JPH06249813A - 結露センサ - Google Patents

結露センサ

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JPH06249813A
JPH06249813A JP3835493A JP3835493A JPH06249813A JP H06249813 A JPH06249813 A JP H06249813A JP 3835493 A JP3835493 A JP 3835493A JP 3835493 A JP3835493 A JP 3835493A JP H06249813 A JPH06249813 A JP H06249813A
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dew condensation
sensor
condensation sensor
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carbon black
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Motohide Takechi
元秀 武市
Yuji Kouchi
裕治 古内
Takashi Kayama
俊 香山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で結露−乾燥サイクル特性が良好な結
露センサを得ることを目的とする。 【構成】 一対の電極間に、吸湿性有機物質に導電粉を
分散してなる感湿膜1を設けた結露センサにおいて、こ
の吸湿性有機物質としてケン化度60〜95%のポリビ
ニルアルコール、この導電粉として比表面積80〜80
0m2 /gのカーボンブラックを用い、この感湿膜1の
厚みを5.0μm以下とした結露センサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば携帯用ビデオデ
ッキあるいはビデオカメラなどの回転ドラムの結露を感
知するのに適用して好適な結露センサに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
携帯用ビデオデッキあるいはビデオカメラなどには、そ
れらが用いられる雰囲気下における急激な温度変化によ
るドラム部の結露に起因するビデオテープの貼り付き防
止のため、結露センサが装着されている。この結露セン
サは、ドラム部(主に下ドラム)に直接貼り付けて、ド
ラム部の結露を感知することが理想である。
【0003】しかしながら、通常メカデッキの組立都合
などによりシャーシに貼り付けられていることが多い。
このため、セットの実装形態次第では、ドラム表面が結
露してもセンサの抵抗値が上がりきらず結露を検知出来
ないことがある。
【0004】そこで、ドラム部に直接貼り付けることな
く、ドラムの結露を感知し得る高感度な結露センサの開
発が望まれていた。
【0005】また、吸湿性有機物質に導電粉を分散して
なる感湿膜によって形成される結露センサは、特開昭5
8−99740、特開昭59−170755、特開昭6
0−250241、特開昭62−21052などによっ
て公知であり、特に、ポリビニルアルコール(PVA)
と導電粉の組み合わせは、特開昭62−21052に明
記されているが、高感度で結露−乾燥サイクル特性に優
れた結露センサを得るためには不十分なものであった。
【0006】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、高感度で結露−乾燥サイクル特性が良好な
結露センサを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の結露センサは、
例えば図1に示すように、一対の電極間に、吸湿性有機
物質に導電粉を分散してなる感湿膜1を設けた結露セン
サにおいて、この吸湿性有機物質としてケン化度60〜
95%のポリビニルアルコール(PVA)、この導電粉
として比表面積80〜800m2 /gのカーボンブラッ
クを用い、この感湿膜1の厚みを5.0μm以下とした
ものである。
【0008】
【作用】本発明の結露センサによれば、吸湿性有機物質
としてケン化度60〜95%のポリビニルアルコール
(PVA)、導電粉として比表面積80〜800m2
gのカーボンブラックを用い、感湿膜1の厚みを5.0
μm以下とすることにより、ビデオデッキ、ビデオカメ
ラなどに装着する場合、結露センサをドラム部に直接貼
り付けることなく、また、セットの実装形態にかかわら
ず、ドラムの結露を感知できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明結露センサの一実施例について
図1及び図2を参照しながら説明しよう。
【0010】本例の結露センサは以下の方法により作製
した。まず、90℃に温めたイオン交換水にポリビニル
アルコール(PVA)を溶解し、冷却後、固形分を調整
し、15重量%PVA水溶液を得た。
【0011】次ぎに、この水溶液にカーボンブラックを
所定量配合するとともに、分散時及び感湿膜形成時の消
泡の為、消泡剤(日信化学工業社製、サフィノール42
0)を全量に対して1.5重量%添加した。次ぎに、こ
れをサンドグラインダー(アイメックス社製)により、
2000rpmx8hr分散し、感湿膜用インクを得
た。
【0012】次ぎに、このインクを、あらかじめフレキ
シブルプリント基板(FPC)上に形成された一対のく
し型電極にまたがって、スクリーン印刷法により印刷
し、120℃熱風循環式オープン中で30分乾燥した
後、結露センサを得た(図1参照)。
【0013】ここで、感湿膜の厚みとは、スクリーン印
刷時のスキージ圧を調整することにより、変更し、種々
厚みのものを得た。
【0014】このようにして作製した結露センサについ
