JPH06248516A - ポリエステル製複合繊維 - Google Patents

ポリエステル製複合繊維

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JPH06248516A JP11765792A JP11765792A JPH06248516A JP H06248516 A JPH06248516 A JP H06248516A JP 11765792 A JP11765792 A JP 11765792A JP 11765792 A JP11765792 A JP 11765792A JP H06248516 A JPH06248516 A JP H06248516A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、土壌等に埋めた場合生分解性を有
し、熱融着性に優れた複合繊維を提供することにある。 【構成】 温度190℃、剪断速度1,000sec-1
における溶融粘度が1.0×102 〜1.0×104
イズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエ
ステルである高融点脂肪族ポリエステルと低融点脂肪族
ポリエステルとのそれぞれを主成分としてなる複合繊
維。 【効果】 生分解性を有し、熱融着性に優れた複合繊維
が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いて成形された熱融着着性にすぐれた複合
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、強度、剛性と共に、熱融着性等の
要求される不織布用繊維のプラスチック化が進む一方、
これら多量に使用されているプラスチックの廃棄物が、
河川、海洋、土壌を汚染する可能性を有し、大きな社会
問題になっており、この汚染防止のための生分解性を有
するプラスチックの出現が待望され、既に、例えば、微
生物による発酵法により製造されるポリ(3−ヒドロキ
シブチレート)やブレンド系の天然高分子である澱粉と
汎用プラスチックとのブレンド物等が知られている。し
かし、前者はポリマーの熱分解温度が融点に近いため成
形加工性に劣ることや微生物が作りだすため、原料原単
位が非常に悪い欠点を有している。また、後者は天然高
分子自身が熱可塑性でないため、成形性に難があり、利
用範囲に大きな制約を受けている。一方、脂肪族のポリ
エステルは生分解性を有することは知られていたが、実
用的な成形品物性を得るに十分な高分子量物が得られな
いために、ほとんど利用されなかった。最近、ε−カプ
ロラクトンが開環重合により高分子量になることが見い
だされ、生分解性樹脂として提案されているが、融点が
62℃と低く、原料が高価なため特殊用途への利用に限
定されている。グリコール酸や乳酸などもグリコリドや
ラクチドの開環重合により高分子量が得られ、僅かに医
療用繊維等に利用されているが、融点と分解温度が近
く、成形加工性に欠点を持ち、不織布等に大量に使用さ
れるには至っていない。
【0003】この不織布等に用いられる繊維の一つとし
ての複合繊維の成形に通常用いられている高分子量ポリ
エステル(ここで言う高分子量ポリエステルとは、数平
均分子量が10,000以上のものを指す)は、テレフ
タル酸(ジメチルテレフタレートを含む)とエチレング
リコールとの縮合体であるポリエチレンテレフタレート
に限定されるといっても過言ではない。テレフタル酸の
代りに、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた例も
あるが、いずれも、生分解性を付与しようとする試みの
報告はまだされていないのが現状である。従って、従来
ジカルボン酸に脂肪族タイプを使用した、生分解性を有
する脂肪族のポリエステルを用いて、複合繊維を成形
し、実用化しようとする思想は皆無といってよい。この
実用化の思想の生まれていない理由の一つは、不織布ま
たはそのための繊維が特殊な成形条件と成形品物性が要
求されるにもかかわらず、たとえ結晶性であったとして
も、前記脂肪族のポリエステルの融点は100℃以下の
ものがほとんどであり、その上溶融時の熱安定性に乏し
いこと、更に重要なことはこの脂肪族のポリエステルの
性質、特に引張り強さで代表される機械的性質が、上記
ポリエチレンテレフタレートと同一レベルの数平均分子
量でも著しく劣った値しか示さず、強度等を要する成形
物を得ようとする発想をすること自体困難であったもの
と考えられる。さらに脂肪族のポリエステルの数平均分
子量をより上昇させて物性向上を期待する研究は、その
熱安定性の不良から十分に進展していないこともその理
由の一つと推察される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、熱安定性および引張り強さに代表され
る機械的性質に優れ、且つ、廃棄処分手段のひとつとし
ての生分解性、即ち、微生物等による分解も可能な、使
用後廃棄処分のしやすい、熱融着性に優れた複合繊維を
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもった複合繊維成形性を有するポリエ
ステルを得るための反応条件を種々検討した結果、生分
解性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を有する特定
の脂肪族ポリエステルを得、これから成形された繊維は
上記生分解性を有することはもちろん引張り強さ、フレ
キシビリティに優れていることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(A)温度190
℃、剪断速度1,000sec-1における溶融粘度が
1.0×102 〜1.0×104 ポイズであり、融点が
70〜190℃である脂肪族ポリエステルの高融点脂肪
族ポリエステルと低融点脂肪族ポリエステルのそれぞれ
を主成分とした原料のそのいずれか一方を鞘成分とし、
他方を芯成分として押出成形されてなる複合繊維、
(B)脂肪族ポリエステルが数平均分子量10,000
以上であり、0.03〜3.0重量%のウレタン結合を
含む(A)の複合繊維、(C)数平均分子量が5,00
0以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポ
リマー100重量部に、0.1〜5重量部のジイソシア
ナートを反応させることにより得られる脂肪族ポリエス
テルである高融点脂肪族ポリエステルと低融点脂肪族ポ
リエステルのそれぞれを主成分とした原料のそのいずれ
か一方を鞘成分とし、他方を芯成分とする(A)または
(B)の複合繊維にある。以下、本発明の内容を詳細に
説明する。
【0007】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類と多塩基酸(またはその酸無水物)とから合
