JPH06244419A - 薄膜トランジスタ - Google Patents
薄膜トランジスタInfo
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- JPH06244419A JPH06244419A JP4881393A JP4881393A JPH06244419A JP H06244419 A JPH06244419 A JP H06244419A JP 4881393 A JP4881393 A JP 4881393A JP 4881393 A JP4881393 A JP 4881393A JP H06244419 A JPH06244419 A JP H06244419A
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- film transistor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高特性で且つ特性変化が起こりにくいように
する。 【構成】 半導体薄膜14の中央部はn型のチャネル領
域14a、その両側はp+型の高濃度不純物領域14b
となっている。チャネル領域14aの上下にはドレイン
電極16およびソース電極12が設けられ、高濃度不純
物領域14bの上にはゲート電極17が設けられてい
る。そして、チャネル領域14aと高濃度不純物領域1
4bとによって形成されたpn接合部に空乏層19が生
じ、両空乏層間19における空乏化していないチャネル
領域14aが実質的なチャネルとなり、ゲート電圧によ
ってドレイン電流が制御されることになる。この場合、
ゲート絶縁膜がないので、ゲート絶縁膜中へのキャリヤ
の注入に起因する特性劣化が起こることはない。また、
半導体薄膜14を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成
すると、結晶粒界面に形成されるポテンシャルエネルギ
障壁に起因する特性劣化が起こることはない。
する。 【構成】 半導体薄膜14の中央部はn型のチャネル領
域14a、その両側はp+型の高濃度不純物領域14b
となっている。チャネル領域14aの上下にはドレイン
電極16およびソース電極12が設けられ、高濃度不純
物領域14bの上にはゲート電極17が設けられてい
る。そして、チャネル領域14aと高濃度不純物領域1
4bとによって形成されたpn接合部に空乏層19が生
じ、両空乏層間19における空乏化していないチャネル
領域14aが実質的なチャネルとなり、ゲート電圧によ
ってドレイン電流が制御されることになる。この場合、
ゲート絶縁膜がないので、ゲート絶縁膜中へのキャリヤ
の注入に起因する特性劣化が起こることはない。また、
半導体薄膜14を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成
すると、結晶粒界面に形成されるポテンシャルエネルギ
障壁に起因する特性劣化が起こることはない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は薄膜トランジスタに関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜トランジスタは、基本的に
は、例えば図7(A)に示すようなMOS構造となって
いる。この薄膜トランジスタでは、ガラス基板1上に設
けられた多結晶シリコン薄膜2の中央部を真性領域から
なるチャネル領域2aとされ、その両側をn+領域から
なるソース領域2bおよびドレイン領域2cとされ、チ
ャネル領域2a上にゲート絶縁膜3を介してゲート電極
4が設けられた構造となっている。
は、例えば図7(A)に示すようなMOS構造となって
いる。この薄膜トランジスタでは、ガラス基板1上に設
けられた多結晶シリコン薄膜2の中央部を真性領域から
なるチャネル領域2aとされ、その両側をn+領域から
なるソース領域2bおよびドレイン領域2cとされ、チ
ャネル領域2a上にゲート絶縁膜3を介してゲート電極
4が設けられた構造となっている。
【0003】次に、この薄膜トランジスタのオン動作時
の状態について説明する。まず、図8(A)に示すよう
に、ソース領域2bを接地するとともにドレイン領域2
cに正のドレイン電圧VDを印加した状態でゲート電極
4にドレイン電圧VDよりも大きいゲート電圧VGを印加
した場合には、チャネル領域2aにおける電界の様子
(ベクトル)が矢印で示すようになり、電界の向きが下
向きとなる。そして、電子はこの矢印と反対向きの力を
受けながらチャネル領域2aをソース領域2b側からド
