JPH0624912A - 銅錯体殺菌/殺カビ剤およびそれの製造方法 - Google Patents

銅錯体殺菌/殺カビ剤およびそれの製造方法

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JPH0624912A
JPH0624912A JP5094892A JP9489293A JPH0624912A JP H0624912 A JPH0624912 A JP H0624912A JP 5094892 A JP5094892 A JP 5094892A JP 9489293 A JP9489293 A JP 9489293A JP H0624912 A JPH0624912 A JP H0624912A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 改良された銅錯体の殺菌/殺カビ剤並びにそ
れの製造方法および使用を開示する。 【構成】 この改良された殺菌/殺カビ剤は、約1,0
00から300,000の分子量および約3から9のp
Hを有する、部分中和した水溶性ポリカルボン酸の水溶
液を生じさせることで開始して調製される。この水溶液
に、この水溶液と一緒にすると上記部分中和ポリカルボ
ン酸との水溶性錯体を生じる銅(II)イオンを放出す
る銅含有化合物を加える。 【効果】 この水溶性銅錯体を植物に施すことで、それ
らの上で細菌およびカビ病が発生するのを予防もしくは
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願に対する交差参照】本出願は、1989年1月24
日に出願した出願連続番号591,288の部分的継続であ
る。
【0002】
【発明の分野】本発明は、一般に、殺菌剤(bactericid
es)および殺カビ剤(fungicides)に関するものであ
り、より詳細には、銅と部分中和したポリカルボン酸と
の錯体を基とする殺菌/殺カビ剤に関する。
【0003】
【発明の背景】殺菌/殺カビ剤は、病原性細菌/菌類
(bacteria/fungi)によって引き起こされる損傷から農
業作物を保護するために用いられている薬剤として本技
術分野で知られている。上記有機体によって多大な損失
が引き起こされているため、上記製品を使用することが
必要とされている。経済的であるためには、殺菌/殺カ
ビ剤を用いることによって植物の病気を制御するコスト
は、作物の収量と品質が上昇することによって相殺され
る必要がある。
【0004】農業用殺菌/殺カビ剤は、浸潤性粉末、乳
化性濃縮物、水を基とする流動物、および乾燥流動物
(水分散性顆粒としても知られている)を含む種々の種
類の調合物の状態で入手可能である。乾燥流動性製品
は、一般に粉が散らない自由流れ顆粒製品である。乾燥
流動性調合物は、最近、利用者の中で普及してきてい
る、と言うのは、他の種類の調合物に比べて、貯蔵寿命
が改良されており、本質的に粉が散らなく、注ぎ込むの
が容易であり、活性材料の含有率が高く、そして袋詰め
が便利である、などの利点を有しているからである。
【0005】銅を基としている殺菌/殺カビ剤が広く農
業で用いられている。銅を基としているいくつかの乾燥
流動性殺菌/殺カビ剤が本技術分野で知られており、こ
れらは、Griffin Corporation、Valdosta、 Georgiaから
入手可能な「Kocide DF」、Micro Flo Company、Lakela
nd、 Floridaから入手可能な「Blueshield DF」および
「Nu-Cop WDG」、並びにSandoz Ltd.、Switzerlandから
入手可能な「Sandoz COCDF」および「Sandoz Cu2O DF」
である。
【0006】水酸化第二銅それ自身は不安定である。し
かしながら、ホスフェート方法で水酸化第二銅を安定化
することが可能なことは本技術分野で公知である。米国
特許番号Re. 24,324(この開示はここでは参照にいれら
れる)は、安定な水酸化第二銅の製造方法に関するもの
である。米国特許番号3,428,731(この開示もまたここ
では参照にいれられる)は、ホスフェートで安定化した
水酸化第二銅の分散液に関するものである。ホスフェー
ト方法の微粉砕水酸化第二銅の水分散液は、この分散液
のpHおよび水系賦形剤のカルシウム硬度を注意深く調
節することによって製造可能であることが、上記特許に
開示されている。この特許はまた、該ホスフェート方法
の水酸化第二銅を添加する前に約1から3重量%の分散
剤を該水系賦形剤に添加すべきであることを開示してい
る。適切な分散剤は、リグニンスルホン酸ナトリウム、
ポリマー状カルボン酸のナトリウム塩、スルホン化ナフ
タレン、工業用蛋白質コロイド、牛脂、塩化ジメチルベ
ンジルアンモニウム、ポリマー状アルキルアリールスル
ホン酸のナトリウム塩、ココナッツ脂肪酸の特別な画分
のジエタノールアミド、縮合モノ−ナフタレンスルホン
酸のナトリウム塩、およびイソオクチルフェニルポリエ
トキシエタノールを含むとして開示されている。
【0007】従来技術の銅を基とする殺菌/殺カビ剤製
品は、有効に病気を制御するには比較的多量の銅を用い
ることを必要としている。このような比較的高いレベル
の銅は、コスト性能を落とし、土壌の残留問題の原因と
なり、そして植物毒性の可能性を上昇させる。更に、こ
のような従来技術の製品を製造するために用いられてい
る方法は必ずしもコスト性能を示してはいない。
【0008】水系媒体中の、部分中和されているポリア
クリル酸と部分中和されているポリメタアクリル酸と銅
(II)イオンとの錯体は公知である。例えば、F. Wal
lおよびS. Gill著「ポリアクリル酸と第二銅イオンの相
互作用」(Interaction ofCupric Ions with Polyacryl
ic Acid)、J. Phys. Chem.、 58巻、 1128頁(1954);
A. KotliarおよびH. Morawetz著「ポリアクリル酸およ
びポリメタアクリル酸を用いた銅(II)のキレート
化」(Chelation of Copper (II) with Polyacrylic an
d Polymethacrylic Acid)、J. American Chem. Soc.、
77巻、 3692頁 (1955)を参照のこと。今までのところ、
部分中和されているポリカルボン酸と銅との錯体が殺菌
もしくは殺カビ特性を示すことは知られていない。特
に、上記錯体が農業用途のための有効な殺菌もしくは殺
カビ剤であることは今まで知られていなかったばかりで
なく、本質的に植物毒性を示さないことも知られていな
かった。更に、銅耐性を示す細菌に対して上記錯体が有
効な殺菌もしくは殺カビ剤であることも今まで知られて
いなかった。
【0009】従って、本質的に植物毒性を示さないで、
特に銅耐性細菌に対して生物活性を示すところの、銅を
基とする殺菌/殺カビ調合物に対する必要性が存在して
いる。
【0010】
【発明の要約】本発明は、改良された殺菌/殺カビ剤お
よび改良された製造方法およびそれの使用を提供するこ
とによって、上述した必要性を満足させるものである。
本発明の改良された殺菌/殺カビ剤は、約1,000か
ら300,000の分子量および約3から9のpHを有
する、部分中和した水溶性ポリカルボン酸の水溶液を生
じさせることで開始して調製される。この水溶液に、こ
の水溶液と一緒にすると上記部分中和ポリカルボン酸と
の水溶性錯体を生じる銅(II)イオンを放出する銅含
有化合物を加える。
【0011】本発明の殺菌/殺カビ剤を用い、約1,0
00から300,000の分子量および約3から9のp
Hを有する部分中和水溶性ポリカルボン酸と銅との錯体
から本質的に成る殺菌/殺カビ剤を植物に施すことによ
って、植物における細菌/カビ病を制御する。
【0012】従って、本発明の1つの目的は、改良され
た殺菌/殺カビ剤および改良された製造方法およびそれ
の使用を提供することにある。
【0013】本発明の別の目的は、それを施す植物に対
して本質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ剤を提供
することにある。
【0014】本発明の一層の目的は、多様な異なる銅源
から製造され得る殺菌/殺カビ剤を提供することにあ
る。
【0015】本発明の更に一層の目的は、銅耐性細菌の
制御に用いられ得る殺菌/殺カビ剤を提供することにあ
る。
【0016】本発明の別の目的は、病気を制御する目的
で最適率で用いられている通常の銅を基とする殺菌/殺
カビ剤によって損傷を受けた植物および作物に対して用
いられ得る殺菌/殺カビ剤を提供することにある。
【0017】本発明の更に別の目的は、それを施した作
物もしくは植物から比較的容易に除去可能であるため成
育サイクルの後期および/または収穫後の作物に施すこ
とが可能なように、本質的に水溶性を示す殺菌/殺カビ
剤を提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、それを施す作物もし
くは植物の上に着色した残渣を残さない殺菌/殺カビ剤
を提供することにある。
【0019】本発明の一層の目的は、病気制御のための
葉用途に有効な殺菌/殺カビ剤を提供することにある。
【0020】本発明の更に別の目的は、水酸化銅を基と
する殺菌/殺カビ剤によって与えられるのと同じ保護レ
ベルに対して、必要とされる銅使用率がより低い殺菌/
殺カビ剤を提供することにある。
【0021】本発明の一層の目的は、植える前の種子を
前処理する目的で用いられ得る殺菌/殺カビ剤を提供す
ることにある。
【0022】本発明の別の目的は、種々の材料の基質の
上で増殖する細菌および/または菌類を制御する殺菌/
殺カビ剤を提供することにある。
【0023】本発明の上記および他の目的、特徴および
利点は、以下の開示具体例の詳細な記述および添付図お
よび特許請求の範囲を再吟味することで明らかになるで
あろう。
【0024】
