JPH06246931A

JPH06246931A - インクジェット装置

Info

Publication number: JPH06246931A
Application number: JP3532093A
Authority: JP
Inventors: Akira Kuronuma; 明黒沼; Takayuki Murata; 隆之村田; Shinichi Men; 眞一面; Hiroshi Fukui; 博福井
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1993-02-24
Filing date: 1993-02-24
Publication date: 1994-09-06
Anticipated expiration: 2018-06-23
Also published as: JP3420268B2

Abstract

(57)【要約】【目的】インクジェット装置において、記録ヘッドの
インクの増粘の程度に応じた過不足のない適切な予備吐
出を行う。【構成】予備吐出ルーチンの処理を実行するとき、ま
ず、予備吐出を行う記録ヘッドのインク色を判別する
（ステップＳ１）。次に、この判別したインク色に応じ
てそれぞれの予備吐出の吐出パルス数をメモリから読出
し（ステップＳ２１〜Ｓ２４）、各記録ヘッドの予備吐
出にかかる吐出パルス数を設定する（ステップＳ３）。
その後、各記録ヘッド毎にそれぞれ設定した吐出パルス
数で予備吐出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録紙等の被記録媒体
にインクを吐出して記録を行うインクジェット装置に関
し、特に、いわゆる予備吐出の制御を行うことが可能な
インクジェット装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】予備吐出は、インクジェット装置におい
て記録ヘッドのインク吐出性能を良好に維持するために
行われる処理である。すなわち、記録ヘッドに、記録に
関与しない吐出、例えば、記録紙以外の所定の場所への
吐出を行なわせることにより、記録ヘッド内の増粘した
インクや微細気泡等を吐出に伴なって除去するものであ
る。この増粘インクや微細気泡は、吐出インク量の減
少、吐出方向の偏向さらには不吐出等の吐出不良の原因
となり得るものであり、吐出が長時間なされない場合等
に生じ易くなる。

【０００３】以上のような増粘インク等を排除する目的
でなされる予備吐出は、一般的に、装置電源が投入され
たときや電源が投入されている間に一定時間間隔で行わ
れる。例えば、電源投入直後には吐出数５００の予備吐
出を行ない、記録直前には吐出数２０の予備吐出を行
う。また、カラー記録に備えて複数の記録ヘッドを具え
る場合、インク色に対応したそれぞれの記録ヘッド毎に
予備吐出のタイミングを異ならせることもある。なお、
ここで吐出数とは、必ずしも吐出されるインク滴の数を
意味するものでなく、これらインク滴を吐出するための
駆動の回数をいうこともある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り行われている予備吐出は、ほとんどの場合、１回の予
備吐出における吐出数が一定であるか、あるいは予備吐
出が行われるタイミングに応じて一意に定められてい
る。このような場合、インクの増粘の程度にかかわら
ず、一定吐出数の予備吐出が行われるので、予備吐出が
過剰であったり、また、逆に予備吐出が不足であること
がある。予備吐出が過剰である場合には、インクを不必
要に消費するという問題があり、予備吐出が不足の場合
には、前述の吐出不良等を生じるという問題がある。

【０００５】インク増粘の程度に差が生じるのは、装置
のおかれている環境によるところが大きく、一般に環境
温度が低い程、インク水分の蒸発が多くなり増粘が進行
し易い。また、インク増粘の程度は、用いるインクの種
類によっても異なる場合がある。

【０００６】一方、インク増粘がインク吐出に与える影
響は、記録ヘッドによって相対的に異なる。すなわち、
記録ヘッドの製造過程で生じる製品のばらつきによっ
て、例えば、記録ヘッド毎にインク吐出口の大きさが異
なることがあり、このような場合、インク吐出口が大き
い程、インク増粘から受ける影響は小さくなる。従っ
て、従来のような吐出数が一定の予備吐出を行うと、記
録ヘッドによって予備吐出が過剰であったり不足したり
することがある。

【０００７】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、インク
増粘の程度あるいはインク増粘がインク吐出に与える相
対的な影響の程度に応じて、予備吐出における吐出数を
可変とすることにより、過不足のない適切な予備吐出を
行うことが可能なインクジェット装置を提供することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するための記録ヘッドを用い、該記録ヘッ
ドから被記録媒体へインクを吐出して記録を行うインク
ジェット装置において、記録ヘッドの吐出特性を良好に
するための予備吐出にかかる記録ヘッドが吐出するイン
クの種類を判別するインク判別手段と、該インク判別手
段が判別するインクの種類に応じて当該記録ヘッドの予
備吐出における吐出数を設定する設定手段と、該設定手
段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐出を実行
する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とする。

