JPH0624414Y2 - ウエルポイント打設装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は地下水位を降下させて地盤を改良する強制排
水工法のひとつであるウエルポイント工法に用いられる
ウエルポイント打設装置に関し、特にライザーパイプの
打設装置に関するものである。

［従来の技術及びその問題点］ 従来、ウエルポイント工法におけるライザーパイプ打設
技術の一つに、まず掘削場所に、ライザーパイプの径よ
り大きい径を有する外管内にビットを先端に取り付けた
内管をはめ込んだ掘削管をバイブロハンマにより打設し
て削孔し、次いで内管を引き上げ、その後にライザーパ
イプを挿入し、しかる後に外管を引き上げるものがあっ
た。

しかし、上記従来の技術は掘削管による削孔、内管及び
外管の引き上げ並びにライザーパイプの挿入と複数の手
順を採る必要があるとともに、多数の作業員を必要と
し、多数本のライザーパイプを打設するこのウエルポイ
ント工法においては作業効率が極めて悪いという問題が
あった。

また一方、掘削場所にライザーパイプを直接打設する技
術があるが、この技術は手順数は少なくなるものの、人
力によるものであるためライザーパイプを垂直に支持す
る者、ライザーパイプをパイプレンチ等により回転させ
ながら地中に挿入する者など最低でも４人ないし５人の
人手を必要とするとともにパイプを支持する者はパイプ
の打設完了までパイプを支持している必要があり、却っ
てそのために作業効率が悪くなり、また人手によるため
ライザーパイプを垂直に打設するのも難しいという問題
があった。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記問題点を解消するためになされたもの
で、この考案に係るウエルポイント打設装置は、先端部
にカッタあるいはフィルタが取り付けらるライザーパイ
プと、前記ライザーパイプの後端側に取り付けられた締
結装置と、前記締結装置に取り付けられるバイブロモー
タと、前記ライザーパイプの後端側に取り付けられる連
結装置とからなる構成としたものである。

［実施例］ 以下この考案に係る実施例を図面に基づいて説明する。
第１図はこの考案に係るウエルポイント打設装置を地中
Ｇに挿入打設する使用状態を示す図である。図中符号１
はライザーパイプである。

前記ライザーパイプ１は周知のもので、その径を略３０
mm〜４０mm、長さを略６〜８mとし、その先端にはカッ
タ２が取り付けられている。

前記カッタ２は前記ライザーパイプ１の径より大きい径
を有し、その先端部にはジェット水を噴出するための射
水孔２ａが形成されている。

また、前記ライザーパイプ１の後端側近くには締結装置
３が取り付けられている。

前記締結装置３は基盤４と、基盤４に形成されたチャッ
ク片５ａと、基盤４に回動自在に取り付けられ先端部に
チャック片５ｂを有する作動杆５ｃと、前記基盤４に取
り付けられ前記作動杆５ｃの一端を押圧して前記チャッ
ク片５ａ、５ｂでライザーパイプ１を締結固定するシリ
ンダ６とからなっている。なお、このシリンダ６は油
圧、空圧等により駆動される。

また、前記締結装置３の適宜位置にはラム７の先端側が
取り付けられている。

また、前記ラム７の上方には振動を与えるための２基の
バイブロモータ８、８が取り付けられている。

また前記ラム７の後端部は連結具９を介してクレーン１
０に吊り下げられたワイヤ１１に連結されている。

また、前記ライザーパイプ１の後端部は連結装置１２で
あるフレアレス管継手１２を介してジェットポンプ１３
に連結されたジェットホース１４に連結されている。

また、前記ジェットポンプ１４は水タンク１５に連絡さ
れており、前記ジェットホース１３を介して前記ライザ
ーパイプ１内へジェット水を送水できるようになってい
る。

また、前記シリンダ６、バイブロモータ８及びジェット
ポンプ１３は操作盤１６に電気的に接続されており、一
箇所で制御操作できるようになっている。

次に上記実施例のウエルポイント打設装置の使用方法に
ついて説明する。先ずライザーパイプ１の後端側を締結
装置３のチャック片５ａ、５ｂではさみ、シリンダ６で
締結固定する。

次いでバイブロモータ８、８が取り付けられるとともに
締結装置３に固定されたラム７の後端側をクレーン１０
で垂直方向に吊上げる。この場合、ライザーパイプ１も
一緒に上方へ吊上げられる。

