JPH06249236A - 空気動圧軸受 - Google Patents

空気動圧軸受

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JPH06249236A
JPH06249236A JP3842393A JP3842393A JPH06249236A JP H06249236 A JPH06249236 A JP H06249236A JP 3842393 A JP3842393 A JP 3842393A JP 3842393 A JP3842393 A JP 3842393A JP H06249236 A JPH06249236 A JP H06249236A
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Masakazu Uesugi
正和 上杉
Shotaro Mizobuchi
庄太郎 溝渕
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Abstract

(57)【要約】 【目的】剛性及び負荷容量が高く、使用用途に制限され
ることなく各種軸受部に適用可能な空気動圧軸受を提供
すると共に、軸受の発熱による軸受クリアランスの変動
を抑え、高い剛性及び負荷容量を確保することが可能な
空気動圧軸受を提供することにある。 【構成】回転軸1を支承するラジアル空気動圧軸受3及
び一対のスラスト空気動圧軸受4,4を備え、上記ラジ
アル空気動圧軸受3の両端にスラスト空気動圧軸受4を
配設してこれら空気動圧軸受3,4の軸受クリアランス
を連通連結させると共に、上記スラスト空気動圧軸受3
にはポンプイン型のスパイラル状溝を形成し、作動流体
である空気をスラスト空気動圧軸受3からラジアル空気
動圧軸受4へ押し込むように構成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気の動圧を利用して
回転軸を支承する空気動圧軸受に係り、詳細には、当該
軸受の負荷容量及び剛性を高めるための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】空気の潤滑膜によって回転軸を非接触に
支承する空気軸受は、空気に付加する圧力をコンプレッ
サ等の加圧機によって与える静圧型と、加圧機を使用せ
ずに軸の回転によってこれを得る動圧型とに分類され
る。後者の動圧型すなわち空気動圧軸受は加圧機が必要
ないので、その分だけ前者の静圧型に比べて機器構成を
簡略化でき、メインテナンスも容易であるといった利点
を備えている。また、加圧機が必要ないので、騒音や振
動の発生がないといった利点を備えている。
【0003】しかし、動圧型は軸の回転によって空気に
圧力を付加しているので、静圧型に比較して負荷容量及
び剛性が低く、また変動荷重及び衝撃荷重に弱いといっ
た欠点を有している。このため、従来の空気動圧軸受は
その使用用途が軽荷重で負荷変動の少ない軸受部、例え
ばレーザープリンタのポリゴンミラー等に限られてお
り、高い剛性と負荷容量が要求される軸受部、例えば工
作機械のスピンドル等については静圧型のものを使用せ
ざるを得なかった。
【0004】空気動圧軸受の負荷容量及び剛性を向上さ
せるためには、空気潤滑膜の発生する軸受クリアランス
を小さくして空気に付加する圧力を高めれば良いのであ
るが、軸が回転すると空気に剪断摩擦熱が発生し、この
剪断摩擦熱によって軸受材料が膨張するので、この膨張
分を見込んで軸受クリアランスを設定する必要があり、
軸受クリアランスを小さく設計することには限界があっ
た。
【0005】また、従来では熱膨張による軸受クリアラ
ンスの変動を抑える目的で、セラミクスを軸受材料に使
用した空気動圧軸受も提案されているが、その負荷容量
及び剛性は未だに十分とは言えず、やはり高い剛性と負
荷容量が要求される軸受部に使用することはできなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の空
気動圧軸受は静圧軸受に比較して優れた点を備えてはい