て、その特性を評価したのが表1である。
【0015】
【表1】
【0016】ここで、初期抵抗値は、結露センサの抵抗
値を25℃、60%RH雰囲気下で、デジタルマルチメ
ータ(アドバンテスト社製)を用いて測定した値であ
る。
【0017】この測定の後に、センサ部が中心になるよ
うに2cmx2cmx0.2cmのアルミ板を裏面より
両面粘着テープで貼り付け、−5℃の低温そうに30分
以上放置後、25℃、60%RH雰囲気下に戻し、結露
による抵抗上昇過程で、100kΩを越える時間を感度
とした。
【0018】次いで、最大抵抗値と最大抵抗値に到達す
る時間を測定した。また、再乾燥後の抵抗値は、同状態
で1時間後に測定した。
【0019】これらの試験結果より、比較例1、2で
は、PVAのケン化度(それぞれ35%、100%)か
ら樹脂そのものの吸湿性が小さくなり、結露時の抵抗上
昇が小さくなっていることがわかる。
【0020】さらに、比較例3では、カーボンブラック
の比表面積が小さく、カーボンブラックそのものの導電
性が小さいため、初期抵抗値が高くなっている。
【0021】比較例4では、カ−ボンブラックの比表面
積が大きすぎるため、再乾燥時の抵抗が初期抵抗値の2
0倍近い値となっている。
【0022】ここで、比較例4と実施例4の結露サイク
ル試験結果を図2に示す。(なお、結露サイクル試験
は、室温にて超音波加湿器を用いて行い、センサ部を3
分間加湿した後、57分間放置することを1サイクルと
した。)これより、比表面積の大きなカーボンブラック
は、結露サイクル性に劣ることがわかる。
【0023】比較例5、6では、結露センサの感湿膜の
厚みを厚くしたが、明らかにセンサ感度が落ちているこ
とがわかる。また、センサ感度については、感湿膜の厚
みが薄いほど有効であると思われるが、本例の検討に用
いたスクリーン印刷用の板では、実施例1で記載した膜
厚1.2μmが最小であり、さらに、スクリーン印刷条
件を検討することで、厚みを薄くすることも可能であ
る。検討に用いたスクリーン印刷用板の詳細を表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例1〜実施例6の結果からわかるよう
に、吸湿性有機物質に導電粉を分散してなる感湿膜によ
って形成される結露センサにおいて、吸湿性有機物質に
ケン化度60〜95%のPVAを用い、導電粉として比
表面積80〜800m2 /gのカーボンブラックを用い
て、これら成分によって形成される感湿膜の厚みを5.
0μm以下とすることで、結露サイクル性に優れた高感
度結露センサを得られることがわかる。
【0026】次に、本例による結露センサの実施例4、
5と比較例5を実際のメカデッキに実装して結露試験を
行った結果を示す。実装に当たっては、それぞれのセン
サについて、ドラム部に直接貼り付けたものと、回路基
板上に貼り付けたもの2タイプを用意し、それらを最終
製品形態に組み上げたものを−5℃の低温そうに2時間
放置した後、25℃、60%RH雰囲気に戻し、結露を
感知するまでの時間を測定した。なお、結露の感知は、
センサの抵抗値が100kΩ以上となった点とした。
【0027】この結果、ドラム部に直接張り付けた場
合、結露感知時間は比較例5、実施例3、及び実施例4
ともに同じ値であった。回路基板上に貼り付けた場合、
実施例3及び実施例4はドラムに直接貼り付け他場合と
同じ値であったのに対して、比較例5は感知するまでに
達しなかった。
【0028】このことから、本例による結露センサは、
ドラム部に直接貼り付けることなく、ドラム部の結露を
感知することが可能であることがわかる。
【0029】以上説明したように、吸湿性有機物質に導
電粉を分散してなる感湿膜を持った本例の結露センサ
は、低湿度状態では、低抵抗であるが、湿度が上昇する
と、吸湿性有機物質の吸湿膨張により、導電粉の体積含
有率が減少し、抵抗が上昇する。
【0030】本例の結露センサは、吸湿性有機物質とし
てケン化度60〜95%のPVAを用いることを特徴と
する。吸湿性有機物質としては、PVA以外にも、セル
ロース、ポリビニルピロリドンなどが上げられるが、こ
れらは、水に良く溶けるので、感湿膜として用いた場
合、結露時には、水溶液となり、もはや感湿膜を保持す
ることができなくなる。また、PVAについては、ケン
化度が60〜95%が望ましく、ケン化度60%以下の
ものでは、分子内の水酸基が少ないため、吸湿性が低下
して、結露センサとして結露時の抵抗上昇が小さく、使
用できない。さらに、ケン化度が95%を越えると、分
子内の水酸基の会合により、結晶化度が高くなり、その
結果、吸湿性が低下し、ケン化度60%以下の場合と同
様の結果となる。
【0031】また、導電粉としては、比表面積80〜8
00m2 /gのカーボンブラックを用いることが望まし
く、比表面積が80m2 /g以下のカーボンブラックで
は、導電性が小さく、低湿度下においても高い抵抗値を
示し、実質上、使用に問題があり、抵抗を小さくするた
め配合量を増すと、感湿膜形成時の作業性が極端に低下
する。なお、感湿膜形成時の作業性を確保するために
は、カ−ボンブラックの配合量をPVAに対して70P
HR以下にすることが望ましい。
【0032】さらに、比表面積が800m2 /g以上に
なると、一度、結露した後乾燥させても、初期の抵抗値
まで抵抗が下がらず、結露−乾燥サイクル特性に問題を
生じる。これは、比表面積の大きなカーボンブラックの
表面エネルギーが大きいため、結露時に分散しているカ
ーボンブラックが再凝集するためと思われる。
【0033】本例により結露センサは、上記組成により
構成される感湿膜を、くし型電極上に厚さ5.0μm以
下の厚みで形成することにより得ることが可能となる。
これは感湿膜の厚みが5.0μmを越えると、結露セン
サとしての感度が極端に低下するためで、実装上、デッ
キドラム部に直接センサを貼り付けなければ、結露を感