【開示具体例の詳細な記述】本発明は、改良された農業
用殺菌/殺カビ剤調合物および銅を基とする殺菌/殺カ
ビ剤の製造方法に関する。本発明の新規な製品は、それ
の調合物中に必要とされる銅は有意に少ないにも拘ら
ず、典型的な銅を基とする製品に比べて改良された生物
活性を示す。このように銅含有量が低いことで、この殺
菌/殺カビ剤が土壌中への銅蓄積の原因となることを小
さくしている。本発明の殺菌/殺カビ剤はまた、特に他
の銅を基とする水溶性調合物に比較して、それを施す植
物に対して本質的に植物毒性を示さない。
【0025】以下に示す段階を用い、本発明に従って殺
菌/殺カビ剤調合物を製造することができる。水と水溶
性ポリカルボン酸とを一緒にすることによって、ポリカ
ルボン酸の水溶液を調製する。ここで用いる言葉ポリカ
ルボン酸は、カルボン酸類のホモポリマーとコポリマー
の両方を意味しているものとする。このポリカルボン酸
の水溶液を、次に、塩基性材料で部分的に中和する。こ
の部分的に中和した水溶性ポリカルボン酸の水溶液に、
この水溶液に添加すると該部分中和ポリカルボン酸と反
応して銅(II)イオン(または第二銅イオン)を放出
する銅含有化合物を添加して、それとの錯体を生じさせ
る。この得られる銅錯体は本質的に完全水溶性を示す。
【0026】ここに開示する銅およびポリカルボン酸成
分の重量は、水溶液中の重量%として示す(特に明記さ
れていない限り)。本発明の殺菌/殺カビ剤はまた、該
水溶液中で錯体形成を行った後の組成物を乾燥すること
による乾燥組成物として調製され得る。明らかに、該銅
錯体の水溶液から水を除去すると、この銅とポリカルボ
ン酸の重量%は変化する。しかしながら、このような変
化は、該水溶液中の成分の重量%を基にして本分野の技
術者によって容易に計算され得る。
【0027】本発明で有効なポリカルボン酸類には、分
子量が約1,000から300,000、好適には約
2,000から50,000の水溶性ポリカルボン酸が
含まれる。このポリカルボン酸が有する正確な構造は本
発明にとって決定的ではない。本発明で有効なポリカル
ボン酸の例には、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル
酸、アクリル酸とアクリルアミドとのコポリマー類、ア
クリル酸とメタアクリルアミドとのコポリマー類、アク
リル酸とアクリル酸エステルとのコポリマー類、アクリ
ル酸とメタアクリル酸とのコポリマー類、アクリル酸と
メタアクリル酸エステルとのコポリマー類、アクリル酸
と無水マレイン酸とのコポリマー類、カルボキシメチル
セルロース、マレイン酸とブタジエンとのコポリマー
類、マレイン酸と無水マレイン酸とのポリマー類、マレ
イン酸とアクリル酸とのコポリマー類、およびメチルビ
ニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー類が含ま
れる。
【0028】水に不溶なポリカルボン酸をこのポリカル
ボン酸の水溶塩に変換することによって、それ自身は水
溶性を示さないポリカルボン酸も本発明で使用できる。
このような塩を調製するための技術は本分野でよく知ら
れている。しかしながら、一般的に言って、上記塩類
は、該ポリカルボン酸と塩基性材料、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、NaHCO3、Na2CO3
NH4OH、R4+OH-[ここで、RはCH3またはC2
5である]、第一級アミン類、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチルアミンな
ど、第二級アミン類、例えばジメチル、ジエチル、ジ−
n−プロピルおよびジ−イソプロピルアミンなど、およ
び第三級アミン類、例えばトリメチル、トリエチルおよ
びトリ−n−プロピルアミンなどとを反応させることに
よって調製される。
【0029】該水溶液中の該ポリカルボン酸の濃度に関
しては、特別な上限は存在していない。該銅含有化合物
と反応しそしてそれとの錯体を形成するに充分な量のポ
リカルボン酸を水に添加して、それの溶液を生じさせる
ことができる。しかしながら、該ポリカルボン酸の濃度
を上昇させるにつれて、この溶液の粘度も上昇する。こ
のことは特に、比較的高い分子量を有するポリカルボン
酸を用いたとき事実である。一般に、該銅含有化合物と
の混合を効率よく行うことができないため、該水溶液の
粘度が高すぎるのは望ましくない。実質的に言って、本
発明で有効な該ポリカルボン酸濃度は、約0.2重量%
から80重量%、好適には約0.75重量%から20重
量%である。
【0030】該ポリカルボン酸と水とを一緒にしてそれ
の溶液を生じさせる場合、この溶液は一般に酸性のpH
を有する。この溶液のpHが約3から9、好適には約
3.5から5であるように該ポリカルボン酸を塩基性材
料で部分的に中和することは、本発明の重要な面であ
る。一般に、該部分中和ポリカルボン酸と錯体を形成し
得る銅の量は、少なくとも部分的に、該部分中和ポリカ
ルボン酸の水溶液が示すpHに依存していることが観察
された。該錯体中の銅濃度は、上に挙げたpHの間で最
大値に到達する。pHが3から9の範囲の外に在る該部
分中和ポリカルボン酸と錯体を形成する銅の量は、実質
的に有用性を示さない。
【0031】該ポリカルボン酸を中和する目的で用いら
れる塩基性材料の性質は、本発明にとって決定的ではな
い。適切な中和剤には、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、NaHCO3、Na2CO3、NH4OH、R4+
-[ここで、RはCH3またはC25である]、第一級
アミン類、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、t−ブチルアミンなど、第二級アミン類、例
えばジメチル、ジエチル、ジ−n−プロピルおよびジ−
イソプロピルアミンなど、および第三級アミン類、例え
ばトリメチル、トリエチルおよびトリ−n−プロピルア
ミンなどが含まれる。
【0032】この得られる部分中和したポリカルボン酸
は、ポリカルボン酸とそれのポリカルボン酸塩、例えば
ポリアクリル酸ナトリウムなどとのコポリマーの組み合
わせである。適切な部分中和したポリカルボン酸類は商
業的に入手可能である。このような市販品には、B.F. G
oodrich Co.、 Cleveland、 Ohioから入手可能な「Goodri
te K-752」が含まれる。「Goodrite K-752」は、水中の
部分ナトリウム塩である式(C342x(C33Na
2yを有するポリカルボン酸であり、そして両方共が
Allied Colloids, Inc、 Suffolk、 Virginiaから入手可
能な水溶液中のポリマー状カルボン酸の塩であるDP6-26
96およびDISPEX N40がある。
【0033】本発明で有効な銅含有化合物は、該部分中
和ポリカルボン酸の水溶液と一緒にすると該部分中和ポ
リカルボン酸と錯体を形成する銅(II)イオンを与え
る化合物である。本発明で有効な銅含有化合物には、C
u(OH)2、CuSO4、Cu(ClO42、Cu
2O、Cu(NO32、CuCl2、オキシ塩化銅、塩基
性炭酸銅および三塩基性硫酸銅が含まれる。オキシ塩化
銅は化学式3Cu(OH)2・CuCl2を有する。塩基
性炭酸銅は式Cu(OH)2・CuCO3を有する。三塩
基性硫酸銅は式3Cu(OH)2・CuSO4を有する。
【0034】この銅含有化合物は、水溶性を示す例えば
CuSO4、Cu(ClO42、Cu(NO32および
CuCl2であるか、或は本質的に水に不溶な例えばC
u(OH)2、Cu2O、三塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅
およびオキシ塩化銅であってもよい。この水に不溶な銅
含有化合物が錯体を形成することは今まで知られていな
かった。
【0035】本発明で有効な水酸化銅化合物には、工業
用の水酸化第二銅(両方共の開示がここでは参照にいれ
られる米国特許番号Re. 24,324および3,428,731に開示
されている方法を用い、ホスフェートで安定化されてい
る)、および水化銅、即ち純粋な形態の水酸化銅の両方
が含まれる。他の安定化された形態の水酸化銅も使用で
きる。
【0036】本発明で有効な銅含有化合物は商業的に入
手可能である。このような市販品には、Griffin Corpor
ation、 Valdosta、 Georgiaから入手可能なKOCIDER水酸
化第二銅、即ち88%の水酸化銅と12%の不活性物を
含んでおりホスフェートで安定化された、水酸化第二銅
調合物グレードの農業用殺菌・殺カビ剤が含まれる。ホ
スフェートで安定化された水酸化第二銅の製造方法もま
た米国特許番号3,428,731およびRe. 24,324に開示され
ている。
【0037】該部分中和ポリカルボン酸の水溶液に添加
される銅含有化合物の量は、殺菌/殺カビ剤としての最
終生成物で有効性を示す量である。一般的に言って、本
発明の殺菌/殺カビ剤の製造では、できるだけ多くの銅
が該部分中和ポリカルボン酸と錯体形成するのが望まし
い。該部分中和ポリカルボン酸と錯体形成し得る銅の量
に影響を与える因子は、該部分中和ポリカルボン酸の水
溶液が示すpH、該ポリカルボン酸の分子量、および該
部分中和ポリカルボン酸の濃度である。
【0038】一般に、該ポリカルボン酸と反応して錯体
を形成する水に不溶な銅含有化合物が過剰に存在してい
ると、この過剰な銅含有化合物はこの水溶液に溶解しな
いことが観察された。これが望ましい状態であることも
あるがまた望ましくない状態でもあり得る。本発明の組
成物で固体状の水に不溶な銅含有化合物が望まれていな
い場合、濾過などの通常の手段でこれを液体部分から分
離することができる。過剰な水溶性銅含有化合物が存在
していると、この溶液中に錯体を形成していない銅イオ
ンを存在させることになる。溶液にこのような錯体を形
