JPH06246820A - ポリエステル製射出中空成形体 - Google Patents

ポリエステル製射出中空成形体

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JPH06246820A
JPH06246820A JP11740993A JP11740993A JPH06246820A JP H06246820 A JPH06246820 A JP H06246820A JP 11740993 A JP11740993 A JP 11740993A JP 11740993 A JP11740993 A JP 11740993A JP H06246820 A JPH06246820 A JP H06246820A
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勝利 村松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、土壌等に埋めた場合生分解性を有
し、熱安定性および機械的強度に優れており、洗剤、化
粧品等各種容器及び工業用製品として有用な射出中空成
形体を提供することにある。 【構成】 温度190℃、剪断速度100sec-1にお
ける溶融粘度が3.0×103 〜2.0×105 ポイ
ズ、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエステルか
らなる射出中空成形体。 【効果】 生分解性を有し、熱安定性および機械的強度
に優れた射出中空成形体が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有し、実用
上十分な高分子量と特定の溶融特性を有する脂肪族ポリ
エステルを用いた、熱安定性および機械的強度に優れた
射出中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工業用、家庭用を問わず、その生
産性、多様性、ファッション性、耐薬品性、防錆性の点
からプラスチックの中空成形容器化が進む一方、これら
多量に使用されているプラスチックの廃棄物が、河川、
海洋、土壌を汚染する可能性を有し、大きな社会問題に
なっており、この汚染防止のため生分解性を有するプラ
スチックの出現が待望され既に、例えば、微生物による
発酵法により製造されるポリ(3−ヒドロキシブチレー
ト)やブレンド系の天然高分子である澱粉と汎用プラス
チックとのブレンド物等が知られている。しかし、前者
はポリマーの熱分解温度が融点に近いため成形加工性に
劣ることや微生物が作りだすため、原料原単位が非常に
悪い欠点を有している。また、後者は天然高分子自身が
熱可塑性でないため、成形性に難があり利用範囲に大き
な制約を受けている。一方、脂肪族のポリエステルは生
分解性を有することは知られていたが、実用的な成形品
物性を得るに十分な高分子量物が得られないために、ほ
とんど利用されなかった。最近、ε−カプロラクトンが
開環重合により高分子量になることが見いだされ、生分
解性樹脂として提案されているが、融点が62℃と低
く、原料が高価なため特殊用途への利用に限定されてい
る。グリコール酸や乳酸などもグリコリドやラクチドの
開環重合により高分子量が得られ、僅かに医療用繊維等
に利用されているが、融点と分解温度が近く、成形加工
性に欠点を持ち、プラスチック製射出中空容器に大量に
使用されるには至っていない。
【0003】これら工業用とか家庭用の中空成形体の成
形に通常用いられている高分子量ポリエステル(ここで
言う高分子量ポリエステルとは、数平均分子量が10,
000以上を指す)は、テレフタル酸(ジメチルテレフ
タレートを含む)とエチレングリコールとの縮合体であ
るポリエチレンテレフタレートに限定されるといっても
過言ではない。テレフタル酸の代りに、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を用いた例もあるが、いずれも、生分
解性を付与しようとする試みの報告はまだされていない
のが現状である。従って、従来ジカルボン酸に脂肪族タ
イプを使用した、生分解性を有する脂肪族のポリエステ
ルを用いて、射出中空成形体を成形し、実用化しようと
するとの思想は皆無といってよい。この実用化の思想の
生まれていない理由の一つは、プラスチック製射出中空
成形体が、特殊な成形条件と、成形品物性が要求される
にもかかわらず、たとえ結晶性であったとしても、前記
脂肪族のポリエステルの融点は100℃以下のものがほ
とんどであり、その上溶融時の熱安定性に乏しいこと、
更に重要なことはこの脂肪族のポリエステルの性質、特
に引張り強さで代表される機械的性質が、上記ポリエチ
レンテレフタレートと同一レベルの数平均分子量でも著
しく劣った値しか示さず、強度等を要する成形物を得よ
うとするとの発想をすること自体困難であったものと考
えられる。さらに脂肪族のポリエステルの数平均分子量
をより上昇させて物性向上を期待する研究は、その熱安
定性の不良から十分に進展していないこともその理由の
一つと推察される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら脂肪
族のポリエステルをその成分として用い、実用上十分な
高分子量を有し、熱安定性および引張り強さに代表され
る機械的性質に優れ、且つ、廃棄処分手段のひとつとし
ての生分解性、即ち、微生物等による分解も可能な、使
用後廃棄処分のしやすい射出中空成形体を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高分子量
で十分な実用性をもった射出中空成形体の成形性を有す
るポリエステルを得るための反応条件を種々検討した結
