JPH06248156A - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物

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JPH06248156A
JPH06248156A JP3556993A JP3556993A JPH06248156A JP H06248156 A JPH06248156 A JP H06248156A JP 3556993 A JP3556993 A JP 3556993A JP 3556993 A JP3556993 A JP 3556993A JP H06248156 A JPH06248156 A JP H06248156A
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本 孝 二 山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 格段に耐衝撃性の優れたプロピレン系樹脂組
成物を提供する。 【構成】 下記の重合体部(a) 及び重合体部(b) から構
成され、全体のMFRが5〜200g/10分であるプ
ロピレン・α−オレフィンブロック共重合体50〜97
重量%、重合体部(a) :MFRが20〜200g/10
分で、密度が0.9070g/cm3 以上のプロピレン
単独重合体部80〜95重量%、重合体部(b) :プロピ
レン以外のα−オレフィン含量が20〜50重量%で、
MFRが0.01〜1g/10分のα−オレフィン・プ
ロピレンランダム共重合体部20〜5重量%、メタロセ
ン触媒を用い、スラリー法により製造された下記に示す
(a')〜(c')の性状を有するエチレンと炭素数4〜18の
α−オレフィンとの共重合体50〜3重量%、(a') M
FRが0.01〜20g/10分(b') 密度(D)が
0.913g/cm3 以下(c') α−オレフィン含量が
10〜90重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性が大幅に改良
された自動車内外装部品、電気機器外装部品等の材料に
好適なプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、高剛性であり、
成形性が良好で、しかも安価であるなどの点から自動車
内外装部品、例えばバンパー、モール、フロントグリ
ル、インストルメントパネル等や、電気機器外装部品等
の用途分野において、近年、加速度的にその需要が高ま
っている。しかしながら、このようなポリプロピレン樹
脂でも、その用途によっては耐衝撃性が不十分であると
いう問題点を有していた。このような問題点を改善する
ために、従来から、ポリプロピレン樹脂にエチレン・プ
ロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン・ブテン共
重合体ゴム(EBR)、エチレン・プロピレン・ジエン
共重合体ゴム(EPDM)等のゴム状弾性物質をブレン
ドすることが行なわれてきたが、自動車部品、特にバン
パー等の用途に使用する場合、耐衝撃性が非常に重要視
されており、現行製品よりも更に耐衝撃性の良好な材料
の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
プロピレン樹脂の耐衝撃性の問題点を改善し、耐衝撃性
が格段に優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明は、上記問題点に鑑みて鋭意研究
を重ねた結果、特定な性状のプロピレン・α−オレフィ
ンブロック共重合体と、メタロセン化合物とアルモキサ
ンとを組み合わせた触媒を用いてエチレンと炭素数4〜
18のα−オレフィンを共重合させて得られる特定の性
状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体とを配合
して得られたプロピレン系樹脂組成物が、上記目的を達
成することができるとの知見を得て本発明を完成するに
至ったものである。すなわち、本発明のプロピレン系樹
脂組成物は、下記に示す成分(A) 及び成分(B) からなる
ことを特徴とするものである。成分(A) 下記の重合体部(a) 及び重合体部(b) から構成され、全体のMFRが5〜20 0g/10分であるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体 50〜97重量% 重合体部(a) :MFRが20〜200g/10分で、密度が0.9070g/ cm3 以上のプロピレン単独重合体部 80〜95重量% 重合体部(b) :プロピレン以外のα−オレフィン含量が20〜50重量%で、 MFRが0.01〜1g/10分のα−オレフィン・プロピレンランダム共重合 体部 20〜5重量%成分(B) メタロセン触媒を用い、スラリー法により製造された下記に示す(a')〜(c')の 性状を有するエチレンと炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合体 50〜3重量% (a') MFRが0.01〜20g/10分 (b') 密度(D)が0.913g/cm3 以下 (c') α−オレフィン含量が10〜90重量%