知することができなくなるからである。
【0034】以上のことから、本例によれば、高感度な
結露センサを用いることにより、ビデオデッキ、ビデオ
カメラなどに装着する結露センサをドラム部に直接貼り
付けることなく、また、セットの実装形態にかかわら
ず、ドラムの結露を感知できるとともに、それらの製造
工程上ラインを自動化できるなど、生産性の向上につな
がる。ケン化度60〜95%のPVAに、比表面積80
〜800m2 /gのカーボンブラックを分散してなる感
湿膜の厚みを5.0μm以下とすることで、結露に対す
る応答速度を従来より大幅に短縮することができ、ま
た、結露−乾燥サイクル特性が良好な結露センサを得る
ことができる。
【0035】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高感度な結露センサが得られるので、ビデオデッキ、ビ
デオカメラなどに装着する結露センサをドラム部に直接
貼り付けることなく、また、セットの実装形態にかかわ
らず、ドラムの結露を感知できるとともに、それらの製
造工程上ラインを自動化できるなど、生産性の向上につ
ながる。また、結露に対する応答速度を従来より大幅に
短縮することができ、また、結露−乾燥サイクル特性が
良好な結露センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明結露センサの一実施例を示す構成図であ
る。
【図2】結露サイクル試験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 感湿膜 2 くし型電極 3 FPC
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】次に、この水溶液にカーボンブラックを所
定量配合するとともに、分散時及び感湿膜形成時の消泡
の為、消泡剤(日信化学工業社製、サフィノール42
0)を全量に対して1.5重量%添加した。次に、これ
をサンドグラインダー(アイメックス社製)により、2
000rpmx8hr分散し、感湿膜用インクを得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】次に、このインクを、あらかじめフレキシ
ブルプリント基板(FPC)上に形成された一対のくし
型電極にまたがって、スクリーン印刷法により印刷し、
160℃熱風循環式オープン中で30分乾燥した後、結
露センサを得た(図1参照)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】ここで、感湿膜の厚みは、スクリーン印刷
時のスキージ圧を調整することにより、変更し、種々厚
みのものを得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】この測定の後に、センサ部が中心になるよ
うに2cmx2cmx0.2cmのアルミ板を裏面より
両面粘着テープで貼り付け、−5℃の低温に30分以
上放置後、25℃、60%RH雰囲気下に戻し、結露に
よる抵抗上昇過程で、100kΩを越える時間を感度と
した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】比較例5、6では、結露センサの感湿膜の
厚みを厚くしたが、明らかにセンサ感度が落ちているこ
とがわかる。また、センサ感度については、感湿膜の厚
みが薄いほど有効であると思われるが、本例の検討に用
いたスクリーン印刷用のでは、実施例1で記載した膜
厚1.2μmが最小であり、さらに、スクリーン印刷条
件を検討することで、厚みを薄くすることも可能であ
る。検討に用いたスクリーン印刷用の詳細を表2に示
す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、本例による結露センサの実施例3、
と比較例5を実際のメカデッキに実装して結露試験を
行った結果を示す。実装に当たっては、それぞれのセン
サについて、ドラム部に直接貼り付けたものと、回路基
板上に貼り付けたもの2タイプを用意し、それらを最終
製品形態に組み上げたものを−5℃の低温に2時間放
置した後、25℃、60%RH雰囲気に戻し、結露を感
知するまでの時間を測定した。なお、結露の感知は、セ
ンサの抵抗値が100kΩ以上となった点とした。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に、吸湿性有機物質に導電
    粉を分散してなる感湿膜を設けた結露センサにおいて、 上記吸湿性有機物質としてケン化度60〜95%のポリ
    ビニルアルコール(PVA)、 上記導電粉として比表面積80〜800m2 /gのカー
    ボンブラックを用い、 上記感湿膜の厚みを5.0μm以下としたことを特徴と
    する結露センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005227304A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Dainippon Printing Co Ltd 情報表示装置およびそれに用いる情報表示媒体
CN104569059A (zh) * 2015-01-04 2015-04-29 四川惠谷农业科技有限公司 一种用于气雾培的根系湿度传感器
CN109085204A (zh) * 2018-08-22 2018-12-25 成都信息工程大学 一种透明柔性湿度传感器及其制备方法

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CN109085204B (zh) * 2018-08-22 2023-10-17 成都信息工程大学 一种透明柔性湿度传感器及其制备方法

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