レイン領域2c側に向かって流れることになる。ところ
で、電界の向きが下向きであるので、電子が上向きの力
を受けて流れることになり、このため電子がゲート絶縁
膜3側に加速されてゲート絶縁膜3中に飛び込んでしま
う可能性がある。すなわち、この場合のドレイン電圧V
Dは低いので電子は高速になりにくいが、一部の電子
(ラッキーエレクトロン)がシリコン原子との衝突をま
ぬがれて高速となり、ゲート絶縁膜3中に飛び込んでし
まうことになる。
の状態について説明する。まず、図8(A)に示すよう
に、ソース領域2bを接地するとともにドレイン領域2
cに正のドレイン電圧VDを印加した状態でゲート電極
4にドレイン電圧VDよりも大きいゲート電圧VGを印加
した場合には、チャネル領域2aにおける電界の様子
(ベクトル)が矢印で示すようになり、電界の向きが下
向きとなる。そして、電子はこの矢印と反対向きの力を
受けながらチャネル領域2aをソース領域2b側からド
レイン領域2c側に向かって流れることになる。ところ
で、電界の向きが下向きであるので、電子が上向きの力
を受けて流れることになり、このため電子がゲート絶縁
膜3側に加速されてゲート絶縁膜3中に飛び込んでしま
う可能性がある。すなわち、この場合のドレイン電圧V
Dは低いので電子は高速になりにくいが、一部の電子
(ラッキーエレクトロン)がシリコン原子との衝突をま
ぬがれて高速となり、ゲート絶縁膜3中に飛び込んでし
まうことになる。
【0004】一方、図7(B)に示すように、ゲート電
極4にドレイン電圧VDよりも小さい正のゲート電圧VG
を印加した場合には、チャネル領域2aにおける電界の
様子(ベクトル)が矢印で示すようになり、電界の向き
がドレイン領域2c付近で上向きとなる。そして、電子
はこの矢印と反対向きの力を受けながらチャネル領域2
aをソース領域2b側からドレイン領域2c側に向かっ
て流れることになる。ところで、この場合のドレイン電
圧VDは高いので、高速に加速された電子がシリコン原
子と衝突し、新たに電子と正孔の対が作られることにな
る(インパクトイオン化)。そして、新たに作られた正
孔は電界の向きと同方向の力を受けるので、この正孔が
ゲート絶縁膜3中に飛び込んでしまう可能性がある。ま
た、電界の向きがドレイン領域2c付近で上向きである
ので、電子が下向きの力を受けて流れることになり、こ
のため電子がガラス基板1側に加速されてガラス基板1
中に飛び込んでしまう可能性がある。
極4にドレイン電圧VDよりも小さい正のゲート電圧VG
を印加した場合には、チャネル領域2aにおける電界の
様子(ベクトル)が矢印で示すようになり、電界の向き
がドレイン領域2c付近で上向きとなる。そして、電子
はこの矢印と反対向きの力を受けながらチャネル領域2
aをソース領域2b側からドレイン領域2c側に向かっ
て流れることになる。ところで、この場合のドレイン電
圧VDは高いので、高速に加速された電子がシリコン原
子と衝突し、新たに電子と正孔の対が作られることにな
る(インパクトイオン化)。そして、新たに作られた正
孔は電界の向きと同方向の力を受けるので、この正孔が
ゲート絶縁膜3中に飛び込んでしまう可能性がある。ま
た、電界の向きがドレイン領域2c付近で上向きである
ので、電子が下向きの力を受けて流れることになり、こ
のため電子がガラス基板1側に加速されてガラス基板1
中に飛び込んでしまう可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の薄
膜トランジスタでは、図7(A)に示すような場合には
電子がゲート絶縁膜3中に飛び込む可能性があり、図7
(B)に示すような場合には正孔がゲート絶縁膜3中に
飛び込む可能性があるとともに電子がガラス基板1中に
飛び込む可能性がある。そして、ゲート絶縁膜3中にキ
ャリヤが捕らえられたり、あるいはガラス基板1中にキ
ャリヤが捕らえられたりすると、トランジスタの特性が
変化し、トランジスタの信頼性を損ねることになるとい
う問題があった。また、このような問題が生じない範囲
で使用するとすると、トランジスタの耐圧が限定されて
しまうという問題があった。なお、以上のような問題を
軽減するために、薄膜トランジスタをLDD構造あるい
はオフセット構造にすることがあるが、このような構造
の場合には一般に特性自体が劣化するという別の問題が
あった。また、多結晶シリコン薄膜トランジスタの場合
には、多結晶シリコン薄膜2に結晶粒界が多く存在し、
結晶粒界面は電子を捕らえる効果(捕獲準位の存在)を
有している。結晶粒界面に電子が捕らえられると、キャ
リアが減少するのみならず、結晶粒界面にポテンシャル