るものの、剛性及び負荷容量が低いために使用用途が著
しく制限され、各種軸受部への適用の妨げとなってい
た。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、剛性及び負荷容
量が高く、使用用途に制限されることなく各種軸受部に
適用可能な空気動圧軸受を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、軸受の発熱に
よる軸受クリアランスの変動を抑え、高い剛性及び負荷
容量を確保することが可能な空気動圧軸受を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の空気動圧軸受は、回転軸を支承するラジア
ル空気動圧軸受及び一対のスラスト空気動圧軸受を備
え、上記ラジアル空気動圧軸受の両端にスラスト空気動
圧軸受を配設してこれら空気動圧軸受の軸受クリアラン
スを連通連結させると共に、上記スラスト空気動圧軸受
にはポンプイン型のスパイラル状溝を形成し、作動流体
である空気をスラスト空気動圧軸受からラジアル空気動
圧軸受へ押し込むように構成したことを特徴とするもの
である。
【0010】また、このような技術的手段においては、
上記ラジアル空気動圧軸受から吐出された作動流体を上
記スラスト空気動圧軸受に循環させる流体通路を設ける
のが好ましく、更にはこの流体通路の途中に作動流体の
冷却手段を設けるのが好ましい。
【0011】更に、このような技術的手段においては、
上記スラスト空気動圧軸受のポンプイン型スパイラル状
溝の外周側にポンプアウト型のスパイラル状溝を形成
し、作動流体がこれらスパイラル状溝の境界部で当該軸
受に供給されるように構成することが好ましい。
【0012】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。請求項
1記載の空気動圧軸受によれば、ポンプイン型のスパイ
ラル状溝を備えた一対のスラスト空気動圧軸受をラジア
ル空気動圧軸受の両側に配設し、作動流体である空気を
スラスト空気動圧軸受からラジアル空気動圧軸受へ押し
込むように構成しているので、軸受内における空気の循
環量が増加し、空気に付加する圧力を高めることができ
る。その結果、空気動圧軸受の負荷容量及び剛性が向上
する。
【0013】また、請求項2記載の空気動圧軸受によれ
ば、ラジアル空気動圧軸受から吐出した作動流体をスラ
スト空気動圧軸受に循環させる流体通路を設けているの
で、剪断摩擦熱によって高温となった作動流体が軸受内
に滞留することがなく、軸受の冷却効果が促進される。
このため、軸受の発熱による軸受クリアランスの変動を
抑えてこれを無視することができ、その分だけ軸受クリ
アランスを小さく設定できる。その結果、空気動圧軸受
の負荷容量及び剛性が一段と向上する。
【0014】また、請求項3記載の空気動圧軸受によれ
ば、上記流体通路の途中に作動流体の冷却手段を設けて
いるので、軸受には常に除熱された作動流体が供給され
るので、請求項2記載の空気動圧軸受の作用が更に顕著
に引き出される。
【0015】更に、請求項4記載の空気動圧軸受によれ
ば、スラスト空気動圧軸受のポンプイン型のスパイラル
状溝の外周側にポンプアウト型のスパイラル状溝を形成
し、これらスパイラル状溝の境界部で作動流体が当該軸
受に供給されるように構成したので、スラスト空気動圧
軸受に供給された作動流体の一部はポンプイン型スパイ
ラル状溝によってラジアル空気動圧軸受に押し込まれる
一方、残りの作動流体はポンプアウト型スパイラル状溝
によってスラスト空気動圧軸受の外周に吐出される。こ
のため、作動流体である空気はスラスト空気動圧軸受の
外周側から当該軸受に吸い込まれることがなく、軸受内
を循環する空気はスパイラル状溝の境界部に供給される
分のみとなるので、軸受内に吸い込まれる空気の温度制
御及び清浄化を容易に行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の空気動圧
軸受を詳細に説明する。図1は本発明を適用した工作機
械用スピンドルの一実施例を示すものである。この実施
