JPH0624991Y2

JPH0624991Y2 - ガス絶縁変成器

Info

Publication number: JPH0624991Y2
Application number: JP1970288U
Authority: JP
Inventors: 直輝越智
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1988-02-16
Filing date: 1988-02-16
Publication date: 1994-06-29
Anticipated expiration: 2003-02-16
Also published as: JPH01123318U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は密封容器内に収納され絶縁媒体としてＳＦ_６
ガスが充填された変成器の巻線部の絶縁及び電界緩和シ
ールド構造に関するものである。

〔従来の技術〕従来、この種の変成器は多くのものが接地形、つまり高
圧巻線の片端は高電圧の線路に接続され、他端は接地さ
れている構造のものが多く使われていた。従来例の変成
器を第３図に示す。

第３図(a)は変成器本体の構造図であり、(b)は結線図で
ある。

図において鉄心(1)に巻回された低圧巻線(2)に絶縁物
(4)を介して高圧巻線(3)が巻回され、高圧巻線(3)の外
周に電界緩和シールド(5)が装着されており、電界緩和
シールド(5)の外周面には絶縁スペーサ(6)により支持さ
れた高圧接続導体(7)が取り付けられ、鉄心(1)等の接地
側は電界緩和シールド(8)で覆れ、これらが絶縁ガス(9)
を封入した密封容器(10)に収納されて変成器本体(100)
を構成している。

尚接地側電界緩和シールド(8)は巻線と容器間の絶縁破
壊を防止するために設けられ、また高圧巻線(3)の最内
層巻線端は結線図第３図(b)に示される様に接地リード
(25)を介して接地されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来、ガス絶縁変成器は多くのものが接地形であつた
が、近年の変電所設備における難燃化対策に伴ない、従
来油入りで構成されていた非接地形変成器に取り替り不
燃性であるガスを使用した非接地形のガス絶縁変成器の
要求が高まってきた。特に電力需給用変成器においては
難燃化の要求が強く、これに内蔵の計器用変圧器が非接
地形のため、非接地形のガス絶縁変成器が必要となって
くる。

非設地形変成器は第４図に示すように、高圧巻線の両端
が高電圧の線路に接続されるので、第３図(a)の如く高
圧巻線が１群の従来構造では装置が大化型となりコスト
高となる。

そこで油入り変成器を例とした第５図(a)に示すような
高圧巻線を(3)と(31)の２群に分け、高圧巻線の一端が
高圧接続導体(7)を介して外部線路に接続され、もう１
端が高圧接続導体(71)を介して外部線路に接続される構
造にする必要がある。(21)は鉄心(1)に施された低圧巻
線(2)の対地絶縁であり、(51)は電界緩和シールドであ
る。

なお第１図と同一符号の他の構成は第１図と同じもので
ある。

こゝで高圧巻線(3)と(31)との電気的接続は、第５図(b)
に示すように、高圧巻線最内層巻線端(22)及び(23)の間
を接続リード(20)によつて行われている第５図(a)に示
すようなこの種の非接地形変成器の耐電圧特性は、高圧
巻線(3)(31)の線路側端子つまり接続導体(7)(71)側を一
括とし、低圧巻線(2)との間に衝撃電圧または商用周波
の試験電圧を加えた場合にも所定電圧値に耐える必要が
あるが次のような問題がある。

即ち、第５図(c)に上記電圧を印加した場合の巻線端部
付近の等電位線図を示す。破線で示される等電位線(16)
は鉄心(1)等によつて歪曲に傾き、巻線端部での等電位
線間隔がせまくなり、電位傾斜が高くなることから高圧
巻線(3)，(31)と低圧巻線(2)との間の絶縁物(4)の厚さ
及び長さを大きくする必要がある。

このことは、高圧巻線と低圧巻線間のカツプリングを悪
くし、高圧巻線と低圧巻線間の漏洩インダクタンスが大
となり、変成器精度を許容値内に入れるためには、鉄心
断面積を大きくし、かつ高圧巻線(3)，(31)及び低圧巻
線(2)の断面積を大きくしなければならず、絶縁物(4)の
厚さ方向の寸法が大きくなることも加わり、変成器全体
の寸法が大きくなつてしまうという欠点がある。また、
欠点を補うために第６図に示す様に高圧巻線(3)，(31)
と絶縁物(4)との間に高圧巻線(3)の最内層巻線と電気的
に接続された電界緩和シールド(19a)と高圧巻線(31)の
最内層巻線と電気的に接続された電界緩和シールド(19
b)を挿入し、巻線端部への電界集中を避ける方法があ
る。この場合には高圧巻線(3)と(31)との電気接続を電
界緩和シールド(19a)と(19b)を接続リード(20)により接
続する必要がある。

即ち、第６図において、高圧巻線(3)の最内層線端(23)
を電界緩和シールド(19a)に個所(イ)にてハンダ付け等で
接続、以下同様に高圧巻線(31)の最内層線端(22)を電界
緩和シールド(19b)に個所(ロ)にて、電界緩和シールド(1
9a),(19b)の個所(ハ)(ニ)にて接続リード(20)の接続を行
う。

しかしながらこの方法は接続箇所が多く接続リード(20)
が円周上に限定された個所に配設されるため内部の電界
を乱すことのないように細い電線が使用されているため
に、鉄心の励磁振動等により長期間の使用中には断線し
てしまうおそれがあり、またこの細い電線上に高圧用絶
縁（図示していない）を施す等の工作性や信頼性の面で
劣るものとなる。