エネルギ障壁が形成される。したがって、図7(A)お
よび(B)に示すように、膜面に平行にチャネル領域2
aを形成すると、ポテンシャルエネルギ障壁の影響を大
きく受けることになり、特性がかなり劣化するという問
題があった。LDD構造あるいはオフセット構造にする
と、さらに特性が劣化することになる。この発明の目的
は、高特性で且つ特性変化が起こりにくいようにするこ
とのできる薄膜トランジスタを提供することにある。
膜トランジスタでは、図7(A)に示すような場合には
電子がゲート絶縁膜3中に飛び込む可能性があり、図7
(B)に示すような場合には正孔がゲート絶縁膜3中に
飛び込む可能性があるとともに電子がガラス基板1中に
飛び込む可能性がある。そして、ゲート絶縁膜3中にキ
ャリヤが捕らえられたり、あるいはガラス基板1中にキ
ャリヤが捕らえられたりすると、トランジスタの特性が
変化し、トランジスタの信頼性を損ねることになるとい
う問題があった。また、このような問題が生じない範囲
で使用するとすると、トランジスタの耐圧が限定されて
しまうという問題があった。なお、以上のような問題を
軽減するために、薄膜トランジスタをLDD構造あるい
はオフセット構造にすることがあるが、このような構造
の場合には一般に特性自体が劣化するという別の問題が
あった。また、多結晶シリコン薄膜トランジスタの場合
には、多結晶シリコン薄膜2に結晶粒界が多く存在し、
結晶粒界面は電子を捕らえる効果(捕獲準位の存在)を
有している。結晶粒界面に電子が捕らえられると、キャ
リアが減少するのみならず、結晶粒界面にポテンシャル
エネルギ障壁が形成される。したがって、図7(A)お
よび(B)に示すように、膜面に平行にチャネル領域2
aを形成すると、ポテンシャルエネルギ障壁の影響を大
きく受けることになり、特性がかなり劣化するという問
題があった。LDD構造あるいはオフセット構造にする
と、さらに特性が劣化することになる。この発明の目的
は、高特性で且つ特性変化が起こりにくいようにするこ
とのできる薄膜トランジスタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一導電型不純物を低濃度にドープされたチャネル領域の
両側に他導電型不純物を高濃度にドープされた高濃度不
純物領域を有してなる半導体薄膜と、前記高濃度不純物
領域に直接接続して設けられたゲート電極と、前記チャ
ネル領域の膜厚方向の両側にそれぞれ直接接続してまた
は一導電型不純物を高濃度にドープされた半導体層を介
して設けられたソース電極およびドレイン電極とを具備
したものである。請求項2記載の発明は、前記半導体薄
膜を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成したものであ
る。
一導電型不純物を低濃度にドープされたチャネル領域の
両側に他導電型不純物を高濃度にドープされた高濃度不
純物領域を有してなる半導体薄膜と、前記高濃度不純物
領域に直接接続して設けられたゲート電極と、前記チャ
ネル領域の膜厚方向の両側にそれぞれ直接接続してまた
は一導電型不純物を高濃度にドープされた半導体層を介
して設けられたソース電極およびドレイン電極とを具備
したものである。請求項2記載の発明は、前記半導体薄
膜を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成したものであ
る。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明によれば、一導電型のチャ
ネル領域とその両側の他導電型の高濃度不純物領域とに
よって形成されたpn接合部に空乏層が生じ、両空乏層
間における空乏化していないチャネル領域が実質的なチ
ャネルとなり、ゲート電圧によってドレイン電流を制御
することができることになる。この場合、ゲート絶縁膜
を有していないので、ゲート絶縁膜中へのキャリヤの注
入に起因する特性劣化が起こらないようにすることがで
きる。また、請求項2記載の発明のように、半導体薄膜
を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成すると、筒状の
結晶粒界面に対してドレイン電流が平行に流れることと
なり、このため結晶粒界面に形成されるポテンシャルエ
ネルギ障壁に起因する特性劣化が起こらないようにする
ことができる。したがって、高特性で且つ特性劣化が起
こりにくいようにすることができる。
ネル領域とその両側の他導電型の高濃度不純物領域とに
よって形成されたpn接合部に空乏層が生じ、両空乏層
間における空乏化していないチャネル領域が実質的なチ
