JPH069527Y2

JPH069527Y2 - 低圧配電装置

Info

Publication number: JPH069527Y2
Application number: JP17435686U
Authority: JP
Inventors: 憲一川勝
Original assignee: Nissin Electric Co Ltd
Current assignee: Nissin Electric Co Ltd
Priority date: 1986-11-13
Filing date: 1986-11-13
Publication date: 1994-03-09
Anticipated expiration: 2001-11-13
Also published as: JPS6381605U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は、配電用変圧器の２次側に複数個の配線用遮
断器を接続してなる低圧配電装置に関する。

〔従来の技術〕

従来より、工場用等600Ｖ以下の低圧配電設備において
は、配電用変圧器の一側面に、該変圧器の２次側に接続
される複数個の配線用遮断器を収納した低圧盤を一体に
設けることにより、トータルコストの低減化、トータル
スペースの縮小化ならびに輸送・据付工事の簡易化等を
可能にした低圧配電装置が用いられている（たとえば実
願昭59-17769号（実開昭60-132109号）に添付の明細書
および図面参照）。

すなわち、従来のこの種低圧配電装置は、第７図ないし
第10図に示すような構成になっている。

これらの図面において、(1)は油密封式の配電用変圧器
であり、後面上部に１次ブッシング(2)が、上面の前部
寄りに２次ブッシング(3)がそれぞれ突設されており、
該変圧器(1)が地上に固定されたベース(4)上に設置され
ている。

(5)は変圧器(1)の後面に設けられ１次ブッシング(2)を
収容した１次ボックス、(6)は放熱器、(7)は油量調整装
置、(8)は放圧管、(9)はタップ切換器である。

(10)は変圧器(1)の一側面、すなわち前面にベース(4)上
に設置して一体に設けられた低圧盤であり、該低圧盤(1
0)の背面と変圧器(1)の上面とが２次ブッシング(3)を収
容した２次ボックス(11)にて連結されており、２次ブッ
シング(3)に接続された絶縁電線が低圧盤(10)内に引き
込まれている。

この低圧盤(10)内には、第10図に示すように、前記絶縁
電線に分岐接続されたたとえば８回路の配線用遮断器(1
2)が並設されており、各配線用遮断器(12)のそれぞれの
電源側に変流器(13)が，それぞれの負荷側に零相変流器
(14)が設けられている。

なお、第10図において、(15)は零相変流器、(16)は補助
回路であり、配線用遮断器(17)および補助トランス(18)
を介して、制御電源用，雑電源用および予備電源用の配
線用遮断器(19)が設けられている。

(20)は変圧器(1)の四隅に一体に設けられ該変圧器(1)お
よび低圧盤(10)をベース(4)とともに持ち上げ、移動す
るための吊手、(21)は低圧盤(10)の扉である。

ところで、前記変圧器(1)の１次側には、該変圧器(1)の
保護および負荷開閉を目的として、ヒューズ付高圧交流
負荷開閉器が接続されるが、従来の低圧配電装置では、
変圧器(1)を取り囲む放熱器(6)や１次，２次ブッシング
(2)，(3)等の構造的配置から、負荷開閉器を一体に組み
込むことは不可能であり、仮りに、１次ボックス(5)内
に負荷開閉器を組み込むと、負荷開閉器の開閉操作寸法
および絶縁寸法を確保するために１次ボックス(5)が非
常に大形化してしまい、この種装置のトータルスペース
の縮小化といった特長を損ねる結果となってしまう。

このため、従来では、第11図に示すように、負荷開閉器
(22)を収納しした高圧盤(23)を備え、負荷開閉器(22)に
接続された高圧電力ケーブル(24)を地中のケーブルピッ
トに通すとともに、これより立ち上げて１次ボックス
(5)内に導入し、１次ブッシング(2)に接続している。

さらに、多数の低圧配電装置に対しては、それぞれの変
圧器(1)に接続される負荷開閉器(22)を収納した高圧盤
(23)を列盤設置し、各高圧盤(23)に母線(25)を貫通さ
せ、これに負荷開閉器(22)をそれぞれ接続させている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来の構成では、負荷開閉器(22)を収納し
た高圧盤(23)が特に必要であり、このための設置スペー
スも必要となり、低圧配置装置および高圧盤(23)を含め
た変電所全体の大形化を招き、コスト高になる欠点があ
る。

また、変圧器(1)および低圧盤(10)と、高圧盤(23)とが
離れて設置されるため、これらの保守・点検の作業性が
悪く、とくに、高圧盤(23)が多数列盤設置された場合に
は、これに収納された負荷開閉器(22)の入・切操作やヒ
ューズエレメントの取替時等、これにより離れて設置さ
れている低圧配電装置との対比がわずらわしく、即応性
に欠ける欠点がある。

この考案は、前記の点に留意してなされたものであり、
装置を大形化することなく、ヒューズ付高圧交流負荷開
閉器を配電用変圧器および低圧盤とともに一体的に組み
込み得る手段を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、配電用変圧器と、該変圧器の長辺側の一方
の側面に一体に設けられ前記変圧器の１次側が接続され
るヒューズ付高圧交流負荷開閉器を収容した収納箱と、
前記変圧器の短辺側の一方の側面に一体に設けられ該変
圧器の２次側に接続される複数個の配線用遮断器を収納
した低圧盤と、前記変圧器の長辺側の他方の側面に取り
付けられた放熱器とを備えてなる低圧配電装置である。