【0005】[発明の具体的説明] [I] 構成成分 (1) 成分(A) [プロピレン・α−オレフィンブロック
共重合体] 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する成分(A) の
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、ブロ
ック共重合体全体のMFRが5〜200g/10分を示
すもので、かつ、該ブロック共重合体中にはプロピレン
単独重合体部[重合体部(a) ]と、プロピレンと少量の
α−オレフィンとのランダム共重合体部[重合体部(b)
]とを含有し、その中の重合体部(a) がブロック共重
合体中の80〜95重量%を占め、そのMFRが20〜
200g/10分で、密度が0.9070g/cm3
上を示すものであり、前記重合体部(b) がブロック共重
合体中の20〜5重量%を占め、そのα−オレフィン含
量が20〜50重量%で、MFRが0.01〜1g/1
0分を示すものである。
【0006】このようなプロピレン・α−オレフィンブ
ロック共重合体の製造方法については特別に限定される
ものではなく、一般的には、いわゆるチーグラー・ナッ
タ型触媒、特にはチタン、マグネシウム及びハロゲンを
必須成分とし、電子供与性化合物を任意成分とする固体
成分又は三塩化チタンを遷移金属成分とし、有機アルミ
ニウム化合物を有機金属成分とする組み合わせ触媒を用
いて、スラリー重合、気相重合、バルク重合、溶液重合
等又はこれらを組み合わせた重合法で、プロピレンを単
独重合することによって得られるプロピレン単独重合体
と、プロピレンと、α−オレフィン、好ましくは炭素数
2又は4〜12のα−オレフィン、特に好ましくはエチ
レン、とをランダム共重合することによって得られるプ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とからなる
ブロック共重合体で、少なくとも二段階で共重合させる
ことによって得られるプロピレン・α−オレフィンブロ
ック共重合体である。
【0007】(a) プロピレン単独重合体部[重合体部
(a) ]割 合 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する成分(A) の
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体中のプロ
ピレン単独重合体部[重合体部(a) ]の割合は、成分
(A) 中に80〜95重量%、好ましくは85〜93重量
%を占めていることが重要である。該プロピレン単独重
合体部[重合体部(a) ]の割合が上記範囲よりも少なす
ぎると剛性不足となり、多すぎると衝撃強度不足とな
る。MFR また、プロピレン単独重合体部[重合体部(a) ]のMF
Rは、20〜200g/10分、好ましくは30〜10
0g/10分であることが重要である。該プロピレン単
独重合体部[重合体部(a) ]のMFRが上記範囲よりも
小さすぎると成形が難しくなり、大きすぎると衝撃強度
が低下し実用上使用できなくなる。密 度 また、プロピレン単独重合体部[重合体部(a) ]の密度
は、0.9070g/cm3 以上、好ましくは0.90
74以上であることが重要である。該プロピレン単独重
合体部[重合体部(a) ]の密度が上記範囲よりも少なす
ぎると剛性が不足し実用上問題となる。
【0008】(b) α−オレフィン・プロピレンランダム
共重合体部[重合体部(b) ]割 合 本発明のプロピレン系樹脂組成物を構成する成分(A) の
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体中のα−
オレフィン・プロピレンランダム共重合体部[重合体部
(b) ]の割合は、成分(A) 中に20〜5重量%、好まし
くは15〜7重量%を占めていることが重要である。該
α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体部(b) の
割合が上記範囲よりも少なすぎると衝撃強度が不足とな
り、多すぎると剛性が不足となる。MFR また、α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体部
(b) のMFRは、0.01〜1g/10分、好ましくは
0.05〜0.5g/10分であることが重要である。