ャネルとなり、ゲート電圧によってドレイン電流を制御
することができることになる。この場合、ゲート絶縁膜
を有していないので、ゲート絶縁膜中へのキャリヤの注
入に起因する特性劣化が起こらないようにすることがで
きる。また、請求項2記載の発明のように、半導体薄膜
を柱状多結晶シリコン薄膜によって形成すると、筒状の
結晶粒界面に対してドレイン電流が平行に流れることと
なり、このため結晶粒界面に形成されるポテンシャルエ
ネルギ障壁に起因する特性劣化が起こらないようにする
ことができる。したがって、高特性で且つ特性劣化が起
こりにくいようにすることができる。
【0008】
【実施例】図1はこの発明の一実施例における薄膜トラ
ンジスタの要部を示したものである。この薄膜トランジ
スタはガラス基板11を備えている。ガラス基板11の
上面にはアルミニウム等の金属からなるソース電極12
が設けられている。ソース電極12の上面にはn+型の
多結晶シリコン薄膜からなるソース領域層13が設けら
れている。ソース領域層13の上面には多結晶シリコン
薄膜からなる半導体薄膜14が設けられている。半導体
薄膜14の中央部はn型のチャネル領域14aとなって
おり、その両側はp+型の高濃度不純物領域14bとな
っている。半導体薄膜14のチャネル領域14aの上面
にはn+型の多結晶シリコン薄膜からなるドレイン領域
層15が設けられている。ドレイン領域層15の上面に
はアルミニウム等の金属からなるドレイン電極16が設
けられている。半導体薄膜14の両側の高濃度不純物領
域14bの上面にはアルミニウム等の金属からなるゲー
ト電極17が設けられている。ここで、ソース領域層1
3の膜厚は3000Å程度、半導体薄膜14の膜厚は3
000Å程度、ドレイン領域層15の膜厚は500Å程
度となっている。
ンジスタの要部を示したものである。この薄膜トランジ
スタはガラス基板11を備えている。ガラス基板11の
上面にはアルミニウム等の金属からなるソース電極12
が設けられている。ソース電極12の上面にはn+型の
多結晶シリコン薄膜からなるソース領域層13が設けら
れている。ソース領域層13の上面には多結晶シリコン
薄膜からなる半導体薄膜14が設けられている。半導体
薄膜14の中央部はn型のチャネル領域14aとなって
おり、その両側はp+型の高濃度不純物領域14bとな
っている。半導体薄膜14のチャネル領域14aの上面
にはn+型の多結晶シリコン薄膜からなるドレイン領域
層15が設けられている。ドレイン領域層15の上面に
はアルミニウム等の金属からなるドレイン電極16が設
けられている。半導体薄膜14の両側の高濃度不純物領
域14bの上面にはアルミニウム等の金属からなるゲー
ト電極17が設けられている。ここで、ソース領域層1
3の膜厚は3000Å程度、半導体薄膜14の膜厚は3
000Å程度、ドレイン領域層15の膜厚は500Å程
度となっている。
【0009】次に、このような構造の薄膜トランジスタ
を製造する場合の一例について説明する。まず、ガラス
基板11の上面にソース電極12用の金属膜をスパッタ
により堆積する。次に、ソース電極12用の金属膜の上
面にn+型の多結晶シリコン薄膜、p+型の多結晶シリコ
ン薄膜およびn+型の多結晶シリコン薄膜をこの順で連
続してP(プラズマ)CVDにより堆積する。この場
合、ガス流量や成膜温度等を最適化することにより、堆
積と同時に多結晶化することができる。一例として、S
iH4とSiF4とH2との混合ガスを用い、圧力0.1
〜10Torr、RF0.1〜0.5W/cm2、温度
100〜300℃の条件下で成膜すると、堆積と同時に
多結晶化することができる。この場合、例えば図4に示
すように、柱状の結晶子が膜面に対して垂直に成長し、
したがって柱状多結晶シリコン薄膜が堆積されることに
なる。次に、エッチングすることにより、ドレイン領域
層15、半導体薄膜14、ソース領域層13、ソース電
極12を形成する。次に、p+型の多結晶シリコン薄膜
からなる半導体薄膜14の中央部にn型不純物をドープ
し、n型のチャネル領域14aを形成する。次に、ドレ
イン電極16およびゲート電極17を金属膜でパターン
形成すると、図1に示すような薄膜トランジスタが得ら
れる。なお、ソース領域層13およびドレイン領域層1
5はアルミニウム等の金属によって形成してもよく、あ
るいは省略してもよい。そこで、次に説明する図2では
ソース領域層13およびドレイン領域層15を省略して
いる。
を製造する場合の一例について説明する。まず、ガラス
基板11の上面にソース電極12用の金属膜をスパッタ
により堆積する。次に、ソース電極12用の金属膜の上
