JPH0624996Y2 - 地上設置型変圧器装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は地上設置型変圧器装置に関し、更に詳述すれば
地中配電方式による配電を行うため、路上や公園の片隅
等に設置して運転される地上設置型変圧器装置に関する
ものである。

「従来の技術」 この種の地上設置型変圧器装置は、第６図と第７図に示
すように立方形状の外箱２０１を上部から見たときの長
方形状の外箱２０１の短辺の内１辺側の変圧器２０２側
面には上部に高圧限流ヒューズ付開閉器２０３を、高圧
限流ヒューズ付開閉器２０３の下部には高圧開閉装置２
０４を備え、外箱２０１の残り１辺の短辺側の変圧器２
０２側面には、上部に低圧ブッシング２１０を低圧ブッ
シング２１０の下部には低圧限流ヒューズ２０５を前後
２段に備え、外箱２０１内に収容して組立てられてお
り、その高圧側接続端子２０６及び低圧側接続端子２０
７が地中に埋設された高圧地下ケーブル２０８と低圧地
下ケーブル２０９に接続されて運転されるようになって
いる。

「考案が解決しようとする課題」 従来の地上設置型変圧器装置の低圧側は、次のような欠
点があった。

（１）低圧側は、需要家側の回路を考慮して少なくとも
２回路以上の回路を構成し、回路の保護装置として低圧
限流ヒューズを取付けてある。しかし、低圧側に事故が
発生すると異常電流により低圧限流ヒューズは容断し、
回路を保護するが再び回路を生かすには、活線状態で新
しい低圧限流ヒューズと取替える危険な作業もしくは高
圧開閉装置を開路することにより、低圧側の全ての回路
を停電させて作業を行わなければならない欠点があっ
た。

（２）回路数を多く必要とする低圧側は、外箱の短辺側
に設けられていた。ところが外箱の大きさは、道路管理
者からの規制で大きくできないため、回路数を増やすに
は低圧地下ケーブル接続部を前後２段に設けるなどしな
ければならない。このため、低圧地下ケーブルの接続作
業性は非常に悪いという欠点があった。

（３）近年、路上に設置される電器機器は住民から更に
コンパクト化の要求が起こり、地下高さを低くしなけれ
ばならないが、従来の低圧側の構造では一層低圧地下ケ
ーブルの接続作業性が悪くなるという欠点があった。

「課題を解決するための手段」 本考案は、上記の問題を解決することを目的としたもの
で、本考案においては外箱の短辺側の変圧器側面には上
部に高圧カットアウトを高圧カットアウトの下部には、
高圧開閉装置を備え、外箱の長辺側の変圧器上部には配
線用遮断器もしくは低圧開閉装置を水平に備え、配線用
遮断器もしくは低圧開閉装置が複数あるときは、水平方
向に横一列に配置することを特徴とする。

