JPH0624921Y2 - 券類発行装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、券類発行装置に係り、さらに詳しくは、収
納部に収納した券類を入力指令にしたがって印刷や磁気
記録を行なった後に発行し、この発行した券類を吸入す
る機能と、リジェクトされた券類を外部へ排出する機能
とを兼ねた挿入口の構造に関するものである。

［従来の技術］ 券類発行装置は、近年になって券類の発行だけではな
く、発行した券類の取り消しまたは訂正等の作業の簡略
化を目的とした再読取り機能を持ったものが多く使用さ
れるようになってきた。

第３図は通常の券類発行装置の構成の一例を示す概略図
である。図において、(1)は券類発行装置、(2)は、券類
の挿入口、(3)は挿入された券類の搬送路、(4)はこの搬
送路(3)を経て通過する券類に書き込まれた情報を磁気
あるいは光学的手段によって読みとる読取部で、ここで
読みとられた券類は、搬送路(5)を経て出口(6)より排出
されるものと、搬送路(7)を経て収納部(8)に収納される
ものと分類される。

第４図は従来の券類発行装置における券類の挿入口及び
券類搬送構造の要部を示す正面図と側面図である。図に
おいて、(10)は券類、(11)は券類(10)の挿入口、(12)は
ガイドプレート、(12a),(12b)は基準面、(13)は券類(1
0)を搬送するために回転駆動するローラ(13a),(13b)及
びこれらに張架するベルト(13c)からなる駆動機構、(1
4)は回転自在に軸支されたローラ(14a),(14b)からなる
アライナで、これらローラ(13a),(13b)及び(14a),(14b)
の回転軸の直交線(15)は基準面(12a),(12b)と所定の傾
斜角αを有するように配置されている。

上記のように構成された従来の券類発行装置において、
券類(10)を挿入口(11)より挿入して先端部がローラ(13
a),(14a)の間に挟まれると、第５図(a)に示すように摩
擦力により図の下方へ搬送され、アライナ(14)と基準面
(12a)との傾斜角αによって、第５図(b)に示すように、
券類(10)の端面(10a)が基準面(12a)に近接する方向に斜
めに移動する。そして基準面(12a)に接触すると基準面
(12a)に沿って券類(10)が搬送され、券類(10)に書き込
まれた情報の位置決めがなされて図示のない読取部に至
り、磁気あるいは光学的手段によって券類(10)の読みと
りが行なわれる。

この券類(10)の読みとりの結果、券類(10)を挿入口(11)
へリジェクトする信号が出力すると、駆動機構(13)のロ
ーラ(13a),(13b)が逆回転し、第５図(c)に示すように券
類(10)は端面(10b)が他方の基準面(12b)に接近する方向
に斜めに移動し、第５図(d)に示すように挿入口(11)に
至って停止し、この停止位置で使用者が指先で挟んで取
り出すようになっている。

［考案が解決しようする課題］ 上記のような構成の券類発行装置では、リジェクトされ
た券類(10)が第５図(d)に示す位置で停止し、この位置
で使用者の指先により挟んで引き出す場合、指先が挿入
口(11)に入り難いと、スムーズに券類(10)を取り出すこ
とができない場合がある。またアライナ(14)の作用によ
って、券類(10)の端面(10b)が基準面(12b)に圧接された
状態で券類(10)が搬送されるので、この圧接による摩擦
力が、券類(10)の両面に作用するローラ(13a),(13b),(1
4a),(14b)による摩擦力よりも大きくなるような状態が
生じると、券類(10)の搬送が停止して挿入口(11)より取
り出せなくなるなどの問題がある。

この考案は上記のような課題を解決するためになされた
もので、リジェクトされた券類の取出しが容易で、また
挿入口へ搬送される途中で券類が停止するおそれのない
券類発行装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係る券類発行装置は、印刷又は磁気記録等に
より情報を書き込んだ券類を挿入する挿入口と、この挿
入口より券類を搬送するためのアライナを有する搬送手
段と、券類の情報を読みとる読取手段と、読取結果に応
じてアライナを逆転させる手段と、挿入口の片側に設け
られ逆搬送された券類の一端部が乗り上げるように形成
された斜面部を有するガイドピースとを備えたものであ
る。

［作用］ 逆方向に搬送中のリジェクト券類は、搬送方向に逆らう
摩擦力による抵抗がないのでスムーズに挿入口へ移動
し、挿入口に達するとガイドピースに乗り上げているの
で取り出しが容易である。

［実施例］ 第１図はこの考案の一実施例による券類発行装置の券類
挿入口及び券類搬送構造を示す正面図および側面図であ
り、(1)〜(14)は従来例を示した第４図における同符号
の部分と同一または相当部分であるので、重複する構成
説明は省略する。

(16)は挿入口(11)部の片側に設けたガイドピースであ
り、券類の搬送方向に傾斜する斜面部(16a),(16b)を有
する山形に形成され、その底面はローラ(13a)と(14a)と
の接触位置と同一位置に配置されている。

上記のような構成のこの考案による券類発行装置におい
て、券類(10)を挿入口(11)より挿入すると、従来例と同
様に第２図(a),(b)に示すように券類(10)はローラ(13
a),(13b)とローラ(14a),(14b)との間に挟さまれて搬送
され、端面(10a)が基準面(12a)に接して券類(10)に書き
込まれた情報の位置決めをして読取部へ送られる。

読取部で券類(10)に書き込まれた情報を読みとった結
果、リジェクト指令が出力されると、駆動装置(13)のロ
ーラ(13a),(13b)は逆回転を始め、第２図(c),(d)に示す
ように券類(10)はガイドピース(16)の方向に接近するよ
うに斜めに搬送され、端面(10b)がガイドピース(16)の
斜面(16a)に乗り上げるようにして停止する。このリジ
ェクトされた券類(10)は第１図の側面図において鎖線で
示すような位置で停止するので、使用者による取出しが
容易となる。また、リジェクト搬送時に従来例のような
端面(10b)に搬送方向に逆らう摩擦力が作用しないの
で、搬送の途中で券類(10)が停止するおそれもない。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案によれば、挿入口の片側
に搬送方向に傾斜する斜面部が形成されたガイドピース
を設け、リジェクトされた券類が搬送されて挿入口で停
止した位置で、券類の端部が上記の斜面部に乗り上げ、
また挿入口への搬送中に搬送方向に逆らう摩擦力がない
ように構成したので、リジェクト券類の取り出しが容易
で、かつ挿入口への搬送の途中で券類が停止するような
おそれがなくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図(a),(b)はこの考案の一実施例による券類挿入口
と券類搬送機構の構成を示す正面図及び側面図、第２図
(a)〜(d)はこの考案の作用説明図、第３図は通常の券類
発行装置の構成を示す概略図、第４図(a),(b)は従来の
券類発行装置における券類挿入口と券類搬送機構の構成
を示す正面図及び側面図、第５図(a)〜(d)は従来の券類
発行装置の作用説明図である。 (10)：券類、(11)：挿入口、(13)：駆動装置、(14)：ア
ライナ、(16)：ガイドピース、(16a)：斜面部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｈ 29/52 9147−3Ｆ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷又は磁気記録等により情報を書き込ん
   だ券類を挿入する挿入口と、この挿入口より前記券類を
   搬送するためのアライナを有する搬送手段と、前記券類
   の情報を読みとる読取手段と、前記読取結果に応じて前
   記アライナを逆転させる手段と、前記挿入口の片側に設
   けられ逆搬送された前記券類の一端部が乗り上げるよう
   に形成された斜面部を有するガイドピースとを備えたこ
   とを特徴とする券類発行装置。