成されるポリエステルを主成分とするものであり、分子
量を高くするため、両端にヒドロキシル基を有する、比
較的高分子量のポリエステルプレポリマーを選び、カッ
プリング剤により、さらに反応させたものである。
【0008】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。しかし、これらのポリウレタン系フォーム、塗
料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマーは、
無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が2,0
00〜2,500の低分子量プレポリマーであり、この
低分子量プレポリマー100重量部に対して、ポリウレ
タンとしての実用的な物性を得るためには、ジイソシア
ナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必要があ
り、このように多量のジイソシアナートを150℃以上
の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、ゲル化
してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られない。
従って、このような低分子量のポリエステルプレポリマ
ーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応させて得
られるポリエステルは本発明の複合繊維用原料には用い
えない。
【0009】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり、上記
と同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプ
レポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成
に必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート
基の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、
分岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエス
テルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用
しようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位
のものが限界である。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーはその合成用触媒
を含有する上記のような比較的高分子量のものであり、
末端基が実質的にヒドロキシル基であり、数平均分子量
が5,000以上、好ましくは10,000以上の比較
的高分子量であり、融点が60℃以上の飽和脂肪族ポリ
エステルであり、グリコール類と多塩基酸(またはその
無水物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量が
5,000未満、例えば2,500程度であると、本発
明で利用する0.1〜5重量部という少量のカップリン
グ剤では、良好な物性を有する複合繊維用ポリエステル
を得ることができない。数平均分子量が5,000以上
のポリエステルプレポリマーは、ヒドロキシル価が30
以下であり、少量のカップリング剤の使用で、溶融状態
といった苛酷な条件下でも、残存する触媒の影響を受け
ないので反応中にゲルを生ずることなく、高分子量ポリ
エステルを合成することができる。
【0011】用いられるグリコール類としては、例えば
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等があげられる。エチレンオキシドも利用することが
できる。これらのグリコール類は、併用してもよい。
【0012】グリコール類と反応して脂肪族のポリエス
テルを形成する多塩基酸(またはその酸無水物)には、
コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデ
カン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、などが一般に
市販されており、本発明に利用することができる。多塩
基酸(またはその酸無水物)は併用してもよい。
【0013】これらグリコール類および多塩基酸は脂肪
族系が主成分であるが、少量の他成分たとえば芳香族系
を併用してもよい。但し、他成分を導入すると生分解性
が悪くなるため、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
【0014】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル用
ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるが、そのためには合成反応に使用するグ
リコール類および多塩基酸(またはその酸無水物)の使
用割合は、グリコール類を幾分過剰に使用する必要があ
る。
【0015】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。脱グリコール反応触媒としては、例えばアセトア
セトイル型チタンキレート化合物、並びに有機アルコキ
シチタン化合物等のチタン化合物があげられる。これら
のチタン化合物は、併用もできる。これらの例として
は、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化学
産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシ
チタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.001〜
1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部である。
チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよく、ま
た脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0016】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば次の
種類があげられる。2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリ
レンジイソシアナートとの混合体、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイ
