
クタをロボットハンドに支持させて、ワークの作業線に
沿って一定の作業(バリ取り作業、塗装作業等)を行な
う場合には、エフェクタと作業線の相対姿勢を一定に保
つことが、ロボットの姿勢制御の1つの基本形となる。
【0018】本発明では、各教示ポイントに標識情報を
与え、これを利用したソフトウェア処理を実行すること
によって、このようなロボット姿勢制御の為の教示デー
タを作成することを考える。そこで、図2に示した各教
示ポイントQ1 〜Q7 に対し、次のルール1〜3に従っ
て、標識情報(呼称)A、L及びCを付与する。 ルール 1:エアカット点には標識Aを付す。 ルール 2:エアカット点では無く、且つ、直線要素
(アプローチライン及びエスケープラインを含む。)の
終端点である場合には標識Lを付す。 ルール 3:円弧要素の中間点または終端点である場合
には標識Cを付す。
【0019】このルールの適用によって、図3に示した
データが得られることになる(特に、付表参照)。この
標識付与作業は、CADシステムに予めルール適用を含
めたプログラムをローディングしておくことにより、自
動的に行なうことが可能であるが、標識情報を各教示ポ
イントに付与、書き込み出来るような形式をCADシス
テムに用意しておけば、オペレータによるマニュアル書
き込み方式としても良い。また、図1あるいは図2の段
階で、抽出/定義したCADデータを別に用意したプロ
グラム作成用情報機器にデータを移すことも実際的な方
法の1つである。
【0020】例えば、図1あるいは図2の段階で、CA
Dデータを市販のパーソナルコンピュータで扱い易いM
S−DOS形式に変換し、パーソナルコンピュータ上で
始端側及び終端側エアカット点の定義、標識情報の付与
等をマニュアルあるいはソフトウェア処理によって実行
する方式が考えられる。
【0021】図3に示したデータが用意されたら、ロボ
ットの位置と姿勢の教示データを作成する段階に移る。
教示に必要となるデータは、(X、Y、Z;W、P、
R)である。X、Y、Zは、ロボットのワーク座標系Σ
w 上で表わしたツール座標系Σt 原点の位置であり、
W、P、Rは、ツール座標系Σt のワーク座標系X、
Y、Z各軸回りの姿勢を表わす変数である。ワーク座標
系Σw とツール座標系Σt の関係及びツールとワーク
(加工線)の関係については、座標値の変換が簡単で作
業内容に適合したものを選んで設定すれば良い。ここで
は、バリ取り作業を想定して、図5に示されるように関
係を定めることにする。
【0022】図5を参照すると、ロボット10の手首先
端部に設けられたツール装着部11には、ツール支持具
12を介してバリ取りツール13が装着されている。こ
のバリ取りツール13の先端部にはバリ取り刃14が取
り付けられており、バリ取り加工部(加工点)Dに押し
つけられた状態で駆動される。ツール座標系Σt の原点
はバリ取り加工点部(加工点)Dに一致させ、そのZ軸
Zt は、ワーク座標系Σw のZ軸と常に平行な関係を保
つものとする。また、バリ取り刃14の延在方向をXt
−Yt 平面上に射影したものは、Xt 軸方向に対して若
干傾斜した関係にあり、バリ取り加工姿勢をとった時に
Xt 軸は加工線に対して垂直に交差するものとする。
【0023】そして、ワーク座標系Σw のXY平面をC
ADデータの準拠座標系Σcad のxy平面と一致させ、
始端側エアカット点A1 から数えてi番目(i=1、
2、・・・、7)の教示ポイントをΓi (Γ1 =A1 、
Γ2 =L2 、・・・Γ7 =A7)とし、次のような形で
ワーク座標系データを定める。 Xi =xi 、Yi =yi 、Zi =0 ・・・(1) Wi (X軸回りの回転位置)=Pi (Y軸回りの回転位置)=0 ・・・(2) Ri (Z軸回りの回転位置)=下記のサブルーチン[1]〜[5]に定めるル ールに従って決定する。いずれのサブルーチンに従うかは、各教示ポイントある いはその前後の教示ポイントに付与された標識情報に応じて選択される。サブル ーチン[1]〜[4]については、ワークとツールの相互関係に関する情報を与 えることによって、最終的な決定がなされる(後述の実施例を参照)。 ・・・(3) サブルーチン[1] ○選択条件:Γi =Li またはCi で、且つ、Γi+1 =
Li+1 であること。 ○ルール内容:先ず、XY平面上のベクトル<Γi Γi+
1 >に対して垂直なベクトル<Ti >を次式(4)を用
いて求める。 <Ti >=R(θ)<Γi Γi+1 > ・・・(4) ここで、R(θ)は任意のベクトルをXY平面上でZ軸
方向から見て、角度θだけ左回転させる回転行列であ
る。回転角度θは、+90°、−90°のいずれか一方