成していない銅イオンが存在していると、この溶液が植
物毒性を示す原因となり得る。従って、該部分中和ポリ
カルボン酸と錯体形成する銅源は、水溶性を示す銅含有
化合物由来の場合、用いられる上記銅含有化合物の量
は、該ポリカルボン酸と反応するに充分な量であるべき
であるが、この溶液が植物毒性を示すようになる程過剰
な、錯体を形成していない銅イオンを生じさせる量であ
るべきではない。
【0039】本発明で有効な銅含有化合物からの銅量
は、約0.1重量%から5重量%(銅金属当量)、好適
には約0.1重量%から3.2重量%(銅金属当量)で
ある。この銅錯体水溶液は、植物を処理する目的で、上
述した方法で得られる如き液状形態で用いられるか、或
はこれを任意に乾燥して、水中に再分散させると噴霧塗
布に適した水溶液を生じ得る本質的に乾燥した固体状製
品を生じさせてもよい。該銅錯体水溶液を通常の乾燥装
置、例えばオーブン乾燥機またはスプレー乾燥機中で乾
燥するか、或は凍結乾燥技術を用いて乾燥することがで
きる。スプレー乾燥による乾燥では、単一の流体用ノズ
ル、水圧ノズルまたは回転盤アトマイザーが備わってい
るスプレー乾燥機を用いることができる。上記スプレー
乾燥機は、典型的に、約350度Fから480度Fの入
り口温度と、約150度Fから260度Fの出口温度を
有している。分散液および溶液をスプレー乾燥するため
のスプレー乾燥装置および技術は本分野でよく知られて
いる。同様に、分散液および溶液を凍結乾燥するための
凍結乾燥装置および技術も本分野でよく知られている。
本分野でよく知られている技術を用いて、種々の形態、
例えばフレーク、粉末、顆粒、錠剤および溶液などの形
態で本発明の殺菌/殺カビ剤を調製することが可能であ
る。
【0040】本発明の殺菌/殺カビ剤を植物の葉に直接
施すことで細菌/カビ病(bacterial/fungal disease
s)を制御することが可能である。この殺菌/殺カビ剤
は、上述した方法で得られる液状形態で用いられるか、
或は該乾燥形態物と水とを混合して再び水溶液を生じさ
せた後、通常の農業用噴霧器および本分野でよく知られ
ている噴霧技術を用い、この得られる溶液を処理すべき
植物の上に噴霧することで用いられる。液状形態の本発
明の殺菌/殺カビ剤を、好適には水で希釈した後、噴霧
(空中または地上)またはケミゲーション(Chemigatio
n)により、1エーカー当たり約1から800ガロンの
水体積中、1エーカー当たり約0.1から6ポンドの金
属銅当量率で植物の葉に塗布する。
【0041】本発明の殺菌/殺カビ剤は、柑橘類、例え
ばグレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ、タン
ジェロおよびミカンなど、畑の作物、例えばアルファル
ファ、カラス麦、ピーナッツ、ジャガイモ、サトウダイ
コン、コムギおよびオオムギなど、小さい果物、例えば
ブラックベリー、クランベリー、アカスグリ、グースベ
リー、ラズベリーおよびストロベリーなど、木の作物、
例えばアーモンド、リンゴ、アプリコット、アボカド、
バナナ、カカオ、チェリー、コーヒー、ハシバミ、マン
ゴー、ネクタリン、オリーブ、モモ、ナシ、ペカン、プ
ラム、スモモおよびクルミなど、野菜、例えば豆、ブロ
ッコリー、芽キャベツ、キャベツ、キャンタロープ、ニ
ンジン、カリフラワー、セロリ、コラード、キュウリ、
ナス、甘露タバコ、マスクメロン、タマネギ、エンドウ
豆、コショウ、カボチャ、カボチャ類、トマトおよびス
イカなど、つる植物、例えばブドウ、ホップおよびキイ
ウィなど、雑多な物、例えば高麗ニンジン、ライブオー
クおよび大カエデなど、観賞用植物、例えばアラリア、
アザレア、ベゴニア、球根植物類(イースターリリー
(Easter lily)、チューリップ、グラジオラス)、カ
ーネーション、キク、シャリントウ、エウオニムス(eu
onymus)、インディアサンザシ(India hawthorn)、ア
イビー、パキサンドラ(pachysandra)、ペリウィンク
ル(periwinkle)、フィロデンドロン(philodendro
n)、ピラカンタ(pyracantha)、バラおよびユッカ属
(Adams-Needle)などを含む種々の植物に関する細菌お
よび菌類の病気を治療するために用いられる。
【0042】本発明の殺菌/殺カビ剤は、細菌もしくは
菌類の病気、例えばメラノース(melanoze)、スカブ
(scab)、ピンクピッティング(pink pitting)、脂状
斑点(greasy spot)、褐色腐敗病(brown rot)、フィ
トフトラ(phytophthora)、柑橘類の癌腫病(citrus c
anker)、キサントモナス(xanthomonas)およびセロス
ポラ葉斑点(cerospora leaf spots)、黒色葉斑点(bl
ack leaf spot)(アルテルナリア(alternaria))、ア
ルテルナリア胴枯れ病(alternaria blight)、ボトリ
チス胴枯れ病(botrytis blight)、粉状うどん粉病(p
owdery mildew)、キサントモナス葉斑点(xanthomonas
leaf spot)、アントラクノース(anthracnose)、シ
ュードモナス葉斑点(pseudomonas leaf spot)、セプ
トリア葉斑点(septoria leaf spot)、エントモスポリ
ウム葉斑点(entomosporium leaf spot)、ボルテラ葉
枯れ病(volutella leaf blilght)、ホモプシス茎枯れ
病(phomopsis stem blight)、細菌による葉斑点(bac
terial leaf spot)、枯死病(fire blight)、黒色斑
点(black spot)、葉の萎縮病(leaf curl)、コリネウ
ム胴枯れ病(coryneum blight)(ショットホール(sho
t hole))、花枯れ病(blossom blight)、シュードモ
ナス胴枯れ病(phomopsis blight)、シャックおよびカ
ーナル腐敗病(shuck and kernal rot)(フィトフトラ
・カクトルム(Phytophthora cactorum)、帯状はん紋
の葉斑点(zonate leaf spot)(クリスツラリエラ・ピ
ラミダリス(Cristulariella pyramidalis)、クルミの
胴枯れ病(walnut blight)、細菌による胴枯れ病(bac
terial blight)(ハロおよびコモン)、褐色斑点(bro
wn spot)、黒色腐敗病(black rot)(キサントモナス
(xanthomonas))、綿毛様うどん粉病(downy milde
w)、セルコスポラ早期胴枯れ病(cercospora early bl
ight)、セプトリア後期胴枯れ病(septoria late blig
ht)、角の有る葉斑点(angular leaf spot)、ホモプ
シス(phomopsis)、紫色腫物(purple blotch)、細菌
による斑点(bacterial speck)、灰色葉カビ(gray le
af mold)、セプトリア葉斑点(septoria leaf spo
t)、死んだ芽(deadbud)(シュードモナス・シリンガ
エ(Pseudomonas syringae))、エルウイニア・ヘルビコ
ラ(Erwinia herbicola)、シュードモナス・フルオレ
センス(Pseudomonas fluorescens)、茎枯れ病(stem
blight)、ボール状苔(ball moss)、レプトスファエ
ルリナ葉斑点(leptosphaerulina leaf spot)、ヘルミ
ントスポリウム斑点腫物(helminthosporium spot blot
ch)、葉斑点、茎斑点、果物腐敗病、花褐色腐敗病、細
菌による胴枯れ病(bacterial blast)(シュードモナ
ス(pseudomonas))、ヨーロッパ癌腫病(European cank
er)、クラウンまたはカラー腐敗病(crown or collar
rot)、シガトカ(sigatoka)、黒色ピッティング(bla
ck pitting)、黒色ポッド(black pod)、コーヒー豆
病(coffee berry disease(コレクトトリクム・コフェ
アヌム(Collectotrichum coffeanum))、葉さび病(lea
f rust)(ヘミレイア・バスタトリックス(Hemileia va
statrix))、鉄斑点(iron spot)(セルコスポラ・コ
フェイコラ(Cercospora coffeicola))、ピンク病(pin
k disease)(コルチシウム・サルモニコロル(Corticiu
m salmonicolor))、東洋ハシバミ胴枯れ病(eastern f
ilbert blighrt)およびピーコック斑点(peacock spo
t)などを有する植物を処理するに有効である。
【0043】通常の銅を基とする殺菌剤を用いた処理に
対して、特定の細菌株が耐性を示すようになってきた。
しかしながら、本発明の殺菌/殺カビ剤は、銅耐性を示
す細菌、例えばキサントモナス・カムペストリス(Xant
homonas campestris)およびシュードモナス・シリンガ
エ(Pseudomonas syringae)などを制御するに特に良く
適合している。
【0044】本発明の殺菌/殺カビ剤は水溶性であるた
め、種々の植物もしくは作物に施した後、水で洗浄する
か或は水を噴霧することによって比較的容易に除去され
得る。その結果として、作物の成育サイクルに関して通
常の殺菌/殺カビ剤で可能なよりも後期に、本発明の殺
菌/殺カビ剤を施すことが可能である。更に、本発明の
殺菌/殺カビ剤を用いて、収穫後の作物、例えばオレン
ジ、柑橘類、キュウリおよびリンゴなどを処理し、洗浄
で容易に除去可能な保護バリヤーを与えることも可能で
ある。
【0045】本発明の殺菌/殺カビ剤は、これらを植物
に施した後その上で乾燥させた時、通常の銅を基とする