ソシアナートが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時
の反応性、等の点から好ましい。
【0017】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カップリング反応が不十分であり、5重量
部を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0018】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0019】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは押出成形をして複合繊維にするためには、特定の
溶融特性が要求される。即ち、温度190℃、剪断速度
1,000sec-1における溶融粘度は1.0×102
〜1.0×104 ポイズであり、好ましくは2.0×1
2 〜6.0×103 ポイズ、3.0×102 〜4.0
×103 ポイズが特に好ましい。1.0×102 ポイズ
未満では操作性が悪く、紡糸が困難である。1.0×1
4 ポイズを超えるとノズルでの糸切れが生じやすく、
また紡糸後細化しにくい。なお、溶融粘度の測定はノズ
ル径が1.0mmであり、L/D=10のノズルを用い
樹脂温度190℃で測定した剪断速度と見かけ粘度の関
係のグラフより剪断速度1,000sec-1の時の粘度
を求めた。
【0020】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、190℃を超えるものは製造が難しい。
70℃以上の融点を得るためには、ポリエステルプレポ
リマーの融点は60℃以上であることが必要である。本
発明において使用される高融点脂肪族ポリエステルの融
点と低融点脂肪族ポリエステルの融点の差は20〜50
℃である。融点の差が20℃未満では、熱融着が困難で
あり、フィルム状となって全融着してしまう。また、融
点の差が50℃を超えると、紡糸が困難となり、ノズル
直下で破断しやすいし、延伸性が悪い。
【0021】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%がより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好まし
い。ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込
み量とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン
結合による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣
り、3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0022】本発明に係る複合繊維成形のため、上記の
脂肪族ポリエステルを使用するに際しては、必要に応じ
て酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、
ワックス類、着色剤、結晶化促進剤等を併用できること
は勿論である。すなわち、酸化防止剤としては、p−t
ブチルヒドロキシトルエン、p−tブチルヒドロキシア
ニソール等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、ジス
テアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロ
ピオネート等のイオウ系酸化防止剤等、熱安定剤として
は、トリフェニルホスファイト、トリラウリルホスファ
イト、トリスノニルフェニルホスファイト等、紫外線吸
収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェ
ノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等、
滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等、帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒドロキシエ
チル)アルキルアミン、アルキルアミン、アルキルアリ
ルスルホネート、アルキルスルフォネート等、難燃剤と
して、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスー(2,3
−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフェ
ニルアリルエーテル等があげられる。
【0023】本発明の係る複合繊維は、高融点成分と低
融点成分とのいずれか一方をそれを主成分として鞘成分
とし、芯成分は他を主成分として溶融複合紡糸してなる
ものである。芯鞘型複合繊維は、2つのタイプがあり、
1つは芯成分と鞘成分とが同心状に配置されたタイプで
あり、もう1つは芯成分の中心が複合繊維の中心と一致
せず、偏心している偏心タイプであり、これらはいずれ
も本発明の対象となる複合繊維に包含される。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。
【0025】(実施例1) (1)『ポリエステル1』の製造 700Lの反応機を窒素置換してから、1,4−ブタン
ジオール183kg、コハク酸224kgを仕込んだ。
窒素気流下に昇温を行い、192〜220℃にて3.5
時間、更に窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下に
3.5時間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行
った。採取された試料は、酸価が9.2mg/g、数平
均分子量(Mn)が5,160、また重量平均分子量
(Mw)が10,670であった。引続いて、常圧の窒
素気流下に触媒のテトライソプロポキシチタン34gを
添加した。温度を上昇させ、温度215〜220℃で1
5〜0.2mmHgの減圧にて5.5時間、脱グリコー
ル反応を行った。採取された試料は数平均分子量(M
n)が16,800、また重量平均分子量(Mw)が4
3,600であった。このポリエステル(A1)は、凝
縮水を除くと収量は339kgであった。
【0026】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート5.42kgを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010を
1.70kgおよび滑剤としてステアリン酸カルシウム
を1.70kgを加えて、更に30分間撹拌を続けた。
この反応生成物をエクストルーダーにて水中に押出し、
カッターで裁断してペレットにした。90℃で6時間、
真空乾燥した後のポリエステル(B1)の収量は300