を選択する。選択ルールは次の通りである。Z軸(+)
方向から、XY平面上の加工線を俯瞰した時、ワークを
進行方向右側に見ながらロボットを進行させる場合に
は、−90°を選択し、左側に見ながらロボットを進行
させる場合には、+90°を選択する。便宜上、前者の
「ワークを進行方向右側に見る場合」を「ケース1」、
「進行方向左側に見る場合」を「ケース2」で表わすこ
とにする。そして、得られたベクトル<Ti >がX軸
(X軸方向の単位ベクトルEx )となす角度をRi とし
て定める。
【0024】図3に例示されたケースでは、ロボットは
ワークKを右側に見ながら、A1 →L2 →L3 →C4 →
C5 →L6 →A7 と進むから(右回り、ワーク外側加
工)、ケース1に該当し、教示ポイントL2 及びC5 に
ついてθ=−90°を選択する。即ち、教示ポイントL
2 及びC5 の2点がサブルーチン[1]の適用対象とな
る教示ポイントであり、Rの値は、R2 =−90°;R
5 =90°となる。
【0025】サブルーチン[2] ○選択条件:Γi+1 =Ci+1 で、且つ、Ci+1 が、加工
線始端点から数えて奇数個目のC点であること。 ○ルール内容:上記選択条件を満たすΓi に対しては、
Γi+2 もC点となる。何故ならば、1個の円弧要素に必
ず3個の教示ポイントが定められるので、奇数番目のC
点は1つの円弧要素の端点にはなり得ず、必ず中間点に
なるからである。そこで、3点Γi 、Ci+1 、Ci+2 の
座標データ(Xi 、Yi )、(Xi+1 、Yi+1 )、(X
i+2 、Yi+2 )に基づいて対応する円弧要素の中心Λi
の座標値(Xi0、Yi0)を計算し、ベクトル<Λi Γi
>を求める。そして、サブルーチン[1]におけるルー
ルと同様の場合分けに従ってベクトル<Ti >を定め、
ベクトル<Ti >がX軸(X軸方向の単位ベクトルEx
)となす角度をRi として定める。即ち、ケース1
(進行方向右側にワークを見るケース)では、 <Ti >=−<Λi Γi > ・・・(5) ケース2(進行方向左側にワークを見るケース)では、 <Ti >=<Λi Γi > ・・・(6) とする。
【0026】図3に示した事例では、サブルーチン
[2]に対する選択条件に適合する教示ポイントは、L
3 のみである。そして、前述したように、図3に示され
た例はケース1に当たるので、教示ポイントL3 に対し
て、ベクトル<T3 >=−<Λ3L3 >を求め、このベ
クトル<T3 >が、X軸(X軸方向の単位ベクトルEx
)となす角度として、R3 =−90°を定める。
【0027】サブルーチン[3] ○選択条件:Γi+1 =Ci+1 で、且つ、Ci+1 が、加工
線始端点から数えて偶数個目のC点であること。 ○ルール内容:上記選択条件を満たすΓi に対しては、
Γi が奇数個目のC点となる。従って、この点Ci は、
Γi-1 が乗っている円弧要素上に乗っている。その中心
は、サブルーチン[2]で計算済みのΛi-1 である。
(サブルーチン[3]の処理に先行して、教示ポイント
Γi-1 に対するサブルーチン[2]の処理が必ず実行さ
れていることに注意。)。そこで、ベクトル<Γi Λi-
1 >を求め、サブルーチン[1]におけるルールと同様
の場合分けに従って、ベクトル<Ti >を定め、ベクト
ル<Ti >がX軸(X軸方向の単位ベクトルEx )とな
す角度をRi として定める。即ち、ケース1(進行方向
右側にワークを見るケース)では、 <Ti >=−<Λi-1 Γi > ・・・(7) ケース2(進行方向左側にワークを見るケース)では、 <Ti >=<Λi-1 Γi > ・・・(8) とする。
【0028】図3に示した事例では、サブルーチン
[3]に対する選択条件に適合する教示ポイントは、C
4 のみである。図3に示された例はケース1に当たるの
で、教示ポイントL3 に対して、ベクトル<T4 >=−
<Λ3 C4 >を求め、このベクトル<T4 >が、X軸
(X軸方向の単位ベクトルEx )となす角度として、R
4 =180°を定める。
【0029】サブルーチン[4] ○選択条件:Γi+1 =Γi+1 が存在して、Γi+1 =Ai+
1 であるか、またはΓi+1 が存在しないこと。 ○ルール内容: (イ)Γi =Li またはAi の場合には、Ri =Ri-1
とする。即ち、1つ手前の教示ポイントと同一の姿勢を
教示する。この場合は、Γi-1 Γi 間が直線要素である
ことを意味しており、次の教示ポイントΓi+1 が存在し
てもエアカット点なので、「この直線要素上でとってき
た姿勢」=「教示ポイントΓi-1 で教示された姿勢」と
同一の姿勢を教示すれば良いことは明らかである。な
