JPH06243782A - 細管ランプの曲げ加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極の装着、不純ガスの排出及び真空封止
の済んだ細管ランプを所望の形状に、かつ、ばらつきな
く曲げ成形する。 【構成】 図１（Ａ）に示す状態からヒータ７で細管ラ
ンプａを加熱しながら保持部材１０を回転させると、細
管ランプａはその一端を保持されている保持部１２側へ
引つ張られつつヒータ７の加熱により軟化した部分で曲
がりを生じるとともに、ヒータ７で加熱される位置が移
動することにより細管ランプａの曲がりを生じた部分が
ヒータ７から遠ざかつて硬化する。これが細管ランプａ
の長さ方向において保持部１２による保持位置側からロ
ーラ３による案内位置側に向かつて連続的に行われ、細
管ランプａは半円弧形状に曲げ成形される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶画面の裏側に装着
されるバツクライト等として用いられる細長い細管ラン
プの製造に際して、その細管ランプの形状を例えばＵ字
形のように曲げる加工を行うための装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示面の裏側に装着されるバツクア
ツプライトとしては、例えばＵ字形のような形状に曲げ
た細長い細管ランプが用いられている。このような非直
線形状の細管ランプを製造する手段として、従来は、中
空が外部に開放されているガラス細管に曲げ加工を施し
てその後に電極を装着するとともに不純ガスを排出して
真空状態に封止する工程を行う方法、または、電極の装
着、不純ガスの排出及び真空封止の済んだ直線形状のガ
ラス細管に曲げ加工を施すという方法が採られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】先に曲げ加工を施す方
法においては、不純ガスを排出するときの排気効率が悪
いばかりでなく、電極の装着、不純ガスの排出及び真空
封止を行うために用いられる後工程用の装置が複雑にな
るという欠点があり、しかも、後工程用の装置は通常一
定の曲げ形状のものだけに対応する専用機であることか
ら、曲げ形状の異なる多数種類の細管ランプを製造する
場合にはコストが高くつく等の問題があつた。

【０００４】また、電極の装着、不純ガスの排出及び真
空封止を行つた後で曲げ加工する方法においては、その
曲げ加工が作業者の手作業によつて行われていたため、
曲げの形状が一定にならなかつたり不良品が発生し易く
なるという問題があつた。

【０００５】本発明は上述の事情に鑑みて創案されたも
のであり、電極の装着、不純ガスの排出及び真空封止の
済んだ直線形状の細管ランプを、形状のばらつき及び不
良品の発生を生じることなく曲げ加工することができる
装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、細長い細管ランプの一端側部
分を長さ方向の遊動不能に保持する保持部材と、細管ラ
ンプの他端側部分を長さ方向の移動自由に案内して支持
する案内部材とを支持軸回りに相対回転するように組み
付け、案内部材の支持軸から離間した位置に細管ランプ
を加熱するヒータを取り付けた構成とした。

【０００７】

【作用】本発明は上記構成になり、保持部材の細管ラン
プを保持する位置、ヒータの取付け位置、及び、案内部
材の細管ランプを案内する位置が一直線上に順次に並
び、かつ、その並ぶ方向とヒータから支持軸へ向かう方
向とがほぼ直角となるように保持部材と案内部材の相対
姿勢を変える。

【０００８】かかる状態で、電極の装着、不純ガスの排
出及び真空封止の済んだ直線形状の細管ランプを、その
一端側部分が保持部材により長さ方向の遊動不能に保持
されるとともに他端側部分が案内部材により長さ方向の
移動自由に案内され、さらに、上記両端側部分の間の部
分がヒータで加熱される状態に装着する。

【０００９】この後、保持部材と案内部材を支持軸回り
に相対回転させると、細管ランプのヒータよりも案内部
材による案内位置側の直線部分とヒータよりも保持部材
による保持位置側の間の部分とが相対的に向きを変える
ことにより、細管ランプのヒータで加熱されて軟化した
部分が曲げ変形を生じる。

【００１０】ヒータは案内部材と一体となつて支持軸回
りに円を描くように保持部材に対して相対回転すること
から、細管ランプのヒータによつて加熱される位置は保
持部材による保持位置から離れる方向に相対移動する。
よつて、ヒータの加熱により軟化して曲げを生じた部分
はヒータの離間にともなう温度の低下により硬化して曲
がつた形状を保ち、また、ヒータの相対移動にともなつ
て新たに加熱される部分は軟化して曲げ変形を生じる。