【０００９】また、インクを吐出するための記録ヘッド
を用い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出し
て記録を行うインクジェット装置において、記録ヘッド
の吐出特性を良好にするための予備吐出にかかる記録ヘ
ッドの温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段
が検出する温度に応じて、当該記録ヘッドの予備吐出に
おける吐出数を設定する設定手段と、該設定手段が設定
した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐出を実行する予備
吐出実行手段と、を具えたことを特徴とする。

【００１０】さらに、インクを吐出するための記録ヘッ
ドを用い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出
して記録を行うインクジェット装置において、記録ヘッ
ドの吐出特性を良好にするための予備吐出にかかる記録
ヘッドのランクを判別するランク判別手段と、該ランク
判別手段が判別するランクに応じて当該記録ヘッドの予
備吐出における吐出数を設定する設定手段と、該設定手
段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐出を実行
する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とする。

【００１１】さらに加えて、インクを吐出するための記
録ヘッドを用い、該記録ヘッドから被記録媒体へインク
を吐出して記録を行うインクジェット装置において、記
録ヘッドの吐出特性を良好にするための予備吐出にかか
る記録ヘッドが吐出するインクの種類を判別するインク
判別手段と、前記予備吐出にかかる記録ヘッドの温度を
検出する温度検出手段と、前記予備吐出にかかる記録ヘ
ッドのランクを判別するランク判別手段と、前記インク
判別手段が判別するインクの種類、前記温度検出手段が
検出する温度および前記ランク判別手段が判別するラン
クの組合せに応じて当該記録ヘッドの予備吐出における
吐出数を設定する設定手段と、該設定手段が設定した吐
出数で当該記録ヘッドの予備吐出を実行する予備吐出実
行手段と、を具えたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】以上の構成によれば、予備を吐出を行う記録ヘ
ッドが用いるインクの種類や記録ヘッドの温度、ランク
に応じて、その予備吐出における吐出数が定められ、こ
れにより、予備吐出が行われる記録ヘッドのインク増粘
等の程度に比較的正確に対応した吐出数で予備吐出を行
うことが可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１４】（実施例１）図１は、本例にかかるカラー
インクジェット装置の概略斜視図である。

【００１５】図１において、記録用紙やプラスチックシ
ートなどの被記録媒体１の記録領域は、その上下に配置
されたそれぞれ一対の搬送ローラ２，３によって支持さ
れ、シート送りモータ４によって駆動される搬送ローラ
２によって矢印Ａ方向へ搬送される。搬送ローラ２，３
の前方にはこれと平行にガイドシャフト５が設けられて
いる。キャリッジ６は、このガイドシャフトに沿って摺
動可能に設けられ、その一部と接続するワイヤ８を介し
て伝達されるキャリッジモータ７の駆動力によって、矢
印Ｂ方向に往復移動される。

【００１６】キャリッジ６には、記録ヘッドが搭載され
ている。この記録ヘッドは、カラー画像を記録できるよ
う、キャリッジ６の移動方向に配列し、それぞれ、シア
ン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、ブラック
（Ｂｋ）の各色のインクに対応させて設けた４個の記録
ヘッド９Ａ〜９Ｄからなっている。各記録ヘッド９Ａ〜
９Ｄの前面、すなわち被記録媒体１の記録面と所定間隔
（例えば０．８ｍｍ）を於て対抗する面には、複数（例
えば４８個または６４個）のインク吐出口を、キャリッ
ジの上記移動方向と交差させる方向に配設している。ま
た、キャリッジ６には、それぞれＹ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋのイ
ンクを貯留するインクカートリッジ１５Ａ〜１５Ｄが着
脱自在に装着されており、それぞれのカートリッジの装
着は公知の手段によって装置本体側によって検知され
る。

【００１７】図２は、記録ヘッド９（記録ヘッド９Ａ〜
９Ｄのいずれも同じ構造であるので、以下、代表的に符
号９を用いて示す場合もある）の主要部を模式的に示す
縦断面図である。