お、Γi+1=Ai+1 であり、且つ、Γi =Ai であると
いうことは、Ai 、Ai+1 が2個続けてエアカット点で
あるということを意味するが、そのような場合として
は、作業の都合上、始端側あるいは終端点側にエアカッ
ト点を2個以上とった場合や、1つの作業線(加工線)
の終端点側エアカット点から後続した別の作業線(加工
線)の始端側エアカット点へ軌道をつなぐ場合が考えら
れる。
【0030】(ロ)Γi =Ci の場合には、このCi は
必然的に偶数個目のC点となる。従って、この点Ci
は、Γi-1 及びΓi-2 が乗っている円弧要素上に乗って
いる。その中心は、サブルーチン[2]で計算されるΛ
i-2 である。そこで、ベクトル<Γi Λi-2 >を求め、
サブルーチン[1]におけるルールと同様の場合分けに
従ってベクトル<Ti >を定め、ベクトル<Ti >がX
軸(X軸方向の単位ベクトルEx )となす角度をRとし
て定める。即ち、ケース1(進行方向右側にワークを見
るケース)では、 <Ti >=−<Λi-2 Γi > ・・・(9) ケース2(進行方向左側にワークを見るケース)では、 <Ti >=<Λi-2 Γi > ・・・(10) とする。
【0031】図3に示した事例では、サブルーチン
[4]に対する選択条件に適合する教示ポイントは、L
6 及びA7 である。図3に示された例は上記(イ)に該
当するので、教示ポイントL6 及びA7 に対して、R6
=R7 =90°(=R5 )を定める。なお、図3の事例
では、上記(ロ)に該当する教示ポイントは存在しな
い。
【0032】サブルーチン[5] ○選択条件:Γi =Ai で、且つ、Γi+1 =Li+1 であ
ること。 ○ルール内容:この場合は、Γi が始端側エアカット点
であることを意味しているから、その姿勢は後続する作
業線(加工線)の始端点Li+1 において教示すべき姿勢
と同一の姿勢をとることが、ロボットに過大な負荷を課
さないという観点からみて合理的であり、また、教示デ
ータ作成処理をより簡素化する上でも理にかなってい
る。以上の姿勢算出サブルーチンを選択条件ルールに従
って利用すれば、教示ポイントΓi の(A、L、C)の
配列順序に関する全事象に対して、各教示ポイントΓi
のRi を求めることが出来る。図3に示した事例につい
て、これらサブルーチンを使用して計算を行なった結果
を、図1〜図3に準じた形式で図4に示した。図4中、
各矢印は、Ri で定められるツール座標系Σt のXt 軸
の方向を表わしている。
【0033】図4の矢印配列からも判るように、各教示
ポイントΓi に付与された標識情報、ワークの対進行方
向左右存在情報に基づいて、ツールの姿勢を表現してい
るツール座標系Σt の姿勢を、作業線(加工線)に対し
て所望の一定関係に保つようなロボット教示が実現され
ている。
【0034】サブルーチン、選択条件の内容について
は、目的とする作業内容に応じて、各種の変形が可能な
ことは言うまでもない。例えば、ワークの加工線区分に
対応した教示ポイント区間に対して、各教示ポイント毎
にツールの姿勢を図4に示された状態から所望の方向に
所望の微小角度δだけ選択的にシフトするような教示を
実現するには、上記姿勢算出サブルーチンで計算される
Ri に対してRi +δi を計算する処理を適宜追加し、
この追加処理を発動させる選択ルールをA、L、Cを用
いて記述するか、あるいは標識情報の種類や定義を追加
・変更した上で選択条件ルールを作成し直す等の手段を
講ずれば良い。
【0035】CADシステム自身に対応能力があるなら
ば、以上説明した教示データ作成処理の全体を、CAD
システム上で実行することも可能であるが、既に触れた
ように、図1〜図3に対応したいずれかの段階でデータ
をパーソナルコンピュータで扱える形式(例えば、MS
−DOS形式)に変換し、上記サブルーチンを含むプロ
グラムをローディングしたパーソナルコンピュータ上で
教示データ作成を行なうことも1つの実際的な選択肢と
して考えられる。
【0036】更に、CADシステム、パーソナルコンピ
ュータ以外でも、ワークの作業線を表現する座標値デー
タを直接あるいはデータ形式変換等を介して取り扱う能
力があり、上記サブルーチンを包含するソフトウェアに
よる処理が実行可能なものであれば、任意の情報処理手
段を利用することが出来る。
【0037】上記説明したような方式でオフライン作成
された教示データは、ロボットに付属したロボットコン
トローラに適当なインタフェイスを介して入力される。
教示されるデータは、ワーク座標系データと与えられる
ので、最終的なロボットの軌道には、ワーク座標系Σw