殺菌/殺カビ剤と同じようには、それらの植物の上に着
色した残渣を残さない。従って、本発明の殺菌/殺カビ
剤は、苗木畑の作物および温室の観賞用植物を処理する
目的で使用され得る。
【0046】本発明の殺菌/殺カビ剤が示す植物毒性は
低いため、銅に敏感な植物および作物、例えばモモ、ナ
シ、リンゴおよびレタスなど(これらは、通常の銅を基
とする殺菌/殺カビ剤を病気制御に適した最適率で用い
たのでは、損傷を受ける)を処理する目的でこれを使用
することが可能である。
【0047】本発明の殺菌/殺カビ剤はまた、植える前
の種子を前処理する目的で使用され得る。本技術分野で
知られている通常の種子処理装置を用いて、この殺菌/
殺カビ剤を種子の上に噴霧した後、それの上でこの殺菌
/殺カビ剤を乾燥させることで、この種子の上にコーテ
ィング物を生じさせることによって、この殺菌/殺カビ
剤を種子に塗布することができる。更に、公知の銅を基
とする殺菌/殺カビ剤で処理された種子に通常の様式
で、この処理した種子を取り扱いそして植えることがで
きる。本発明の殺菌/殺カビ剤は、特に、接種材料が種
子から生まれるのを制御し、そして発芽する苗の感染を
防止するに有効である。本発明の殺菌/殺カビ剤は一般
的に種子の処理で有効性を示すが、特に米、小麦、綿、
大豆、豆類、とうもろこしおよびピーナッツなどの作物
の種子を処理するに有効である。
【0048】濃縮組成物もしくは噴霧溶液に特定の機能
剤を添加することによって、本発明の殺菌/殺カビ剤が
示す、雨にさらされた後の植物表面への保持が増強され
得る。本発明で有効な上記化合物には、これに限定され
るものではないが、ポリビニルピロリドン(PVP)、
ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコールおよびポリ
アクリルアミドが含まれる。これらの化合物は粘性化合
物として本技術分野で知られている。これらの粘性化合
物は、該銅錯体溶液が有する殺菌/殺カビ特性に不必要
な悪影響を与えることなく所望度合の雨堅牢度(rainfa
stness)を与える量で用いられる。一般に、該銅錯体溶
液に添加されそして本発明で有効な粘性化合物の量は、
0.1から10重量%である。
【0049】該部分中和ポリカルボン酸と錯体形成し得
る銅の量は該ポリカルボン酸の分子量に関係しているこ
とが観察された。一般に、該ポリカルボン酸の分子量が
高ければ高い程、これと錯体形成し得る銅の量が多くな
る。しかしながら、上述したように、該ポリカルボン酸
の分子量を上昇させるにつれてその粘度も上昇する。従
って、本発明で用いるに適したポリカルボン酸の選択で
は、銅含有量と粘度の競合因子を互いに均衡させる必要
がある。
【0050】本発明の殺菌/殺カビ剤を用いて植物およ
び作物以外の基質を処理することも可能であることが特
に期待される。例えば、本発明の殺菌/殺カビ剤は、種
々の非生存基質、例えば織物、プラスチック、金属、ガ
ラス、木材、紙、発泡材、コンクリート、石などの中ま
たはそれらの上に成育する細菌および/または菌類に対
する保護を与えるために用いられ得る。本発明の殺菌/
殺カビ剤は、本分野でよく知られている方法、例えば噴
霧、塗装、浸漬などによって該基質の表面に塗布され得
る。更に、適当な材料では、本発明の殺菌/殺カビ剤を
該基質の中に含浸させてもよい。本発明の殺菌/殺カビ
剤は、病院または医学環境、例えば衣服、リネン、カー
ペット材、タイルまたはリノリウム床、並びにプラスチ
ック製カウンター表面などの中で増殖する細菌および/
または菌類を防止するために用いられ得る。このような
用途では、その処理した表面上での細菌および/または
菌類の増殖を防止もしくは抑制するに充分な割合で、本
発明の銅錯体を施す。この銅錯体の使用率は、それを施
す材料の種類、並びに該基質が受けている状態に応じて
変化する。一般に、本発明の殺菌/殺カビ剤は、基質表
面1平方センチメートル当たり約1から1,000mg
の銅(金属当量)を与えるような比率で基質の上に施さ
れる。
【0051】以下に示す実施例は本発明を説明するもの
であり、添付請求の範囲に挙げる本発明の範囲を限定す
ることを意図したものではない。
【0052】
【実施例】実施例1 959gの水と40gのGoodrite K-752(分子量が2,
100のポリアクリル酸の63%水溶液)を一緒にしそ
してこれを50%のNaOHで中性にしてpH7にする
ことによって、水溶液を調製する。この溶液を周囲温度
で混合することにより、この水の中で部分的に中和され
たGoodrite K-752の完全な溶液が生じるのを確実にす
る。この溶液に1.42gのCu(OH)2(56.4
%の金属銅)を加える。この混合物を12から24時間
撹拌することで、このCu(OH)2の完全な溶解を確
実にする。この得られる透明な青色溶液の銅を分析す
る。この分析の結果、この水溶液の銅含有量は800p
pmであることが確認された。 実施例2 433.8gの水に113.4gのGoodrite K-752を溶
解させた後、21.4gの50%NaOHで中性にする
ことにより、pHが4.5のGoodrite K-752水溶液を調
製する。この部分中和したGoodrite K-752を789gの
水に加えた後、この溶液が均一になるまで撹拌する。こ
の溶液に32.3gの水化銅(62%の金属銅)を加え
る。この混合物を12から24時間撹拌することで、こ
の水化銅の完全な溶解を確実にする。この得られる透明
な青色溶液は2重量%の銅金属当量を含んでいる。
【0053】実施例3 940gの脱イオン水と60gのGoodrite K-752(分子
量が2,100のポリアクリル酸の63%水溶液)を一
緒にしそしてこれを50%の水酸化ナトリウムで中性に
してpHを約7にすることによって、水溶液を調製す
る。この溶液を周囲温度で混合することにより、この水
の中でGoodrite K-752の完全な溶液が生じるのを確実に
する。この部分中和したGoodrite K-752水溶液に10g
のCu(OH)2を加える。この水酸化銅と該部分中和
ポリアクリル酸とが完全に反応するに充分な時間である
24から48時間、上記水分散液を混合する。この水酸
化銅は本質的に水に不溶なため、この分散液の中には溶
解していない過剰の水酸化銅が固体形態で残存してい
る。次に、0.20μmのフィルターを用いて、この分
散液を濾過することにより、この固体状水酸化銅から液
相を分離する。次に、この濾液の銅を分析する。この分
析の結果、この水溶液は1270ppmのCu(金属当
量)を含んでいることが確認された。
【0054】実施例4 989gの水と10gのGoodrite K-752(分子量が2,
100のポリアクリル酸の63%水溶液)を一緒にしそ
してこれを50%の水酸化ナトリウムで中性にしてpH
を約7にすることによって、水溶液を調製する。この溶
液を周囲温度で混合することにより、この水の中でGood
rite K-752の完全な溶液が生じるのを確実にする。この
部分中和したGoodrite K-752水溶液に1.0gのCuS
4を加える。この混合物を30分間撹拌することで、
この硫酸銅の完全な溶液が生じるのを確実にする。次
に、この溶液の銅を分析する。この分析の結果、この水
溶液は800ppmのCu(金属当量)を含んでいるこ
とが確認された。この溶液に関して生物活性を試験する
ことにより、等しいレベルの銅含有量を有する通常の水
酸化第二銅水分散液と同様な植物毒性を本質的に示さな
いことが示された。硫酸銅から生じる等しいレベルの遊
離イオン性銅は、ひどい植物損傷およびたい壊をもたら
す。
【0055】実施例5 1000gの水と20gのGoodrite K-752(分子量が約
2,100のポリアクリル酸)を一緒にすることで水溶
液を調製する。この溶液を周囲温度で混合することによ
り、この水の中でGoodrite K-752の完全な溶液が生じる
のを確実にする。Goodrite K-752を部分的に中和するに
充分な水酸化ナトリウムを上記溶液に加えて、pHを約
7にする。この部分中和したGoodrite K-752水溶液に2
gのCuCl2を加える。この混合物を30分間撹拌す
ることで、この塩化第二銅の完全な溶液が生じるのを確
実にする。次に、この溶液の銅を分析する。この分析の
結果、この水溶液は1000ppmのCu(金属当量)
を含んでいることが確認された。
【0056】実施例6 960gの水と40gのGoodrite K-752(分子量が2,
100のポリアクリル酸の63%水溶液)を一緒にしそ
してこれを50%の水酸化ナトリウムで中性にしてpH
を約7にすることによって、水溶液を調製する。この溶
液を周囲温度で混合することにより、この水の中でGood
rite K-752の完全な溶液が生じるのを確実にする。この
部分中和したGoodrite K-752水溶液に10gのオキシ塩
化銅を加える。この銅が該ポリマーと錯体を形成する時
間である24から48時間、上記水系分散液を混合す
る。このオキシ塩化銅は本質的に水に不溶なため、この
分散液の中には過剰のオキシ塩化銅が固体形態で本質的
に残存している。次に、0.20μmのフィルターを用
いて、この分散液を濾過することにより、この固体状水
酸化銅から液相を分離する。次に、この濾液の銅を分析
する。この分析の結果、この水溶液は325ppmのC
u(金属当量)を含んでいることが確認された。
【0057】実施例7 硫酸銅を用いて800ppm(キュウリ植物に関するコ
レトトリクム・ラゲナリウム(Colletotrichum lagenar
ium)の制御で見積もられたLD90率の200ppmの
4倍)の銅を含んでいる6個のサンプルから成る1組を
調製する。水酸化ナトリウムを用いてpH7に部分中和
したポリカルボン酸(Goodrite K-752)水溶液中で、上
記銅の錯体形成を行う。異なるサンプルは下記の濃度の
ポリマーを含んでいる:4%、2%、1%、0.75
%、0.5%および0.25%。4%、2%および1%