果、生分解性を保持しつつ、実用上十分な高分子量を有
する特定の脂肪族ポリエステルを得、これから成形され
た射出中空成形体は上記生分解性を有することはもちろ
ん熱安定性および機械的強度に優れていることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、(A)温度190
℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が3.0
×103 〜2.0×105 ポイズであり、融点が70〜
190℃である脂肪族ポリエステルからなる射出中空成
形体、(B)脂肪族ポリエステルが数平均分子量10,
000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレタン
結合を含む(A)の射出中空成形体、(C)数平均分子
量が5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に、0.1〜5重量部
のジイソシアナートを反応させることにより得られる脂
肪族ポリエステルを用いてなる(A)又は(B)の射出
中空成形体、(D)引張破断強さが320kg/cm2
以上、破断伸びが300%以上、剛性が3000kg/
cm2 以上及びプレスで測定した23℃でのノッチ付き
アイゾット衝撃強度の値が1.0kg・cm/cm2
上である(A)、(B)または(C)の射出中空成形体
にある。以下、本発明の内容を詳細に説明する。
【0007】本発明でいう脂肪族ポリエステルとは、グ
リコール類とジカルボン酸(またはその酸無水物)との
2成分、あるいは必要に応じて、これに第三成分とし
て、3官能または4官能の多価アルコール、オキシカル
ボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)か
ら選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて反応し
て得られたポリエステルを主成分とするものであり、分
子の末端にヒドロキシル基を有する、比較的高分子量の
ポリエステルプレポリマーを作り、これをカップリング
剤により、さらに高分子量化させたものである。
【0008】従来から、末端基がヒドロキシル基であ
る、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子量
ポリエステルプレポリマーをカップリング剤としてのジ
イソシアナートと反応させて、ポリウレタンとし、ゴ
ム、フォーム、塗料、接着剤とすることは広く行われて
いる。しかし、これらのポリウレタン系フォーム、塗
料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマーは、
無触媒で合成されうる最大限の、数平均分子量が2,0
00〜2,500の低分子量プレポリマーであり、この
低分子量プレポリマー100重量部に対して、ポリウレ
タンとしての実用的な物性を得るためには、ジイソシア
ナートの使用量は10〜20重量部にも及ぶ必要があ
り、このように多量のジイソシアナートを150℃以上
の溶融した低分子量ポリエステルに添加すると、ゲル化
してしまい、通常の溶融成形可能な樹脂は得られない。
従って、このような低分子量のポリエステルプレポリマ
ーを原料とし、多量のジイソシアナートを反応させて得
られるポリエステルは本発明の射出中空成形体用原料に
は用いえない。
【0009】またポリウレタンゴムの場合のごとく、ジ
イソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイソシアナ
ート基に転換し、さらにグリコールで数平均分子量を増
大する方法も考えられるが、使用されるジイソシアナー
トの量は前述のように実用的な物性を得るにはプレポリ
マー100重量部に対して10重量部以上であり上記と
同様の問題がある。比較的高分子量のポリエステルプレ
ポリマーを使用しようとすればそのプレポリマー合成に
必要な重金属系の触媒が上記使用量のイソシアナート基
の反応性を著しく促進して、保存性不良、架橋反応、分
岐生成をもたらし、好ましくないことから、ポリエステ
ルプレポリマーとして無触媒で合成されたものを使用し
ようとすれば、数平均分子量は高くても2,500位が
限界である。
【0010】本発明に用いられる脂肪族ポリエステルを
得るためのポリエステルプレポリマーは、末端基が実質
的にヒドロキシル基であり、数平均分子量が5,000
以上、好ましくは10,000以上の比較的高分子量で
あり、融点が60℃以上の飽和脂肪族のポリエステルで
あり、グリコール類とジカルボン酸(またはその酸無水
物)とを触媒反応させて得られる。数平均分子量が5,
000未満、例えば2,500程度であると、本発明で
利用する0.1〜5重量部という少量のカップリング剤
では、良好な物性を有する射出中空成形体用ポリエステ
ルを得ることができない。数平均分子量が5,000以
上のポリエステルプレポリマーは、ヒドロキシル価が3
0以下であり、少量のカップリング剤の使用で、溶融状
態といった苛酷な条件下でも、残存する触媒の影響を受
けないので反応中にゲルを生ずることなく、高分子量ポ
リエステルを合成することができる。
【0011】使用されるグリコールとしては、脂肪族の
グリコールがあげられるが、とくに炭素数が2、4、
6、8及び10の偶数の直鎖アルキレン基をもつもので
あり、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,10−デカンジオール、並びにそれらの混
合物が好適である。これらのなかで、炭素数が小さいも