の位置と姿勢に依存した自由度が残されていることにな
る。従って、ロボットのベース座標系Σb に対して、ワ
ーク座標系Σw の原点位置・姿勢(同次変換行列で表現
される。)をフレクシブルに設定することを通して、ロ
ボットに対して、ロボットの運動範囲内の任意の位置に
任意の姿勢で配置されたワークに対して、等価な作業を
実現することが可能となる。図6は、その様子を模式的
に示したものである。
【0038】図6中、Σb は、ロボット上の固定点(ロ
ボット中心)Orbを原点としたベース座標系を示し、Σ
w1、Σw2、Σw3は、各々O1 、O2 、O3 を原点とする
複数(ここでは3個)のワーク座標系を表わしている。
例えば、製造ラインにおけるワークの供給位置が3種類
あると想定される場合に、各ワーク供給位置に対応させ
て1つづつワーク座標系Σw1、Σw2 、Σw3 を設定して
おき、製造ラインからの外部信号で実際の供給位置をロ
ボットコントローラに報知し、報知内容に従って使用す
るワーク座標系を切り換え使用するだけで、いずれのワ
ークに対しても同じプログラムで同じ作業を実行するこ
とが可能となる。
【0039】また、CADデータ作成時に想定していた
ロボットとワークの相対配置関係と実際の配置関係との
間にずれがあったとしても、ワーク座標系の原点修正を
行なうだけで、教示プログラムをそのまま生かした作業
を遂行出来る。
【0040】
【実施例】図3に示した事例について、上記作用の説明
の欄で例示したプロセスに従ってオフライン教示を行な
う処理手順を、図7〜図12を参照して説明する。オリ
ジナルの作業線(バリ取り加工線)データとしてはCA
Dデータを想定し、情報処理手段としては、CADシス
テム自身、MS−DOS形式のデータを処理するパーソ
ナルコンピュータ、及びこれらハードウェアでサポート
されたソフトウェアからなるシステムを使用する。
【0041】そして、図3に示したデータの作成までの
CADデータ処理部分をCADシステム上で行い、CA
DデータをMS−DOS変換し、Ri 算出サブルーチン
を含むプログラムを実行して教示データを作成する教示
データ算出/作成処理部分をパーソナルコンピュータ上
で行なう方式を採用することにする。CADシステムに
は、指定された図形について、その図形を構成する直線
要素と円弧要素の端点及び中間点(円弧要素)をそれら
の座標値データ(Σcad 上のxyデータ)と共に、図1
乃至図3に示した形式でCADシステムのディスプレイ
上に表示するツールが用意されており、また、図8に示
すような処理を行なう標識情報付与サブルーチンプログ
ラムがローディングされているものとする。
【0042】図7は、CADデータ処理の概略を示した
フローチャートである。CADデータ処理の第1段階で
は、先ず、加工対象のワークの加工線図形と関連データ
をCADシステム内のメモリから呼び出し、上述のツー
ルを利用して図1に示した形式でディスプレイ上に表示
させる(ステップSC1)。オペレータは、加工始端点
と加工終端点を選び、両者の前後にエアカット点とする
点を定義し、各エアカット点を端点とする直線要素をC
ADデータで定義する(ステップSC2)。
【0043】ここでは、図1、2に示されたように、ロ
ボット軌道の進行方向を始端点側エアカット点→E→F
→G→F’→E’→終端点側エアカット点として、始端
側エアカット点側から順に7個の教示ポイントQ1 (=
始端点側エアカット点)、Q2 (=E)、Q3 (=
F)、Q4 (=G)、Q5 (=F’)、Q6 (=
E’)、Q7 (=終端点側エアカット点)を設定する。
EとE’のいずれを加工始端点とするかは、ロボットの
設置位置とワークの位置関係、バリ取り加工線の形状等
を考慮に入れて決めれば良い。
【0044】ロボット軌道の進行方向を含めて、すべて
の教示ポイントの位置Q1 〜Q7 が定められたならば、
これら各教示ポイントに標識情報A、C、Lを付与す
る。付与のルールは、作用の説明の欄で述べた通りであ
る(付与ルール1〜3)。付与作業は、オペレータがデ
ィスプレイ上に表示された各教示ポイント(図2参照)
に対して、ライトペン、マウス、キーボード操作等によ
ってA、C、Lの区別を順次入力する方法を採用しても
良いが、CADデータを有効に利用して作業を効率化す
る為に、ここでは、前記付与ルール1〜3に従った標識
情報付与を行なうサブルーチン処理をCADシステム上
で実行する(ステップSC3)。この標識情報付与サブ
ルーチン処理例の概要を図8に示す。
【0045】これを説明すると、先ず、教示ポイント番
号指標iを1にリセットした上で(ステップSL1)、
教示ポイントQi の関連データを読み出し(ステップS