のポリマーを含んでいるサンプルは透明な青色溶液を生
じるが、このポリマー濃度が低くなる程この色は緑色が
かってくる。ポリマー含有量が0.75%未満の場合、
青緑色の沈澱物が生じ、その上層は無色である。過剰な
銅が存在していると、恐らくは架橋によって該ポリマー
が不溶になると考えられる。4%から0.75%のポリ
マーを含んでいるサンプルは、温室のキュウリに対して
本質的に植物毒性を示さないが、1%および0.75%
のポリマーを含んでいるサンプルは、最小限であるが植
物毒性を示す。これらのサンプルはまた、キュウリ植物
に関して、コレトトリクム・ラゲナリウムに対する殺菌
/殺カビ剤として効力を示す。同じ割合の硫酸銅由来遊
離イオン性銅で処理したキュウリ植物は、ひどい損傷を
受けておりそしてたい壊を生じる。硫酸銅で処理した植
物に関しては、ひどく損傷のため、その効力を評価する
ことはできなかった。
【0058】実施例8 銅源としてCuSO4およびCu(OH)2を個々に用
い、上記実施例1および4に従って、ポリカルボン酸の
銅錯体を調製する。800ppm、400ppm、20
0ppmおよび100ppmの銅(金属当量)濃度で、
各々の銅源のサンプルを調製する。トマト植物およびコ
ショウ植物に対する累積植物毒性試験を行う。これらの
植物に各々のサンプルを1週毎に4回与える。如何なる
種類の植物毒性も観察されなかった。
【0059】実施例9 異なるサンプルに関してポリアクリル酸の分子量と共に
該部分中和ポリアクリル酸のpH変化させる以外は実施
例1に従って、ポリカルボン酸の銅錯体を調製する。異
なる分子量を有するいくつかポリアクリル酸サンプルを
B.F. Goodrichから入手する。これらのサンプルはGoodr
ite K-752(分子量2,100)、Goodrite K-732(分
子量5,100)、Goodrite K-XP82(分子量2,80
0)およびGoodrite K-XP83(分子量5,800)であ
る。各々1.6%のポリマー固体を含有しているポリマ
ー水溶液を調製する。これらのサンプルを水酸化ナトリ
ウムで中和して、以下に示すpHにする。過剰量のCu
(OH)2を用いて中和したサンプル各々から銅錯体を
調製する。0.22mのシリンジフィルターを通してこ
れらのサンプルを濾過した後、銅を分析する。その結果
を以下の表1に示す。
【0060】
【表1】 表1 ポリアクリル酸 NaPAA 濾過した錯体溶液 Cu(ppm) (PAA) のpH のpH GoodriteK-752 5.0 6.9 2940 GoodriteK-752 5.7 7.6 1320 GoodriteK-752 6.7 9.2 503 GoodriteK-752 7.0 9.5 500 GoodriteK-752 7.6 9.9 770 GoodriteK-732 5.0 7.0 3086 GoodriteK-732 5.5 8.0 2840 GoodriteK-732 6.0 8.6 1095 GoodriteK-732 6.6 9.5 444 GoodriteK-732 7.1 9.8 795 GoodriteK-732 7.6 10.0 200 GoodriteK-XP82 7.1 9.7 119 GoodriteK-XP83 7.1 9.7 217 表1から分かるように、結果に関してかなりの変動はあ
るが、錯体を形成し得る銅の量に対しては、上記の2,
100から5,800の範囲の分子量が示す効果に比べ
て、pHの方が明らかに有意な効果を示している。
【0061】3つの異なるポリマー類を用いると共に銅
給源として水化銅を用い、上に記述したのと同様にして
追加的サンプルを調製した。この用いた3つのポリマー
類は、Goodrite K-752(分子量が2,100のポリアク
リル酸)、Rhone-Poulencから入手可能なColloid WJ61
(分子量が60,000のポリアクリル酸)、そしてま
たRhone-Poulencから入手可能なColloid 204(分子量が
10,000のポリアクリル酸)であった。この比較の
結果を図2に示すが、ここでは、これらの異なる3種の
ポリマー類に関する1重量%のポリアクリル酸固体濃度
における銅の濃度(金属当量)が、中和したポリマーの
pHに対してプロットされている。再び図2から分かる
ように、錯体形成した銅の量に関する主要な因子は、中
和したポリマーのpHであったが、最も高い分子量を有
するポリマー(Colloid WJ61)は、3.5から6のpH
範囲で、他のポリマーに比べて有意に多くの銅と錯体を
形成する。
【0062】上述したのと同じ銅錯体溶液を用い、部分
中和したポリカルボン酸のpHを銅との錯体形成にとっ
て最適になるようにしそしてポリマーの量を1から10
重量%のポリアクリル酸固体の間で変化させた溶液に関
して、錯体形成した銅の量を測定する。この試験結果を
図3に示すが、ここでは、これらの3種の異なるポリマ
ー類各々に関するポリマー濃度に対する銅の量をグラフ
にしてある。
【0063】実施例10 異なるサンプルに関して部分中和したポリアクリル酸の
pHを変化させる以外は実施例3に従って、ポリカルボ
ン酸の銅錯体を調製する。1重量%のポリマー固体のポ
リアクリル酸(Goodrite K-752)を含んでいる水溶液を
調製しそして水酸化ナトリウムで部分中和することによ
り、pH範囲を約3から約8.5にすることによって、
錯体を生じさせる。次に、この部分中和したポリマー溶
液に、異なる3種の銅源からの銅を過剰量加える。1つ
の給源は工業用水酸化第二銅(米国特許番号Re. 24,324
および3,428,731に開示されている方法を用いホスフェ
ートで安定化)であり、もう1つの給源は水化銅(純粋
な形態の水酸化第二銅)である。3番目の給源は塩基性
炭酸第二銅である。これらのサンプルの液体部分を、固
体状の銅含有化合物から分離した後、この液体部分の銅
を分析する。この試験結果を図1に示すが、ここでは、
種々のサンプル各々に関する中和ポリマー溶液のpHに
対して銅濃度(ppmで表す金属当量)がプロットされ
ている。
【0064】銅源として工業用水酸化第二銅を用いた場
合、錯体を形成し得る銅の最大量は約4.5のpHの所
に存在していることが、上記グラフから分かる。しかし
ながら、水化銅を銅源として用いる場合、銅錯体の最大
値はおおよそこれと同じpHに在るが、同じ量のポリア
クリル酸を用いると、約35%多い銅が錯体形成し得
る。工業用水酸化第二銅中に存在している不純物は、恐
らくは残存塩であると考えられ、これが明らかに、該ポ
リマーが銅と錯体形成する能力に影響を与えている。
【0065】実施例11 水酸化ナトリウムを用いてpH7に部分中和した4%の
Goodrite K-752水溶液に銅含有化合物を添加することに
より、種々の銅源を用いてポリアクリル酸の銅錯体を調
製する。この銅が水溶性を示すか或は水に不溶であるか
に応じ、上記実施例3および4に記述した操作に従っ
て、上記サンプルを調製する。これらの錯体を調製する
ために用いた銅源は、塩化第二銅、オキシ塩化銅、酸化
第一銅、および塩基性炭酸銅である。これらの銅源の全
てが該部分中和ポリアクリル酸との錯体を生じた。
【0066】実施例12 水酸化ナトリウムを用いてpH4.8に部分中和した1
2重量%ポリマー固体のGoodrite K-752水溶液に、水酸
化第二銅からの銅を1.5%(金属当量)加えることに
より、ポリアクリル酸の銅錯体を調製する。この混合物
を約12時間撹拌することにより、溶解していない水酸
化第二銅を含んでいない透明な暗青色溶液が得られる。
次に、Labconco凍結乾燥機を用いて、上記溶液を真空下
−50℃で凍結乾燥する。この得られる生成物は、ハニ
カム状の脆い青色固体であり、これは容易に水に再溶解
して青緑色の溶液を生じる。上記乾燥生成物は8.57
%の銅と5%の水を含んでいる。この乾燥粉末のX線回
折スペクトルはピークを全く示さない。このことは、こ
の乾燥銅錯体は結晶構造を有していないことを示してい
る。
【0067】実施例13 pHが5の部分中和ポリマーの1重量%水溶液(水酸化
ナトリウムで中和)に、水酸化第二銅からの銅を過剰量
加えることにより、種々の分子量を有するポリアクリル
酸(Polysciencesから入手)の銅錯体を調製する。固体
状水酸化第二銅から液体部分を濾過で分離した後、この
液体部分の銅を分析する。以下の表2に、上記サンプル
を用いて錯体形成させた銅の最大値を挙げる。
【0068】
【表2】 表2 分子量 Cu濃度(ppm) 2,000 2330 5,000 2730 50,000 3500 90,000 3530 150,000 3200実施例14 3種の異なるポリマーから調製したポリカルボン酸の銅
錯体を調製する。これらの3種ポリカルボン酸は、Alco
Chemical Corp.から入手可能な分子量が20,000
のアクリル酸とマレイン酸との70/30コポリマーで
あるAlcosperse475-2、GAF Corp.から入手可能な分子量
が20,000のメチルビニルエーテルと無水マレイン
酸との50/50コポリマーであるGantrez AN-119、お
よびGoodrite K-752である。1重量%ポリマー固体のポ
リアクリル酸(Goodrite K-752)を含んでいる水溶液を
調製しそしてこれを水酸化ナトリウムで部分中和するこ
とで、pHの範囲を約2.5から約9にすることによ
り、錯体を生じさせる。次に、このポリマー溶液に過剰
の水酸化第二銅を加える。溶解していない固体状水酸化
第二銅から液体部分を濾過で分離した後、この液体部分
の銅を分析する。この試験結果を図4に示すが、ここで
は、この中和したポリマー溶液のpHに対する錯体生成
物中の銅濃度をグラフにしてある。この分析の結果、3
種ポリマーの全てが銅と錯体を形成することが確認され
た。これらの銅錯体は、アルテルナリア・ソラニ(Alte
rnaria solani)およびキサントモナス・カムペストリ
ス pv.ベスカトリア(Xanthomonas campestris pv.