例のスピンドルは主軸1を駆動するモータが一体に組み
込まれたビルトインタイプであり、主軸1の回転を支承
する軸受部10と、この軸受部10に固定されたモータ
部20とから構成されている。
【0017】先ず、上記軸受部10は、軸端に工具ある
いは工作物(図示せず)が固定される主軸1と、この主
軸1をハウジング2に対して回転自在に支承するラジア
ル空気動圧軸受(以下、ラジアル軸受)3及び一対のス
ラスト空気動圧軸受(以下、スラスト軸受)4,4とか
ら構成されている。
【0018】上記ラジアル軸受3は上記主軸1に接着接
合された内輪31と、この内輪31と所定の軸受クリア
ランスを保持して上記ハウジング2に焼き嵌めされた外
輪32とから構成されている。上記内輪31の周面に
は、図2に示すような二重のヘーリング・ボーン状パタ
ーンを有する動圧発生用溝33,33が形成されてお
り、その溝深さは10μm、溝本数は15本、主軸回転
方向(矢線A方向)に対する溝角度β=30°である。
従って、この内輪31が主軸1と共に矢線A方向へ回転
すると、作動流体である空気は内輪31の軸方向両端及
びヘーリングボーン状溝33,33の境界部(矢線C位
置)から各ヘーリング・ボーン状溝33の中央部(矢線
D位置)へ流動し、この位置で高い動圧が発生する。
【0019】また、上記一対のスラスト軸受4,4は上
記ラジアル軸受3の内輪31を挟み込むようにして上記
主軸1に嵌め合い接合され、押さえ板11,12及び止
めねじ13,14によってラジアル軸受3の内輪31に
押し当てられている。各スラスト軸受4のラジアル軸受
3側の表面にはスパイラル状パターンを有する動圧発生
用溝41が形成されている。図3はこの動圧発生用溝4
1のパターンを示すものであり、内周側にはポンプイン
型スパイラル状溝42が形成される一方、外周側にはポ
ンプアウト型スパイラル状溝43が形成されている。従
って、スラスト軸受4が主軸1と共に矢線B方向へ回転
すると、ポンプイン型スパイラル状溝42が作動流体で
ある空気を内周方向へ吸い込む一方、ポンプアウト型ス
パイラル状溝43は空気を外周方向へ吐出する。各スパ
イラル状溝42,43は深さ15μm、溝本数30本、
円周方向に対する溝角度α=16°である。また、図3
中に示されたR0=20mm、Rm=35mm、R1=4
2mm、R2=44mm、R 3=45mmである。
【0020】ラジアル軸受3の外輪32はその軸方向の
長さが内輪31のそれよりも5〜20μm短く形成され
ており、これによって上記外輪32の端面とスラスト軸
受4との間に所定の軸受クリアランスが保持されるよう
になっている。5μm以下では各スラスト軸受4の軸受
クリアランスが2.5μm以下となるので、外輪32の
端面のうねりや平面度がスラスト軸受4の性能に大きく
影響を及ぼす他、作動流体である空気には多量の剪断摩
擦熱が発生してしまう。また、20μm以上では、各ス
ラスト軸受4の軸受クリアランスが10μm以上となる
ので、スラスト軸受4の負荷容量及び剛性が低くなり、
機械工作用のスピンドルとしては不適当である。それ
故、本実施例ではこの値を10μmに設定した。
【0021】上記ラジアル軸受の内外輪31,32及び
スラスト軸受4にはアルミナ焼結体のセラミクス材を用
い、上記ヘーリングボーン状溝33及びスパイラル状溝
41の加工はショット・ブラスト、砥粒液中での超音波
加工、レーザー等で容易に行うことができる。本実施例
では、内輪31あるいはスラスト軸受4の溝加工面に樹
脂製マスクを貼り付け、350メッシュのAl23砥粒
を用いたショットブラストにより行った。溝深さは軸受
クリアランスによって適切な深さが決まるが、今回は内
輪31のヘーリングボーン状溝33の深さを10μm、
スラスト軸受4のスパイラル状溝41の深さを15μm
とした。
【0022】また、上記ラジアル軸受3の外輪32の外
周面には円周方向に沿ってリング状溝34が形成されて
おり、このリング状溝34内の雰囲気はハウジング2に
穿設された吸気口21によって外気と連通連結されてい
る。この吸気口にはハウジング2内に吸い込んだ外気か