L2)、i=1か否かを判断する(ステップSL3)。
最初の教示ポイントQ1 は始端側エアカット点であるか
ら、判断結果はイエスであり、ルール1に従ってQ1デ
ータに標識Aが付与され、Q1 =A1 となる(ステップ
SL4)。
【0046】i≠1の場合には、更に、教示ポイント指
標が規定数値i=qに達したか否かを判断する(ステッ
プSL5)。
【0047】ここでは、q=7である。もし、i=q
(=7)であれば、やはりルール1に従って標識Aが付
与され、Qq =Aq (Q7 =A7 )となる(ステップS
L9)。この時、既にi=1〜6の処理は終わっている
ので、ステップSL9が終了すると、すべての教示ポイ
ントへ標識情報が付与されることになる。
【0048】2≦i≦6の場合には、ステップSL5で
ノーの判断がなされ、ステップSL6へ進む。ステップ
SL6では、区間Qi-1 〜Qi が直線要素、円弧要素の
いずれに対応しているかをCADデータを利用して判断
する。前者であれば、ルール2に従って標識Lを付与
し、Li とする(ステップSL7)。後者であれば、ル
ール3に従って標識Cを付与し、Ci とする(ステップ
SL8)。図2の事例では、i=2、3及び6でLが付
与され、i=4及び5でCが付与される。
【0049】ステップSL4、ステップSL7、ステッ
プSL8のいずれに進んだ場合であっても、教示ポイン
ト番号指標iに1を加算してから(ステップSL1
0)、ステップSL2へ戻る。i=7でステップSL2
に戻れば、上記したように、ステップSL5からステッ
プSL9へ進み標識情報付与サブルーチン処理は終了
し、図7のフローチャートへ戻ってステップSC4へ進
む。結局、ステップSC3のサブルーチンでは、図2に
示されたデータに基づいて、図3に示されたデータが作
成されることになる。これをディスプレイ上に表示させ
て内容を確認し(ステップSC4)、CADデータ処理
を終了する。
【0050】このようにして作成されたデータをMS−
DOS形式に変換し、ロボットの姿勢を決定する為のサ
ブルーチンを含む教示データ算出/作成処理を図9〜図
12に記した処理フローに従って実行する。先ず、教示
データ算出/作成処理を実行する為の準備として、CA
Dデータを適当な変換ソフトウェアを用いてパーソナル
コンピュータのメモリ上でMS−DOS形式に変換する
と共に、図9〜図12に示された処理を実行する為のプ
ログラムをパーソナルコンピュータにローディングして
おく。また、ロボット進行方向のどちら側にワークを見
ながらバリ取り加工を行なうかを指定する為に、通常は
0(右側モード)を保持し、反転時に1(左側モード)
の値をとるモードフラグMFが用意されており、フラグ
の反転はオペレータによるマニュアル入力によって事前
に行なわれるものとする。ここでは、バリ取り作業を右
側モードで実行することを考えているから、MF=0の
状態で処理を開始する。もし、左側モードで作業を行な
う場合には、MFを1に反転させてから処理を実行す
る。
【0051】以上の準備の下に、教示データ算出/作成
処理を開始する。まず、教示ポイント指標iをi=2に
セットし(ステップSS1)、i番目の教示ポイントΓ
i のデータ(標識A、C、Lの種別と座標値xi 、yi
;MS−DOS形式に変換されたデータ、以下同
様。)を読み出す(ステップSS2)。Γi が第1番目
の教示ポイントであるか否かを判断した上で(ステップ
SS3)、ステップS4あるいはステップSS17へ進
む。第1回目のステップSS3の判断は、i=2の下で
行なわれるから、ステップSS4に進み、次の教示ポイ
ントΓi+1 (第1回目はΓ3 )のデータが読み出され
る。教示ポイントΓi+1 の標識がLであるか否かを判断
し(ステップSS5)、イエスであれば、サブルーチン
[1](作用の説明の欄で定義したもの。処理フローは
後述する。以下、同様)の処理へ移行する(ステップS
S6)。ノーであれば、教示ポイントΓi+1 の標識がA
であるか否かを判断し(ステップSS7)、イエスであ
れば、サブルーチン[4]の処理へ移行する(ステップ
SS8)。ノーであれば、更に奇数番目のCであるかを
判断し(ステップSS9)、イエスであればサブルーチ
ン[2]の処理を実行する(ステップSS10)。ステ
ップSS9でノーの判断がなされるということは、Γi+
1 が偶数番目のCであることを意味するから、直ちにサ
ブルーチン[3]を実行する(ステップSS11)。
【0052】サブルーチン[1]〜[4]のいずれが実
行された場合にも、Ri が算出されるので、残るXi 、
Yi 、Zi 、Pi 、Wi を前出の(1)式及び(2)式