vescatoria)に対して生物活性を示す。
【0069】実施例15 銅源が水溶性を示すか水に不溶であるかに応じ、上記実
施例3および4に従って、ポリアクリル酸の銅錯体を調
製する。次に、これらの銅錯体の液体部分に関して、キ
サントモナス・カムペストリス pv.ベスカトリアに
対する効力を試験する。カシトン(csitone)酵母抽出
(CYE)培地の個々のサンプルを銅錯体で改質して、
それぞれ1、2、4、6、8、10、20、40、6
0、80および100ppmの銅から成る金属銅濃度を
得る。全ての比較を同じ比率の硫酸銅に対して行う、と
言うのは、この形態の銅は寒天培地中で生物活性を示す
ことが知られているからである。CYE媒体中で生じさ
せた細菌培養物の画線を上記寒天の上に引いた後、27
℃で5日間培養した。制御は、細菌のコロニーが存在し
ているか或は存在していないかを基としている。全ての
銅錯体サンプルおよび硫酸銅サンプルが、6ppm以上
で細菌を制御する。これらの試験は、本発明に従って製
造した銅錯体サンプルが硫酸銅サンプルと同じ活性を示
す、ことを示している。この試験結果を更に以下の表3
に示す。
【0070】
【表3】 表3 ポリカルボン酸 銅源 CYE寒天におけるLD95 (Cuのppm) ポリアクリル酸 水酸化第二銅 6 ポリアクリル酸 硫酸銅 6 ポリアクリル酸 Cu(ClO42 6 ポリアクリル酸 Cu2O 6 ポリアクリル酸 Cu(NO32 6 ポリアクリル酸 CuCl2 6 ポリアクリル酸 オキシ塩化銅 6 ポリアクリル酸 三塩基性硫酸銅 6 ポリアクリル酸 塩基性炭酸銅 6 ポリアクリル酸 水化銅 6 ポリメタアクリル酸 水化銅 6 アクリル酸とアクリル 水酸化第二銅 6 アミドとのコポリマー アクリル酸と 水酸化第二銅 6 メタアクリルアミド とのコポリマー アクリル酸と 水酸化第二銅 6 アクリル酸エステル とのコポリマー アクリル酸と 水酸化第二銅 6 メタアクリル酸 とのコポリマー アクリル酸と 水酸化第二銅 6 メタアクリル酸エステル とのコポリマー アクリル酸と 水酸化第二銅 6 無水マレイン酸 とのコポリマー カルボキシメチル 水酸化第二銅 6 セルロース マレイン酸と 水酸化第二銅 6 ブタジエン とのコポリマー マレイン酸と 水酸化第二銅 6 無水マレイン酸 とのコポリマー マレイン酸と 水酸化第二銅 6 アクリル酸 とのコポリマー メチルビニルエーテル 水酸化第二銅 6 と無水マレイン酸 とのコポリマー 無し 硫酸銅 6実施例16 以下の表4に挙げる実施例に従って、ポリアクリル酸の
銅錯体を生じさせる。次に、これらの銅錯体の液体部分
に関して、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solan
i)に対する効力を試験する。標的の菌を接種したCY
E培地の中で上記銅錯体を試験する。それぞれ1、1
0、20、40、60、80および100ppmの銅か
ら成る金属銅濃度を得るように、上記銅錯体で個々の培
地サンプルを改質する。全ての比較は同じ比率の硫酸銅
に対して行う、と言うのは、この形態の銅は寒天培地中
で生物活性を示すことが知られているからである。7m
mのコルク用きりを用いて、アルテルナリア・ソラニの
活発に増殖している培養物をこのコロニーの外側周辺か
らサンプリングした後、上記銅で改質した培地が入って
いる培養皿の中心に置く。これらのサンプルを28℃で
10日間培養する。放射状培養物の直径を測定すること
で、この菌の増殖に対する銅の効果を決定する。上記銅
錯体サンプルのLD90は100ppmの銅であり、一方
硫酸銅のLD90は80ppmの銅である。これらの試験
は、本発明に従って製造した銅錯体サンプルは硫酸銅サ
ンプルと本質的に同じ活性を示す、ことを示している。
種々のポリカルボン酸および種々の銅源に関する効力試
験の結果を以下の表4および図6に報告する。
【0071】
【表4】 表4 PAA固体 PAAの 部分中和 銅源 製造の 錯体溶液中 CYE寒天中 の濃度 分子量 PAAのpH 実施例 の銅濃度 のLD90 (Cu(ppm)) 2.50 2,100 7.0 水酸化第二銅 3 1270 ppm 100 1.67* 2,100 7.0 水酸化第二銅 1 800 ppm 100 0.42* 2,100 7.0 硫酸第二銅 4 800 ppm 100 6.67 2,100 5.3 水加銅 1 1.0% 100 6.67 2,100 5.0 水加銅 1 1.0% 100 0.64 2,100 4.8 水酸化第二銅 1 1000 ppm 100 1.74 2,100 4.8 水酸化第二銅 1 2000 ppm 100 1.30 2,100 4.8 水酸化第二銅 1 2000 ppm 100 12.00** 2,100 4.8 水酸化第二銅 12 1.5% 100 1.20 2,100 7.0 塩化第二銅 5 1030 ppm 100 1.67 2,100 7.0 オキシ塩化銅 6 325 ppm 100 7.14 2,100 4.5 水加銅 2 2.0% 100 20.00 2,100 4.5 水加銅 1 3.5% 100 1.00 5,000 5.2 水酸化第二銅 3 2730 ppm 100 1.60 5,800 7.1 水酸化第二銅 3 220 ppm 100 5.00 10,000 4.1 水加銅 3 1.2% 100 1.00 50,000 5.0 水酸化第二銅 3 3500 ppm 100 2.85 60,000 4.1 水加銅 1 1.0% 100 1.00 90,000 5.0 水酸化第二銅 3 3530 ppm 100 1.00 150,000 5.0 水酸化第二銅 3 3200 ppm 100 1.00 240,000 5.0 水酸化第二銅 3 3150 ppm 100 なし 硫酸第二銅 80 * 図6に示す試験で用いた錯体 ** 実施例12で調製した銅錯体溶液と8.57%の
Cuを含んでいる凍結乾燥材料の両方を試験する。
【0072】実施例17 以下の表5に挙げる実施例に従って、ポリアクリル酸の
銅錯体を調製する。これらの銅錯体の液体部分に関し
て、通常の銅を基とする殺菌/殺カビ剤に耐性を示すこ
とが知られているキサントモナス・カムペストリスp
v.ベスカトリア(Xanthomonas campestris pv. vesca
toria)に対する効力を試験する。実施例12に従って
調製した材料を試験用寒天の中に溶解させる。標的細菌
を接種したCYE寒天の中で上記銅錯体を試験する。そ
れぞれ50、100、200および300ppmの銅か
ら成る金属銅濃度の培地サンプルを得るように、上記銅
錯体で個々の培地サンプルを改質する。全ての比較を同
じ比率の硫酸銅に対して行う、と言うのは、この形態の
銅は寒天培地中で生物活性を示すことが知られているか
らである。25ppmの銅で改質したCYE培地の中で
生じさせた細菌培養物の画線を上記寒天の上に引いた
後、27℃で5日間培養する。制御は、細菌コロニーが
存在しているか或は存在していないかを基にする。銅錯
体サンプルは300ppmで銅耐性細菌を制御し、そし
て硫酸銅は100ppmで細菌を制御する。効力試験の
結果を更に表5に報告する。
【0073】
【表5】 表5 PAA固体 PAAの 部分中和 銅源 製造の 錯体溶液中 CYE寒天中 の濃度 分子量 PAAのpH 実施例 の銅濃度 のLD90 (Cu(ppm)) 1.67 2,100 7.0 水酸化第二銅 1 800 ppm 300 0.42 2,100 7.0 硫酸第二銅 4 800 ppm 300 6.67 2,100 5.3 水加銅 1 1.0% 300 6.67 2,100 5.0 水加銅 1 1.0% 300 12.00* 2,100 4.8 水酸化第二銅 12 1.5% 300 0.80 2,100 4.8 水加銅 1 2000 ppm 300 1.06 2,100 4.8 水加銅 1 2000 ppm 300 1.60 2,100 4.8 水加銅 1 2000 ppm 300 3.75 2,100 4.5 水加銅 1 1.0% 300 6.25 2,100 4.5 水加銅 1 1.0% 300 8.00 2,100 4.5 水加銅 1 1.0% 300 7.14 2,100 4.5 水加銅 2 2.0% 300 20,00 2,100 4.5 水加銅 1 3.5% 300 5.00 10,000 4.1 水加銅 3 1.2% 300 2.50 60,000 3.8 水加銅 3 1.0% 300 なし - - 硫酸第二銅 - - 100 * 実施例12で調製した銅錯体溶液と8.57%のC
uを含んでいる凍結乾燥材料の両方を試験する。
【0074】実施例18 実施例2に従って調製した銅錯体溶液を実験室用種子処
理装置で種子に噴霧することにより、これを、種子cw
t当たり7、14および28グラムのCuになるように
小麦種子に施す。この処理した種子を植える前に皿の上
で空気乾燥する。50個の種子を平地中の土壌の中に植
えることで、発芽と発芽後の成育を評価する。28グラ
ムのCu/cwtで、全ての処理物を、通常の銅を基と
する殺菌/殺カビ剤(Kocide Seed Dressing)と比較す
る。全ての処理物に関する発芽および成育は同様である
(以下の表6参照)。発芽する苗に関して、植物毒性は
全く観察されない。
【0075】
【表6】 表6 処理 g/cwt種子 発芽(%) Kocide Seed Dressing 28 47 実施例2 7 48 実施例2 14 48 実施例2 28 48 未処理 0 45実施例19 個々の溶液に果物を浸漬した後、この溶液を果物表面上
で乾燥させることにより、実施例2に従って調製した銅
錯体溶液を100、500および1000ppmでオレ
ンジに施す。この果物を浸漬するに先立って、これらに
アルテルナリア・シトリ(Alternaria citri)、フィト