kgであった。
【0027】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度1,
000sec-1における溶融粘度は4.8×103 ポイ
ズであった。平均分子量の測定は、Shodex GP
C System−11(昭和電工(株)製ゲルクロマ
トグラフィー)、溶媒はCF3 COONaのHFIPA
5mmol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工
(株)製PMMA標準サンプルShodex Stan
dard M−75で行った。
【0028】(2)『ポリエステル2』の製造 700Lの反応機を窒素置換してから、1,4−ブタン
ジオール177kg、コハク酸198kg、アジピン酸
25kgを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、190
〜210℃にて3.5時間、更に窒素を停止して20〜
2mmHgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮合に
よるエステル化反応を行った。採取された試料は、酸価
が9.6mg/g、数平均分子量(Mn)が6,10
0、また重量平均分子量(Mw)が12,200であっ
た。引続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプ
ロポキシチタン20gを添加した。温度を上昇させ、温
度210〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧下に
て6.5時間、脱グリコール反応を行った。採取された
試料は数平均分子量(Mn)が17,300、また重量
平均分子量(Mw)が46,400であった。このポリ
エステル(A2)は、凝縮水を除くと収量は337kg
であった。
【0029】ポリエステル(A2)333kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.66kgを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.70kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B2)の収量は300kgであった。
【0030】得られたポリエステル(B2)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が103
℃、数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分
子量(Mw)が200,900、MFR(190℃)は
0.52g/10分、オルトクロロフェノールの10%
溶液の粘度は680ポイズ、温度190℃、剪断速度1
000sec-1における溶融粘度は5.0×103 ポイ
ズであった。
【0031】一軸押出機2台と、ホ−ル径0.6mm
φ、ホール数120のマルチフィラメント用ノズルから
なる複合繊維紡糸設備により低融点成分である低融点の
『ポリエステル2』を鞘成分、高融点成分である高融点
の『ポリエステル1』を芯成分として、紡糸温度200
℃、引取速度500m/minで紡糸したところ、単糸
デニール10dの芯鞘繊維を得た。この芯鞘繊維は同心
状に芯成分と鞘成分が配置されており、断面積の比率は
1:1であった。
【0032】このマルチフィラメントをステ−プルファ
イバ−試作設備により、延伸倍率5倍で延伸、オイリン
グ、捲縮加工、乾燥後、100℃の熱風で捲縮加工した
後、カットを行い、単糸デニ−ル3dカット長51m
m,捲縮数15/inch,捲縮率17%の複合繊維を
得た。
【0033】この複合繊維を幅350mmのサンプルカ
ード機に3回通し、目付け20g/m2の均一名ウエッ
ブを作成した。このウエッブを幅350mm,速度5m
/minの金網ベルトにのせ、温度120℃の熱風を複
合繊維を熱融着させて不織布を作成した。裂断長はTD
方向 1500m,MD方向 7000mであり熱融着
性に優れていた。この不織布を土中に5ヶ月間埋めてお
いたところ、不織布としての形は崩れ、複合繊維の引張
強度も低下し分解変化していることがわかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の、温度190℃、剪断速度1,
000sec-1における溶融粘度が1.0×102
1.0×104 ポイズであり、融点が70〜190℃で
ある脂肪族ポリエステルを芯鞘構造に押出成形されてな
る複合繊維、特に、数平均分子量が5,000以上、融
点が60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー10
0重量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反
応させることにより得られる脂肪族ポリエステルである
高融点脂肪族ポリエステルと低融点脂肪族ポリエステル
からなる複合繊維は、土壌等に埋めた場合生分解性を有
し、焼却処理したとしても燃焼発熱量はポリエチレンや
ポリプロピレンと比較して低く、熱融着性に優れてお
り、不織布用として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/54 A 7199−3B // B29K 67:00 (72)発明者 滝山 栄一郎 神奈川県鎌倉市西鎌倉4−12−4

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度190℃、剪断速度1,000se
    -1における溶融粘度が1.0×102 〜1.0×10
    4 ポイズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポ
    リエステルの高融点脂肪族ポリエステルと低融点脂肪族
    ポリエステルのそれぞれを主成分とした原料のそのいず
    れか一方を鞘成分とし、他方を芯成分として押出成形さ
    れてなる複合繊維。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量1
    0,000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレ
    タン結合を含む請求項1に記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる脂肪族ポリエステルである高融
    点脂肪族ポリエステルと低融点脂肪族ポリエステルのそ
    れぞれを主成分とした原料のそのいずれか一方を鞘成分
    とし、他方を芯成分とする請求項1または請求項2記載
    の複合繊維。
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