に従って定め、Γi の全データを作成する(ステップS
12)。なお、Γi の標識が、Cである場合には、動作
形式を「円弧」に指定し、それ以外の場合には「直線」
に併せて指定する。円弧軌道の計算は、Γi-1 、Γi 、
Γi+1 (Γi が奇数個目のCである場合)またはΓi-2
、Γi-1、Γi (Γi が偶数個目のCである場合)の座
標値データから計算される。
【0053】Γi の教示データの作成が終了したら、教
示ポイント指標iに1を加算した上で(ステップSS1
3)、i=q?及びi=q+1?の判断を行う(ステッ
プSS14、ステップS15)。図3の事例で言えば、
ステップSS12の段階でi=2、3、4または5であ
れば、ステップSS14、ステップSS15を経て、ス
テップSS4へ戻り、ステップSS4〜ステップSS1
3内の処理ルートを通ってステップSS14へ到達する
サイクルを繰り返す。
【0054】最終教示ポイントΓq-1 (=L6 )の教示
データがステップSS12で作成されると、ステップS
S13でi=7となり、ステップSS14でイエスの判
断が初めて出される。この場合、最終教示ポイントΓq
のデータは既にステップSS4で読み込み済みであり、
且つ、Γq+1 は存在しないから、サブルーチン[4]の
処理が実行される(ステップSS8)。サブルーチン
[4]の処理によって、Rq (R7 )が求められ、(ス
テップSS12で、Γq の教示データが作成される。
【0055】そして、ステップSS13でi=q+1と
され、ステップSS14でノー、ステップSS15でイ
エスの判断がなされて、ステップSS16へ進み、未作
成であるΓ1 の教示データを作成する処理を開始する。
即ち、教示ポイント指標iをi=1にセットした上で
(ステップSS16)、Γ1 のデータを読み出し(ステ
ップSS2)、ステップSS3でイエスの判断を得て、
サブルーチン[5]を実行し(ステップSS17)、Γ
1 (=A1 )の教示データを作成する(ステップSS1
8)。最後に、モードフラグMFを0にリセット(ステ
ップSS19)して、1本の作業線(バリ取り加工線)
に対する教示データの算出/作成処理を終了する。
【0056】なお、モードフラグのリセットは、図3の
事例のように右側モードで処理を実行した場合には、M
F=0のまま保持し、もし、左側モードの処理を実行し
た場合にはMFを1に反転する処理の形で行なわれる。
【0057】以上の説明から判るように、図9に示した
処理フローによれば、各教示ポイントΓ1 〜Γq の教示
データ作成処理について、必ず1つのサブルーチン処理
が含まれている。そして、サブルーチン[1]〜[5]
を使い分けるルールは、作用の欄で説明した各選択条件
ルールに整合したものとなっている。
【0058】各サブルーチン[1]〜[5]の内容は、
作用の説明の欄で詳しく説明した通りのものであるが、
各サブルーチンの処理をフローチャートの形で記すと、
図10〜図12のようになる。
【0059】サブルーチン[1]では、モードフラグM
Fが0か否かを判断し(ステップS1ー1)、イエス
(右側にワークを見るモード)であれば、θ=ー90゜
として、前出の式(4)を計算し、ベクトル<Γi Γi+
1 >に直角なベクトル<Ti >を求め(ステップS1ー
2)、このベクトル<Ti >がX軸(X軸方向の単位ベ
クトルEx )となす角度をRi として定める(ステップ
S1ー4)ことでサブルーチンの処理を終了する。
【0060】モードフラグMFが0でない場合(左側に
ワークを見るモード)には、ステップS1ー1からステ
ップS1ー3に進み、θ=90゜として、前出の式
(4)を計算し、ベクトル<Γi Γi+1 >に直角なベク
トル<Ti >を求め、ステップS1ー4で、ベクトル<
Ti >がX軸(X軸方向の単位ベクトルEx )となす角
度をRi として定めてサブルーチンの処理を終了する。
【0061】図3に例示されたケースでは、前述したよ
うに、Γ2 =L2 及びΓ5 =C5 について、このサブル
ーチン[1]の処理が実行される。
【0062】サブルーチン[2]の処理では、先ず、Γ
i+2 の座標値データを読み出した上で(ステップS2ー
1)、3点Γi 、Γi+1 、Γi+2 で定められる円弧要素
の中心点Λi の位置を求める(ステップS2ー2)。次
いで、サブルーチン[1]の場合と同様にMF=0か否
かを判断して(ステップS2ー3)、ベクトル<Ti>
を求める。作用の説明の欄で述べたように、MFの値が
0の場合には前述の式(5)に従って計算が行われ(ス
テップS2ー4)、MF=1であれば式(6)に従った
計算が実行される(ステップS4ー5)。求められたベ