【００１８】図３において、被記録媒体１に対向する面
には、図の縦方向に所定ピッチで複数のインク吐出口１
０が設けられ、各インク吐出口１０に連通するインク路
１０Ａには吐出のために利用されるエネルギーを発生す
る電気熱変換体が設けられる。電気熱変換体１１に電気
信号を印加することにより発生する熱エネルギーを利用
してインク内に気泡１１Ａを発生せしめ、この気泡１１
Ａの圧力によって、インクを吐出させ飛翔インク滴１２
を形成する。インク滴１２は、被記録媒体１上に付着
し、記録データに応じたドットパターンを形成し記録が
行われる。

【００１９】記録ヘッド９には、電気熱変換体への電気
信号の印加をオン／オフするためのヒータドライバ１３
が設けられ、このドライバ１３の駆動を行うための駆動
回路（ドライバ）２９（図１参照）はキャリッジ６に設
けられた基板上に形成される。

【００２０】再び、図１を参照すると、本例記録装置の
制御回路（ＣＰＵ）やこれに併設されたＲＯＭ，ＲＡＭ
等を含む制御部（不図示）は、ホスト機１７のコントロ
ーラから指令信号や記録データを受信し、これに基づい
て各種モータ等の駆動回路や記録ヘッド９の駆動回路２
９を制御し、各種モータや記録ヘッド９Ａ〜９Ｄの駆動
を行うようにする。

【００２１】本例装置の外装ケース（不図示）に取付け
られる操作パネル１６０には、オンライン／オフライン
切換えキー１６Ａ，ラインフィードキー１６Ｂ，フォー
ムフィードキー１６Ｃ，記録モード切換えキー１６Ｄ等
のキー設定部のほか、複数のアラームランプ１６Ｅや電
源ランプ１６Ｆ等の警告ランプを含む表示部が設けられ
ている。

【００２２】図３は、上述したカラーインクジェット記
録装置の主に制御系を示すブロック図である。

【００２３】図３において、マイクロプロセッサ形態の
ＣＰＵ２１は、インターフェイス２２を介してホスト機
１７のコントローラ１４に接続されており、ホスト機１
７のコントローラ１４からデータメモリ２３に読み込ま
れた指令信号（コマンド）や記録データ、ならびにＲＯ
Ｍ形態のプログラムメモリ２４やＲＡＭ形態のワーキン
グメモリ２５等に格納されたプログラムや記録指令デー
タに基づいて記録動作を制御する。

【００２４】ＣＰＵ２１は、出力ポート２６およびモー
タドライバ２７を介してキャリッジモータ７やシート送
りモータ４を制御するとともに、データメモリ２３に格
納されている記録データに基づきヘッド駆動回路２９を
制御して記録ヘッド９に吐出を行わせる。

【００２５】前述した操作パネル１６０上の各操作キー
１６Ａ〜１６Ｄ（図１参照）を介した入力は、入力ポー
ト３２を介してＣＰＵ２１に伝達され、またアラームラ
ンプ１６Ｅや電源ランプ１６Ｆ等の警告ランプ１６に対
しては、出力ポート３６を介して制御信号が供給され
る。符号３３は、本例記録装置の外装の底面部分に設け
られたＤＩＰスイッチであり、このスイッチによる入力
は入力ポート３４を介してＣＰＵ２１に伝達される。

【００２６】また、電源回路２８により、制御ロジック
回路を動作させるためのロジック駆動電圧Ｖ_CC（例えば
５Ｖ）、各種モータ駆動電圧Ｖ_M （例えば３０Ｖ）、リ
セット電圧Ｖ_RESET 、記録ヘッド９の電気熱変換体１１
に通電し発熱させるためのヒート電圧Ｖ_H （例えば２５
Ｖ）、および記録ヘッド９保護用バックアップ電圧Ｖ
_DDH がそれぞれ印加される。ヒート電圧Ｖ_H は記録ヘッ
ド９に、バックアップ電圧Ｖ_DDH は、ヘッド制御回路２
９および記録ヘッドに、それぞれ印加される。