該α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体部[重
合体部(b) ]のMFRが上記範囲よりも少なすぎると分
散不良でゲル分の原因となり、多すぎると衝撃強度が低
下したりベタついたりする。α−オレフィン含量 また、α−オレフィン・プロピレンランダム共重合体部
[重合体部(b) ]中のα−オレフィン含量は20〜50
重量%、好ましくは30〜45重量%であることが重要
である。該α−オレフィン・プロピレンランダム共重合
体部(b) のα−オレフィン含量が上記範囲よりも少なす
ぎると低温衝撃強度が不足となり、多すぎるとベタつい
て実用上使用が難しくなる。
【0009】(c) プロピレン・α−オレフィンブロック
共重合体[成分(A) ]割 合 上記プロピレン単独重合体部[重合体部(a) ]とα−オ
レフィン・プロピレンランダム共重合体部[重合体部
(b) ]とからなるプロピレン・α−オレフィンブロック
共重合体[成分(A) ]の本発明のプロピレン系樹脂組成
物中に占める割合は、50〜97重量%、好ましくは7
0〜93重量%を占めていることが重要である。該プロ
ピレン・α−オレフィンブロック共重合体[成分(A) ]
のプロピレン系樹脂組成物中に占める割合が上記範囲よ
りも少なすぎると低温衝撃強度が不足となり、多すぎる
と剛性不足で実用上使用が困難となる。MFR また、これらプロピレン・α−オレフィンブロック共重
合体[成分(A) ]全体のMFRは、5〜200g/10
分、好ましくは7〜150g/10分、特に好ましくは
10〜100g/10分であることが重要である。該プ
ロピレン・α−オレフィンブロック共重合体[成分(A)
]のMFRが上記範囲よりも低すぎると成形性(特に
射出成形)が困難となる。また、MFRが上記範囲より
も高すぎると耐衝撃強度が低下する。また、このような
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体[成分
(A) ]を選択して使用することは、本発明の目的である
耐衝撃強度を高度に改良させることから重要である。
【0010】(2) 成分(B) また、本発明のプロピレン系樹脂組成物においてに用い
られる成分(B) のエチレンと炭素数4〜18のα−オレ
フィンとの共重合体は、メタロセン触媒を用い、スラリ
ー重合法により製造された、MFRが0.01〜20g
/10分、密度(D)が0.913g/cm3 以下、α
−オレフィン含量が10〜90重量%の性状を有するエ
チレンと炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合体
であり、プロピレン系樹脂組成物中50〜3重量%の割
合を占める。 (a) メタロセン触媒 上記メタロセン触媒としては、好ましくはメタロセン化
合物とアルモキサンとを組み合わせた触媒、いわゆるカ
ミンスキー系触媒であり、例えば、特開昭58−193
09号、特開昭59−95292号、特開昭60−35
005号、特開昭60−35006号、特開昭60−3
5007号、特開昭60−35008号、特開昭60−
35009号、更に好ましくは特開平3−163088
号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号
明細書、米国特許第5055428号明細書及び特に好
ましくは国際公表公報WO 91/04257号明細書
等により記載されている触媒である。
【0011】具体的に例示すれば、以下の具体例[I]
及び具体例[II]に示される触媒を挙げることができ
る。 具体例[I] 以下に示す遷移金属化合物成分とアルモキサン成分とを
組み合わせてなる触媒である。遷移金属化合物成分 下記の一般式で表わされる遷移金属化合物 一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Mはチタン、ジルコニウム及びハ
フニウムからなる群より選ばれた遷移金属であり、2個
存在するR1 は同一でも異なっていても良く、炭素数1
〜6の炭化水素残基又は珪素を含む炭化水素残基であ
り、2個存在するR2 は同一でも異なっていても良く、
五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素
数4〜20の、2価の、炭化水素残基又は珪素若しくは
ゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、X及びYはそ
れぞれ独立して水素若しくはハロゲン、又は炭素数1〜
20の、1価の、炭化水素残基又は窒素、酸素若しくは
珪素を含む炭化水素残基である。但し、置換基R1 及び
2 を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての
相対位値の観点において、Mを含む平面に関して非対称
である。)アルモキサン成分 下記の一般式(II)及び(III) で表わされるアルモキサン 一般式(II)
【0014】
【化2】
【0015】一般式(III)
【0016】
【化3】
【0017】(ここで、mは4〜30の数であり、R4
は1価の炭化水素残基を表わす。)である。
【0018】 具体例[II] 以下に示す遷移金属化合物成分とアルモキサン成分とを
組み合わせてなる触媒である。遷移金属化合物成分 下記の一般式で表わされる遷移金属化合物 一般式(IV)
【0019】
【化4】
【0020】(式中、Qはハロゲン、水酸基、置換又は
不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基、アルコキシ、ア
リロキシ、アミド、アリルアミド、ホスファイト、アリ
ルホスファイトの様なC5 5-y-x x と異なる1価イ
オンのリガンドで良い。Lはジエチルエーテル、テトラ
エチル塩化アンモニウム、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルアニリン、アニリン、テトラメチルホスファイン、n
−ブチルアミンの様な中性ルイス基である。Wは0〜3
の数である。LはQとQ´で、金属MとM´が橋架けさ
れるような第2遷移金属化合物である。R1 とR2 は独
立な炭素数1〜20の炭化水素ラジカルで、1個以上の
水素原子がハロゲン原子で置換されたものも含む。R´
は炭素数1〜20の炭化水素ラジカルで成り立ったグル
ープから選ばれたラジカルである。)
【0021】アルモキサン成分 下記の一般式(V) 及び(VI)で表わされるアルモキサン 一般式(V) (R3 −Al−O)m1 一般式(VI) 式中、R3 、R4 、R5 、R6 は独立な炭素数1〜5の
アルキルラジカルで、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル又はペンチルの如きもので、m1 は1〜約5
0の整数である。大抵はR3 、R4 、R5 、R6 はそれ
ぞれメチル基で、m2 は少なくとも4である。塩化アル
キルアルミニウムがアルモキサンのプリパレーションと
して使用されるときは、1つ又はそれ以上のR3
4 、R5 、R6 はハロゲンであっても良い。)これら
触媒の中では、具体例[II]に示す触媒を用いること
が好ましい。
【0022】(b) スラリー重合法 このエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法とし
ては、スラリー重合法により製造されたものである。該
スラリー重合法としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン等の不活性炭化水素溶媒中で固体
触媒を用いて重合させて、生成ポリマーをスラリー状態
として得る方法である。オレフィン 本発明のプロピレン系樹脂組成物においてに用いられる
エチレンと炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合
体[成分(B) ]のエチレン・α−オレフィン共重合体を
構成する単量体としてエチレンと共重合される炭素数4
〜18のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、
4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−
1、4、4−ジメチルペンテン−1等を挙げることがで
きる。これらの中で好ましいα−オレフィンとしては、
炭素数6〜12の、特に好ましくは炭素数6〜10のα
−オレフィンである。これらのα−オレフィンは1種ま
たは2種以上を用いてエチレンと共重合させることがで
きる。エチレン・炭素数4〜18のα−オレフィン共重
合体[成分(B) ]における炭素数4〜18のα−オレフ
ィンの含有量は、成分(B) 中に10〜90重量%、好ま
しくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重
量%である。このα−オレフィンの含量が高すぎると非
結晶性成分が増大し成形品が「べとつく」ので好ましく
ない。また、α−オレフィンの含量が少なすぎると耐衝
撃性の改良効果が低下するので好ましくない。
【0023】(c) MFR 本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体のMFRは、0.01〜20g/10分、好まし
くは0.01〜10g/10分、更に好ましくは0.0
1〜5g/10分、最も好ましくは0.01〜2g/1
0分である。上記MFRが低すぎるとプロピレン重合体
への分散不良が起こり易くなる。また、MFRが高すぎ
ると十分な衝撃強度が得られ難くなる。