面にn+型の多結晶シリコン薄膜、p+型の多結晶シリコ
ン薄膜およびn+型の多結晶シリコン薄膜をこの順で連
続してP(プラズマ)CVDにより堆積する。この場
合、ガス流量や成膜温度等を最適化することにより、堆
積と同時に多結晶化することができる。一例として、S
iH4とSiF4とH2との混合ガスを用い、圧力0.1
〜10Torr、RF0.1〜0.5W/cm2、温度
100〜300℃の条件下で成膜すると、堆積と同時に
多結晶化することができる。この場合、例えば図4に示
すように、柱状の結晶子が膜面に対して垂直に成長し、
したがって柱状多結晶シリコン薄膜が堆積されることに
なる。次に、エッチングすることにより、ドレイン領域
層15、半導体薄膜14、ソース領域層13、ソース電
極12を形成する。次に、p+型の多結晶シリコン薄膜
からなる半導体薄膜14の中央部にn型不純物をドープ
し、n型のチャネル領域14aを形成する。次に、ドレ
イン電極16およびゲート電極17を金属膜でパターン
形成すると、図1に示すような薄膜トランジスタが得ら
れる。なお、ソース領域層13およびドレイン領域層1
5はアルミニウム等の金属によって形成してもよく、あ
るいは省略してもよい。そこで、次に説明する図2では
ソース領域層13およびドレイン領域層15を省略して
いる。
【0010】次に、この薄膜トランジスタの動作につい
て図2を参照しながら説明する。まず、図2(A)に示
すように、ソース電極12を接地した状態で、ドレイン
電極16に0Vのドレイン電圧VDを印加するととも
に、2つのゲート電極17に0Vのゲート電圧VGを印
加する。ところで、この薄膜トランジスタでは、n型の
チャネル領域14aとその両側のp+型の高濃度不純物
領域14bとによってpn接合が形成されている。した
がって、この薄膜トランジスタはJFET(Junction Fe
ild Effect Transistor)とほぼ同様の構造となり、両p
n接合面18近傍に図2(A)において点線で示すよう
に空乏層19が形成され、両空乏層19間における空乏
化していないチャネル領域14aが実質的なチャネルと
なる。ここで、チャネル領域14aの幅は1μm程度と
なっている。この幅は狭すぎると、チャネル領域14a
全体が空乏化してしまい、実質的なチャネルが形成され
なくなる。一方、広すぎると、後で説明するゲート電圧
VGによるドレイン電流IDの制御がきかなくなる。
て図2を参照しながら説明する。まず、図2(A)に示
すように、ソース電極12を接地した状態で、ドレイン
電極16に0Vのドレイン電圧VDを印加するととも
に、2つのゲート電極17に0Vのゲート電圧VGを印
加する。ところで、この薄膜トランジスタでは、n型の
チャネル領域14aとその両側のp+型の高濃度不純物
領域14bとによってpn接合が形成されている。した
がって、この薄膜トランジスタはJFET(Junction Fe
ild Effect Transistor)とほぼ同様の構造となり、両p
n接合面18近傍に図2(A)において点線で示すよう
に空乏層19が形成され、両空乏層19間における空乏
化していないチャネル領域14aが実質的なチャネルと
なる。ここで、チャネル領域14aの幅は1μm程度と
なっている。この幅は狭すぎると、チャネル領域14a
全体が空乏化してしまい、実質的なチャネルが形成され
なくなる。一方、広すぎると、後で説明するゲート電圧
VGによるドレイン電流IDの制御がきかなくなる。
【0011】次に、図2(B)に示すように、2つのゲ
ート電極17に負のゲート電圧VGを印加すると、両空
乏層19が広がる。この場合、p+型の高濃度不純物領
域14bの不純物濃度をn型のチャネル領域14aの不
純物濃度よりもかなり高くしておくと、空乏層19は高
濃度不純物領域14b側へはほとんど広がらず、チャネ
ル領域14a側に広がって実質的なチャネルを狭くす
る。次に、図2(C)に示すように、ドレイン電極16
に比較的小さい正のドレイン電圧VDを印加すると、両
空乏層19がドレイン電極16側でわずかに広がり、実
質的なチャネルがドレイン電極16側でわずかに狭くな
る。これは、ドレイン電流IDによる電圧降下のためで
ある。このようなことはドレイン電圧VDを増すと増大
し、ついには図2(D)に示すように、両空乏層19が
ドレイン電極16側で接触し、ドレイン電流IDは飽和
することになる。
ート電極17に負のゲート電圧VGを印加すると、両空
乏層19が広がる。この場合、p+型の高濃度不純物領
域14bの不純物濃度をn型のチャネル領域14aの不
純物濃度よりもかなり高くしておくと、空乏層19は高
濃度不純物領域14b側へはほとんど広がらず、チャネ
