JPH06247982A - トリイソブチルアルミニウムの製造方法 - Google Patents

トリイソブチルアルミニウムの製造方法

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JPH06247982A
JPH06247982A JP3630093A JP3630093A JPH06247982A JP H06247982 A JPH06247982 A JP H06247982A JP 3630093 A JP3630093 A JP 3630093A JP 3630093 A JP3630093 A JP 3630093A JP H06247982 A JPH06247982 A JP H06247982A
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JP
Japan
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isobutylene
reaction
tiba
triisobutylaluminum
amount
Prior art date
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Pending
Application number
JP3630093A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Iwao
徹也 岩尾
Shuichi Osaka
修一 大坂
Tadao Nishida
忠雄 西田
Seijiro Koga
誠二郎 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 バッチ方式でトリイソブチルアルミニウムを
合成する反応で、反応終了時に、残存イソブチレン濃度
を0.08g/mlから0.02g/mlの範囲にする
ことにより、合成時のジイソブチルアルミニウムハイド
ライドの生成を抑制する。 【効果】合成時のジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド生成を抑制し、蒸留時の蒸留収率をも向上できて、ト
リイソブチルアルミニウム合成収率が飛躍的に向上し工
業的に極めて有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン重合触媒や有
機合成試薬として有用なトリイソブチルアルミニウム
(以下TIBAと記す)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Al金属と水素とイソブチレンからTI
BAを合成することは公知である。(特公昭32−57
10)またTIBAがジイソブチルアルミニウムハイド
ライド(DIBAH)とイソブチレンと平行関係にある
ことも公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】てTIBAをバッチで
合成する場合、通常反応の進行は、水素の吸収量、吸収
速度の変化、反応熱の変化等で観察し、反応の終点を決
定する。ところが、TIBAの合成時にはイソブタンが
副生し、その量はAl金属と活性度によって20%から
それ以上に大きく変動する。また、Al金属の活性度に
TIBAの生成速度も大きく変化する。
【0004】その結果、反応で消費されるイソブチレン
や水素の量が毎回大きく異なり、先に挙げた反応進行の
めやすをもって反応の終点を判断しても、その生成物で
あるTIBAは必ずしも高品質にはならない。例えばD
IBAHが大量に生成して、特公昭32−5710の記
載のように反応後追加のイソブチレン化反応をする必要
に迫られた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成
した。すなわち本発明のトリイソブチルアルミニウムの
製造方法はAlと水素とイソブチレンと少量のトリイソ
ブチルアルミニウムを混合して、バッチ方式でトリイソ
ブチルアルミニウムを合成する反応において、反応終了
時にイソブチレンを0.08g/mlから0.02g/
mlまでの範囲残存させることを特徴とする方法であ
る。以下本発明を更に詳細に説明する。本発明の反応は
以下の一般式(化1)で示される。
【0006】
【化1】 Al+3/2 H2 +3i-C4 8 →Al(i-C4 9 3
【0007】本反応は不活性ガス雰囲気下で行わなけれ
ばならない。反応装置は通常攪拌機付きオートクレーブ
が用いられるが、スチール玉を入れた振とう式攪拌機で
もよい。使用するAlは通常市販の純度のAlで良い
が、TiまたはZrを0.01〜1.0wt%含有する
Al合金が反応速度が向上するのでより好ましい。この
合金粒子は反応速度を上げるため粒子径は細かい程よ
く、アトマイズAlやAl薄片が好適に用いられる。こ