ら塵芥や湿分を取り除くフィルター22が装着されてい
る。更に、上記外輪32には上記リング状溝34と各ス
ラスト軸受4,4の軸受クリアランスとを連通連結する
流体供給通路35が軸方向に貫通する一方、上記リング
状溝34とラジアル軸受3の軸受クリアランスとを連通
連結する流体供給通路36が半径方向に貫通している。
上記流体供給通路35のスラスト軸受4側の開口は、ス
ラスト軸受4に形成されたポンプイン型スパイラル状溝
42とポンプアウト型スパイラル状溝43の境界部に対
向している。また、上記流体供給通路36のラジアル軸
受3側の開口は二重に形成されたヘーリングボーン状溝
33,33の境界部、すなわち図2に示す矢線Cの位置
に対向している。そして、これらの流体供給通路35,
36は外輪32の円周方向に沿って120°の等間隔で
3箇所に形成されている。
【0023】更に、上記外輪32には上記リング状溝3
4とラジアル軸受3の軸受クリアランスとを連通連結す
る流体排出通路37が形成されている。この流体排出通
路37は主軸1を挟んで上記流体供給通路35,36の
形成位置と対向する位置に形成されている。そして、こ
の流体排出通路37のラジアル軸受3側の開口は各ヘー
リングボーン状溝33の中央部、すなわち図2に示す矢
線Dの位置に対向している。
【0024】次に、上記モータ部20について説明する
と、符号23は押さえ板12を介して主軸1と結合され
たロータ、符号24はモータハウジング25に固定され
たステータであり、上記モータハウジング25は軸受部
20のハウジング2に固定されている。また、上記ステ
ータ24とモータハウジング25との間にはウォーター
ジャケット26が配設され、冷却水27によって上記ス
テータ24の過熱を防止している。更に、符号28はロ
ータリーエンコーダであり、ロータ23の回転数すなわ
ち主軸1の回転数を検出するように構成されている。そ
して、このように構成されたモータ部20はカバー29
によって覆われている。
【0025】また、図1中において、符号50は主軸1
側の押さえ板12に固定されたマグネット、符号51は
ハウジング2側に固定されたマグネット51であり、こ
れらマグネットの反発力によって主軸を軸方向に浮上支
持するように構成されている。これにより空気動圧の発
生が不十分な起動時及び停止時においても、スラスト軸
受4とラジアル軸受3とが固体接触するのを防止するこ
とができる。
【0026】以上のように構成された本実施例のスピン
ドルにおいて、モータ部20のロータ23が回転してこ
れに連結された主軸1が回転すると、上記軸受部ではラ
ジアル軸受3及びスラスト軸受4の軸受クリアランスに
空気動圧が発生し、主軸1は空気潤滑膜によって非接触
でその回転を支承される。
【0027】図4及び図5はこのときの軸受部10にお
ける空気の流れを示したものである。先ず主軸1が回転
すると、スラスト軸受4のポンプイン型スパイラル状溝
42が内周方向に向けて空気を吸い込む一方、ポンプア
ウト型スパイラル状溝43は空気を外周方向に吐出する
ので、これらスパイラル状溝42,43の境界部は負圧
となる。また同様にして、ラジアル軸受3では二重に形
成されたヘーリングボーン状溝33,33の境界部が負
圧となる。このため、図4に矢線で示すように、ハウジ
ング2外の空気は吸気口21を介してリンク状溝34に
吸い込まれ、流体供給通路35,36を通ってラジアル
軸受3及びスラスト軸受4の軸受クリアランスに夫々供
給される。
【0028】このとき、スラスト軸受4の軸受クリアラ
ンスとラジアル軸受3の軸受クリアランスとは連通連結
しているので、スラスト軸受4のポンプイン型スパイラ
ル状溝42はスラスト軸受4に供給された空気をラジア
ル軸受3に押し込む働きをする。その結果、各軸受3,
4内における空気の循環量が増加し、空気に付加する圧
力を高めることができ、各軸受3,4の負荷容量及び剛
性が向上する。
【0029】また、このときにスラスト軸受4の外周か
らはポンプアウト型スパイラル状溝43の働きによって
空気が吐出しているので、スラスト軸受4の軸受クリア
ランスに対して当該軸受4の外周部から空気が流入する