〔作用〕

したがって、この考案によれば、変圧器の短辺側の一方
の側面に低圧盤を設け、他方の側面には何も設けず、変
圧器の長辺側の一方の側面に負荷開閉器を設けるととも
に、他方の側面に放熱器を集合して設ける構造としたた
め、従来の低圧配電装置とはその設置スペースがほぼ同
一になる上、負荷開閉器を一体的に組み込むことが可能
となる。

〔実施例〕

つぎに、この考案を、その１実施例を示した第１図ない
し第６図とともに詳細に説明する。なお、従来と同一記
号のものは同一もしくは相当するものを示すものとす
る。

そして、ベース(4)上に設置された配電用変圧器(1)は、
その短辺側の一方の側面を前面にして配置され、長辺側
の一方の側面、すなわち左側面の上部に１次ブッシング
(2)が、上面の右側寄りに２次ブッシング(3)がそれぞれ
突設されるとともに、長辺側の他方の側面、すなわち右
側面に、従来のものより大形化されて放熱能力を増大し
た３個の放熱器(6)が集合配置されている。

また、たとえば８回路の配線用遮断器(12)を並設，収納
してなる低圧盤(10)は変圧器(1)の前面にベース(4)上に
設置して一体に設けられ、変圧器(1)の上面と低圧盤(1
0)の背面とを連結した２次ボックス(11)内に２次ブッシ
ング(3)が収容され、該２次ブッシング(3)に接続された
低圧絶縁電線(26)が低圧盤(10)内に導入されるととも
に、分岐して各配線用遮断器(12)の電源側にそれぞれ接
続されている。

さらに、前記変圧器(1)の左側面には、そのほぼ全域に
渡って低圧盤(10)の左側端部までの奥行を有する収納箱
(27)が一体に設けられ、前記１次ブッシング(2)が収納
箱(27)に収容されるとともに、該収納箱(27)内に、変圧
器(1)の保護および負荷の開閉を行なうヒューズ付高圧
交流負荷開閉器(22)が収納されている。

そして、地中のケーブルピットより立ち上げられて収納
箱(27)内に導入された高圧電力ケーブル(24)が高圧絶縁
電線(28)を介して負荷開閉器(22)の電源側に接続される
とともに、その負荷側が高圧絶縁電線(29)を介して１次
ブッシング(2)に接続されている。

ここで、ケーブル(24)は、収納箱(27)内に低圧盤(10)と
の反対側、すなわち背面側から立ち上げて導入されてお
り、ケーブル端末作業をやり易くしている。

さらに、複数のこの種装置を設置する場合には、第４図
に２点鎖線で示すように、自装置内への電源供給用のケ
ーブル(24)と他装置へのケーブル(24)とが収納箱(27)内
にて接続され、第６図に示すように、各装置がケーブル
(24)によって分岐接続される。

したがって、前記実施例によれば、変圧器(1)の短辺側
の一方の側面（前面）に複数個の配線用遮断器(12)を収
納した低圧盤(10)を、長辺側の一方の側面（左側面）に
ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(22)を収納した収納箱(2
7)を、長辺側の他方の側面（右側面）に放熱器(6)をそ
れぞれ一体に設けた構造とすることにより、負荷開閉器
(22)を組み込まない従来装置とほぼ同一の設置スペース
とすることができる上、負荷開閉器(22)の一体組み込み
が実現でき、従来の高圧盤が不要になるとともに、当該
装置内に変圧器(1)の保護および負荷開閉器等の機能が
付加されたこととなり、保守性が格段に向上することに
なる。

しかも、従来装置では、高圧母線(25)・負荷開閉器(22)
・高圧電力ケーブル(24)・変圧器(1)のそれぞれの間に
高圧主回路接続個所が存在していたが、実施例ではこの
接続個所が減少し、結果として信頼性が向上することに
なる。

さらに、変圧器(1)に一体に吊手(20)を利用することに
より、全装一括輸送や据付工事の簡易化等、この種装置
が有する一体化の種々のメリツトを何ら損なうことはな
い。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案の低圧配電装置によると、設置
スペースを大形化することなくヒューズ付高圧交流負荷
開閉器を一体に組み込むことができ、従来要していた負
荷開閉器のための高圧盤が不要となり、変電所全体の縮
小化が可能になる上、イニシャルコスト等トータルコス
トをより低減することができ、しかも、装置内に、負荷
開閉器による変圧器の保護および負荷開閉等の機能を付
加できることになり、保守性が格段に向上するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの考案の低圧配電装置の１実施
例を示し、第１図は平面図、第２図は左側面図、第３図
は切断正面図、第４図は切断右側面図、第５図は単線系
統図、第６図は複数の装置を設置した場合の単線系統
図、第７図以下は従来の低圧配電装置を示し、第７図は
平面図、第８図は正面図、第９図は側面図、第10図は単
線系統図、第11図は第６図に対応する単線系統図であ
る。 (1)……配電用変圧器、(2)……１次ブッシング、(3)…
…２次ブッシング、(6)……放熱器、(10)……低圧盤、
(12)……配線用遮断器、(22)……ヒューズ付高圧交流負
荷開閉器、(27)……収納箱。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｈ０２Ｂ 5/04 Ｚ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】配電用変圧器と、該変圧器の長辺側の一方
の側面に一体に設けられ前記変圧器の１次側が接続され
るヒユーズ付高圧交流負荷開閉器を収容した収納箱と、
前記変圧器の短辺側の一方の側面に一体に設けられ該変
圧器の２次側に接続される複数個の配線用遮断器を収納
した低圧盤と、前記変圧器の長辺側の他方の側面に取り
付けられた放熱器とを備えてなる低圧配電装置。