の、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールが高結晶性かつ高融点の
脂肪族ポリエステルを合成できるため好ましい。特にエ
チレングリコール及び1,4−ブタンジオールが良好な
結果を与えるので最適である。
【0012】グリコール類と反応して脂肪族のポリエス
テルを形成するには、脂肪族ジカルボン酸またはその酸
無水物が使用されるが、とくに炭素数が2、4、6、8
及び10の偶数の直鎖アルキレン基をもつもの、例えば
コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,
10−デカンジカルボン酸、無水コハク酸、並びにそれ
らの混合物が好ましい。これらのなかで、炭素数が小さ
いもの、例えばコハク酸、アジピン酸、無水コハク酸が
高結晶、高融点のポリエチレンを合成できるためより好
ましい。特にコハク酸又は無水コハク酸、およびこれら
と他のジカルボン酸、例えばアジピン酸、スベリン酸、
セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸との混合酸
が最も好ましい。混合酸とするときにおいて、例えばコ
ハク酸と他のジカルボン酸とからなる2成分系以上のそ
れぞれの成分の好適な混合割合は、通常、コハク酸が7
0モル%以上、好ましくは90モル%以上、コハク酸以
外のジカルボン酸が30モル%以下、好ましくは10モ
ル%以下が最も好ましい。特に、1,4−ブタンジオー
ルとコハク酸又はその酸無水物との組合せ、並びにエチ
レングリコールとコハク酸又はその酸無水物との組合せ
がポリエチレンと類似の融点を示し、本発明にとっては
最も望ましい組合せといえる。
【0013】(第三成分)これらのグリコール類および
ジカルボン酸の他に、必要に応じて、これに第三成分と
して、3官能または4官能の多価アルコール、オキシカ
ルボン酸および多価カルボン酸(またはその酸無水物)
から選ばれる少なくとも1種の多官能成分を加えて反応
させてもよい。この第三成分を加えることにより、分子
に長鎖の枝別れを生じ、分子量が大となるとともにMw
/Mnが大となり、すなわち分子量分布が広くなって、
フィルム成形等に望ましい性質を付与することができ
る。添加される多官能成分の量は、ゲル化の危険がない
ようにするためには、脂肪族ジカルボン酸(またはその
酸無水物)の成分全体100モル%に対して3官能の場
合は0.1〜5モル%であり、4官能の場合は0.1〜
3モル%である。
【0014】(多官能成分)第三成分として使用される
多官能成分としては、3官能または4官能の多価アルコ
ール、オキシカルボン酸および多価カルボン酸が挙げら
れる。3官能の多価アルコール成分としては、トリメチ
ロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が代表的
であり、4官能の多価アルコール成分は、ペンタエリト
リットが代表的である。
【0015】3官能のオキシカルボン酸成分は、(i)
カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分
子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個と
ヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれるが、市販品
が容易に、且つ低コストで入手可能といった点からは、
(i)の同一分子中に2個のカルボキシル基と1個のヒ
ドロキシル基とを共有するリンゴ酸が実用上有利であ
り、本発明の目的には十分である。4官能のオキシカル
ボン酸成分には、次の3種類がある。すなわち、(i)
3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一
分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基
と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイ
プ、(iii )3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシ
ル基とを同一分子中に共有するタイプがあり、いずれの
タイプも使用可能であるが、市販品が容易に、且つ低コ
ストで入手可能といった点からは、クエン酸ならびに酒
石酸が実用上有利であり、本発明の目的には十分であ
る。3官能の多価カルボン酸(またはその酸無水物)成
分は、例えばトリメシン酸、プロパントリカルボン酸等
を使用することができるが、実用上から無水トリメリッ
ト酸が有利であり、本発明の目的には十分である。4官
能の多価カルボン酸(またはその酸無水物)は、文献上
では脂肪族、環状脂肪族、芳香族等の各種タイプがある
が、市販品を容易に入手し得るといった点からは、例え
ば無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物が挙
げられ、本発明の目的には十分である。
【0016】これらグリコール類および多塩基酸は脂肪
族系が主成分であるが、少量の他成分たとえば芳香族系
を併用してもよい。但し、他成分を導入すると生分解性
が悪くなるため、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。本発明
に用いられる脂肪族ポリエステル用ポリエステルプレポ
リマーは、末端基が実質的にヒドロキシル基であるが、
そのためには合成反応に使用するグリコール類および多
塩基酸(またはその酸無水物)の使用割合は、グリコー
ル類を幾分過剰に使用する必要がある。
【0017】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。脱グリコール反応触媒としては、例えばアセトア