ル領域14a側に広がって実質的なチャネルを狭くす
る。次に、図2(C)に示すように、ドレイン電極16
に比較的小さい正のドレイン電圧VDを印加すると、両
空乏層19がドレイン電極16側でわずかに広がり、実
質的なチャネルがドレイン電極16側でわずかに狭くな
る。これは、ドレイン電流IDによる電圧降下のためで
ある。このようなことはドレイン電圧VDを増すと増大
し、ついには図2(D)に示すように、両空乏層19が
ドレイン電極16側で接触し、ドレイン電流IDは飽和
することになる。
【0012】次に、図3はドレイン電流IDのドレイン
電圧VD、ゲート電圧VG依存性をおおまかに示したもの
である。この図から明らかなように、ドレイン電流ID
は、最初はドレイン電圧VDが増加するに従って漸次増
加した後あるドレイン電圧値で飽和し、またゲート電圧
VGが0Vと−1Vの場合には−1Vの方が早く飽和す
ることになる。このような特性を従来のMOS構造の薄
膜トランジスタと比較すると、ゲート電圧VGでドレイ
ン電流IDを制御する点が異なっているが、特性曲線と
しては似たものが得られる。また、この実施例の薄膜ト
ランジスタでは、ゲート絶縁膜を有していないので、ゲ
ート絶縁膜中へのキャリヤの注入に起因する特性変化が
起こることはない。
電圧VD、ゲート電圧VG依存性をおおまかに示したもの
である。この図から明らかなように、ドレイン電流ID
は、最初はドレイン電圧VDが増加するに従って漸次増
加した後あるドレイン電圧値で飽和し、またゲート電圧
VGが0Vと−1Vの場合には−1Vの方が早く飽和す
ることになる。このような特性を従来のMOS構造の薄
膜トランジスタと比較すると、ゲート電圧VGでドレイ
ン電流IDを制御する点が異なっているが、特性曲線と
しては似たものが得られる。また、この実施例の薄膜ト
ランジスタでは、ゲート絶縁膜を有していないので、ゲ
ート絶縁膜中へのキャリヤの注入に起因する特性変化が
起こることはない。
【0013】ところで、多結晶シリコン薄膜からなる半
導体薄膜14には結晶粒界が多く存在する。結晶粒径や
結晶粒界面は製法により異なるが、前述したように堆積
と同時に多結晶化すると、図4に示すように、柱状の結
晶子が膜面に対して垂直に成長することにより、柱状多
結晶シリコン薄膜からなる半導体薄膜14が堆積され
る。この場合、結晶粒径(筒状底面の直径)は数十Å程
度である。そして、図5(A)に示すように、半導体薄
膜14のn型のチャネル領域14aのシリコンの一部は
リン(P)に置き換えられている。リン(P)はシリコ
ン中において電子を1つ放出して正イオン(P+)とし
て存在している。そして、通常の場合、放出された電子
と正イオン(P+)とは混じり合って電気的に中性とな
っている。しかるに、筒状の結晶粒界面20に一部の電
子が捕らえられると、結晶粒界面20が負に帯電し、そ
の他の電子が電気的反発力により結晶粒界面20から遠
ざけられ、この結果結晶粒界面20近傍に正イオン(P
+)が取り残され、この部分が正に帯電される。図5
(B)はこの様子を電位で示したものである。ここで、
電子は負の電荷(−q)を持っているので、電位の谷は
エネルギ(−qV)で見ると山となり、結晶粒界面20
にポテンシャルエネルギ障壁が形成されることになる。
導体薄膜14には結晶粒界が多く存在する。結晶粒径や
結晶粒界面は製法により異なるが、前述したように堆積
と同時に多結晶化すると、図4に示すように、柱状の結
晶子が膜面に対して垂直に成長することにより、柱状多
結晶シリコン薄膜からなる半導体薄膜14が堆積され
る。この場合、結晶粒径(筒状底面の直径)は数十Å程
度である。そして、図5(A)に示すように、半導体薄
膜14のn型のチャネル領域14aのシリコンの一部は
リン(P)に置き換えられている。リン(P)はシリコ
ン中において電子を1つ放出して正イオン(P+)とし
て存在している。そして、通常の場合、放出された電子
と正イオン(P+)とは混じり合って電気的に中性とな
っている。しかるに、筒状の結晶粒界面20に一部の電
子が捕らえられると、結晶粒界面20が負に帯電し、そ
の他の電子が電気的反発力により結晶粒界面20から遠
ざけられ、この結果結晶粒界面20近傍に正イオン(P
+)が取り残され、この部分が正に帯電される。図5
(B)はこの様子を電位で示したものである。ここで、
電子は負の電荷(−q)を持っているので、電位の谷は
エネルギ(−qV)で見ると山となり、結晶粒界面20
にポテンシャルエネルギ障壁が形成されることになる。
【0014】ところで、この実施例の薄膜トランジスタ
では、チャネルが膜面に垂直であるので、筒状の結晶粒