【0024】(d) 密 度 本発明において用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体の密度は、0.913g/cm3 以下、好ましく
は0.853〜0.900g/cm3 、更に好ましくは
0.853〜0.890g/cm3 、特に好ましくは
0.853〜0.880g/cm3 、最も好ましくは
0.853〜0.870g/cm3 の値を示すものであ
る。密度が高すぎると十分な耐衝撃強度が得られ難くな
る。また、現在の工業的技術では0.850g/cm3
の値より低い密度の製品を製造することは困難ではある
が、これの値以下のものでも本発明の効果を奏すること
ができるものと思われる。
【0025】(3) その他の配合成分[成分(C) ] 本発明のプロピレン系樹脂組成物には、一般に樹脂組成
物の製造方法において用いられている補助添加成分、例
えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、中和剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。また、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、マイカ、中空ガラス球、酸化チタン、シリカ、カー
ボンブラック、アスベスト、ガラス繊維、チタン酸カリ
ウム繊維等の充填剤、本発明において用いられる上記成
分(B) 以外のオレフィン系共重合体、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体
樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・プ
ロピレン系ゴム(EPR、EPDM)、スチレン・ブタ
ジエン系ゴム、ポリブタジエン等の樹脂やゴム等をブレ
ンドすることもできる。
【0026】[II] 組成比 本発明のプロピレン系樹脂組成物において用いられる上
記成分(A) と成分(B)の各成分の配合割合は、一般に成
分(A) :成分(B) =50〜97重量%:50:3重量
%、好ましくは成分(A) :成分(B) =60〜95重量
%:40〜5重量%、特に好ましくは成分(A) :成分
(B) =70〜90重量%:30〜10重量%である。上
記成分(B) の配合割合が上記範囲よりも多すぎると剛性
が損なわれてしまう。また、少なすぎると耐衝撃強度の
改良効果が低下する。
【0027】[III] 樹脂組成物の製造 (1) 溶融・混練 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上記構成成分を上
記割合で配合する以外は通常の樹脂組成物の製造方法と
同様にして製造することができる。例えば、成分(A) と
成分(B) を押出機、ブラベンダープラストグラフ、バン
バリーミキサー、ニーダーブレンダー等を用いて溶融、
混練して、通常に用いられている方法でペレット状とす
るのが普通である。 (2) 成 形 そして、このペレットを成形して各種成形体に成形する
ことができる。これらの中でも本発明の組成物を射出成
形用に用いるのが、本発明の効果を最も発揮することが
できるので好ましい。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実験例を記載して、本発明を
より具体的に説明する。 (1) 評価方法 実施例及び比較例における物性の評価・測定方法は、次
に示す通りである。 (a) MFR:JIS K7210に準拠 (b) 密度 :JIS K7112に準拠 (c) α−オレフィン含量 :「Macromolecules」(1982)1
5、353-360、「 Macromolecules」(1982)15、1402-1406 に記載されているC13−MNRによる測定方法に準拠 (測定条件) 装置 :JEOL−GSX270(日本電子
(株)製) 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(70)/ds−ベ
ンゼン(30)(v/v)% 測定濃度 :10(Wt/V)% 温度 :130℃ スペクトル幅 :11,000Hz データポイント数:16k パルス数 :16μs(60℃) パルス間隔 :4s 積算回数 :3,000回 (d) アイゾット衝撃機強度:JIS K7110に準拠
(測定温度:−20℃、−40℃)して行なった。
【0029】(2) 実験例 実施例1 (1) プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体
(成分(A) )の合成 チーグラー・ナッタ系触媒を用いて、公知のスラリー重
合プロセスで、一段目でMFR60g/10分、密度
0.9075g/cm3 のホモのプロピレン重合体を製
造し、続いて、二段目でエチレン含量25%、MFR