セトイル型チタンキレート化合物、並びに有機アルコキ
シチタン化合物等のチタン化合物があげられる。これら
のチタン化合物は、併用もできる。これらの例として
は、例えばジアセトアセトキシオキシチタン(日本化学
産業(株)社製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシ
チタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン等があげられる。チタン化合物の使用割合は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.001〜
1重量部、望ましくは0.01〜0.1重量部である。
チタン化合物はエステル化の最初から加えてもよく、ま
た脱グリコール反応の直前に加えてもよい。
【0018】さらに、数平均分子量が5,000以上、
望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒドロ
キシル基であるポリエステルプレポリマーに、さらに数
平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用され
る。カップリング剤としては、ジイソシアナート、オキ
サゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等があげられ、
特にジイソシアナートが好適である。なお、オキサゾリ
ンやジエポキシ化合物の場合はヒドロキシル基を酸無水
物等と反応させ、末端をカルボキシル基に変換してから
カップリング剤を使用することが必要である。ジイソシ
アナートはその種類には特に制限はないが、例えば次の
種類があげられる。2,4−トリレンジイソシアナー
ト、2,4−トリレンジイソシアナートと2,6−トリ
レンジイソシアナートとの混合体、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナー
ト、キシリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イ
ソホロンジイソシアナート、特に、ヘキサメチレンジイ
ソシアナートが、生成樹脂の色相、ポリエステル添加時
の反応性、等の点から好ましい。
【0019】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0. 1〜5重
量部、望ましくは0. 5〜3重量部である。0. 1重量
部未満では、カプリング反応が不十分であり、5重量部
を超えると、ゲル化が発生し易くなる。
【0020】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル製造装置内
か、或は溶融状態のポリエステルプレポリマー(例えば
ニーダー内での)に添加することが実用的である。
【0021】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テルは射出中空成形をするためには特定の溶融特性が要
求される。即ち温度190℃、剪断速度100sec-1
における溶融粘度は3.0×103 〜2.0×105
イズであり、好ましくは7.0×103 〜3.0×10
4 ポイズ、9.0×103 〜2.3×104 ポイズが特
に好ましい。2.0×105 ポイズを超えると外観が良
好な有底パリソンが得られず、3.0×103 ポイズ未
満では有底パリソンのコアからの離型性が悪く良好な肉
厚製品が得られない。
【0022】さらに、本発明において使用される脂肪族
ポリエステルの融点は70〜190℃であることが必要
であり、70〜150℃であることがより好ましく、特
に80〜135℃が好ましい。70℃未満では耐熱性が
不十分であり、使用時における変形が問題となり、19
0℃を超えるものは製造が難しい。70℃以上の融点を
得るためには、ポリエステルプレポリマーの融点は60
℃以上であることが必要である。
【0023】本発明において使用される脂肪族ポリエス
テル中にウレタン結合を含む場合のウレタン結合量は
0.03〜3.0重量%であり、0.05〜2.0重量
%が好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好ましい。
ウレタン結合量はC13NMRにより測定され、仕込み量
とよく一致する。0.03重量%未満ではウレタン結合
による高分子量化の効果が少なく、成形加工性に劣り、
3.0重量%を超えるとゲルが発生する。
【0024】本発明に係る射出中空成形体を得るため上
記の脂肪族ポリエステルを使用するに際しては、必要に
応じて酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他滑
剤、ワックス類、着色剤(着色ペレット、ドライカラ
−、マスタ−バッチ等各方式)、発泡剤、結晶化促進
剤、補強繊維等を併用できることは勿論である。すなわ
ち、酸化防止剤としては、p−tブチルヒドロキシトル
エン、p−tブチルヒドロキシアニソール等のヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤、ジステアリルチオジプロピ
オネート、ジラウリルチオジプロピオネート等のイオウ
系酸化防止剤等、熱安定剤としては、トリフェニルホス
ファイト、トリラウリルホスファイト、トリスノニルフ
ェニルホスファイト等、紫外線吸収剤としては、p−t
−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−ト
リヒドロキシブチロフェノン等、滑剤としては、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バ