界面20が電子を捕らえると、前述したようなpn接合
による空乏化のほかに、図6において点線で示すよう
に、結晶粒界による空乏層21も生じ、実質的なチャネ
ル幅がさらに狭くなる。この結果、チャネル幅(チャネ
ルの空乏化)のゲート電圧VG依存性も若干複雑になる
が、筒状の結晶粒界面20に対してドレイン電流IDが
平行に流れるので、ポテンシャルエネルギ障壁がドレイ
ン電流IDに与える影響は比較的少ない。このため、大
きなチャネルコンダクタンスが得られ、結晶粒界面20
に形成されるポテンシャルエネルギ障壁に起因する特性
劣化が起こらないようにすることができる。
では、チャネルが膜面に垂直であるので、筒状の結晶粒
界面20が電子を捕らえると、前述したようなpn接合
による空乏化のほかに、図6において点線で示すよう
に、結晶粒界による空乏層21も生じ、実質的なチャネ
ル幅がさらに狭くなる。この結果、チャネル幅(チャネ
ルの空乏化)のゲート電圧VG依存性も若干複雑になる
が、筒状の結晶粒界面20に対してドレイン電流IDが
平行に流れるので、ポテンシャルエネルギ障壁がドレイ
ン電流IDに与える影響は比較的少ない。このため、大
きなチャネルコンダクタンスが得られ、結晶粒界面20
に形成されるポテンシャルエネルギ障壁に起因する特性
劣化が起こらないようにすることができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、ゲート絶縁膜を有していないので、ゲート
絶縁膜中へのキャリヤの注入に起因する特性劣化が起こ
らないようにすることができる。また、請求項2記載の
発明のように、半導体薄膜を柱状多結晶シリコン薄膜に
よって形成すると、筒状の結晶粒界面に対してドレイン
電流が平行に流れることとなり、このため結晶粒界面に
形成されるポテンシャルエネルギ障壁に起因する特性劣
化が起こらないようにすることができる。したがって、
高特性で且つ特性劣化が起こりにくいようにすることが
できる。
明によれば、ゲート絶縁膜を有していないので、ゲート
絶縁膜中へのキャリヤの注入に起因する特性劣化が起こ
らないようにすることができる。また、請求項2記載の
発明のように、半導体薄膜を柱状多結晶シリコン薄膜に
よって形成すると、筒状の結晶粒界面に対してドレイン
電流が平行に流れることとなり、このため結晶粒界面に
形成されるポテンシャルエネルギ障壁に起因する特性劣
化が起こらないようにすることができる。したがって、
高特性で且つ特性劣化が起こりにくいようにすることが
できる。
【図1】この発明の一実施例における薄膜トランジスタ
の要部の断面図。
の要部の断面図。
【図2】(A)〜(D)はそれぞれこの薄膜トランジス
タの動作を説明するために示す概略図。
タの動作を説明するために示す概略図。
【図3】この薄膜トランジスタにおけるドレイン電流I
Dのドレイン電圧VD、ゲート電圧VG依存性を示す図。
Dのドレイン電圧VD、ゲート電圧VG依存性を示す図。
【図4】柱状多結晶シリコン薄膜を示す概略図。
【図5】(A)は柱状多結晶シリコン薄膜の筒状の結晶
粒界面に一部の電子が捕らえられた状態を示す概略図、
(B)はその場合の様子を電位で示した図。
粒界面に一部の電子が捕らえられた状態を示す概略図、
(B)はその場合の様子を電位で示した図。
【図6】柱状多結晶シリコン薄膜に筒状の結晶粒界面に
よる空乏層が生じた状態を示す概略図。
よる空乏層が生じた状態を示す概略図。
【図7】従来の薄膜トランジスタのオン動作時の状態を
説明するために示す図で、(A)はVG>VDの場合を示
す図、(B)はVG<VDの場合を示す図。
説明するために示す図で、(A)はVG>VDの場合を示
す図、(B)はVG<VDの場合を示す図。
12 ソース電極 14 半導体薄膜 14a チャネル領域 14b 高濃度不純物領域 16 ドレイン電極 17 ゲート電極 19 空乏層
Claims (3)
- 【請求項1】 一導電型不純物を低濃度にドープされた
チャネル領域の両側に他導電型不純物を高濃度にドープ
された高濃度不純物領域を有してなる半導体薄膜と、前
記高濃度不純物領域に直接接続して設けられたゲート電
極と、前記チャネル領域の膜厚方向の両側にそれぞれ直
接接続してまたは一導電型不純物を高濃度にドープされ
た半導体層を介して設けられたソース電極およびドレイ
ン電極とを具備することを特徴とする薄膜トランジス
タ。 - 【請求項2】 前記半導体薄膜は柱状多結晶シリコン薄
膜からなることを特徴とする請求項1記載の薄膜トラン
ジスタ。 - 【請求項3】 前記チャネル領域の幅は1μm程度であ
ることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4881393A JPH06244419A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 薄膜トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4881393A JPH06244419A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 薄膜トランジスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06244419A true JPH06244419A (ja) | 1994-09-02 |
Family
ID=12813654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4881393A Pending JPH06244419A (ja) | 1993-02-16 | 1993-02-16 | 薄膜トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06244419A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997022141A1 (fr) * | 1995-12-14 | 1997-06-19 | Seiko Epson Corporation | Procede de fabrication d'un film semi-conducteur mince et dispositif obtenu par ce procede |
US6391690B2 (en) | 1995-12-14 | 2002-05-21 | Seiko Epson Corporation | Thin film semiconductor device and method for producing the same |
JP2003209123A (ja) * | 2002-01-11 | 2003-07-25 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 縦型接合型電界効果トランジスタ、及び縦型接合型電界効果トランジスタの製造方法 |
US8378415B2 (en) | 2007-08-01 | 2013-02-19 | Elpida Memory, Inc. | Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device |
-
1993
- 1993-02-16 JP JP4881393A patent/JPH06244419A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997022141A1 (fr) * | 1995-12-14 | 1997-06-19 | Seiko Epson Corporation | Procede de fabrication d'un film semi-conducteur mince et dispositif obtenu par ce procede |
US6391690B2 (en) | 1995-12-14 | 2002-05-21 | Seiko Epson Corporation | Thin film semiconductor device and method for producing the same |
US6660572B2 (en) | 1995-12-14 | 2003-12-09 | Seiko Epson Corporation | Thin film semiconductor device and method for producing the same |
JP2003209123A (ja) * | 2002-01-11 | 2003-07-25 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 縦型接合型電界効果トランジスタ、及び縦型接合型電界効果トランジスタの製造方法 |
US8378415B2 (en) | 2007-08-01 | 2013-02-19 | Elpida Memory, Inc. | Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device |
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