【００１１】上記のようにして、ヒータで加熱しながら
曲げる加工が細管ランプの保持部材による保持位置から
案内部材による案内位置に向かつて連続的に行われ、そ
の結果、細管ランプは弧を描いた形状をなすように部分
的に曲げ成形される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の第１実施例を図１に基づいて
説明する。本第１実施例装置によつて曲げ加工される細
長い細管ランプａは、図示しない装置において直線形状
のままで電極の装着、不純ガスの排出及び真空封止の工
程が行われたものである。

【００１３】基台２には、対応させた外周の溝の間に通
した細管ランプａを長さ方向の移動可能に案内する二対
のローラ３、３が支持されており、この基台２とローラ
３とによつて本発明の構成要素である案内部材１が構成
されている。

【００１４】かかる案内部材１の基台２には、エアシリ
ンダ４の駆動によつてガイドバー５に案内されつつロー
ラ３の案内方向と平行に往復移動するスライダ６が設け
られており、このスライダ６には、通電によつて発熱す
るコイル状の導電線からなるヒータ７がそのコイルの中
心をローラ３の案内方向と一致させた状態で一体移動す
るように設けられている。

【００１５】ヒータ７の側方位置すなわちローラ３の案
内方向からずれた位置にはモータ等の駆動機構によつて
回転駆動される支持軸８が設けられている。この支持軸
８には、アーム１１の先端に細管ランプａを遊動不能に
保持する保持部１２を設けてなる保持部材１０がそのア
ーム１１の基端を固着することによつて一体回転するよ
うに取り付けられている。

【００１６】次に、本第１実施例の作用を説明する。ま
ず、支持軸８とともに保持部材１０を回転させることに
より、図１（Ａ）に示すように、保持部材１０の保持部
１２がヒータ７を間にしてローラ３と反対側でローラ３
の案内方向の延長線上に位置するようにし、直線形状の
細管ランプａをローラ３、３の間に通して案内するとと
もにヒータ７の中に貫通させ、さらに、細管ランプａの
一端部分を保持部１２で保持する。

【００１７】かかる状態で、ヒータ７を発熱させるとと
もにエアシリンダ４の駆動によりそのヒータ７を図１
（Ａ）に鎖線で示すように細管ランプａの長さ方向に往
復移動させ、細管ランプａの支持軸８に近い部分を一定
範囲にわたつて加熱して軟化させる。

【００１８】細管ランプａを軟化させた後、支持軸８と
ともに保持部材１０を回転させると、細管ランプａのヒ
ータ７から保持部１２で保持されている側の部分がヒー
タ７からローラ３で案内されている側の直線部分に対し
て向きを変えることにより、細管ランプａの軟化した部
分において曲がりが生じる。

【００１９】細管ランプａは保持部材１０の回転にとも
なつて保持部１２で保持されている一端側へ引つ張られ
ることとなるため、細管ランプａのヒータ７で加熱され
る箇所はローラ３で案内される他端側へ相対的に移動し
ていく。したがつて、細管ランプａの曲がりを生じた部
分はヒータ７から遠ざかることにより温度が低下して硬
化し、その曲がつた形状に保たれる。また、ヒータ７に
接近してその中空に入り込んだ部分は、新たに加熱され
て軟化し、保持部材１０の回転にともなつて曲がりを生
じる。

【００２０】上記のようにして、ヒータ７で加熱されな
がら曲げられる加工が細管ランプａの長さ方向において
保持部１２による保持位置側からローラ３による案内位
置側に向かつて連続的に行われる。その結果、細管ラン
プａは図１（Ｂ）に示す状態を経て同図（Ｃ）に示すよ
うに半円弧形状に曲げ成形される。

【００２１】なお、本第１実施例においては、曲げ加工
を開始する直前にヒータ７を往復移動させて細管ランプ
ａを一定長さの範囲にわたつて加熱するようにしたか
ら、局所的に加熱して軟化させた状態から曲げを開始し
た場合のように急角度で折れ曲がるということがなく、
滑らかに弧を描くように曲がるようになつている。

【００２２】同じく本第１実施例においては、通電によ
つて発熱する導電線をヒータ７として用いたから、バー
ナ等を用いた場合とは異なり、電流値または電圧値を変
えることによつてヒータ７による細管ランプａの加熱を
高い精度で制御することができる。

【００２３】次に、本発明の第２実施例を図２に基づい
て説明する。基台２２には、細管ランプａを貫通させた
状態で長さ方向の移動不能に保持する保持部２３が固定
されており、この基台２２と保持部２３とによつて本発
明の構成要素である保持部材２１が構成されている。