フトラ・シトロフトラ(Phytophthora citrophthor
a)、ペニシリウム・ジガタツム(Penicillium digatat
um)およびコレトトリクム・グロエオスポリオイデス
(Colletotrichum gloeosporioides)を接種する。この
果物を5℃および80%の相対湿度で14日間保存した
後、病気にかかった果物の数を数える。この試験期間の
終了時、未処理果物の100%が病気になっており、そ
して100、500および1000ppmのCuで処理
した果物に関しては、それぞれ35%、10%および8
%の果物が病気になっている。この果物には傷痕も変色
も観察されなかった。
【0076】実施例20 実施例2に従って調製した銅錯体溶液を、1週毎に5
回、1000ppmのCuでゼラニウム植物に施す。こ
の試験期間の終了時、残留物を評価し、そして同じ銅比
率で施した通常の銅を基とする殺菌/殺カビ剤と比較す
る。裸眼で見た時、通常処理と比較して明らかに残留物
がない。残留物を評価した後の植物にオーバーヘッド照
射を受けさせる。これらの植物を乾燥した後再び残留物
を評価する。通常の殺菌・殺カビ剤処理では、残留物が
多く見られたが、該銅錯体で処理した植物では、残留物
の痕跡がほとんど全く残存していない。如何なる種類の
植物毒性も観察されない。
【0077】実施例21 実施例2に従って調製した銅錯体溶液を綿ズック地織物
に塗布する。該銅錯体の1000ppm溶液および硫酸
銅溶液それぞれに上記織物を浸漬することによって、個
々の織物サンプルを処理する。この織物のもう1つのサ
ンプルには全く処理を行っていない。次に、これらの織
物サンプルを、殺菌していない畑の土壌の中に2カ月間
埋める。この試験期間の終了時、未処理の織物は部分的
に分解しており、そして銅錯体および硫酸銅で処理した
サンプルは本質的に無傷のままであり分解していない。
【0078】実施例22 3種の異なる塩基性化合物で該ポリアクリル酸を中和し
て3から6の範囲のpHにする以外は実施例3に従っ
て、銅錯体溶液を調製する。これらの3種の塩基性化合
物は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化ア
ンモニウムである。これらのサンプルは1重量%ポリマ
ー固体のGoodrite K-752を含んでいる。これらの異なる
サンプルに関して銅を分析する。この試験結果を図5に
示すが、ここでは、これらの異なる3種の中和用化合物
に関して、中和したポリアクリル酸のpHに対する銅濃
度をグラフにしてある。
【0079】勿論、上に示したものは本発明の特定開示
具体例のみに関するものであり、添付請求の範囲に挙げ
る如き本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、そ
の点において数多くの改良もしくは変更を行い得る、と
理解すべきである。
【0080】本発明の特徴および態様は以下のとうりで
ある。
【0081】1. 約1,000から300,000の
分子量および約3から9のpHを有する、部分中和した
水溶性ポリカルボン酸の水溶液を生じさせ、そして上記
水溶液と一緒にすると上記部分中和ポリカルボン酸との
水溶性錯体を生じる銅(II)イオンを放出する銅含有
化合物を、上記水系混合物と一緒にする、段階を含む、
本質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物の製造
方法。
【0082】2. 上記ポリカルボン酸が、ポリアクリ
ル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸とアクリルアミ
ドとのコポリマー類、アクリル酸とメタアクリルアミド
とのコポリマー類、アクリル酸とアクリル酸エステルと
のコポリマー類、アクリル酸とメタアクリル酸とのコポ
リマー類、アクリル酸とメタアクリル酸エステルとのコ
ポリマー類、アクリル酸と無水マレイン酸とのコポリマ
ー類、カルボキシメチルセルロース、マレイン酸とブタ
ジエンとのコポリマー類、マレイン酸と無水マレイン酸
とのコポリマー類、マレイン酸とアクリル酸とのコポリ
マー類、およびメチルビニルエーテルと無水マレイン酸
とのコポリマー類から成る群から選択される第1項の方
法。
【0083】3. 上記分子量が約2,000から5
0,000である第1項の方法。
【0084】4. 上記pHが約3.5から5である第
1項の方法。
【0085】5. 上記銅含有化合物がCu(O
H)2、CuSO4、Cu(ClO42、Cu2O、Cu
(NO32、CuCl2、三塩基性硫酸銅、オキシ塩化
銅、および塩基性炭酸銅から成る群から選択される第1
項の方法。
【0086】6. 上記銅含有化合物がCu(O
H)2、Cu2O、三塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅および
オキシ塩化銅から成る群から選択される第1項の方法。
【0087】7. 上記銅化合物を約0.1重量%から
5重量%(銅金属当量)の量で上記水溶液に添加する第
1項の方法。
【0088】8. 上記銅を約0.1重量%から3.2
重量%(銅金属当量)の量で上記水溶液に添加する第1
項の方法。
【0089】9. 上記ポリカルボン酸を、上記銅が沈
澱するのを防止するに充分な量で上記水溶液に添加する
第1項の方法。
【0090】10. 上記ポリカルボン酸を約0.2重
量%から80重量%の量で上記水溶液に添加する第1項
の方法。
【0091】11. 上記ポリカルボン酸を約0.75
重量%から20重量%の量で上記水溶液に添加する第1
項の方法。
【0092】12. 固体状の水溶性殺菌・殺カビ組成
物を製造する目的で上記混合物を乾燥する段階を更に含
んでいる第1項の方法。
【0093】13. 上記乾燥が凍結乾燥である第12
項の方法。
【0094】14. 上記乾燥がスプレー乾燥である第
12項の方法。
【0095】15. 上記乾燥がオーブン乾燥である第
12項の方法。
【0096】16. 約2,000から50,000の
分子量および約3.5から5のpHを有する部分中和し
たポリカルボン酸を約0.75重量%から20重量%の
量で加えた水溶液を生じさせ、そして上記部分中和ポリ
カルボン酸との錯体を生じるに充分な量の、Cu(O
H)2、CuSO4、Cu(ClO42、Cu2O、Cu
(NO32、CuCl2、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸
銅、および塩基性炭酸銅から成る群から選択される銅含
有化合物を、上記水系混合物と一緒にする、段階を含
む、本質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物の
製造方法。
【0097】17. 第6項の方法に従って製造された
本質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物。
【0098】18. 約1,000から300,000
の分子量および約3から9のpHを有する、部分中和し
た水溶性ポリカルボン酸と、水酸化銅、酸化第一銅、三
塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅およびオキシ塩化銅から成
る群から選択される本質的に水に不溶な銅含有化合物か
ら誘導される銅との錯体水溶液、から本質的に成る、本
質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物。
【0099】19. 第1項の方法に従って製造した殺
菌/殺カビ剤を植物に施す段階を含む、植物における細
菌/カビ病を制御する方法。
【0100】20. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在しているとき約3から9の
pHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸と、銅
との錯体、から本質的に成る組成物の殺菌/殺カビ量を
植物に施す段階を含む、植物における細菌/カビ病を制
御する方法。
【0101】21. 上記ポリカルボン酸が、ポリアク
リル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸とアクリルア
ミドとのコポリマー類、アクリル酸とメタアクリルアミ
ドとのコポリマー類、アクリル酸とアクリル酸エステル
とのコポリマー類、アクリル酸とメタアクリル酸とのコ
ポリマー類、アクリル酸とメタアクリル酸エステルとの
コポリマー類、アクリル酸と無水マレイン酸とのコポリ
マー類、カルボキシメチルセルロース、マレイン酸とブ
タジエンとのコポリマー類、マレイン酸と無水マレイン
酸とのポリマー類、マレイン酸とアクリル酸とのコポリ
マー類、およびメチルビニルエーテルと無水マレイン酸
とのコポリマー類から成る群から選択される第20項の
方法。
【0102】22. 上記分子量が約2,000から5
0,000である第20項の方法。
【0103】23. 上記pHが約3.5から5である
第20項の方法。
【0104】24. 上記銅がCu(OH)2、CuS
4、Cu(ClO42、Cu2O、Cu(NO32、C
uCl2、三塩基性硫酸銅、オキシ塩化銅、および塩基
性炭酸銅から成る群から選択される化合物から誘導され
る第20項の方法。
【0105】25. 上記銅がCu(OH)2、Cu
2O、三塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅およびオキシ塩化
銅から成る群から選択される化合物から誘導される第2
0項の方法。
【0106】26. 上記銅が約0.1重量%から5重
量%(銅金属当量)の量で存在している第20項の方
法。
【0107】27. 上記銅が約0.1重量%から3.