0.06g/10分のエチレン・プロピレンランダム共
重合体を製品に対して10%製造し、製品MFRを出来
上がりで30g/10分となるように重合した。
【0030】(2) エチレン・炭素数4〜18のα−オ
レフィン共重合体(成分(B) )の合成重 合 触媒成分の合成は国際公表公報WO 91/04257
号明細書に記載された方法で実施した。上記方法によっ
て得た錯体ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペン
タジエニル)(シクロドデシルアミノチタニウムジクロ
ライド)2.0ミリモルに、メチルアルモキサンを上記
錯体に対して5,000モル倍加え、トルエンで10リ
ットルにまで希釈して触媒溶液とし、以下の方法で重合
を行なった。内容積1.5リットルの攪拌式オートクレ
ーブ型連続反応器に、トルエン400mlと1−ヘキセ
ン100mlを入れ、エチレンを分圧3〜5kg/cm
2 ・Gで供給し、45℃で1時間重合した。反応後、M
FRが0.3g/10分、密度が0.860g/c
3 、α−オレフィン含量が78.4重量%のエチレン
・α−オレフィン共重合体[成分(B) ]を得た。
【0031】(3) 組成物の製造 上記 (1) プロピレン・α−オレフィンブロック共重合
体(成分(A) )の合成により得られた表1に示す物性の
プロピレン重合体と、上記 (2) エチレン・炭素数4〜
18のα−オレフィン共重合体(成分(B) )の合成によ
り得られたエチレン・α−オレフィン共重合体を、東洋
精機製ラボプラストミルにて、表1に示す配合割合で、
200℃の温度で、5分間混練した。得られたプロピレ
ン系樹脂組成物を190℃の温度で厚さ4mmにプレス
成形した。
【0032】(4) 評 価 得られたプレスシートにより耐衝撃強度の評価を行なっ
た。その評価結果は表1に示す通りであった。
【0033】実施例2 上記触媒成分の調製で、錯体にジメチルシリレンビス
(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド
を使用した以外は実施例1と同様に行なって、評価し
た。その結果を表1に示す。
【0034】実施例3 触媒の調製で、錯体にジメチルシリレンビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミノチタニ
ウムジクロライド)を使用した以外は実施例1と同様に
行なって、評価した。その結果を表1に示す。
【0035】実施例4〜6及び比較例2〜4 表1及び表2に示す物性のエチレン・α−オレフィン共
重合体を使用した以外は実施例1と同様に行なって評価
した。その結果を表1及び表2に示す。
【0036】比較例1 成分(B) として、エチレン・α−オレフィンランダム共
重合体に変えて日本合成ゴム(株)製エチレン・プロピ
レン共重合体ゴム EP−O7Pを使用した以外は実施
例1と同様に成形し、評価した。その結果を表2に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】このような本発明のプロピレン系樹脂組
成物は、従来のゴム状弾性体を混合した材料と比較し
て、格段に耐衝撃性の改良されたプロピレン系樹脂組成
物であり、バンパー、インパネ等の自動車内外装部品
や、電気機器外装部品等の各種分野において極めて有用
な材料である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す成分(A) 及び成分(B) からなる
    ことを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。成分(A) 下記の重合体部(a) 及び重合体部(b) から構成され、全体のMFRが5〜20 0g/10分であるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体 50〜97重量% 重合体部(a) :MFRが20〜200g/10分で、密度が0.9070g/ cm3 以上のプロピレン単独重合体部 80〜95重量% 重合体部(b) :プロピレン以外のα−オレフィン含量が20〜50重量%で、 MFRが0.01〜1g/10分のα−オレフィン・プロピレンランダム共重合 体部 20〜5重量%成分(B) メタロセン触媒を用い、スラリー法により製造された下記に示す(a')〜(c')の 性状を有するエチレンと炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合体 50〜3重量% (a') MFRが0.01〜20g/10分 (b') 密度(D)が0.913g/cm3 以下 (c') α−オレフィン含量が10〜90重量%
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