続いて、作業員の１人がライザーパイプ１の先端、すな
わちカッタの先端部分を掘削個所にあてがう。

次いで、ライザーパイプ１が垂直方向になっているのを
確かめ、操作盤によりバイブロモータ８、８を作動さ
せ、このバイブロモータ８、８の上下振動をラム７及び
締結装置３を介してライザーパイプ１に伝達して徐々に
ライザーパイプ１を地中に挿入打設する。

この場合、ジェットポンプ１３を作動させてライザーパ
イプ１内に水を噴射させ、カッタ２の射水孔２ａから水
を噴出させながら挿入する。

そして、この場合クレーン１０で吊りながら挿入してお
り、ライザーパイプ１が倒れることがないため、ライザ
ーパイプ１の先端側がある程度の深さ（この場合深さは
浅くてすむ）に達したら、ライザーパイプ１から手を離
し、次ぎの掘削個所に移動できる。

上記実施例のウエルポイント打設装置によると、クレー
ン１０でライザーパイプ１を吊りながら、かつバイブロ
モータ８、８で上下振動を与えながら打設するので、ラ
イザーパイプ１は垂直方向に確実に挿入されるととも
に、バイブロモータ８の上下振動により打設するので細
い径のライザーパイプ１でも確実に打設される。

また、ライザーパイプ１の打設が完全に終わるまで作業
員が就いている必要がなく、次の掘削個所に移動し次ぎ
の作業準備に取り掛かれるので作業効率が極めて向上す
る。

しかもライザーパイプ１のあてがい作業に１人、操作盤
１６の操作に１人という具合にせいぜい２、３人の少な
い作業員ですむためコスト安とすることができる。

次に上記実施例の変形例を第３図に基づいて説明する。
図中符号１はライザーパイプで上記実施例のものと同一
構成である。

前記ライザーパイプ１の後端部には連結装置１７である
Ｔ字型管継手１７が取り付けられており、ライザーパイ
プ１及びジェットホース１４はワンンタッチカップリン
グ１８により前記Ｔ字型管継手１７に連結されている。

また、Ｔ字型管継手１７は締結装置１９を介してワイヤ
１１により吊り下げられたバイブロモータ８に連結され
ている。

そしてクレーンにより吊り下げた場合、ライザーパイプ
１、Ｔ字型管継手１７、締結装置１９およびバイブロモ
ータ８が垂直方向に略一直線状になるようになってい
る。

その他の構成は前記実施例と同じである。

上記変形例によるとライザーパイプ１、締結装置１９お
よびバイブロモータ８とが垂直方向に略一直線状になっ
ているため、バイブロモータ８の上下振動がロスなく、
かつ真上から伝わり、ライザーパイプ１が垂直方向に挿
入されやすくなる。

その他の効果は前記実施例と同じである。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案に係るウエルポイント打設
装置は、ライザーパイプの後端側に締結装置を取り付
け、この締結装置にバイブロモータを取り付けたので、
これらをクレーンで垂直方向に吊り上げ、バイブロモー
タで上下振動を加えながらライザーパイプを挿入打設で
き、径の細いライザーパイプでも確実に挿入打設できる
とともに、垂直方向を確実に挿入できる。

しかも作業員一人でライザーパイプの先端を掘削個所に
あてがうだけでライザーパイプを確実に挿入打設できる
ので、挿入打設完了まで付き添う必要がなく次の掘削個
所に直ちに移動でき、作業効率が向上するとともに、人
員、時間ともに節約できコスト安とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案に係るウエルポイント打設
装置の実施例を示すもので、第１図はこの装置の使用状
態を示す図、第２図は締結装置の要部図、第３図は変形
例を示す要部図である。 １……ライザーパイプ、２……カッタ、３……締結装
置、８……バイブロモータ、１２……連結装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ウエルポイント工法に用いられるウエルポ
   イント打設装置であって、前記打設装置は先端部にカッ
   タやフィルタが取り付けられるライザーパイプと、前記
   ライザーパイプの後端側に取り付けられた締結装置と、
   前記締結装置に取り付けられるバイブロモータと、前記
   ライザーパイプの後端側に取り付けられる連結装置とか
   らなることを特徴とするウエルポイント打設装置。