2重量%(銅金属当量)の量で存在している第20項の
方法。
【0108】28. 上記ポリカルボン酸が、上記銅が
沈澱するのを防止するに充分な量で存在している第20
項の方法。
【0109】29. 上記ポリカルボン酸が約0.2重
量%から80重量%の量で存在している第20項の方
法。
【0110】30. 上記ポリカルボン酸が約0.75
重量%から20重量%の量で存在している第20項の方
法。
【0111】31. 上記細菌の植物病原体が銅耐性を
示す第20項の方法。
【0112】32. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在しているとき約3から9の
pHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸と、銅
との錯体、から本質的に成る殺菌/殺カビ剤を植物に施
す段階を含む、植物における細菌/カビ病を制御する方
法。
【0113】33. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約
3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボ
ン酸と、水酸化銅、酸化第二銅、三塩基性硫酸銅、塩基
性炭酸銅およびオキシ塩化銅から成る群から選択される
本質的に水に不溶な銅化合物から誘導される銅との錯
体、から本質的に成る殺菌/殺カビ剤を植物に施す段階
を含む、植物における細菌/カビ病を制御する方法。
【0114】34. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
で約3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカ
ルボン酸と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組
成物の殺菌/殺カビ量を、作物を収穫した後の作物に施
す段階を含む、作物における細菌/カビ病を制御する方
法。
【0115】35. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約
3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボ
ン酸と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物
の殺菌/殺カビ量を、植える前の種子に施す段階を含
む、種子における細菌/カビ病を制御する方法。
【0116】36. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約
3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボ
ン酸と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物
の殺菌/殺カビ量を、観賞用植物の葉に施す段階を含
む、観賞用植物における細菌/カビ病を制御する方法。
【0117】37. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約
3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボ
ン酸と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物
の殺菌/殺カビ量を、処理すべき基質に施す段階を含
む、細菌/カビ病を制御する方法。
【0118】38. 約1,000から300,000
の分子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中
にこのポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約
3から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボ
ン酸と、Cu(OH)2、CuSO4、Cu(Cl
42、Cu2O、Cu(NO32、CuCl2、オキシ
塩化銅、三塩基性硫酸銅、および塩基性炭酸銅から成る
群から選択される化合物から誘導される銅との錯体の水
溶液、および上記銅錯体が雨によって植物表面から除去
されるのを低下させるに充分な粘着力を与える粘性化合
物の有効量、から本質的に成る、本質的に植物毒性を示
さない殺菌/殺カビ組成物。
【0119】39. 上記粘性化合物がポリビニルピロ
リドン、ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコールお
よびポリアクリルアミドから成る群から選択される第3
8項のの殺菌/殺カビ組成物。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、3つの異なる銅源に関する、1重量%
(固体)濃度における中和したポリアクリル酸のpHに
対してプロットした銅濃度のグラフである。
【図2】図2は、3つの異なるポリカルボン酸に関す
る、1重量%(固体)濃度における中和したポリカルボ
ン酸のpHに対してプロットした銅濃度のグラフであ
る。
【図3】図3は、3つの異なるポリカルボン酸に関す
る、中和したポリカルボン酸濃度(固体)に対してプロ
ットした銅濃度のグラフである。
【図4】図4は、3つの異なるポリカルボン酸に関す
る、中和したポリカルボン酸溶液のpHに対してプロッ
トした銅濃度のグラフである。
【図5】図5は、3つの異なる中和剤に関する、中和し
たポリカルボン酸のpHに対してプロットした銅濃度の
グラフである。
【図6】図6は、3つの異なる銅源に関する、銅濃度
(ppm)に対してプロットしたアルテルナリア・ソラ
ニ(Alternaria solani)コロニー直径(mm)のグラ
フである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約1,000から300,000の分子
    量および約3から9のpHを有する、部分中和した水溶
    性ポリカルボン酸の水溶液を生じさせ、そして上記水溶
    液と一緒にすると上記部分中和ポリカルボン酸との水溶
    性錯体を生じる銅(II)イオンを放出する銅含有化合
    物を、上記水系混合物と一緒にする、段階を含む、本質
    的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 約2,000から50,000の分子量
    および約3.5から5のpHを有する部分中和したポリ
    カルボン酸を約0.75重量%から20重量%の量で加
    えた水溶液を生じさせ、そして上記部分中和ポリカルボ
    ン酸との錯体を生じるに充分な量の、Cu(OH)2
    CuSO4、Cu(ClO42、Cu2O、Cu(N
    32、CuCl2、オキシ塩化銅、三塩基性硫酸銅、
    および塩基性炭酸銅から成る群から選択される銅含有化
    合物を、上記水系混合物と一緒にする、段階を含む、本
    質的に植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 約1,000から300,000の分子
    量および約3から9のpHを有する、部分中和した水溶
    性ポリカルボン酸と、水酸化銅、酸化第一銅、三塩基性
    硫酸銅、塩基性炭酸銅およびオキシ塩化銅から成る群か
    ら選択される本質的に水に不溶な銅含有化合物から誘導
    される銅との錯体水溶液、から本質的に成る、本質的に
    植物毒性を示さない殺菌/殺カビ組成物。
  4. 【請求項4】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこの
    ポリカルボン酸が存在しているとき約3から9のpHを
    示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸と、銅との錯
    体、から本質的に成る組成物の殺菌/殺カビ量を植物に
    施す段階を含む、植物における細菌/カビ病を制御する
    方法。
  5. 【請求項5】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこの
    ポリカルボン酸が存在しているとき約3から9のpHを
    示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸と、銅との錯
    体、から本質的に成る殺菌/殺カビ剤を植物に施す段階
    を含む、植物における細菌/カビ病を制御する方法。
  6. 【請求項6】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこの
    ポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約3から
    9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸
    と、水酸化銅、酸化第二銅、三塩基性硫酸銅、塩基性炭
    酸銅およびオキシ塩化銅から成る群から選択される本質
    的に水に不溶な銅化合物から誘導される銅との錯体、か
    ら本質的に成る殺菌/殺カビ剤を植物に施す段階を含
    む、植物における細菌/カビ病を制御する方法。
  7. 【請求項7】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中で約3
    から9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン
    酸と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物の
    殺菌/殺カビ量を、作物を収穫した後の作物に施す段階
    を含む、作物における細菌/カビ病を制御する方法。
  8. 【請求項8】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこの
    ポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約3から
    9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸
    と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物の殺
    菌/殺カビ量を、植える前の種子に施す段階を含む、種
    子における細菌/カビ病を制御する方法。
  9. 【請求項9】 約1,000から300,000の分子
    量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこの
    ポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約3から
    9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸
    と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物の殺
    菌/殺カビ量を、観賞用植物の葉に施す段階を含む、観
    賞用植物における細菌/カビ病を制御する方法。
  10. 【請求項10】 約1,000から300,000の分
    子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこ
    のポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約3か
    ら9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸
    と、銅との錯体の水溶液、から本質的に成る組成物の殺
    菌/殺カビ量を、処理すべき基質に施す段階を含む、細
    菌/カビ病を制御する方法。
  11. 【請求項11】 約1,000から300,000の分
    子量を有し、そして銅と錯体形成する前の水溶液中にこ
    のポリカルボン酸が存在している時の水溶液中で約3か
    ら9のpHを示す、部分中和した水溶性ポリカルボン酸
    と、Cu(OH)2、CuSO4、Cu(ClO42、C
    2O、Cu(NO32、CuCl2、オキシ塩化銅、三
    塩基性硫酸銅、および塩基性炭酸銅から成る群から選択
    される化合物から誘導される銅との錯体の水溶液、およ
    び上記銅錯体が雨によって植物表面から除去されるのを
    低下させるに充分な粘着力を与える粘性化合物の有効
    量、から本質的に成る、本質的に植物毒性を示さない殺
    菌/殺カビ組成物。
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