この考案は上記の様な鉄心側高圧巻線端部への電界集中
及び高圧巻線間の接続箇所増大という問題点を解消する
ためになされたもので、高圧巻線(3)，(31)と低圧巻線
(2)の間に介在する絶縁物(4)の厚みを薄くさせると共
に、高圧巻線(3)，(31)と低圧巻線(2)との間の漏洩イン
ダクタンスを小さくさせ鉄心(1)の断面積や、高圧巻線
(3)，(31)及び低圧巻線(2)の断面積を小さくして全体寸
法の小なる、しかも高圧巻線間の接続箇所の少ない信頼
性の高い非接地形ガス絶縁変成器を提供することをその
目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係るガス絶縁変成器は、鉄心と同心状に巻装
された低圧巻線上に２群に分けて配置、巻装された高圧
巻線を有し、低圧巻線と高圧巻線の間に２群の高圧巻線
に跨るよう配設され、両端が高圧巻線の両端部より突出
し、２群の高圧巻線の最内層線端に電気的に接続され２
群の高圧巻線間の導電路を兼ねた電界緩和シールドを設
けたものである。

〔作用〕

この考案によるガス絶縁変成器は、２群の高圧巻線間を
導電路を兼ねた電界緩和シールドにより接続し、高圧巻
線を低圧巻線及び、鉄心との間の電界を緩和させ、高圧
巻線と低圧巻線間の絶縁物の厚さをうすくし変成器を小
形化すると共に、高圧巻線間の接続個所を減少させ、機
械的強度大で信頼性の高い非接地形ガス絶縁変成器を提
供する。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例を第１図，第２図について説明
する。

第１図(a)は変成器本体構造図で、(b)は巻線端部付近の
等電位線図であり、第２図は巻線部の絶縁及び電界緩和
シールド構造を示す図である。図において、(17)は高圧
巻線(3)(31)と低圧巻線(2)との間に設けられ鉄心(1)等
との電位傾斜を低くする電界緩和シールドで両端が高圧
巻線の両端部より突出し、高圧巻線(3)(31)の間に跨る
ように配置されている。

この電界緩和シールド(17)は銅板等よりなる略円筒形を
なし、高圧巻線(3)の最内層巻線端(23)と個所(イ)にて、
また高圧巻線(31)の最内層巻線端(22)と個所(ロ)にてそ
れぞれハンダ付け等により接続され、高圧巻線(3)(31)
間の電気的な導電路を為している。

この電界緩和シールド(17)の長さ及び端部の形状は、高
圧巻線(3)(31)と低圧巻線(2)や鉄心(1)及び接地側電界
緩和シールド(8)との間の電界或いは、高圧巻線(3)，(3
1)のそれぞれの巻回間端部の電界が最適となるように選
定されている。

尚その他の構成部品は、いずれも従来構造と同等であ
る。

この考案の変成器の電界緩和シールドは上記のように構
成されているので、第１図(b)の破線で示す等電位線(1
6)が、ほぼ平行となり、高圧巻線(3)(31)と低圧巻線(2)
或いは鉄心(1)との間の電界が緩和され、その結果絶縁
物(4)を導くすることが出来ると共に漏洩インダクタン
スが小さくなり変成器を小型化可能となる。

また、高圧巻線間の電気的接続を銅板等よりなる円筒状
の電界緩和シールド(17)で兼用するので接続個所が減少
し工作性や、絶縁性が良く動作中の振動等に対しても機
械的強度が大で信頼性が高くなる。

また更に、高圧巻線(3)，(31)の巻回間端部の電界も緩
和させることが出来るため、高圧巻線(3)，(31)の層数
を減らし、高圧巻線(3)(31)を小型に出来るという効果
を合せ有している。

また、上記の実施例では高圧巻線が２群に分けられてい
る場合を示したが、２群以上に分割された巻線に設けて
もよい。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば鉄心と同心状に巻装さ
れた低圧巻線の外周で且つ複数個群に分配された高圧巻
線と低圧巻線との間に設けられ、高圧巻線の最内層線端
に接続され導電路路を兼ねた電界緩和シールドを設けた
ので、高圧巻線端付近の電界が緩和され高圧巻線と低圧
巻線間の絶縁を薄く出来、かつ機械的強度大で全体寸法
の小さい信頼性の高い非接地形ガス絶縁変成器が得られ
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図(a)はこの考案の一実施例によるガス絶縁変成器
を示す構造図で、(b)は巻線端部付近の等電位線であ
る。第２図はこの考案の巻線部の絶縁及び電界緩和シールド
構造を示す図である。第３図(a)は従来のガス変成器構造図(b)はその結線図、
第４図は非接地形変成器の結線図、第５図(a)は従来の
変成器構造図、(b)は高圧巻線間接続図、(c)は巻線端部
付近の等電位線図である。第６図はこの考案の前提となる構成図である。 (1)は鉄心、(2)は低圧巻線、(3)，(31)は高圧巻線、(4)
は絶縁物、(17)は電界緩和シールドである。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】密封容器に収納され絶縁性ガスを充填した
変成器において、鉄心と同心状に巻装された低圧巻線
と、この低圧巻線の外周に複数個群に分配し巻装された
高圧巻線と、上記低圧巻線と上記高圧巻線の間に複数個
の高圧巻線に跨るよう配設され、両端が上記高圧巻線の
両端部より突出し、且つ上記複数個群の高圧巻線の最内
層線端に接続されると共に上記高圧巻線間の導電路を兼
ねた電界緩和シールドを備えたガス絶縁変成器。