リウム、パルミチン酸ナトリウム等、帯電防止剤として
は、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン、アルキルアミン、アルキルアリルスルホネート、ア
ルキルスルフォネート等、難燃剤として、ヘキサブロモ
シクロドデカン、トリス−(2,3−ジクロロプロピ
ル)ホスフェート、ペンタブロモフェニルアリルエーテ
ル等、無機充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、
酸化チタン、タルク、マイカ、硫酸バリウム、アルミナ
等、結晶化促進剤として、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ−トランスシクロヘキサンジメタノールテレフ
タレート等、補強繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、
ボロン繊維、炭化珪素繊維、グラファイト繊維、アルミ
ナ繊維、アモルファス繊維等の無機繊維、アラミド繊維
等の有機繊維等があげられる。
【0025】本発明に係る射出中空成形体に用いられる
脂肪族ポリエステルを主成分とする原料は、射出中空成
形法、サンドイッチ射出中空成形法によって中空製品化
される。射出中空成形の場合、可塑化される有底パリソ
ン樹脂温度は70〜220℃、好ましくは130〜20
0℃である、更に好ましくは140〜180℃である。
融点近辺では樹脂が充分に可塑化されず未溶融となるこ
とや、有底パリソンの肌あれ現象及びブロー時の延伸性
がなく良好な製品形状が得られないなどの不都合が発生
する。又220℃を越えると有底パリソンのコアからの
離型性が悪くなり不都合がある。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。 (実施例1)700Lの反応機を窒素置換してから、
1,4−ブタンジオール183kg、コハク酸224k
gを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、192〜22
0℃にて3.5時間、更に窒素を停止して20〜2mm
Hgの減圧下にて3.5時間にわたり脱水縮合によるエ
ステル化反応を行った。採取された試料は、酸価が9.
2mg/g、数平均分子量(Mn)が5,160、また
重量平均分子量(Mw)が10,670であった。引続
いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシ
チタン34gを添加した。温度を上昇させ、温度215
〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧下にて5.5
時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数
平均分子量(Mn)が16,800、また重量平均分子
量(Mw)が43,600であった。このポリエステル
(A1)は、凝縮水を除くと収量は339kgであっ
た。
【0027】ポリエステル(A1)339kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート5.42kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.70kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B1)の収量は300kgであった。
【0028】得られたポリエステル(B1)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度は1.5×104 ポイズで
あった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11(昭和電工社製ゲルクロマトグラフ
ィー)),溶媒はCF3 COONaのHFIPA5mm
ol溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工(株)
製PMMA標準サンプルShodex Standar
d M−75で行った。
【0029】ポリエステル(B1)を使用し下記の条件
で射出中空成形容器を製造した。スクリュ−φ32m
m、型締圧力75tの成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は160℃、180℃、200℃、割金
型温度は20℃、ブロ−圧力は5kg/cm2 、冷却時
間は6secにて行った。
【0030】有底パリソン樹脂温度160℃、180
℃、200℃でコアからの離型性が良好であり、ブロー
成形した製品は良好な肉厚であった。また、得られた射
出中空成形容器に水を100%充填し、雰囲気温度5℃
で、1.2mの高さから落下させたが、繰り返し10回
の落下でも破壊せず、実用上充分使用可能であった。製
品の引張試験を行ったところ、破断強度は320kg/
cm2 以上、伸びは300%以上であった。製品を土中
に5ヶ月間埋めておいたところ、水を充填することがで
きない程度に生分解性が認められた。
【0031】(実施例2)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール177kg、コハク
酸198kg、アジピン酸25kgを仕込んだ。窒素気
流下に昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、
更に窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて3.