【００２７】キャリッジ６内に設けられインクカートリ
ッジ１５Ａ〜１５Ｄそれぞれの装着およびその装着され
たインクの色を検出することができるよう構成された検
出装置１５Ｅ〜１５Ｈからの検出信号は、入力ポート４
３を介してＣＰＵ２１に伝えられる。この検出信号によ
り、どのインクのカートリッジが交換されたかを知るこ
とができ、例えば交換したインクの記録ヘッドについて
交換後の吐出回復処理を行うことが可能となる。また、
検出装置１５Ｅ〜１５Ｈからの検出信号によって、その
装着されるインクカートリッジに貯留されるインクの種
類を知ることができる。なお、検出装置１５Ｅの構成と
しては、公知のものを用いることができる。例えば、イ
ンクカートリッジにインクの色に応じて異なる抵抗値を
有する抵抗を取付けておき、インクカートリッジの装着
によって上記抵抗を含んだ検出回路が構成されるように
することにより、インクカートリッジの装着およびイン
クの色を検知することが可能となる。

【００２８】図４は、本例の予備吐出ルーチンを示すフ
ローチャートである。

【００２９】本ルーチンに処理が移行すると、ステップ
Ｓ１で予備吐出を行う記録ヘッドのインク色を判別す
る。すなわち、本例では、記録ヘッド９Ａ〜９Ｄそれぞ
れの予備吐出を同時に行うのでそのインク色はシアン，
マゼンタ，イエロー，ブラックと判別される。

【００３０】この判別は、上述の検出装置１５Ｅ〜１５
Ｈからの検出信号によって知ることができるインク色と
予備吐出を行う記録ヘッドを対応づけて行う。つまり、
記録ヘッドとこれが用いるインクを貯留したインクカー
トリッジの装着位置は、予じめ対応づけられているの
で、予備吐出を行う記録ヘッドそれぞれに対応してイン
ク色を知ることができる。従がって、例えば、装置によ
って用いるインクの色が異なる場合でも、そのインク色
が装置本体側で検出できる範囲のものであれば、そのイ
ンク色を知ることもできる。

【００３１】インク色の判別を行うと、ステップＳ２１
〜Ｓ２４で、これら判別したインク色毎に、データメモ
リ２３（図３参照）から予備吐出に必要な吐出パルスの
数を読出し、ステップＳ３で、この読出した吐出パルス
をワーキングメモリ２５に設定する。この吐出パルスと
は記録ヘッドの電気熱変換体１１に印加されて吐出を行
わせるものであり、従がって、吐出パルス数は上述の吐
出数に対応する。

【００３２】次に、ステップＳ４において、ステップＳ
３で設定したそれぞれの記録ヘッドの吐出パルスに応じ
た予備吐出を行ない、予備吐出ルーチンを終了する。

【００３３】なお、上記実施例では、インク色に応じて
その記録ヘッドの予備吐出における吐出数を変えるもの
としたが、吐出数を変える基準とするものは、インクの
色に限らず広くインクの組成等とすることができ、例え
ばインクの濃度に応じて吐出数を変えるようにすること
もできる。

【００３４】また、上記実施例では、全ての記録ヘッド
について同時に予備吐出を行うものとしたが、一部の記
録ヘッドのみ予備吐出を行うようにしてもよい。例え
ば、記録ヘッド毎に吐出頻度が異なる場合、その吐出頻
度に応じて異なるタイミングで予備吐出を行なってもよ
く、このような場合にも上記実施例を適用できることは
勿論である。

【００３５】（実施例２）図５は、本発明の第２実施例
にかかるインクジェット装置の制御構成を示すブロック
図であり、第１実施例にかかる図３と同様のものであ
る。図３に示す要素と同様の要素には同一の符号を付し
てその説明は省略する。

【００３６】本例の記録装置では、記録ヘッド９Ａ〜９
Ｄのそれぞれに温度検出器９Ｅ〜９Ｈを設ける。温度検
出器９Ｅ〜９Ｈからの検出信号は、入力ポート４４を介
してＣＰＵ２１に取り込まれ、後述の予備吐出制御等に
用いられる。

【００３７】図６は、本例の予備吐出ルーチンの処理手
順を示すフローチャートである。

【００３８】予備吐出ルーチンに処理が移行すると、ス
テップＳ２１で予備吐出を行う記録ヘッド９Ａ〜９Ｄの
温度を、温度検出器９Ｅ〜９Ｈからの検出信号に基づい
て検知する。この検知された記録ヘッド温度が適正温度
範囲外のものである場合には、エラールーチンへ移行
し、記録動作を直ちに停止する等の処理を行う。