クトル<Ti >に対して、X軸となす角度を計算してR
i とし、サブルーチン[2]の処理を終了する。図3に
例示されたケースでは、前述したように、Γ3 =L3 に
ついて、このサブルーチン[2]の処理が実行される。
【0063】サブルーチン[3]の処理では、MF=0
か否かを判断した上で(ステップS3ー1)、Γi-1 、
Γi 、Γi+1 が共通して乗っている円弧要素の中心Λi-
1 のデータを用いて、ベクトル<Ti >=―<Λi-1 Γ
i >(ステップS3ー2)または<Ti >=<Λi-1 Γ
i >(ステップS3ー3)を求める。サブルーチン
[2]、[3]の選択条件及び図9のフローチャートか
ら明かなように、1つ手前の教示ポイントに対してサブ
ルーチン[2]で円弧中心Λi-1 は計算済みであるか
ら、そのデータをそのまま、Λi-1 の座標値出として使
うことが出来る。
【0064】ベクトル<Ti >に対して、X軸となす角
度を計算してRi とし(ステップS3ー4)、サブルー
チン[3]の処理を終了する。
【0065】図3に例示されたケースでは、前述したよ
うに、Γ4 =C4 について、このサブルーチン[3]の
処理が実行される。
【0066】サブルーチン[4]の処理では、Γi に付
与されている標識がLまたはAであるかを判断した上で
(ステップS4ー1)、イエスであればRi =Ri-1 と
して(ステップS4ー2)サブルーチン[4]の処理を
終了する。ノーであれば、更に、モードフラグMFの値
の0、1を判別した上で(ステップS4ー3)、作用の
説明の欄で述べた方式に従ってベクトル<Ti >=―<
Λi-2 Γi >(ステップS4ー4)または<Ti >=<
Λi-2 Γi >(ステップS4ー5)を求める。
【0067】この場合も、サブルーチン[2]、[3]
の選択条件及び図9のフローチャートから明かなよう
に、1つ及び2つ手前の教示ポイントに対して求められ
ている円弧中心Λi-2 のデータをそのまま使うことが出
来る。
【0068】ベクトル<Ti >に対して、X軸となす角
度を計算してRi とし(ステップS4ー6)、サブルー
チン[4]の処理を終了する。図3に例示されたケース
では、前述したように、Γ6 =L6 及びΓ7 =A7 につ
いて、このサブルーチン[4]の処理が実行される。
【0069】そして、サブルーチン[5]は、1つ手前
の教示ポイントと同じ姿勢を指定する為に、Ri =Ri-
1 とする処理を行うのみである。図3に例示されたケー
スでは、Γ1 =A1 が、このサブルーチン[4]の処理
が実行される対象となる。
【0070】図9の処理フローで示した通り、これらい
ずれのサブルーチンプログラムの処理が実行された場合
にも、残りの位置データXi 、Yi 、Zi 、Pi 及びW
i と併せて、i番目の教示ポイントの位置データが作成
される。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ロボット作業の
作業対象物(ワーク)の作業線が直線と円弧軌道の組合
せで構成されるケースについて、教示ポイント毎にロボ
ットの位置・姿勢を指定する煩雑な作業を省いて教示作
業における工数の大幅削減を図ることが出来る。また、
ロボットが作業線に接近/離隔する際や軌道の屈曲箇所
にさしかかった時にロボットに急激な姿勢変化を生じさ
せないようなオフライン教示を、教示実行者が直接意識
することなく実現することが可能となる。
【0072】更に、教示されるデータは、ワーク座標系
データとして与えられるから、最終的なロボットの軌道
には平行移動と回転移動を自由に組み合わせた変更を行
なう自由度が残されており、ワーク座標系Σw の位置・
姿勢をフレクシブルに設定することを通して、任意の位
置に任意の姿勢で配置されたワークに対する等価な作業
を実現することが可能となる。この特徴を利用すれば、
複数位置に供給されるワークに等価な作業を行なった
り、CADデータ作成時に想定していたロボットとワー
クの相対配置関係と実際の配置関係との間のずれを修正
することが、プログラムを変更することなく簡単に実現
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】直線要素及び円弧要素で構成されたワーク作業
線(バリ取り加工線)とその代表点を各代表点の座標値
データと併せてCAD図面上で表示した様子を模式的に
示した図である。
【図2】図1に示された作業線(バリ取り作業線)に対
して、始端側エアカット点及び終端点側エアカット点を
定義した様子を座標値データと併せて模式的に表わした
図である。
【図3】図2に示された作業線(バリ取り作業線)の代