「作用」 上記のように構成すれば低圧地下ケーブルの接続が垂直
方向に横一列の配置ができるため、低圧地下ケーブル接
続部が前後に重ならないこと、及び配線用遮断器もしく
は低圧開閉装置を変圧器上部に水平方向に配置すること
により、配線用遮断器もしくは低圧開閉装置の端子の地
高さが充分高くとれることから、低圧地下ケーブルの接
続作業性の向上を図ることができる。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図〜第４図に基づいて説
明する。第１図は本考案の地上設置型変圧器装置の一実
施例の外観を示す正面図、第２図は同実施例の天井板を
取外した状態の平面図、第３図は同実施例の外箱の正面
板を取外した状態の正面図、第４図は同実施例の外箱の
右側面板を取外した状態の右側面図である。第１図〜第
４図において地上設置型変圧器装置は、正面の正面板１
０１、低圧側扉１０２と左の高圧側扉１０３と右の側面
板１０４と天井板１０５と下面板１０６と図示しない背
面板とを組合せて組立てた外箱１０７を備えており、こ
の外箱１０７内には、変圧器１０８が高圧カットアウト
１０９、高圧開閉装置１１０、配線用遮断器もしくは低
圧開閉装置１１１等の配電機器類とともに収容されてい
る。また変圧器１０８内には図示しない変圧器の主要部
である鉄心、巻線が収容されている。そして、この地上
設置型変圧器装置は、外箱１０７を路上等に構築したコ
ンクリート台１１２の上部に固定用ボルトによって固定
することにより設置されている。外箱１０７内の構成
は、下面板１０６の上部に変圧器１０８がボルトによっ
て固定され、高圧側扉１０３側の変圧器１０８側面には
上部に高圧カットアウト１０９を取付け高圧カットアウ
ト１０９の下部に高圧開閉装置１１０を取付けている。
さらに低圧側扉１０２側の変圧器１０８上部には配線用
遮断器もしくは低圧開閉装置１１１を水平方向に横一列
に２個取付け、配線用遮断器もしくは低圧開閉装置１１
１の端子１１３には、低圧側扉１０２と変圧器１０８の
間を垂直方向の下向きに変圧器１０８側面に支持碍子１
１４を介在して取付けた低圧接続端子１２０が接続され
ている。配線用遮断器もしくは低圧開閉装置１１１を変
圧器１０８上部に取付けたことにより端子１１３位置
は、変圧器１０８より上部になる。このことから低圧地
下ケーブル１１５を接続するための低圧接続端子１２０
もおのずから変圧器１０８側面の上部に取付けられ、低
圧地下ケーブルの接続作業性の向上を図ることができ
る。また本考案の回路構成は、第３図〜第５図に示すと
おり、高圧地下ケーブル１１６は高圧開閉装置１１０に
接続され、高圧開閉装置１１０から高圧カットアウト１
０９へ、高圧カットアウト１０９から変圧器巻線１１７
の高圧側へ、変圧器巻線１１７の低圧側から低圧ブッシ
ング１１８へ低圧ブッシング１１８から配線用遮断器も
しくは低圧開閉装置１１１へ配線用遮断器もしくは低圧
開閉装置１１１から低圧地下ケーブル１１５に接続され
ている。

「考案の効果」 以上のように本考案によれば、低圧側に配線用遮断器も
しくは低圧開閉装置を設けたことにより、低圧側に事故
が発生した際、配線用遮断器もしくは低圧開閉装置によ
り回路を切り離し、変圧器側を停電せずに安全に修理作
業が行なえる、また配線用遮断器もしくは低圧開閉装置
を２個以上取付ることにより、事故の生じていない回路
は、電気を活かしたまま事故回路のみ回路を切り離し修
理作業が行なえるため、停電区間の縮小を図ることがで
きる。尚、構造面では、配線用遮断器もしくは低圧開閉
装置を外箱の長辺側の変圧器上部に水平に横一列に配置
したことにより、低圧ケーブル接続位置が垂直方向に横
一列に接続ができる。さらには、低圧ケーブル接続位置
が変圧器側面の上部で行なえることから低圧ケーブル接
続の作業向上の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の地上設置型変圧器装置の一実施例の外
観を示す正面図、第２図は同実施例の外箱の天井板を取
外した状態の平面図、第３図は同実施例の外箱の正面
板、低圧側扉を取外した状態の正面図、第４図は同実施
例の外箱の右側板を取外した状態の右側面図、第５図は
同実施例の回路図、第６図と第７図は従来例を示す外箱
を取外した状態の平面図と正面図である。 図面中 １０７…外箱，１０８…変圧器，１０９…高圧カットア
ウト，１１０…高圧開閉装置，１１１…配線用遮断器も
しくは低圧開閉装置，１１３…端子，１１４…支持碍
子，１１８…低圧ブッシング，１１９…接続ケーブル，
１２０…接続端子である。

フロントページの続き (72)考案者 板橋 正幸 栃木県小山市中久喜1440番地 株式会社高 岳製作所小山事業所内 審査官 植松 伸二

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】変圧器、高圧カットアウト、高圧開閉装
   置、配線用遮断器もしくは低圧開閉装置を上部から見て
   長方形状の外箱内に収納してなる地上設置型変圧器装置
   において、前記長方形の短辺のうち１辺側の前記変圧器
   側面には上部に前記高圧カットアウトを、その下部に前
   記高圧用開閉装置を備え、前記長方形の長辺のうち１辺
   側の前記変圧器上部には前記配線用遮断器もしくは低圧
   開閉装置を水平に備えたことを特徴とする地上設置型変
   圧器装置。