【００３９】記録ヘッド温度が、適正範囲内にある場合
は、ステップＳ２２で、それぞれの記録ヘッドの検知温
度に応じて、データメモリ２３からそれぞれの記録ヘッ
ドの予備吐出の吐出パルス数を読出し、ステップＳ２３
でこの吐出パルス数を設定する。

【００４０】次に、ステップＳ２４では、上記設定した
吐出パルス数に応じた各記録ヘッドの予備吐出を行う。
このように、記録ヘッドの温度に応じた吐出数の予備吐
出を行うことにより、環境温度が記録ヘッドの吐出特性
に与える影響に加え、吐出頻度に応じた記録ヘッドの蓄
熱等が記録ヘッドの吐出特性に与える影響をも加味する
ことができる。

【００４１】（実施例３）図７は、本発明の第３実施例
にかかるインクジェット装置の制御構成を示すブロック
図であり、図３，図５と同様の図である。これら図と同
様の要素には同一の符号を付してその説明は省略する。

【００４２】本例では、記録ヘッドの製造時等に生じる
吐出口径のばらつきに応じて記録ヘッドをいくつかのラ
ンクに分け、このランクに応じた吐出数の予備吐出を行
うものである。

【００４３】図７において、各記録ヘッド９Ａ〜９Ｄに
設けられたランク検出用抵抗９Ｉ〜９Ｌによって検出さ
れる抵抗値は、Ａ／Ｄ変換回路４５を介してＣＰＵ２１
に取込まれる。

【００４４】図９は、ランク検出用抵抗を含んだ検出回
路の詳細を示す回路ブロック図である。記録ヘッドの製
造時にその記録ヘッドの吐出口の径を測定し、この径の
ランクに応じた抵抗値を有する抵抗９Ｉを記録ヘッド９
Ａに取付ける。記録ヘッド９Ａが装置本体に装着される
と、図９に示されるような回路が構成され、抵抗９Ｉの
抵抗値に応じた電圧値Ｖ_I がＡ／Ｄ変換回路４５を介し
て、ＣＰＵ２１に読まれる。

【００４５】図８は、本例の予備吐出ルーチンの処理手
順を示すフローチャートである。

【００４６】予備吐出ルーチンに処理が移行すると、ス
テップＳ３１で上記抵抗９Ｉの抵抗値に基づく電圧Ｖ_I
に基づき記録ヘッドのランクを判別する。ここで、判別
されたランクが所定の範囲外のランクである場合には、
エラー処理を行う。適切なランクであれば、ステップＳ
３２で、判別したランクに応じた吐出パルス数をデータ
メモリ２３から読出し、ステップＳ３３でこのパルス数
を設定する。次に、ステップＳ３４で予備吐出を実行し
て本ルーチンを終了する。

【００４７】なお、上記実施例においては、記録ヘッド
のランク検出手段として抵抗を用いたが、ランク検出手
段としてはこれに限られず、例えば記録ヘッドの形状を
ランクに応じて一部変更することにより、ランクの検出
をしてもよい。また、記録ヘッドのランクを検知するタ
イミングを予備吐出実行の直前としているが、電源ＯＮ
時に一度検知しておき、その情報をメモリに蓄えておく
ようにしてもよい。

【００４８】以上示した実施例１〜３では、それぞれ個
々にインク色等の検知を行ない、この検知に応じて予備
吐出の吐出パルス数を定めるものであったが、上述し
た、インク色，記録ヘッド温度および記録ヘッドランク
それぞれの検出を予備吐出ルーチンの一連の処理の中で
行ない、これら３つの検出値の組合せに応じて予備吐出
における吐出数を定めてもよい。

【００４９】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化，高精細化が
達成できるからである。

【００５０】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体（インク）
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長，収縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐
出させて、少なくとも１つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第
４３４５２６２号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。

【００５１】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口，液路，電気熱変換体
の組合せ構成（直線状液流路または直角液流路）の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第４５５８３３３号明細書，米国特許第４４
５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭５９−１３８４６１号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。

【００５２】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された１個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。

【００５３】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。

【００５４】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。

【００５５】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して１個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００５６】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特開昭６０−７
１２６０号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。

【００５７】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの、また布等へのプリントが可
能な装置等であってもよい。

【００５８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば予備を吐出を行う記録ヘッドが用いるインクの
種類や記録ヘッドの温度、ランクに応じて、その予備吐
出における吐出数が定められ、これにより、予備吐出が
行われる記録ヘッドのインク増粘等の程度に比較的正確
に対応した吐出数で予備吐出を行うことが可能となる。