ことは一切ない。従って、スラスト軸受4及びラジアル
軸受3に供給される空気は必ず吸気口21のフィルター
22を通してハウジング2内に吸引されるので、これら
軸受3,4内の空気は常に清浄なものなる。
【0030】次に、スラスト軸受4によってラジアル軸
受3に押し込まれた空気あるいは流体供給通路36によ
ってラジアル軸受3に吸い込まれた空気について考察す
ると、これら空気は内輪31に形成された各ヘーリング
ボーン状溝33,33の中央部(図2の矢線D位置)に
導かれて昇圧する。このため、図5に矢線て示すよう
に、昇圧した空気は外輪32に形成された流体排出通路
37を通ってリング状溝34に排出される。そして、リ
ング状溝34に排出された空気は流体供給通路35,3
6によって再度スラスト軸受4及びラジアル軸受3に供
給される。つまり、本実施例においてはスラスト軸受4
の外周からハウジング外へ吐出される空気量の分だけが
吸気口21からハウジング2内に吸引され、ラジアル軸
受3に流入した空気量の分は常にハウジング2内を循環
している。
【0031】このため、剪断摩擦熱によって高温となっ
た空気の軸受3,4内での滞留が防止され、ラジアル軸
受3の内輪31あるいはスラスト軸受4の熱膨張を抑え
ることができる。また、ラジアル軸受3から吐出した空
気はリング状溝34においてハウジング2に接するの
で、ハウジング2が高温となった空気を冷却する働きを
なし、空気はスラスト軸受4へ再供給される迄の間に除
熱される。すなわち、本実施例ではハウジング2が本発
明の冷却手段を構成し、これによって内輪31あるいは
スラスト軸受4の熱膨張をより一層効果的に抑えること
ができる。
【0032】その結果、本実施例ではラジアル軸受3及
びスラスト軸受4の軸受クリアランスを従来よりも小さ
く設定することができるので、その分だけ作動流体であ
る空気に付加する圧力を上昇させることができ、各軸受
3,4の負荷容量及び剛性を高めることができる。
【0033】ハウジング内を循環する空気量は、ラジア
ル軸受3の外輪32に形成した流体供給通路35,36
及び流体排出通路37の孔径で自在に調節することがで
き、この孔径は0.2〜2mmである。0.2mm以下
では加工が困難であり、また2mm以上では循環過多と
なって空気に十分な動圧を発生させることができないか
らである。従って、本実施例ではこれら通路35,3
6,37の孔径を0.5mmとした。
【0034】また、本実施例のスピンドルはその主軸1
の回転速度が高くなるにつれてスラスト軸受4からラジ
アル軸受3に押し込まれる空気量が増加するので、主軸
1の回転速度が高いほど負荷容量及び剛性が向上する。
更に、主軸1の回転速度が高くなれば軸受3,4内の空
気の循環も促進されるので、軸受の冷却効果が一層顕著
に現れる。つまり、本実施例のスビンドルはより高速回
転に適したものとなっている。
【0035】尚、本実施例ではハウジング2の自然放冷
によってハウジング2内を循環する空気の冷却を行った
が、ハウジング2にウォータージャケット等を装着して
流体供給通路35,36及び流体排出通路37を強制的
に冷却すれば、更なる効果を得ることもできる。また、
本実施例では吸気21口にフィルター22を装着してハ
ウジング2内に吸い込む空気の清浄化を行ったが、ハウ
ジング2外にエアクリーナーを設けてこのクリーナーと
吸気口21とをホースで連結するように構成しても良
い。
【0036】以下に示す表1は、本実施例のスピンドル
と従来のスピンドルとの性能及び製造コストを比較した
ものである。表中において、従来品Iは軸受クリアラン
スを5μmに設定した空気静圧軸受で主軸を支承したス
ピンドルであり主軸回転数は8000rpm、従来品I
Iはボール軸受で主軸を支承したスピンドルであり主軸
回転数は6800rpmである。また、本実施例の主軸
回転数は10000rpmである。この比較結果から明
らかなように、本実施例のスピンドルは温度上昇の防
止、高速回転への適応性、剛性のいずれについても従来
品より良好な結果を示した。
【0037】
【表1】
【0038】また、以下の表2に本実施例のスピンドル