5時間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行っ
た。採取された試料は、酸価が9.6mg/g、数平均
分子量(Mn)が6,100、また重量平均分子量(M
w)が12,200であった。引続いて、常圧の窒素気
流下に触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加
した。温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜
0.2mmHgの減圧下にて6.5時間、脱グリコール
反応を行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)
が17,300、また重量平均分子量(Mw)が46,
400であった。このポリエステル(A2)は、凝縮水
を除くと収量は337kgであった。
【0032】ポリエステル(A2)333kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート4.66kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.70kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.70kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B2)の収量は300kgであった。
【0033】得られたポリエステル(B2)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が103
℃、数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分
子量(Mw)が200,900、MFR(190℃)は
0.52g/10分、オルトクロロフェノールの10%
溶液の粘度は680ポイズ、温度190℃、剪断速度1
00sec-1における溶融粘度は2.2×104 ポイズ
であった。
【0034】ポリエステル(B2)を使用し、実施例1
と同じ条件で中空成形容器を製造した。有底パリソン樹
脂温度160℃、180℃、210℃でコアからの離型
性が良好であリ、ブロー成形した製品は良好な肉厚であ
った。また、繰り返し落下試験の結果も良好であった。
得られた製品を5ヶ月間土中に埋めておいたところ実施
例1と同様の結果を得た。
【0035】(実施例3)700Lの反応機を窒素置換
してから、エチレングリコール145kg、コハク酸2
51kg、クエン酸4.1kgを仕込んだ。窒素気流下
に昇温を行い、190〜210℃にて3.5時間、更に
窒素を停止して20〜2mmHgの減圧下にて5.5時
間にわたり脱水縮合によるエステル化反応を行った。採
取された試料は、酸価が8.8mg/g、数平均分子量
(Mn)が6,800、また重量平均分子量(Mw)が
13,500であった。引続いて、常圧の窒素気流下に
触媒のテトライソプロポキシチタン20gを添加した。
温度を上昇させ、温度210〜220℃で15〜0.2
mmHgの減圧下にて4.5時間、脱グリコール反応を
行った。採取された試料は数平均分子量(Mn)が3
3,400、また重量平均分子量(Mw)が137,0
00であった。このポリエステル(A3)は、凝縮水を
除くと収量は323kgであった。
【0036】ポリエステル(A3)323kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート3.23kgを
添加し、180〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を1.62kgおよび滑剤として
ステアリン酸カルシウムを1.62kgを加えて、更に
30分間撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルー
ダーにて水中に押出し、カッターで裁断してペレットに
した。90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル
(B3)の収量は300kgであった。
【0037】得られたポリエステル(B3)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が96℃、
数平均分子量(Mn)が54,000、重量平均分子量
(Mw)が324,000、MFR(190℃)は1.
1g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶液の
粘度は96ポイズ、温度190℃、剪断速度100se
-1における溶融粘度は1.6×104 ポイズであっ
た。
【0038】ポリエステル(B3)を使用し、有底パリ
ソン樹脂温度を170℃、180℃、200℃で行った
以外は実施例1と同様に射出中空成形容器を製造した。
有底パリソン樹脂温度170℃、180℃、200℃で
コアからの離型性が良好であリ、ブロー成形した製品は
良好な肉厚であった。また、繰り返し落下試験の結果も
良好であった。製品の引張試験の結果は破断強度が32
0kg/cm2 以上、伸び300%以上と良好であっ
た。得られた製品を土中に5ヶ月間埋めておいたとこ
ろ、容器の形を崩した状態に分解変化をしていた。
【0039】(実施例4)700Lの反応機を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール200kg、コハク
酸250kgおよびトリメチロールプロパン2.8kg
を仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、192〜220
℃にて4.5時間、更に窒素を停止して20〜2mmH
gの減圧下にて5.5時間にわたり脱水縮合によるエス
テル化反応を行った。採取された試料は、酸価が10.
4mg/g、数平均分子量(Mn)が4,900、また
重量平均分子量(Mw)が10,000であった。引続
いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロポキシ
チタン37gを添加した。温度を上昇させ、温度210
〜220℃で15〜1.0mmHgの減圧下にて8.0
時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は数
平均分子量(Mn)が16,900、また重量平均分子
量(Mw)が90.300であった(Mw/Mn=5.