れは前もって公知の方法で活性化しておくことが好まし
い。
【0008】イソブチレンは前もって全量を反応装置内
に充填しておいても良いし、また初期に適量充填し、残
りは反応の進行に従って水素と共に連続または断続供給
してもよい。水素は反応初期に一定圧力分装入して、あ
とは反応の進行と共に連続または断続供給する。次に少
量のTIBAはAl粉と接触攪拌することによりAl粉
を活性化する触媒としての働きと、Al粉をスラリー状
に保つために用いられる。
【0009】本反応は100〜200℃の温度範囲でお
こなわれるが、温度が低いと反応速度が遅く、温度が高
いとイソブチレンと副生イソブタンの圧力が高くなるの
で120〜140℃が好ましい。
【0010】水素分圧は1〜250kg/cm2 の範囲
で行われるが、TiまたはZrを0.01〜1.0wt
%含有するAl合金を用いた場合は一般に1〜12kg
/cm2 、好ましくは2〜10kg/cm2 にするとイ
ソブタンの副生が大きく減少して好ましい。
【0011】本発明の方法では、反応系内液相部中のイ
ソブチレン濃度が10wt%から3wt%までの範囲に
なるまで反応を進行させて後、反応を終了させることが
特徴である。
【0012】反応終了後の生成物である粗TIBAに
は、残存するAl粉や副生したイソブタンや上記イソブ
チレンやDIBAHが混在する。そこで、イソブタンや
イソブチレンを脱ガス操作し、次いでAl粉を除去する
ため、濾過又は蒸留を行う。然し、装置から洩れる少量
のオイルやDIBAHを除去できる点で蒸留がより好ま
しい。
【0013】蒸留の場合、釜残として残るのはDIBA
Hであるから、蒸留での収率を上げるにはTIBA中の
DIBAHを出来るだけ減少させねばならない。本発明
の方法によれば、イソブチレンを反応終了時0.08g
/mlから0.02g/mlまでの範囲の濃度にするこ
とにより、AlH3 を0.7wt%から0.2wt%の
範囲におさえることが出来る。ここでAlH3 とはTI
BA中のDIBAH量をAlH3 に換算して表示したも
のであって次に示す(化2)で定義されるものである。
【0014】
【化2】 i-Bu2 AlH=2/3 i-Bu3 Al+1/3 AlH3
【0015】具体的には、AlH3 1wt%が存在する
ことは、DIBAHの14.2wt%が存在することで
ある。
【0016】AlH3 が0.7wt%から0.2wt%
存在することは、DIBAHが10.0wt%から2.
8wt%存在することを意味する。この場合蒸留収率は
80〜90%が期待出来る。残存イソブチレン量を10
wt%以上にすればAlH3の量を0.2wt%以下に
さらに減少できるが、この場合は反応終了後、放出排気
または回収するイソブチレン量が多くなり過ぎて装置が
複雑になり、経済的でない。またイソブチレン量を0.
02g/ml以下にしても、今度はAlH3 が増加して
蒸留収率が低下し好ましくない。更にまたDIBAHの
増加分だけTIBAが減少するのでその点でも好ましく
ない。残存するイソブチレン量は液相中の濃度である
が、それに対応する上部ガス相の分圧から逆算しても良
い。
【0017】本発明の方法における様に反応終了時にイ
ソブチレンを一定濃度残存させて、AlH3 の生成を抑
制することは従来全く知られていなかったことである。
例えば、USP−2900402のExampleでは
7.2モルのイソブチレンからTIBA2.4モルが定
量的に生成することが記載されている。しかし実際には
副生イソブタンが多量に生成し、AlH3 即ちDIBA
Hを多量に含むTIBAが生成することを本発明者らは
見出した。即ち、供給したイソブチレンを完全に反応さ
せてしまうと決して定量的にはTIBAは生成せず、多
量のDIBAHが副生する。
【0018】また特公昭32−5710の実施例1にお
いては、イソブテン1.8Kg(32.1モル)からT
IBAを1500ml(密度0.788g/mlとして
6.0モル)生成している。そして少量のイソブタンを
放出したとの記載はあるが、本願発明の方法におけるご
とき残存イソブチレン濃度については全く記載されてい
ない。これはイソブチレンを反応し尽くしたからである
とおもわれるが、たぶん多量のDIBAHが生成したと
考えられ、その結果収率は低くなっている(対イソブチ
レンベース収率=56%)。
【0019】以上述べたことで明らかな如く、本発明方
法はTIBA合成反応終了時に特定の濃度のイソブチレ
ンを残すことにより、TIBA中のDIBAHを減少さ
せてTIBAの収率を大幅に向上させるのみでなく、次
の精製工程である蒸留時における収率をも向上させると
いう驚くべき効果を得たものである。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0021】実施例1 500mlの電磁攪拌機付きSUS製耐圧オートクレブ
の内部を充分に窒素置換し、Tiを0.2wt%含有す
るアトマイズドアルミで未活性のもの14.6g(0.