及び上記従来品Iに係るスピンドルの負荷容量、剛性値
を示す。この比較結果から明らかなように、本実施例の
スピンドルは負荷容量及び剛性値が従来品よりも格段に
向上したものとなっている。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の空気動圧軸受によれば、軸受内における空気の循環量
を増加させて空気に付加する圧力を高めることができる
ので、その分だけ負荷容量及び剛性を高めることがで
き、使用用途に制限されることなく各種軸受部にこの空
気動圧軸受を適用することが可能となる。
【0041】また、請求項2記載の空気動圧軸受によれ
ば、軸受の冷却効果が促進されて軸受クリアランスの変
動を抑えることができるので、その分だけ軸受クリアラ
ンスを小さく設定することができ、この点においても空
気動圧軸受の負荷容量及び剛性を一段と向上させること
が可能となる。
【0042】また、請求項3記載の空気動圧軸受によれ
ば、軸受には常に除熱された作動流体が供給されるの
で、請求項2記載の空気動圧軸受の効果を更に顕著に引
き出すことが可能となる。
【0043】更に、請求項4記載の空気動圧軸受によれ
ば、作動流体である空気はスラスト空気動圧軸受の外周
側から当該軸受に吸い込まれることがないので、作動流
体の軸受内への吸気経路を一元化することができ、作動
流体である空気の温度制御及び清浄化を容易に行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空気動圧軸受を適用したスピンドル
の実施例を示す概略図である。
【図2】 実施例に係るラジアル空気動圧軸受のヘーリ
ングボーン状溝のパターンを示す図である。
【図3】 実施例に係るスラスト空気動圧軸受のスパイ
ラル状溝のパターンを示す図である。
【図4】 実施例に係る軸受部の作動流体の吸気経路を
示す説明図である。
【図5】 実施例に係る軸受部の作動流体の排出経路を
示す説明図である。
【符号の説明】
1…主軸(回転軸)、3…ラジアル空気動圧軸受、4…
スラスト空気動圧軸受、35,36…流体供給通路、3
7…流体排出通路、42…ポンプイン型スパイラル状
溝、43…ポンプアウト型スパイラル状溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を支承するラジアル空気動圧軸受
    及び一対のスラスト空気動圧軸受を備え、 上記ラジアル空気動圧軸受の両端にスラスト空気動圧軸
    受を配設してこれら空気動圧軸受の軸受クリアランスを
    連通連結させると共に、 上記スラスト空気動圧軸受にはポンプイン型のスパイラ
    ル状溝を形成し、作動流体である空気をスラスト空気動
    圧軸受からラジアル空気動圧軸受へ押し込むように構成
    したことを特徴とする空気動圧軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気動圧軸受において、
    上記ラジアル空気動圧軸受から吐出された作動流体を上
    記スラスト空気動圧軸受に循環させる流体通路を設けた
    ことを特徴とする空気動圧軸受。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の空気動圧軸受において、
    上記流体通路の途中に作動流体の冷却手段を設けたこと
    を特徴とする空気動圧軸受。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の空気動圧軸受において、上記スラスト空気動圧軸受は
    ポンプイン型スパイラル状溝の外周側にポンプアウト型
    のスパイラル状溝を備え、空気はこれらスパイラル状溝
    の境界部で当該軸受に供給されることを特徴とする空気
    動圧軸受。
JP03842393A 1993-02-26 1993-02-26 空気動圧軸受 Expired - Lifetime JP3256315B2 (ja)

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