4)。このポリエステル(A4)は、理論的に凝縮水7
6kgを除くと収量は367kgであった。
【0040】ポリエステル(A4)367kgを含む反
応器にヘキサメチレンジイソシアナート3.67kgを
添加し、160〜200℃で1時間カプリング反応を行
った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。ついで、抗酸化剤としてイルガノックス1010
(チバガイギー社製)を367gおよび滑剤としてステ
アリン酸カルシウムを367gを加えて、更に30分間
撹拌を続けた。この反応生成物をエクストルーダーにて
水中に押出し、カッターで裁断してペレットにした。9
0℃で6時間、真空乾燥した後のポリエステル(B4)
の収量は350kgであった。
【0041】得られたポリエステル(B4)は、僅かに
アイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が17,900、重量平均分
子量(Mw)が161,500(Mw/Mn=9.
0)、MFR(190℃)は0.21/10分、温度1
80℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度は
2.0×104 ポイズであった。平均分子量の測定は、
Shodex GPC System−11(昭和電工
社製ゲルクロマトグラフィー)),溶媒はCF3 COO
NaのHFIPA2mmol溶液、濃度0.1重量%、
検量線は昭和電工(株)製PMMA標準サンプルSho
dex Standard M−75で行った。
【0042】ポリエステル(B4)を使用し下記の条件
で射出中空成形容器を製造した。スクリュ−φ32m
m、型締圧力75tの成形機により、製品平均肉厚0.
5mm、容量200mlの円筒容器を成形した。有底パ
リソン樹脂温度は160℃、180℃、200℃、割金
型温度は20℃、ブロ−圧力は5kg/cm2 、冷却時
間は6secにて行った。
【0043】有底パリソン樹脂温度160℃、180
℃、200℃でコアからの離型性が良好であり、ブロー
成形した製品は良好な肉厚であった。また、得られた射
出中空成形容器に水を100%充填し、雰囲気温度5℃
で、1.2mの高さから落下させたが、繰り返し10回
の落下でも破壊せず、実用上充分使用可能であった。製
品の引張試験を行ったところ、破断強度は430kg/
cm2 、伸びは360%であった。製品を土中に5ヶ月
間埋めておいたところ、水を充填することができない程
度に生分解性が認められた。
【0044】(比較例1)実施例1におけるポリエステ
ル(A1)を使用し、有底パリソン樹脂温度を120
℃、130℃にて射出中空成形容器を製造したが、有底
パリソンが均一にふくらまず、良好な製品が得られなか
った。また、有底パリソン樹脂温度を230℃にて射出
中空成形容器を製造したが有底パリソンのコアからの離
型性が悪く良好な肉厚製品が得られなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度が3.0×103 〜2.0
×105 ポイズであり、融点が70〜200℃である脂
肪族ポリエステルからなる射出中空成形体、特に、数平
均分子量が5,000以上、融点が60℃以上の脂肪族
ポリエステルプレポリマー100重量部に、0.1〜5
重量部のジイソシアナートを反応させることにより得ら
れる、脂肪族ポリエステルを用いてなる射出中空成形体
は、土壌等に埋めた場合生分解性を有し、焼却処理した
としても燃焼発熱量はポリエチレンやポリプロピレンと
比較して低く、熱安定性および機械的強度に優れてお
り、洗剤、化粧品等各種容器及び工業用製品として有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝山 栄一郎 神奈川県鎌倉市西鎌倉4−12−4

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度190℃、剪断速度100sec-1
    における溶融粘度が3.0×103 〜2.0×105
    イズであり、融点が70〜190℃である脂肪族ポリエ
    ステルからなる射出中空成形体。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルが数平均分子量1
    0,000以上であり、0.03〜3.0重量%のウレ
    タン結合を含む請求項1に記載の射出中空成形体。
  3. 【請求項3】 数平均分子量が5,000以上、融点が
    60℃以上の脂肪族ポリエステルプレポリマー100重
    量部に、0.1〜5重量部のジイソシアナートを反応さ
    せることにより得られる、脂肪族ポリエステルを用いて
    なる請求項1または請求項2に記載の射出中空成形体。
  4. 【請求項4】 引張破断強さが320kg/cm2
    上、破断伸びが300%以上、剛性が3000kg/c
    2 以上及びプレスで測定した23℃でのノッチ付きア
    イゾット衝撃強度の値が1.0kg・cm/cm2 以上
    である請求項1ないし請求項3に記載の射出中空成形
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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