【００２４】かかる保持部材２１の基台２２には、その
保持部２３の細管ランプａを貫通させる方向からずれた
位置においてモータ等の図示しない駆動機構によつて回
転駆動される支持軸２４が設けられている。この支持軸
２４には、細管ランプａを長さ方向の移動自由に貫通さ
せて案内する案内部２７を備えた回動板２６からなる案
内部材２５が一体回転するように固着されている。かか
る案内部材２５の回動板２６には、通電によつて発熱す
るコイル状の導電線からなるヒータ２８が支持軸２４か
ら所定の間隔を空けて設けられている。

【００２５】次に、本第２実施例の作用を説明する。ま
ず、支持軸２４とともに案内部材２５を回転させること
により、図２（Ａ）に示すように、保持部材２１の保持
部２３、ヒータ２８及び案内部材２５の案内部２７が各
々の細管ランプａの貫通方向を一致させた状態で順次に
並ぶ状態にし、直線形状の細管ランプａを案内部２７に
通して案内するとともにヒータ２８の中に貫通させ、さ
らに、細管ランプａの一端部分を保持部２３で保持し、
かかる状態で、ヒータ２８を発熱させることにより細管
ランプａの支持軸２４に近い部分を加熱して軟化させ
る。

【００２６】細管ランプａを軟化させた後、支持軸２４
とともに案内部材２５を回転させると、細管ランプａの
ヒータ２８から案内部２７で案内されている側の直線部
分がヒータ２８から保持部２３で保持されている側の部
分に対して向きを変えることにより、細管ランプａの軟
化した部分において曲がりが生じる。

【００２７】ヒータ２８は回転する回動板２６に設けら
れているため、ヒータ２８が細管ランプａを加熱する箇
所は保持部２３で保持されている位置から離間する方向
へ移動していく。したがつて、細管ランプａの曲がりを
生じた部分はヒータ２８が遠ざかることにより温度が低
下して硬化し、その曲がつた形状に保たれる。また、ヒ
ータ２８が接近する部分は、新たに加熱されて軟化し、
回動板２６の回転にともなつて曲がりを生じる。

【００２８】上記のようにして、ヒータ２８で加熱され
ながら曲げられる加工が細管ランプａの長さ方向におい
て保持部２３による保持位置側から案内部２７による案
内位置側に向かつて連続的に行われる。その結果、細管
ランプａは図２（Ｂ）に示す状態を経て同図（Ｃ）に示
すように半円弧形状に曲げ成形される。

【００２９】

【発明の効果】上記実施例において具体的に説明したよ
うに、本発明の細管ランプの曲げ加工装置は、電極の装
着、不純ガスの排出及び真空封止の済んだ細管ランプに
曲げ加工を行うようになつているから、曲げた状態で電
極の装着、不純ガスの排出及び真空封止を行うための複
雑な装置が不要である。

【００３０】また、支持軸とヒータとの間の距離及び保
持部材と案内部材の相対回転角度を変えることによつて
所望の曲げ形状に成形することが可能であり、しかも、
作業者の手作業による場合とは異なり、曲げの形状のば
らつき及び不良品の発生が極めて少ない。

【００３１】さらに、コイル状の導電線に通電して発熱
させるようにしたものをヒータとして用いた場合には、
バーナ等を用いた場合とは異なり、ヒータによる加熱状
態を高精度で制御することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は第１実施例装置の曲げ加工前の状態を
あらわす平面図である。（Ｂ）は第１実施例装置の曲げ
加工中の状態をあらわす平面図である。（Ｃ）は第１実
施例装置の曲げ加工済みの状態をあらわす平面図であ
る。

【図２】（Ａ）は第２実施例装置の曲げ加工前の状態を
あらわす平面図である。（Ｂ）は第２実施例装置の曲げ
加工中の状態をあらわす平面図である。（Ｃ）は第２実
施例装置の曲げ加工済みの状態をあらわす平面図であ
る。

【符号の説明】

１、２５：案内部材 ７、２８：ヒータ ８、２４：支
持軸 １０、２１：保持部材 ａ：細管ランプ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 細長い細管ランプの一端側部分を長さ方
   向の遊動不能に保持する保持部材と、細管ランプの他端
   側部分を長さ方向の移動自由に案内して支持する案内部
   材とを支持軸回りに相対回転するように組み付け、前記
   案内部材の前記支持軸から離間した位置に細管ランプを
   加熱するヒータを取り付けたことを特徴とする細管ラン
   プの曲げ加工装置