JPH0624456B2 - 掘取機の鉢押え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、掘取機の鉢押え装置に関するものである。

半弓状のブレードを回転せさ、木の根元の周囲の土を末
端部の根を切断しつつ切り取る掘取機が存在するが、土
自体は一定の層をなして堆積しているものであるため、
ブレードが下方に回転するときは、土が支えとなって根
および土の切断は良好に行えるが、ブレードが半周し、
上方に回転するときは、支えがないため、根や土の切断
抵抗が土の固結力を越え、土が崩れてしまうとともに、
根が切断されずにそのまま浮き上がってしまう欠点があ
った。

この発明は、このような欠点を解消するものであり、車
体から前延するアーム状のブレード受けによって前端を
支持させた半弓状のブレードを回転させ、木の根元周囲
の土を半球状に切り取る掘取機において、この掘取機に
前記ブレード受けの反対側、すなわち、前記ブレードの
回転方向終端側の土の上面を押え付ける鉢押え装置を設
けたことを特徴とする掘取機の鉢押え装置を提供するこ
とで、どのような条件であっても、常に良好な切り取り
（鉢取り）が行なえるようにしたものである。

以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、掘取機の側面図、第２図は同じく平面図、第
３図は第１図の反対側から見た同じく側面図、第４図は
第１図のＡ矢視図である。

掘取機は、車体１の前部に前処理部２を枢着軸３、３に
よって連結するとともに、この前処理部２を油圧シリン
ダ４によって前記した枢着軸３、３の回りに俯仰可能に
構成する。

前処理部２には、枢着軸３、３と同芯的に入力軸５が設
けられており、これに伝達された動力は、振動回転発生
装置６、等速回転付与装置７を経て前処理部２の前端か
らわずか突出する主軸８へ伝えられる。一方、前処理部
２からアーム状のブレード受け９が前延しており、その
前端と前記した主軸８とで半弓状のブレード１０の回転
軸（中心軸）を支持する。

以上により、掘り取るべき木１１をブレード１０のほぼ
中心にセットしてブレード１０を回転させると、前記し
た振動回転発生装置６と等速回転付与装置７によって主
軸８に縦振動回転力が付与され、ブレード１０を縦振動
させつつ回転させる。これにより、木１１の根元の土塊
１２をブレード１０の半弓形状に対応した形で切り取
る。

ところで、この発明は、土塊１２を切り取る際、それが
崩れないような鉢押え装置１３を設けたものである。

鉢押え装置１３は、土を直接押える押え板１４と、この
押え板１４を車体１に支持させるためのフレーム１５等
から構成されるが、鉢押え装置１３に前記した良好な鉢
取り機能を発揮させるためと、ブレード受け９との干渉
を避けるため等から、ブレード受け９の反対側、すなわ
ち、ブレード１０の回転方向終端側に設けられる。さら
に、浮き上がりそうになるのはブレード１０の回転軌跡
内の土塊１２であるから、鉢押え装置１３の押え板１４
はこの部分の土を押える形態のものが好ましい。

また、土塊１２を切り取る際には、前処理部２をそのブ
レード受け９が地面に接触する程度まで降下させるので
あるから、鉢押え装置１３は、このときその押え板１４
が地面に接当すべく、前処理部２等に固定的に装着した
ものでもよいが、油圧シリンダ１６等によって、前処理
部２と個別に上下運動をするものの方が好ましい。

なお、このような鉢押え装置１３の使用方法は、木１１
に対してブレード１０をセットし、前処理部２を下げて
差動させようとする前に、鉢押え装置１３の押え板１４
を下げて土を押え付けておけばよい。

この発明は、前記した構成からなり、また、作用をする
ものであるから、以下の効果が期待できる。

まず、鉢押え装置１３でブレード１０の回転方向終端側
の土の上面を押え付けておくのであるから、ブレード１
０が上方回動し、それに伴って土を崩そうとしても、こ
れを防止する。特に、押え板１４でブレード１０の回転
軌跡内の土を押え付けておけば、土崩れ防止を一層助長
する。したがって、根が土付きのまま半球状に切り取
れ、根の傷みが少ない上、植え変えた場合等の根付きが
良い。

次に、このような鉢押え装置１３を前処理部２とは別個
に上下移動可能に構成しておくことで、押え板１４の押
え力を調節でき、最適な土押えをすることができるとと
もに、作業性も向上させ得るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の実施例を示すもので、第１図は、掘
取機の側面図、第２図は同じく平面図、第３図は第１図
の反対側から見た同じく側面図、第４図は第１図のＡ矢
視図である。 （符号） １……車体 ２……前処理部 １０……ブレード １１……木 １３……鉢押え装置 １４……押え板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体(1)から前延するアーム状のブレード
   受け(9)によって前端を支持させた半弓状のブレード(1
   0)を回転させ、木(11)の根元周囲の土を半球状に切り取
   る掘取機において、この掘取機に前記ブレード受け(9)
   の反対側、すなわち、前記ブレード(10)の回転方向終端
   側の土上面を押え付ける鉢押え装置(13)を設けたことを
   特徴とする掘取機の鉢押え装置。
2. 【請求項２】鉢押え装置(13)を構成する押え板(14)がブ
   レード(10)の回転軌跡内の土を押える形態であることを
   特徴とする特許請求の範囲第項記載の掘取機の鉢押え
   装置。
3. 【請求項３】鉢押え装置(13)を前処理部(2)に取付ける
   とともに、この前処理部(2)とは別個に上下移動可能に
   構成したことを特徴とする特許請求の範囲第項または
   第項記載の掘取機の鉢押え装置。