54モル)と前もってTIBA合成に使用して活性化し
たもの81.8g(3.03モル)とイソブチレン14
3.0g(2.554モル)とTIBA27.9g
(0.14モル)を装入した。次いで130℃に昇温
し、全圧が30〜35kg/cm2 に保つようにH2
5時間にわたって供給した。
【0022】生成物をろ過し、溶存するイソブチレンと
イソブタンを脱気して除き、反応前に装入したTIBA
を差し引いたところの粗TIBA生成量は119.9g
であった。その中のAlH3 の量は0.3wt%であっ
た。一方初期に装入したイソブチレン2.55モルは、
TIBAのイソブチル基に1.806モル、イソブタン
に0.534モル、未反応残分として0.214モルに
変化した。
【0023】未反応分を除き反応したイソブチレンから
みたTIBAの収率は77.2%であった。残存イソブ
チレンは8.4%であった。そしてTIBAの密度0.
788g/ml、イソブタンの密度0.551g/m
l、イソブチレンの密度0.588g/mlとすると、
イソブチレンのオートクレーブ内液相での濃度は0.0
52g/mlであった。
【0024】実施例2、3、4及び比較例1、2、3 実施例1と同様にして反応終了時のイソブチレン濃度を
変える実験を行い、それらの結果を表1に示す。この結
果から、生成した粗TIBA中のAlH3 含有率を0.
7wt%から0.2wt%の範囲に抑えるには、反応終
了時のイソブチレン濃度は0.02g/mlから0.0
8g/mlの範囲にする必要のあることが判る。
【0025】この範囲外でイソブチレン濃度を例えば
0.015g/mlににすると、AlH3 含有率は1.
0wt%、すなわちこれはDIBAHにして14.2w
t%存在することになり、TIBAは85.8%の低純
度になり、合成時のTIBA収率(粗TIBAでなく)
が大きく低下し、さらに加えて次の蒸留工程では、蒸留
収率は実際には70%以下に低下する。
【0026】一方、イソブチレン濃度を0.15g/m
l以上にするとAlH3 濃度は0.1wt%であり、粗
TIBA中のTIBAの純度は98.6%の高純度にな
るが、この場合イソブチレン濃度0.15g/mlを保
つために、初期装入イソブチレンの25%を未反応残分
として排出又は回収せねばならず経済的ではない。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、AlH3 ( 即ち
DIBAH)の濃度を低く抑えることができ、合成時の
TIBAの収率が向上するだけでなく、次の蒸留工程で
もDIBAHが減少するから、蒸留収率が大きく向上す
る。その結果、TIBAを極めて低コストで製造出来て
産業に利するところ大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 誠二郎 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムと水素とイソブチレンと少量
    のトリイソブチルアルミニウムを混合して、バッチ方式
    でトリイソブチルアルミニウムを合成する反応におい
    て、反応終了時にイソブチレンを0.08g/mlから
    0.02g/mlまでの範囲残存させることを特徴とす
    るトリイソブチルアルミニウムの製造方法。
JP3630093A 1993-02-25 1993-02-25 トリイソブチルアルミニウムの製造方法 Pending JPH06247982A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113264955A (zh) * 2021-06-17 2021-08-17 山东东方宏业化工有限公司 一种三异丁基铝的制备方法

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CN113264955A (zh) * 2021-06-17 2021-08-17 山东东方宏业化工有限公司 一种三异丁基铝的制备方法

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