表点及び両エアカット点に対して、標識情報が付与され
た様子を座標値データと併せて模式的に表わした図であ
る。
【図4】図3に示した事例について、選択されたサブル
ーチンに基づいて各教示ポイントΓi のRi を含む教示
データを求めた結果を、図1〜図3に準じた形式で表わ
した図である。
【図5】ワーク座標系Σw とツール座標系Σt の関係及
びツールとワーク(バリ取り加工線)の関係の設定の仕
方を説明する為の図である。
【図6】ロボットのワーク座標系Σw の原点位置・姿勢
をフレクシブルに設定することを通して、任意の位置に
任意の姿勢で配置されたワークに対しる等価な作業が実
現可能なことを説明する為の図である。
【図7】CADシステム上で実行されるCADデータ処
理の概略を示したフローチャートである。
【図8】標識情報付与サブルーチンプログラムの処理の
概要を説明するフローチャートである。
【図9】パーソナルコンピュータを利用して実行される
教示データ算出/作成処理の概要を説明するフローチャ
ートである。
【図10】ロボット姿勢を定める教示データを算出する
各サブルーチン[1]及び[3]の処理の概要を説明す
るフローチャートである。
【図11】ロボット姿勢を定める教示データを算出する
各サブルーチン[2]の処理の概要を説明するフローチ
ャートである。
【図12】ロボット姿勢を定める教示データを算出する
各サブルーチン[4]及び[5]の処理の概要を説明す
るフローチャートである。
【符号の説明】 1、3 直線要素 2 円弧要素 10 ロボット 11 ツール装着部 12 ツール支持具 13 バリ取りツール 14 バリ取り刃14 D バリ取り加工部(加工点) E、E’、F、F’、G 作業線(バリ取り加工線)代
表点 K ワーク Q1 〜Q7 教示ポイント A1 、A7 エアカット点 L2 、L3 、C4 、C5 、L6 標識情報付教示ポイン
ト Σt ツール座標系 Σw 、Σw1 、Σw2、Σw3 ワーク座標系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットによる作業を行なう対象物につ
    いて、1つの平面上に乗った任意数の直線要素と任意数
    の円弧要素とを接続して構成される作業線を表現する座
    標値データを含む情報が情報処理手段によって情報処理
    可能な形態で用意されている場合に、前記情報処理手段
    を利用してロボットのオフライン教示を行なう方法にお
    いて、 (a)前記作業線の両端点と、前記構成要素間の接続点
    と、前記円弧要素の中間点の座標値データを作業線代表
    点データとして抽出する段階と、 (b)前記両端点の一方を作業線始端点として、該作業
    線始点に向かう直線要素の始点を与える始端側エアカッ
    ト点を定義すると共に、前記両端点の他方を作業線終端
    点として、該作業線終端点を始点として延びた直線要素
    の終点を与える終端側エアカット点を定義する段階と、 (c)前記各作業線代表点の座標値データに対して、そ
    の代表点が直線要素の終端点に該当するか、円弧要素の
    中間点または終端点に該当するかを識別させる識別情報
    を付与すると共に、前記始端側エアカット点及び前記終
    端側エアカット点の座標値データに対して、各々始端側
    エアカット点及び前記終端側エアカット点であることを
    識別させる標識情報を付与する段階と、 (d)前記各エアカット点及び作業線代表点の座標値デ
    ータと、前記付与された各識別情報と、前記座標値デー
    タが準拠している座標系上の所定方向から前記作業線と
    前記対象物とを見た時に前記作業線始端側から終端側へ
    向かう進行経路に関して前記対象物が左側に存在するか
    右側に存在するかを特定する情報とに基づいて、ロボッ
    トの位置及び姿勢を定める段階、 とを含むことを特徴とするロボットのオフライン教示方
    法。
  2. 【請求項2】 前記オフライン教示がなされるロボット
    と前記作業対象物との実際上の相対的位置・姿勢関係に
    応じて、ロボットが準拠し得る座標系の原点の位置と姿
    勢を設定する段階を含むことを特徴とする請求項1に記
    載のロボットのオフライン教示方法。
  3. 【請求項3】 前記作業線がバリ取り加工線であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載されたロボ
    ットのオフライン教示方法。
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