【００５９】この結果、過不足のない予備吐出を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかるインクジェット装置
の概略斜視図である。

【図２】図１に示した記録ヘッドの構造を示す模式的断
面図である。

【図３】本発明の第１実施例にかかるインクジェット装
置の制御構成を示すブロック図である。

【図４】上記第１実施例の予備吐出ルーチンの処理手順
を示すフローチャートである。

【図５】本発明の第２実施例にかかるインクジェット装
置の制御構成を示すブロック図である。

【図６】上記第２実施例の予備吐出ルーチンの処理手順
を示すフローチャートである。

【図７】本発明の第３実施例にかかるインクジェット装
置の制御構成を示すブロック図である。

【図８】上記第３実施例の予備吐出ルーチンの処理手順
を示すフローチャートである。

【図９】上記第３実施例における記録ヘッドのランクを
示す抵抗を含んだランク検出回路の回路ブロック図であ
る。

【符号の説明】

１被記録媒体２，３搬送ローラ４シート送りモータ５ガイドシャフト６キャリッジ７キャリッジモータ８ワイア９記録ヘッド９Ａシアン用記録ヘッド９Ｂマゼンタ用記録ヘッド９Ｃイエロー用記録ヘッド９Ｄブラック用記録ヘッド９Ｅ〜９Ｈ記録ヘッド温度検出器９Ｉ〜９Ｌ記録ヘッドランク抵抗１０インク吐出口１０Ａ液路１０Ｂ共通液室１１電気熱変換体１１Ａ気泡１２飛翔インク滴１３ヒートドライバ１４ホスト機１５インクカートリッジ１５Ｅ〜１５Ｈカートリッジ装着検出器１６Ａ〜１６Ｂ操作キー１６Ｅアラームランプ１６Ｆ電源ランプ１７制御基板２１ＣＰＵ２３データメモリ２４プログラムメモリ２５ワーキングメモリ２８電源装置４３，４４入力ポート４５Ａ／Ｄ変換回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者福井博東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インクを吐出するための記録ヘッドを用
い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出して記
録を行うインクジェット装置において、記録ヘッドの吐出特性を良好にするための予備吐出にか
かる記録ヘッドが吐出するインクの種類を判別するイン
ク判別手段と、該インク判別手段が判別するインクの種類に応じて当該
記録ヘッドの予備吐出における吐出数を設定する設定手
段と、該設定手段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐
出を実行する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とするインクジェット装置。
【請求項２】インクを吐出するための記録ヘッドを用
い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出して記
録を行うインクジェット装置において、記録ヘッドの吐出特性を良好にするための予備吐出にか
かる記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段が検出する温度に応じて、当該記録ヘッ
ドの予備吐出における吐出数を設定する設定手段と、該設定手段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐
出を実行する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とするインクジェット装置。
【請求項３】インクを吐出するための記録ヘッドを用
い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出して記
録を行うインクジェット装置において、記録ヘッドの吐出特性を良好にするための予備吐出にか
かる記録ヘッドのランクを判別するランク判別手段と、該ランク判別手段が判別するランクに応じて当該記録ヘ
ッドの予備吐出における吐出数を設定する設定手段と、該設定手段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐
出を実行する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とするインクジェット装置。
【請求項４】インクを吐出するための記録ヘッドを用
い、該記録ヘッドから被記録媒体へインクを吐出して記
録を行うインクジェット装置において、記録ヘッドの吐出特性を良好にするための予備吐出にか
かる記録ヘッドが吐出するインクの種類を判別するイン
ク判別手段と、前記予備吐出にかかる記録ヘッドの温度を検出する温度
検出手段と、前記予備吐出にかかる記録ヘッドのランクを判別するラ
ンク判別手段と、前記インク判別手段が判別するインクの種類、前記温度
検出手段が検出する温度および前記ランク判別手段が判
別するランクの組合せに応じて当該記録ヘッドの予備吐
出における吐出数を設定する設定手段と、該設定手段が設定した吐出数で当該記録ヘッドの予備吐
出を実行する予備吐出実行手段と、を具えたことを特徴とするインクジェット装置。
【請求項５】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
してインクに気泡を生じさせ該気泡の生成に伴なってイ
ンクを吐出することを特徴とする請求項１ないし４のい
ずれかに記載のインクジェット装置。